JP4149419B2 - 鶏糞灰を原料に含む土質安定材 - Google Patents

鶏糞灰を原料に含む土質安定材 Download PDF

Info

Publication number
JP4149419B2
JP4149419B2 JP2004198725A JP2004198725A JP4149419B2 JP 4149419 B2 JP4149419 B2 JP 4149419B2 JP 2004198725 A JP2004198725 A JP 2004198725A JP 2004198725 A JP2004198725 A JP 2004198725A JP 4149419 B2 JP4149419 B2 JP 4149419B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ash
chicken
chicken dung
soil
lime
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004198725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006022124A (ja
Inventor
真宏 井
元一 杉原
義規 平山
Original Assignee
西日本地研株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 西日本地研株式会社 filed Critical 西日本地研株式会社
Priority to JP2004198725A priority Critical patent/JP4149419B2/ja
Publication of JP2006022124A publication Critical patent/JP2006022124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4149419B2 publication Critical patent/JP4149419B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

この発明は、鶏糞を焼却処分することにより発生する鶏糞灰の利用方法に関するものであり、鶏糞灰を消石灰又は生石灰と混合することにより再資源化するものである。さらに、鶏糞灰を石灰の一部代替え品として石灰とともに使用することにより、石灰の使用量を減じ環境保全に寄与するものである。
養鶏場においては毎日大量の鶏糞が発生するが、平成11年11月に定められた「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(家畜排泄物法)」により、家畜糞尿の野積みや素堀りによる放置が違法となった。
従来より、鶏糞は乾燥処理した乾燥鶏糞肥料や、発酵処理した発酵鶏糞肥料としては広く利用されている。しかし、乾燥処理や発酵処理しただけでは全国の養鶏場から毎日大量に排泄される鶏糞の適正処理には到底追いつかない。ちなみに、全国の養鶏飼育羽数の上位5県を表1に示す。鶏1羽あたりが排出する糞の量は、約50kg/年(雛は約半分)であることから、全国で発生する鶏糞は膨大な量にのぼることがわかる。
Figure 0004149419
そこで、鶏糞を大量に処分するために鶏糞を焼却処分する方法が提案されている。また、焼却時に発生する廃熱の有効利用についても提案されている。しかし、焼却処分したとしても焼却施設から排出される鶏糞灰の量は未だ多く、それを単に捨てていたのでは処分費用も嵩み、また資源の有効利用の面からいってももったいない。その対策として、焼却処分した鶏糞灰を肥料として利用したり、あるいは融雪材として利用することも提案されている。
特開2001−89272 特公平6−79996号 特公平8−23012号 特開2002−266328 特開2003−238277 特開平8−285258号
しかし、焼却処分した鶏糞灰を肥料等に再利用するとしても、実際に利用される量は排出される鶏糞の量と比較して極僅かである。鶏糞灰を有効活用しながら大量処分を可能とするためには、大量消費が見込める分野での利用を目的として再資源化する必要がある。したがって、鶏糞灰を再資源化するためには、例えば大量利用が期待できる道路材料等に活用できれば理想的なものといえる。
一方、路盤等の地盤安定処理として石灰を用いる手法は古くから行われている。石灰中に含まれるカルシウム分が、土中で水分と高アルカリ状態で粘土鉱物から溶解する非晶質物質と反応することにより反応生成物を作り、土中の間隙を有効に充填することによって、土の強度を高めている。
ところで、石灰は石灰岩を焼成して製造されるものであり、自然の山を切り崩し資源を採取している。わが国においても、石灰岩が多く得ることができる地域では、石灰系やセメント系の製造工場があり、切り出す山からベルトコンベアーで直接工場へ材料搬入できる設備などが設置されており、切り出される山々は日々形を変化させている。消石灰を例に挙げると、わが国でも非常に品質の高い材料が製造されているが、土質改良材として用いる場合、良好な強度発現及び凝集効果などを示すが、品質が良いものは純度が高いことを意味しており高価な材料となっている。
そこで、安定処理材料である消石灰の一部代替え材料として鶏糞灰を使用することができれば鶏糞灰を資源として有効活用することが可能である。石灰は道路材料としては高価なものであり、またその一部だけでも鶏糞灰で代替えして石灰の使用量を減らすことができれば環境保全にも寄与できることになり、一石二鳥の効果を有することになる。
また、凝集剤として使用されている生石灰の一部を、その性能を満足し得る範囲で鶏糞灰で代替えすることができれば、やはりその使用量は多い分野であるので環境保全に寄与する効果は大きいものとなる。
ところで、鶏糞灰の主成分はその鶏が摂取してきた飼料によっても異なるが、その分析結果の一例を示すと表2の通りである。なお、表2に示す鶏糞灰は、鶏糞を燃料として利用した鶏糞ボイラー発電施設の焼却灰であり、ブロイラーの鶏糞を90%,レイヤーの鶏糞を10%の比率で混合したものを約800℃〜1000℃で焼却したものである。また、この時の鶏糞灰の粒度分布を図1に示す。
Figure 0004149419
分析結果によると、含有量の多い成分としては酸化カルシウム(CaO)32%,リン酸(P25 )21%,酸化カリウム(K2 O)17%がある。したがって、安定処理材への適用性は非常に高いと推測できる。しかし、カーボン分(C)が、1.03%含まれていることから、その含有率が高くなった場合には、カーボンが処理土中に混入し、養生段階において反応性成分を吸着してしまい、強度発現反応が阻害される懸念もある。
一方、従来土質安定材として使用している消石灰では、Ca(OH)2 が主成分であるのに対し、リン酸成分が付加されることによって、反応が早期的に発生することが期待できる。これは、アルカリ状態においては、リン酸成分の反応性が非常に高くなることに起因しており、カルシウム分が土中の非晶質物質と反応するよりも、早い反応が期待できるためである。
また、鶏糞灰は焼却温度や焼却条件によりその成分は多少変動するが、本発明においては従来の鶏糞灰を肥料等に利用しようとするものと比べ、石灰分を利用できればよいので各種条件下で焼却した鶏糞灰が利用可能である。以下の説明においては、鶏糞ボイラー発電施設で800℃〜1000℃の温度で焼却したものを利用しているが、もっと低い温度(例えば400℃〜800℃)で焼却したものでも利用可能である。
一方、図1より鶏糞灰の粒径は0.5〜100μmの範囲であることが確認できるとともに、粒径が2.0μmと30μmにピークが見られる。一般的な普通ポルトランドセメントが、3.0〜30μmの粒子を主としていることを考慮すると、鶏糞灰はそれとほぼ同様であると判断できるとともに、鶏糞灰はこのままでも十分に粉末化されていることが確認された。
そこで、この発明にかかる鶏糞灰を原料に含む土質安定材は、ほぼ粒度を等しく揃えた消石灰粉末と鶏糞灰粉末が、90:10〜40:60の割合(重量比)で混合してある土質安定材であって、鶏糞灰は鶏糞を800℃〜1000℃で焼却した物である
この発明にかかる石灰と鶏糞灰の混合物は、鶏糞灰粉末と消石灰粉末又は生石灰粉末を混合することにより、土質安定材や凝集剤として活用することができ、鶏糞灰を大量に道路材料などとして再資源化して利用することができる。その上、結果として石灰の使用量を減らすことが可能となり環境保全にも寄与することとなる。
以下、鶏糞灰の一部を消石灰で置換した混合物の、土質安定材としての使用の可否を確認するために行った強度試験(CBR試験)の試験結果について説明考察する。
試験で使用した鶏糞灰粉末は上記表2及び図1にその結果を示したものを使用した。表2より、鶏糞灰は他の一般的な焼却灰(例えば下水汚泥焼却灰等)と比較して、リン酸や酸化カリウムの含有量が高いことが特徴的であることが確認できる。これは鶏の養殖および飼育時の飼料に含まれている成分が影響していることが考えられる。リン酸(特にリン酸一石灰)やカリウムは、骨や歯を形成するものであり、動物にとって非常に重要な成分である。したがって、鶏等を飼育する際、鶏の骨格および卵殻質形成のために、飼料にリン酸およびカリウムを混合することによって、良好な発育が得られるといわれている。その結果、鶏より排出される糞尿にリン酸や酸化カリウムが多く含まれているので、焼却後の灰も高い含有率を示す結果になっていると思われる。
なお分析上、リン酸石灰を特定して含有量試験を行うことが困難であったため、項目をリン酸(P25 )として示しているが、飼料に混合する物質がリン酸石灰であることから、その多くがリン酸石灰という形態であることが推測できる。リン酸石灰(Ca(H2 PO42 )は水溶性であるため、水に触れると加水分解しCa2+とH2 PO4 -にイオン化するため、安定処理材として適用する場合には、土中の陽イオンとの結合が容易となることから、強度発現に有効であると考えられる。
イオン化したCa2+は、まさ土などに含まれる粘土分の表面が負に帯電していることから、それらに吸着され、粘土粒子表面の帯電状態が変化する。その結果、粘土粒子間相互間の反発が減少して粘土粒子が団粒化することで処理土の強度が増加する。また、まさ土に含まれている長石やカオリナイトといった粘土鉱物を形成しているシリカやアルミナは、石灰によってアルカリ雰囲気となった処理土内で溶解し、Ca2+と反応してケイ酸石灰水和物やアルミン酸石灰水和物を生成するとともに、イオン化しているリン酸イオンと反応して処理土の強度増加を促進する。
まず、試験方法としては、鶏糞灰粉末に対してこれを所定の比率(20%,40%,60%,80%)により消石灰粉末で置換した混合物を、処理対象土(実験ではまさ土を使用)に所定の比率で添加(2%,4%,6%,8%)して混ぜた。そして、JIS規格に基づいて、15cmモールドを用いて4.5kgランマーで3層67回の突き固めにより供試体を作製した。これを6日間空気養生した後、23℃に温度管理された水槽において4日,14日及び28日間の水浸養生の後試験を行った。なお、置換に用いた消石灰粉末の粒径は、鶏糞灰粉末との均一な混合を確保するために鶏糞灰粉末とほぼ等しく0.5〜100μmの範囲のものを使用した。
添加率2%の試験結果を表3と図2示す。
Figure 0004149419
結果より、空気養生6日+水浸養生28日の結果を見ると、消石灰による置換率が高くなるにつれて、CBR強度も漸増していることが確認できる。また、空気養生6日+水浸養生4日の結果では、置換率80%のCBR強度が最も高い値を示している。
添加率4%の試験結果を表4と図3示す。
Figure 0004149419
結果より、添加率の増加に伴って、上記2%の場合と比較すると、全体的に高いCBR強度を示している。空気養生6日+水浸養生28日の結果では、添加率2%の場合と同様に、置換率が高い順にCBR強度が高い結果となっている。しかし、置換率が40%以上となるとCBR強度に大きな差は見られず、350%〜430%の間を推移していることがわかる。また、空気養生6日+水浸養生4日の結果を見ると、置換率40%以上で鶏糞灰が混合されているものが高いCBR強度を示しているものの、置換率20%以下では、若干ではあるが強度が減少している傾向が見られる。
添加率6%の試験結果を表5と図4示す。
Figure 0004149419
結果より、上記添加率4%の傾向をさらに明確にする結果となっている。空気養生6日+水浸養生28日においては、同様に置換率の高い順にCBR強度が高くなっており、置換率40%以上ではほぼ同様の強度を示している。また、空気養生6日+水浸養生28日では、置換率60%及び80%において高いCBR強度を示し、置換率40%以下では、やや強度が減少する傾向が見られる。
添加率8%の試験結果を表6と図5示す。
Figure 0004149419
結果より、置換率80%以上において良好な強度増加が確認できるが、それ以下の置換率では、空気養生6日+水浸養生28日において強度が一度減少し、その後強度が再現するという傾向が確認できた。
上記試験結果から次のことが確認できた。
(1)消石灰と鶏糞灰の混合物の処理土に対する添加率が増加することによってCBR強度が増加する。
(2)最終的な強度は、置換率と深く関係している。
(3)養生初期における強度発現は、鶏糞の含有量に影響を受けている。
これら各々の添加率及び置換率においての強度発現特性の違いは、鶏糞灰と消石灰の比率に深く関係していることから、鶏糞灰に含まれる化学成分の増減が、強度に影響していると考えられる。上記の通り、鶏糞灰には強度増加に有効であると考えられる、リン酸カルシウム分などと、阻害要素であると考えられるカーボン分が含まれている。それらが土中においてどのような挙動を示すかによって、処理土内の化学反応に影響を与え、強度が変化する。
そこで、鶏糞灰の一部を消石灰で置換した混合物の、鶏糞灰に含まれるリン酸を含む成分,カルシウム分,カーボン分の消石灰による置換率の変化に伴う含有率の変化とともに、上記試験によって得られた傾向を纏めたものを図6に示す。これは、消石灰はCa(OH)2 の含有率が100%であるとし、鶏糞灰は上記表2の分析結果を参考として算出したものである。
図6より、鶏糞灰の一部を消石灰で置換した混合物に含まれているカルシウム分は、置換率が高くなるとともに増加し、リン酸を含む成分やカーボン分は置換率が高くなるとともに低下していることが確認できる。そして、カルシウム分は最終強度(長期強度)、リン酸を含む成分は早期強度発現特性、カーボン分は反応阻害要素として、上記試験結果から得られた傾向を各々のグラフに示してある。なお、上記試験において、添加率2%,4%,6%,8%のそれぞれにおいて、各置換率で一つでもそのような傾向が見られたもの又は見られないものは、そちらに含まれるものとして評価してある。
カルシウム成分を見ると、鶏糞灰が100%となる置換率0%では、鶏糞灰に含まれているカルシウムのみであるため70%程度であるが、消石灰に置換されていくことにより、100%へと漸増しているのが確認できる。上記試験結果と比較した場合、置換率60%以上において良好な最終強度が得られている。
リン酸を含む成分を見ると、置換率0%において最高である20%の含有率となり、その後、置換率が高くなるにつれて減少し、置換率が100%の場合は鶏糞灰を全く含まないため、その含有率は0%となる。リン酸を含む成分は、早期強度に有効であることから、早期強度が得られ且つ最終強度が良好な傾向を示している置換率は、20%〜80%であった。
カーボン分もリン酸を含む成分と同様の傾向であり、置換率が高くなるにつれて減少し、置換率が100%の場合は鶏糞灰を全く含まないため、その含有率は0%となる。カーボン分は反応阻害要素であることから、上記試験において、水浸養生を開始した時点で強度低下が見られたものを、反応が阻害されていると判断した。その結果、置換率60%以上では阻害を受けず、問題なく強度増加を見せているものの、それ以下の置換率では、水浸することによって強度が低下する傾向となっている。
よって、上記試験結果より鶏糞灰と消石灰を混合した混合物を土質安定材として使用するには、その強度発現傾向と含有成分の変化から、消石灰と鶏糞灰の最適な混合比率は、消石灰60%以上、鶏糞灰40%以下の割合で混合することによって、消石灰100%の場合と同様若しくはそれ以上の強度を発揮することが確認できた。なお、処理対象土などによっては鶏糞灰を60%程度混合することも可能である。また、添加率は4%〜8%において明確な差はないので、要求に応じて添加率は決定することが可能である。さらに、早期強度発現のためには鶏糞灰を10%以上混合しておくことが有効である。
次に鶏糞灰と生石灰を混合した凝集剤について説明する。上・下水処理場などで利用されている凝集剤には石灰系と高分子系がある。石灰系の凝集剤は、生石灰の水分吸収能力とカルシウム分が加水分解されてできるCa2+イオンの吸着能力を期待することによって、泥水中の微粒子の凝集と水分を効果的に脱水するものである。泥水中に混合された生石灰は、CaOがCa(OH)2 へと水和する過程において、周辺の水分を吸収する。さらに反応が進むと、Ca(OH)2 が加水分解され、Ca2+とOH- へと変化する。
泥水中に含まれている粘土やコロイドなどの微粒子は、表面が負に帯電していることから、Ca2+の作用により凝集され、フィルタープレスなどによって濾過される際に、フィルター残留物として保持され、余分な水分のみを脱水することが可能となる。したがって、鶏糞灰には酸化カルシウム(CaO)が30%以上含まれているので、これを生石灰と混合することにより脱水・凝集剤として機能することになる。
以下、鶏糞灰の一部を生石灰で置換した混合物の、凝集剤としての使用の可否を確認するために行った凝集効力確認実験の実験結果について説明考察する。
実験で使用した鶏糞灰粉末は上記表2及び図1にその結果を示したものを使用した。実験方法としては、表7に示すように、粘性土を水で溶かした模擬濁水1リットルをメスシリンダーに入れ、所定割合の凝集剤を10g添加したサンプルを5本を用意した。そして、十分な攪拌を行い、所定時間毎に上澄みの高さを測定することにより、分離水の体積を計算し減容化率を比較した。なお、本実験における凝集剤の添加量は、1m3 あたり10kgの凝集剤添加量に相当するものであり、実際の処理においては添加量の割合はさらに多くなるものの、凝集剤としての効果の差異を明確にするためには、この程度の割合が妥当であると判断し、1リットルあたり10gとした。
Figure 0004149419
実験結果を表8及び図7に示す。
Figure 0004149419
表8及び図7より明らかなように、濁水のみ(添加剤無添加)の場合は、沈澱物を生成することなく、時間経過に伴う減容化率の変化は見られない。また、鶏糞灰100%とした場合も、減容化している傾向はほとんど見られないが、若干濁水中に含まれる土粒子が分離していることが確認された。そして、鶏糞灰に対して生石灰を混合した場合や、生石灰のみを用いた場合においては、その効果に差が見られるものの、十分な凝集効果により減容化率も順調に減少している傾向が見られる。
結果的には、生石灰100%のものが最も高い凝集効果を発揮しているが、鶏糞灰を30%混合したものも、1440分(24時間)後において、50%を下回る減容化率となっており、その適用性は非常に高いと判断できる。なお、鶏糞灰を70%混合したものにおいても、1440分後において、ほぼ2/3の減容化率となっており、このことより、鶏糞灰の混合率としては、おおよそ70%程度が上限であると判断できる。
次に、消石灰粉末と鶏糞灰粉末を混合したもので、運動場などの白線を表示する方法について説明する。運動場などの白線を表示するために用いられている石灰は、低品質な消石灰である。この用途において重要な点は、白色であり視認性が確保されることであるとともに、競技者が白線周辺で転倒し怪我を負った場合に、傷口に白線が触れても安全であることである。鶏糞灰は表2に示す通り人体に有害な重金属などは検出されず、また土壌環境基準を満たしている。さらに、鶏糞灰は色彩がほとんど白色であり、鶏糞灰と混合して白線を表示した場合、混合割合にもよるがほとんど消石灰のみで白線を表示した場合とその白さは変わらない。したがって、消石灰に対する鶏糞灰の混合割合としては任意の割合でよい。なお、均一に混合されるようにするために消石灰粉末と鶏糞灰粉末の粒度を揃えておく。
次に本発明の実施例について説明する。先ず、鶏糞灰を原料に含む土質安定材と、これの使用方法について説明する。
鶏糞ボイラー発電施設で1000℃で焼却して発生した鶏糞灰粉末80重量%と、消石灰粉末20重量%を、その両者の粒度をほぼ揃えて混合して土質安定材を製造した。そして、この土質安定材を8重量%程度を黒ボクに添加混合することにより黒ボク土を安定処理できた。
鶏糞ボイラー発電施設で800℃で焼却して発生した鶏糞灰粉末60重量%と、消石灰粉末40重量%を、その両者の粒度をほぼ揃えて混合して土質安定材を製造した。そして、この土質安定材を6重量%程度をシラスに添加混合することによりシラス土を安定処理できた。
インシナレーターで600℃で鶏糞を焼却して発生した鶏糞灰粉末40重量%と、消石灰粉末60重量%を、その両者の粒度をほぼ揃えて混合して土質安定材を製造した。そして、この土質安定材は4重量%程度を粘性土に添加混合することにより粘性土を安定処理できた。
インシナレーターで400℃で鶏糞を焼却して発生した鶏糞灰粉末20重量%と、消石灰粉末80重量%を、その両者の粒度をほぼ揃えて混合して土質安定材を製造した。そして、この土質安定材は2重量%程度をまさ土に添加混合することによりまさ土を安定処理できた。
次に、鶏糞灰粉末を原料に含む凝集剤と、これの使用方法について説明する。
鶏糞ボイラー発電施設で1000℃で焼却して発生した鶏糞灰粉末50重量%と、生石灰粉末50重量%をほぼ両者の粒度を揃えて適当に混ぜて凝集剤とした。これを下水処理場において、泥水に対し3重量%添加し攪拌した。攪拌後24時間放置したところ、ほぼ泥水量は1/2となった。
インシナレーターで400℃で鶏糞を焼却して発生した鶏糞灰粉末20重量%と、生石灰粉末80重量%をほぼ両者の粒度を揃えて適当に混ぜて凝集剤とした。これを下水処理場において、泥水に対し1重量%添加し攪拌した。攪拌後24時間放置したところ、ほぼ泥水量は1/3となった。
次に、消石灰粉末と鶏糞灰粉末を混合したもので、運動場などの白線を表示する方法について説明する。
インシナレーターで600℃で鶏糞を焼却して発生した鶏糞灰粉末50重量%と、消石灰粉末50重量%を粒度の揃った粉末とした。これで運動場に白線を引いたところ、消石灰100%のものとほとんど変わらない白さの白線を表示することができた。
以上述べたように、本発明によれば毎日大量に排出される鶏糞灰の再資源化を図ることができ、しかも大量使用が期待できる道路材料や凝集剤として利用できる。さらに、石灰の一部を鶏糞灰で代替えすることが可能となり、環境保全にも寄与する。
鶏糞灰の粒度試験結果を示すグラフである。 添加率2%の場合の消石灰置換率とCBRの関係を示すグラフである。 添加率4%の場合の消石灰置換率とCBRの関係を示すグラフである。 添加率6%の場合の消石灰置換率とCBRの関係を示すグラフである。 添加率8%の場合の消石灰置換率とCBRの関係を示すグラフである。 各々の置換率における含有成分変化と試験結果の傾向を示すグラフである。 鶏糞灰の凝集効果確認実験の結果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. ほぼ粒度を等しく揃えた消石灰粉末と鶏糞灰粉末が、90:10〜40:60の割合(重量比)で混合してある土質安定材であって、鶏糞灰は鶏糞を800℃〜1000℃で焼却した物であることを特徴とする鶏糞灰を原料に含む土質安定材。
JP2004198725A 2004-07-06 2004-07-06 鶏糞灰を原料に含む土質安定材 Expired - Lifetime JP4149419B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004198725A JP4149419B2 (ja) 2004-07-06 2004-07-06 鶏糞灰を原料に含む土質安定材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004198725A JP4149419B2 (ja) 2004-07-06 2004-07-06 鶏糞灰を原料に含む土質安定材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006022124A JP2006022124A (ja) 2006-01-26
JP4149419B2 true JP4149419B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=35795640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004198725A Expired - Lifetime JP4149419B2 (ja) 2004-07-06 2004-07-06 鶏糞灰を原料に含む土質安定材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4149419B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4548835B2 (ja) * 2005-04-21 2010-09-22 村樫石灰工業株式会社 新規りん酸加里複合肥料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006022124A (ja) 2006-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2506614C (en) A method for disinfecting and stabilizing organic wastes with mineral by-products
CA2456978C (en) A method for disinfecting and stabilizing organic wastes with mineral by-products
US20070272609A1 (en) Reuse of waste materials via manure additive
WO2013002250A1 (ja) りん酸肥料、およびりん酸肥料の製造方法
US20030089151A1 (en) Method for disinfecting and stabilizing organic wastes with mineral by-products
CN103740373A (zh) 一种重金属污染土壤稳定化药剂及其制备方法和应用
JP2007308322A (ja) 廃棄物を用いた肥料の製造方法及び肥料
CN102603359B (zh) 粉煤灰生物滤料及其制备方法
JP2008266042A (ja) パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料及びその製造方法
JP3894732B2 (ja) 多孔性セラミック粒子、およびその製造方法
JP4149419B2 (ja) 鶏糞灰を原料に含む土質安定材
JP5879171B2 (ja) リン回収材、リン回収方法及び肥料の製造方法
JP2017137203A (ja) けい酸質肥料およびその製造方法
JP5954777B2 (ja) りん酸肥料の製造方法
JP6022226B2 (ja) けい酸りん酸肥料の製造方法
KR101448799B1 (ko) 분뇨를 태운 재를 이용한 유기질 비료 및 그 제조 방법
JP4498784B2 (ja) 鶏糞灰の活用法及び鶏糞灰を原料に含む土質安定材
ES2845555T3 (es) Procedimiento de fabricación de fertilizantes que contienen fosfato
RU2688536C1 (ru) Способ приготовления техногенного почвогрунта БЭП на основе золошлаковых отходов (варианты) и техногенный почвогрунт БЭП
JPS6324427B2 (ja)
JP2004321036A (ja) 粒状培土
KR102641129B1 (ko) 굴패각을 활용한 유동층 보일러 염화수소 발생 저감제, 이를 이용한 유동층 보일러 노내 염화수소 발생 저감방법 및 그 연소 잔재물을 활용한 결합재 조성물
JP2010089069A (ja) 浄水場堆積泥土及び下水汚泥の減水方法
JP2018043888A (ja) けい酸質肥料、およびその製造方法
CN1077942A (zh) 一种将鸡粪除臭固化成速效多功能有机肥料的方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080321

AA91 Notification that invitation to amend document was cancelled

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971091

Effective date: 20080520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4149419

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140704

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250