JP4149099B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード等の薄板状商品を販売するための自動販売機に関するもので、特に、機内に収容した薄板状商品を、その一部が外部に突出する取出位置まで搬出するようにした自動販売機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カード等の薄板状商品を販売する自動販売機としては、機内にマガジン部、検銭部および搬出機構部を備えて構成したものが一般的である。マガジン部は、機内において薄板状商品を積層した状態で収容するためのものである。検銭部は、投入された硬貨が適正なものであるか否かを判断し、適正硬貨を内部に取り込む一方、不適正硬貨を返却する部分である。搬出機構部は、検銭部による判断結果が適正硬貨であった場合に駆動可能状態となって上記マガジン部に収容した薄板状商品を下層のものから順次搬出するものである。
【0003】
この種の自動販売機では、適正硬貨が投入されると上記搬出機構部が駆動可能状態となる。その後、例えば購入者がダイヤルを回転させたり、レバーを操作することにより、搬出機構部が駆動し、薄板状商品がマガジン部から機外へと搬出されるようになる。
【0004】
こうした薄板状商品を販売する自動販売機にあっては、機外への取り出し操作を容易にするために、販売時において当該薄板状商品を商品取出口から半分程度突出した取出位置まで搬出するようにしている。すなわち、商品取出口から薄板状商品を半分程度突出させれば、購入者がこれを容易に把持して引き抜くことが可能になり、薄板状商品の取り扱い性が向上するようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動販売機の商品取出口、並びにマガジン部から商品取出口に至る薄板状商品の通路は、該薄板状商品が一度に複数枚搬出されないようにするため、いずれも薄板状商品が唯一通過できる程度の大きさに形成してある。
【0006】
従って、先に購入した薄板状商品が上述した取出位置に占位した状態のまま、つまり購入者が商品取出口から薄板状商品を引き抜かない状態のまま、次の購入操作を行った場合には、硬貨を機内に取り込んだ後、搬出機構部は駆動するものの、薄板状商品を搬出できない事態が発生することになり、購入者に対して不利益を与える。さらには、薄板状商品が自動販売機の内部で詰まり、当該薄板状商品や搬出機構部が損傷する等、各種不具合が発生する虞れもある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、購入者に対して不利益を与えず、しかも、薄板状商品の詰まり、並びにこれに起因する各種不具合の発生を防止することのできる自動販売機を提供することを解決課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、機内に層状となるように収容した薄板状商品を搬出機構部の駆動によりその一部が外部に突出した所定の取出位置まで搬出するようにした自動販売機において、通常状態においては駆動許容位置に占位し、前記取出位置における前記薄板状商品の搬出域に突出するとともに前記搬出機構部の駆動を許容する一方、前記薄板状商品が前記取出位置に搬出された場合には該薄板状商品に押されてロック位置に移動し、前記搬出機構部の駆動を阻止する駆動ロック手段を設けるようにしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図20は、本発明に係る自動販売機の一実施形態を示したものである。この自動販売機が販売する薄板状商品は、図22に示すように、帯紙Bで束ねた4枚一組のカード、具体的には、主に児童を販売対象とするキャラクタカードCであって、長辺が89mm程度、短辺が63mm程度の矩形状を成し、4枚合計した板厚が約1.5mmとなる比較的硬質の紙製のものである。なお、以下の説明では便宜上、4枚一組に束ねたものを単にキャラクタカードCという。
【0010】
この自動販売機1は、図20に示すように、上下方向に縦長の直方状を成す筐体10を備えている。この筐体10は、比較的硬質の合成樹脂によって成形したもので、前面に開口した収容部本体11と、この収容部本体11の開口部一側縁に揺動可能に支承させ、該収容部本体11の開口を開閉する蓋体12とを備えて構成してある。これら収容部本体11および蓋体12には、互いの間に施錠装置13が設けてあり、両者を施錠することが可能である。
【0011】
蓋体12には、硬貨投入口14、表示用窓孔15、商品取出用孔16、操作ダイヤル用孔17および硬貨返却用孔18がそれぞれ設けてある。
【0012】
硬貨投入口14は、硬貨を投入するための縦長のスリットであり、蓋体12の高さ方向略中央部において正面向かって右側寄りとなる位置に設けてある。
【0013】
表示用窓孔15は、比較的小型の横長矩形状を成す開口であり、硬貨投入口14の下方域に設けてある。この表示用窓孔15は、図13に示すように、蓋体12の裏面に設けた透明樹脂板15aによって閉塞してある。
【0014】
商品取出用孔16は、キャラクタカードCの短辺よりも大きな幅を有し、かつ該キャラクタカードCの厚さよりも十分大きな高さを有した矩形状を成す開口であり、表示用窓孔15よりも下方において蓋体12の正面向かって左側寄りとなる位置に設けてある。
【0015】
操作ダイヤル用孔17は、比較的大径の円形を成す開口であり、商品取出用孔16よりも下方において蓋体12の正面向かって右側寄りとなる位置に設けてある。
【0016】
硬貨返却用孔18は、比較的小型の矩形状を成す開口であり、商品取出用孔16の下方域に設けてある。
【0017】
また、蓋体12には、その裏面において上述した硬貨投入口14から表示用窓孔15に亘る部位に切替表示手段20を設けている。この切替表示手段20は、購入者に対して自動販売機1が稼働中であるか否かを切替表示するためのもので、ガイド板21と、ストッパ突当部22と、表示プレート23と、揺動アーム24とを備えている。
【0018】
ガイド板21は、図13および図20(b)に示すように、硬貨投入口14よりも僅かに大きなスリット21aを有する板状部材であり、このスリット21aを硬貨投入口14に合致させ、かつ蓋体12の裏面との間に僅かに間隙を確保した状態で当該蓋体12の裏面における硬貨投入口14に対応する部位に取り付けてある。
【0019】
ストッパ突当部22は、図13に示すように、蓋体12の裏面において表示用窓孔15よりもさらに下方となる位置から筐体10の内方に向けて突設した部分であり、蓋体12と一体成形してある。
【0020】
表示プレート23は、図12に示すように、金属製の薄板を適宜折り曲げ成形することにより、表示部23a、邪魔板部23b、ガイド部23c、ストッパ部23dおよび連係部23eを一体に成形して構成したものである。
【0021】
表示部23aは、表示用窓孔15よりも僅かに幅が大きく、かつ該表示用窓孔15よりも十分大きな高さを有した矩形状を成すもので、その表面に2種類の表示を記載してある。これらの表示は、それぞれ蓋体12の表示用窓孔15を通じて択一的に外部に現れるもので、本実施形態の場合、表示部23aの下端部において白地に赤色で「うりきれ」と水平方向に沿って記載した第1表示と、この第1表示よりも上方に位置する部位において白地に青色で「販売中」と水平に沿って記載した第2表示と、からなる。
【0022】
邪魔板部23bは、表示部23aの上端中央部から上方に向けて突出した狭幅の矩形状を成す部分であり、上述した硬貨投入口14の1/2よりも僅かに大きな高さを有している。
【0023】
ガイド部23cは、邪魔板部23bの上端中央部から裏面側に向けて略直角に屈曲した部分であり、ガイド板21のスリット21aよりも僅かに狭い幅を有して構成してある。
【0024】
ストッパ部23dは、表示部23aの下端から裏面側に向けて略直角に屈曲した部分であり、当該表示部23aとほぼ同一の幅を有して構成してある。
【0025】
連係部23eは、表示部23aの下端部一側から表面側に向けて略直角に屈曲し、後述する揺動アーム24との接続部になる部分である。
【0026】
この表示プレート23は、邪魔板部23bを蓋体12とガイド板21との間に介在させ、かつガイド部23cをガイド板21のスリット21aに挿通させた状態で、蓋体12に対して上下方向に移動可能に配設してある。
【0027】
揺動アーム24は、図12および図13に示すように、蓋体12の裏面に設けたアームブラケット25に支持させてあり、蓋体12の裏面に沿った水平軸心回りに揺動することが可能である。この揺動アーム24は、蓋体12に向かう端部に、蓋体12の裏面に沿って水平に延在する接続軸26を有しており、該接続軸26を介して上述した表示プレート23の接続部に接続してある。
【0028】
上記のように構成した切替表示手段20では、通常状態にある場合、図13および図16に示すように、表示プレート23の自重によりストッパ部23dがストッパ突当部22に当接し、該表示プレート23の蓋体12に対する下動が阻止されている。この状態においては、蓋体12の表示用窓孔15に第2表示が合致し、透明樹脂板15aおよび表示用窓孔15を通じて「販売中」を表示しているとともに、ガイド部23cの上面が硬貨投入口14の下端縁に合致している。
【0029】
これに対して、上述した状態から揺動アーム24の蓋体12と反対側に向かう端部(以下、揺動アーム24の自由端部という)を下動させると、図18に示すように、重力に抗して表示プレート23が上動する。この結果、蓋体12の表示用窓孔15に第1表示が合致し、透明樹脂板15aおよび表示用窓孔15を通じて「うりきれ」を表示しているとともに、邪魔板部23bが硬貨投入口14をその下端部から1/2以上に亘る部分を閉塞するようになる。
【0030】
なお、図20中の符号19は硬貨返却用ボタンである。また、図20中の符号12aは販売する商品の広告を表示するための広告表示部である。
【0031】
一方、上記自動販売機1では、図20に示すように、筐体10の収容部本体11に硬貨処理部30を設けてある。
【0032】
硬貨処理部30は、図21に示すように、収容部本体11の下端部に設けた仕切板31と、この仕切板31の下方域に設けたコインボックス32および硬貨返却通路33とを備えている。
【0033】
仕切板31は、収容部本体11を上下に仕切るための板状部材であり、ほぼ水平となる状態で収容部本体11に設けてある。この仕切板31には、正面向かって右側となる位置に適正硬貨取入口31aを設けているとともに、正面向かって左側となる位置に不適正硬貨取入口31bを設けてある。
【0034】
コインボックス32は、適正硬貨を貯留しておくための箱体である。このコインボックス32は、上面に開口する直方状を成すもので、仕切板31における適正硬貨取入口31aの下方域に着脱可能に配設してある。
【0035】
硬貨返却通路33は、仕切板31に設けた不適正硬貨取入口31bから手前側に向けて漸次下方に傾斜するように延在し、硬貨返却皿34に終端する硬貨搬送通路である。この硬貨返却通路33の終端を構成する硬貨返却皿34は、上述した蓋体12の硬貨返却用孔18を通じて外部に突出する部分である。
【0036】
また、上記自動販売機1には、図20に示すように、収容部本体11における硬貨処理部30の上方部に搬出機構部100、硬貨取扱部40およびマガジン部50を収容してある。これら搬出機構部100、硬貨取扱部40およびマガジン部50は、共通のユニット枠体200に設けてあり、ユニットとして一体に取り扱うことが可能である。
【0037】
搬出機構部100は、筐体10の内部においてマガジン部50に収容させたキャラクタカードCを外部に搬出するための機構部であり、図5に示すように、ユニット枠体200の下端部に操作軸101および主軸102を備えている。
【0038】
操作軸101は、ユニット枠体200の前後方向に沿って延在し、かつ水平軸心回りに回転可能に配設してある。この操作軸101には、図3に示すように、奥側端部にドライブネジ歯車103を設けているとともに、手前側端部に操作ダイヤル104を設けてある。操作ダイヤル104は、上述した蓋体12の操作ダイヤル用孔17を通じて外部に突出する部分であり、機外からの操作によって操作軸101を自己の軸心回りに回転させることが可能である。
【0039】
主軸102は、ユニット枠体200の左右方向に沿って延在し、かつ水平軸心回りに回転可能に配設してある。この主軸102には、中間部にドリブンネジ歯車105を取り付けてある。ドリブンネジ歯車105は、上述した操作軸101のドライブネジ歯車103に歯合しており、操作ダイヤル104の操作による操作軸101の回転を主軸102に伝達することが可能である。
【0040】
また、上記主軸102には、正面右側となる端部においてユニット枠体200との間に停止位置規定手段110および回転規制手段120を設けているとともに、正面左側となる端部に回転ストッパ部材(駆動ロック手段)106およびドライブネジ歯車107を設けてある。
【0041】
停止位置規定手段110は、図6に示すように、カムプレート111、カムフォロアアーム112およびカムスプリング113を備えて構成してある。カムプレート111は、外形が繭形を成す板状部材であり、主軸102の右側端部に固着してある。カムフォロアアーム112は、先端部にカムローラ114を備えており、このカムローラ114が上記カムプレート111の外周面に離接するように、基端部を介してユニット枠体200に揺動可能に配設してある。カムスプリング113は、カムプレート111の外周面に対してカムローラ114を常時圧接させるように、カムフォロアアーム112とユニット枠体200との間に介在させた押圧手段である。
【0042】
この停止位置規定手段110は、カムローラ114がカムプレート111の凹所111aに圧接した場合に安定状態となるものであり、カムローラ114がカムプレート111の凹所111a以外に圧接した場合にはカムスプリング113の押圧力により主軸102を適宜方向に回転させ、上述した安定状態に復帰するように機能する。つまり、上記停止位置規定手段110は、カムローラ114が常にカムプレート111の凹所111aに圧接するように主軸102の回転停止位置を規定するものである。
【0043】
回転規制手段120は、図7に示すように、ラチェット盤121、ラチェット片122およびラチェットバネ123を備えて構成してある。ラチェット盤121は、主軸102において上述した仕切板31における適正硬貨取入口31aの上方に位置する部位に一対の円板状プレートを固着することによって構成したものである。ラチェット盤121には、円板状プレートの相互間に、それぞれ所定枚数の硬貨を貯留することのできる硬貨貯留部124を一対設けてある。各硬貨貯留部124は、ラチェット盤121の外周面において互いに180°ずれた位置にそれぞれ硬貨受入口124aを有しており、各硬貨受入口124aを通じて内部に硬貨を出し入れすることが可能である。また、ラチェット盤121の外周面には、各硬貨受入口124aの一側にストッパ用突起125を設けてあるとともに、一方の硬貨受入口124aから他方の硬貨受入口124aに至る部分に多数の反転防止用突起126を設けてある。ラチェット片122は、先端が略直角に屈曲したアーム部材であり、この屈曲した先端部分がラチェット盤121の外周面に離接するように、基端部を介してユニット枠体200に揺動可能に配設してある。ラチェットバネ123は、ラチェット盤121の外周面に対してラチェット片122の先端部を常時圧接させるように、該ラチェット片122とユニット枠体200との間に介在させた押圧手段である。なお、ラチェット盤121の硬貨受入口124aは、上述した停止位置規定手段110が安定状態にある場合、一方が鉛直上方に位置するように構成してある。
【0044】
この回転規制手段120では、図7(b)に示すように、通常状態にある場合、硬貨受入口124aが鉛直上方に位置した状態から主軸102を一方方向(図中の矢印X)に向けて回転させようとすると、ラチェット片122とストッパ用突起125とが互いに当接することによってこれが阻止されるとともに、主軸102を他方方向(図中の矢印Y)に向けて回転させようとすると、ラチェット片122と反転防止用突起126とが互いに当接することによってこれが阻止されることになる。
【0045】
しかしながら、硬貨受入口124aを通じて硬貨貯留部124に所定枚数の硬貨が受け入れられると、図8(a)〜図8(c)に示すように、最後に受け入れた硬貨の外周面がストッパ用突起125よりも外方に突出するようになる。この結果、この状態から主軸102を矢印方向に向けて回転させようとすると、ラチェット片122がこの硬貨の外周面に倣って移動することになるため、当該主軸102を同方向へ、ラチェット片122が次のストッパ用突起125に当接するまで回転させることが可能になる。つまり、上記回転規制手段120は、ラチェット盤121に所定枚数の硬貨が受け入れられた場合にのみ主軸102を180°だけ回転許容状態にするものである。なお、上述した硬貨貯留部124に貯留できる硬貨の枚数は、設定ネジの螺合位置に応じて適宜変更することが可能であり、本実施形態の場合、唯一の硬貨を受け入れるように設定してある。
【0046】
回転ストッパ部材106は、図1および図3に示すように、主軸102の外周域に、その軸心方向に沿った一対のストッパ面106aを構成するためのもので、当該主軸102の左端部に固着してある。
【0047】
ドライブネジ歯車107は、図3に示すように、操作軸101と回転ストッパ部材106との間に位置する部位に固着した歯車である。このドライブネジ歯車107には、その奥側部においてギアボックス130に歯合している。
【0048】
ギアボックス130は、上下方向に沿った出力軸131を備えたもので、上記ドライブネジ歯車107の回転を適宜増速するとともに、回転方向を適宜変換した後に、当該出力軸131から出力するものである。具体的には、操作軸101を180°回転させた場合に出力軸131がその軸心回りに360°回転するように構成してある。
【0049】
このギアボックス130の出力軸131には、送出アーム132を取り付けてある。送出アーム132は、出力軸131から径外方向に延在するもので、その先端上部に送出ローラ133を上下方向に沿った軸心回りに回転可能に支承している。なお、この送出アーム132は、上述した停止位置規定手段110が安定状態にある場合、図4中の実線で示すように、送出ローラ133を支承した先端部がギアボックス130の出力軸131よりも前方側に位置した状態で停止するように構成してある。
【0050】
一方、上記搬出機構部100は、図1および図3に示すように、ユニット枠体200における上述したギアボックス130の上方域に一対のガイドシャフト140を備えている。これらガイドシャフト140は、横断面が円形状を成し、ユニット枠体200の前後方向に沿って互いに平行、かつ略水平方向に沿って延在したもので、互いの間にスライド部材141を移動可能に支承している。すなわち、このスライド部材141は、その両側にそれぞれ2対のガイドローラ142を具備したブロック状部材であり、各対を成すガイドローラ142の間にガイドシャフト140を介在させることにより、当該ガイドシャフト140の延在方向に沿ってスライド移動することが可能である。
【0051】
上記スライド部材141には、その下面に係合スロット143を設けてある。係合スロット143は、図4に示すように、スライド部材141の下面においてその前後方向のほぼ中央となる位置に左右方向に沿って形成したもので、その内部に上述した送出アーム132の送出ローラ133が挿入してある。
【0052】
スライド部材141の上面は、図9に示すように、その幅がキャラクタカードCよりも僅かに小さく、かつその長さがキャラクタカードCよりも僅かに大きく構成してある。このスライド部材141の上面には、その前端部に連絡部144を構成しているとともに、その前後方向のほぼ中央となる位置に当接部145を設けてある。連絡部144は、後述する商品搬出通路150との間を連絡するためのもので、後端部よりも幅が狭く、かつその中央部に切欠144aを有している。当接部145は、スライド部材141の前端部に、前端に向けて漸次下方に低くなる低面部146を形成することによって構成した段部であり、キャラクタカードCの板厚よりも僅かに小さな高さを有している。
【0053】
また、スライド部材141の上面には、多数の溝147を形成してある。これらの溝147は、図9および図10に示すように、それぞれスライド部材141のスライド方向に沿って形成したもので、スライド部材141の上面全域に亘って設けてある。なお、図9中の符号148は、スライド部材141の上面において当接部145と低面部146との間に設けたゴミ逃げ用溝である。
【0054】
さらに、上記搬出機構部100は、図1に示すように、ユニット枠体200におけるスライド部材141の前方域に商品搬出通路150を備えている。商品搬出通路150は、スライド部材141の上面延長上に位置し、ユニット枠体200の前端部に設けた商品取出口151で終端する通路である。この商品搬出通路150の終端を構成する商品取出口151は、上述した蓋体12の商品取出用孔16を通じて外部に露出する部分である。
【0055】
この商品搬出通路150には、図9に示すように、その上面に多数の溝152を設けてあるとともに、その幅方向の中央部にレバー用スロット153が設けてある。多数の溝152は、上述したスライド部材141のものと同様に、スライド部材141のスライド方向に沿って形成したもので、商品取出用通路の上面全域に亘って設けてある。レバー用スロット153は、商品搬出通路150の延在方向に沿って形成した溝状の開口である。
【0056】
このレバー用スロット153の下方域には、図1に示すように、ストッパレバー(駆動ロック手段)160およびカード検知レバー(駆動ロック手段)161を設けてある。
【0057】
ストッパレバー160は、ユニット枠体200に支承させたレバー部材であり、その先端部を、主軸102に設けた回転ストッパ部材106の回転移動域に出没させる状態で左右方向に沿った水平軸回りに揺動することが可能である。このストッパレバー160には、ユニット枠体200との間に復帰バネ162を介在してある。復帰バネ162は、ストッパレバー160の先端部が常時回転ストッパ部材106の回転移動域外に位置するように当該ストッパレバー160に作用するものである。
【0058】
カード検知レバー161は、円筒状を成すボス部161aと、このボス部161aの周面中央部から径外方向に向けて延在するカード検知部161bと、カード検知部161bの先端部から一旦略直角方向に延在した後、ボス部161a側に向けて僅かに屈曲して延在した作動部161cとを有して構成したもので、ボス部161aを介して商品搬出通路150の基端部下方に左右方向に沿った水平軸心回りに揺動可能に配設してある。図からも明らかなように、カード検知レバー161の作動部161cは、カード検知部161bに対して十分な長さを有するもので、その先端部がストッパレバー160の揺動域に位置しており、当該ストッパレバー160に当接している。このカード検知レバー161は、上述した復帰バネ162によってストッパレバー160が回転ストッパ部材106の回転移動域外に位置している場合、該復帰バネ162の押圧力によって上方側に揺動し、カード検知部161bがレバー用スロット153を介して商品搬出通路150に突出するようになる。
【0059】
なお、図5中の符号170は、メカニカルカウンタである。このメカニカルカウンタ170は、停止位置規定手段110においてカムフォロアアーム112との間に作動ロッド171を介在させることにより、該カムフォロアアーム112の揺動によって作動するものである。また、図1中の符号180は、商品取出口151の開口を開閉可能に閉塞する閉塞カバーである。さらに、図1中の符号190は、スライド部材141における連絡部144の切欠144aに対応する部位に設けた反り防止部材である。
【0060】
一方、上述した搬出機構部100とユニットを構成する硬貨取扱部40は、蓋体12の硬貨投入口14から投入された硬貨を筐体10の内部において適宜取り扱う部分であり、図20(b)に示すように、ユニット枠体200の正面向かって右側となる部分に設けてある。
【0061】
この硬貨取扱部40は、図5に示すように、硬貨導入通路41、検銭部42、適正硬貨搬送通路43および不適正硬貨搬送通路44を備えて構成してある。
【0062】
硬貨導入通路41は、蓋体12の硬貨投入口14に対応する位置に硬貨導入口41aを有した通路であり、硬貨投入口14から投入された硬貨をこの硬貨導入口41aを介して受け入れた後、当該硬貨をその自重により後述する検銭部42に搬送するものである。
【0063】
検銭部42は、硬貨導入通路41によって硬貨が搬送された場合に、その外形や材質に基づいて適正であるか否かを判定する部分であり、本実施形態では、100円硬貨が投入された場合にこれを適正硬貨と判定するものを適用している。この検銭部42は、硬貨が適正であると判定した場合にこれを適正硬貨排出口42aから排出する一方、硬貨が不適正であると判定した場合にこれを不適正硬貨排出口42bから排出するように機能する。なお、検銭部42を通過できない大径の不適正硬貨に対しては、硬貨返却用ボタン19の操作により検銭部42を開成し、不適正硬貨排出口42bに導くように構成してある。
【0064】
適正硬貨搬送通路43は、検銭部42の適正硬貨排出口42aから排出された硬貨、つまり適正であると判定された硬貨を、上述したラチェット盤121において鉛直上方に位置する硬貨受入口124aまで案内する通路である。
【0065】
不適正硬貨搬送通路44は、検銭部42の不適正硬貨排出口42bから排出された硬貨、つまり不適正であると判定された硬貨を、上述した仕切板31の不適正硬貨取入口31bまで案内する通路である。
【0066】
さらに、上述した搬出機構部100および硬貨取扱部40とともにユニットを構成するマガジン部50は、筐体10の内部においてキャラクタカードCを収容しておくための部分であり、図20(b)に示すように、ユニット枠体200の正面向かって左側となる部分に設けてある。
【0067】
このマガジン部50は、図14に示すように、スライド部材141の上方域にマガジン51を備えている。マガジン51は、横断面が矩形で、前面に開口した筒状を成すもので、その内部に商品収容域52を構成している。この商品収容域52は、スライド部材141の上面、商品搬出通路150の基端部および反り防止部材190をカード載置面とするもので、多数のキャラクタカードCをそれぞれの長辺が前後に沿う姿勢で上下方向に沿って積層収容することが可能である。
【0068】
上記マガジン51には、積層収容したキャラクタカードCの最上部に搭載するためのカード用錘53が用意されている。カード用錘53は、マガジン51の内部に収容できる大きさに形成したものである。このカード用錘53には、その前後両端部に立壁53aを設けているとともに、その上面から上方および前方に突出するようにツマミ53bが設けてある。
【0069】
また、上記マガジン部50は、マガジン51の下端部にカード規制板54を備えているとともに、該マガジン51において正面向かって右側となる側縁部にストロークガイド55、ストローク部材60および係合部材56を備えている。
【0070】
カード規制板54は、商品収容域52と商品搬出通路150との間に位置した板状部材であり、その最下端部と商品搬出通路150の上面との間に、キャラクタカードC一枚分以上、二枚分未満の板厚に相当する間隙を確保した状態で上記マガジン51に取り付けてある。図11からも明らかなように、このカード規制板54の下端縁は、キャラクタカードCの短辺においてその中央部および両端部に対応する部位にそれぞれ逃げ部54a,54bを設けてある。これら逃げ部54a,54bは、商品搬出通路150の上面との間隙が、ほぼキャラクタカードC二枚分の板厚に相当する距離となるように切り欠いて構成した部分である。
【0071】
ストロークガイド55は、図14に示すように、横断面がL字状を成す長尺部材であり、その一方の壁に長手方向に沿った上下一対のガイド溝55aを有しており、これらガイド溝55aがマガジン51の前方域において鉛直方向に沿って延在する状態で当該マガジン51に取り付けてある。図からも明らかなように、各ガイド溝55aは、それぞれがキャラクタカードCの板厚よりも十分大きな長さを有して形成してある。
【0072】
ストローク部材60は、ストローク部本体61と可動ストローク体62と押圧バネ63と係合体64を備えて構成したものである。
【0073】
ストローク部本体61は、上下一対の対向壁61aを有し、これら対向壁61a間に鉛直方向に沿った支持軸65を備えたものである。このストローク部本体61は、ストロークガイド55のガイド溝55aを介してストロークガイドネジ66を螺合させることにより、マガジン51に対して上下方向にストローク移動することが可能である。図16および図18からも明らかなように、ストローク部本体61は、蓋体12を閉塞した状態において上方に移動させた場合、上述した切替表示手段20の揺動アーム24から離隔した上方域に配置される一方、下方に移動させた場合には当該揺動アーム24の自由端部に当接し、該揺動アーム24を下動させるように作用する。
【0074】
可動ストローク体62は、図14に示すように、基部62aと基部62aの先端から略直角に屈曲した突出部62bとを有して構成したものである。基部62aは、ストローク部本体61とほぼ同一の長さを有しているものの、突出部62bは、基部62aの下端よりもさらに下方に向けて延在している。この可動ストローク体62は、基部62aの基端を介してストローク部本体61の支持軸65に揺動可能に支承してあり、この支持軸65の軸心回りに揺動することによりマガジン51の前面開口を通じて突出部62bを、商品収容域52の外周域前方から進退移動させることが可能である。
【0075】
押圧バネ63は、可動ストローク体62の突出部62bが常時マガジン51の前面開口から商品収容域52に突出するように、ストローク部本体61に対して可動ストローク体62を押圧する押圧手段である。
【0076】
係合体64は、可動ストローク体62の基部62aから突出部62bとは反対の方向に突出したもので、その先端上縁部に係合舌片部64aを有している。係合舌片部64aは、支持軸65側に向けて略直角方向に突出した部分であり、水平方向に沿って延在している。この係合体64は、その下縁部に切欠64bを有しており、該切欠64bを介して可動ストローク体62をユニット枠体200に係合させることが可能である。
【0077】
係合部材56は、ストロークガイド55の上端部から前方に向けて突出したもので、その先端上縁部に係合部56aを有している。係合部56aは、正面向かって左側に向けて略直角方向に突出した部分であり、水平方向に沿って延在している。
【0078】
この係合部材56は、図15に示すように、上述したストローク部材60が上方に位置している状態において、可動ストローク体62の突出部62bがマガジン51の商品収容域52から退行している場合、係合部56aの上面に係合体64の係合舌片部64aが当接するようになり、ストローク部材60の下方への移動を阻止するように機能する。
【0079】
一方、上述した状態から可動ストローク体62の突出部62bがマガジン51の商品収容域52に進出移動した場合には、図17に示すように、係合体64の係合舌片部64aとの当接状態が解除され、ストローク部材60の自重による下方への移動を許容するように機能する。
【0080】
上記のように構成した自動販売機1では、マガジン51の商品収容域52にキャラクタカードCを積層収容させた後、蓋体12を閉塞し、さらに蓋体12と収容部本体11とを施錠した状態が販売待機状態となる。
【0081】
この場合、ストローク部本体61に対して可動ストローク体62を回転させ、図19に示すように、係合体64に設けた切欠64bをユニット枠体200の適宜箇所に係合させれば、当該可動ストローク体62の突出部62bが押圧バネ63の押圧力に抗してマガジン51の商品収容域52から退避した状態に保持されるため、キャラクタカードCの積層収容作業を容易に行うことが可能である。
【0082】
また、上述した販売待機状態にあっては、停止位置規定手段110の作用によって搬出機構部100の停止位置が規定され、送出アーム132がその先端部をギアボックス130の出力軸131よりも前方側に位置した状態で停止しているため、図1(a)に示すように、スライド部材141がその最前端位置で停止した状態にある。従って、マガジン51の商品収容域52は、そのカード載置面が、スライド部材141の上面、商品搬出通路150の基端部および反り防止部材190によって構成され、積層収容された最下方のキャラクタカードCに対して接触面積を大きくとることができることになり、当該キャラクタカードCが変形するような事態を可及的に防止することができる。因に、上述した状態においては、スライド部材141の上面に設けた当接部145がキャラクタカードCのほぼ中央に当接することになる。しかしながら、この当接部145は、キャラクタカードCの板厚よりも僅かに小さな高さを有して構成したものであるため、キャラクタカードCを変形させるには至らない。
【0083】
さらに、ストッパレバー160が主軸102に設けた回転ストッパ部材106の回転移動域外に位置しているとともに、カード検知レバー161が上方に揺動してカード検知部161bを商品搬出通路150に突出させた位置に配置された状態(駆動許容位置)にある。
【0084】
マガジン51の商品収容域52に所定枚数のキャラクタカードCを積層収容した後においては、その最上部にカード用錘53を搭載し、さらに可動ストローク体62とユニット枠体200との係合状態を解除させ、図15に示す状態にセットすればよい。
【0085】
この状態においては、可動ストローク体62の突出部62bが押圧バネ63の押圧力によりマガジン51の商品収容域52に進出移動するように押圧される。しかしながら、当該可動ストローク体62の突出部62bは、カード用錘53の前方側立壁53aや積層収容したキャラクタカードCの短辺に当接し、商品収容域52へ進出移動することができない。
【0086】
この結果、可動ストローク体62に設けた係合体64の係合舌片部64aが係合部56aの上面に当接するようになり、ストローク部材60の下方への移動が阻止されることになる。従って、上述した状態から蓋体12を閉塞した場合には、ストローク部材60が切替表示手段20の揺動アーム24から離隔した位置に配置されことになり、図16に示すように、蓋体12の表示用窓孔15に第2表示が合致し、透明樹脂板15aおよび表示用窓孔15を通じて「販売中」を表示するとともに、ガイド部23cの上面が硬貨投入口14の下端縁に合致して当該硬貨導入口41aが硬貨投入許容状態となる。
【0087】
なお、この販売待機状態においては、上述した回転規制手段120の作用により主軸102の回転が阻止されているため、そのまま操作ダイヤル104を操作しても、搬出機構部100が動作することはない。
【0088】
上述した販売待機状態から、硬貨投入口14を通じて硬貨が投入されると、当該硬貨が硬貨導入通路41を通じて検銭部42に搬送され、この検銭部42において適正硬貨であるか否か、つまり100円硬貨であるか否かが判定される。投入された硬貨が100円でない場合には、この硬貨が検銭部42の不適正硬貨排出口42bから排出され、さらに不適正硬貨搬送通路44を通じて不適正硬貨取入口31bまで案内された後、最終的に硬貨返却通路33を通じて硬貨返却皿34に返却されることになる。
【0089】
一方、投入された硬貨が100円硬貨である場合には、検銭部42の適正硬貨排出口42aから排出され、さらに適正硬貨搬送通路43を通じてラチェット盤121の硬貨受入口124aに案内され、その硬貨貯留部124に受け入れられることになる。
【0090】
この状態においては、上述した回転規制手段120による主軸102の回転阻止状態が解除されることになり、機外に突出した操作ダイヤル104の操作により、操作軸101、ドライブネジ歯車103およびドリブンネジ歯車105を介して主軸102を一方方向へ回転させることができるようになる。この場合、ラチェット盤121が180°回転すると、再び回転規制手段120によって主軸102の回転が阻止されることになる。この結果、適正硬貨を1個投入することにより、操作ダイヤル104が180°だけ回転可能状態となり、これに伴って主軸102を一方方向へ回転させることが可能となる。
【0091】
なお、ラチェット盤121が180°回転した時点で硬貨貯留部124に受け入れられていた100円硬貨は、重力の作用により硬貨受入口124aを通じて落下し、仕切板31に設けた適正硬貨取入口31aを通じてコインボックス32に集積されることになる。また、この間のカムフォロアアーム112の揺動により作動ロッド171を介してメカニカルカウンタ170が作動し、当該メカニカルカウンタ170の表示が+1される。
【0092】
操作ダイヤル104の操作によって主軸102が回転すると、この主軸102の回転がドライブネジ歯車107およびギアボックス130に順次伝達され、その出力軸131に設けた送出アーム132が上下方向に沿った軸心回りに1回転することになる。
【0093】
送出アーム132の回転は、その送出ローラ133およびスライド部材141に設けた係合スロット143の協働により、当該スライド部材141のスライド移動に変換されることになる。この場合、上述したように、送出アーム132は、販売待機状態において送出ローラ133を支承した先端部が、ギアボックス130の出力軸131よりも前方側に位置した状態で停止している。従って、スライド部材141は、図2に示すように、一旦後方へ向けてスライドし、その後、前方へ向けてスライドするようになる。
【0094】
スライド部材141が後方へスライドした際、その上面に設けた当接部145は、キャラクタカードCの後端縁を通過する。従って、その後のスライド部材141の前方へのスライドの際に、当接部145が最下方に積層収容されたキャラクタカードCの後端縁に当接することになり、当該キャラクタカードCがスライド部材141とともに前方へ移動することになる。すなわち、図1(b)に示すように、キャラクタカードCがマガジン51の商品収容域52から商品搬出通路150へ搬出され、その前端部分が商品取出口151から突出した取出位置で停止することになる。この結果、購入者は、商品取出口151から突出した部分を把持してキャラクタカードCを引き抜くことが可能になり、その取り扱い性が向上する。
【0095】
ここで、この自動販売機1によれば、スライド部材141のスライドの際にその当接部145にキャラクタカードCの後端縁を当接させてこれを押し出し搬出するようにしているため、つまり摩擦力によらずにキャラクタカードCを搬出させるようにしているため、スライド部材141の材質を選択したり、商品変更に伴って材質を再選択するといった、摩擦力を設定するための煩雑な作業が不要となり、当該キャラクタカードCの搬出を容易に、かつ確実に行うことが可能になる。
【0096】
しかも、スライド部材141には、その上面に低面部146を形成してある。この低面部146は、上述したように先端に向けて漸次下方に低くなるものであるから、図2(a)に示すように、温度や湿度の影響により、仮にキャラクタカードCが長辺方向において上方に向けて凸となるように反っている場合はもちろん、たとえ図2(b)に示すように、下方に向けて凸となるように反っていた場合であっても、確実に最下方に積層収容された1枚のみを搬出することができる。つまり、この自動販売機1においては、図2(b)に示すように、キャラクタカードCの凸部分が低面部146に位置するため、スライド部材141の上面に対して当該キャラクタカードCの後端縁が相対的に近接することになり、この後端縁と当接部145とが確実に当接し、その搬出も確実なものとなる。
【0097】
さらに、商品搬出通路150の基端部に設けたカード規制板54は、その下端縁の中央部および両端部にそれぞれ逃げ部54a,54bを設けてある。従って、キャラクタカードCにおいてその短辺方向に反りが発生していた場合であっても、確実に最下方に積層収容された1枚のみを搬出することができる。つまり、図11(a)に示すように、キャラクタカードCが下方に向けて凸となるように反っていた場合には、カード規制板54の両端部に設けた逃げ部54bによって当該キャラクタカードCとの干渉が回避され、一方、図11(b)に示すように、キャラクタカードCが上方に向けて凸となるように反っていた場合には、カード規制板54の中央部に設けた逃げ部54aによって当該キャラクタカードCとの干渉が回避され、さらに図11(c)に示すように、キャラクタカードCがねじれるように反っていた場合には、これらの逃げ部54a,54bによって当該キャラクタカードCとの干渉が回避されることになり、いずれの状態にあってもキャラクタカードCの確実な搬出が可能になる。
【0098】
また、上述したようにスライド部材141および商品搬出通路150には、それぞれの上面に多数の溝147,152を設けてある。従って、スライド部材141のスライドの際、特にスライド部材141が後方へ向けてスライドする際に、これら多数の溝147,152の作用により、キャラクタカードCとの摩擦力が低減されることになり、搬出機構部100の各部に過負荷が加わるような虞れがない。このため、過負荷に起因した当該搬出機構部100の不具合発生を未然に防止することができるようになる。なお、スライド部材141の上面にはキャラクタカードCとの摺接によってゴミが付着堆積するようになる。しかしながら、上述したようにスライド部材141の上面にゴミ逃げ用溝148を設けているため、当該ゴミがこのゴミ逃げ用溝148に落ち込むようになり、ゴミの影響によってキャラクタカードCの後端縁と当接部145との当接状態が損なわれる虞れもない。
【0099】
ところで、キャラクタカードCが商品搬出通路150の取出位置に搬出された状態においては、図1(b)に示すように、当該キャラクタカードCがカード検知部161bを押圧することにより、カード検知レバー161が下方側に揺動し、その作動部161cを介してストッパレバー160の先端部が、主軸102に設けた回転ストッパ部材106の回転移動域に突出した状態(ロック位置)に保持される。この状態においては、100円硬貨を投入した後に、操作ダイヤル104を介して主軸102を回転させようとしても、回転ストッパ部材106がストッパレバー160の先端部に当接するため、当該主軸102を回転することができず、キャラクタカードCの搬出も行われない。
【0100】
一方、商品取出口151からキャラクタカードCを引き抜けば、図1(a)に示すように、復帰バネ162の押圧力によりストッパレバー160が回転ストッパ部材106の回転移動域外に位置し、さらにこの復帰バネ162の押圧力によってカード検知レバー161が上方側に揺動し、そのカード検知部161bを商品搬出通路150に突出させた状態(駆動許容位置)に復帰するようになる。従って、この状態では、100円硬貨が既に投入されている場合、あるいは新たに100円硬貨が投入された場合、操作ダイヤル104を介して主軸102を回転させ、再びキャラクタカードCを搬出することができるようになる。
【0101】
これらの結果、上記自動販売機1によれば、先に購入したキャラクタカードCを取出位置から取り出さない限り、次の購入操作を行うことができないことになり、キャラクタカードCが内部で詰まる、キャラクタカードCや搬出機構部100が損傷する、等々の不具合が発生する虞れがない。
【0102】
上述した動作が繰り返し行われると、キャラクタカードCの減少に伴ってカード用錘53がマガジン51の商品収容域52において順次下動するようになる。しかしながら、ストローク部材60に関しては、可動ストローク体62の突出部62bが、カード用錘53の前方側立壁53aや積層収容したキャラクタカードCの短辺に当接している限り、商品収容域52へ進出移動することができないため、係合体64の係合舌片部64aが係合部56aの上面に当接した状態に保持され、下方への移動が継続的に阻止されている。従って、切替表示手段20による表示も「販売中」のままとなり、硬貨導入口41aも硬貨投入許容状態のままとなる。
【0103】
一方、マガジン51の商品収容域52においてキャラクタカードCがさらに減少し、該キャラクタカードCに搭載したカード用錘53の前方側立壁53aが可動ストローク体62の突出部62bよりも下位となると、図17に示すように、可動ストローク体62の突出部62bが押圧バネ63の押圧力によりマガジン51の商品収容域52に進出移動することになり、係合体64の係合舌片部64aと係合部56aの上面との当接状態が解除され、ストローク部材60が一気に下動するようになる。この結果、揺動アーム24の自由端部がストローク部材60によって下動され、図18に示すように、重力に抗して表示プレート23が瞬時に上動するようになり、蓋体12の表示用窓孔15に第1表示が合致し、透明樹脂板15aおよび表示用窓孔15を通じて「うりきれ」を表示するとともに、邪魔板部23bが硬貨投入口14をその下端部から1/2以上に亘る部分を閉塞する。すなわち、板厚が約1.5mmというキャラクタカードCを販売する自動販売機1にあっても、切替表示手段20による表示を瞬時に切り替えることができるようになり、購入者に対する表示も極めて明確なものとなる。
【0104】
しかも、上述したストローク部材60は、マガジン51の商品収容域52に対してその外周域前方から進出移動するものであるため、全てのキャラクタカードCがなくなる以前においても切替表示手段20による表示を切り替えることが可能である。つまり、カード用錘53における前方側立壁53aの高さを適宜変更することにより、あるいは可動ストローク体62における突出部62bの長さを適宜変更することにより、ストローク部材60を作動させる位置を容易に変更することが可能である。例えば、マガジン51の商品収容域52に5〜6枚のキャラクタカードCを残した時点で切替表示手段20による表示を「販売中」から「うりきれ」に切り替えるようにカード用錘53の前方側立壁53aの高さを設定すれば、切替表示手段20による表示の切り替えが実施される直前において100円硬貨が3〜4枚連続投入された場合であっても、すべての硬貨に対してキャラクタカードCを搬出することができるようになり、購入者に対して不利益を与える虞れがない。
【0105】
切替表示手段20による表示が「うりきれ」になった場合には、蓋体12を開成させ、マガジン51の商品収容域52にキャラクタカードCを補充するとともに、ストローク部材60を再びセットする。さらにコインボックス32に集積された硬貨を回収した後に蓋体12を閉塞して施錠すれば、再び上述した販売待機状態に復帰することになる。
【0106】
なお、上述した実施の形態では、紙製のキャラクタカードを販売する自動販売機を例示しているが、樹脂製カード等、薄板状のものを販売するものであっても構わない。また、スライド部材のスライド移動によって薄板状商品の搬出を行う自動販売機を例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば回転する摩擦ローラの駆動によって薄板状商品の搬出を行うようにした自動販売機にももちろん適用することが可能である。
【0107】
また、上述した実施の形態では、主軸の回転をロックすることによって搬出機構部の駆動を阻止するようにしているが、搬出機構部の動力伝達系であれば、いかなる箇所をロックするようにしても構わない。なお、上述した実施の形態の如く、ラチェット盤による回転規制手段を適用した自動販売機にあっては、適正硬貨が当該ラチェット盤に搬送されないように構成することによっても駆動ロック手段を構成することが可能である。また、薄板状商品が取出位置にあるか否かを検出する部分と、搬出機構部の駆動をロックする部分とを異なる部材によって構成するようにしているが、これらを一体に構成するようにしてもよい。つまり、上述した実施の形態では、ストッパレバー160とカード検知レバー161とを一体に構成しても構わない。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、先に購入した薄板状商品を取出位置から取り出さない限り、駆動ロック手段の作用によって次の購入操作を行うことができない。従って、搬出機構部が駆動した場合には、薄板状商品を確実に搬出することができるようになり、薄板状商品が自動販売機の内部で詰まる、薄板状商品や搬出機構部が損傷する、等々の不具合が発生する虞れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動販売機に適用する搬出機構部の一実施形態を示したもので、(a)は販売待機状態を示す断面側面図、(b)は薄板状商品を取出位置まで搬出した状態を示す断面側面図である。
【図2】(a)および(b)はそれぞれ図1に示した搬出機構部の動作状態を示す断面側面図である。
【図3】図1に示した搬出機構部の要部分解斜視図である。
【図4】スライド部材と送出アームとの係合状態を示す断面平面図である。
【図5】自動販売機の内部を示す断面側面図である。
【図6】自動販売機に適用する停止位置規定手段を概念的に示す断面側面図である。
【図7】自動販売機に適用する回転規制手段を示すもので、(a)は要部斜視図、(b)は断面側面図である。
【図8】(a)乃至(c)は図7に示した回転規制手段の動作を順に示す断面側面図である。
【図9】図1(a)におけるA−A線断面図である。
【図10】図9におけるB−B線断面図である。
【図11】(a)および(b)は自動販売機に適用するカード規制板を示す正面図、(c)は自動販売機が搬出可能な薄板状商品のねじれ状態を示す端面図である。
【図12】自動販売機に適用する切替表示手段の要部分解斜視図である。
【図13】切替表示手段を示す断面側面図である。
【図14】自動販売機に適用するマガジン部の分解斜視図である。
【図15】自動販売機が稼働中である場合のマガジン部の状態を示す斜視図である。
【図16】(a)は自動販売機が稼働中である場合のマガジン部の状態を示す断面側面図、(b)はその正面図、(c)はその平面図である。
【図17】自動販売機が稼働中でない場合のマガジン部の状態を示す斜視図である。
【図18】(a)は自動販売機が稼働中でない場合のマガジン部の状態を示す断面側面図、(b)はその正面図、(c)はその平面図である。
【図19】自動販売機に薄板状商品を補充する状態を示す斜視図である。
【図20】(a)は自動販売機の外観を示す正面図、(b)は蓋体を開成した状態を示す正面図である。
【図21】自動販売機の硬貨処理部を示す斜視図である。
【図22】自動販売機が販売対象とするキャラクタカードの斜視図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
10 筐体
11 収容部本体
12 蓋体
13 施錠装置
14 硬貨投入口
15 表示用窓孔
15a 透明樹脂板
16 商品取出用孔
17 操作ダイヤル用孔
18 硬貨返却用孔
19 硬貨返却用ボタン
20 切替表示手段
21 ガイド板
21a スリット
22 ストッパ突当部
23 表示プレート
23a 表示部
23b 邪魔板部
23c ガイド部
23d ストッパ部
23e 連係部
24 揺動アーム
25 アームブラケット
26 接続軸
30 硬貨処理部
31 仕切板
31a 適正硬貨取入口
31b 不適正硬貨取入口
32 コインボックス
33 硬貨返却通路
34 硬貨返却皿
40 硬貨取扱部
41 硬貨導入通路
41a 硬貨導入口
42 検銭部
42a 適正硬貨排出口
42b 不適正硬貨排出口
43 適正硬貨搬送通路
44 不適正硬貨搬送通路
50 マガジン部
51 マガジン
52 商品収容域
53 カード用錘
53a 立壁
53b ツマミ
54 カード規制板
54a 逃げ部
54b 逃げ部
55 ストロークガイド
55a ガイド溝
56 係合部材
56a 係合部
60 ストローク部材
61 ストローク部本体
61a 対向壁
62 可動ストローク体
62a 基部
62b 突出部
63 押圧バネ
64 係合体
64a 係合舌片部
64b 切欠
65 支持軸
66 ストロークガイドネジ
100 搬出機構部
101 操作軸
102 主軸
103 ドライブネジ歯車
104 操作ダイヤル
105 ドリブンネジ歯車
106 回転ストッパ部材
106a ストッパ面
107 ドライブネジ歯車
110 停止位置規定手段
111 カムプレート
111a 凹所
112 カムフォロアアーム
113 カムスプリング
114 カムローラ
120 回転規制手段
121 ラチェット盤
122 ラチェット片
123 ラチェットバネ
124 硬貨貯留部
124a 硬貨受入口
125 ストッパ用突起
126 反転防止用突起
130 ギアボックス
131 出力軸
132 送出アーム
133 送出ローラ
140 ガイドシャフト
141 スライド部材
142 ガイドローラ
143 係合スロット
144 連絡部
144a 切欠
145 当接部
146 低面部
147 溝
148 ゴミ逃げ用溝
150 商品搬出通路
151 商品取出口
152 溝
153 レバー用スロット
160 ストッパレバー
161 カード検知レバー
161a ボス部
161b カード検知部
161c 作動部
162 復帰バネ
170 メカニカルカウンタ
171 作動ロッド
190 反り防止部材
200 ユニット枠体
B 帯紙
C キャラクタカード

Claims (1)

  1. 機内に層状となるように収容した薄板状商品を搬出機構部の駆動によりその一部が外部に突出した所定の取出位置まで搬出するようにした自動販売機において、
    通常状態においては駆動許容位置に占位し、前記取出位置における前記薄板状商品の搬出域に突出するとともに前記搬出機構部の駆動を許容する一方、前記薄板状商品が前記取出位置に搬出された場合には該薄板状商品に押されてロック位置に移動し、前記搬出機構部の駆動を阻止する駆動ロック手段を設けたことを特徴とする自動販売機。
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