JPH0748609Y2 - 紙葉類払い出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙幣両替機における紙幣払い出し装置のよう
な、少なくとも一枚の紙葉類を人が取り出し得るように
一度に紙葉類払い出し部に払い出すようにした紙葉類払
い出し装置、特に、紙葉類払い出し部に払い出された紙
葉類を人が取り出す時取り出し困難や取り出し不能とい
う事態が生じることのない払い出し装置に関する。

〔従来の技術〕

第２図は紙幣両替機における従来の紙幣払い出し装置１
の要部側面図である。図において、２は、板面3aが水平
面に対して傾斜しているように配置された板状の札受け
部３と、この札受け部３の上端に図示のように設けた平
坦部４と、平坦部４の左端に該平坦部４と共にＬ字状の
断面を形成するように設けた帯状のストッパ部５と、札
受け部３の下端に該札受け部３と共にＬ字状断面を形成
するように設けた帯状の突出部６とからなり滑り台状の
紙幣払い出し部、7,8はそれぞれ板面7a,8aが間隔９をお
いて互いに対向するように配置されたいずれも板状の第
１部材、第２部材で、両部材7,8の各上部は図示したよ
うな逆八字状をなすように折り曲げられることによつて
紙幣投入口10を形成している。11は、図示していない搬
送機構によつて一枚づつ搬入される紙幣12を積算計数し
てはこの紙幣12を一枚づつ該紙幣12の紙面が部材7,8の
対向面7a,8aにほぼ平行になるようにして紙幣投入口10
から間隔９内に投入し、紙幣12を対する上記の積算計数
結果に過不足が生じると警報信号11aを出力するように
した紙幣枚数計数機構、13は図示していない結合機構15
を介して両部材7,8を回動させて、両部材7,8をこれらの
両部材が第２図図示の実線で示した状態になる紙幣払い
出し状態にするか、または両部材7,8を第１部材７が第
２図図示の点線で示した14の状態になる紙幣貯留状態に
するかするようにした部材駆動機構で、第２図において
は、説明の便宜上、紙幣貯留状態における第２部材８は
省略してある。そうして、この紙幣貯留状態及び上記の
紙幣払い出し状態のいずれの場合においても部材７の板
面7aと部材８の板面8aとがほぼ平行な状態で間隔９をお
いて対向するように部材７及び８と結合機構15とが構成
され、また、部材7,8の紙幣貯留状態では部材7,8の各板
面7a,8aがほぼ鉛直になるように部材7,8及び結合機構15
が構成されている。

そうして、さらに、第２図においては、紙幣枚数計数機
構11が紙幣貯留状態にある部材7,8間の間隔９内に積算
計数の終わつた紙幣12を投入するようになつており、ま
た、このようにして間隔９内に投入された紙幣12が、間
隔９内に一枚投入されるごとに図示していない機構で第
１部材14の側にかき寄せられて、紙幣払い出し部２にお
ける平坦部４の上に貯留されるように部材7,8と紙幣払
い出し部２とが構成されている。したがつて、第２図に
おいては、間隔９内に投入された紙幣12が都合複数枚で
ある時は、この複数枚の紙幣12が間隔９内において紙幣
12の厚さ方向に寄せ集められた状態で平坦部４の上に貯
留されることになる。なお、第２図に示した紙幣払い出
し部２におけるストツパ部５は、部材駆動機構13によつ
て部材7,8を上述した紙幣払い出し状態から上述した紙
幣貯留状態に状態変更した時に部材７がストツパ部５に
当接することによつて部材7,8の位置決めが行われるよ
うにするために設けられており、また、部材7,8の上述
した紙幣貯留状態は、紙幣枚数計数機構11で確認がなさ
れた枚数の紙幣12を後述するようにして一度に紙幣払い
出し部２に払い出すために設けられている。

第２図においては、紙幣貯留状態にある部材7,8間の間
隔９内に計数機構11から紙幣12が投入されて該機構11か
ら警報信号11aが出力されないと、部材駆動機構13によ
つて部材7,8が紙幣払い出し状態に移行させられるよう
になつている。そうして、部材7,8が紙幣払い出し状態
に移行させられる場合、平坦部４上の紙幣12が第１部材
７によつて押されることによつて部材７と８とで挟まれ
ると共に紙幣12の下端が平坦部４上を摺動して該紙幣が
回動するように部材7,8が運動して、この結果、紙幣12
を挟んだ状態の部材７及び８の各下端が実線で図示した
ような紙幣払い出し部２における札受け部３の上方に位
置する、部材7,8の上述した紙幣払い出し状態が出現す
るように、関係各部が構成されている。16はベルト17と
四個のローラ181〜184とからなり、紙幣払い出し状態に
ある部材7,8によつて挟まれている紙幣12をベルト17と
ローラ183及び184とで挟んで部材7,8間から引き出して
札受け部３上に放出するようにした紙幣繰り出し機構
で、この場合、181はベルト17を駆動する駆動ローラ、1
82はベルト17によつて駆動される従動ローラとなつてお
り、また、部材7,8間に挟まれた紙幣12が紙幣繰り出し
機構16によつて札受け部３上に放出された時、この放出
された紙幣12の裏面が札受け部３の上面3aに接触するよ
うに計数機構11と部材7,8と紙幣繰り出し機構16と紙幣
払い出し部２とが構成されている。なお、上述した紙幣
払い出し部２における突出部６は、札受け部３上に上記
のようにして放出された紙幣12が板面3a上を滑落するの
を阻止するために設けられている。

19は上述した第１及び第２部材7,8と部材駆動機構13と
結合機構15と紙幣繰り出し機構16とからなる紙幣貯留
部、20は上述した計数機構11と１紙幣払い出し２と紙幣
貯留部19とを収容した筺体、21は札受け部３に放出され
た紙幣12を手で取り出せるように筺体20に設けた紙幣取
り出し口で、紙幣払い出し装置１は上述した各部で構成
されている。以後、札受け部３上に放出された紙幣12を
紙幣22ということがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

第２図では、各部が上述のように構成されているので、
部材駆動機構13によつて部材7,8が紙幣貯留状態にされ
ると計数機構11から紙幣12が一枚づつ両部材7,8間に投
入され、このように両部材7,8間に投入された紙幣12の
累計枚数が計数機構11から警報信号11aを出力させるこ
とのない枚数であると、部材駆動機構13と結合機構15と
によつて両部材7,8が紙幣払い出し状態にされた後両部
材7,8間に挟まれた紙幣12が紙幣繰り出し機構16によつ
て一度に札受け部３上に放出されて、したがつて、この
ようにして札受け部３上に放出された紙幣22を紙幣取り
出し口21から取り出すことができるわけであるが、この
紙幣取り出し口21から紙幣22を取り出す際、何らかのは
ずみで紙幣22の上縁が図示したように部材７と札受け部
３との間に侵入して、このため、部材7,8が部材駆動機
構13によつて紙幣払い出し状態から紙幣貯留状態に移行
させられる際、部材７と札受け部３との間に侵入した紙
幣22が部材７によつて引きずられてこの部材７とストツ
パ部５との間に挟みこまれることがある。そうして、こ
のような状態が生じると取り出し口21から紙幣22を取り
出すことが困難になつたり不可能になつたりする。

つまり、上述した紙幣払い出し装置１には、紙幣22が第
１部材７と紙幣払い出し部２との間に挟みこまれて紙幣
22を取り出し口21から容易に取り出せないことがあると
いう問題点がある。

本発明の目的は、紙幣22が第１部材７と紙幣払い出し部
２との間に侵入することがないようにして、紙幣22の取
り出し困難や取り出し不能の状態が発生しないようにす
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案によれば、傾斜面の上
端に平坦部が設けられかつ前記傾斜面の下部に第１突出
部が設けられた滑り台状の紙葉類払い出し部と、間隔を
おいて対向するように配置されかつ前記間隔に接する両
対向面がほぼ平行になるように形成された第１部材と第
２部材とが設けられ、かつ紙葉類を貯留する時は前記両
対向面をほぼ鉛直にして前記紙葉類を前記間隔の間にお
いて該紙葉類の紙面が前記両対向面にほぼ平行になつた
姿勢で前記紙葉類払い出し部の前記平坦部の上に貯留
し、かつ前記紙葉類を払い出す時は、前記平坦部上の前
記紙葉類が前記第１部材によつて押されることによつて
該第１部材と前記第２部材とで挟まれると共に前記紙葉
類の下端が前記平坦部上を摺動するように前記第１及び
第２部材が運動して、前記第１部材と前記第２部材とで
挟まれた前記紙葉類を一括して前記紙葉類払い出し部の
前記傾斜面上に該紙葉類の表面または裏面が該傾斜面に
接触するように放出する紙葉類貯留部とを備え、前記紙
葉類貯留部における前記第１部材の下端には該第１部材
の運動によつて該下端が前記紙葉類払い出し部における
前記傾斜面の上方に移動した状態になつた時に前記第１
部材と前記紙葉類払い出し部との間に前記紙葉類が侵入
することを阻止する第２突出部が設けられており、また
前記紙葉類払い出し部における前記第１突出部は前記紙
葉類貯留部によつて前記紙葉類払い出し部の前記傾斜面
上に放出された前記紙葉類の滑落を阻止するように設け
られているように紙葉類払い出し装置を構成する。

〔作用〕 上記のように構成すると、第１部材に設けた第２突出部
によつて第１部材と紙幣払い出し部との間に紙葉類が侵
入することが阻止されるので、紙葉類貯留部から紙葉類
払い出し部に放出された紙葉類が第１部材と紙葉類払い
出し部との間に挟みこまれることがなくなつて、したが
つて、紙葉類払い出し部から紙葉類を取り出すことが困
難になつたり不可能になつたりする事故の発生が防止さ
れることになる。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例としての、前述の紙幣払い出
し装置１に対応した紙幣払い出し装置23の要部側面図
で、本図においては、第２図におけるものと同じものに
第２図におけると同様な符号が付けてある。そうして、
第１図において、第２図と異なる所は、第１部材７の下
端に図示した突出部24が設けられていることで、この場
合、突出部24は、両部材7,8が部材駆動機構13と結合機
構15とによつて回動させられることによつて紙幣類払い
出し状態にされて、この結果、部材7,8の各下端が札受
け部３の上方に移動した時に、部材７と紙幣払い出し部
２との間に紙幣22が侵入することを阻止するように設け
られている。

したがつて、紙幣払い出し装置23においては、紙幣22が
第１部材７と紙幣払い出し部２との間に挟みこまれると
いうことは起こらないので、紙幣払い出し部２から紙幣
22を取り出すことが困難になつたり不可能になつたりす
る事故は発生し得ないということになる。

第１図における25は、上述した紙幣貯留部19に突出部24
が付加された構成の紙幣貯留部で、したがつて、紙幣払
い出し装置23は紙幣払い出し部２と紙幣貯留部25とを備
えているということになる。

なお、上述の実施例においては、部材7,8が紙幣貯留状
態から紙幣払い出し状態に移行する時、あるいはその逆
の状態変化をする時、部材7,8が結合機構15によつて回
動させられるようにしたが、本考案においては、部材7,
8が上記の状態変化をする時、部材7,8が水平方向に平行
移動して状態変化をするように構成されていてもよいこ
とは明らかである。そうして、また、上述の実施例にお
いては、部材7,8間に挟まれた紙幣12が一括して繰り出
し機構16によつて引き出されて札受け部３上に放出され
るようにしたが、本考案においては、紙幣12を挟んだ両
部材7,8が札受け部３上で開いて紙幣12を札受け部３上
に落下させるようにしてもよいこともまた明らかであ
る。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案においては、傾斜面の上端に平
坦部が設けられかつ傾斜面の下部に第１突出部が設けら
れた滑り台状の紙葉類払い出し部と、間隔をおいて対向
するように配置されかつ前記間隔に接する両対向面がほ
ぼ平行になるように形成された第１部材と第２部材とが
設けられ、かつ紙葉類を貯留する時は両対向面をほぼ鉛
直にして紙葉類を前記間隔の間においてで該紙葉類の紙
面が両対向面にほぼ平行になつた姿勢で紙葉類払い出し
部の平坦部の上に貯留し、かつ紙葉類を払い出す時は、
平坦部上の紙葉類が第１部材によつて押されることによ
つて該第１部材と第２部材とで挟まれると共に紙葉類の
下端が平坦部上を摺動するように第１及び第２部材が運
動して、第１部材と第２部材とで挟まれた紙葉類を一括
して紙葉類払い出し部の傾斜面上に該紙葉類の表面また
は裏面が該傾斜面に接触するように放出する紙葉類貯留
部とを備え、紙葉類貯留部における第１部材の下端には
該第１部材の運動によつて該下端が紙葉類払い出し部に
おける傾斜面の上方に移動した状態になつた時に第１部
材と紙葉類払い出し部との間に紙葉類が侵入することを
阻止する第２突出部が設けられており、また紙葉類払い
出し部における第１突出部は紙葉類貯留部によつて紙葉
類払い出し部の傾斜面上に放出された紙葉類の滑落を阻
止するように設けられているように紙葉類払い出し装置
を構成した。

このため、上記のように構成すると、第１部材に設けた
第２突出部によつて第１部材と紙幣払い出し部との間に
紙葉類が侵入することが阻止されるので、紙葉類貯留部
から紙葉類払い出し部に放出された紙葉類が第１部材と
紙葉類払い出し部との間に挟みこまれることがなくなつ
て、したがつて、本考案には、紙葉類払い出し部から紙
葉類を取り出すことが困難になつたり不可能になつたり
する事故の発生が防止される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部側面図、 第２図は従来の紙幣払い出し装置の要部側面図である。 1,23……紙幣払い出し装置（紙葉類払い出し装置）、２
……紙幣払い出し部（紙葉類払い出し部）、3a……板面
（傾斜面）、４……平坦部、６……突出部（第１突出
部）、7,14……第１部材、7a……対向面、８……第２部
材、8a……対向面、９……間隔、12,22……紙幣（紙葉
類）、19,25……紙幣貯留部（紙葉類貯留部）、24……
突出部（第２突出部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜面の上端に平坦部が設けられかつ前記
   傾斜面の下部に第１突出部が設けられた滑り台状の紙葉
   類払い出し部と、間隔をおいて対向するように配置され
   かつ前記間隔に接する両対向面がほぼ平行になるように
   形成された第１部材と第２部材とが設けられ、かつ紙葉
   類を貯留する時は前記両対向面をほぼ鉛直にして前記紙
   葉類を前記間隔の間において該紙葉類の紙面が前記両対
   向面にほぼ平行になつた姿勢で前記紙葉類払い出し部の
   前記平坦部の上に貯留し、かつ前記紙葉類を払い出す時
   は、前記平坦部上の前記紙葉類が前記第１部材によつて
   押されることによつて該第１部材と前記第２部材とで挟
   まれると共に前記紙葉類の下端が前記平坦部上を摺動す
   るように前記第１及び第２部材が運動して、前記第１部
   材と前記第２部材とで挟まれた前記紙葉類を一括して前
   記紙葉類払い出し部の前記傾斜面上に該紙葉類の表面ま
   たは裏面が該傾斜面に接触するように放出する紙葉類貯
   留部とを備え、前記紙葉類貯留部における前記第１部材
   の下端には該第１部材の運動によつて該下端が前記紙葉
   類払い出し部における前記傾斜面の上方に移動した状態
   になつた時に前記第１部材と前記紙葉類払い出し部との
   間に前記紙葉類が侵入することを阻止する第２突出部が
   設けられており、また前記紙葉類払い出し部における前
   記第１突出部は前記紙葉類貯留部によつて前記紙葉類払
   い出し部の前記傾斜面上に放出された前記紙葉類の滑落
   を阻止するように設けられていることを特徴とする紙葉
   類払い出し装置。