JP4148497B2 - コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法及び固体電解コンデンサ - Google Patents
コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法及び固体電解コンデンサ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に利用される固体電解コンデンサ用のアルミニウム箔の製造方法及びそれを用いたコンデンサに関する。さらに詳しく言えば、特に積層型のアルミニウム固体電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチングと化成処理の方法、及びその方法により得られたアルミニウム箔を用いた固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
電子機器の小型化、プリント基板の高密度実装化、実装の効率化等の要請から電子部品のチップ化、小型化が著しく進展し、これに伴い部品として使用される電解コンデンサのチップ化、小型化の要請が高まり、また取扱いやすさなどの点から、近年電解液を使用しない固体電解コンデンサが急速に伸びてきている。
【0003】
固体電解コンデンサは、一般的にアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどの弁作用金属からなる陽極体の表面をエッチングにより粗面化してミクロンオーダーの微細孔を形成して表面積を拡大し、その上に化成工程によって誘電体酸化皮膜を形成し、さらに陽極部との間にセパレータ(マスキング)を介して固体電解液を含浸させて陰極体としたコンデンサ素子を巻回あるいは積層させて筒状の金属ケースに収納し、金属ケースの開口部を封止部材によって密封することにより構成されている。また、チップ型の固体電解コンデンサでは、誘電体酸化皮膜を形成した電解箔に含浸させた固体電解質、その上のカーボンペースト層、銀ペーストからなる陰極導電層を形成した後に外装部を形成して構成される。
【0004】
上記の弁作用金属の中でも、アルミニウムはエッチング処理により容易に表面積を拡大でき、またアルミニウムを陽極とする陽極酸化処理(化成処理)により表面に形成される酸化皮膜が誘電体として利用できるため、他のコンデンサに比べて小型で大容量でかつ安価に製造できる特長があり、特に低圧用のアルミニウム固体電解コンデンサとして広く用いられている。
【0005】
アルミニウム固体電解コンデンサに用いられる電極箔はアルミニウム箔を電気化学的または化学的にエッチングしてその表面積を拡大した後、製品パターンの形状に打ち抜き、切り口部を化成処理して用いられている。
【0006】
また、アルミニウム箔のエッチング方法は、塩素イオンを含む水溶液中にリン酸、硫酸、硝酸などを添加した電解液中で、アルミニウム箔を正極とし、かつアルミニウム箔に隣接させて配置された電極を負極として直流電流を流してエッチングする直流電解エッチング法と、塩素イオンを含む水溶液中にリン酸、硫酸、硝酸等を添加した電解液中で、アルミニウム箔の両側に配置された電極間に交流電圧を印加しエッチングする交流電解エッチング法とがある。
【0007】
直流電解エッチングでは、腐食はアルミニウム表面に対して垂直方向にトンネル型に進行するのに対して、交流電解エッチングでは、腐食孔が次々と数珠状にランダム方向に連なる形で腐食が進行するため表面積の拡大(拡面)に好都合であり、主として交流電解エッチングがアルミニウム箔で行われているが、両者を組み合わせる方法、さらには交流電圧を徐々に上昇させる方法も提案されている(特開平11-307400号)。また、有効拡面を向上させるために交流の波形、振幅等を工夫した方法(特開平7-235456号(米国特許第5,500,101号))、腐食の開始点となる特定の金属を含有するアルミニウムを使用する方法(特開平7-169657号)も提案されている。
【0008】
本発明者らは、先に所定の矩形形状に切断した金属箔(アルミニウム箔)の一辺を直線状の金属製支持体(金属製ガイド)に並列して取り付け金属箔の固体電解質を形成する全領域を化成処理し、ついで化成領域の固体電解質を形成する領域と陽極端子となる境界域にマスキングを施した後、固体電解質を形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法を提案している。この方法によれば切断により生じる切り口部分も完全に化成することができるため、固体電解質や導電ペーストの切口部への浸入による漏れ電流が防止できる。
【0009】
上記の方法で得られる固体電解コンデンサは、所定の容量のコンデンサとするために、切り口部分を化成した素子を通常複数個積層して陽極端子に陽極リード線を接続し、導電性重合体を含む導電体層に陰極リード線を接続し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止して固体電解コンデンサが作製されている。
【0010】
しかし、固体電解コンデンサでは、この切り口部分が未エッチングのまま化成処理されているため、陰極部分での導電性重合体の付着工程において重合条件を綿密にコントロールしなければ、導電性重合体の形成が不均一になり、またマスキングを超えて導電性重合体が陽極部へ付着しやすく、容量の低下、等価直列抵抗(ESR)の上昇及び漏れ電流の上昇につながるという問題があった。また、切り口における切断時のダレ現象が上記コンデンサ特性を悪化させる原因にもなっている。
【0011】
さらに、固体電解コンデンサ素子の陽極部分がエッチング及び化成処理され、誘電体層が形成されていると、複数個の素子の陽極部分を接合する工程で確実な接合が行えないなどの問題があった。
【0012】
したがって、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、固体電解コンデンサの容量を高め、安定した品質を有し、かつ生産性を向上できる固体電解コンデンサ用アルミ箔の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み本発明者らは、固体電解コンデンサ用アルミ箔の原料シートして市販されている、表面がエッチングされていないアルミシート及び表面がエッチングされているアルミシートの両者からの固体電解コンデンサ用アルミ箔の製造方法について鋭意検討した。
【0014】
その結果、表面がエッチングされていないアルミシート及び表面がエッチングされているアルミシートのいずれもアルミニウム箔をコンデンサ素子の形状に切断した切口部をエッチングすることが有効であること見出した。
【0015】
また、表面がエッチングされていないアルミシートの場合には、切断で生じた切口部と共に、陽極端子部を残した導電体層の形成部分を、電解液に浸漬して電解エッチングを行った後所定の電圧で化成処理する方法により、全面が均一的に化成された表面が得られ、コンデンサ容量の増加及び漏れ電流の低下が見られ、また、積層時の陽極体部分の接合を確実にかつ効率的に行え、生産性が向上することを見出した。
【0016】
さらに、表面がエッチングされているアルミシートの場合には、切り口部分のみをエッチングした後、所定の電圧で化成処理する方法により、全面が均一的に化成された表面が得られ、コンデンサ容量の増加及び漏れ電流の低下が達成されることを見出した。
【0017】
すなわち、本発明は以下の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法、その方法により得られる固体電解コンデンサ用アルミニウム箔、前記アルミニウム箔を用いた固体電解コンデンサ、及びその固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0018】
1. アルミニウム箔をコンデンサ素子の形状に切断し、前記切断で生じた切口部をエッチングし、化成処理する工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
2. アルミニウム箔が表面がエッチングされていない箔であり、前記アルミニウム箔をコンデンサ素子の形状に切断し、アルミニウム箔の表面部と前記切断で生じた切口部をエッチングし、化成処理する前記1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
3. アルミニウム箔が表面がエッチングされている箔であり、前記アルミニウム箔をコンデンサ素子の形状に切断し、前記切断で生じた切口部をエッチングし、化成処理する前記1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
4. エッチングされているアルミニウム箔表面を保護材料により保護した後、切口部のエッチングを行なう前記3に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
5. エッチング後、保護材料を除去し、アルミニウム箔表面部及び切口部を同時に化成処理する前記4に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
6. エッチングされているアルミニウム箔のエッチング深さに対して切口部のエッチング深さが1以下となるよう切口部をエッチングする前記3に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
7. エッチングが電解エッチングである前記1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
8. 電解エッチングが、塩酸を主成分とする酸性水溶液からなる電解液にアルミニウム箔を浸漬して、交流の電流密度を徐々に上昇させ、その後一定電流で交流電解エッチングを行う前記7に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
9. 電解エッチングが、周波数1〜1000Hz、電流密度0.025〜4A/cm2、エッチング電気量0.02〜2000C/cm2の条件で行う交流電解エッチングである前記8に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
10. 矩形の形状に切断したアルミニウム箔の一辺を金属製支持体に並列して取り付け、前記アルミニウム箔の一部を電解液に浸漬して電解エッチングを行った後、化成処理する前記7に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
11. 固体電解コンデンサを作製した時にアルミニウム箔の陽極となる部分と導電体層を形成する領域との境界部に予めマスキングを施す前記10に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
12. アルミニウム箔が0.05〜1mmの厚さを有するものである前記1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
13. アルミニウム箔が、Si、Fe、Cu、Ti、V及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有するアルミニウム箔である前記1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
14. 前記元素の含有量が、それぞれ1〜100質量ppmである前記13に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
15. アルミニウム箔が、Siを1〜100質量ppm、Feを1〜100質量ppm及びCuを1〜100質量ppm含有するアルミニウム箔である前記13または14に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
16. アルミニウム箔が、硬質アルミニウム箔である前記12または13に記載のまたは固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
17. 前記2に記載の方法で得られた固体電解コンデンサ用アルミニウム箔。
18. 前記3に記載の方法で得られた、エッチングされているアルミニウム箔のエッチング深さに対して切口部のエッチング深さが1以下となるように切口部がエッチングされた固体電解コンデンサ用アルミニウム箔。
19. 前記1に記載の方法で得られたアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けてなる固体電解コンデンサ。
20. 固体電解質層が、導電性重合体を含む層である前記19に記載の固体電解コンデンサ。
21. 前記導電性重合体が、複素五員環を含むモノマー化合物またはアニリン骨格を有するモノマー化合物の重合体である前記20に記載の固体電解コンデンサ。
22. 複素五員環を含むモノマー化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、多環状スルフィド及びそれらの置換誘導体から選ばれる前記21に記載の固体電解コンデンサ。
複素五員環を含むモノマー化合物が、下記一般式(I)
【化2】
(式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3乃至7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意に含んでもよい。)で示される化合物である前記21に記載の固体電解コンデンサ。
24. 複素五員環を含むモノマー化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる化合物である前記23に記載の固体電解コンデンサ。
25. 前記17に記載のアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けたコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
26. 前記18に記載のアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けたコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
27. 前記1乃至16に記載の方法で得られた固体電解コンデンサ用アルミニウム箔に誘電体酸化皮膜を形成させる工程、及び前記誘電体酸化皮膜上に固体電解質を形成させ、その上に導電体を形成させる工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の方法を説明する。
アルミニウム:
本発明で使用するアルミニウム箔は、ロール状または板のアルミニウム箔を固体コンデンサの形状に合わせて所定の形状に裁断(スリット)したものである。厚みは、エッチング後のアルミニウム箔の強度が十分確保できる範囲であれば良く、例えば0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.4mm、さらに好ましくは0.1〜0.2mmである。
【0020】
アルミニウム箔としては、アルミニウムだけでなく、アルミニウムベースとするアルミニウム合金の箔が使用できる。アルミニウム合金の具体例としてはアルミニウムとチタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、ハフニウムのいずれか1種若しくは複数との合金が挙げられる。
【0021】
アルミニウムとしては、Si、Fe、Cu、Ti、V及びZrからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有するアルミニウム、好ましくは該元素をアルミニウム箔全量に対して1〜100質量ppm、さらに好ましくは10〜50質量ppm、特に好ましくは10〜30質量ppm含有するものが用いられる。
【0022】
特に、Siを1〜100質量ppm、Feを1〜100質量ppm、及びCuを1〜100質量ppm含有するアルミニウムが好ましく、さらに好ましくはSiを10〜50質量ppm、Feを10〜50質量ppm、及びCuを10〜50質量ppm含有するアルミニウムである。
【0023】
また、アルミニウム箔は、箔圧延後の熱処理(焼鈍)によって性質が変化する。熱処理を行っていない「硬質箔」は、圧延方向に引き延ばされた細長い繊維状結晶の集合体になっており、熱処理として300〜400℃で焼鈍するとほぼ完全に一次再結晶を完了した「軟質箔」となり、550〜600℃で焼鈍すると、正常結晶粒が成長した「極軟質箔」となる。本発明で使用するアルミニウム箔は、上記のいずれの箔が使用できるが、硬質箔(硬質アルミニウム箔)が好ましい。
【0024】
裁断の形状は限定されないが、好ましくは平板形素子単位として幅1〜50mm、長さ1〜50mmの範囲であれば良く、好ましくは幅2〜20mm、長さ2〜20mm、より好ましくは幅2〜5mm、長さ2〜6mmである。
固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造:
【0025】
本発明では上記所定の形状に裁断したアルミニウム箔(表面部がエッチング加工されたアルミニウム箔またはエッチング加工されていないアルミニウム箔)(1)の一辺を金属製支持体(10)に並列して取り付ける(図1)。あるいは、コンデンサ素子が取れるような櫛形状に切断し、支持体に取り付けることもできる。
【0026】
(i)マスキング
本発明では、図2(A)に示すように前記アルミニウム箔(1)の陽極となる部分(2)と導電体層を形成する領域(3)との境界部に予めマスキング(4)を施しておくことが好ましい。
マスキングは後に形成する導電体層(陰極部)を確実に陽極部と絶縁する機能を有するだけでなく、エッチング、化成処理、電解質形成、導電体形成工程における処理液のはい上がりを防止する働きをも有する。
使用するマスキング材としては、一般的な耐熱性樹脂、好ましくは溶剤に可溶あるいは膨潤しうる耐熱性樹脂またはその前駆体、無機質微粉とセルロース系樹脂からなる組成物(特開平11-80596号公報)などが使用できる。
【0027】
具体例としてはポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミド及びそれらの誘導体などが挙げられる。低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂及びそれらの前駆体が好ましく、特に低分子量ポリイミドが好ましい。
【0028】
これらを有機溶剤の溶液あるいは分散液として線状に塗布し、加熱処理により熱変性し高分子化して硬化する。
また、マスキングとしては、ポリプロピレン、ポリエステル、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂製等のテープを貼付する方法、樹脂コートフィルム部を形成する方法を採用することもできる。
【0029】
(ii)電解エッチング
上記金属製支持体に並列して取り付けたアルミニウム箔または板の、陽極となる部分から下、好ましくはマスキングを施した部分の下を塩素イオンを含む水溶液中にリン酸、硫酸、硝酸等を添加した電解液中で電解液に浸漬してエッチング処理する(図2(B))。
【0030】
表面部がエッチング加工されたアルミニウム箔の場合には切断した表面部とほぼ同じ大きさの治具で表面を保護することにより未エッチング部の切り口面のみを露出させることが好ましい。
【0031】
このエッチング表面部を保護する治具としては、電解液(エッチング液)と反応せず安定に存在するものであってアルミニウム箔と十分に密着できるものであればよく、例えば、アクリル系の樹脂、ポリエチレンシート、レジスト材料などを用いることが出来る。ポリエチレンシートの場合は、予めエッチング面全体を覆い、これから所定の大きさに切断することができる。
このエッチング面を治具で保護したアルミニウム箔または板を電解液に浸漬して切り口部へエッチングを施す。
【0032】
エッチングは周波数1〜1000Hz、電流密度0.025〜4A/cm2、エッチング電気量0.02〜2000C/cm2、好ましくは0.02〜1000C/cm2、さらに好ましくは0.02〜500C/cm2の条件の交流エッチングを行うが、交流の電流密度を徐々に上昇させ、その後一定電流で交流電解エッチングを行うことが好ましい。
また直流電解エッチングと交流電解エッチングを併用し、最初に直流で、その後に交流電解エッチングを行ってもよいし、直流電解エッチングのみでエッチングしてもよい。
また、化学エッチングによる表面拡大化も可能である。化学エッチングとしては、硝酸、塩化第二鉄などを使用することが出来る。
【0033】
表面部がエッチング加工されたアルミニウム箔で切り口面のみを露出させたアルミニウム箔では、切り口部エッチング深さ(微細孔の箔の中心方向の長さ)と表面部エッチング深さ(微細孔(エッチングピット)の箔の厚み方向の長さ)の割合、切り口部エッチング深さ/表面部エッチング深さが1以下、好ましくは0.01〜0.9、さらに好ましくは0.05〜0.8がよい。例えば、100μmのアルミニウム箔の場合、表面部エッチング深さは、35μmであり、切り口エッチング深さは、3μm程度とする。ここで、エッチング深さは箔の断面を電子顕微鏡で観察し、最長と最短の深さ平均値を示す。なお、切り口部エッチング深さ/表面部エッチング深さが1を超えると切口部の溶解または脱落が生じ、容量が低下してしまう。
【0034】
(iii)化成処理
ついで、未エッチング処理アルミニウム箔の場合には上記でエッチングした表面部と切断部(5)をそのまま、またエッチング処理されたアルミニウム箔の場合には治具を剥して露出させた表面部とエッチングされた切断部(5)を化成処理する(図2(C))。
【0035】
化成処理は種々の方法によって行なうことができる。化成処理の条件は特に限定されるものではないが、例えば蓚酸、アジピン酸、ホウ酸、リン酸及びそれらの塩等の少なくとも1種を含む電解液を用い、その電解液濃度が0.05質量%〜20質量%、温度が0℃〜90℃、電流密度が0.1mA/cm2〜600mA/cm2、電圧は処理する箔の化成電圧に応じた数値、化成時間が60分以内の条件で化成を行なう。さらに好ましくは前記電解液濃度が0.1質量%〜15質量%、温度が20℃〜70℃、電流密度が1mA/cm2〜100mA/cm2、化成時間が30分以内の範囲内で条件を選定する。
【0036】
化成処理の後に、必要により、例えば耐水性の向上のためのリン酸浸漬処理、皮膜強化のための熱処理または沸騰水への浸漬処理等を行なうことができる。
以上により本発明の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔が得られるが、この後引き続く工程として化成処理部分(6)に陰極層となる固体電解質(7)を形成する(図3)。
【0037】
固体電解質の形成:
本発明の固体電解コンデンサに用いられる固体電解質を形成する導電性高分子は限定されないが、好ましくはπ電子共役系構造を有する導電性重合体、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられる。
【0038】
導電性重合体の原料として用いられるモノマーのうち、チオフェン骨格を有するモノマー化合物としては、一般式(I)
【化3】
(式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0039】
具体的には、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準備できる。
【0040】
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有するモノマー化合物としては、下記一般式(II)
【化4】
(式中、置換基R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR3、R4、R5、R6、R7及びR8の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。kはチオフェン環と置換基R3〜R6を有するベンゼン環に囲まれた縮合環の数を表わし、0〜3の整数値である。式中の縮合環には窒素またはN−オキシドを任意に含んでもよいが、その数だけ置換基R3〜R6はないことになる。)で示されるものが挙げられる。
【0041】
具体的には、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8-3156号公報記載の方法により準備することができる。
【0042】
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体等も使用できる。
【0043】
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる化合物もあり、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
また、ピロール骨格を有するモノマー化合物としては、下記一般式 (III)
【化5】
(式中、置換基R9及びR10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR9またはR10の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0045】
具体的には、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げられるが、これらに限られない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
【0046】
また、フラン骨格を有するモノマー化合物としては、下記一般式(IV)
【化6】
(式中、置換基R11及びR12は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR11またはR12の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0047】
具体的には、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できる。
【0048】
また、アニリン骨格を有するモノマー化合物としては、下記一般式(V)
【化7】
(式中、置換基R13、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR13、R14、R15及びR16の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0049】
具体的には、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,3−ブチレンアニリン、2,3−メチレンジオキシアニリン、2,3−エチレンジオキシアニリン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
【0050】
また上記化合物群から選ばれるモノマー化合物を併用し、共重合体として固体電解質を形成させても良い。その時の重合性単量体の組成比などは重合条件等に依存するが、好ましい組成比、重合条件などは簡単なテストにより確認できる。例えば、モノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化皮膜層に塗布して形成する方法(特開平2-15611号公報(米国特許第4,910,645号)や特開平10-32145号公報(米国特許第6,229,689号))等が利用できる。一般に導電性重合体には、アリールスルホン酸塩系ドーパント、例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩をドーパント供与剤として用いることができる。
【0051】
固体電解質層(7)の表面に、カーボンペースト層と金属粉含有導電性層を設けてコンデンサの陰極部(8)が形成される(図3)。金属粉含有導電性層は固体電解質層と密着接合し陰極として作用すると同時に、最終コンデンサ製品(図4)の陰極リード端子(9)を接合するための接着層となるものである。金属粉含有導電性層の厚さは限定されないが、一般には10〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度である。
【0052】
本発明のコンデンサは、例えば少なくとも2枚を積層した積層型のコンデンサとして通常用いられる。積層型固体電解コンデンサにおいては、リードフレーム(11)を面取り、つまり稜角の部分を少し平らに削ったり、丸味をつけたりするリードフレーム形状にしても良い。
また、リード端子(9)、(13)の役目をリードフレームの対向する陰極ボンディング部、陽極ボンディング部に持たせたものとして使用しても良い。
【0053】
リードフレームの材料は一般的に使用されるものであれば特に制限はないが、好ましくは銅系(例えばCu−Ni系、Cu−Ag系、Cu−Sn系、Cu−Fe系、Cu−Ni−Ag系、Cu−Ni−Sn系、Cu−Co−P系、Cu−Zn−Mg系、Cu−Sn−Ni−P系合金等)の材料もしくは表面に銅系の材料のメッキ処理を施した材料で構成すればリードフレームの形状の工夫により抵抗の減少、リードフレームの面取り作業性が良好になる等の効果が得られる。
【0054】
固体電解コンデンサ(14)は、図4に断面図を示す通り、陽極部(12)に接合したリードフレーム(11)にリード端子(13)を接合し、固体電解質層(7)、カーボンペースト層及び金属粉含有導電性層からなる陰極部(8)にリード線(9)を接合し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂(15)で封止して得られる。
【0055】
【発明の効果】
本発明により得られる効果は次の通りである。
(1)予めアルミニウムを素子に相当する大きさに切断した後に、エッチング及び化成を行うため、切り口部分にも均一にエッチング及び化成を施すことができる。従って、切断エッジ部からの漏れ電流が大幅に少なくなり、さらに、固体電解質の形成が均一に起こりやすく、かつ高分子が付着しやすくなる。また、均一な皮膜と高分子の均一な付着により、製作後のコンデンサにおいてESRの低下がみられ、総合的にコンデンサの歩留まりが向上する。
(2)要求される厚さでアルミニウムのエッチング設計ができ、コンデンサとして任意の大容量を得ることができる。
【0056】
(3)表面がエッチングされていないアルミニウム箔を用いる場合、アルミニウム箔の陽極となる部分と導電体層を形成する領域との境界部に予めマスキングを施すことにより、陽極部がエッチング及び化成されないため、積層型コンデンサとする場合に陽極部の接合が確実かつ効率的に行え、陽極部の積層における電気抵抗がほとんどない。また、陽極部にエッチングの微細孔が存在すると、毛細管現象で導電体層の形成時に溶液の液上がりが起こり、導電性重合体の形成が起こりやすくかつ付着しやすい傾向が見られるため、マスキング剤の選択に苦労していたが、陽極部が未エッチングのため前記液上がりが起こらないため、固体電解質が付着せず、ショートがなくなり、さらに漏れ電流が低下する。
【0057】
(4)エッチングされている市販のアルミニウム箔を用いる場合、エッチング深さに対して切口部のエッチング深さが1以下となるよう切口部のエッチング深さを調整することにより、切口部にも均一にエッチング及び化成を施すことができる。従って、切断エッジ部からの漏れ電流が大幅に少なくなり、さらに、固体電解質の形成が均一に起こりやすく、かつ重合体が付着しやすくなる。また、均一な皮膜と重合体の均一な付着により、製作後のコンデンサにおいてESRの低下が見られ、総合的にコンデンサの歩留まりが向上する。切口部のエッチング深さが1を超えると切口部の溶解または脱落が生じ、静電容量の低下を招いてしまう。
【0058】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
【0059】
実施例1〜9:
マスキング工程
厚み150μmの表面未エッチングアルミ箔(Si:20質量ppm,Fe:24質量ppm,Cu:33質量ppm,Ti:0.9質量ppm含有)を3mm幅に切断(スリット)したものを13mmずつの長さに切り取り、この箔片の一方の短辺部を金属製ガイドに固定し、固定していない端から4〜5mmの範囲に耐熱性基材と耐熱性粘着剤よりなるテープをアルミ箔に周状に幅1mmで貼り付けた。
【0060】
エッチング処理工程
金属製ガイドに固定されたアルミ箔を先端からマスキング線までの部分を60℃の第1電解液(10%塩酸+0.5%硫酸水溶液)、35℃の第2電解液(10%塩酸+1.5%硫酸水溶液)に浸漬して、表1に示す周波数、電流密度、電気量の条件で交流電解エッチングを行った。さらに3%硝酸水溶液でケミカルエッチングを行った。
【0061】
化成処理工程
金属製ガイドに固定されたアルミ箔の先端からマスキング線までの部分をアジピン酸アンモニウム水溶液中に浸して13Vの電圧を印加して未化成部を化成し、誘電体皮膜を形成した。
【0062】
固体電解質形成工程
化成処理層領域に以下のようにして固体電解質を形成した。
すなわち、アルミ箔の先端から4mmのマスキング層を境にしてマスキング層と逆側の部分(3mm×4mm)を3,4−エチレンジオキシチオフェン20質量%を含むイソプロパノール溶液(溶液1)に浸漬し、引き上げて25℃で5分間放置した。次にモノマー溶液処理したアルミ箔部分を2−アントラキノンスルホン酸ナトリウム(東京化成社製)が0.07質量%となるように調製した過硫酸アンモニウム水溶液30質量%を含む水溶液(溶液2)に浸漬し、これを60℃で10分間乾燥し、酸化重合を行った。溶液1に浸漬してから溶液2に浸漬し酸化重合を行う操作を25回繰返して固体電解質層を形成した。金属製ガイドからアルミニウム箔を切り出し、図3に示すような固体電解コンデンサ素子として得た。
【0063】
チップ積層型固体電解コンデンサ素子の構築と試験
固体電解コンデンサ素子をマスキング層を含む部分をリードフレーム上に銀ペーストで接合しながら3枚重ね、導電性重合体のついていない部分に陽極リード端子を溶接により接続し、全体をエポキシ樹脂で封止し、120℃で定格電圧を印加して2時間エージングして合計30個のチップ型固体電解コンデンサを作製した。作製した積層型固体電解コンデンサの断面図を図4に示す。
【0064】
この積層型固体電解コンデンサ素子について、230℃の温度領域を30秒通過させることによりリフロー試験を行い、定格電圧印加後1分後の漏れ電流を測定し、測定値が1CV以下のものについて漏れ電流の平均値(μA)を求め、0.04CV以上を不良品として「不良品数/評価数」を求めリフロー耐熱不良率とした。これらの結果を表2に示す。
【0065】
実施例10:
実施例1においてマスキング用のテープの代わりに粘度800cpに調整したポリイミド樹脂溶液(新日本理化(株)製;リカコート(商品名))を、塗布面幅0.4mmの円盤状の塗布装置(図示せず)に供給して、塗布装置の塗布面をアルミ化成箔の全周に当接・押圧して0.8mm幅に線状に描き、約180℃で乾燥させマスキング層(ポリイミド膜)を形成した他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表2に示す。
【0066】
実施例11:
実施例3において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表2に示す。
【0067】
実施例12:
実施例6において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表2に示す。
【0068】
実施例13:
実施例9において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表2に示す。
【0069】
実施例14:
実施例1において、過硫酸アンモニウムに代えて硫酸第2鉄を、また3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えて1,3−ジヒドロイソチアナフテンとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表2に示した。
【0070】
実施例15:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてピロールとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表2に示した。
【0071】
実施例16:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてフランとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表2に示した。
【0072】
実施例17:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてアニリンとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表2に示した。
【0073】
比較例1:
実施例1においてアルミ箔の代わりに市販の化成アルミ箔を用い、エッチング処理工程を除いた他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
実施例18〜26:
マスキング工程
厚み150μmのエッチドアルミニウム箔(Si:20質量ppm,Fe:24質量ppm,Cu:33質量ppm,Ti:0.9質量ppm含有)を3mm幅に切断(スリット)したものを13mmずつの長さに切り取り、この箔片の一方の短辺部を金属製ガイドに固定し、固定していない端から4〜5mmの範囲に耐熱性基材と耐熱性粘着剤よりなるテープをアルミニウム箔に周状に幅1mmで貼り付けた。
【0077】
エッチング処理工程
エッチング表面をポリエチレンシートで覆った後、アルミニウム箔を先端からマスキング線までの部分を60℃の第1電解液(10質量%塩酸+0.5質量%硫酸水溶液)に浸漬して、表3に示す周波数、電流密度、電気量の条件で切り口部の交流電解エッチングを行った。さらに3質量%硝酸水溶液でケミカルエッチングを行った。
【0078】
化成処理工程
ポリエチレンシートを外した後、アルミニウム箔の先端からマスキング線までの部分をアジピン酸アンモニウム水溶液中に浸して13Vの電圧を印加して未化成部を化成し、誘電体皮膜を形成した。
【0079】
固体電解質形成工程
化成処理層領域に以下のようにして固体電解質を形成した。
すなわち、アルミ箔の先端から4mmのマスキング層を境にしてマスキング層と逆側の部分(3mm×4mm)を3,4−エチレンジオキシチオフェン20質量%を含むイソプロパノール溶液(溶液1)に浸漬し、引き上げて25℃で5分間放置した。次にモノマー溶液処理したアルミ箔部分を2−アントラキノンスルホン酸ナトリウム(東京化成社製)が0.07質量%となるように調製した過硫酸アンモニウム水溶液30質量%を含む水溶液(溶液2)に浸漬し、これを60℃で10分間乾燥し、酸化重合を行った。溶液1に浸漬してから溶液2に浸漬し酸化重合を行う操作を25回繰返して固体電解質層を形成した。金属製ガイドからアルミニウム箔を切り出し、図3に示すような固体電解コンデンサ素子として得た。
【0080】
チップ積層型固体電解コンデンサ素子の構築と試験
固体電解コンデンサ素子をマスキング層を含む部分をリードフレーム上に銀ペーストで接合しながら3枚重ね、導電性重合体のついていない部分に陽極リード端子を溶接により接続し、全体をエポキシ樹脂で封止し、120℃で定格電圧を印加して2時間エージングして合計30個のチップ型固体電解コンデンサを作製した。作製した積層型固体電解コンデンサの断面図を図4に示す。
【0081】
この積層型固体電解コンデンサ素子について、230℃の温度領域を30秒通過させることによりリフロー試験を行い、定格電圧印加後1分後の漏れ電流を測定し、測定値が1CV以下のものについて漏れ電流の平均値(μA)を求め、0.04CV以上を不良品として「不良品数/評価数」を求めリフロー耐熱不良率とした。これらの結果を表4に示す。
【0082】
実施例27:
実施例20において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表4に示す。
【0083】
実施例28:
実施例23において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表4に示す。
【0084】
実施例29:
実施例26において、アルミ箔の厚みを150μmの代わりに300μmにした他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表4に示す。
【0085】
実施例30:
実施例18において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてピロールとした以外は、実施例18と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例18と同様に行い、その結果を表4に示した。
【0086】
実施例31:
実施例18において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてフランとした以外は、実施例18と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例18と同様に行い、その結果を表4に示した。
【0087】
実施例32:
実施例18において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてアニリンとした以外は、実施例18と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例18と同様に行い、その結果を表4に示した。
【0088】
比較例2:
実施例18においてアルミ箔の代わりに市販の化成アルミ箔を用い、切り口エッチング処理工程を除いた他は、同様にして積層型固体電解コンデンサを作製し、同様に漏れ電流の測定とリフロー試験を行った。その結果を表4に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するため金属支持体に取り付けるアルミニウム箔の配置を示す図である。
【図2】 (A)〜(C)は本発明の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造工程の説明図である。
【図3】 本発明の固体電解コンデンサ素子の断面図である。
【図4】 本発明の固体電解コンデンサ素子からの積層型固体電解コンデンサ例の断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔
2 陽極部
3 導電体層を形成する領域
4 マスキング
5 エッチング領域
6 化成処理域
7 固体電解質層
8 陰極部
9 陰極リード端子
10 金属製支持体(ガイド)
11 リードフレーム
12 陽極部
13 陽極リード端子
14 固体電解コンデンサ
15 絶縁性樹脂
Claims (25)
- 表面がエッチングされているアルミニウム箔をコンデンサ素子の形状に切断し、前記切断で生じた切口部をエッチングし、化成処理する工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- エッチングされているアルミニウム箔表面を保護材料により保護した後、切口部のエッチングを行なう請求項1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- エッチング後、保護材料を除去し、アルミニウム箔表面部及び切口部を同時に化成処理する請求項2に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- エッチングされているアルミニウム箔の表面部のエッチング深さに対して切口部のエッチング深さが1以下となるよう切口部をエッチングする請求項1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- エッチングが電解エッチングである請求項1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 電解エッチングが、塩素イオンを含む酸性水溶液からなる電解液にアルミニウム箔を浸漬して、交流の電流密度を徐々に上昇させ、その後一定電流で交流電解エッチングを行う請求項5に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 電解エッチングが、周波数1〜1000Hz、電流密度0.025〜4A/cm2、エッチング電気量0.02〜2000C/cm2の条件で行う交流電解エッチングである請求項6に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 矩形の形状に切断したアルミニウム箔の一辺を金属製支持体に並列して取り付け、前記アルミニウム箔の一部を電解液に浸漬して電解エッチングを行った後、化成処理する請求項5に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 固体電解コンデンサを作製した時にアルミニウム箔の陽極となる部分と導電体層を形成する領域との境界部に予めマスキングを施す請求項8に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- アルミニウム箔が0.05〜1mmの厚さを有するものである請求項1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- アルミニウム箔が、Si、Fe、Cu、Ti、V及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有するアルミニウム箔である請求項1に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 前記元素の含有量が、それぞれ1〜100質量ppmである請求項11に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- アルミニウム箔が、Siを1〜100質量ppm、Feを1〜100質量ppm及びCuを1〜100質量ppm含有するアルミニウム箔である請求項11または12に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- アルミニウム箔が、硬質アルミニウム箔である請求項10または11に記載固体電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 請求項1に記載の方法で得られた固体電解コンデンサ用アルミニウム箔。
- エッチングされているアルミニウム箔の表面部のエッチング深さに対して切口部のエッチング深さが1以下となるように切口部がエッチングされた請求項15に記載の固体電解コンデンサ用アルミニウム箔。
- 請求項1に記載の方法で得られたアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けてなる固体電解コンデンサ。
- 固体電解質層が、導電性重合体を含む層である請求項17に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性重合体が、複素五員環を含むモノマー化合物またはアニリン骨格を有するモノマー化合物の重合体である請求項18に記載の固体電解コンデンサ。
- 複素五員環を含むモノマー化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、多環状スルフィド及びそれらの置換誘導体から選ばれる請求項19に記載の固体電解コンデンサ。
- 複素五員環を含むモノマー化合物が、下記一般式(I)
- 複素五員環を含むモノマー化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる化合物である請求項21に記載の固体電解コンデンサ。
- 請求項15に記載のアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けたコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
- 請求項16に記載のアルミニウム箔上に、固体電解質層及び導電層を順次設けたコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の方法で得られた固体電解コンデンサ用アルミニウム箔に誘電体酸化皮膜を形成させる工程、及び前記誘電体酸化皮膜上に固体電解質を形成させ、その上に導電体を形成させる工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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