JP4148428B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機(例えば、パチンコ遊技機)遊技制御手順たる遊技プログラムを記憶する不揮発性メモリおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵し、予め格納された遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段を有する遊技用演算処理装置を備え、遊技盤に設けた始動口への遊技球の入賞に基づいて表示装置で複数の識別情報を変動表示させ、該変動表示の停止表示結果に基づいて遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機、詳しくはパチンコ遊技機は市場に販売するにあたって所定の法律等(例えば、風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律等)に則したパチンコ遊技機の性能を満たしているか否かの検査を、第3者機関によって行ってもらい、所定の基準(例えば、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に定められた基準)を満たしている場合に限り、販売許可を取得でき、その結果、市場での販売が可能になっている。この場合、遊技用演算処理装置には遊技制御手順たる遊技プログラムおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵している。
【0003】
この場合の検査では、実球を発射して、所定の基準を満たしているか否かの検査も行うが、遊技領域に設けられた始動口に、遊技球が入賞するタイミングで内部で生成している乱数を取得し、表示装置(特別図柄表示装置:いわゆる特図の表示装置)に表示されている複数の図柄を変動して、取得した乱数値を所定の判定値と比較判定し、比較結果が大当たりの場合は、例えば、「777」等の大当たりを表示する組み合わせで表示し、遊技者に大きな価値を与える大当たり遊技を行わせ、一方、比較結果が外れの場合は、「123」等の外れを表示する組み合わせで表示し通常遊技に戻るという、いわゆる第1種遊技機の場合は、始動口に入賞して乱数を取得する等の確率的要素が高く、それを実球の発射で検査するのは、長い時間を費やしてしまうため、遊技制御基板と検査装置(例えば、パーソナルコンピュータ)を所定の中継装置を介在させて接続し、遊技制御基板に直接に始動口信号を入力し、遊技制御基板より大当たり信号を取得して検査を行っている(すなわち、実球を発射せず、電気的に検査を行っている)。
【0004】
また、大当たりを構成する図柄のうち、1/2が確率変動遊技となる第1種遊技機の場合は、その図柄の出現率も検査対象となるので、停止図柄の情報も取得している。
一方、遊技店においては、設置した遊技機の稼働情報等を収集して、経営情報(当店の営業に適した機種選択、一回交換、無制限等の営業方法の選択等)として活用するために、遊技情報収集管理システムを導入している。これは、店内に通信網を設置し、その通信網より遊技情報を管理装置が収集して稼働情報等を演算・加工するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第3者機関による検査や遊技店での遊技情報の収集という点で、従来の遊技機にあっては、以下のような問題点があった。
(イ)上述の検査機関における検査において、遊技機製造メーカは、遊技制御基板と検査装置間に介在する中継装置を機種毎に作成し、その中継装置で、検査装置が所望する信号形態に変換している。
ところが、遊技制御基板から中継装置への入力に着目した場合、検査装置が所望する信号形態を作成するために、通常、遊技制御基板が外部信号として出力している信号のみでは間に合わず、遊技制御基板から延出する配線のコネクタに直に接続して必要な信号を取り出すための結線作業も必要となって、接続作業が煩雑であった。
例えば、大入賞口の開放時間の検査等を行うためには、大入賞口ソレノイド駆動信号を取り出す必要があるが、大入賞口ソレノイド駆動信号は遊技制御基板が外部信号として出力している信号ではない。そのため、遊技制御基板から延出して大入賞口ソレノイドに接続される大入賞口ソレノイド駆動信号の配線のコネクタに直に検査装置側の配線を接続して取り出すという結線作業を要する。このように遊技機製造メーカにおける検査準備が煩雑であった。
【0006】
(ロ)また、機種毎に中継装置を作成しなければならず、面倒であるし、コストもかかっていた。
(ハ)遊技店において遊技情報を収集する際に、遊技機より外部信号として出力される信号(この外部信号は、例えば遊技店の管理装置に送出される)は、個別に出力される(例えば、大当たり信号、特図停止信号等と個別になっている)。そのため、信号の種類も自ずと限られてしまい、遊技店が本来望む情報を遊技機から出力できなかった。信号の種類が限られるのは、個別なので信号の種類を多くすると、そのための信号中継基板等の面積が嵩んで遊技機の裏側のスペースに取り付けられないことがあり、信号中継基板等の設置に限りがあるからである。また、遊技店が本来望む情報の背景を説明すると、例えば遊技店は集客のために、大当たり時における特図の図柄等で営業形態(1回交換等)を変える場合があり、大当りが発生すると、その都度店員が遊技機まで駆けつけて停止図柄を確認しなければならない。そのために、大当り時の停止図柄は、遊技店が本来望む情報となるが、従来はそのような遊技店が所望する情報を簡単に得ることが困難であった。
【0007】
(ニ)一方、遊技機の情報を収集するために、例えば遊技用演算処理装置に対して直接にアクセスして情報を得るという方法も考えられるが、その場合には、遊技用演算処理装置が遊技制御手順たる遊技プログラムを格納していたり、遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵したりしていることから、例えば遊技プログラムの解析ができないように、十分な考慮を払う必要がある。ところが、そのような場合に遊技プログラムの解析(あるいは遊技プログラムのノウハウの流出)ができないような情報収集技術は、いままで無かった。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、遊技プログラムのノウハウの流出を防止しつつ、検査機関による検査、および遊技機製造メーカにおける検査準備を容易にするとともに、遊技店が所望する遊技情報を簡単に出力できる遊技機を提供することを目的としている。
【0009】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、遊技機の遊技制御手順たる遊技プログラムを記憶する不揮発性メモリおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵し、予め格納された遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段を有する遊技用演算処理装置を備え、
遊技盤に設けた始動口への遊技球の入賞に基づいて表示装置で複数の識別情報を変動表示させ、該変動表示の停止表示結果に基づいて遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記遊技用演算処理装置は、
前記不揮発性メモリ、前記作業用メモリ及び前記遊技制御手段を含んで前記遊技制御を行う遊技領域部と、
前記遊技領域部とは独立して動作し、情報管理を行う情報領域部と、から構成され、
前記情報領域部は、
外部へ送出可能な遊技情報の設定として予め外部から入力される設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記作業用メモリ領域に格納されている遊技情報を複写し、記憶する複写記憶手段と、
前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報に基づいて、前記複写記憶手段に記憶された遊技情報から外部へ送出可能な遊技情報を抽出して記憶する遊技情報記憶手段と、
外部からの要求に基づいて、前記遊技情報記憶手段に記憶された遊技情報から外部からの要求に対応する遊技情報を応答情報として取得して送出する遊技情報応答手段と、を有し、
前記複写記憶手段は、
前記遊技領域部のバスの状態を監視して前記遊技情報を複写する際のタイミングを制御することで、当該遊技領域部による遊技制御動作に影響を与えることなく前記作業用メモリに格納されている遊技情報を複写するよう構成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明による遊技機は、前記応答情報送出手段は、外部からの要求が正規な要求であるか否かを判別する要求判別手段を含み、
前記要求判別手段によって外部からの要求が正規な要求であると判別された場合に、外部からの要求に対応する遊技情報を応答情報として取得して送出することを特徴とする。
請求項3記載の発明による遊技機は、前記情報領域部は、前記遊技制御手段による遊技制御動作を停止させる遊技制御動作停止手段を有し、
前記設定情報記憶手段は、前記遊技制御手段によるアクセスが禁止される前記作業用メモリのアドレス範囲の設定として外部から入力されるアドレス範囲設定情報を記憶可能に構成され、
前記遊技制御動作停止手段は、前記設定情報記憶手段に記憶されたアドレス範囲設定情報に含まれるアドレス範囲に前記遊技制御手段によるアクセスがあった場合に、当該遊技制御手段による遊技制御動作を停止させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、多数のパチンコ遊技機(弾球遊技機であり、以下、遊技機と略称する。)を設置した遊技店に適用した実施の形態として図面を参照して説明する。
【0011】
A.遊技店の全体構成
最初に、遊技店の全体構成について説明する。図1は遊技店の全体構成を示すブロック図である。図1において、1は遊技店であり、遊技店1にはCR機タイプの遊技機10a、10b等が多数設置されたパチンコ島11、状態変化情報記録装置(JR)、補助状態変化情報記録装置(JR’)、履歴処理装置12、カウンタ用コンピュータ(CC)、FAX装置13、事務所用コンピュータ(HC)、プリンタ14、通信制御装置15〜18、玉計数機19、島金庫20、監視カメラシステム21、アナウンスシステム22および設定・検査装置23(ただし、常時、後述の店内ネットワーク37(すなわち、LON通信網91)に接続されるものではない)が配置されている。
【0012】
パチンコ島11は、情報収集端末装置(情報収集BOX)31a、31b、・・・(以下、適宜、情報収集端末装置31で代表する)、遊技機10a、10b、・・・(以下、適宜、遊技機10で代表する)、カード式球貸装置32a、32b、・・・(以下、適宜、カード式球貸装置32で代表する)、球切装置33a、33b、・・・(以下、適宜、球切装置33で代表する)、パルスタンク34a、34b、・・・(以下、適宜、パルスタンク34で代表する)およびネットワーク中継装置35(例えば、ルータ)を備えている。なお、パチンコ島11は遊技店1に複数が配置されるが、ここでは1つのパチンコ島11の詳細を説明する。その他のパチンコ島も同様の構成である。
ネットワーク中継装置35は1つのパチンコ島11について、それぞれ1台ずつ配置されるが、その他の各装置(例えば、情報収集端末装置31、球切装置33、パルスタンク34)は遊技機10a、10b、・・・と同数だけ(すなわち、遊技機10と対をなして)配置されている。
【0013】
遊技機10a、10b、・・・は、遊技状態を制御する遊技制御装置41a、41b、・・・(以下、適宜、遊技制御装置41で代表する)をそれぞれ有しており、遊技制御装置41は役物の制御を行う遊技用演算処理装置(以下、図面では単に演算処理装置という)200(いわゆるアミューズチップ用のIC)(詳細は後述の図5参照)を内蔵している。遊技制御装置41は遊技制御基板および基板を収納するケース等を含む概念である。
遊技機10の側方にはカード式球貸装置32(遊技設備装置)が配置され、プリペイドカードを使用した球の貸出し操作等は遊技機10で可能である。
球切装置33(遊技設備装置)は遊技機10の補給タンクへパチンコ島11から球を補給するもので、例えば球が10個補給される毎に1パルスとなる信号(例えば、後述の図2に示す補給球数信号)が球切装置33から出力される。パルスタンク34(遊技設備装置)は発射されて遊技が終了した球が遊技機10から外部に回収した球を計数するもので、例えば球の10個流出(回収)に対応して1パルスとなる信号(後述の図2に示す回収球数信号)がパルスタンク34から出力される。
【0014】
情報収集端末装置31a、31b、・・・は遊技情報収集装置1(PJ1)、・・・、遊技情報収集装置2(PJ2)、・・・および分配回路42a、42b、・・・(以下、適宜、分配回路42で代表する)をそれぞれ備えている。分配回路42は遊技機10、カード式球貸装置32、球切装置33およびパルスタンク34に接続され、これらの各装置から入出力される信号を遊技情報収集装置1(PJ1)および遊技情報収集装置2(PJ2)に分配して連絡する。例えば、分配回路42は遊技情報収集装置1(PJ1)に対して売上信号、補給球数信号、回収球数信号、通信信号(例えば、遊技情報としての大当り情報、特図回転情報、確変情報等)を分配して連絡し、遊技情報収集装置2(PJ2)に対して打止信号、金枠開閉信号、木枠開閉信号、空皿信号(遊技機10の貯留タンクにパチンコ島11から補給される球量が少なくなったことを検出する信号)、異常信号(不正な電磁波を出す等の不正な磁気力および電磁波を検出する信号)、電源断信号を分配して連絡する。
【0015】
遊技情報収集装置1(PJ1)は売上信号、補給球数信号、回収球数信号、遊技制御装置41から入出力される通信信号に基づいて、自分が受け持つ遊技機10および遊技設備装置より出力された遊技情報と、遊技情報収集装置2(PJ2)より転送された遊技情報(状態変化情報)を併せて演算加工し、収集した遊技情報より遊技情報の変化を検出する処理等を行うとともに、遊技用演算処理装置200の正当性判定(真偽判定)も行うもので、その詳細なブロック構成は後述する。
遊技情報収集装置2(PJ2)は遊技機10および遊技設備装置より収集した主に遊技機10を監視するための状態変化情報(例えば、金枠開放信号、空皿信号等)を遊技情報収集装置1(PJ1)へ転送する処理や遊技情報収集装置1(PJ1)から動作不許可要求があった場合に遊技機10を不能動化する処理等を行う。
ここで、遊技情報収集装置1(PJ1)および遊技情報収集装置2(PJ2)は、全体として遊技用演算処理装置200を備えた遊技制御装置41から遊技情報を収集する遊技情報収集装置を構成する。
【0016】
ネットワーク中継装置35は、例えば、ルータ(Router)からなり、島内ネットワーク36と店内ネットワーク37の各LON間を中継接続する装置であり、島内ネットワーク36にはLON(米国エシャロン社によって開発されたLON(Local Operating Network:エシャロン社登録商標)が採用される。
パチンコ島11は店内ネットワーク37を介して状態変化情報記録装置(JR)、補助状態変化情報記録装置(JR’)、履歴処理装置12、カウンタ用コンピュータ(CC)、事務所用コンピュータ(HC)、通信制御装置15〜18および設定・検査装置23と接続されている。店内ネットワーク37には同様にLONが採用される。
島内ネットワーク36、ネットワーク中継装置35および店内ネットワーク37は、全体として遊技情報収集装置(PJ1)、(PJ2)、状態変化情報記録装置(JR)、状態監視用管理装置(カウンタ用コンピュータ(CC))および情報処理用管理装置(事務所用コンピュータ(HC))の間を接続する通信網91(以下、適宜LON通信網という)を構成する。
【0017】
状態変化情報記録装置(JR)は遊技店1に1台ずつ設けられ(例えば、遊技機500台に対して1台設置、あるいは複数階がある場合には各階毎に1台設置でもよい)、各パチンコ島11に設けられている遊技情報収集装置1(PJ1)より通報される遊技情報(状態変化情報)を遊技機毎に整理して記録し、補助状態変化情報記録装置(JR’)は状態変化情報記録装置(JR)のバックアップ用の装置(状態変化情報記録装置(JR)に通報される情報と同等のものを記録する装置、すなわち遊技情報収集装置1(PJ1)は状態変化情報記録装置(JR)および補助状態変化情報記録装置(JR’)へ通報する)であり、状態変化情報記録装置(JR)と対に設置される。
履歴処理装置12は通信網37に接続されているノード(PJ1、PJ2、JR、JR’等)がエラーを発生した際に、そのエラー情報が当該履歴処理装置12へ通報されてくるので、そのエラー情報を記録する装置であり、後にエラー来歴をオペレータが確認できるようになっている。
【0018】
カウンタ用コンピュータ(CC)としては、安価で普及しているパーソナルコンピュータが使用される。カウンタ用コンピュータ(CC)は当日の遊技機10の状態変化情報を状態変化情報記録装置(JR若しくはJR’)をポーリングして収集し、状態変化を検出して表示する処理を行い、この状態変化情報のうち、大当り、確率変動の場合は、カウンタ用コンピュータ(CC)で当該事象が発生した遊技機10の詳細な遊技情報も確認したい場合が通常なので、この特定の状態変化の場合は直接に該当する遊技機10の遊技情報収集装置(PJ1)へ連絡し、遊技情報の応答を受けて、状態変化と併せて詳細な遊技情報をディスプレイ装置(例えば、CRT)に表示する。また、状態変化情報記録装置(JR)がトラブルを起こして情報を収集できないときは、直ちにバックアップ用の補助状態変化情報記録装置(JR’)に収集先を切り替えて情報を収集する。
【0019】
さらに、カウンタ用コンピュータ(CC)で所望の遊技機10の遊技情報を確認したい場合は、直接該当する遊技情報収集装置(PJ1)へ連絡して、応答した遊技情報を表示する機能もある。カウンタ用コンピュータ(CC)と事務所用コンピュータ(HC)との間には専用通信網92(例えば、イーサネット)が設けられており、カウンタ用コンピュータ(CC)で履歴情報(分析情報:売上、機種情報、時系列情報等)を確認したい場合は、事務所用コンピュータ(HC)との専用通信網92により、分析情報を入手しディスプレイ装置に表示する。
カウンタ用コンピュータ(CC)にはFAX装置13が接続され、カウンタ用コンピュータ(CC)の演算した情報を外部に送信可能である。
【0020】
事務所用コンピュータ(HC)としては、安価で普及しているパーソナルコンピュータが使用される。事務所用コンピュータ(HC)は当日の過去分の遊技情報を元に履歴情報・分析情報に加工する情報処理系管理装置としての位置付けであり、遊技情報収集装置(PJ1若しくはPJ2)を所定間隔毎にポーリングして遊技情報を収集し、履歴情報・分析情報に加工して格納(例えば、内部記憶装置)するとともに、ディスプレイ装置(例えば、CRT)に表示する。また、事務所用コンピュータ(HC)で所望の遊技機10の遊技情報を確認したい場合は、直接該当する遊技情報収集装置(PJ1)へ連絡して、応答した遊技情報を表示する機能もある。さらに、事務所用コンピュータ(HC)で遊技機10の状態変化情報(リアル系の情報)を確認したい場合は、専用通信網92(例えば、イーサネット)を介してカウンタ用コンピュータ(CC)より状態変化情報を入手しディスプレイ装置に表示する。事務所用コンピュータ(HC)にはプリンタ14が接続され、収集した情報を印刷出力可能である。
ここで、カウンタ用コンピュータ(CC)および事務所用コンピュータ(HC)は、遊技情報を管理する管理装置を構成する。
【0021】
通信制御装置15〜18は玉計数機19、島金庫20、監視カメラシステム21およびアナウンスシステム22がLON通信網91である店内ネットワーク37を介して他の装置との通信を行う際のインターフェース処理を行う。
玉計数機19は遊技者が獲得した球(例えば、景品交換のため)の計数を行い、計数値をカウンタ用コンピュータ(CC)および事務所用コンピュータ(HC)に転送し、当該遊技者に対して景品交換に使用すべく計数結果をプリントアウトして渡す。島金庫20は遊技店1での両替機若しくは現金式球貸装置等より回収した貨幣を収納する装置であり、現在の情報を事務所用コンピュータ(HC)およびカウンタ用コンピュータ(CC)に転送する。
【0022】
監視カメラシステム21は遊技店1内に配置された監視カメラを管理して、撮像された画像を記録するシステムであり、アナウンスシステム22は遊技店1内のアナウンスを自動的に行うシステムである。
設定・検査装置23としては、例えばノート型のパーソナルコンピュータ等が使用され、店内ネットワーク37(LON通信網91)に対して通信への加入/脱退が可能なもので、遊技情報収集装置1(PJ1)へ当該遊技情報収集装置1(PJ1)に接続される遊技機10の遊技制御装置41に内蔵されている遊技用演算処理装置200の正当性を判定する際の判定基準情報として使用する遊技用演算処理装置200に内蔵されている遊技プログラムと同一の基準遊技プログラムを設定するとともに、遊技用演算処理装置200の識別のための固有IDを設定する。
【0023】
設定・検査装置23には正規の遊技プログラム(すなわち、基準遊技プログラム)を保有しており、例えば正規プログラムを格納したFD(フロッピィディスク)をドライブ可能なドライブ装置が装着されている。
なお、設定・検査装置23は常に遊技店1の店内ネットワーク37に接続されているものではなく、遊技機製造メーカ、信用機関等で遊技機10が遊技店1に設置された際(例えば、いわゆる新台の入替え等)に店内ネットワーク37に接続され、遊技情報収集装置1(PJ1)による遊技用演算処理装置200の監視の際に使用される判定基準情報が設定される。
【0024】
B.遊技情報収集装置1(PJ1)の構成
次に、遊技情報収集装置1(PJ1)のブロック構成について説明する。図2は遊技情報収集装置1(PJ1)のブロック図である。図2において、遊技情報収集装置1(PJ1)はCPU51、ROM52、RAM53、EEPROM54、バックアップ電源55、発信回路56、通信制御装置57、出力インターフェース回路(I/F)58、入力インターフェース回路(I/F)59、バス60および乱数発生回路61を備えている。
【0025】
CPU51はROM52に格納されている処理プログラムに基づいて自分が受け持つ遊技機10および遊技設備装置より出力された遊技情報と、遊技情報収集装置2(PJ2)より転送された遊技情報(状態変化情報)を併せて演算加工し、収集した遊技情報より遊技情報の変化を検出する処理等を行うとともに、遊技用演算処理装置200の正当性判定も行う。乱数発生回路61は遊技プログラムが格納されるアドレス範囲の最大値以上の乱数データを発生させる。CPU51が行う遊技用演算処理装置200の正当性判定では、乱数発生回路61の出力を利用し、ランダムなアドレスの遊技プログラム内容に基づく判定を行う。すなわち、CPU51は遊技用演算処理装置200の正当性判定を行う際に、乱数発生回路61より乱数値を取得し、遊技用演算処理装置200内の遊技プログラムが格納されているアドレス範囲内のアドレス値(所定部分)に補正して、そのアドレス値に格納されている遊技プログラムの内容を遊技用演算処理装置200に要求する。そして、CPU51は上記指令に応じて読み出された遊技用演算処理装置200からの遊技プログラムの所定部分と、設定・検査装置23により設定されて記憶している基準遊技プログラムの該当する所定部分とを比較して遊技用演算処理装置200の正当性(真偽)を判定する。
【0026】
ROM52は遊技用演算処理装置200の正当性判定のためのプログラムや遊技情報の収集・加工等のための処理プログラムを格納しており、RAM53はワークエリアとして用いられる。
EEPROM54は遊技用演算処理装置200の正当性を判定する際の判定情報となる遊技用演算処理装置200に内蔵されている遊技プログラムと同一の基準遊技プログラム(すなわち、判定基準情報)を記憶する。また、遊技用演算処理装置200を識別するための固有IDを記憶する。上記各情報は、設定・検査装置23により設定される。さらに、EEPROM54は状態変化情報の監視用の設定値も記憶する。
【0027】
バックアップ電源55はRAM53の記憶情報をバックアップする電源である。発信回路56はCPU51に制御クロック信号を供給し、通信制御装置57は島内ネットワーク36を介して遊技情報収集装置1(PJ1)と他のネットワーク端末との間で情報の転送等に必要な通信の制御を行う。出力インターフェース回路(I/F)58は遊技機10とCPU51との間の出力インターフェース処理を行うもので、出力インターフェース回路(I/F)58から遊技機10の遊技制御装置41に対して通信信号(例えば、プログラム要求コマンド、ステータス要求コマンド等)が出力される。
【0028】
入力インターフェース回路(I/F)59は遊技機10および遊技設備装置(球貸装置32等)とCPU51との間の入力インターフェース処理を行うもので、遊技制御装置41から通信信号(例えば、遊技情報として特図回転情報(特図の回転を知らせる情報)、大当り情報、特図停止情報(特図が停止したことを知らせる情報)、特図停止図柄情報(停止された図柄内容を知らせる情報)、要求されたコマンドに対する応答情報等)、カードによる売上信号、現金式の球貸装置(図示略)から現金による売上信号、球切装置33から補給球数信号、パルスタンク34から回収球数信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0029】
C.遊技盤の構成
次に、図3は遊技機10の遊技盤71を示す図であり、遊技盤71には前面の略円形領域がガイドレール72で囲まれることにより遊技領域が形成される。遊技領域には、複数の識別情報(いわゆる特図)を複数列で変動表示する特別図柄表示装置73、大入賞口を有する特別変動入賞装置74、特図始動口として機能する普通変動入賞装置75(いわゆる普電と呼ばれるもの)、普通変動入賞装置75に設けられた普通図柄(以下、普図という)を表示する普通図柄表示装置76、スルーチャッカー形式の普通図柄始動ゲート77、一般入賞口78、79、風車と呼ばれる複数の打球方向変換部材80、サイドランプ81、82、アウト穴83などが備えられている。
そして、普通変動入賞装置75内の入賞流路には特図始動スイッチ91が、普通図柄始動ゲート77内の通過流路には普図始動ゲートスイッチ92が、それぞれ設けられている。また、特別変動入賞装置74の大入賞口内における継続入賞流路には継続スイッチ93が、一般入賞流路にはカウントスイッチ94がそれぞれ設けられている(上記各スイッチは図4参照)。
【0030】
特別図柄表示装置73の上部には、一般入賞口95が設けられるとともに、この場合4個の特図始動記憶表示器96が設けられている。普通変動入賞装置75には、この場合4個の普図始動記憶表示器97が設けられている。普通図柄表示装置76は、例えば一桁の数字を表示する7セグメントの表示部を有しLED等よりなる表示器であり、この場合上記普通図柄(普図)は、一桁の数字である。始動記憶表示器96、97は、後述するように特図あるいは普図の始動記憶の数をそれぞれ表示するものである。
特図始動スイッチ91は普通変動入賞装置75に玉が入賞したことを検出し、普図始動ゲートスイッチ92は普通図柄始動ゲート77を玉が通過したことを検出し、カウントスイッチ94は特別変動入賞装置74の大入賞口に入った全ての玉を検出し、継続スイッチ93は大入賞口に入った玉のうちいわゆる継続入賞(V入賞)した玉を検出する。
【0031】
なお、遊技盤71の遊技領域には、通常天釘やヨロイ釘といった多数の障害釘が設けられるが、ここでは繁雑になるので図示省略している。また、同様に図示省略しているが、遊技盤71には、その他の各種装飾ランプや、LED等が設けられていてもよい。
また、本発明では、遊技盤における遊技領域はどのようなものでもよく、例えばいわゆる「第1種」に属するものあるいは図柄表示装置を備えた「第3種」に属するもの、あるいは他の機種等であってもよく、要は作業用メモリ(後述のRAM)を内蔵し、遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段を備えた遊技用演算処理装置を有するものであれば、任意の構成をとり得るが、一例として本実施例では「第1種」に属するタイプのものを用いている。
【0032】
D.遊技制御装置の構成
次に、図4は遊技制御装置41を示す図であり、遊技制御装置41は、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用演算処理装置200(詳細は図5参照)と、水晶の発振周波数を分周して所定のクロックを得る発振器101と、各種センサ信号を受け入れる入力インターフェース102と、出力インターフェース103と、遊技に必要な効果音を生成する(あるいは音声合成を行ってもよい)サウンドジェネレータ104と、サウンドジェネレータ104からの音声信号を増幅して遊技機10の所定箇所に配設されたスピーカー105に出力するアンプ106と、遊技制御装置41と外部の情報収集端末装置31との間で信号の受け渡しを行う外部通信用端子107と、を含んで構成される。
【0033】
入力インターフェース102には、前述の特図始動スイッチ91、普図始動ゲートスイッチ92、継続スイッチ93、カウントスイッチ94およびセーフセンサ108からの信号が入力される。セーフセンサ108は入賞した遊技球を検出する。出力インターフェース103からは、遊技情報を外部に出力するための外部情報端子109(従来からある端子で、例えば大当り信号、特図回転信号、確変信号等を外部に出力するためのもの)、特別図柄表示装置73の表示制御を行う表示制御装置110、特別変動入賞装置74である大入賞口を開閉駆動する大入賞口ソレノイド111、特図始動記憶表示器96、普通図柄表示装置76、普通変動入賞装置75を駆動する普通電動役物ソレノイド112、普図始動記憶表示器97、入賞球に対応して賞球の排出を制御する賞球排出回路113、各種装飾ランプ、LED(例えばサイドランプ81、82等)に制御信号が出力される。
【0034】
E.遊技用演算処理装置200の構成
次に、遊技機10の遊技制御装置41が内蔵している役物の制御を行う遊技用演算処理装置200の構成について説明する。図5は遊技用演算処理装置200の構成を示すブロック図である。図5において、遊技用演算処理装置200はいわゆるアミューズチップ用のICとして製造され、遊技制御を行う遊技領域部200Aおよび情報管理を行う情報領域部200Bに区分される。
まず、遊技領域部200AはCPUコア201、ROM202、RAM203、外部バスインターフェース204、乱数生成回路205、クロックジェネレータ206、リセット/割込制御回路207、アドレスデコーダ208、出力制御回路209およびバス210により構成される。
【0035】
CPUコア201は遊技制御のための演算処理を行う。ROM202は遊技プログラムを格納しているとともに、所定領域に正当性確認情報を記憶している。正当性確認情報とは、遊技用演算処理装置200の正当性の簡易チェックを行う場合の情報であり、例えば後述の書込終了コード、メーカコード(遊技機製造メーカコード)、認定コード、固有IDを使用して所定の演算(例えば、各情報を加算演算したチェックサム、CRC等の演算)を施した結果値である。正当性確認情報は第3者機関あるいは遊技機製造メーカがROM202に遊技プログラムを書き込む際に、所定の領域に書き込まれる。なお、遊技機製造メーカが書き込む際には、その結果値だけが第3者機関から知らされる。
【0036】
遊技用演算処理装置200の簡易チェックを行う場合、遊技用演算処理装置200の電源立ち上がり時に、遊技用演算処理装置200自身が演算した演算値と、遊技プログラムが格納されているROM202の所定領域に予め書き込まれている正当性確認情報(すなわち、第3者機関等によって予め設定された結果値)とを比較判定することで、簡易的な遊技用演算処理装置200のチェックを可能にする構成になっている。
RAM203(作業用メモリ(以下、ワークメモリ)に相当)は、遊技領域部200Aにおける遊技プログラムに基づく処理でワークエリア(作業領域)として用いられ、制御に必要なデータの一時記憶等を行う。外部バスインターフェース204は外部バスのインターフェース処理を行う。
【0037】
外部バスインターフェース204にはMODE端子が設けられており、遊技プログラムおよび初期設定情報をROM202および後述のパラメータメモリ212に書き込む際に、このMODE端子を[H]レベルにすると、ROM202への書き込みモードとなって遊技機製造メーカあるいは第3者機関による遊技プログラムの書き込みが可能になる。書き込む方法は、外部バスインターフェース204のMODE端子を[H]レベルにし、アドレス端子(A0〜A15)、データ端子(D0〜D7)を利用して行う。なお、書き込みモードは遊技プログラム等の書き込みを可能にするものであり、ブートプログラムを書き込みできるようにするものではない。また、ROM202等への遊技プログラム等の書き込みが終了すると、後述のパラメータメモリ212の所定領域に書込終了コードが記録(例えば、所定のコード若しくは所定ビットを物理的に切断することで記録)される。そして、パラメータメモリ212に既に書込終了コードが記録されている場合には、ROM202への遊技プログラムの書き込みはできない。
【0038】
乱数生成回路205は遊技の実行過程において遊技価値(例えば、大当り)を付加するか否か等に係わる乱数(乱数は、大当たりの決定や、停止時の図柄の決定等に使用)を生成するもので、一様性乱数を生成する数学的手法(例えば、合同法あるいはM系列法等)を利用して乱数を生成する。本実施の形態では、機種に関連した情報を乱数生成の際における種値として利用する。
クロックジェネレータ206は所定のクロック信号を生成する。リセット/割込制御回路207はシステムリセット、ユーザリセットや割り込み要求を検出してCPUコア201に知らせる。アドレスデコーダ208は内蔵デバイスおよび内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式およびI/OマップドI/O方式によりデコードする。出力制御回路209はアドレスデコーダ208からの信号の制御を行って外部端子より制御信号(CS0〜CS7)を外部に出力する。バス210はデータバス、アドレスバス、制御バスを含むものであり、情報領域部200Bにも連絡している。
【0039】
次に、遊技用演算処理装置200における情報管理を行う情報領域部200Bは、ROM211、パラメータメモリ212、バスモニタ回路213、DPRAM214、セキュリティメモリ215、ステータスメモリ216、制御回路217、外部通信制御回路218、バス219および遊技領域部200A側のバス210を含んで構成される。なお、DPRAM214がバス219に連絡する側にはバッファ回路220(図6参照)が配置されるが、図5では図示略している。
ROM211はブートプログラムを格納しており、遊技用演算処理装置200の電源オン時にはブートプログラムが立ち上がって、所定の簡易チェックを行い、正常であればパラメータメモリ212に格納されている初期設定情報を読み込み、制御回路217へ設定して遊技プログラムに処理を移行させるようになっている。
【0040】
パラメータメモリ212は書込終了コードおよび初期設定情報を格納している。書込終了コードとは、ROM202に遊技プログラムを書き込んだ後に正当なものにより書き込みが行われたことを示すために書き込まれる情報で、詳細は後述する。
初期設定情報としては、チップセレクト情報(CS情報)、遊技プログラム禁止アドレス情報、ワークメモリ禁止アドレス情報、遊技情報格納アドレス設定情報があり、遊技機製造メーカが遊技プログラムを書き込む際に、併せて、このパラメータメモリ212に初期設定情報を書き込む。以下に、初期設定情報の詳細を説明する。
【0041】
(1)CS情報
チップセレクト(CS)の入力/出力を設定する情報である。例えば、CS0、1、2を入力に使用し、CS3、4、5、6、7を出力に使用するという情報である。
(2)遊技プログラム禁止アドレス情報
遊技プログラムの「最終アドレス+1」の情報で、この設定されたアドレス範囲を超えたプログラムフェッチが発生すると、CPUコア201は制御回路217によって停止させられる。
(3)ワークメモリ禁止アドレス情報
ワークメモリ(RAM203)の利用禁止アドレス範囲情報で、遊技プログラムが、この設定されたアドレス範囲のRAM203をアクセスすると、CPUコア201は制御回路217により停止させられる。
(4)遊技情報格納アドレス設定情報
外部へ送信するための遊技情報(言換えれば、外部へ送信してもよい遊技情報)が格納されているアドレス情報で、このアドレス情報に基づいて、制御回路217はステータスメモリ216に後述の遊技情報(図12、図13参照)を格納する。
【0042】
このアドレス情報は、情報領域部200BではDPRAM214のアドレス設定情報となる。そして、情報領域部200Bでは、この設定されたアドレス情報に基づいて遊技情報を取得し、外部の要求で、その遊技情報を送出する。なお、遊技プログラムには外部に送出する遊技情報を、どのアドレスに格納するかというデータは入っている(プログラムされている)。
ここで、パラメータメモリ212は、外部へ送信する遊技情報の設定情報を記憶する設定情報記憶手段を構成する。
【0043】
DPRAM214は、バス210を介して遊技領域部200A側のRAM203の内容を複写して記憶するもので、遊技領域部200A側および情報領域部200B側の双方よりアクセスが可能な構成になっている。そのため、上述した制御回路217による遊技情報格納アドレス設定情報に基づくステータスメモリ216への遊技情報の書き込みは、DPRAM214から遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて行われる(RAM203の内容がDPRAM214に複写されるので、同一アドレスに同一の情報が記憶されている)。
【0044】
バスモニタ回路213は、情報領域部200B側より遊技領域部200A側のバス210の状態監視および制御を行う。ここでの制御とは、RAM203の内容をDPRAM214に複写する際のタイミング制御や、遊技プログラムを外部に出力する際に遊技領域部200A側のバス210を開放してROM202から遊技プログラムを読み込んで情報領域部200B側より外部に出力する等の制御である。
【0045】
ここで、DPRAM214へのデータアクセスについて、図6を参照して説明する。DPRAM214には遊技領域部200Aのバス210(アドレスバス、データバス、制御バスを含む)がバッファ回路220を介して接続され、RAM203の所定アドレスに情報を書き込む際に、DPRAM214にも同一アドレスに同一情報を書き込むようにして情報領域部200Bに情報を複写する処理が行われる。ただし、制御バスのうち、RD信号(読み出し制御信号)はDPRAM214に接続されない。
【0046】
また、情報の複写という点で、RAM203とDPRAM214については情報の書き込み速度や好ましい書き込みタイミングが異なることもあるので、DPRAM214側に接続されるアドレスバス、データバス、制御バスにバッファ回路220を設け、そのバッファ回路220をバスモニタ回路213でコントロール(例えば、RAM203のデータをプールして書き込むタイミングを遅らせるような制御)するようにし、高速動作のRAM203の内容を確実にDPRAM214に複写する(高速動作のRAM203の内容を複写すればよいので、DPRAM214への複写タイミングは遅れても、バッファに複写内容を逐次入れておくことで、確実に複写可能である)。これにより、データのビット落ち等を防いで確実にデータの複写を行う。
DPRAM214、バス210、バスモニタ回路213およびバッファ回路220は、ワークメモリ(RAM203)領域に格納されている遊技情報を複写し、記憶する複写記憶手段を構成する。
【0047】
図5に戻り、セキュリティメモリ215(例えば、EEPROMで構成)には遊技用演算処理装置200の識別や正当性の判定のために使用する固有ID、メーカコード(遊技機製造メーカコード)、認定コード(第3者機関により検査が合格した遊技機に付与される番号で、認可された遊技機の認可コードである)が書き込まれている。
ステータスメモリ216は、制御回路217がパラメータメモリ212の初期設定情報として記憶されている遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて遊技情報をDPRAM214から取得して外部へ連絡するための遊技情報として書き込むための記憶領域である。DPRAM214には遊技領域部200A側のRAM203に格納されている情報と同一の情報が同一のアドレスに書き込まれるようになっている。
【0048】
制御回路217は情報領域部200B側を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路217の制御内容としては、パラメータメモリ212の初期設定情報に基づいて、チップセレクトの入力/出力の設定をしたり、遊技プログラムがフェッチするアドレスの監視をしたり、遊技プログラムが、アクセスするワークメモリ範囲の監視をしたり、遊技情報格納アドレス設定情報に基づく遊技情報をDPRAM214から取得してステータスメモリ216への書き込みをしたりする処理がある。
また、外部装置である遊技情報収集装置1(PJ1)よりのステータス要求指令により、ステータスメモリ216に記憶している遊技情報を外部へ連絡したり、遊技プログラム要求指令により、バスモニタ回路213を介してROM202内の遊技プログラムを外部へ連絡したりする処理も行う。その場合、バッファメモリは制御回路217から指示された情報の一時的なバッファ記憶を行う。
【0049】
外部通信制御回路218は外部との通信を行うもので、例えば外部よりの指令に基づいて演算処理装置200内に格納されている情報(例えば、遊技情報、遊技プログラム、固有ID等)を外部へ応答する等の処理を行う。なお、外部通信制御回路218が外部へ連絡する際には、情報に対して暗号化を施して行ってもよい。
遊技用演算処理装置200では、遊技領域部200Aおよび情報領域部200Bがバスモニタ回路213を介して独立して動作する。すなわち、情報領域部200B側は遊技領域部200AにおけるCPUコア201の作動に関係なく(プログラム実行に関係なく)、動作可能である。
【0050】
ここで、遊技用演算処理装置200の遊技領域部200Aは遊技制御手段を構成する。また、情報領域部200Bの制御回路217およびステータスメモリ216は、パラメータメモリ212に記憶されている遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて複写記憶手段に記憶されている遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段を構成する。外部通信制御回路218およびバス219は、外部(例えば、遊技情報収集装置1(PJ1))からの要求に基づいて遊技領域部200A(遊技制御手段)に関連する情報のうち、遊技領域部200A(遊技制御手段)の作用に影響を与えることなく、遊技情報記憶手段から外部の要求に対応する応答情報を取得して送出する遊技情報応答手段を構成する。
【0051】
また、上述したように、ワークメモリ(RAM203)全ての内容をDPRAM214へ複写し、そのDPRAM214からパラメータメモリ212に設定されている遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて、遊技情報をステータスメモリ216へ書き込む処理に限らず、ワークメモリ(RAM203)の内容のうち、パラメータメモリ212に設定されている遊技情報格納アドレス設定情報に基づく内容のみをDPRAM214に複写し、外部からのステータスメモリ要求に基づいて、そのDPRAM214に記憶された遊技情報を応答情報として送出する処理としてもよい。
【0052】
これは、すなわち、遊技機10の遊技制御手順たる遊技プログラムおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリ(RAM203)を内蔵し、予め格納された遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段(遊技用演算処理装置200の遊技領域部200A)を備えた遊技用演算処理装置200において、
前記遊技用演算処理装置200は、
外部へ送信可能な遊技情報の設定情報を記憶する設定情報記憶手段(パラメータメモリ212)と、
前記設定情報記憶手段の設定情報に基づいて、前記作業用メモリ領域に格納されている遊技情報を複写し、記憶する複写記憶手段と、
外部からの要求に基づいて、前記遊技制御手段に関連する情報を外部からの要求に対応して送出する遊技情報応答手段と、を有し、
前記遊技情報応答手段は、
前記遊技制御手段の作用に影響を与えることなく、前記複写記憶手段から外部の要求に対応する応答情報を取得して送出することを特徴とする遊技用演算処理装置200を実現することになる。
その場合、制御回路217およびDPRAM214は、パラメータメモリ212(設定情報記憶手段)に記憶されている遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて遊技情報を記憶する複写記憶手段を構成する。また、外部通信制御回路218およびバス219は、外部(例えば、遊技情報収集装置1(PJ1))からの要求に基づいて遊技領域部200A(遊技制御手段)に関連する情報のうち、遊技領域部200A(遊技制御手段)の作用に影響を与えることなく、複写記憶手段から外部の要求に対応する応答情報を取得して送出する遊技情報応答手段を構成する。
【0053】
次に、作用を説明する。
本実施の形態では、遊技用演算処理装置200の電源オン時にブートプログラムが立ち上がって正当性の簡易チェックが行わる。正当性が認められなかった場合は、CPUコア201の動作を停止して遊技プログラムに基づく処理を停止する。一方、正当性が認められた場合には、パラメータメモリ212に設定されている初期設定情報を制御回路217へ設定して、制御回路217による初期設定情報に基づく遊技領域部200A(遊技制御手段)の監視処理等を実行させる。その後、外部の遊技情報収集装置1(PJ1)により所定間隔毎に遊技プログラムを使用した正当性の判定が行われる。
【0054】
遊技機10の役物制御は遊技用演算処理装置200の遊技領域部200Aにより行われ、遊技領域部200A(遊技制御手段)に関連する遊技情報を外部からの要求に対応して送出する処理および遊技領域部200Aの監視処理は、情報領域部200B側で行われる。最初に、役物制御の動作から説明する。
A.役物制御の動作
図7は遊技プログラムにより行われる役物制御のフローチャートである。この制御処理は、ステップS1からステップS17までの1シーケンスを所定の基準時間毎(割り込み毎)に繰り返し実行される。
【0055】
処理が開始されると、ステップS1において、まず電源の投入時であるか否かを判別し、電源投入時であればステップS2で初期化処理を行い、今回のルーチンを終了する。初期化処理では、RAM203におけるワークメモリのイニシャライズ、レジスタの設定処理、フラグのイニシャライズ等が行われる。
ステップS1で電源投入時でなければ、ステップS3に進んで入力処理を行う。ここでは、例えば特図始動スイッチ91や普図始動ゲートスイッチ92からの入力信号のチャタリング除去、論理変換の入力処理を行うとともに、特図始動スイッチ91の入力があった場合には所定数(4個)まで、そのタイミングで後述の乱数更新処理にて作成された乱数値を取得し記憶する処理を行う。そして、このステップS3において、パラメータメモリ212に設定した遊技情報格納アドレス設定情報に対応したアドレスのワークエリア(RAM203)に対して特図記憶1〜4の各データのセットおよびクリアが行われる。すなわち、外部に送信したい遊技情報は、遊技情報格納アドレス設定情報に書き込んだアドレスに基づいて(遊技プログラムに予め使用する(書き込み先)アドレスはデータとして設定されている)、ワークメモリに書き込まれる。
【0056】
図10は、パラメータメモリ212に設定した遊技情報格納アドレス設定情報であるアドレスに対応したRAM203(ワークメモリ)に記憶される遊技情報のうち特図に関連するデータを示すものである。すなわち、これらの遊技情報が情報領域部200Bの制御に基づいて外部に送出される。
図10に示す遊技情報は、外部に送出する情報として、パラメータメモリ212に設定された遊技情報格納アドレス設定情報に対応したアドレスのワークメモリに書き込まれる情報である。
【0057】
例えば、2010h番地には、ビットデータとして、「特別図柄変動中データ(特図変動中は「1」)」、「特別図柄停止データ(特図停止後の所定時間は「1」)」、「大当たりデータ(大当たり中は「1」)」、「大入賞口オンデータ(大入賞口オン中は「1」)」、「特図確率変動中データ(大当たり確率が変動中は「1」)が書き込まれ、2011h番地には、ビットデータとして、「特図記憶データ1,2,3,4(特図記憶に対応して記憶有りは「1」)」が書き込まれる。
また、2012h番地、2013h番地、2014h番地には、バイトデータとして、「1桁目特図停止図柄データ(左停止図柄データを表す所定のコード
)」、「2桁目特図停止図柄データ(中停止図柄データを表す所定のコード)」、「3桁目特図停止図柄データ(右停止図柄データを表す所定のコード)」が書き込まれる。
【0058】
次いで、ステップS4で賞球数制御処理を行う。これにより、賞球排出回路113へ賞球数が送信される。次いで、ステップS5で乱数更新処理を行う。乱数更新処理は、乱数を更新する処理であり、初期値を乱数生成回路205より取得し、以降は本シーケンスが繰り返される度に+[1]して乱数が作成される。これにより、特図および普図の乱数が変り、大当りあるいは普図当りの乱数抽出値がランダム性を保つようになる。
次いで、ステップS6で処理番号による分岐判断を行い、処理NO.(処理番号)に従ってステップS7〜S10のうちの該当するいずれか一つの処理を行う。ステップS7〜S10の概要は以下のとおりである。
【0059】
ステップS7:通常処理
通常処理(普段処理)では、始動記憶がある場合に、始動記憶数を一つ減らした後、始動記憶に対応して記憶された乱数を取得し、大当り判定を行って特図の停止図柄を決定する。すなわち、入力処理で取得した乱数値の記憶がある場合は、その乱数値と大当たり判定値との比較判定を行い、大当たりの場合は大当たり停止図柄を決定するとともに、当該大当たり停止図柄をワークメモリ(RAM203)の所定アドレスに格納し(DPRAM214に複写され、情報領域部200B側にも停止図柄が記憶されることで、外部に停止図柄を連絡できる)、処理番号を図柄変動処理に切り替える。なお、大当たり停止図柄は図10に示すようにバイトデータである「1桁目特図停止図柄データ」〜「3桁目特図停止図柄データ」として格納される。
【0060】
一方、外れの場合は、外れ停止図柄を決定するとともに、当該外れ停止図柄をワークメモリ(RAM203)の所定アドレスに格納し(DPRAM214に複写され、情報領域部200B側にも停止図柄が記憶されることで、外部に停止図柄を連絡できる)、処理番号を図柄変動処理に切り替える。同様に、外れ停止図柄も図10に示すようにバイトデータである「1桁目特図停止図柄データ」〜「3桁目特図停止図柄データ」として格納される。また、停止図柄がリーチ図柄である場合には、リーチフラグをセットした後、図柄変動処理の番号に処理番号を変更して、次のシーケンスで図柄変動処理が行われるようにする処理を行う。そして、始動記憶がない場合には、処理番号をこの普段処理を行う番号のままとして、次のシーケンスでもこの普段処理が繰返されるようにする。
【0061】
ステップS8:図柄変動処理
図柄変動処理は、特図の図柄を変動および停止させる処理で、この処理で設定された表示情報を後述の「データ転送処理」(ステップS13)で表示制御装置110に送出することで、表示制御装置110により特図が特別図柄表示装置73に表示制御される。また、ワークメモリ(RAM203)の所定アドレスの所定領域に対して、図10に示すように特図変動中データのセットおよびクリア、特図停止データのセットおよびクリアが行われる。
【0062】
ステップS9:大当り処理
大当り処理では、大入賞口(特別変動入賞装置74)開放等の大当たり処理を行う。大入賞口オンデータ(図10参照)は、ここでセットおよびクリアが行われる。
ステップS10:外れ処理
外れ処理では、外れ停止図柄停止後、通常処理に戻る際の処理を行う。
以上の処理番号による分岐処理(ステップS7〜S10)によれば、メインルーチンのシーケンスが繰返される度に、遊技状態に応じて処理番号が変更されてゆく。
【0063】
次に、図7に示すメインルーチンでは、以上の分岐処理がなされた後に、次いで、ステップS11で普図・普電を制御する処理を行う。ここで、普通図柄変動中データ、普通図柄停止データ、普図当たりデータ、普通電動役物オンデータ、普図確変中データ、普図記憶1、2、3、4データ、および1、2、3桁目普図停止図柄データの処理が行われる。
【0064】
図11は、パラメータメモリ212に設定した遊技情報格納アドレス設定情報であるアドレスに対応したRAM203(ワークメモリ)に記憶される遊技情報のうち普図に関連するデータを示すものである。すなわち、これらの遊技情報が情報領域部200Bの制御に基づいて外部に送出される。
図11に示す遊技情報は、外部に送出する情報として、パラメータメモリ212に設定された遊技情報格納アドレス設定情報に対応したアドレスのワークメモリに書き込まれる情報である。
例えば、2015h番地には、ビットデータとして、「普通図柄変動中データ(普図変動中は「1」)」、「普通図柄停止データ(普図停止後の所定時間は「1」)」、「普図当たりデータ(普図当たり中は「1」)」、「普通電動役物オンデータ(普通電動役物オン中は「1」)」、「普図確率変動中データ(普図が確率変動中は「1」)が書き込まれ、2016h番地には、ビットデータとして、「普図記憶データ1,2,3,4(普図記憶に対応して記憶有りは「1」)」が書き込まれる。
また、2017h番地、2018h番地、2019h番地には、バイトデータとして、「1桁目普図停止図柄データ(左停止図柄データを表す所定のコード
)」、「2桁目普図停止図柄データ(中停止図柄データを表す所定のコード)」、「3桁目普図停止図柄データ(右停止図柄データを表す所定のコード)」が書き込まれる。
【0065】
なお、普図停止図柄データが3桁となっているのは普図の拡張機能があり、例えば普通図柄表示装置が3桁を表示可能なタイプであっても対応できるようにしている。ただし、本実施の形態では普図が1桁のみの普通図柄表示装置76を使用しており、そのため本実施の形態では「1桁目普図停止図柄データ」だけを使用している。
次いで、ステップS12で外部情報処理を行う。これにより、外部情報(大当たり等を外部の管理装置側に出力する信号)の設定が行われる。
【0066】
次いで、ステップS13でデータ転送処理を行う。これにより、図柄変動処理、大当たり処理等で設定された表示情報が表示制御装置110へ送信される。次いで、ステップS14でランプ・LED処理を行う。これにより、ランプ・LED114に対応する表示データが設定され、装飾の演出が行われる。次いで、ステップS15で出力処理を行い、上記の各処理で設定された出力データを出力する処理である。次いで、ステップS16で音出力処理を行い、効果音等の出力が行われる。次いで、ステップS17で不正監視・不正処理を行う。これは、例えばノーカウント不正等の監視およびその対応処理を行うものである。ステップS17を経ると、メインルーチンの1シーケンスが終了する。
【0067】
B.ステータス情報作成フロー
次に、遊技用演算処理装置200の情報領域部200BがRAM203よりDPRAM214(複写メモリ)に複写された遊技情報に基づいて制御回路217が遊技情報をステータスメモリ216に記憶する手順(フロー)について、図8(a)を参照して説明する。
情報領域部200Bは制御回路217により制御されており、制御回路217では、まずステップS21でブートプログラムにより設定された遊技情報格納アドレス設定情報に基づいて、DPRAM214の所定領域(遊技情報格納アドレス設定情報に基づくアドレスであり、遊技情報が格納されている領域)より遊技情報を取得する。
【0068】
ステップS22では、取得した遊技情報(ステータス情報)をステータスメモリ216に書き込む(記憶する)。ステータスメモリ216に書き込まれる情報は、図12、図13に示すように、遊技情報格納アドレス設定情報として設定されたアドレスのワークメモリ(RAM203)に書き込まれたと同一の遊技情報である(図10、図11参照)。
【0069】
図12、図13に示すデータは以下の内容である。
「特別図柄変動中データ」:特図変動中で「1」
「特別図柄停止データ」:特図が停止すると所定時間は「1」
「大当たりデータ」:大当たりが発生すると「1」
「大入賞口オンデータ」:大入賞口オンで「1」
「特図確率変動中データ(大当たり確率が変動中は「1」)
「特図記憶有りデータ」:特図記憶1〜4データに記憶有りで「1」
「1桁目特図停止図柄データ」:左停止図柄データを表す所定のコード
「2桁目特図停止図柄データ」:中停止図柄データを表す所定のコード
「3桁目特図停止図柄データ」:右停止図柄データを表す所定のコード
「普通図柄変動中データ」:普図変動中で「1」
「普通図柄停止データ」:普図が停止すると所定時間は「1」
「普図当たりデータ」:普図当たりが発生すると「1」
「普通電動役物オンデータ」:普通電動役物がオンすると「1」
「普図確率変動中データ(普図の確率が変動中は「1」)
「普図記憶有りデータ」:普図記憶1〜4データに記憶有りで「1」
「1桁目普図停止図柄データ」:左停止図柄データを表す所定のコード
「2桁目普図停止図柄データ」:中停止図柄データを表す所定のコード
「3桁目普図停止図柄データ」:右停止図柄データを表す所定のコード
【0070】
C.情報取得フロー
次に、遊技情報収集装置1(PJ1)が遊技用演算処理装置200より遊技情報(ステータス情報)を取得する手順(フロー)について、図8(b)を参照して説明する。
遊技情報収集装置1(PJ1)では、遊技情報収集処理においてステップS31で遊技用演算処理装置200のステータスメモリ216に記憶されている遊技情報(ステータス情報)を監視する確認タイミングであるか否かを判別する。ここで、遊技情報収集装置1(PJ1)は所定間隔毎にステータス情報を監視して、遊技情報を取得するタイミングとしている。確認タイミングでなければリターンし、確認タイミングであればステップS32でステータス要求を遊技用演算処理装置200の制御回路217に送信する。
【0071】
遊技用演算処理装置200では、情報領域部200B側の外部通信制御回路218を介して制御回路217が処理(遊技情報通信手順のフロー)を行い、まずステップS33で遊技情報収集装置1(PJ1)からの指令(ステータス要求)が正規な指令情報であるか否かを判別し、正規な指令情報でなければ処理を終了する。したがって、このときは無応答となる。無応答とすることによって、不正の防止を行う。
ステップS33で正規な指令情報である場合には、ステップS34に進んでステータス要求か否かを判別し、ステータス要求の場合はステップS35で現在ステータスメモリ216に格納されているステータス情報(遊技情報)を遊技情報収集装置1(PJ1)へ送信して処理を終了する。
一方、ステップS34の判別結果でステータス要求でない場合は今回の処理を終了する。
【0072】
遊技情報収集装置1(PJ1)では、ステップS36で遊技用演算処理装置200の情報領域部200B側の処理によって送信されてきたステータス情報を受信して記憶する。そして、受信した遊技情報は、遊技情報収集装置1(PJ1)の他の処理で演算・加工され、通信網91に接続されている上位のノードに連絡されることになる。
【0073】
このように本実施の形態では、遊技用演算処理装置200のパラメータメモリ212の初期設定情報として遊技情報格納アドレス設定情報(遊技情報が書き込まれる書き込み先アドレス)を設定(書き込む)することにより、設定されたアドレスのRAM203(ワークメモリ)の内容のみが、外部に送出されることになる。
すなわち、遊技領域部200A側の動作(遊技プログラムに基づく動作)に影響を与えることなく、RAM203(ワークメモリ)の内容を、情報領域部200B側のDPRAM214(複写メモリ)に複写し、パラメータメモリ212の遊技情報格納アドレス設定情報のアドレスに基づいて、DPRAM214から遊技情報を取得して、その遊技情報をステータスメモリ216に記憶することが行われる。
【0074】
したがって、遊技機製造メーカーが遊技プログラムを書き込む際に、パラメータメモリ212の初期設定情報に、外部に送信するための遊技情報が格納されるアドレスを書き込み(設定)、情報領域部200B側で、外部に送信してもよい遊技情報が格納されたアドレスに基づいて遊技情報を取得し送信するので、言い換えれば、設定されたアドレス以外のワークメモリ(RAM203)の内容は、外部から読み取れないので、遊技プログラムのノウハウの流出が防げるとともに、不正も未然に防止することができる(遊技プログラムの解析ができない)。
【0075】
D.遊技用演算処理装置チェック
次に、遊技用演算処理装置(以下、適宜、演算処理装置と略称する)200のチェックに関するプログラムについて説明する。図9は遊技用演算処理装置チェックのプログラムを示すフローチャートであり、このプログラムは所定間隔毎に実行される。したがって、遊技プログラムの監視を所定タイミング毎に行うことになる。そして、遊技用演算処理装置チェックの確認結果はカウンタ用コンピュータ(CC)若しくは事務所用コンピュータ(HC)へ通報される。
遊技用演算処理装置200をチェックする過程では、遊技用演算処理装置200、遊技情報収集装置1(PJ1)および遊技情報収集装置2(PJ2)において関連する処理が行われる。
遊技情報収集装置1(PJ1)には予めLON通信網91に設定・検査装置23を接続することで、当該遊技情報収集装置1(PJ1)に接続される遊技機10の遊技制御装置41に内蔵されている遊技用演算処理装置200の正当性を判定する際に判定基準情報として使用する遊技用演算処理装置200に内蔵されている遊技プログラムと同一の基準遊技プログラムが設定されている。
【0076】
まず、図9に示すプログラムで遊技用演算処理装置200の正当性を判断する場合、遊技情報収集装置1(PJ1)のメインルーチンの遊技用演算処理装置チェック処理において、ステップS51で乱数発生回路61より乱数値を取得し、ステップS52で遊技用演算処理装置200内の遊技プログラムが格納されているアドレス範囲内のアドレス値に補正する。これにより、アドレス範囲内でランダムなアドレス値が算出される。この場合、乱数発生回路61では最低限乱数値を遊技プログラムのアドレス範囲の最大値以上発生可能にしておき、ステップS52の処理でアドレス内に収まるように補正する。このとき、アドレスは例えば「10CBh」、「10CCh」、・・・というようにヘキサデータであり、後述のように、これらのアドレスに対応する遊技プログラムの内容を要求することになる。
【0077】
次いで、ステップS53では算出したアドレスに格納されている遊技プログラムの内容を遊技用演算処理装置200に応答(内容を読み出して外部に送出するという応答)してもらうべく、該当アドレスの遊技プログラム内容の要求を当該遊技情報収集装置1(PJ1)に接続される遊技機10の遊技用演算処理装置200に送信する。これは、遊技情報収集装置1(PJ1)と対になっている(つまり遊技情報収集装置1(PJ1)がチェック対象としている)遊技機10における遊技制御装置41に内蔵されている遊技用演算処理装置200に該当アドレスの遊技プログラム内容の要求をするものである。このとき、例えば算出・補正処理されたアドレスが、「10CBh」であれば、格納されている遊技プログラムのアドレス「10CBh」番地の内容の応答を要求する。
【0078】
遊技用演算処理装置200では、制御回路217が処理を行い、まずステップS54で遊技情報収集装置1(PJ1)から該当アドレスの遊技プログラム内容の要求があるか否かを判別し、要求がなければ処理を終了する。したがって、このときは無応答となる。無応答とすることによって、不正の防止を行う。例えば、何かしら応答すると、その応答を解析される恐れがあるので、無応答にしているものである。要は、不正なコマンドに対する応答動作はしないという構成である。なお、無応答に限らず、予め決められた一定の情報だけを返す(例えば、「応答不能です」という情報を返す)ようにしてもよい。このように無応答にすることにより、不正者による解析を著しく困難にすることができる。
【0079】
ステップS54で該当アドレスの遊技プログラム内容の要求がある場合には、ステップS55に進み、CPUコア201がバス210を使用していない期間を利用して、要求のある該当アドレスの遊技プログラムの内容を読み込んで送信する処理を行う。これにより、遊技用演算処理装置200におけるROM202の該当アドレスの遊技プログラムの内容が読み出されて遊技情報収集装置1(PJ1)に送出される。また、遊技用演算処理装置200の電源オン時にブートプログラムにおけるセキュリティチェック後、遊技プログラムに処理を移行させる前に遊技プログラムを全て読み込み、メモリに記憶しておき、該当する要求に応答するようにしてもよい。そのようにすると、遊技プログラムに処理を移行させる前に遊技プログラムが全て読み込まれるので、CPUコア201がバス210を使用していない期間を待つ必要がなく、メモリに記憶しておいた遊技プログラムをいつでも外部の要求に応じて送出することができる。
【0080】
遊技情報収集装置1(PJ1)では、ステップS56で遊技用演算処理装置200の制御回路217(以下、同様)から送信された該当アドレスの遊技プログラム内容を受信し、ステップS57で受信プログラム内容と、設定・検査装置23により設定された基準遊技プログラムの該当アドレスの遊技プログラム内容とを比較する。次いで、ステップS58で比較結果に基づき遊技用演算処理装置200から送信されてきた該当アドレスの遊技プログラム内容が正常であるか否かを判別し、整合が確認された場合(例えば、該当アドレスの両プログラム内容が同じ)にはステップS59で動作許可コマンドを遊技用演算処理装置200に送信してメインルーチンにリターンする。一方、整合が確認されない場合(例えば、該当アドレスの両プログラム内容が異なる)にはステップS60で動作不許可コマンドを遊技用演算処理装置200若しくは遊技情報収集装置2(PJ2)に送信してメインルーチンにリターンする。
【0081】
このとき、例えば該当アドレス=「10CBh」のとき基準遊技プログラム=「8E」(マシンコード)が正規である場合に、該当アドレス=「10CBh」に対応する遊技プログラム=「8E」と読み出されれば、整合が確認されたことに相当し、遊技プログラム=「8F」と読み出されたような場合には、整合が確認されないことに相当する。また、該当アドレス=「10CBh」から所定バイト(例えば、64バイト)分を要求し、その所定範囲をチェックするようにしてもよい。
【0082】
遊技用演算処理装置200では、制御回路217が処理を行い、ステップS61で遊技情報収集装置1(PJ1)より監視された遊技プログラムの正当性判定結果を待ち、その判定結果が動作許可であるか否かを判別し、動作許可であればそのまま処理を終了する(遊技プログラムの進行を停止させない)。一方、動作不許可であれば、ステップS62に進んでCPUコア201の動作停止(例えば、CPUコア201にHALTをかける)を設定し処理を終了する。これにより、遊技プログラムの動作が停止し、遊技は行われない。
【0083】
遊技情報収集装置2(PJ2)では、異常対処処理において、ステップS63で遊技情報収集装置1(PJ1)から動作不許可コマンドを受信すると、異常遊技機に対して打止信号をオンして球の発射を停止し、メインルーチンにリターンする。これにより、遊技情報収集装置2(PJ2)に接続されている該当する遊技機10における遊技球の発射が停止される。すなわち、遊技機10の動作が不能動化される。したがって、遊技用演算処理装置200の遊技プログラムが偽造されて正規のものでない場合には、遊技を継続できなくなり、不正を防止することができる。ステップS63では異常遊技機の発射をオフしているが、これに限らず、例えば遊技機電源断信号を遊技機電源装置(図示略)へ出力し、異常遊技機の電源をオフしてもよい。
【0084】
なお、遊技用演算処理装置200に外部よりの指示(例えば、コマンド)で動作を停止する機能があれば、遊技情報収集装置1(PJ1)から動作不許可コマンドを遊技用演算処理装置200に送信して遊技機10の動作を不能動化するのがよく、無ければ遊技情報収集装置1(PJ1)から動作不許可コマンドを遊技情報収集装置2(PJ2)に送信して遊技機10の動作を不能動化するのがよい。また、本実施の形態のように両者を組み合せるような構成でもよい。
【0085】
E.遊技機の検査
次に、遊技機10の検査方法について説明する。図14は遊技機検査機関(例えば、第3者機関)により遊技機10(特に、遊技制御装置41)の検査を行う場合の本実施の形態の接続関係を示す図である。本実施の形態では、遊技機10の遊技制御装置41に内蔵されている遊技用演算処理装置200と遊技機検査機関の空打ち検査装置300とを接続(外部通信用端子107を介して)する。
遊技機10(遊技制御装置41)の検査では、実球を発射することなく、いわゆる空打ち検査が行われる。
【0086】
(a)従来の検査方法
説明の都合上、ここで従来の検査方法を概略説明する。空打ち試験機においては、その入出力信号が規約されており、それに即して応答するように遊技機製造メーカ側は遊技制御基板と空打ち試験機との間に中継装置なるものを介在させている。すなわち、遊技制御基板は検査対象であり、空打ち試験機への入出力信号のための改造はできない。したがって、中継装置では空打ち試験機が要求する情報に基づいて遊技制御基板より取得する信号を加工し(管理装置(ホールコンピュータ)ヘ出力するために予め用意されている外部信号のみでは、空打ち試験機へ対応するための信号は作成できない。例えば、大入賞口ソレノイドを駆動する信号等を取得して対応している)、空打ち試験機が所望する信号形態に変換して応答する。
【0087】
空打ち試験機との結線では、遊技制御基板より第1種連続役物用中継装置(特図に関わる処理)および普通電動役物用中継装置(普図に関わる処理)へ接続する。この場合、遊技制御基板より各中継装置への信号線は、各中継装置が必要とする信号線を連絡するためにばらばらに接続される。第1種連続役物用中継装置の場合、空打ち試験機から中継装置へ「第1種連続役物用に関する出力信号」が出される。これには、特図の所望の桁を選択する桁指定コード・bit0信号〜桁指定コード・bit3信号があるとともに、第1種始動口スイッチ、10カウントスイッチ、継続領域スイッチの各信号がある。
【0088】
そして、これらの信号に応答して第1種連続役物用中継装置から空打ち試験機に対して「中継装置からの第1種連続役物に関する入力信号」が入力されることになる。これには、特図のパターン(何の図柄か)を認識するために各々の図柄(桁指定のもの)を8ビット(bit)にコード化したデータであるパターンデータ・bit0信号〜パターンデータ・bit7信号、図柄のパターンが同じで色違い図柄がある場合、それを区別するためのカラーデータ(4ビット)であるカラーデータ・bit0信号〜カラーデータ・bit3信号、特図記憶を示す保留ランプ1信号〜保留ランプ4信号、大入賞口ソレノイド信号、大当り信号、図柄変動中信号、図柄確定信号、確率変動中信号がある。
【0089】
一方、普通電動役物用中継装置の場合、空打ち試験機から中継装置へ「普通電動役物に関する出力信号」が出される。これには、普図の所望の桁を選択する桁指定コード・bit0信号〜桁指定コード・bit3信号があるとともに、普通図柄作動口スイッチ、入賞スイッチの各信号がある。
そして、これらの信号に応答して普通電動役物用中継装置から空打ち試験機に対して「中継装置からの普通電動役物に関する入力信号」が入力されることになる。これには、普図のパターン(何の図柄か)を認識するために各々の図柄(桁指定のもの)を8ビット(bit)にコード化したデータであるパターンデータ・bit0信号〜パターンデータ・bit7信号、普図の図柄のパターンが同じで色違い図柄がある場合、それを区別するためのカラーデータ(4ビット)であるカラーデータ・bit0信号〜カラーデータ・bit3信号、普図記憶を示す保留ランプ1信号〜保留ランプ4信号、普通電動役物ソレノイド信号、当り信号、図柄変動中信号、図柄確定信号、確率変動中信号がある。
【0090】
次に、従来の検査方法の動作について概略説明すると、空打ち試験機は第1種始動口に設けられたセンサヘの疑似信号として、「第1種始動口スイッチ」信号を第1種連続役物用中継装置を介して遊技制御基板に出力して、図柄確定信号(図柄の停止が確定したことを知らせる信号)の入力を待ち、入力を受け付けると、停止した図柄のうち所望の図柄情報を取得すべく、桁指定コード信号を出力する(例えば、特図が3図柄の場合、左図柄(1桁目)、中図柄(2桁目)、右図柄(3桁目)と指定していく)。
【0091】
第1種連続役物用中継装置は、遊技制御装置から表示制御装置へ出力される表示情報信号を取得しているので、その表示情報信号に基づいて空打ち試験機が望む情報形態で応答する。この場合、特図に使用する図柄はキャラクタ等の絵図柄もあるので、予め特図に使用する図柄を16進値で対応させた変換表を遊技機検査機関へ提出している。例えば、「星の図柄」=06hという具合である。また、応答する図柄に色が付いている場合(例えば、赤の「7」、緑の「7」等)には、カラーデータも併せて応答する。この場合、第1種連続役物用中継装置には遊技制御装置より取得した表示情報信号に対応して空打ち試験機が所望する信号情報に変換するためのデータが設定されている。
【0092】
このように、空打ち試験機から遊技制御基板に疑似信号を入力することで、遊技を行い、その結果として付随する情報(図柄情報(桁指定要求に対する応答)、保留ランプ、図柄変動、図柄確定等)の応答を受け、所定の検査(例えば、設定確率に対する大当たり出現率の検査)が行われる。同様に、普図、普電についても、普通電動役物用中継装置を使用して検査が行われる。
従来、空打ち試験機(検査機関)側が望む信号としては、上述した各種のものがあり(第1種の場合)、結線作業が大変であったり、機種毎に中継装置を作成する必要があったりして、面倒であるし、コストもかかっている。また、大当り時の停止図柄のように遊技店が本来望む情報を簡単に得られない。
【0093】
(b)本実施の形態の検査方法
これに対して本実施の形態では、第1種遊技機10(普図普電付き)の場合、空打ち検査装置300は第1種始動口(普通変動入賞装置75)に設けられたセンサ(特図始動スイッチ91)へ疑似的に外部より(遊技用演算処理装置200の情報領域部200Bの通信機能を利用せずに)信号を入力する。この作業は容易である。次いで、遊技用演算処理装置200の通信機能を利用して空打ち検査装置300で取得したい遊技情報を得る。これは、空打ち検査装置300側で図8に示した遊技情報収集処理を行うことにより可能で、このとき空打ち検査装置300により遊技用演算処理装置200のステータスメモリ216を監視することで、遊技情報を取得し所要の検査が行える。例えば、「第1種始動口スイッチ」信号を遊技制御装置41に出力して、ステータスメモリ216を監視することで、特別図柄停止データの停止データに基づいて、停止した図柄のうち所望の図柄情報を取得する。これにより、特図が3図柄の場合の左図柄(1桁目)、中図柄(2桁目)、右図柄(3桁目)を容易に得ることができる。
【0094】
本発明の実施の形態は、上記例に限らず、以下に述べるような各種の変形実施が可能である。
(a)本発明の遊技用演算処理装置はパチンコ遊技機に限らず、パチスロ遊技機に適用されるものであってもよい。要は、遊技機の遊技制御手順たる遊技プログラムおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵し、予め格納された遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段を備えた遊技用演算処理装置を含むものであれば適用可能である。
(b)本発明における遊技用演算処理装置はパチンコ遊技機でなく、例えば映像式ゲーム機のようなものでも、遊技プログラムを使用する遊技機であれば適用できる。
(c)遊技用演算処理装置の適用される遊技機は実球式に限るものではなく、封入球式の遊技機であってもよい。また、本発明の適用対象となる遊技機は、どのような種類の遊技機でも本発明を適用できる。例えば、磁気カードで玉貸しを行うもの、ICカードで玉貸しを行う等の遊技機のタイプに限定されずに、本発明を適用することができる。
【0095】
(d)遊技情報収集装置1(PJ1)あるいは遊技情報収集装置2(PJ2)は比較的小型で製造可能であり、例えば遊技機10等の内部に一体的に組み込むような構成にしてもよい。
(e)上記実施の形態では、遊技情報収集装置1(PJ1)および遊技情報収集装置2(PJ2)を別体として構成しているが、例えば遊技情報収集装置1(PJ1)が遊技情報収集装置2(PJ2)の機能を併せ持つような構成にしてもよい。
【0096】
【発明の効果】
このように、請求項1乃至請求項3に記載の発明は、遊技領域部のバスの状態を監視して遊技情報を複写する際のタイミングを制御することで、当該遊技領域部による遊技制御動作に影響を与えることなく遊技領域部側の作業用メモリに書き込まれている内容を複写記憶手段に複写し、予め外部から入力されて設定情報記憶手段に記載されている設定情報に基づいて、複写記憶手段に複写された内容から外部に送出可能な遊技情報を抽出し遊技情報記憶手段に記憶して、外部からの要求に対して遊技情報応答手段が、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報から要求に対応する遊技情報を応答情報として送出する。したがって、以下の効果を得ることができる。
【0097】
遊技機の検査を行う際に、外部の検査装置(例えば、空打ち検査装置)は直接的に遊技制御装置(遊技用演算処理装置)と接続できるとともに、遊技用演算処理装置から遊技情報を取得することができ、遊技機検査の簡便化を行うことができる。
また、遊技機製造メーカは、機種毎に中継装置を作成したりあるいは変更するという作業が必要でなくなり、検査準備が簡単になって検査準備のためのコストも抑制することができる。
【0098】
さらに、遊技店が本来望む情報を遊技機から簡単に出力することができる。したがって、遊技店における遊技機より取得する情報を充実化することができ、管理装置における情報報知のバリエーションが増える。例えば、管理装置メーカは従来より詳細な遊技情報(例えば、停止図柄情報等)を取得でき、新たな情報報知が行えるとともに、現在、遊技店の多数で行われている大当たり時の停止図柄による営業方法の選択(例えば、1回交換、無制限等)等を自動化することも可能になる。例えば、1回交換の停止図柄(大当たり)の場合は、大当たり終了後に発射を停止するとか、あるいは遊技店が所望する営業情報を提供することが容易になる。
【0099】
そして、外部に送信するための遊技情報の設定情報を設定情報記憶手段に書き込み、その設定された設定情報に対応する遊技情報のみが外部に送出されるため、作業用メモリに書き込まれている他の情報内容が外部から読み取れない。したがって、遊技プログラムのノウハウの流出を防げるとともに、不正も未然に防止することができる。例えば、遊技プログラムの解析ができないという不正に対して有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遊技店の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 遊技情報収集装置1(PJ1)のブロック図である。
【図3】 遊技盤を示す図である。
【図4】 遊技制御装置のブロック図である。
【図5】 遊技用演算処理装置のブロック図である。
【図6】 DPRAMの動作を説明する図である。
【図7】 役物制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】 遊技情報収集処理プログラムを示すフローチャートである。
【図9】 遊技用演算処理装置チェックのプログラムを示すフローチャートである。
【図10】 ワークメモリの内容を説明する図である。
【図11】 ワークメモリの内容を説明する図である。
【図12】 ステータスメモリの内容を説明する図である。
【図13】 ステータスメモリの内容を説明する図である。
【図14】 遊技機の検査方法を説明する図である。
【符号の説明】
10、10a、10b 遊技機
41、41a、41b 遊技制御装置
200 遊技用演算処理装置
200A 遊技領域部(遊技制御手段)
200B 情報領域部
203 RAM(作業用メモリ:ワークメモリ)
210 バス(複写記憶手段)
212 パラメータメモリ(設定情報記憶手段)
214 DPRAM(複写記憶手段)
216 ステータスメモリ(遊技情報記憶手段)
217 制御回路(遊技情報記憶手段、複写記憶手段)
218 外部通信制御回路(遊技情報応答手段)
219 バス(遊技情報応答手段)
Claims (3)
- 遊技機の遊技制御手順たる遊技プログラムを記憶する不揮発性メモリおよび該遊技プログラムの動作に関連して使用される作業用メモリを内蔵し、予め格納された遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行管理する遊技制御手段を有する遊技用演算処理装置を備え、
遊技盤に設けた始動口への遊技球の入賞に基づいて表示装置で複数の識別情報を変動表示させ、該変動表示の停止表示結果に基づいて遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記遊技用演算処理装置は、
前記不揮発性メモリ、前記作業用メモリ及び前記遊技制御手段を含んで前記遊技制御を行う遊技領域部と、
前記遊技領域部とは独立して動作し、情報管理を行う情報領域部と、から構成され、
前記情報領域部は、
外部へ送出可能な遊技情報の設定として予め外部から入力される設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記作業用メモリ領域に格納されている遊技情報を複写し、記憶する複写記憶手段と、
前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報に基づいて、前記複写記憶手段に記憶された遊技情報から外部へ送出可能な遊技情報を抽出して記憶する遊技情報記憶手段と、
外部からの要求に基づいて、前記遊技情報記憶手段に記憶された遊技情報から外部からの要求に対応する遊技情報を応答情報として取得して送出する遊技情報応答手段と、を有し、
前記複写記憶手段は、
前記遊技領域部のバスの状態を監視して前記遊技情報を複写する際のタイミングを制御することで、当該遊技領域部による遊技制御動作に影響を与えることなく前記作業用メモリに格納されている遊技情報を複写するよう構成されていることを特徴とする遊技機。 - 前記応答情報送出手段は、外部からの要求が正規な要求であるか否かを判別する要求判別手段を含み、
前記要求判別手段によって外部からの要求が正規な要求であると判別された場合に、外部からの要求に対応する遊技情報を応答情報として取得して送出することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記情報領域部は、前記遊技制御手段による遊技制御動作を停止させる遊技制御動作停止手段を有し、
前記設定情報記憶手段は、前記遊技制御手段によるアクセスが禁止される前記作業用メモリのアドレス範囲の設定として外部から入力されるアドレス範囲設定情報を記憶可能に構成され、
前記遊技制御動作停止手段は、前記設定情報記憶手段に記憶されたアドレス範囲設定情報に含まれるアドレス範囲に前記遊技制御手段によるアクセスがあった場合に、当該遊技制御手段による遊技制御動作を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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