JP4148343B2 - 偏光分離素子、偏光変換システムおよび投射型ディスプレイシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射した非偏光または部分偏光を、異なる偏光状態を有する角度的に分離した2つの射出ビームに分離する偏光分離要素に関する。本発明はまた、非偏光または部分偏光を実質的な完全偏光に変換する偏光変換システムに関する。本発明は、基板の両面に配置された2つのレンズアレイを備えた光学素子にも関する。本発明は、さらに、そのような偏光変換システムを組み込んだ投射型ディスプレイシステムにも関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの光学システムは、実質的な完全偏光により照明されることを必要とする。このようなデバイスが非偏光または部分偏光で動作する場合、その光が光学システムに入射する前に完全偏光となること、すなわち、単一の偏光状態に変換されることが必要である。
【0003】
非偏光を完全偏光に変換する1つの方法は、周知の直線偏光子である。理想化された直線偏光子は、一方向の直線偏光を損失なく透過させ、直交方向の直線偏光を完全に吸収するため、偏光子に入射する非偏光は完全直線偏光に変換される。このような直線偏光子は直線偏光を生成する簡単な手段である一方で、効率が低いという不利な点を有する。偏光子内での吸収および/または偏光子の表面での反射による理想的な直線偏光子は、50%の効率しか有さず、実際的な直線偏光子の効率は、一般に、40〜45%の範囲内である。
【0004】
非偏光を偏光に変換するための別の公知の手段は、偏光変換システムである。偏光変換システムでは、すでに所望の偏光状態の偏光である入射光は変化せずに透過する。所望の偏光状態と直交する偏光状態の偏光は、従来の直線偏光子が用いられた場合に起こるように遮光されることなく、所望の偏光状態の光に変換される。
【0005】
偏光変換システムは、本質的に、入射した非偏光または部分偏光を分離する偏光分離素子(PSE)(polarization splitting element)を含み、1つの偏光状態の光が、直交する偏光状態を有する光から空間的または角度的に分離され、PSEから発せられる。偏光変換システムは、PSEにより発せられた成分のうちの1つの偏光状態を変換する偏光変換素子も備える。
【0006】
多くの偏光分離素子が公知である。一例として、2つの複屈折くさびW1およびW2が結合して合成ブロックを形成し、2つのプリズムの斜辺面が相互に近接する周知のウォラストンプリズムの1つの実施形態を図19に示す。EP−A−0 939 323に記載のこのウォラストンプリズムの実施形態では、2つのくさびW1およびW2が、異なる厚さを有する液晶層として組み入れられる。各くさびの光軸方向はくさびの厚さに渡って90°回転し、2つのくさびの光軸は2つのくさびの界面で相互に直交する。
【0007】
米国特許第5 978 136号は、添付図面の図21aに示す従来のPCOSを開示している。この偏光変換システムは、2つのレンズアレイ5および6を備える。第1のレンズアレイ5の要素は、第2のレンズアレイ6の対応する要素に像を投影する。次いで、偏光分離フィルム2aを含む1組の偏光ビームスプリッタキューブ(polarising beam splitter cube)2が光のP成分およびS成分を空間的に分離するため、P成分のみ、またはS成分のみが1組のリターダストライプ(retarder stripe)3に入射する。リターダストライプは、リターダに入射する光が、その光に対する実質的な直交状態に変換されるように、実質的な1/2波長板となるように構成される。偏光変換システムを離れる光は実質的な偏光である。偏光ビームルプリッタキューブ2は、別の偏光成分を反射する反射フィルム2bをさらに含む。反射された偏光成分は、リターダストライプ3を離れる光の方向と実質的に平行である方向にPCOSを離れる。不透明マスク9が、クロストークを低減するために、第2のレンズアレイ6と偏光ビームスプリッタアレイ2との間に配置される。PCOSの最小体積は1/2波長板の耐性によって抑制される。図21aのPCOSの偏光ビームスプリッタキューブ2は、図21bに示されるようにPBS板49の積層を斜めに切断することによって得られる。適切な切断断面積は、図21bの参照番号50によって示される。
【0008】
Ogiwaraらが、「PS Polarisation Converting Device for LC Projector Using Holographic Polymer−Dispersed LC Films」、SID 1999に、さらなる従来のPCOSを記載している。図20に示すこのデバイスは、2つのレンズアレイ5および6、2つの高分子分散型液晶(PDLC)格子2および4、ならびに1組の1/2波長リターダ素子3を備える。偏光分離は、実質的に、1つの直線偏光(P)のみを回折し、直交する直線偏光(S)を著しい回折なしで透過させるPDLC格子2により達成される。
【0009】
1/2波長板3が第2の格子4に取り付けられ、格子2により発せられるp偏光の光路に配列されるp直線偏光は、1/2波長板3のうちの1つを通過するとs直線偏光に変換される。
【0010】
1/2波長板3は、格子2により発せられるs直線偏光が1/2波長板3を通過しないように配列される。それゆえ、格子2により発せられるs偏光は、1/2波長板3による影響を受けない。1/2波長板のアレイを通過後、よって、光は完全なs偏光である。
【0011】
使用において、偏光変換システムはランプ7および放物面鏡8により生成された平行光により照明され、入射光は、第1のレンズアレイ5により集束される。第2のレンズアレイ6は、第1のレンズアレイ5と同様の焦点距離およびピッチを有する。第1および第2のレンズアレイは、ほぼそれらの焦点距離だけ分離されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このPCOSはまた、最小体積が1/2波長リターダ素子の公差により制限されるという不利な点を有する。さらなる不利な点は、このシステムが分散を低減するために2つの偏光分離素子を用いることであり、これにより、PCOSのコストおよび複雑さが増す。
【0013】
図21aに示す偏光変換システムの寸法は、通常、およそ50mm×50mm×70mmである。偏光変換光学システム(PCOS)がプロジェクターとともに用いられる場合、プロジェクターの全体的な体積が著しく増加する。図21aのPCOSの体積は、レンズアレイの焦点距離が低減された場合にのみ低減することができ、これには、レンズ、1/2波長板、および偏光分離キューブのピッチが対応して低減されることが必要となる。図21aに示すタイプの従来のPCOSで用いられるレンズアレイは、通常、6mmのピッチpを有するが、光学システムの投射距離を対応して低減することで、これを1mm未満に低減することが望ましい。しかしながら、従来の1/2波長リターダ素子および従来の偏光分離キューブを組み込んだPCOSの場合、素子を相互に必要な公差でアライメントすることが困難になるため、これを行うことは困難である。よって、PCOSの製作および組立がさらにより困難になる。従って、図21aに示すタイプの現行の偏光変換システムで用いられる素子では、その用いられる素子の物理的サイズによりPCOSの最小体積に制限が加えられる。
【0014】
EP 0 887 667およびGB 2 326 729は、高精度にパターニングされたリターダ素子を製作する方法、およびそのような素子のビームスプリッタのアレイを備えた偏光変換光学システムへの適用を開示している。
【0015】
図17は、Minoltaにより提案されたさらなる従来の偏光変換システムを示す。このPCOSでは、偏光分離素子2が回折光学素子(DOE)偏光スプリッタである。図17に示すデバイスでは、実線の光線路により示されるように、振動面が図面の平面にある光は回折されない。図面の平面外の方向の偏光は、破線の光線路により示されるように、回折される。このデバイスはまた、偏光分離素子2により発せられる光を集束する第1のレンズアレイ5、1/2波長リターダ素子3の従来の大型アレイ、および第2のレンズアレイ6を備える。このデバイスは、放物面鏡8により平行にされ、UV−IRフィルタ9’を通過したランプ7からの光により照明される。
【0016】
図17の従来技術によるPCOSは、回折素子を偏光分離素子2として用いるという不利な点を有する。これは回折素子であるため、波長分散が大きいことに悩まされ、かつ、複数の回折次数の重複による偏光混合(polarisation mixing)にも悩まされる。偏光分離素子の高度な波長分散は、PCOSの効率が低いことも意味する。
【0017】
図18は、さらなる従来技術による偏光変換システムを示す。このPCOSは、米国特許第5 900 977号、およびWO97/01779に記載されており、図18では明瞭さのために分離して示される3つの素子から構成される。
【0018】
図18のPCOSの第1の要素10は、非偏光または部分偏光を、異なる方向に伝播し、直交する直線偏光を有する2つの成分に分離する。第2の要素11は、振動面を回転させる偏光−回転素子である。第2の要素11により生成された振動面の回転は、光の入射角に大きく依存する。ビームb1等の要素11に垂直方向に入射する光は、その振動面を90°回転させる。ビームb2等の要素11に垂直方向に入射しない光は、その振動面を変更しない。
【0019】
第3の要素12は、実質的に平行な出力ビームを生成するように、光ビームを曲げる。第1の要素10および第3の要素12は、複屈折材料および光学的等方性材料が交互になった部分から構成される。
【0020】
図18の偏光変換システムは、受光角度が小さいことに悩まされる。例えば、通常の投射システムの受光角が約5度であり得る一方で、この素子については、高い集束効率に対してより小さな受光角が予測され得る。このような素子は、CDプレーヤー等のレーザとの使用に適し得る。
【0021】
米国特許第5 440 424号は、偏光−分離要素、偏光−回転要素および結合要素を備えるシート偏光変換システムを開示している。この偏光変換システムも、小さな受光角を有する。
【0022】
EP−A−0 753 780は、2つの基板の間に挟まれた液晶層を備える偏光分離素子を開示している。一方の基板はぎざぎざの表面構造を有するため、液晶層の厚さは一定ではない。偏光分離素子に入射する非偏光が、鋸歯状基板と液晶層との間の界面で2つの異なる偏光成分に分離され、2つの偏光成分は、異なる方向に進みながら偏光分離素子を離れる。
【0023】
EP−A−0 753 780に開示される偏光分離素子では、偏光成分のうちの1つが、公称的には可視光の全ての波長に対してずれることなく、偏光分離素子を通過する。それゆえ、光は、非垂直入射(non−normal incidence)で偏光分離素子に入射しなければならない。これは、同様に、EP−A−0 753 780の偏光分離素子を用いる光学プロジェクターが、光の著しい損失を防ぐために、傾斜したランプを使用することが必要になる。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏光分離素子は、各プリズムがくさび型の断面を有する光学的等方性プリズムであり、該プリズムのそれぞれの底面が同一平面上に配置されて、該底面に非偏光または部分偏光の平行光が入射される第1のプリズムのアレイと、各プリズムがくさび型の断面を有する複屈折プリズムであり、該プリズムのそれぞれの傾斜面が前記第1のプリズムのアレイの各プリズムの傾斜面に近接して配置されるとともに、該プリズムのそれぞれの底面が前記第1のプリズムのアレイの各プリズムの底面に平行に配置された第2のプリズムのアレイと、各プリズムがくさび型の断面を有する複屈折プリズムであり、該プリズムのそれぞれの底面が前記第2のプリズムのアレイの各プリズムの底面に近接して平行に配置された第3のプリズムのアレイと、各プリズムがくさび型の断面を有する光学的等方性プリズムであり、該プリズムのそれぞれの傾斜面が、前記第3のプリズムのアレイの各プリズムの傾斜面に近接して配置されるとともに、それぞれの底面が、前記第3のプリズムのアレイの各プリズムの底面と平行に配置された第4のプリズムのアレイとを備え、前記第2のアレイのプリズムの光軸方向が該プリズムの厚さにわたって実質的に90°変化し、該光軸は該プリズムの厚さに渡って入射光の方向に対して実質的に垂直であり、前記第2のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムの前記光軸方向が、前記第3のプリズムのアレイの近くに配置された該第2のプリズムのアレイのプリズムの面で、該第3のプリズムのプリズムの光軸に対して垂直であり、前記第2のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムが、第1の偏光を有する光と、該第1の偏光とは異なる偏光成分を有する第2の偏光を有する光とをそれぞれ分離して異なる方向に偏向させて出力し、前記第3のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムが、前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光を、それぞれ対称的に発散させることを特徴とする。
【0025】
前記第2のプリズムのアレイが液晶層を備えていてもよい。
【0026】
前記第2のプリズムのアレイが光硬化性液晶を含んでいてもよい。
【0027】
前記第2のプリズムのアレイが高分子安定化液晶材料を含んでいてもよい。
【0028】
本発明の偏光変換システムは、非偏光または部分偏光を有する光の平行光が第1のプリズムのアレイに入射されるように配置された請求項1に記載の偏光分離素子と、該偏光分離素子から出力される第1の偏光を有する光および第2の偏光を有する光を、共通の偏光を有する光に変換して出力する1以上の偏光変換素子と、前記偏光分離素子から出力される光を前記偏光変換素子に集束する第1のレンズアレイとを備える。
【0029】
前記偏光変換素子は、前記第2の偏光を有する光の振動面を回転させずに、前記第1の偏光を有する光の振動面を前記第2の偏光を有する光の振動面と同一になるように回転させて、前記第2の偏光を有する光のみを出力してもよい。
【0030】
前記偏光変換素子は、前記偏光分離素子から出力される前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光がそれぞれ入射されるエリアがアレイ状に設けられており、該偏光変換素子のエリアが前記第1のレンズアレイの焦点面に配置されてもよい。
【0031】
前記第1のレンズアレイが前記偏光分離素子と前記偏光変換素子との間に配置されてもよい。
【0032】
前記偏光分離素子が前記第1のレンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置されてもよい。
【0033】
前記偏光変換素子から出力される光を平行にする第2のレンズアレイをさらに備えていてもよい。
【0034】
前記第1のレンズアレイおよび前記第2のレンズアレイが共通基板上に配置されていてもよい。
【0035】
前記第2のレンズアレイが、前記偏光変換素子と前記第1のレンズアレイとの間に配置されて前記偏光変換素子に近接していてもよい。
【0036】
前記偏光変換素子が直接前記第2のレンズアレイ上に配置されていてもよい。
【0037】
前記偏光変換素子が前記第2のレンズの光出射方向側に配置され、かつ該第2のレンズアレイに光学的に結合されていてもよい。
【0038】
前記偏光分離素子は、前記第1の偏光を有する光と前記第2の偏光を有する光とを、それぞれ第1の振動面を有する第1の直線偏光ビームと該第1の偏光面とは異なる第2の振動面を有する第2の直線偏光ビームとにする偏光回転素子であってもよい。
【0039】
前記第1のビームの振動面が前記第2のビームの振動面に対して90°であってもよい。
【0040】
前記偏光変換素子が、複数の第1の領域および複数の第2の領域を交互に有するリターダアレイを備え、該第1および第2の領域が、それぞれ、前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光を受け取るように配列されていてもよい。
【0041】
前記第1および第2の領域が、それぞれ、前記第1および第2の偏光ビームの断面のサイズと一致し、相互に異なる第1および第2のサイズを有していてもよい。
【0042】
本発明の投射ディスプレイシステムは、非偏光または部分偏光の平行光を出射する光源と、該光源から出射される平行光が偏光分離素子に入射されるように配置された前記偏光変換システムと、該偏光変換システムから出力される偏光を有する光が照射される空間光変調器と、を備える。
【0043】
前記空間光変調器が反射型液晶パネルであってもよい。
【0044】
前記反射型液晶パネルにて反射された光が選択的に照射される投射レンズをさらに有していてもよい。
【0059】
本発明の第1の局面は、偏光分離素子であって、それぞれがくさび型の断面を有する第1のプリズムのアレイと、それぞれがくさび型の断面を有する第2のプリズムのアレイとを備え、上記第1のアレイの各プリズムが、上記第2のアレイの対応するプリズムの傾斜面に近接して配置される傾斜面を備えて配置され、上記プリズムのアレイのうちの少なくとも1つの各プリズムが複屈折プリズムであり、上記偏光分離素子が、上記第1の偏光を有する光を偏向させ、かつ上記第2の偏光を有する光を偏向させるように配列される、偏光分離素子を提供する。
【0060】
本発明の偏光分離素子は、第1の偏光成分および第2の偏光成分の両方を偏向する。すなわち、上記第1の偏光成分が偏光分離素子から出力される方向、および上記第2の偏光成分が上記偏光分離素子から出力それる方向の両方が、入射光の方向と異なる.偏光分離素子を有する本発明の偏光変換システムが投射ディスプレイシステムに組み込まれている場合、傾いていないランプの幾何学配置の使用は、補正された材料およびプリズムの幾何学的配置が使用された場合の光のさらなる損失には繋がらない。
【0061】
上記第1のプリズムのアレイの各プリズムが複屈折プリズムであり得、上記第2のプリズムのアレイの各プリズムが複屈折プリズムであり得、上記第1のアレイの各プリズムが第2のアレイの対応するプリズムの光軸に対して垂直の光軸を有して配列され得る。
【0062】
上記第1のプリズムのアレイの各プリズムが光学的等方性プリズムであり得、上記第2のプリズムのアレイの各プリズムが複屈折プリズムであり得る。
【0063】
上記第2のアレイのプリズムの常光線屈折率no、上記第2のアレイのプリズムの異常光線屈折率ne、および上記第1のアレイのプリズムの屈折率nが、
no<n<ne
となるように選択され得る。
【0064】
1より多くの複屈折プリズムのアレイが存在する場合、上記複屈折プリズムのアレイ、または複屈折プリズムのアレイのうちの1つが液晶材料を含み得る。
【0065】
上記偏光分離素子は液晶層の厚さを決定するスペーサを含み得る。各スペーサ素子が上記第1のアレイのプリズムのそれぞれ1つと一体化し得る。
【0066】
あるいは、1より多くの複屈折プリズムのアレイが存在する場合、上記複屈折のアレイ、または上記複屈折プリズムのアレイのうちの1つが光硬化性液晶を含み得るか、または高分子安定化液晶材料を含み得る。
【0067】
上記偏光分離素子は、それぞれがくさび型の断面を有する第3のプリズムのアレイ、およびそれぞれがくさび型の断面を有する第4のプリズムのアレイをさらに備え得、上記第3のアレイの各プリズムが上記第4アレイの対応するプリズムの傾斜面に近接する傾斜面を備えて配置され得、上記第3のアレイの各プリズムが複屈折プリズムであり得る。
【0068】
上記第2のアレイのプリズムの光軸方向が上記プリズムの厚さに渡って変化し得る。
【0069】
上記第2のアレイのプリズムの光軸方向が上記プリズムの厚さに渡って実質的に90°変化し得、上記光軸は上記プリズムの厚さに渡る入射光の方向に対して実質的に垂直である。上記第2のアレイのプリズムの上記光軸方向が、上記第3のプリズムのアレイの近くに配置された上記プリズムの面で、上記第3のプリズムの光軸に対して垂直であり得る。上記第2のプリズムのアレイが液晶層を備え得る。
【0070】
本発明の第2の局面は、偏光変換素子であって、較正された入射光を変換するための第1のレンズアレイと、第1の偏光を有する光を第1の方向に向け、第1の偏光と異なる第2の偏光を有する光を第1の方向と異なる第2の方向に向ける偏光分離素子と、第1および第2の偏光を有する光を実質的に共通の出力偏光を有する光に変換する1つ以上の偏光変換素子とを備え、上記偏光分離素子が定義されたような偏光分離素子である偏光変換素子を提供する。
【0071】
出力偏光は第2の偏光であり得る。
【0072】
上記偏光変換素子のアレイが上記第1のレンズアレイの実質的に焦点面に配置され得る。
【0073】
上記第1のレンズアレイが上記偏光分離素子と偏光変換素子との間に配置され得る。あるいは、上記第1のレンズアレイが偏光分離素子の前に配置され得る。
【0074】
上記偏光変換素子の上記出力を平行にする第2のレンズアレイをさらに備え得る。上記第1のレンズアレイおよび第2のレンズアレイが共通基板を有し得る。上記第2のレンズアレイが上記偏光変換素子に近接してその裏側にあり得る。
【0075】
上記偏光変換素子が直接上記第2のレンズアレイ上に配置され得る。これにより、偏光変換素子が上記第2のレンズアレイとのアライメントにずれが生じることを防ぐ。
【0076】
上記偏光変換素子が上記第2のレンズの後に配置され得、かつ該第2のレンズアレイに光学的に結合され得る。
【0077】
上記偏光分離素子からの上記出力が、第1の振動面を有する第1の直線偏光ビームおよび第1の振動面とは異なる第2の振動面を有する第2の直線偏光ビームであり得、該または各偏光変換素子が偏光回転素子であり得る。
【0078】
上記第1のビームの振動面が上記第2のビームの振動面に対して実質的に90°であり得る。
【0079】
上記1以上の偏光変換素子が、複数の第1の領域および複数の第2の領域を交互に有するリターダアレイを備え得、該第1および第2の領域が、それぞれ、上記第1および第2の偏光を受け取るように配列され得る。上記第1および第2の領域が、それぞれ、上記第1および第2の偏光ビームの断面のサイズと一致し得、相互に異なる第1および第2のサイズを有し得る。
【0080】
本発明の第3の局面は、非偏光または部分偏光のソース、上記で規定したような偏光変換システム、および投射レンズを備える投射ディスプレイシステムを提供する。
【0081】
本発明の第4の局面は、基板、上記基板の1つの表面上に配置された第1のレンズアレイ、および各レンズが該第1のレンズアレイと1対1に対応するように、該基板の反対側の表面上に配置された第2のレンズアレイを備える光学素子を提供する。
【0082】
上記第1のレンズアレイおよび第2のレンズアレイが上記基板と一体化し得る。
【0083】
本発明の本局面による光学素子は、本発明の第2の局面の偏光変換システムでの使用に適している。両方のレンズアレイを共通基板に配置することにより、一方のアレイのレンズが他方のアレイのレンズとアライメントすることができる精度が増加し得、これにより、レンズアレイのピッチを低減することが可能になる。レンズアレイのピッチを低減することにより、焦点距離を低減することが可能になるため、2つのレンズアレイ間の距離を低減し、よって、レンズアレイを組み込んだ偏光変換システムの体積が低減される。
【0084】
上記第1のレンズアレイのピッチが上記第2のレンズアレイのピッチに実質的に等しくあり得る。
【0085】
上記第1のレンズアレイのピッチおよび上記第2のレンズアレイのピッチが、それぞれ、2mm以下であり得る。
【0086】
上記光学素子の幅Wおよび該光学素子の厚さTがW/T>3の関係を満たし得る。
【0087】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な特徴を添付の図面を参照しながら例示することにより説明する。
【0088】
図面において、同様の参照符合は同様の要素を示す。
【0089】
図1aは、本発明の第1の実施形態によるPCOS15の概略図である。
【0090】
使用において、平行光が光源(図示せず)により供給される。光源からの光は非偏光または部分偏光であり、直交する偏光方向を有する2つの直線偏光成分を含む。一方の成分は、図面の平面に振動面を有し、これは、図1では両端が矢印である線により示されており、「水平平面偏光」と呼ばれる。他方の成分は、図面の平面外の振動面を有し、これは、図1では丸印で囲まれた点により示され、「垂直平面偏光」と呼ばれる。
【0091】
図1aのPCOS15は、偏光分離素子16を含む。図1aに示すように、これは、入射光内の2つの偏光成分を角度的に分離し、各偏光成分を偏向させる。入来する光の一方の偏光成分が第1の方向に向けられ、それに直交する偏光成分は第1の方向と異なる第2の方向に向けられる。可視光の全ての波長に対して、第1および第2の方向はそれぞれ、入射光の伝播方向とは異なる。偏光分離素子の構成を以下に説明する。
【0092】
図1aのPCOS15は、光源に対して、偏光分離素子の反対側に位置する偏光変換素子をさらに備える。偏光回転素子19は、第1および第2の偏光成分を実質的に共通の出力偏光を有する光に変換するように配列される。これは、偏光変換素子に、偏光分離素子16により生成された偏光成分のうちの1つを所望の出力偏光に変換する複数の第1のエリア19aを設け、第1の偏光成分の光が実質的にこれらエリアのみに入射するように偏光変換素子を配列することにより適宜に行われる。同様に、偏光変換素子は、偏光分離素子により生成された第2の偏光成分を所望の出力偏光に変換する複数の第2のエリア19bをさらに備え、偏光分離素子により出力された第2の偏光成分の光が、実質的にこれらエリアのみに入射するように配列される。
【0093】
所望の出力偏光成分は、偏光分離素子16により生成される2つの偏光成分のうちの1つであり得る。この場合、偏光変換素子19は、所望の偏光成分の光を、実質的にその偏光状態を変更することなく透過するように配列される。偏光変換素子は、偏光分離素子により生成された他方の偏光成分を所望の出力偏光成分に変換するようにさらに適合される。
【0094】
図1aに示す実施形態では、偏光分離素子が水平平面偏光成分および垂直平面偏光成分を生成する。偏光変換システムの所望の出力状態は、水平平面偏光である。本実施形態では、偏光変換素子19が偏光回転素子として組み入れられている。偏光変換素子は、一方の偏光成分(図1aの実施形態では、垂直平面偏光成分)がその成分の振動面を実質的に90°回転させる偏光回転素子のエリア19aに入射するように配列される。他方の偏光成分(図1aの実施形態では、水平平面偏光成分)が、その偏光成分の振動面を回転させない偏光回転素子のエリア19bに入射し、その振動面は、実質的に、偏光回転素子19により変更されない。結果的に、垂直平面偏光成分が偏光回転素子により水平平面偏光に変換されたため、図1aのPCOS15からの出力光は、水平平面偏光のみを含む。
【0095】
偏光分離素子16により偏光回転素子19に向けられた水平平面偏光成分が、振動面を回転させるエリア19aのいずれも通過しないことを確実にし、かつ偏光分離素子16により偏光変換素子19に向けられた垂直偏光が、振動面を回転させないエリア19bのいずれも通過しないことを確実にするために、第1のレンズアレイ17が、偏光変換素子19に向けられた光を集束するために設けられる。図1aの実施形態では、第1のレンズアレイ17は偏光分離素子16と偏光変換素子19との間に配置されるため、アレイ19は第1のレンズアレイ17のほぼ焦点距離だけ、第1のレンズアレイ17から間隔を置いている。
【0096】
PCOSからの出力光が、実質的にテレセントリックであり、さらなる集光レンズとともに用いられる場合に、第1のアレイの各レンズの像をパネルの平面に生成するように配列されることを確実にするために、第2のレンズアレイ18が、好ましくは、図1aのPCOS15に設けられる。アレイ18および19の平面の分離により光の損失が生じるため、第2のレンズアレイ18は、理想的には、アレイ19と同じ平面、よって、第1のレンズアレイ17の焦点面に位置する。
【0097】
第1のレンズアレイ17の焦点距離は、好ましくは、第2のレンズアレイ18の焦点距離と等しいか、または実質的に等しい。図1aの実施形態では、第1のレンズアレイ17のレンズ素子のピッチおよび側方の寸法が、第2のレンズアレイ18のレンズ素子のピッチおよび側方の寸法と等しい。両方のレンズアレイのピッチは、好ましくは2mm以下である。あるいは、欧州特許出願第99115664.7号に開示された方法を用いてエテンデュ(etendue)を修正するためには、一方のレンズアレイのレンズ素子の側方の寸法が、他方のアレイのレンズ素子の側方の寸法と異なることも可能である。
【0098】
図1aの実施形態では、第1のレンズアレイ17の全てのレンズ素子が、第2のレンズアレイ18の対応するレンズ素子に、光源の2つの像を生成する。角度分離素子は、第1のレンズアレイ17により投影されたときに、第2のレンズアレイ18で光源の像の分離を引き起こす。分離角度および第1のレンズアレイ17のパワーは、第2のレンズアレイ18および偏光変換素子19の平面と実質的に対応する第1のレンズアレイ17の像平面で、2つの像が交互に配置され、実質的に重複しないように設定される。
【0099】
偏光分離素子16が、実質的な非偏光により照明される場合、偏光分離素子16により生成された、2つの分離された直交偏光ビームが、相互に、実質的に等しい輝度を有する。しかしながら、光源からの光がある程度の直線偏光を有する場合、偏光分離素子により生成された2つの分離された直交偏光ビームの相対輝度は、光源からの光の入力偏光比(input polarization ratio)に依存する。
【0100】
図1aのPCOS15との使用に適した光源は、Philipsにより製造されるような、およそ1.3mmのUHP(TM)アークランプである。
【0101】
図1aの実施形態では、第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18が、同じ基板20の対向する面に形成される。あるいは、例えば、図7bに示すように、第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18を別々の基板上に形成することも可能である。
【0102】
図24は、図1aのPCOSの第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18の斜視図である。第1のレンズアレイ17が基板20の一方の面上に形成され、第2のレンズアレイ18は基板20の対向する側の面に形成される。第2のレンズアレイの各レンズ素子は、第1のレンズアレイのレンズ素子の入射光が第2のレンズアレイの関連づけられたレンズ素子に向けられるという点で、第1のレンズアレイ7のレンズ素子と光学的に関連づけられる。上記のとおり、図1aの実施形態では、第1のレンズアレイのレンズ素子のピッチPおよび側方の寸法Dが、第2のレンズアレイ18のレンズ素子のピッチおよび側方の寸法に等しい。両方のレンズアレイのピッチは、好ましくは、2mm以下である。
【0103】
第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18は、好ましくは、基板20と一体である。例えば、第1のレンズアレイ17、第2のレンズアレイ18、および基板20は、透明プラスチック材料で、1つの一体型ユニットに成形され得るか、または第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18は、適切な透明基板の両面にはめ込まれ得る。代替案として、レンズアレイは、レンズアレイを別々に製造し、屈折率整合材料を用いて2つのレンズアレイをボンディングして、共通の光学基板を形成することにより製作され得る。これにより、プロジェクターの組立時の素子の機械的アライメントを避け、素子の表面の数を低減することにより、不要な表面反射、および素子の反射防止コーティングのコストを低減する。これらのタイプのレンズは、UVキャスティング、ホットエンボス、ガラスのエッチング、もしくはプラスチック基板または好ましくはガラス基板上に屈折率分布型レンズを形成することを含む各種の他の技術により製作することができる。
【0104】
図25は、図1aに示すタイプのPCOS15を用いる投射システムを示す。この投射システムでは、PCOS15は、光源7により発せられ、放物面鏡8により平行にされる光により照明される。PCOS15を離れる光は、光の輝度を変調することにより像の表示を可能にするライトバルブ48、例えば、空間光変調器を照明する。集光レンズ49が、好ましくは、PCOS15とライトバルブ48との間に配置される。
【0105】
ライトバルブが4:3のアスペクト比、および0.7インチ(約18mm)の対角線を有する例では、ライトバルブの幅はダイアゴナルの4/5、すなわち、およそ14.22mmである。レンズアレイのピッチが2mmである場合、第1のレンズアレイから第2のレンズアレイまでの距離と、第2のレンズアレイからライトバルブまでの距離の比は、14.22/2である。よって、第2のレンズアレイからライトバルブまでの距離が100mmであることが所望される場合、第1のレンズアレイから第2のレンズアレイまでの距離は、100mm×2/14.22=14.06mmとなるべきである(全ての距離が空気中であると仮定する)。レンズアレイ17および18、ならびに基板20が屈折率1.52のガラスから形成される場合、基板20の厚さTは、21.4mmとなる。両方のレンズアレイを、この厚さを有する単一のガラス基板上に統合することが可能であるため、レンズアレイのピッチを2mm未満にすることにより、両方のレンズアレイを単一の基板上に統合することが可能となる。
【0106】
さらに本例では、レフレクタ8が60mmの直径を有する場合、ランプからの全ての光が確実にPCOSを通過するためには、レンズアレイ17および18の幅Wは、好ましくは、60mm以上である。基板20の厚さTがおよそ20mmである場合、基板20の幅Wおよび厚さTは、以下の関係:W/T>3を満たす。理想的には、レンズピッチは200ミクロンのオーダーであり、サンドイッチ状の2つの標準的なLCDガラス基板に対応するガラスの厚さは2mmのオーダーである。これにより、かさが高く低コストのガラス、および標準化ガラス処理設備の利用が可能となる。すなわち、所与の幅に対するレンズ基板の厚さが、従来技術においてよりも、本発明においてはるかに薄くなるため、本発明のPCOSの体積は従来のPCOSの体積よりもはるかに小さい。従来技術によるデバイスについて、WおよびTの典型的な値は、W=50mm、T=50mmでW/T=1となる。
【0107】
図1aのPCOS15での使用に適した本発明の1つの偏光分離素子16の構造を図2aに詳細に示す。偏光分離素子16が、本質的に、複屈折プリズム20および21の2つのアレイから構成されることが分かる。各アレイのプリズム20および21は、くさび型の断面を有する。第1のアレイのプリズム20のくさび角度は、第2のアレイのプリズム21のくさび角度に等しいか、または実質的に等しく、第1のアレイのプリズム20の断面寸法は、第2のアレイのプリズム21の断面寸法に等しいか、または実質的に等しい。
【0108】
これらのプリズムのアレイは、第1のアレイのプリズム20が、第2のアレイのプリズム21の斜面21aと近接する斜面20a(斜辺面)を有する。(図2aでは、明瞭さのため、プリズム20とプリズム21との間に小さな隙間を示す。)第1のアレイのプリズムは、第2のアレイのプリズムと実質的に同じくさび角度を有するため、第1のアレイのプリズム20の底面20bは、第2のアレイの対応するプリズム21の底面21bと実質的に平行である。
【0109】
図2aでは、第1のアレイのプリズム20が第1のカバープレートまたは基板22に取り付けられており、第2のアレイのプリズム21は第2のカバープレートまたは基板23に取り付けられている。これらのカバープレートは、ガラスまたはプラスチック材料等の任意の透明な光学的等方性材料から作成され得る。カバープレート22および23は、好ましくは、それぞれが均一な厚さを有するため、第1のカバープレートの前面22aは第2のカバープレート23の裏面23aと平行である。第1のカバープレート22の前面22aは、偏光分離素子の入射面(entrance face)を形成し、第2のカバープレート23の裏面23aは、偏光分離素子16の射出面(exit face)を形成する。
【0110】
第1のプリズムアレイのプリズム20の光軸および第2のプリズムアレイのプリズム21の光軸は、偏光分離素子16の入射面および射出面と平行である。それゆえ、プリズムの光軸は、一般に、偏光分離素子を通って伝播する光に対して垂直である。さらに、各第1のプリズム20の光軸は、各第2のプリズム21の光軸と直交する。
【0111】
使用において、光源からの光は偏光分離素子16に入り、次いで、第1のカバープレート22、および第1の複屈折プリズムアレイのプリズム20のうちの1つを通過する。1つの直線偏光と、直交直線偏光との間の角度的な分離が、第1のプリズムアレイのプリズム20と第2のプリズムアレイの対応するプリズム21との間の傾斜した界面で発生する。
【0112】
図2bは、図1aのPCOS15での使用にさらに適した本発明の代替的な偏光分離素子16を示す。これは、図2aの複屈折くさび型プリズム20の第1のアレイが、ガラスまたはプラスチック材料等の光学的等方性材料から作成されるくさび型プリズム24に置き換えられていることを除いては、一般に、図2aの偏光分離素子16に対応する。光学的に等方的なくさび型プリズム24を形成するために使用される材料の屈折率は、複屈折プリズム21を形成するために使用される複屈折材料の常光線屈折率または異常光線屈折率に等しくないとした場合、両方の偏光成分は乖離してる。光学的等方性くさび型プリズム24を形成するために用いられる材料の屈折率は、可視光全体の波長にわたってno<n<neのように選択され得、ここで、noおよびneが、複屈折プリズム21を形成するために用いられる複屈折材料の常光線屈折率および異常光線屈折率であり、nは光学的等方性プリズム24を形成するために用いられる材料の屈折率である。
【0113】
光束の分離角度度が、プリズムの傾斜角度および複屈折率により規定される一方、入力光軸に対する2つの円錐の平均傾斜は、等方性材料の相対屈折率により規定される。さらに、常光成分と異常光線成分間の分散の差は、この2つの偏光状態が異なる分散特性を有することを意味し得る。よって、第2のレンズアレイ18に当たる点のサイズは、2つの直交する偏光状態に関して異なることが考えられ得る。図1bにこれを示しており、ここでは、一方の光点の相対的なサイズおよび形状が50で示され、他方の光点の相対的なサイズおよび形状が51で示される(比較のために第1の点を挿入して示している)。点のサイズの相違を補償するために、偏光回転素子19は、図1bに示すように、振動面を回転させ、大きい方の光点51から光を受け取るエリア19aが、振動面を回転させず、光点50から光を受け取るエリア19bよりも大きくなるように適合され得る。
【0114】
図1bの実施形態は、第2のレンズアレイ18が屈折率n2を有する等方性媒体52により偏光回転素子19に光学的に結合される点で、図1aの実施形態とさらに異なる。等方性媒体52に適した材料は、Opti−cladにより製造される、n2=1.38の屈折率を有するUV−OPTI−CLAD−138−Xである。第2のレンズアレイ18に適した材料は、Nyeによるn1=1.6の屈折率を有するOC462である。
【0115】
図2bの複屈折プリズム21のアレイ、ならびに図2aの複屈折プリズム20および21の一方または両方のアレイが、例えば、D.J.Broerにより「Mol.Cryst.Liq.Cryst.」Vol.261、pp513−523(1995)に開示される製作技術を用いて、液晶層として組み入れられ得る。あるいは、これらは、光硬化性液晶層を用いて、または高分子安定化液晶層(polymer stabilized liquid crystal layer)を用いて組み入れられ得る。
【0116】
図2cは、図1のPCOSでの使用にさらに適した本発明の代替的な偏光分離素子16を示す。図2aおよび2bの偏光分離素子に関しては、図2cの偏光分離素子が両方の偏光成分を偏向させる。
【0117】
図2cの偏光分離素子16もまた、第1の透明カバープレート22と第2の透明カバープレート23との間に配置されたくさび型プリズムを備えるが、図2cの偏光分離素子16では、プリズムの4つのアレイが、第1のカバープレート22と第2のカバープレート23との間に配置される。各アレイ内のプリズムは、くさび型の断面を有する。
【0118】
第1のアレイは、光学的等方性くさび型プリズム25のアレイであり、第2のアレイは、複屈折プリズム26のアレイであり、第3のアレイは、複屈折プリズム27のアレイであり、第4のアレイは、光学的等方性プリズム28のアレイである。第2のアレイの各プリズム26は、その斜面26aが第1のアレイからの対応するプリズム25の斜面25aと近接して配置されるように配列される。同様に、第3のアレイの各プリズム27は、その斜面27aが第4のアレイの対応するプリズム28の斜面28aに近接して配置されるように配列される。第2のアレイの各プリズム26は、その平面26bが第3のプリズムアレイのプリズム27の平面27bと平行に近接して配置される。第1のアレイのプリズム25は、第2のアレイのプリズム26と実質的に同じくさび角度を有するため、第1のアレイのプリズム25の底面25bは、第2のアレイの対応するプリズム26の底面26bと実質的に平行である。同様に、第3のアレイのプリズム27は、第4のプリズムアレイのプリズム28と実質的に同じくさび角度を有するため、第3のアレイのプリズム27の底面27bは、第4のアレイの対応するプリズム28の底面28bと実質的に平行である。第1のアレイのプリズム25と第2のアレイプリズム26のくさび角度は、第3のアレイのプリズム27と第4のアレイのプリズム28との角度と同様であり、図示した実施形態では同じである。また、プリズム25および26のピッチは、プリズム27および28のピッチと同じであるように示されるが、異なり得る。
【0119】
第3のアレイのプリズム27の光軸方向は、図2eに概略的に示すように、その厚さ全体に渡って方向を変えない。しかしながら、第2のプリズムアレイのプリズム26の光軸方向は一定ではないが、図2dに示すプリズムの厚さを渡って変化するため、第2のアレイのプリズム26の平面26bに近接する光軸は、そのプリズムの斜面26aに近接する光軸と実質的に垂直である。第2のアレイのプリズム26の光軸は、第1のカバープレート22の前面22aに常に平行であるため、光軸は、偏光分離素子を通過する光と常に実質的に垂直である。第2のプリズムアレイのプリズム26の光軸は、第3のプリズムアレイの対応するプリズムに最も近いプリズムの面で(図2cでは、これはプリズムの平面26bである)、その光軸が第3のプリズムアレイの対応するプリズム27の光軸と垂直であるように配列される。
【0120】
図2cの偏光分離素子では、第2のプリズムアレイのプリズム26および第3のプリズムアレイのプリズム27はともに、「くさび溝(wedge groove)」に平行に向けられた傾斜面26bおよび27bに近接する光軸を有するが、第3のアレイの対応するプリズム27に最も近い面の第2のアレイのプリズム26の光軸は、プリズム27の光軸に対して垂直である。これにより、常光線と異常光線との所与の発散角を提供するために必要とされるくさび角度が低減されることにより、プリズムの単軸材料により生成される分散を低減する。さらなる利点は、常光線および異常光線が、図2cの光線路により示されるように、偏光分離素子の垂直線の周囲で対称的に発散される。対照的に、くさび型の断面を有する単一の単軸プリズムが用いられる場合、異常光線屈折率の変化が常光線屈折率の変化よりも大きいとすると、一方の偏光が、直交する偏光よりも大きな角度で発散され得る。
【0121】
光軸方向がプリズムの厚さに渡って回転するくさび型プリズム26は、液晶材料、例えば、液晶材料ZLI−5200−100(Merckから入手可能)を用いて形成され得る。あるいは、RM257(Merckから入手可能)等の光硬化性液晶、または均一なアライメントを有するE7(Merckから入手可能)と混合したNOA61(Norlandから入手可能)等の高分子安定化液晶材料が用いられ得る。
【0122】
図4は、図1のPCOS15での使用にさらに適した本発明のさらなる偏光分離素子16を示す。この偏光分離素子もまた、両方の偏光成分を偏向させる。
【0123】
図4の偏光分離素子16は、第1の透明カバープレート22と第2の透明カバープレート23との間に配置された光学的等方性プリズム31の第1のアレイを備える。光学的等方性プリズムは、第2のカバープレート23上に取りつけられ、第1のプリズムアレイの各プリズム31は、第2のカバープレートに近接する面31bに対して斜角の上面31a(第2のカバープレートから最も遠くに配置された面)を有するため、第1のプリズムアレイは「鋸歯状」のプロファイルを有する。
【0124】
液晶層32は、第1のカバープレート22と光学的等方性プリズムアレイ31との間に配置される。第1のカバープレートと第2のカバープレートとの間隔は実質的に一定であり、等方性プリズム31の厚さが「鋸歯」状に変化するため、液晶層の厚さも、「鋸歯」状に変化する。よって、液晶層32は、各プリズムが断面において切形くさび(truncated wedge)である複屈折プリズムのアレイを形成する。等方性プリズム31のアレイは、高分子材料から作成され得る。プリズム31のアレイの「鋸歯状の」プロファイルは、例えば、適切なモールドを用いて高分子成形するか、高分子をキャスティングするか、またはリソグラフィック処理により提供され得る。
【0125】
液晶層32は、第1のアライメント層29および第2のアライメント層30に近接する液晶分子のアライメント方向を制御するための第1のアライメント層29と第2のアライメント層30との間に配置される。図4の実施形態では、一方のアライメント層29が第1のカバープレート22上に配置され、第2のアライメント層30がプリズム31のアレイの上面に配置される。
【0126】
アライメント層29および30は、例えば、材料PI2555等の任意の適切な材料から形成され得る。あるいは、より低い製作温度で用いるために設計されたアライメント層が用いられ得る。アライメント層29および30は、液晶分子を所望の方向に向けるように、研磨またはフォト−アライメント(photo−aligned)され得る。アライメント層30が研磨プロセスによりアライメントされる場合、原則的に、プリズムアレイの溝と平行方向、またはプリズムアレイの溝と垂直方向に研磨され得る。しかしながら、溝と垂直方向に研磨することにより、アライメントが困難になり得、かつアライメント層30に近接する液晶材料のディレクタ(director)のプロファイルを変更し得るため、プリズムアレイの溝と平行方向にアライメント層を研磨することが好ましい。
【0127】
図5は、本発明の偏光分離素子16の動作の原理を示す。図5は、図2bに示すタイプの偏光分離素子に関し、ここでは、等方性くさび型プリズムのアレイおよび複屈折くさび型プリズムのアレイが、第1の透明カバープレート22と第2の透明カバープレート23との間に配置されるが、しかしながら、図2a、2c、および4の偏光分離素子は、一般に、同様に動作する。
【0128】
図5の偏光分離素子16は、上記のとおり、偏光分離素子の入射面を形成する第1のカバープレート22の表面に対して、実質的に垂直かつテレセントリックに照明される。入射光は、第1のカバープレート22に入る。その光は垂直に入射するため、光の伝播が、カバープレート22の前面22aでは実質的に不変である。また、透明カバープレート22と等方性くさび型プリズム24との間の界面では、光の伝播方向に実質的なずれがない。(原則的に、透明カバープレート22の2つの面で幾分反射が起こるが、これは、明瞭さのために、図5から省略している。)
光は、等方性プリズム24のうちの1つを通過すると、等方性プリズム24と対応する複屈折プリズム21との間の界面に当たる。この界面は、透明カバープレート22の面に対して傾斜しているため、光はこの界面に斜めに入射し、p直線偏光およびs直線偏光に関しては、屈折角が異なる。屈折角が2つの直交する直線偏光に関して異なるので、光の入射ビームは、第1の方向に方向づけられるp直線偏光、および別の方向に方向づけられるs直線偏光に分離される。
【0129】
等方性プリズム24と複屈折プリズム21との間の傾斜した界面で起こる屈折の結果、光は、偏光分離素子の入射面に対して垂直方向には伝播しなくなる。これは、p直線偏光の光線およびs直線偏光の光線の両方に対して事実である。結果的に、屈折が、複屈折プリズム21と第2のカバープレート23の前面23a間の界面で起こり、第2のカバープレート23の裏面23bでも屈折が起こる。これら最後の2つの界面で起こる屈折は、p直線偏光とs直線偏光との間の角度的分離を増加する。結果として、p直線偏光およびs直線偏光は、相互に異なり、かつ入射した非偏光または部分変更の伝播と異なる方向で、偏光分離素子16を出る。
【0130】
図5の偏光分離素子16はウォラストンプリズムと同様の動作をするが、1つの複屈折くさび型プリズムのみが用いられるという点で異なる。2つの直交する偏光ビーム間の偏向角は、主に、等方性プリズム24の屈折率、複屈折プリズム21の常光線屈折率および異常光線屈折率、ならびに傾斜角θにより決定される。例えば、本実施形態の特定の例では、光学システムのエテンデュ要件により規定されるように、垂直偏光と水平偏光間を5°分離することが必要とされる。傾斜角が29.5°で屈折率が1.56の等方性プリズムがガラス基板に取りつけられる。550nmで1.534の常光線屈折率、および550nmで1.690の異常光線屈折率を有する複屈折液晶材料がプリズム表面とアライメントされる。5°の分離角度が、異常光線に対する素子により生成される。
【0131】
図5から明白であるように、直交する直線偏光からの1つの直線偏光の分離が、光の伝播方向に対して傾斜する界面で起こる。原則として、そのような斜めの界面は、カバープレートの各々に1つ配置される、単一対のくさび型プリズムを偏光分離素子に設けることにより達成され得る。次いで、偏光分離素子は、図3aに概略で示すように、デバイスの全面積に渡って延びた単一の傾斜した界面を有する。これは、デバイスの全体の厚さが比較的に厚くなるという不利な点を有する。プリズムの所与の傾斜角θ、および偏光分離素子素子の所与の側方の寸法に関して、偏光分離素子の厚さに関する制限がより低くなり、それを越えて厚さを低減することは不可能である。
【0132】
対照的に、本発明では、偏光分離素子には、単一のくさび型プリズムは設けられていないが、「切形」プリズムのアレイが設けられる。これらのプリズムは、偏光分離素子の側方の寸法全体に渡って延びていないが、その代わりに、偏光分離素子の側方の寸法の1部分のみ切り取られている。結果的に、プリズムのアレイは図3bに示すような鋸歯状のプロファイルを有する。このようにプリズムを切り取ることにより、偏光分離素子の全体の厚さを低減することができる。
【0133】
屈折は、切形プリズムの規則的な構造から発生する。屈折角は、切形プリズムのピッチと逆比例する。所与のプリズム角度については、切形プリズムの高さもピッチに比例する。それゆえ、切形高さを大きくすることにより、屈折角が低減され、所与の角度内の屈折光の量が増す。
【0134】
図1aまたは1bのPCOS15では、偏光変換素子が直線偏光の振動面を90°回転させる第1の素子19a、および直線偏光の振動面を回転させない素子19bを含む。原則的に、偏光回転が、振動面を回転させない素子19bとして作用する近接する1/2波長板の間に空間を有する、振動面を回転させる素子19aとして作用する分散型1/2波長板(discrete half wave−plates)のアレイにより実施され得る。本発明の1つの実施形態では、しかしながら、偏光回転素子19は、PCOSの全面積に渡って延びる単軸層を備える。単軸層の厚さは、単軸層が実質的に1/2波長板として動作するように選択される。直線偏光の振動面を回転させる領域19aおよび直線偏光の振動面を回転させない領域19bは、単軸層の光軸の方向を変えることにより規定される。これを図14aおよび14bに示す。
【0135】
図14bに示すとおり、単軸層19は、その層の面積上で均一に方向づけられない光軸を有する。単軸層19は、光軸が一方向に方向づけられる1以上の領域、および光軸が異なる方向に方向づけられる1以上の領域を有する。図14bの実施形態では、第1の光軸配向は、第1の偏光状態の偏光方向と実質的に平行する光軸を有し、第2の光軸配向は、第2の偏光状態の偏光方向に対して45°に方向づけられた光軸を有する。PCOSでは、単軸層19が、第1および第2の偏光状態の光が、それぞれ、第1または第2の光軸配向を有する層19の領域に入射するように方向づけられる。それゆえ、単軸層の作用は、第1の偏光状態と実質的に同じ偏光状態となるように、第2の偏光状態の偏光角度を90°変更することである。
【0136】
光軸方向が波長板全体に渡って変わる1/2波長板の製造は、EP 0 887 667に記載されており、この特許出願の内容を本明細書中において参考のため援用する。
【0137】
図14aに概略的に示すパターニングされたリターダ素子は、代わりに、EP0 829 744に記載されるようなパターニングされたリターダ素子およびパターニングされていないリターダ素子により構成され得る。この特許出願の内容を本明細書中において参考として援用する。図14cに示すように、パターニングされたリターダ素子19をパターニングされていないリターダ素子32’と直列にして用いることにより、偏光回転素子の波長依存が低減され、それゆえ偏光変換素子の効率性を向上させ、それによって光の損失が低減する。パターニングされないリターダ素子32’は、例えば、Sumitomoで利用可能なプラスチックリターダフィルムと類似し得る。あるいは、パターニングされないリターダ素子32’は液晶材料、光硬化性液晶、または任意の他の適切な複屈折材料であり得る。
【0138】
偏光分離素子16が水平面で光を分離する実施形態では、相互に実質的に直交する偏光の線形像の対が、偏光回転素子19上で形成される。この場合、図14aに示すように、単軸層19は、垂直線に対して0°および垂直線に対して135°の光軸のアライメントの垂直ストライプを交互に含む。
【0139】
光軸方向が、図14aに示す様式で、単軸層の面積に渡って変わる単軸層は、図14bに概略的に示すように、アライメント層上に配置された液晶層または光硬化性液晶材料により構成され得る。図14bに示すデバイスは、光学的等方性透明基板30、アライメント層31、および1/2波長板として作用する単軸材料層32を備える。アライメント層の配向は、単軸材料の光軸の所望の配向と実質的に同様に、その面積に渡って変化する。図14cに示すように、光軸の均一なアライメントを有する第2の単軸材料層が基板30の反対側に配置されることにより、パターニングされていないリターダ素子32’が設けられ得る。
【0140】
図6aは、本発明によるPCOS15のさらなる実施形態を示す。本実施形態は、第1のレンズアレイ17が光源(図示せず)と偏光分離素子16との間に配置されるという点で、図1の実施形態と異なる。偏光分離素子16は、理想的には、実質的に第1のレンズアレイ17の平面にある。実際には、第1のアレイ17は、PSE16のカバープレート22に取りつけられ得、第2のレンズアレイ18は、図6bに示すような適切なスペーサ材料でPSE16の対向基板(counter substrate)23に取りつけられ得る。
【0141】
図6aおよび6bに示す実施形態では、偏光分離素子16が、図2a、2b、2c、4または5のうちのいずれかに示す概略的な形式を有し得る。特に、偏光分離素子は、好ましくは、図3bに示すような切形くさび型プリズムのアレイを備える。これにより、偏光分離素子16の全体の厚さが低減され、第1のレンズアレイ17と第2のレンズアレイ18との間に位置することが可能となる。
【0142】
図7aは、本発明のさらなる実施形態によるPCOSを示す。本実施形態では、第1のレンズアレイ17が、偏光分離素子16と光源(図示せず)との間に配置され、偏光回転素子19が、偏光分離素子16と第2のレンズアレイ18との間に配置される。本実施形態では、偏光回転素子19は、好ましくは、光軸方向が波長板の面積全体に渡って変わる、図14aに示すタイプの1/2波長板である。偏光回転素子は、好ましくは、例えば、光硬化性液晶等の複屈折材料の薄層で形成される。薄い偏光回転素子の使用により、偏光回転素子が、第1および第2のレンズアレイの間に配置されることが可能となる。よって、図7aの実施形態では、偏光分離素子16および偏光回転素子19の両方が、第1のレンズアレイ17と第2のレンズアレイ18との間に配置される。第2のレンズアレイ18は、PCOSの厚さを低減し、かつ素子19を保護するような素子19の表面のUVキャスト高分子であり得る。
【0143】
図7bは、本発明のさらなる実施形態によるPCOS15を示す。本実施形態では、第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18が別々の基板上に配置される。本実施形態は、レンズアレイ17および18の焦点距離が長い場合に特に有利であり、これは、この場合には、共通基板上に2つのレンズアレイを形成することにより、素子が大きく、かつ重くなるためである。
【0144】
第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18が別々の基板上に形成されるということ以外は、図7bの実施形態は、概して、図1の実施形態と同様である。図7bの実施形態の偏光分離素子16は、図2a、2b、2c、4および5のうちのいずれかを参照して説明したような偏光分離素子であり得る。
【0145】
図8は、本発明のさらなる実施形態によるPCOS15を示す。本実施形態では、偏光変換素子(本実施形態では1/2波長板19aのアレイにより形成される)が、第2のレンズアレイ18上に直接配置される。これにより、偏光変換素子が、PCOSの使用中にレンズアレイとのアライメントにずれが生じる恐れが除去される。
【0146】
偏光変換素子が第2のレンズアレイ18上に直接配置されるということ以外には、図8の実施形態は、概して、図1の実施形態と同様である。図8の実施形態の偏光分離素子16は、図2a、2b、2c、4および5のうちのいずれかを参照して説明したような偏光分離素子であり得る。
【0147】
図8の実施形態では、第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18は、共通基板20上に配置される。しかしながら、たとえ、第1のレンズアレイ17および第2のレンズアレイ18が共通基板上に配置されていなくても、偏光変換素子が、第2のレンズアレイの表面上に直接配置されることが可能である。
【0148】
上述の説明から理解されるとおり、偏光分離素子16から出力される2つの光ビームはともに、一方のビームの振動面が他方のビームの振動面と直交する直線平面偏光である。偏光分離素子の性能の基準は、2つの出力ビームが実際に直線偏光される度合いである。これは、偏光分離素子の「消光比」として知られる。
【0149】
PCOSでの使用が意図される偏光分離素子については、10:1等の比較的に低い消光比の値が許容され得る。これは、PCOSからの出力光が、例えば、投射システムに供給される前に、「クリーンアップ」偏光子がしばしば用いられるためである(単一のビームに関しては、偏光の消光比により、直交する偏光の光量に対する所与の直線偏光の光量を測定する)。例えば、100:1を越える大きな消光比が達成された場合、偏光分離素子自体は、偏光ビームスプリッタとして用いられ得る。
【0150】
図9および10は、液晶投射システムの偏光ビームスプリッタとして用いられる本発明の偏光分離素子を示す。
【0151】
図9および図10は、ピクセレートされた液晶パネル33の前に配置された偏光分離素子16を示す。図9および10では、偏光分離素子16は図2bに示すタイプの偏光分離素子であり、複屈折くさび型プリズム21のアレイおよび光学的等方性くさび型プリズム24のアレイが透明カバープレート22と透明カバープレート23との間に配置される。しかしながら、図2a、2c、4または5による偏光分離素子は、代わりに、図9および10に示す投射システムで用いられ得る。
【0152】
液晶層は、後方基板34、基板34上に配置された反射層35、および反射層35上に配置されたピクセレート液晶層36を備える。偏光分離素子16の第2の透明カバープレート23は、液晶ディスプレイデバイス33の上側基板としても機能する。電極(図示せず)が設けられることにより、液晶層36の個々のピクセルへのアドレシングが可能となる。フィルタリング(図示せず)が設けられることにより、図10のR、G、およびbにより示される赤色、緑色、および青色ピクセルのセットが形成される。
【0153】
動作において、図9および図10の投射システムは、実質的に平行な平面偏光で照明される。入来する平面偏光は、偏光分離素子16の入射面を形成する上側カバープレート22の前面22a上に垂直かつテレセントリックに入射する。
【0154】
偏光分離素子が、入来する平面偏光が偏光の変化なしで偏光分離素子を透過するように配列される。図9および10の実施形態では、入来する平面偏光が、図面外に振動面を有するため、液晶層36に達する光も、この方向の平面偏光となる。
【0155】
液晶層36は、液晶層を通過し、反射層35により反射され、液晶層36を通過して戻る光の偏光状態を選択的に変化させるように作用する。液晶層のピクセルに印加される電圧を変えることにより、レフレクタ35による反射の後に液晶層36を離れる光が、その振動面を変化させないことを選択することが可能であるか、または反射層35による反射の後に液晶層36を出る光が、振動面を90°回転させることを選択することが可能である。振動面を変化させない液晶層36を出る光が、偏光分離素子により、光源に向かって戻るように方向づけられる。しかしながら、振動面を90°回転させた液晶層を出る光は、図9および10に示すように、偏光分離素子により、入射光の光路から離れるように偏向される。
【0156】
図9および10に示す投射システムは、投射レンズ(図9および10には示さず)をさらに備える。投射レンズは、レフレクタ35による反射の後に偏光分離素子により偏向される光が投射レンズに向けられるように位置する。反射液晶パネル33により反射される振動面が変化しない光は、偏光分離素子16により、光源に対して戻るように方向づけられ、投射レンズには達しない。このようにして、液晶ディスプレイデバイス33のピクセルを適切にアドレシングすることにより、その後の投射のために、所望のイメージを投射レンズに対して方向づけることが可能である。
【0157】
反射型液晶パネルを組み込んだ従来の投射システムは、一般に、二色性偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いる。しかしながら、二色性PBSは、比較的高価で、かつ大きい。それゆえ、投射システムのコストおよび体積を低減するため、投射システムに本発明の偏光分離素子を用いることが有利である。さらに、本発明の偏光分離素子は、入力光と偏光分離素子の法線との角度が変わっても、その光学特性の変動が少ない。低いF/#照明光束を有する小さな液晶パネルを有する投射システムについては、本発明の偏光分離素子の使用により、明るさ(flux throughput)およびコントラスト比の点で利点がもたらされる。
【0158】
図11は、投射システムの概略図である。ランプ7からの光は放物面鏡8により平行にされる。放物面鏡8はまた、ランプ7により発せられる光からの不要な熱を取り除くように働く「ホットミラー」37と組み合わせて、「コールド」ミラーとしても作用する。次いで、光がPCOS素子15に入射することにより、平面偏光テレセントリックビームを生成する。PCOS15は、上記図1、6、7、および8のうちのいずれかを参照して説明した本発明のPCOSであり得る。
【0159】
PCOSを離れる光は、PCOSのレンズアレイ素子の拡大された像を実質的にフィールドレンズ39の平面に生成する集光レンズまたはホモジナイザーレンズ38を通過する。光が、フィールドレンズ39を介して、液晶パネル33へ透過されることにより、確実に液晶パネルがテレセントリックに照明される。
【0160】
偏光ビームスプリッタ40は、フィールドレンズ39と液晶パネル33との間に位置する。図9および10を参照して上述したとおり、液晶パネル33により平面偏光が変わらない光が反射される場合、偏光ビームスプリッタ40により、ランプ7に対して戻るように方向づけられる。しかしながら、液晶パネル33により反射される光が振動面を実質的に90°回転させる場合、その光は、投射レンズ41に対して方向づけられる。それゆえ、液晶パネル33で符号化された像が投射され得る。
【0161】
液晶材料が複屈折くさび型プリズムを形成するために用いられる、図4を参照して述べた偏光分離素子16では、PCOSの組立には、透明カバープレート22および23が、その間に均一なセルギャップを設けて相互に結合される必要がある。図12は、液晶層32が複屈折くさび型プリズムを形成するために用いられる、本発明の偏光分離素子のさらなる実施形態を示す。図12の偏光分離素子はまた、光学的等方性プリズム31のアレイを備える。
【0162】
図12の偏光分離素子16では、光学的等方性プリズム31が、例えば、高分子シートを成形またはエンボスしてくさび型プリズムのアレイを提供することにより、高分子材料で形成される。スペーサボール42が、高分子くさび型プリズム31を下側透明カバープレート23から間隔を置くために用いられるため、2つの透明カバープレート22および23の間の間隔が確実に均一となる。本実施形態で用いられるスペーサボール42は、従来の液晶パネルで用いられるような任意の従来のスペーサボールであり得る。スペーサボール42は、スプレー処理により導入され得るか、または上側透明カバープレート22および下側透明カバープレート23を結合するために用いられる接着剤に混合され得る。スペーサボール42は、一般に、およそ数ミクロンの直径を有する。
【0163】
図13は、本発明のさらなる偏光分離素子16を示す。図12の実施形態と同様に、液晶層32および光学的等方性プリズム31のアレイが、第1の透明カバープレート22と第2の透明カバープレート23との間に配置される。この偏光分離素子でも、光学的等方性くさび型プリズム31が、例えば、成形またはエンボスにより、高分子材料から形成される。高分子材料は、スペーサポスト43を設けるためにさらに形作られる。上側カバープレート22および下側カバープレート23が組み合わされる場合、スペーサポスト43により、上側カバープレート22と下側カバープレート23との間の間隔が確実に均一になる。よって、偏光分離素子の全体に渡って、スペーサポストを高分子層に間隔を空けて組み込むことは、偏光分離素子の製作を単純化するという利点を有する。さらなる利点は、スペーサポストの配列の均一性が制御可能であるため、スペーサポスト43から散乱するポテンシャルもより容易に制御され得ることである。
【0164】
図12および13の偏光分離素子はまた、入射の方向からの両方の偏光成分を偏向する。
【0165】
液晶材料を組み込んだ偏光分離素子の製作は、従来の液晶パネルの組立法を用いて達成され得る。液晶層と対向する表面、すなわち、高分子層31の表面および下側透明カバープレート23の内部表面が、液晶層材料をアライメントするためのアライメント層、例えば、アライメント材料PI2555の層でコーティングされ得る。アライメント層は、スピンコーティング法により堆積され得る。アライメント層が高分子材料を損傷し得る温度で焼き付けられる必要がないことを確実にすることに注意を要するため、高分子層が光学的に等方性のくさび型プリズムを形成するために用いられる場合、アライメント層を形成するために用いられる材料は慎重に選択されなければならない。
【0166】
上側および下側透明カバープレートは、光学的に等方性を有する透明材料で形成され得る。上側カバープレート22および下側カバープレート23を高分子材料から製作することが好ましい。これは、それによって、偏光分離素子のコストおよび重量が低減されるからである。
【0167】
上述の説明から分かるとおり、図4、12、および13に示す偏光分離素子では、液晶材料の切換えは必要とされない。従って、偏光分離素子に、液晶層全体に電圧を印加するための電極を設ける必要がない。このことは、透明電極を形成するために必要とされる高い堆積温度により、通常、用いることができる材料には厳しい制限が加えられるため、偏光分離素子の製造において、材料のより幅の広い選択を用いることができることを意味する。さらに、それは、酸化インジウム錫電極等の透明電極が存在する場合に生じる屈折光の損失を避ける。
【0168】
液晶層をアドレシングするための必須条件がないことも、セルギャップの厚みの選択をさらに自由にさせる。液晶材料の切換えのために、液晶層全体に渡って電界を印加しなければならない場合、小さなセルギャップが通常は好ましいため、所与の電界を低電圧で達成することができる。この制限は、上記のとおり、液晶材料32にアドレシングする必要がないため、図4、12、または13のPSEのセルギャップには適用されない。しかしながら、セルギャップが大きすぎる場合、液晶層の厚さに渡って液晶分子のアライメントを維持することが困難であり得るため、例えば、1mmの非常に大きなセルギャップを避けることが好ましい。およそ100ミクロンのオーダー以下のセルギャップが、一般に、その深さ全体を通じてアライメントを維持する。
【0169】
図15aは、本発明のさらなる偏光分離素子を示す。これもまた、第1の透明カバープレート22と第2の透明カバープレート23との間に配置される2つのプリズムのアレイを備える。第1のプリズムアレイは、等方性プリズム24および24aのアレイであり、第2のプリズムアレイは、複屈折プリズム21および21aのアレイである。各アレイのプリズムは、実質的にくさび型の断面を有する。第1のアレイのプリズムのくさび角度は、第2のプリズムアレイのプリズム21および21aのくさび角度に等しいか、または実質的に等しく、第1のアレイのプリズム24および24aの断面寸法は、第2のアレイのプリズム21および21aの断面寸法に等しいか、または実質的に等しい。
【0170】
これらのプリズムのアレイは、第1のアレイのプリズム24および24aが、第2のアレイのプリズム21および21aの斜面に近接する斜面(斜辺面)を有する。第1のアレイのプリズムは、第2のアレイのプリズムと実質的に同じくさび角度を有するため、第1のアレイのプリズム24および24aの底面は、第2のアレイの対応するプリズム21および21aの底面と実質的に平行である。上述した偏光分離素子と対照に、各アレイのプリズムは、1つのプリズムの厚い端部が隣接するプリズムの薄い端部と近接して配置される「鋸歯状の」配列で配列されない。図15aの偏光分離素子では、アレイ内のプリズムの傾斜方向は交互になる。よって、第1のアレイの第1のプリズム24は、図15aで見られるように、その厚さが左から右へと減少するように配列されるが、第1のアレイの隣接するプリズム24aは、図15aでは、その厚さが左から右へと増す。よって、第1のアレイのプリズム24aは、その薄い端部が、第1のアレイの1つの隣接するプリズム24の薄い端部に近接し、かつその厚い端部が、第1のプリズムアレイの別の隣接するプリズム24の厚い端部に近接するように配列される。第2のプリズムアレイのプリズムも同様に配列される。(アレイの近接するプリズム間の境界は、図15aでは破線で示すが、アレイの構成によっては、アレイ内の近接するプリズム間に物理的境界が存在し得ないことに留意されたい。)
図15aに示すプリズム構造は、便宜上、「山型(herringbone)構造と呼ぶ。
【0171】
図15aにおいて左から右へと厚さが減少する第1のアレイのプリズムのくさび角度θ1は、好ましくは、図15aにおいて左から右へと厚さを増す第1のアレイのプリズムのくさび角度θ2に等しいか、または実質的に等しい。
【0172】
図15aに示すとおり、図15aの偏光分離素子16は、両方の偏光成分の光を偏向するため、各偏光成分は第1のカバープレート22の外面22aに入射する光の伝播方向と異なる方向で偏光分離素子を離れる。しかしながら、第1のアレイのプリズム24の厚さが図15aにおいて左から右へと減少する素子50が、第1のプリズムアレイのプリズムの厚さが図15aにおいて右から左へと増す素子51が第2の偏光成分を方向づける方向と実質的に同じ方向に、第1の偏向成分を方向づけること、およびその逆も同様であることに留意されたい。
【0173】
図15aの偏光分離素子の等方性プリズム24および24aは、他の実施形態に関して本明細書中で記載したいずれの方法も含む任意の適切な等方性プリズムアレイの製造方法により製造され得る。例えば、等方性プリズム24および24aのアレイは、高分子材料から作製され得る。等方性プリズムのアレイの「山型」プロファイルは、例えば、適切なモールドを用いた高分子成形、高分子のキャスティング、リソグラフィック処理、または高分子シートのエンボスにより獲得され得る。
【0174】
複屈折プリズム21および21aのアレイも、任意の適切な方法、例えば、上述した任意の複屈折プリズムアレイの製造方法により設けられ得る。例えば、複屈折プリズムアレイは、複屈折材料を適切に形作ることにより獲得され得る。あるいは、複屈折プリズム21および21aは、例えば、図4を参照して上述した方法で、第2のカバーシート23と等方性プリズムアレイとの間に配置された液晶材料を用いて形成され得る。複屈折プリズムアレイが異なる厚さを有する液晶層として組み込まれる場合、偏光分離素子16は、好ましくは、等方性プリズム24および24aの斜面上に配置された第1のアライメント層(図示せず)、および第2のカバーシート23の上側表面23a上に配置された第2のアライメント層(図示せず)を備える。
【0175】
図15aでは、偏光分離素子は、光源に対して最も近くに配置された等方性プリズムアレイとともに示される。あるいは、光が等方性プリズムアレイ内へと進む前に、複屈折プリズムアレイを通過するように、光が第2のカバーシート23の下面23bに最初に入射するよう図15aの偏光分離素子16を向けることが可能である。
【0176】
図15bは、図15aの偏光分離素子16を用いる偏光変換システムを示す。
【0177】
図15bのPCOS15は、図15aに示すタイプの偏光分離素子16を含む。偏光分離素子16は、光源(図示せず)からの非偏光または部分偏光により照明される。偏光分離素子16は、入射光の2つの偏光成分を分離し、偏光分離素子16を離れる2つの偏光成分は、それぞれ、破線および実線で示される。上記で説明したとおり、第1および第2の偏光成分が偏光分離素子から発せられる方向は、第1および第2のプリズムアレイの間の界面の方向に依存する。
【0178】
図15bのPCOS15は、光源に対して、偏光分離素子16の反対側に位置する偏光変換素子をさらに備える。偏光変換素子19は、偏光分離素子からの光を実質的に均一な偏光に変換する。図15bの実施形態では、所望の出力偏光が、偏光分離素子により生成される2つの偏光成分のうちの1つであるが、この場合である必要はない。
【0179】
図15bの実施形態では、偏光変換素子19は、偏光分離素子16から出力された1つの偏光成分が偏光成分の振動面を実質的に90°回転させる偏光変換素子のエリア19aに入射するように配置される。偏光分離素子により出力されたその他の偏光成分が偏光成分の振動面を回転させない偏光変換素子のエリア19bに入射するようにさらに配置されるため、第2の偏光成分の振動面は、偏光変換素子19により、実質的に変えられない。結果的に、図15bのPCOS15から発せられた光は、実質的に1つの偏光成分の光のみを含む。
【0180】
偏光分離素子により出力される2つの偏光成分が、偏光変換素子19の正しいエリアに入射することを確実にするために、第1のレンズアレイ17が、偏光変換素子19に対して向けられる光を収束するために設けられる。図15bの実施形態では、第1のレンズアレイ17が、偏光分離素子16と偏光変換素子19の間に配置されるが、あるいは第1のレンズアレイ17は光源と偏光分離素子16の間に配置され得る。「ヘリングボーン」偏光分離素子の場合、第1のレンスアレイ17は、光源と偏光分離素子の間に配置され、第2のレンズアレイ18は偏光分離素子と偏光変換素子の間に無ければならない。これにより、偏光分離素子から生じる2つの直交偏光状態が偏光変換素子の補正された領域に入射することを確実になる。
【0181】
第2のレンズアレイ18は、好ましくは、図15aのPCOS15に設けられ、PCOSから出力される光が実質的にテレセントリックであることを確実にする。第2のレンズアレイが設けられた場合には、図24を参照して上述された第1のレンズアレイと同じ基板上に、適宜、配置され得る。これは、図15bに概略的に示される。
【0182】
図15aに示されるタイプの「山型」偏光分離素子は、「鋸歯状の」偏光分離素子と比較して、光の透過率が増加する。PCOSで使用される場合、しかしながら、2つの偏光成分が偏光変換素子19の正しいエリアに入射することを確実にするためには、レンズアレイが、偏光分離素子と正確にアライメントされることが必要である。特に、レンズアレイのピッチdmが、偏光分離素子のピッチdsの半分である必要がある。さらに、レンズアレイの各素子は、偏光分離素子16の素子50および51と対向してアライメントする必要があり、それによって偏光分離素子16の素子50、51とレンズアレイのレンスの間の1対1の対応が生じる。
【0183】
偏光変換素子のピッチdcは、レンズアレイのピッチdmの2倍に、等しいか、実質的に等しい必要がある。さらに、偏光変換素子19は、各第1のエリア19aがレンズアレイの1つの素子50のほぼ半分の面積と、レンズアレイの近接する素子51の半分の面積とに対向して置かれるように配置される必要がある。
【0184】
対照的に、鋸歯状の偏光分離素子を組み込んだPCOSでは、第1のレンズアレイ17のピッチは、偏光分離素子のピッチと同一である必要がなく、第1のレンズアレイは、偏光分離素子の要素とアライメントされる必要がない。これは、「鋸歯状の」偏光分離素子を組み込んだ本発明のPCOSを示す図15cに概略的に示される。しかしながら、図15cのPCOSの偏光変換素子19は、第2のレンズアレイ18とアライメントされ、この偏光変換素子のピッチdcが第2のレンズアレイ18のピッチdmに等しいか、または実質的に等しいことに留意されたい。
【0185】
図15bのPCOS15では、第1のマイクロレンズアレイ17が、好ましくは、できる限り偏光分離素子16に近接して配置される。これにより、この偏光分離素子の1つの素子から出射する光線が第1のマイクロレンズアレイの「誤った」マイクロレンズに入射する可能性を最小化する。あるいは、第1のマイクロレンズアレイ17が光源と偏光分離素子との間に配置される場合、第2のマイクロレンズアレイ18(これは、上記のとおり、この場合には、偏光分離素子と偏光変換素子19との間に配置されなければならない)は、好ましくは、できる限り偏光分離素子16に近接して配置されなければならない。
【0186】
図15aの偏光分離素子16は、等方性プリズム24および24aの1つのアレイ、および複屈折プリズム21および21aの1つのアレイを含む。「山型」構造を有する偏光分離素子は、代わりに、図2aを参照して上述した偏光分離素子と同様に、複屈折プリズムの2つのアレイを用いて具現化することができる。
【0187】
上述の偏光分離素子では、プリズムアレイが、均一または実質的に均一なピッチを有する。均一なピッチを有するプリズムアレイは製造が容易である一方で、均一なピッチを有するプリズムアレイを組み込んだ偏光分離素子は、断続的な構造を有する。結果的に、入射光には、回折効果の結果として幾分かの損失が生じる。
【0188】
図16は、本発明のさらなる実施形態によるPCOS15を示す。図16のPCOSは、本発明の偏光分離素子16を備え、その偏光分離素子のプリズムアレイのピッチは均一ではない。偏光分離素子16のプリズムアレイは、断続的な構造を有さないため、回折効果が低減される(原則的には、プリズムアレイのピッチが真にランダムに変化する場合には完全に除去される)。
【0189】
図16のPCOS15は、例えば、図2bを参照して上述した「鋸歯」構造を有する偏光分離素子16を備える。偏光分離素子16は、光学的等方性くさび型プリズム24の第1のアレイ、および複屈折くさび型プリズムの第2のアレイを備える。これらのプリズムは一定のピッチを有さないため、図16に示すプリズムの幅l1、l2、l3およびl4は、それらの全てが相互に等しくなく、偏光分離素子16の回折効果が低減される。好ましくは、プリズムのピッチはランダムまたは擬似ランダムに変化する、プリズムのくさび角度は、好ましくは均一であるため、好ましくは、θ1=θ2=θ3=θ4である。
【0190】
偏光分離素子16のプリズムアレイのランダムピッチを除いて、図16に示すPCOS15は、図1bを参照して述べたPCOSと大体において同様である。偏光分離素子16は、光源(図示せず)からの非偏光または部分偏光により照明される。偏光分離素子16は、入射光の2つの偏光成分を角度的に分離し、各偏光成分をずらす。
【0191】
図16のPCOS15は、光源に対して、偏光分離素子16と対向する側に位置する偏光変換素子19をさらに備える。偏光変換素子19は、偏光分離素子からの光を実質的に均一な偏光に変換する。
【0192】
図16の実施形態では、偏光変換素子19は、偏光分離素子16から出力された一方の偏光成分が、その偏光成分の偏光面を実質的に90°だけ回転させる偏光変換素子のエリア19aに入射するように配列される。これは、さらに、偏光分離素子から出力された他方の成分が、その偏光成分の偏光面を回転させない偏光変換素子のエリア19bに入射するように配列されるため、第2の偏光成分の偏光面は、偏光変換素子19により実質的に変更されない。結果的に、図16のPCOS15から発せられる光は、実質的に、1つの偏光成分の光(本例ではS偏光)のみを含む。偏光変換素子は、随意に、均一なリターダ32’を含み得るため、いずれの所望の出力偏光状態も得られ得る。
【0193】
偏光分離素子により出力される2つの偏光成分が偏光変換素子19の正しいエリアに入射することを確実にするために、第1のマイクロレンズアレイ17が偏光変換素子19に向けて方向づけられた光を集束するように設けられる。図16の実施形態では、第1のマイクロレンズアレイ17が偏光分離素子16と偏光変換素子19との間に配置されるが、第1のマイクロレンズアレイ17は、代わりに、光源と偏光分離素子16との間に配置することができる。
【0194】
第2のマイクロレンズアレイが、PCOSからの出力光が実質的にテレセントリックであることを確実にするために、好ましくは、図16のPCOS15に設けられる。第2のマイクロレンズアレイ18が設けられた場合には、図24を参照して上述したとおり、第1のマイクロレンズアレイと同じ基板上に適宜に配置され得る。
【0195】
図16の実施形態では、第1のマイクロレンズアレイ17および第2のマイクロレンズアレイ18は、製造を容易にするために、均一なピッチを有する.第1のアレイ17のマイクロレンズは、それゆえ、偏光分離素子16の個々のプリズムとはアライメントされない。第1のマイクロレンズアレイのピッチ、第2のマイクロレンズアレイのピッチ、および偏光変換素子19のピッチは、好ましくは、相互に等しいかまたは実質的に等しい。第1のマイクロレンズアレイ、第2のマイクロレンズアレイ、および偏光変換素子は、好ましくは、相互に横方向にアライメントされる。
【0196】
偏光分離素子のプリズムアレイに、ランダムまたは擬似ランダムピッチ等の均一でないピッチを提供するという特徴は、本明細書中に記載のいずれの偏光分離素子またはPCOSにも適用され得る。しかしながら、偏光分離素子のプリズムアレイに、ランダムまたは擬似ランダムピッチ等の均一でないピッチを提供するという特徴は、その偏光分離素子が図15aに示す「山型」構造を有するPCOSに適用される場合、PCOSのマイクロレンズアレイのピッチおよびPCOSの偏光変換素子のピッチが、好ましくは、プリズムアレイのピッチと同様に変化し、これが実際には達成が困難であり得ることに留意されたい。しかしながら、所与のプリズム角度については、「山型」構造を有する偏光分離素子が「鋸歯」構造を備えた偏光分離素子のピッチの2倍の大きさのピッチを有するため、回折の損失が、「山型」構造を有する偏光分離素子素子ではほとんど問題とはならない。
【0197】
プリズムアレイのピッチが均一でない偏光分離素子は、原則的に、一定のプリズムピッチを有する偏光分離素子を製造するために用いることができる任意の製造方法により作製され得る。例えば、等方性プリズムアレイは、例えば、ダイアモンド旋削プロセスまたはグレースケールリソグラフィプロセスを用いて、引き続きプリズムアレイのピッチに変化(variations)をもたらすように適切に制御されたイオンエッチングにより、均一な厚さを有する光学的等方性基板から材料を取り除くことにより作製され得る。例えば、このプロセスは、プリズムアレイのピッチに乱数発生を用いてランダムまたは擬似ランダム変化を提供するように制御され得る。等方性プリズムアレイは、次いで、光学的等方性基板に対向して配置され得、液晶材料を等方性プリズムアレイと光学的等方性基板との間に配置することにより複屈折プリズムアレイを形成することができる。
【0198】
フルスケールの製造プロセスでは、上記で概説したプロセスを用いてマスターを作製することが便宜的である。一度適切なマスターが作製されれば、例えば、UV硬化高分子材料または熱硬化性樹脂を用いてプリズムアレイの大規模な製造を着手することが可能である。
【0199】
PCOSが、反射性を改善するために、二色性コーティングを組み込んだレフレクタを有するランプを用いて照明される場合、フレネル反射により、レフレクタにより反射された光にある程度の偏光を生じさせる。図22aは、このフレネル反射により発生する偏光の幾何学配置を示す。
【0200】
図22bは、レフレクタ8をその対称軸に沿って観察している観測者により見られる偏光方向を示す。この方向から観察した場合、偏光方向が放射形対称を有することが分かる。図22bでは、PおよびSがp平面偏光状態およびs平面偏光状態を示し、下付きの+および−が偏光度を示すため、例えば、P+が実質的なp偏光度を有する状態を示し、S-が低い偏光度を有するs偏光状態を示す。
【0201】
偏光分離素子に入射する光が、すでにある程度偏光されているので、偏光分離素子により生成されるp偏光ビームは、偏光分離素子により生成されるs偏光ビームと同じ強度を有さないため、第2のレンズアレイの素子で生成された2つのイメージが異なる強度を有する。偏光変換素子19で用いられるリターダの性質により、1/2波長リターダ素子を用いて入射光の+成分の偏光状態を変換すること、および入来する光の−成分の振動面を変化させないことがより有効である。それゆえ、偏光変換素子の各領域がその領域に入射するより高い強度の偏光成分の振動面を、より低い強度の偏光成分の振動面を変えることなく変換するように偏光変換素子がパターニングされることが好ましい。
【0202】
図22cは、入射光が図22bに示されるように偏光される偏光変換素子としての使用に適したリターダ42を示す。図22cのリターダは、4つのセクション42A〜42Dを有する。このリターダは、セクション42Aおよび42Cが主にp平面偏光され、わずかにs平面偏光成分を含む光を受け取るように方向づけられる。それゆえ、リターダの領域42Aおよび42Cが、好ましくは、入来する光のp偏光成分をs偏光成分に変換する一方で、すでにs偏光されている成分には効果がない。反対に、リターダ42の領域42Bおよび42Dが、使用時に、主にs平面偏光され、わずかな成分のみがp偏光された光を受け取る。従って、領域42Bおよび42Dでは、リターダは、好ましくは、s偏光成分の偏向に影響を及ぼすことなく、s偏光成分をp偏光に変換する。
【0203】
図22cのリターダ42は、p偏光成分およびs偏光成分を水平面で分離する偏光分離素子との使用を意図している。それゆえ、リターダ42の光軸方向は垂直ストライプにパターニングされ、一方のストリップの光軸が垂直であり、近接するストリップの光軸はその垂直線に対して45°である。これらのストリップは、リターダの各領域において、入射光の最大輝度の偏光成分が光軸が45°であるストリップ上に方向づけられるように配列される。よって、領域42Aおよび42Cでは、入射光のp成分が、垂直線に対して45°である光軸を有するストリップに方向づけられ、それにより、s偏光に変換される。一方、領域42Bおよび42Dでは、入射光のs成分が、偏光分離素子により、垂直方向に対して45°に配列される光軸を有するストリップに方向づけられ、p偏光に変換される。
【0204】
光が図22cに示す波長板42を通過した後、そのリターダの領域42Aおよび42Cを通過した光がs平面偏光となる一方で、リターダ42の領域42Bおよび42Dを通過した光がp平面偏光状態となる。均一な偏光を有する光を生成するためには、光に第2の波長板を通過させて、一方の偏光成分を直交する偏光状態に変換することが必要である。図22dに1つの適切な波長板を示す。
【0205】
図22dの波長板43も、4つのセクション43A〜43Dを有し、これらは、図22cの波長板42の領域42A〜42Dとサイズおよび形状において一致する。
【0206】
出力光がs偏光成分であることが所望される場合、波長板43のセクション43Aおよび43Cは、上記のとおり、波長板42のセクション42Aおよび42Cがs偏光を生成するため、波長板42により発せられる光の振動面を変える必要がない。領域43Aおよび43Cの光軸は、入射光の偏光と平行となる。
【0207】
リターダ43のセクション43Bおよび43Dは、リターダ42からp偏光を受け取る。リターダ43からの出力がs偏光であることが所望されるため、これには、リターダ43のセクション43Bおよび43Dが、リターダ42のセクション42Bおよび42Dにより発せられるp偏光の振動面を回転させて、s偏光を生成することが必要である。それゆえ、リターダ43のセクション43Bおよび43Dの光軸は、好ましくは、垂直線に対して45°に傾く。
【0208】
波長板43の光軸方向、および波長板42から受け取られる偏光を図22dに示す。
【0209】
入射光が図22dに示すように偏光される使用に適したさらなる偏光分離素子44を図22eを参照して説明する。偏光分離素子44は、第1および第2の透明カバープレートの間に配置された単軸材料層を備える。図22eは、単軸材料層の厚さを渡る単軸材料の光軸の配向を示し、単軸材料の光軸のねじれが、空間的に変化することが理解できる。素子44の領域44Aおよび44Cでは、一方のカバープレートに近接する単軸材料の光軸が、他方のカバープレートに近接する単軸材料の光軸と実質的に同じ方向にある一方で、セクション44Bおよび44Dでは、光軸が、単軸材料の層の厚さに全体を渡って実質的に90°ねじれる。
【0210】
セクション44Bおよび44Dは、2つの分離ビームの偏光を90°回転させるように作用する。例えば、成分P−およびS+を含む入射光が偏光分離素子44に入射する場合、2つの偏光成分が角度的に分離され、セクション44Bおよび44Dでは、これらの成分がその偏光を90°回転させてS−およびP+となる。
【0211】
水平方向で光を分離するように構成されたプリズムアレイを備えた、このような偏光分離素子は、図1aに示すようなPCOSシステム15aで用いられ得る。この場合、レンズアレイの第2の面18を離れる光が、P偏光およびS偏光の垂直ストライプを交互に含む。この交互配列(alternation)は、光がどのセクションで偏光分離素子44を出るかに依存しており、セクション44Bおよび44Dにより生成されるストライプと比較すると、セクション44Aおよび44Cにより生成されるストライプは、1つのストライプずつ変化する。すなわち、セクション44Aおよび44CがP偏光およびS偏光を交互に有するストライプを生成し、次いでセクション44Bおよび44DがP偏光およびS偏光を交互に有するストライプを生成する。
【0212】
ここで、偏光分離素子から出る光は、セクション44Aおよび44Cからの成分P+およびS−、セクション44Bおよび44Dからの成分S−およびP+を含む。
【0213】
図22cのパターニングされた偏光回転素子は、次いで、図22eの偏光分離素子を出る光を実質的に均一な偏光を有する光に変換する。
【0214】
偏光分離素子が複屈折くさび型プリズムの単一アレイを含む場合、1つの直線偏光を有する光は、実質的に全ての材料分散を経験する。この指数が最大分散度を有するため、通常、これが、異常光線屈折率により屈折させられる成分である。直交する直線偏光成分の両方が実質的に等しい分散を経験することが所望される場合、光軸が単軸材料の厚さを渡って90°のねじれを有する少なくとも1つのエリアを有し、かつ単軸材料の光軸が単軸材料の厚さを渡るねじれを有さない少なくとも1つのエリアを有する単軸材料を含む複屈折くさび型プリズムを用いることにより達成することができる。光軸のねじれが90°である単軸材料の面積と、光軸のねじれが0°である単軸材料の面積が実質的に等しいと仮定すると、直交する偏光成分の両方が実質的に等しい分散を経験する。図23aは、この効果を達成する対向基板のアライメントの1つの実施形態を概略的に示す。対向基板は、2つの領域46Aおよび46Bを有し、この2つの領域間でアライメントフィルムのアライメント方向が変わる。領域46Aでは、(図23aに見られるように)アライメント方向が垂直線に対して90°である一方で、領域46Bでは、アライメント方向は垂直線に対して0°である。垂直線に対して0°の均一なアライメント方向を有する別のアライメント膜とともに用いられる場合、領域46Aは、図23aの左上の挿入部に示されるように、単軸材料の厚さに渡って、単軸材料の光軸に90°のねじれを引き起こす。反対に、領域46Bは、図23aの右下の挿入部に示すように、単軸材料の光軸は、単軸材料の厚さに渡るねじれを引き起こさない。
【0215】
図23bは、図23aの実施形態の変形例を示す。この図は、異なるアライメント方向の多数の領域を有する対向基板47を示す。領域47Aは、垂直線に対して90°のアライメント方向を有し、領域47Bは、垂直線に対して0°のアライメント方向を有する。垂直線に対して0°の均一なアライメント方向を有する別のアライメントフィルムとともに用いられる場合、領域47Aが、単軸材料の厚さに渡って、単軸材料の光軸に90°のねじれを引き起こす一方で、領域47Bは、単軸材料の光軸には、単軸材料の厚さに渡るねじれを引き起こさない。
【0216】
図1a、1b、2a、2b、6a、6b、7a、7b、14c、および15bに示すPCOSの実施形態では、偏光変換素子19は、そこに入射する成分の偏光には何の影響も及ぼさない複数の第1のエリア、およびそこに入射する成分の振動面を90°回転させる他のエリアから構成される。よって、これらの偏光変換素子は、共通の振動面を有する光を出力する。しかしながら、本発明は、そのような偏光変換素子を有するPCOSに限定されない。例えば、本発明のPCOSの偏光変換素子は、代わりに、本願明細書に記載したような偏光回転素子と、光源に対して、偏光回転素子の反対側に配置される均一波長板またはリターダとの組み合わせを備え得る。均一波長板またはリターダは、偏光回転素子19により出力された直線偏光を楕円または円形偏光に変換する。
【0217】
本発明の偏光分離素子は偏光変換システムのコンテキストで説明されるが、本発明の偏光分離素子は、偏光変換システムの使用に限定されない。
【0218】
本発明は、第1の偏光を有する光を第1の方向に向け、第1の偏光と異なる第2の偏光を有する光を第1の方向と異なる第2の方向に向ける偏光分離素子(16)、および第1および第2の偏光を有する光を実質的に共通の出力偏光に変換する1以上の偏光変換素子(19a,19b)とを備える。偏光分離素子が、くさび型の断面を有する第1のプリズムのアレイ(20)、およびくさび型の断面を有する第2のプリズムのアレイ(21)とを備える偏光変換システムを提供する。プリズムのアレイのうちの1つが複屈折プリズムのアレイである。
【0219】
本発明の偏光変換システムは、投射ディスプレイシステムでの使用に提供する。
【0220】
【発明の効果】
本発明によれば、リソグラフィーを用いて配向された複屈折位相差板アレイおよび複屈折Pスプリッタおよび複屈折Sスプリッタを用いることで偏光変換システムの長さを例えば2mm以下に縮小することができる。PスプリッタおよびSスプリッタにより、P偏光とS偏光とが同一の角度を有するように分離され、その後レンズアレイに映し出される。さらにP偏光およびS偏光の一方が更に偏光され、偏光が実質的に均一となる。また、位相差板は、ピットを最小にするために光硬化性液晶等から作製することができる。PスプリッタおよびSスプリッタはプリズムアレイおよびそれに組み合わされた複屈折層を含む。本発明によれば、このような位相差板とPスプリッタおよびSスプリッタとの組み合わせにより、非常に小型な光学システムが実現される。さらに、システムの光漏れが低減されるので、光効率が向上するという優位な効果が得られる。また、ピッチの縮小により、レンズ素子をさらに多くシステムに組み込むことが可能となる。このことにより、光源の均一化が向上され、投射光の均一化がさらに向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1a】図1aは、本発明による偏光変換システムの第1の実施形態の概略図である。
【図1b】図1bは、本発明による偏光変換システムの第2の実施形態の概略図である。
【図2a】図2aは、本発明による第1の偏光分離素子の概略断面図である。
【図2b】図2bは、本発明による第2の偏光分離素子の概略断面図である。
【図2c】図2cは、本発明によるさらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図2d】図2dは、図2cの偏光分離素子の部分斜視図である。
【図2e】図2eは、図2cの偏光分離素子の部分斜視図である。
【図3a】図3aは、さらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図3b】図3bは、本発明によるさらなる偏光分離素子の部分断面図である。
【図4】図4は、本発明によるさらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図5】図5は、本発明による偏光分離素子の動作を示す断面図である。
【図6a】図6aは、本発明による偏光変換システムのさらなる実施形態の概略図である。
【図6b】図6bは、本発明による偏光変換システムのさらなる実施形態の概略図である。
【図7a】図7aは、本発明による偏光変換システムのさらなる実施形態の概略図である。
【図7b】図7bは、本発明による偏光変換システムのさらなる実施形態の概略図である。
【図8】図8は、本発明による偏光変換システムのさらなる実施形態の概略断面図である。
【図9】図9は、本発明による反射性偏光分離素子の概略図である。
【図10】図10は、本発明による反射性偏光分離素子を示す拡大断面図である。
【図11】図11は、本発明による投射システムの概略図である。
【図12】図12は、本発明のさらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図13】図13は、本発明のさらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図14a】図14aは、偏光分離素子での使用に適したリターダのアライメント方向を示す。
【図14b】図14bは、図14aのリターダの概略斜視図である。
【図14c】図14cは、本発明による偏光変換システムの別の実施形態の概略図である。
【図15a】図15aは、本発明によるさらなる偏光分離素子の概略断面図である。
【図15b】図15bは、本発明による偏光変換システムの実施形態の概略図である。
【図15c】図15cは、本発明による偏光変換システムの実施形態の概略図である。
【図16】図16は、本発明による偏光変換システムの別の実施形態の概略図である。
【図17】図17は、本発明による従来の偏光変換システムの概略断面図である。
【図18】図18は、別の従来の偏光変換システムの斜視図である。
【図19】図19は、液晶ウォラストンタイププリズムの概略斜視図である。
【図20】図20は、さらなる従来の偏光変換システムの概略図である。
【図21a】図21aは、さらなる従来の偏光変換システムの概略図である。
【図21b】図21bは、図21aの偏光変換システムの偏光分離素子の製作を示す。
【図22a】図22aは、放物面レフレクタにより生成される偏光を示す。
【図22b】図22bは、放物面レフレクタにより生成される偏光を示す。
【図22c】図22cは、図22aおよび22bに示す偏光を利用するために適した2つの波長板を示す。
【図22d】図22dは、図22aおよび22bに示す偏光を利用するために適した2つの波長板を示す。
【図22e】図22eは、図22aのレフレクタにより引き起こされた偏光を利用するために適した単軸材料の光軸のねじれの概略斜視図である。
【図23a】図23aは、直線偏光のP成分およびS成分に対する分散を均一にするための対向基板のアライメント方向の1つの実施形態を示す。
【図23b】図23bは、直線偏光のP成分およびS成分に対する分散を均一にするための対向基板のアライメント方向のさらなる実施形態を示す。
【図24】図24は、図1aの偏光変換システムのレンズアレイの斜視図である。
【図25】図25は、図1aの偏光変換システムを組み込んだ投射システムの概略図である。
【符号の説明】
16 偏光分離素子
17 第1のレンズアレイ
18 第2のレンズアレイ
19 偏光回転素子
20 基板
Claims (21)
- 各プリズムがくさび型の断面を有する光学的等方性プリズムであり、該プリズムのそれぞれの底面が同一平面上に配置されて、該底面に非偏光または部分偏光の平行光が入射される第1のプリズムのアレイと、
各プリズムがくさび型の断面を有する複屈折プリズムであり、該プリズムのそれぞれの傾斜面が前記第1のプリズムのアレイの各プリズムの傾斜面に近接して配置されるとともに、該プリズムのそれぞれの底面が前記第1のプリズムのアレイの各プリズムの底面に平行に配置された第2のプリズムのアレイと、
各プリズムがくさび型の断面を有する複屈折プリズムであり、該プリズムのそれぞれの底面が前記第2のプリズムのアレイの各プリズムの底面に近接して平行に配置された第3のプリズムのアレイと、
各プリズムがくさび型の断面を有する光学的等方性プリズムであり、該プリズムのそれぞれの傾斜面が、前記第3のプリズムのアレイの各プリズムの傾斜面に近接して配置されるとともに、それぞれの底面が、前記第3のプリズムのアレイの各プリズムの底面と平行に配置された第4のプリズムのアレイとを備え、
前記第2のアレイのプリズムの光軸方向が該プリズムの厚さにわたって実質的に90°変化し、該光軸は該プリズムの厚さに渡って入射光の方向に対して実質的に垂直であり、
前記第2のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムの前記光軸方向が、前記第3のプリズムのアレイの近くに配置された該第2のプリズムのアレイのプリズムの面で、該第3のプリズムのプリズムの光軸に対して垂直であり、
前記第2のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムが、第1の偏光を有する光と、該第1の偏光とは異なる偏光成分を有する第2の偏光を有する光とをそれぞれ分離して異なる方向に偏向させて出力し、前記第3のプリズムのアレイのそれぞれのプリズムが、前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光を、それぞれ対称的に発散させることを特徴とする偏光分離素子。 - 前記第2のプリズムのアレイが液晶層を備える、請求項1に記載の偏光分離素子。
- 前記第2のプリズムのアレイが光硬化性液晶を含む、請求項1に記載の偏光分離素子。
- 前記第2のプリズムのアレイが高分子安定化液晶材料を含む、請求項1に記載の偏光分離素子。
- 非偏光または部分偏光を有する光の平行光が第1のプリズムのアレイに入射されるように配置された請求項1に記載の偏光分離素子と、
該偏光分離素子から出力される第1の偏光を有する光および第2の偏光を有する光を、共通の偏光を有する光に変換して出力する1以上の偏光変換素子と、
前記偏光分離素子から出力される光を前記偏光変換素子に集束する第1のレンズアレイと
を備える、偏光変換システム。 - 前記偏光変換素子は、前記第2の偏光を有する光の振動面を回転させずに、前記第1の偏光を有する光の振動面を前記第2の偏光を有する光の振動面と同一になるように回転させて、前記第2の偏光を有する光のみを出力する、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光変換素子は、前記偏光分離素子から出力される前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光がそれぞれ入射されるエリアがアレイ状に設けられており、該偏光変換素子のエリアが前記第1のレンズアレイの焦点面に配置される、請求項6に記載の偏光変換システム。
- 前記第1のレンズアレイが前記偏光分離素子と前記偏光変換素子との間に配置される、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光分離素子が前記第1のレンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置される、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光変換素子から出力される光を平行にする第2のレンズアレイをさらに備える、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記第1のレンズアレイおよび前記第2のレンズアレイが共通基板上に配置されている、請求項10に記載の偏光変換システム。
- 前記第2のレンズアレイが、前記偏光変換素子と前記第1のレンズアレイとの間に配置されて前記偏光変換素子に近接している、請求項10に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光変換素子が直接前記第2のレンズアレイ上に配置される、請求項10に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光変換素子が前記第2のレンズの光出射方向側に配置され、かつ該第2のレンズアレイに光学的に結合される、請求項10に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光分離素子は、前記第1の偏光を有する光と前記第2の偏光を有する光とを、それぞれ第1の振動面を有する第1の直線偏光ビームと該第1の偏光面とは異なる第2の振動面を有する第2の直線偏光ビームとにする偏光回転素子である、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記第1のビームの振動面が前記第2のビームの振動面に対して90°である、請求項15に記載の偏光変換システム。
- 前記偏光変換素子が、複数の第1の領域および複数の第2の領域を交互に有するリターダアレイを備え、該第1および第2の領域が、それぞれ、前記第1の偏光を有する光および前記第2の偏光を有する光を受け取るように配列される、請求項5に記載の偏光変換システム。
- 前記第1および第2の領域が、それぞれ、前記第1および第2の偏光ビームの断面のサイズと一致し、相互に異なる第1および第2のサイズを有する、請求項17に記載の偏光変換システム。
- 非偏光または部分偏光の平行光を出射する光源と、
該光源から出射される平行光が偏光分離素子に入射されるように配置された請求項5に記載の偏光変換システムと、
該偏光変換システムから出力される偏光を有する光が照射される空間光変調器と、
を備える投射ディスプレイシステム。 - 前記空間光変調器が反射型液晶パネルである、請求項19に記載の投射ディスプレイシステム。
- 前記反射型液晶パネルにて反射された光が選択的に照射される投射レンズをさらに有する、請求項20に記載の投射ディスプレイシステム。
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