JP4148131B2 - ディスプレイパネルの貼り合わせ装置 - Google Patents

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本発明は、液晶パネル等のディスプレイパネルの組立工程において、2枚の光透過性基板を光硬化型のシール剤で貼り合わせる、ディスプレイパネルの貼り合わせ装置に関する。
通常、液晶画面は、液晶パネルとそれを制御するドライバ、および液晶パネルを裏面から照明するバックライト等から構成されている。液晶パネルは、液晶を封入し、それに印加する電圧を制御することにより、バックライトからの光を透過させたり遮光して画面を表示する。
図4は、液晶パネル(カラー液晶パネル)の一例を示す断面図である。
同図において、101はカラーフィルタ基板、102はTFT基板、103はカラーフィルタ、104はブラックマトリックス、105は電極、106は配向膜、107は液晶層、108はTFT素子(薄膜トランジスタ)、109はシール剤である。なお、同図は理解を容易にするために縦方向を横方向に比べて極端に拡大して示している。
液晶パネルは基本的には、画像を見る側(表側)のカラーフィルタ基板101と反対側(裏側)のTFT基板102の2枚の光透過性基板(通常はガラス基板で構成されるが、透明な樹脂基板で構成される場合もある)から構成されている。カラーフィルタ基板101には、ブラックマトリックス104と呼ばれる遮光膜やカラーフィルタ103等が形成されている。TFT基板102には、液晶を駆動するための駆動素子、例えば、TFT素子108や透明導電膜で形成された液晶駆動電極、およびそれらを繋ぐ配線が形成されている。ブラックマトリックス104は、例えば、クロム蒸着膜や黒色樹脂で形成されており、ここでは、バックライトからの光が漏れないようにするための目隠しのためのブラックマトリックスだけが描かれている。
上記のような液晶パネルの製造は、近年は滴下工法(One Drop Fill、略してODFという)と呼ばれる製造方法が採用されている。なお、滴下工法については、例えば、特開平9−73096号公報に開示されている。
以下に、図4を用いて滴下工法の工程について説明する。まず、2枚のガラス基板の内、一方のガラス基板102にTFT素子108や液晶駆動電極を形成し、他方のガラス基板101に、ブラックマトリックス104やカラーフィルタ103を形成する。一方のガラス基板102上に、紫外線硬化樹脂である幅が1〜1.5mmのシール剤109の囲み(以下、画郭と呼ぶ。この画郭の部分がいわゆる液晶画面となる)を複数形成する。次に、真空中で液晶を上記の囲みの中に滴下し、その中に溜める。その上に、他方のガラス基板101を載せ、大気圧下に取り出し、ガラス基板101越しにシール剤109に対して紫外線を照射する。その結果、シール剤109は硬化し、2枚のガラス基板101,102は貼り合わされる(接着される)。シール剤109は液晶層107の封止と2枚のガラス基板101,102の接着を兼ねる。なお、図示していないが、2枚のガラス基板101,102間に、例えばスペーサと呼ばれる球状の微粒子を噴霧して液晶層107を挟み込むための間隔を確保している。接着後は、画郭毎に基板を分割(切断)し、パソコンやテレビ等の表示画面として組み込まれる。
図5は、2枚のガラス基板101,102が貼り合わされた液晶パネルを示す図である。
同図に示すように、2枚のガラス基板101,102の間にシール剤を挟んで形成した液晶パネルには、複数(同図では4面)の画郭が形成されている。そして各画郭を囲むようにシール剤が塗布され、このシール剤に被るようにブラックマトリックス104が形成されている。
図6は、図4に示した液晶パネルのシール剤109付近の構造を拡大して示した図である。
同図に示すように、シール剤109は、500μm〜1mm程度の幅でブラックマトリックス104の下になっている。従って、ブラックマトリックス104が形成された基板側から光照射を行っても、シール剤109はブラックマトリックス104の影になり、硬化できない部分が残る。しかし、プロセス上の都合等により、ブラックマトリックス104が形成されたカラーフィルタ基板101側から光照射して貼り合わを行うことを要請される場合がある。
ブラックマトリックスが形成された基板側から光照射して、液晶パネルの貼り合わを行う先行技術としては、以下の2件のものが知られている。
特許第2828403号は、貼り合わせる基板を透過した光が、液晶パネルを挟んで光照射部と対向する位置に配置された光反射部材で反射され、該反射光がブラックマトリックスの反対側からシール剤に照射されることにより硬化するものである。
また、特開2003−207790号公報は、光照射部を傾け、液晶パネルに対して斜めから光を照射し、ブラックマトリックスの影になる部分のシール剤を硬化すると共に、液晶パネルを挟んで光照射部と対向する位置に配置された光反射部材からの反射光も利用してシール剤を硬化するものである。
特許第2828403号 特開2003−207790号公報
上記公報に示されるような、液晶パネルを挟んで光照射部と対向する位置に配置された光反射部材からの反射光を利用すれば、ブラックマトリックスの影になる部分のシール剤を効率良く硬化させることができるが、以下に示すような問題がある。
図7は、上記公報に記載されているシール剤の硬化方法の問題点を説明するための図である。
同図に示すように、光反射部材により反射した光が、ブラックマトリックス104下のシール剤109に照射される時、光反射面と液晶パネルとの間隔が狭いと、反射光が液晶107に近い奥の方のシール剤109にまで届かない。一方、間隔が広いと反射光は幅1〜1.5mmのシール剤を通り過ぎて液晶部分に光が照射されてしまう。液晶107は強い紫外線が照射されると、特性変化を起こすことがあるので、紫外線の照射はできる限り少なくすることが望ましい。
従って、光反射部材からの反射光がシール剤に対して適切に照射されるように、液晶パネルを、光反射部材に対してある適切な間隔の範囲で保持する必要があり、反射部材と液晶パネル間には間隔設定手段が必要である。この間隔設定手段は以下に示すような点に留意する必要がある。
(1)貼り合わせを行う液晶パネルは、1m角からそれ以上の大きさがあり、年々大型化している。一方、貼り合わせを行う2枚のガラス基板は薄いので、四隅または四辺を支持するだけでは撓んでしまい、パネル下面から光反射部材までの間隔を一定に保つことができないので、間隔を一定に保つ手段が必要である。
(2)貼り合わせ装置は、画郭の大きさが異なる様々な種類のディスプレイパネルの貼り合わせ処理に対処する必要がある。即ち、処理するパネルに形成される画郭の大きさや形状は様々に変化する。画郭の大きさや形状が変化すると、シール剤の位置も変化する。従って、間隔設定部材は、シール剤の位置の変化に応じてシール剤に入射する反射光を妨げないように、容易に場所を変えることができるものでなければならない。
(3)さらに、液晶パネルは、光照射時に振動等により位置ずれを起こして、光の照射領域から外れてしまうことがないように、保持固定する必要がある。
本発明の目的は、上記に述べたように、液晶パネルを撓ませず光反射部材に対して液晶パネルを所定の間隔に保持することが可能であり、画郭の大きさや形状が変化し、シール剤の位置が変化した場合でも、シール剤に入射する反射光を妨げない位置に変更可能であり、さらに、液晶パネルの保持固定ができ、紫外線照射中に、振動により液晶パネルが紫外線の照射領域から外れてしまうことのないディスプレイパネルの貼り合わせ装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、2枚の光透過性基板の一方の基板に遮光部が形成され、前記2枚の光透過性基板の間に紫外線硬化型シール剤と液晶を挟み込んで一体形状としたディスプレイパネル材に対し、上記遮光部が形成された側から紫外線を照射し、上記紫外線硬化型シール剤を硬化させて、上記2枚の光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、上記貼り合わせるディスプレイパネル材を載置するステージを備え、上記ステージは、真空が供給される凹部を有する基台と、上記基台を覆うように設けられ、複数の貫通孔を有し、表面が光反射面である光反射部材と、上記光反射部材の貫通孔に挿入された、真空吸着孔を有する高さの等しい複数のスペーサとから構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、液晶パネルを撓ませずに保持することが可能となり、また、画郭の大きさや形状が変化し、スペーサの位置の異なる複数の反射部材を準備することにより、シール剤の位置が変化した場合でも、シール剤に入射する反射光を妨げない位置に変更可能であり、さらに、液晶パネルを保持固定することができ、紫外線照射中に、振動により液晶パネルが紫外線の照射領域から外れてしまうことがないようにすることができる。
本発明の一実施形態を図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るディスプレイパネルの貼り合わせ装置の構成を示す断面図である。
同図において、1はステージ、11はステージ1を構成する基台、12は基台11に設けられる真空が供給される真空供給凹部、13は基台11上に置かれ上部に光を反射する光反射板、14は光反射板13の真空供給凹部12に対応する位置に設けられた複数個の貫通孔、15は光反射板13の真空供給凹部12に対応しない位置に設けられた複数個の孔、16は貫通孔14に嵌合され、光反射板13から所定の高さを有し、スペーサとしての機能を果たす真空吸着孔161を有する吸着ピン、17は孔15に嵌合され、光反射板13から所定の高さを有し、スペーサとしての機能を果たすピン、2は液晶パネル、21は液晶パネル2を構成するカラーフィルタ基板、22は液晶パネル2を構成するTFT基板、23は基板21,22間に充填される液晶、24は液晶23を封止すると共に基板21,22を接着する紫外線硬化型シール剤、25はカラーフィルタ基板21の下面の液晶23と紫外線硬化型シール剤24の境界領域にわたって塗布されたブラックマトリックス、3は液晶パネル2の所望しない部分、例えば、画郭内の液晶やTFT基板回路素子に紫外線が照射されるのを防止するための遮光マスク、4は紫外線照射部、41は紫外線を放射するランプ、42はランプ41からの光をステージ1側に反射するミラーである。
なお、本実施例では、ランプ41は棒状の高圧水銀ランプやメタルハライドランプを使用している。棒状ランプは液晶パネルの全面を一括して照射できるようにワークの長さに対応した長さの棒状のランプをワークの幅に対応した本数だけ並べている。
図1に示すように、貼り合わせを行う液晶パネル2は、ブラックマトリックス25が形成されているカラーフィルタ基板21を紫外線照射部4側に向け、TFT基板22をステージ1側に向けてステージ1に載置される。ステージ1に載置された液晶パネル2は、光反射板13に取り付けた複数の吸着ピン16およびピン17上に置かれる。これらのピン16,17により、光反射板13と液晶パネル2とは所定の間隔に保持される。紫外線照射部4からの紫外線は、一部は、ブラックマトリックス25からはみ出している紫外線硬化型シール剤24に照射され、これを硬化するが、残りの大部分は光反射板13に反射され、ブラックマトリックス25の下に塗布された紫外線硬化型シール剤24に照射される。
図2は、図1に示したステージ1の詳細な構成を示す図である。
同図に示すように、ステージ1は、基本的に、基台11、基台11の上に置かれる光反射板13と、光反射板13に取り付けた吸着ピン16およびピン17とから構成される。
基台11は、ステージ1のベースとなる部分であり、基台11の四隅には、溝状の真空供給凹部12が基台11の中央に向かって細長に形成されている。この真空供給凹部12には貼り合わせを行う液晶パネル2を保持固定するための図示されていない真空ラインが接続され、真空が供給される。
光反射板13は、厚さが約2mmの薄板状部材であり、上記基台11の真空供給凹部12を覆うように基台11の表面に置かれ、基台11と固定ねじ等で固定される。光反射板13は、上面で紫外線をよく反射するように、表面を電解研磨または化学研磨により光輝仕上げを行ったアルミ、もしくは白アルマイト処理したものを用いる。白アルマイト処理の反射板を用いると、反射光は散乱光成分が多くなる。
光反射板13には、光反射板13と液晶パネル2との間隔を一定に保持する複数の吸着ピン16とピン17を取り付ける孔が開けられている。そのうち、基台11の真空供給凹部12に対応する位置の孔は貫通孔14であり、ここに真空吸着孔161を有する吸着ピン16を挿入する。基台11に設けられた真空供給凹部12に対応しない位置に設けられるピン17には真空は供給されない。従って、ピン17を挿入する孔15はピン17の位置を決めればよいので、必ずしも貫通孔でなくてもよい。当然のこととしてピン17には真空吸着孔は無くてもよいが、ピン17の代わりに吸着ピン16を用いるようにしてもよい。
光反射板13に吸着ピン16を取り付ける位置は、貼り合わせを行う液晶パネル2のシール剤24の位置に応じて設けられる。即ち、紫外線が照射されない画郭の内側(液晶のある部分)のシール剤24に入射する反射光を妨げることがない位置に設けられる。
吸着ピン16は、液晶パネル2を載せるための平面を有し、所定の高さに揃えられた頭部と、光反射板13の貫通孔14に差し込む首部を有する。また、頭部から首部を貫通する真空吸着孔161が設けられている。
吸着ピン16およびピン17の材質は、耐熱性、強度、曲げ弾性率に優れたエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂が好適であり、具体的には、ポリエーテルエーテルケトン材(PEEK材と呼ばれる)を使用した。
吸着ピン16およびピン17の頭部の高さ、即ち、液晶パネル2下面から光反射板13までの距離は、予め適する寸法を実験により求めておく。即ち、液晶パネル2と光反射板13の距離を変えてシール剤24の硬化実験を行い、ブラックマトリックスの影に塗布されたシール剤24が最も良く硬化する高さになるようにする。幾つかのの画郭パターンにより実験した結果によれば、液晶パネル2下面と光反射板13との間隔は2mm〜8mmの範囲(望ましくは約4mm)が適していることが分かった。
なお、吸着ピン16は、図3に示すように、吸着ピン16を光反射板13の貫通孔14に首部を差し込み、裏面側から固定する。ピン17も同様である。
図1および図2において、液晶パネルの貼り合わせを行うためには、まず、吸着ピン16およびピン17を取り付けた光反射板13を基台11上に置き、固定ねじで固定する。次に、基台11の真空供給凹部12に真空を供給すると、真空供給凹部12は減圧され、吸着ピン16の真空吸着孔161に真空が供給される。吸着ピン16およびピン17上に貼り合わせを行う液晶パネル2を載置すると、吸着ピン16の貫通孔14に供給された真空により、液晶パネル2は吸着ピン16上に保持固定される。吸着ピン16以外のピン17は、液晶パネル2が自重により撓むのを防ぎ、液晶パネル2下面から光反射板13との間隔を一定に保持することが可能となる。その後、紫外線照射部4より紫外線を照射する。
本実施形態の発明によれば、吸着ピン16およびピン17を取り付けた光反射板13は、貼り合わせを行う液晶パネル2の大きさやシール剤24の位置に応じて、吸着ピン16およびピン17を配置する位置を変えたものを準備しておく。そうすることによって、処理する液晶パネルの大きさやシール剤24の位置に応じて交換することができ、その結果、種々の液晶パネルの貼り合わせに対応することができる。
本発明に係るディスプレイパネルの貼り合わせ装置の構成を示す断面図である。 図1に示したステージ1の詳細な構成を示す図である。 吸着ピン16を光反射板13の貫通孔14に首部を差し込み、裏面側から固定した状態を示す断面図である。 液晶パネル(カラー液晶パネル)の一例を示す断面図である。 2枚のガラス基板101,102が貼り合わされた液晶パネルを示す図である。 図4に示した液晶パネルのシール剤109付近の構造を拡大して示した図である。 公報に記載されているシール剤の硬化方法の問題点を説明するための図である。
符号の説明
1 ステージ
11 基台
12 真空供給凹部
13 光反射板
14 貫通孔
15 孔
16 吸着ピン
161 真空吸着孔
17 ピン
2 液晶パネル
21 カラーフィルタ基板
22 TFT基板
23 液晶
24 紫外線硬化型シール剤
25 ブラックマトリックス
3 遮光マスク
4 紫外線照射部
41 ランプ
42 ミラー

Claims (1)

  1. 2枚の光透過性基板の一方の基板に遮光部を形成し、前記2枚の光透過性基板の間に紫外線硬化型シール剤と液晶を挟み込んで一体形状としたディスプレイパネル材に対し、上記遮光部が形成された側から紫外線を照射し、上記紫外線硬化型シール剤を硬化させて、上記2枚の光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、
    上記貼り合わせるディスプレイパネル材を載置するステージを備え、上記ステージは、真空が供給される凹部を有する基台と、上記基台を覆うように設けられ、複数の貫通孔を有し、表面が光反射面である光反射部材と、上記光反射部材の貫通孔に挿入された、真空吸着孔を有する高さの等しい複数のスペーサとから構成されていることを特徴とするディスプレイパネルの貼り合わせ装置。
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