JP2004101660A - ディスプレイパネルの貼り合わせ装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2枚の光透過性基板31,32間に形成された光硬化型のシール剤5にスポット光を照射して光透過性基板31,32を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、前記スポット光は発散光であり、前記スポット光のシール剤5が延在する方向に対して直角方向の発散を制限する光学的手段4が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル等のディスプレイパネルの組立工程において、2枚の光透過性基板を光硬化型のシール剤で貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶画面は、液晶パネルとそれを制御するドライバおよび液晶パネルを裏面から照明するバックライトから構成されている。液晶パネルは液晶を封入し、それに印加する電圧を制御することによりバックライトからの光を透過させたり遮光したりして、画面を表示させる。
【0003】
通常、液晶パネルは、カラーフィルタ基板とTFT基板からなる2枚の光透過性基板(ガラス基板、樹脂製基板、樹脂フィルム基板)から構成されており、一方の光透過性基板には液晶を駆動するための駆動素子、例えばTFT素子(薄膜トランジスタ)や、透明導電膜で形成された液晶駆動電極が形成されている。他方の光透過性基板にはブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜や、カラー液晶パネルの場合はカラーフィルタ等が形成されている。
ここで、液晶パネルにおいて、画像を見る側(表側)がカラーフィルタ基板であり、反対側(裏側)がTFT基板となる。
【0004】
ブラックマトリックスは、例えば、クロム蒸着膜や黒色の樹脂等で形成されており、画像の表示に関係のない液晶以外の部分、即ち、TFT素子や配線の部分等からバックライトからの光が漏れて画像を乱さないように、目隠しの役割を果たしている。
【0005】
従来の液晶パネルの製造方法では、上記の2枚のガラス基板を別々に製作した後に、紫外線硬化樹脂であるシール剤(接着剤)で貼り合わせる。この時、2枚のガラス基板の間に、スペーサと呼ばれる球状の微粒子を噴霧して2枚のガラス基板の間に液晶を注入する隙間(ギャップ)を形成する。
【0006】
液晶が洩れないようにするための封止は前記のシール剤が兼用される。即ち、シール剤は画面表示部分を囲むように細い線状に塗布される。その線の幅は1〜1.5mm程度である。
【0007】
図6はガラス基板上にシール剤を塗布した状態を示す図であり、同図に示すように、通常、ガラス基板上に複数(同図では4面)の製品パネルが製作される。シール剤が各製品を囲むように塗布され、その一部に液晶を注入するための注入口が設けられる。
【0008】
2枚のガラス基板を貼り合わせる際には、隙間(ギャップ)が基板全体に亘って均一になるように、2枚のガラス基板が相対的に接近する方向に圧力を掛けながら紫外線をガラス基板全面に照射してシール剤を硬化させる。貼り合わせ後は、ガラス基板を各製品毎に切り離し、注入口より液晶を注入して封口する。
【0009】
ところで、上記の液晶パネルの製造工程においては、次のような問題があった。
シール剤を硬化させるため液晶パネルに紫外線を照射する場合、あらかじめガラス基板に製作してある液晶駆動素子等のシール剤以外の部分に極力紫外線が照射されないようにすることが要求される。これは液晶駆動素子等にシール剤を硬化させるような強い紫外線が照射されると、その特性が不所望の変化を起こしてしまうためである。
【0010】
しかしながら、上記の製造工程では、シール剤を硬化させる、高照度の紫外線をガラス基板全面に照射することになるため、液晶パネルの品質向上には適していなかった。
【0011】
また、液晶パネルの製造方法としては、滴下工法(One Drop Fill)と呼ばれる製造方法もあり、近年採用されはじめている。
この工法は、図7に示すようなガラス基板(光透過性基板)上に、紫外線硬化樹脂であるシール剤による囲み(画郭)を形成し、その中に液晶を滴下し、液晶が滴下されたガラス基板上に別のガラス基板を載せ、そのガラス基板全面に紫外線を照射してシール剤を硬化させ、2枚のガラス基板を貼り合わせるものである。
【0012】
しかしながら、この工法の場合も、従来の液晶パネルの製造方法と同様に、液晶駆動素子等のシール剤以外の部分に強い光が照射されることになるため、液晶駆動素子等の特性が不所望の変化を起こすという問題を有していた。また、上記の滴下工法の場合は、液晶自身にも強い紫外線が照射されるため、液晶の特性変化を引き起こすという問題をも有していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような問題を解決する方法として、特開平9−73096号公報には、シール剤に紫外線を照射する際に、シール剤以外の部分に紫外線が照射されないように紫外線照射装置の光源とガラス基板との間に遮光マスクを設けて紫外線を照射する方法が開示されている。
この方法によれば、シール剤以外の部分に強い紫外線を照射することなく2枚のガラス基板を貼り合わせることができる。
【0014】
しかし、液晶ディスプレイパネルは年々大型化しており、そのためガラス基板も大型化しており、例えば、730mm×920mmから1辺が1mを越えるものが使われるようになっている。ガラス基板が大型化すると、遮光マスクや装置全体も大型化することになる。
【0015】
遮光マスクは、シール剤に対応する部分のみ紫外線が透過するように透光部が形成され、それ以外の部分は遮光するように遮光部が形成されている。このような遮光マスクは、通常、石英ガラス板に遮光部を形成するためにクロムメッキを施して作られており、ガラス基板が大型化すると、それに伴い遮光マスクも大型化し、そのための製作費用が非常に高くなり、装置のコストアップの原因となっている。
【0016】
一方、特許第2908259号には、ガラス基板越しに紫外線からなるスポット光をシール剤に沿って移動させながら照射してシール剤を硬化させる装置が提案されている。この装置は、装置の大型化を防ぎ、さらには高価で大型の遮光マスクが不要となるという利点を有するものである。
しかし、上記特許公報に示される装置は、装置の小型化を可能にし、高価で大型の遮光マスクが不要となるという利点を有するものの、以下の問題点を有している。
即ち、上記特許公報に示される装置の光照射部から、光ファイバを介してシール剤にスポット光を照射する場合、図8に示すように、光ファイバから紫外線は発散して出射される。
【0017】
通常、シール剤の幅はおよそ1〜1.5mmであり、シール剤から液晶駆動素子までの距離はデザインによっても異なるが数百μm〜数mmであり、このような状態においても、液晶や液晶駆動素子等には紫外線が照射されないようにしなければならない。
しかしながら、上記特許公報に示される装置の上記スポット光は発散光であるため、そのままシール剤に対して照射したのでは、一部ではあるものの、液晶や液晶駆動素子等、シール剤以外の部分に紫外線が照射されてしまう。
【0018】
図9(a)、(b)は、それぞれディスプレイパネルとなるガラス基板の端部の一部を拡大して示した断面図および平面図である。
同図に示すように、表側(画像を見る側)のガラス基板の内面のシール剤付近にはシール剤近辺において生じ易い画像の乱れを防止するためのブラックマトリックスが配置され、裏側のガラス基板の内面のシール剤には各液晶駆動素子からの配線が横断して配置されている。
【0019】
従来は、このブラックマトリックスやシール剤が設けられる、いわゆる額縁と呼ばれる画面周辺部には余裕があり、ブラックマトリックスを設ける位置とシール剤を設ける位置とが、図9(a)に示すように重なるようなことはなく、離れて配置されていた。そのため、表側のガラス基板、即ち、ブラックマトリックスが形成されているカラーフィルタ側から紫外線をシール剤に照射してシール剤を硬化させることが可能であった。
【0020】
しかし、近年、例えば、ノートパソコンを例にとると、液晶の表示面積は大きくなり、パソコンは小さくなる傾向にある。そのため、上記額縁と呼ばれる部分の面積をどんどん小さくすることが要求され、図9(a)に示すように、ブラックマトリックスとシール剤とが重なるように設けられるようになってきた。そのため、従来のように、紫外線をブラックマトリックスが設けられている表側のガラス基板側から照射したのではシール剤を硬化させることができないため、液晶駆動素子が設けられている裏側のガラス基板側から照射することが余儀なくされる。
【0021】
しかし、この画素となる液晶駆動素子からの配線は、図9(a)、(b)に示すように、シール剤上を横断して画郭の外に延び、この配線は、例えば、約50μm幅、約100μmピッチで、本数は画素数に応じて設けられ、画郭の一部からまとめてまたは全周から広く引き出されるように設けられている。そのため、このような配線のあるシール剤に対して紫外線を配線越しに照射した場合、配線の陰の部分に紫外線を回り込ませることができず、シール剤を硬化させることは困難であった。
【0022】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、スポット光をシール剤に照射してシール剤を硬化させる際に、大型の遮光マスクを用いることなく液晶や液晶駆動素子等のシール剤以外の部分に紫外線が照射されないようにし、かつ液晶駆動素子からの配線のある基板側からシール剤に対して紫外線を配線越しに照射した場合であっても、配線の陰の部分のシール剤を硬化させることができるようにすることである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、2枚の光透過性基板間に形成された光硬化型のシール剤にスポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、前記スポット光は発散光であり、前記スポット光のシール剤が延在する方向に対して直角方向の発散を制限する光学的手段が設けられていることを特徴とする。
【0024】
第2の手段は、第1の手段において、前記光学的手段が、シリンドリカルレンズであることを特徴とする。
【0025】
第3の手段は、第1の手段において、前記光学的手段が、前記スポット光のシール剤が延在する方向に対して直角方向の発散を制限するように配置されたナイフエッジ状の端面を有する遮光板であることを特徴とする。
【0026】
第4の手段は、第1の手段ないし第3の手段のいずれか1つの手段において、前記スポット光と前記シール剤のうち、いずか一方を他方に対して相対的にシール剤が延在する方向に移動させることを特徴とする。
【0027】
第5の手段は、第1の手段ないし第4の手段のいずれか1つの手段に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置を用いて、2枚の光透過性基板間に形成された前記光硬化型のシール剤に前記スポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ方法において、前記スポット光を、駆動素子からの配線が形成されている光透過性基板側から、前記配線越しに前記シール剤に照射するようにしたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す正面断面図、図2は一部側面断面図、図3は一部斜視図である。
これらの図において、1は紫外線照射装置の光照射部、11はショートアーク型の超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の紫外線を放射するランプ、12はランプ11からの紫外線を反射して光ファイバ2の入射部23に集光する集光鏡、2は入射部23に入射した紫外線を出射部22に導く光ファイバ、21は光ファイバを構成するファイバ素線、22は光ファイバ2の出射部、31,32はディスプレイパネルとなるガラス基板であり、液晶駆動素子からの配線6が形成される裏側のガラス基板31は、光ファイバ2の出射部22に対向するように配置され、ブラックマトリックスが形成される表側の基板32は、出射部22とガラス基板31を挟んで反対側に配置される。4は光ファイバ2とガラス基板31との間に設けられるシリンドリカルレンズ、5は2枚のガラス基板31,32を貼り合わせるための紫外線硬化樹脂であるシール剤であり、光ファイバ2の出射部22から出射された紫外線がシリンドリカルレンズ4、ガラス基板31を介して照射される。6は図9(a)、(b)に示したと同様のシール剤5を横断するように配置された液晶駆動素子の配線である。
【0029】
なお、図1(b)に示される、光ファイバ出射部22を含む断面図は、シール剤5の延在する方向と直角の方向から見た断面図であり、理解を容易にするために、図1(a)に対して拡大して描かれている。また、図2はシール剤5の延在する方向から見た断面図である。
【0030】
これらの図に示すように、光ファイバ2は、出射部22においてファイバ素線21が長方形状に束ねられており、束ね方は、長方形状の枠体の中にファイバ素線21を入れて接着剤で固めたものである。ファイバ素線が束ねられた長方形の出射部22は、その長辺がシール剤5の延在する方向に一致するように配置されている。従って、出射部22の短辺の方向は、シール剤5の延在する方向と直交する。出射部22の短辺の長さは、シール剤5の幅とシール剤5から液晶までの距離に応じて異なるが、おおよそ1〜3mm程度である。出射部22の長辺の長さ方向には特に制限はない。また出射部22からガラス基板3までの距離は20〜40mm程度に設定される。またガラス基板31,32間の間隙は2〜10μm、シール剤5の幅は約1mm、シリンドリカルレンズ4によってシール剤5の延在する方向に対し、直角方向に集光または平行にされた光の幅は1〜3mm、液晶駆動素子からの配線6の幅は50μmで、100μmのピッチでガラス基板31に配設されている。なお、図1において、ファイバ素線21は多数有り、密に束ねられているが、同図においては分かり易くするために粗に示されている。
【0031】
また、図1に示すように、集光鏡12から反射されて入射角θで光ファイバ2の入射部23に入射した光は入射角θを保持した状態でファイバ素線21内を伝わり出射部22からは入射角θと同じ角度である出射角θの発散光として放射される。
また、シリンドリカルレンズ4は、図3に示すように光が入射される面は長方形状に形成されており、その長手方向は、光ファイバ2(出射部22)の長手方向およびシール剤5の延在する方向に一致するように、光ファイバ2とガラス基板3間に配置される。また、シリンドリカルレンズ4は、上記長方形に形成したファイバ素線21に対し、その断面形状のうち、凸状がファイバ素線21の短辺(幅方向)に、平行平板形状がファイバ素線21の長辺(長手方向)になるように配置される。そのため、光ファイバ2(出射部22)から出射されて、シリンドリカルレンズ4に入射した発散光のうち、シリンドリカルレンズ4の長手方向についての光の成分は発散光のまま、シール剤5の延在する方向に出射し、長手方向と直角な方向についての光の成分は発散が制限され、集光光または平行光として出射するように機能する。
【0032】
なお、スポット光の長さが、シール剤5の長さ(画郭の一辺の長さ)より短い場合は、スポット光をシール剤の延在する方向に沿って相対的に移動させる。移動機構は、特許第2908259号に記載の機構を用いることができる。
【0033】
上記のごとく、本実施形態の発明によれば、シール剤5を硬化させるための紫外線は、貼り合わせを行う裏側のガラス基板31(液晶駆動素子の配線が設けられている側)から照射するように構成されている。光照射部1で、ランプ11からの光が集光鏡12によって集光され、光ファイバ2に所定の入射角θをもって入射されると、光ファイバ2内では光の角度は維持されるので、出射部22からは出射角θの発散光が放射される。出射部22から出射された発散光は、ガラス基板31のシール剤5の延在する方向に対しては斜めに入射する光の成分を有することとなり、配線6と配線6との間から光が斜めに入射することが可能となり、配線6下のシール剤5を硬化することが可能となる。
【0034】
なお、図1に示されていないが、表側の基板32にブラックマトリックスが形成され、該ブラックマトリックスがシール剤5と重なっていたとしても、紫外線は表側の基板32の反対側から照射されるので、ブラックマトリックスにより照射は妨げられることはなく、シール剤を硬化することができる。
【0035】
さらに、本実施形態の発明によれば、ファイバ素線21が長方形状に束ねられ、その長辺がシール剤5の延在する方向に一致するように配置されることにより、光ファイバ2から出射するスポット光の形状は、長方形状となり、シール剤5の延在する方向に広い面積に亘ってシール剤5を照射することが可能であるが、出射部22がガラス基板31との間にシリンドリカルレンズ4が設けられていることにより、シール剤5の延在する方向に対しては、光の発散する性質は保たれるが、シール剤5の幅方向への発散は制限されるため、液晶等、シール剤5以外の部分への照射を防止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の発明によれば、光ファイバ2(出射部22)から放射される長方形状のスポット光は、シール剤5の延在する方向に細長く放射するように構成されるので、スポット光をシール剤5の延在する方向に移動させることにより、ディスプレイパネルの画郭に設けたシール剤5を全周に亘って紫外線照射を迅速に行い、シール剤を硬化させて2枚のガラス基板31,32を貼り合わせることができる。
【0037】
図4は、第2の実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す斜視図である。
同図において、1a、1b、1cは光照射部、7は複数の光照射部1a〜1cからの光を取り出し、第1実施形態に示した長方形状の出射部22よりも長い出射部を有するように構成された光ファイバ、72は光ファイバの7の出射部である。
【0038】
なお、各光照射部1a〜1cはそれぞれが図1に示すような光照射部1と同様に構成されるが、各光照射部1a〜1cに設けられる各ランプから放射される光量は同一とは限らないので、図示されていないが、各光照射部1a〜1cの光ファイバ7内に配設されるファイバ素線は、出射部72の長手方向全体に亘ってランダムに分散配置される。その結果、出射部72から出射される光の照度分布をほぼ均一にすることができる。
なお、その他の構成は、図1ないし図3に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
【0039】
本実施形態の発明は、第1の実施形態の発明と同様の作用効果を奏すると共に、さらに本実施形態の発明によれば、光ファイバ7を上記のように構成することにより、1個の光照射部では光量が足りない場合においても、複数個の光照射部1a〜1cを用いることにより光量を増大させて高出力化できると共に、第1の実施形態のものと比べて、長方形状の出射部72をシール剤5の延在する方向により一層長くすることができるので、タクト(ディスプレイパネル1枚当たりの処理時間)をより一層速めることが可能となる。
【0040】
本発明の第3の実施形態を図5(a)、(b)を用いて説明する。
図5(a)は、本実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す斜視図、図5(b)は一部側面断面図である。
これらの図において、8はシール剤が延在する方向に対して直角方向に発散するスポット光の発散する角度範囲を制限するように配置されたナイフエッジ状の端面を有する遮光板であり、光ファイバ2(出射部22)の長手方向側面に取り付けられるように配置される。また、これらの図においては、遮光板8を出射部22の片側にのみ設けるように構成したが、隣の画郭が近接しているような場合には、両側に設けるようにしてもよい。
なお、その他の構成は図1ないし図3に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
【0041】
本実施形態の発明によれば、第1の実施形態のものと同様に、光ファイバ2から出射するスポット光の形状は、長辺がシール剤5の延在する方向に一致する長方形状となるが、光ファイバ2(出射部22)の長手方向側面に遮光板8が設けられているので、シール剤5の延在する方向への発散光は制限されないが、シール剤5の延在する方向と直角な方向への発散光は光の発散する角度範囲が制限されて出射される。
【0042】
即ち、遮光板8は、シール剤5の延在する方向へ発散する光には影響を与えないので、第1の実施形態の場合と同様に、配線6と配線6との間から発散光を斜めに入射させることができるので、配線6下のシール剤5を硬化することができ、また、シール剤5の幅方向への発散光は制限されるので、液晶等、シール剤以外の部分が照射されることを防止することができる。
【0043】
なお、上記の各実施形態では、シール剤の延在する方向にスポット光を移動させてシール剤に紫外線を照射し、光硬化する場合について説明したが、スポット光側を固定して、ガラス基板側をシール剤の延在する方向に沿って移動させてシール剤に紫外線を照射し光硬化するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、2枚の光透過性基板間に形成された光硬化型のシール剤にスポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、前記スポット光は発散光であり、前記スポット光のシール剤が延在する方向に対して直角方向の発散を制限する光学的手段を設けるようにしたので、シール剤に紫外線を照射してシール剤を硬化させるに際し、大型の遮光マスクを用いることなく、液晶や液晶駆動素子等のシール剤以外の部分に紫外線が照射されることを防止することができる。また、液晶駆動素子からの配線のある基盤側からシール剤に対して紫外線を配線越しに照射した場合であっても、配線の陰の部分のシール剤を硬化させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記光学的手段として、シリンドリカルレンズを用いたので、高い光の利用効率で容易にシール剤以外の液晶部分等に紫外線が照射しないようにして、シール剤を硬化させることができる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、前記光学的手段として、シール剤が延在する方向に対して直角方向に発散するスポット光を制限するように配置されたナイフエッジ状の端面を有する遮光板を用いたので、簡便な構成でシール剤以外の液晶部分等に紫外線が照射しないようにして、シール剤を硬化させることができる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、前記スポット光と前記シール剤のうち、いずか一方を他方に対して相対的にシール剤が延在する方向に移動させるようにしたので、シール剤の延在する方向の、スポット光の照射幅(範囲)より、画郭を形成するシール剤の一辺の方が長い場合であっても、スポット光とシール剤を相対的に移動させることにより、シール剤に紫外線を照射して硬化することができる。
【0047】
また、シール剤以外の液晶部分等に紫外線を照射することなく、画郭を形成するシール剤の全周に亘って紫外線を照射し、ディスプレイパネルを貼り合わせることができる。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1つの請求項に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置を用いて、2枚の光透過性基板間に形成された前記光硬化型のシール剤に前記スポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ方法において、前記スポット光を、駆動素子からの配線が形成されている光透過性基板側から、前記配線越しに前記シール剤に照射するようにしたので、配線の陰の部分のシール剤を硬化させることができる。また、大型の遮光マスクを用いることなく、液晶や液晶駆動素子等のシール剤以外の部分に紫外線が照射されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す正面断面図である。
【図2】第1の実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す側面断面図である。
【図3】第1の実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す斜視図である。
【図4】第2の施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す斜視図である。
【図5】第3の実施形態の発明に係る紫外線照射装置の構成の一部を示す斜視図および側面断面図である。
【図6】ガラス基板上にシール剤を塗布した状態を示す平面図である。
【図7】紫外線硬化樹脂であるシール剤による囲み(画郭)が形成されたガラス基板(光透過性基板)を示す平面図である。
【図8】光照射部から光ファイバを介してシール剤上にスポット光を照射する紫外線照射装置を示す斜視図である。
【図9】ディスプレイパネルとなるガラス基板の端部の一部を拡大して示した断面図および平面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 光照射部
11 ランプ
12 集光鏡
2,7 光ファイバ
21 ファイバ素線
22,72 出射部
31,32 ガラス基板
4 シリンドリカルレンズ
5 シール剤
6 配線
8 遮光板
Claims (5)
- 2枚の光透過性基板間に形成された光硬化型のシール剤にスポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置において、
前記スポット光は発散光であり、前記スポット光のシール剤が延在する方向に対して直角方向の発散を制限する光学的手段が設けられていることを特徴とするディスプレイパネルの貼り合わせ装置。 - 前記光学的手段が、シリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置。
- 前記光学的手段が、前記スポット光のシール剤が延在する方向に対して直角方向の発散を制限するように配置されたナイフエッジ状の端面を有する遮光板であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置。
- 前記スポット光と前記シール剤のうち、いずか一方を他方に対して相対的にシール剤が延在する方向に移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1つの請求項に記載のディスプレイパネルの貼り合わせ装置を用いて、2枚の光透過性基板間に形成された前記光硬化型のシール剤に前記スポット光を照射して光透過性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ方法において、
前記スポット光を、駆動素子からの配線が形成されている光透過性基板側から、前記配線越しに前記シール剤に照射するようにしたことを特徴とするディスプレイパネルの貼り合わせ方法。
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- 2002-09-05 JP JP2002260664A patent/JP2004101660A/ja active Pending
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