JP4148004B2 - 電子写真方式による記録に適した積層耐水紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、紙基材の両面に熱可塑性樹脂からなる層が積層された、電子写真方式による記録に適した積層耐水紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真方式による記録はごく一般的に行われている。この方式は、帯電した潜像トナーの転写によって、被複写物の文字・画像等を記録シートに複写するもので、プレーンペーパーコピー機(PPC機)やレーザービームプリンター(LBP)などが、この方式の記録装置として使用される。
【0003】
このような電子写真用の記録シートには、通常、紙が用いられるが、耐水性が要求される場合には、いわゆる合成紙や積層紙が用いられる。これらのうち積層紙は、紙基材に熱可塑性樹脂を積層したもので、例えば、紙基材の片面又は両面に押出しラミネ−ション法や共押出しラミネーション法によって熱可塑性樹脂を積層することにより製造される。
【0004】
【特許文献1】
特許第2763011号(第1頁、請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記電子写真方式では、潜像トナーを記録シートに転写して熱融着により固定する際、記録シートを約200℃の熱ロール間に通すことから、記録シートとして紙ベースのものを用いた場合には、このときの加熱により紙中水分が蒸発する。ところが、紙基材の両面に熱可塑性樹脂を積層した積層紙を用いた場合には、熱可塑性樹脂層により蒸発した水分の逃げ場が遮られてしまうため、これらが紙基材表面に積層された熱可塑性樹脂を押上げてしまい、本来、全面にわたって剥離不能に接着していなければならない紙基材と熱可塑性樹脂層との間に、ブリスターと呼ばれる部分的な空隙(非接着部分)を生じることがあった。
【0006】
また、耐水性の電子写真用記録シートの主な用途の一つに、コンビニエンスストアーやスーパーにおける商品のPOP(Point Of Purchase)があるが、この用途においては、何よりも美麗性が重要視される。ところが、積層紙を用いて電子写真方式により記録を行った場合には、積層紙が熱ロール間を通る際に表面熱可塑性樹脂が軟化し、この軟化した樹脂に熱ロールの面調が転写されて積層紙の表面性が悪化し、美麗性が損なわれることがあった。
【0007】
本願発明は以上を踏まえ、紙基材の両面に熱可塑性樹脂を積層した積層紙を用いながら、電子写真方式による記録の際にブリスターの発生がなく、しかも、その記録の前後で表面性の悪化がない、積層耐水紙を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本願発明者らは鋭意研究の結果、紙基材両面に接する層を形成する主たる樹脂としてシングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(SS−LLDPE)を選択し、積層耐水紙最外層の少なくとも一方を形成する主たる樹脂として融点又はガラス転移点が200℃以上のポリエチレンテレフタレートを選択することにより、上記課題が解決されることを見出し、本願発明を完成した。
即ち、本願発明は、紙基材の両面に1以上の熱可塑性樹脂からなる層が積層された積層耐水紙であって、紙基材の両面に、この紙基材に接してシングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレンからなる層が積層され、かつ、少なくとも一方の最外層に融点又はガラス転移点が200℃以上のポリエチレンテレフタレートからなる層が積層されており、その最外層を記録面とすること特徴とする、積層耐水紙に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明を詳細に説明する。
【0010】
本願発明において紙基材とは、植物繊維又は植物繊維とその他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したものを言う。このような紙基材であれば、何であれ本願発明に使用することができるが、出来上がりの積層耐水紙に高光沢性を付与する場合は、紙基材として、できるだけ平滑な紙、例えば上質紙、コート紙等の使用が好ましい。
【0011】
本願発明の積層耐水紙は、この紙基材の両面に、これに接するようにしてSS−LLDPEからなる層(以下、単にSS−LLDPE層という。)を積層したものである。
【0012】
SS−LLDPEは、活性点が均一なシングルサイト系触媒により合成されるため、汎用されるチーグラー触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と比べ、シャープな分子量分布を示す。シングルサイト系触媒の代表的なものとしては、メタロセン系触媒を挙げることができる。これは、2個のシクロペンタジエン環に、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン又はタングステン等の遷移金属原子が、サンドイッチ状に挟まれた構造を有する触媒である。なお、シングルサイト系触媒を用いたLLDPEの合成は、気相法、高圧法、溶液法のいずれの方法で行っても構わない。
【0013】
SS−LLDPE層の厚さは5μm以上、殊に5〜15μmの範囲内であることが好ましい。SS−LLDPE層の厚さが5μm未満であると、紙基材との接着性が低下し、ブリスターの発生を十分に抑制できなくなる。また、SS−LLDPE層の厚さが15μmを超えると、出来上がりの積層耐水紙において、電子写真方式による記録後の表面性低下が起こりやすくなる。SS−LLDPEは融点が低いため、電子写真方式による記録の際に加熱されて軟化するが、このとき、SS−LLDPE層の厚さが厚いと、たとえ積層耐水紙の最外層等は軟化しなくとも、積層耐水紙全体として軟化したような状態となって変形しやすくなるからである。
【0014】
本願発明の積層耐水紙は、更に、その少なくとも一方の最外層に融点又はガラス転移点が200℃以上のポリエチレンテレフタレートからなる層(以下、単にPET層という。)を積層したものである。
【0015】
融点又はガラス転移点が200℃以上のポリエチレンテレフタレート(PET)、この中でも、押出し加工に適したグレードのPETは、加工性及び耐熱性の観点から、本願発明の積層耐水紙最外層を形成する樹脂として好ましい。
【0016】
最外層に積層するPET層の厚さは、5〜30μmの範囲にあることが好ましい。電子写真方式による記録の際の加熱によって、たとえこの最外層は軟化しなくとも、下層に位置するSS−LLDPE層等は軟化する。このPET層の厚さが5μm未満であると、軟化した下層の影響を受けやすくなり、出来上がりの積層耐水紙において、電子写真方式による記録後の表面性低下が起こりやすくなる。一方、このPET層の厚さが30μm程度あれば、本願発明の効果は十分に達成できる。従って、これを超える厚さのPET層を設けることは、経済的に引き合わない。
【0017】
本願発明においては、SS−LLDPE層及びPET層以外に1層以上の他の熱可塑性樹脂からなる層(以下、単に他の熱可塑性樹脂層と言う。)が積層されていても構わない。従って、本願発明の電子写真用積層耐水紙は、SS−LLDPE層/紙基材/SS−LLDPE層/PET層といった最も単純なものの他、例えば、他の熱可塑性樹脂層/SS−LLDPE層/紙基材/SS−LLDPE層/PET層、他の熱可塑性樹脂層/SS−LLDPE層/紙基材/SS−LLDPE層/他の熱可塑性樹脂層/PET層、SS−LLDPE層/紙基材/SS−LLDPE層/他の熱可塑性樹脂層/PET層という積層構成を採ることができる。なお、他の熱可塑性樹脂層同士が2層以上積層されていても構わない。また、他の熱可塑性樹脂層が紙基材の両方の面に存在している場合には、これを形成する熱可塑性樹脂の種類や、これら他の熱可塑性樹脂層の積層順序は、一方の面と他方の面とで同一であっても異なっていても構わない。
【0018】
本願発明の積層耐水紙最外層には、不透明性、筆記性等を持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料を配合することもできる。もっとも、無機填量の配合は、積層耐水紙の表面性を悪化させる原因ともなるため、配合量は、これが配合される最外層に対して25重量%以下、できれば15重量%以下とすることが好ましい。
【0019】
また、電子写真方式による記録に積層耐水紙を用いる場合には、特に帯電防止を図る必要がある。このため、本願発明の積層耐水紙においても、少なくとも、その最外層となる樹脂層に公知の帯電防止剤を添加又は塗工することが好ましい。帯電防止剤の塗工方法としては、公知の塗工方式のいずれでも採用することができる。
【0020】
本願発明の積層耐水紙において、紙基材、SS−LLDPE層及び他の熱可塑性樹脂層には、上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、紙基材にはサイズ剤、無機填料(酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等)を、SS−LLDPE層、他の熱可塑性樹脂層及びポリエステル層には耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、接着性向上剤など、一般的に使用される添加剤や塗工剤を使用することができる。
【0021】
本願発明の積層耐水紙は、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて、紙基材にSS−LLDPE層、ポリエステル層、他の熱可塑性樹脂層を積層し、製造することができる。前記したように、不透明性等を目的として酸化チタン等の無機填料を最外層を形成する樹脂に配合すると、ラミネーション加工性は悪化するが、かかる場合には、この無機填料が配合された樹脂を、無機填料を含まない樹脂と共に共押出しラミネートすれば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のトラブルの発生を押さえて、安定的にラミネーションを行うことができる。
【0022】
また、本願発明の積層耐水紙に高光沢な面調が必要とされる場合には、押出しラミネーションや共押出しラミネーションにあたり、溶融した樹脂と接するクーリングロールとして周面を鏡面仕上げとしたものを用い、さらに、クーリングロールと対向するニップロールとして硬度の大きいものを用いて、高い線圧で樹脂と紙基材等との押圧・圧着を行えば+、積層された樹脂表面を高光沢とすることができる。この目的のため、ニップロールとしては硬度80度(JIS K−6253)以上のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧・圧着を行うことが好ましい。なお、ここで高光沢とは、JIS P−8142に準じて測定を行った場合に、光沢度75%以上を示すことをいう。
【0023】
本願発明の積層耐水紙を電子写真方式による記録に用いる場合には、PET層が最外層をなしている面を記録面とすればよい。この最外層は、電子写真方式による記録の前後で表面性が悪化しないため、美麗な表面調が維持されたまま記録が行われる。また、本願発明の積層耐水紙は、電子写真方式による記録の前後で表面光沢度の低下が5%以下である。従って、高光沢の面調が与えられた製品は、電子写真方式による記録の後も高光沢を維持することができる。
【0024】
【作用】
本願発明者らは、紙基材の両面に熱可塑性樹脂が積層された積層耐水紙を、PPC機やLBPによる記録に用いた場合に発生するブリスターは、積層耐水紙が加熱される際に生ずる紙基材中の蒸発水分が、この紙基材に積層された熱可塑性樹脂層によって逃げ場を遮られてしまうために起こることを見出した。
【0025】
そこで本願発明においては、紙基材両面と接する層を、主としてSS−LLDPEにより形成する。SS−LLDPEは軟化しやすいが、電子写真方式による記録時に加えられる程度の温度では、軟化しても高い粘度を保ち続ける。しかも、SS−LLDPEは紙基材との接着性が極めて強い。従って、このとき紙基材から水分が気化しても、その上面を塞いでいる軟化したSS−LLDPEを容易に押し上げることができない。
【0026】
更に、本願発明においては、少なくとも一方の積層耐水紙最外層を、主としてPETにより形成する。PETは耐熱性が高く、電子写真方式による記録時に軟化しないため、PPC機やLBPの熱ロールの面調が転写されてその表面性が悪化することはない。
【0027】
また、本願発明の積層耐水紙は、クーリングロールとして周面を鏡面仕上げとしたものを用いて押出しラミネーションや共押出しラミネーションを行うことにより、その表面を高光沢とすることができる。紙基材は、植物繊維等が複雑に絡み合って構成しているため、その表面には微小な凹凸が無数に存在し、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によりこの紙基材に熱可塑性樹脂を積層して積層耐水紙を製造する場合、紙基材表面に薄い膜状に押出された溶融樹脂は、通常、その表面の凹凸に追従して積層されてしまう。従って、積層耐水紙の表面を高光沢とすることは、これまでかなり困難であった。
【0028】
しかし、本願発明において紙基材に接して積層するSS−LLDPEは、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によって紙基材に積層しても、紙基材の凹凸、特に凹部にはあまり追従しないでSS−LLDPE層を形成するため、高光沢な表面を有する積層耐水紙が得られることとなる。しかも、本願発明においては、積層耐水紙最外層を主としてPETにより形成するため、電子写真方式による記録の前後で表面性が悪化することはなく、光沢が損なわれることもない。
【0029】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例に基づいて説明する。
【0030】
なお、実施例及び比較例において、表面性及びブリスター発生状況の評価は、以下のようにして行った。
【0031】
表面性の評価
富士ゼロックス社製カラーレーザービームプリンター ドキュプリントC3530を使用してA3サイズのサンプル100枚を印字し、各サンプルの印字面について印字前と印字後の75°光沢度をJIS P−8142に準じて測定し、光沢度低下率の平均値を算出して、この値を表面性の評価に用いた。
【0032】
即ち、ここで算出される値が大きければ大きい程、そのサンプルは、電子写真方式による記録の際に、表面性が悪化することとなる。
【0033】
ブリスター発生状況の評価
富士ゼロックス社製カラーレーザービームプリンター ドキュプリントC3530を使用してA3サイズのサンプル100枚を印字した後、これら100枚について、印字面に発生したブリスターの総数を目視にてカウントし、この値をブリスター発生状況の評価に用いた。
【0034】
[実施例1]
酸化チタン15重量%を添加混合した溶融PET(融点250℃、三井デュポン・ポリケミカル社製『シーラーPT』)と、溶融接着性樹脂(変性ポリオレフィン系)を、溶融SS−LLDPE(日本ポリオレフィン(株)製『ハーモレックスNH725N』)と共に、坪量157g/m2の上質紙の一方の面に、上質紙側からSS−LLDPE、接着性樹脂、PETの順で積層されるように、Tダイを用いて押出温度300℃にて3層共押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂と上質紙とを、周面を鏡面仕上げとしたクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着した。
【0035】
また、上質紙の他方の面には、酸化チタン15重量%を添加混合した溶融ホモポリプロピレン(MFR23g/10分、密度0.91g/cm3)を、溶融SS−LLDPE(日本ポリオレフィン(株)製『ハーモレックスNH725N』)と共に、SS−LLDPEが上質紙側に位置するように、Tダイを用いて押出温度300℃にて2層共押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂と上質紙とを、マット仕上げのクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、本願発明の積層耐水紙を得た。
【0036】
即ち、この積層耐水紙は、酸化チタン含有PET層(15μm)/接着性樹脂層(3μm)/SS−LLDPE層(7μm)/上質紙/SS−LLDPE層(10μm)/酸化チタン含有ホモポリプロピレン(ホモPP)層(10μm)という積層構成を有する。
【0037】
得られた積層耐水紙の両側の最外層に、帯電防止剤をグラビアコーターにて塗工した後、酸化チタン含有PET層を印字面として、表面性とブリスターの発生状況を評価した。
【0038】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた積層耐水紙は、LBPによる印字前の光沢度が95%と極めて高く、しかも、印字後の光沢度低下がわずか1.5%であった。また、LBP印字後もブリスターの発生は全く観察されなかった。
【0039】
[比較例1]
上質紙の両面に、酸化チタン15重量%を添加混合した溶融ホモPP(MFR23g/10分、密度0.91g/cm3)を押出しラミネーションにより積層した以外は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0040】
即ち、この積層耐水紙は、酸化チタン含有ホモPP層(20μm)/上質紙/酸化チタン含有ホモPP層(20μm)という積層構成を有する。
【0041】
得られた積層耐水紙の両方の酸化チタン含有ホモPP層に、帯電防止剤をグラビアコーターにて塗工した後、一方の酸化チタン含有ホモPP層を印字面として、表面性とブリスターの発生状況を評価した。
【0042】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた積層耐水紙のLBP印字前の光沢度は85%であったが、印字後はこれが10.0%も低下した。また、LBP印字後は、サンプル1枚当たり117個のブリスターが発生した。
【0043】
[比較例2]
上質紙の両面に、酸化チタン15重量%を添加混合した溶融ホモPP(MFR23g/10分、密度0.91g/cm3)を、溶融SS−LLDPE(日本ポリオレフィン(株)製『ハーモレックスNH725N』)と共に、SS−LLDPEが上質紙側に位置するように、2層共押出しラミネーションにより積層した以外は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0044】
即ち、この積層耐水紙は、酸化チタン含有ホモPP層(10μm)/SS−LLDPE層(10μm)/上質紙/SS−LLDPE層(10μm)/酸化チタン含有ホモPP層(10μm)という積層構成を有する。
【0045】
得られた積層耐水紙の両方の酸化チタン含有ホモPP層に、帯電防止剤をグラビアコーターにて塗工した後、一方の酸化チタン含有ホモPP層を印字面として、表面性とブリスターの発生状況を評価した。
【0046】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた積層耐水紙のLBP印字前の光沢度は85%であったが、印字後はこれが10.0%も低下した。なお、ブリスターの発生は、LBP印字後も全く観察されなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本願発明によれば、紙基材の両面に熱可塑性樹脂を積層した積層耐水紙でありながら、電子写真方式による記録の際にブリスターの発生がなく、しかも、その記録の前後で表面性の悪化がない、積層耐水紙を得ることができる。
【0049】
従って、本願発明によれば、電子写真方式による記録に適しており、美麗な印字面が得られる、耐水性を備えた記録紙を得ることができる。
Claims (2)
- 紙基材の両面に1以上の熱可塑性樹脂からなる層が積層された積層耐水紙であって、紙基材の両面に、この紙基材に接してシングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレンからなる層が積層され、かつ、少なくとも一方の最外層に融点又はガラス転移点が200℃以上のポリエチレンテレフタレートからなる層が積層されており、その最外層を記録面とすること特徴とする、電子写真方式用積層耐水紙。
- 電子写真方式による記録後の光沢度が、JIS P−8142に準じた測定法により光沢度75%以上を示すことを特徴とする、請求項1に記載の積層耐水紙。
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