JP2006095917A - 積層シート - Google Patents

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Yuji Kohama
裕司 小濱
Masaaki Fukunaga
正明 福永
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Minchiro Kaneyuki
民治郎 兼行
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Abstract

【課題】印刷後も高光沢を保持し美麗性に優れ、かつヒートロールとの剥離性、用紙搬送性に優れた耐水性の積層シートを提供する。
【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に1以上の熱可塑性樹脂からなる層が積層された積層シートであって、熱可塑性樹脂層の表面にバインダーと平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含有する塗工層を設けた積層シート。
【選択図】なし

Description

本願発明は、基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂からなる層が積層された、高光沢かつ美麗性に優れた積層シートに関する。特に、電子写真方式による記録に適した積層シートに関する。
現在、電子写真方式による記録はごく一般的に行われている。この方式は、帯電した潜像トナーの転写によって、被複写物の文字・画像等を記録シートに複写するもので、プレーンペーパーコピー機(PPC機)やレーザービームプリンター(LBP)などが、この方式の記録装置として使用される。
このような電子写真用の記録シートには、通常紙が用いられるが、耐水性が要求される場合には、いわゆる合成紙や積層紙が用いられる。これらのうち、100%熱可塑性樹脂を使用した合成紙では、熱寸法安定性が劣り、印刷時に加えられる熱によって用紙が変形するといった課題を有している。
本出願人は、紙基材に熱可塑性樹脂を積層したものとして、例えば特許文献1を提案している。紙基材の片面又は両面に押出しラミネ−ション法や共押出しラミネーション法によって熱可塑性樹脂を積層することにより製造される物であり、その構成中に熱に対する寸法安定性に優れた紙を使用することで印刷時の熱変形が無いといった特徴を有している。この積層紙は、通常、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によって製造される。即ち、巻取りロールから繰出された紙基材層の表面に、Tダイ製膜機から溶融した熱可塑性樹脂を押出し、又は、2種以上の熱可塑性樹脂を共押出しし、クーリングロールとニップロール間で直ちに、紙基材層とこの(これらの)熱可塑性樹脂層を押圧・圧着して積層することにより製造される。
こうした積層紙は、耐水性、電子写真印刷時に加えられる熱に対して寸法安定性が良好である、ひいては耐候性を有しながら比較的安価で、廃棄処理も容易であるという優れた特性をもつことから、オンデマンド印刷を利用したコンビニエンスストアーやスーパーなど商品のPOP(Point Of Purchase)や値札、冷蔵ケースの値札、屋外用途の値札などが用途の一つとなっている。これらの用途においては、耐水性はもちろん、印刷適性や記録適性、また美麗性等が求められる。
本出願人は、耐水シートとして、特許文献2(特開2003-103714号公報)を提案している。この文献に開示した発明は、数平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含む塗工層を設け、印刷時に高分子シリコーンが表面にブリードしてインキ表面に耐摩擦性を付与できる機能を付与し、高品質の印刷面を実現するものである。
一方、トナーを高温で定着する電子写真方式では、潜像トナーを記録用紙に転写して熱融着により固定する際、記録用紙の塗工層表面が約200℃のヒートロール間を通りダメージを受ける。更に、ヒートロールから用紙表面に離型オイルが転移し、用紙表面と離型オイルとのなじみが悪い場合、離型オイルは用紙表面上で微細な油滴状となって用紙の光沢度が低下する問題を発見した。
特許第2763011号公報 特開2003-103714号公報
商品のPOP等においては、何よりも美麗性が重要視される。このため、かかる用途においては、高光沢な面調が好まれる傾向にある。上記積層紙においては、溶融した熱可塑性樹脂と紙基材とを圧着する際に、周面を鏡面仕上げとしたクーリングロールを用いることで、この鏡面を熱可塑性樹脂表面に転写し、このような高光沢を付与している。
一方、多くの電子写真方式による複写機やレーザープリンターでは、約160℃〜190℃のヒートロール等が定着機となっており、これへのトナー付着防止のため、離型オイルをヒートロールに塗布する機構を採用している。こういった装置を用いて上記の光沢性の積層シートを用紙としてを印刷した場合、高熱により用紙表面が変化するのに加えて、離型オイルがヒートロールを介して用紙表面に移行するため、印刷後に光沢度が大きく低下するという課題を有している。
また、近年トナーへ剥離オイルを含有させることにより、ヒートロール等の定着機へのトナー付着を防止した機構を採用するプリンターも存在している。こういったプリンターを使用して高光沢かつ高平滑な面調の用紙を印刷する場合、通常の用紙を印刷する場合に比較して用紙表面とヒートロール表面との密着性が高くなるため、用紙がヒートロールから剥離せずに巻きこまれ、用紙ジャムを発生する危険性が高くなる、用紙間の摩擦係数が高くなり、重送が発生し易いといった課題を有している。
本願発明は、かかる問題点を踏まえ、印刷後も高光沢を保持し美麗性に優れ、かつヒートロールとの剥離性、用紙搬送性に優れた積層シートを提供することを目的とする。
本願発明者らは鋭意研究の結果、積層シート表面に塗工するトナー定着層中にシリコーンを配合することで上記課題が解決されることを見出し、本願発明を完成した。
本出願の発明の主な課題解決手段は次のとおりである。
(1)基材の少なくとも一方の面に1以上の熱可塑性樹脂からなる層が積層された積層シートであって、熱可塑性樹脂層の表面にバインダーと平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含有する塗工層を設けたことを特徴とする積層シート。
(2)バインダー成分として、少なくとも80℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と、50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)とを含有する塗工層を設けたことを特徴とする(1)記載の積層シート。
(3)バインダーに対して平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを固形分割合で5重量%以下含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の積層シート。
(4)高分子シリコーンがポリアルキルシロキサンであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の積層シート。
(5)ISO 8254−1 75度光沢度が80%以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の積層シート。
(6)電子写真方式用記録シートである(1)〜(5)のいずれかに記載の積層シート。
本願発明によれば、ヒートロール等の定着機へのトナー付着防止のため、離型オイルをヒートロールに塗布する機構を採用している電子写真方式による複写機やレーザープリンターで印刷しても、美麗な仕上がりとなる。従って、本願発明の積層シートはポスターの他、高光沢で美麗性が求められる様々な用途に適した、実用的価値の非常に高いものであり、主な効果は次のとおり。
印刷後の光沢低下を防止して高光沢性を維持できる。
印刷時にヒートロールなどへの巻き付きが発生せず、印刷時のトラブル発生が低い。
印刷仕上がりの良い耐水紙を提供できる。
屋外や水がかかりやすい場所での表示用用紙として適している。
高Tgと低Tgを混合した塗工層バインダーとして用いることにより、トナーの定着性、トナーブロッキングが低減する。
塗工層にTgの異なるバインダーと高分子シリコーンを添加することにより、高光沢でトナーの定着性を高めた高品質な耐水紙をトラブル無く印刷できる。
本発明は、用紙表面に高分子シリコーンを含有する塗工層を設けることで、離型オイルと用紙表面のなじみが良化し、離型オイルは薄い膜状に用紙表面に広がるため、印刷後の光沢の低下が抑制される作用を効果的に利用し、更に、その効果的な配合量を特定し、特定のバインダーと組み合わせることにより、トナーの定着性を高め、高光沢を維持した高品質の耐水性紙を提供するものである。
特に、電子写真方式では、潜像トナーを記録用紙に転写して熱融着により固定する際、記録用紙を約200℃のヒートロール間に通すことから、その際の熱により塗工層表面がダメージを受け、このヒートロールから用紙表面に離型オイルが転移し、用紙表面と離型オイルとのなじみが悪い場合、離型オイルは用紙表面上で微細な油滴状になるため、用紙の光沢度が低下するが、本発明は、用紙表面に高分子シリコーンを含有する塗工層を設けることで、離型オイルと用紙表面のなじみを良化し、離型オイルを薄い膜状に用紙表面に広げて、印刷後の光沢の低下を抑制するものである。さらに、高分子シリコーンの配合によりヒートロールとの剥離性を向上させ、用紙搬送性も改善させるものである。
また、本発明では、塗工層のバインダー成分として、少なくとも80℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と、50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)とを含有する塗工層を設け、塗工層の成膜性とトナーの定着性を良好にし、印字後のトナーブロッキングを改善する。高Tgのエマルジョンのみでは、塗工層の成膜性、トナーの定着性に問題があり、低温で溶融するエマルジョンの方が造膜しやすく、また、硬い塗工層よりも軟らかい塗工層の方がトナーと密着性が良いが、低Tgのエマルジョンのみでは、塗工層がベタついて他のシートに貼り付く保存時のブロッキングの原因となり、印刷後のトナーブロッキングの原因ともなる。本発明ではTgの異なる2種を併用することで、これらの問題を解決するものである。
[基材]
本発明に使用される基材としては、上質紙、再生紙、コート紙(塗工紙)等の紙基材、合成紙、フィルム等を挙げることができる。望ましくは、銀塩写真調の面感を与えることからコート紙、特にキャストコート紙であることが好ましい。上質紙、あるいはコート紙の原紙の原料としては、特にパルプの種類等に制限はなくLBKP、NBKP、メカニカルパルプ等の木材繊維を主体に、必要に応じてコットンリンター、ケナフ、麻、竹等の非木材繊維、オレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、ガラス、ロックウール等の無機繊維が使用可能である。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機填料や、必要に応じて内添、外添工程にて定着剤、顔料、染料、サイズ剤、紙力向上剤等を添加して、従来公知の製造方法に従い製造される。
コート紙は、一般に原紙上にバインダーと有機又は無機顔料とを主体として含有する塗工層を設けたものであり、各種方式による印刷用紙や記録用紙として広く用いられている。コート紙の製造方法も公知であり、通常使用されている種類の材料及び装置が適宜使用される。例えば、バインダーとしてはポリビニルアルコール、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などやその誘導体等を挙げることができる。顔料はカオリン、焼成クレー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ等が挙げられる。これらのバインダー、顔料、その他必要に応じて各種の添加剤を水系で分散させ塗工液を調製し、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて、原紙の表面に塗工することにより塗工層を設ける。
中でもキャストコート紙は、湿潤状態にある塗工層を加熱した鏡面の金属ドラムに押し当てて乾燥させ、平滑な表面を得た紙であり、次のような製法により製造された紙である。塗工液が塗工された紙は、乾燥設備を通らず、塗工面側をキャストドラムに押し当てられる。キャストドラムに押し当てられると、塗工液中の水分は紙の裏側から蒸発する。一方、キャストドラムは鏡面ドラムからなっており、キャストドラムに押し当てられた側の面(塗工面)は、高い光沢を有するようになる。このようにして製造される直接法の他に塗工面の塗液を凝固液でゲル化させた後にキャストドラムに押し当てる凝固法、一度乾燥させた塗工面を再度湿潤させた後にキャストドラムに押し当てるリウェット法があるが、いずれの製法で得られたキャストコート紙でも本発明の支持体として使用可能である。
本発明で用いられるこれらの支持体は、市販のものを利用することができる。
[熱可塑性樹脂層]
本願発明の積層シートは、上記のような基材の表面に、熱可塑性樹脂を積層したものである。
使用可能な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂であれば良い。これら熱可塑性樹脂は単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用しても良く、最外層となる層には、不透明性を持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料を配合することもできる。もっとも、無機填料の配合は、積層シートの表面性を悪化させる原因ともなるため、配合量は、これが配合される最外層に対して25重量%以下、できれば15重量%以下とすることが好ましい。また、紙基材や操業条件等により紙基材との接着性が不良な場合には、紙基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能であり、また最外層あるいは他の層に使用する熱可塑性樹脂と接着性樹脂を共押出しラミネーションすることも可能である。接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用される。
また、押出しラミネーションや共押出しラミネーションにあたり、溶融した樹脂と接するクーリングロールとして周面を鏡面仕上げとしたものを用い、さらに、ニップロールとして硬度の大きいものを用いて、高い線圧で樹脂と紙基材等との押圧・圧着を行うことで、積層された樹脂表面を高光沢とすることができる。この目的のため、ニップロールとしては硬度80度(JIS K−6253)以上のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧・圧着を行うことが好ましい。
また、電子写真方式による記録にこの積層シートを用いる場合には、その印刷機構上、トナーを用紙に加熱融着させることから、その際に積層した熱可塑性樹脂が変形することとを防ぐため、180℃以上程度と高い融点を有するポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等を使用することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂層には、上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加することができる。例えば、これらの添加剤として、帯電防止剤、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、接着性向上剤など、一般的に使用される添加剤を使用することができる。
[熱可塑性樹脂層の形成]
本願発明の積層シートは、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて、紙基材に熱可塑性樹脂層を積層し、製造することができる。熱可塑性樹脂層の厚みとしては10〜30μm程度である。前記したように、不透明性等を目的として酸化チタン等の無機填料を、最外層を形成する樹脂に配合するとラミネーション加工性は悪化するが、かかる場合には、この無機填料が配合された樹脂を、無機填料を含まない樹脂と共に共押出しラミネートすれば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のトラブルの発生を押さえて、安定的にラミネーションを行うことができる。紙基材の両面に熱可塑性樹脂層が存在する場合、熱可塑性樹脂の種類や積層順序等は、一方の面と他方の面とで同一であっても異なっていても構わない。
[高分子シリコーン]
本願発明では、熱可塑性樹脂層の上に、トナー定着層として、バインダーと平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含有する塗工層を設ける。平均分子量は数平均分子量であり、本発明で用いられる高分子シリコーンとして、代表的にはポリアルキルシロキサンが挙げられる。この塗工層に電子写真印刷を行うことにより、本願発明の効果は発揮される。
塗工層中の高分子シリコーンの配合量は、バインダーに対して固形分比率で5重量%以下、好ましくは3重量%以下が好ましい。配合量が多すぎると、摩擦係数が下がりすぎてトナーロールが空転しフィードミスが発生するなど用紙搬送性が悪化したり、トナー定着性も悪化しやすい。下限としては特に限定されないが、配合量が少なすぎると光沢度低下防止の効果が発揮されないため、0.3重量%以上、より好ましくは1重量%以上が適当である。
[バインダー]
80℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と、50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)の、Tgの異なる2種類の親水性高分子物質を使用する。80℃は印刷後排出時のシート温度に近く、50℃は塗工層の成膜性を良好に保てる温度である。より好ましくは、(A)は印刷シートの排出温度より高い90℃以上、(B)は成膜温度より低い40℃以下が好ましい。
親水性の高分子物質は、親水性官能基を有するエマルジョンであることが好ましい。本発明において「親水性」とは、水、又は水と少量の有機溶剤から成る媒体中で樹脂が分散又は溶解し、安定化していることを意味する。これら樹脂は、塗工液中では粒子となって分散している、又は溶解しているが、塗工し乾燥した際に造膜し塗工層を形成する。
親水性高分子物質としては、スチレン、ブタジエン、各種アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物と、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を混合して、あるいは混合せず各々単独で使用することが挙げられる。これらの親水性高分子物質は、例えば乳化重合やソープフリー乳化重合、懸濁重合といった従来公知の重合方法により製造され、重量平均分子量は10万以上の高分子であることが望ましい。
中でも、アクリル系ポリマーがトナー定着性の理由から好ましい。アクリル系ポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
(A)と(B)ともアクリル系ポリマーであることが望ましく、特に、80℃以上のガラス転移温度を有するコア部と50℃以下のガラス転移温度を有するシェル部とからなる、コアシェル構造を有するアクリル系ポリマーは、1つの物質で2つの性能を発揮するため、作業性も良好となり好ましく用いられる。このようなコアシェル構造を有するアクリル系ポリマーは、例えば、特開2001−323004号公報等に記載された方法によって製造される。この場合、シェル部は、コアを被覆する膜として形成されているのではなく、コアの周囲に保護コロイドのように存在するものとなっていると考えられる。
[親水性高分子物質の使用割合]
(A)/(B)=80/20〜30/70が好ましい。(A)が多すぎると成膜性、トナー定着性に劣り、(B)が多すぎるとトナーブロッキングが発生する。従って、両者のバランスが重要であり、より好ましくは、(A)/(B)=65/35〜45/55である。
[その他塗工層について]
従来公知のバインダー
本発明の効果を阻害しない範囲で、バインダーとして上記した以外の公知の親水性高分子物質等を使用してもよい。
添加剤
例えば滑剤、架橋剤、接着性向上剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料等を添加しても良い。特に、電子写真印刷方式の記録シートとする場合は、帯電防止剤を含有することもできる。
[塗工層の形成]
塗工層は、かかる高分子シリコーンとバインダー、そして必要に応じてその他の添加剤を、水系又は溶剤系で分散させて塗工液を調整し、この塗工液を積層シートの熱可塑性樹脂層表面に塗工して設ける。水系の塗工液を用いる場合には、塗工液にポリエーテル変性シリコーン等の乳化剤を添加することにより、高分子シリコーンが塗工液中に均一に分散した安定な乳化液が得られる。この時乳化剤の配合量は、乳化液の状態を見ながら適宜決定する事ができるが、通常は、高分子シリコーンに対して乳化剤20〜50重量%程度を配合すれば良い。
塗工液の熱可塑性樹脂層表面への塗工は、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて公知の方法により行うことができる。塗工量は、0.1〜10g/m(乾燥重量、以下同じ)が好ましい。塗工量が少なすぎる場合には本願発明の効果が得られにくい。
なお、本願発明において塗工層には、上記した以外にも一般的に使用される種々の添加剤を添加することができる。これらの添加剤としては、例えば、帯電防止剤、白色顔料(酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機顔料)、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)等が有る。なお、高光沢性のためには、顔料は含有しないことが望ましい。
[光沢度]
本願発明の積層シートは、ISO(8254−1)75度光沢度が80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
[実施例1]
溶融ポリメチルペンテン(融点234℃、MFR 200g/10分、密度 0.841g/cm)と、溶融接着性樹脂(変性ポリオレフィン系:MFR 4.4g/10分、密度 0.90g/cm)を、溶融シングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(SS-LLDPE:融点122℃、MFR 8g/10分、密度 0.907g/cm)と共に、坪量157g/mのキャストコート紙(エスプリコートCZ:日本製紙(株)製)の光沢面に、キャストコート紙側からSS−LLDPE、接着性樹脂、PETの順で積層されるように、Tダイを用いて押出温度300℃にて樹脂層厚さが25μm(ポリメチルペンテン/変性ポリオレフィン/SS-LDPE=10μm/5μm/10μm)となるように押出ラミネーションを行い、直ちに、鏡面のクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、光沢面を形成した。
また、キャストコート紙の他方の面には、マット仕上げのクーリングロールを使用した以外は、光沢面側と同様に加工して基材シートを得た。
次いでこの基材シートの両面にコロナ放電処理を行った。
次に、バインダーとして、カチオン性コアシェル型アクリル樹脂の水系分散液(濃度34.5重量%、コア部Tg:50℃、シェル部Tg:40℃、コア部/シェル部=50/50)50重量部、カチオン性スチレンアクリル酸エステル共重合樹脂の水系分散液(濃度28重量%、Tg:102℃)2.5重量部に、ポリアルキルシロキサン(数平均分子量70万)を、バインダー固形分に対して1.5重量%となるように加え、帯電防止剤を表面電気抵抗率が1.0×1010Ω/□となるように混合した後、固形分濃度6重量%の塗工液を調製した。この塗工液を8g/mの塗工量となるようグラビアコーターを使用して上記基材シートの両面に塗工して、積層シートを得た。
[実施例2]
カチオン性コアシェル型アクリル樹脂の水系分散液(濃度34.5重量%、コア部Tg:50℃、シェル部Tg:40℃、コア部/シェル部=50/50)50重量部、カチオン性スチレンアクリル酸エステル共重合樹脂の水系分散液(濃度28重量%、Tg:102℃)2.5重量部に替えて、スチレンアクリル酸エステル共重合体の水系分散液(濃度37重量%、Tg:102℃)30重量部、スチレンアクリル共重合体の水系分散液(濃度43重量%、Tg:10℃)70重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[実施例3]
ポリアルキルシロキサン(数平均分子量70万)を、バインダー固形分に対して4.0重量%となるように加えた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[実施例4]
ポリアルキルシロキサン(数平均分子量70万)を、バインダー固形分に対して0.5重量%となるように加えた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[比較例1]
塗工層にポリアルキルシロキサンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[比較例2]
塗工層にポリアルキルシロキサンを配合しなかった以外は、実施例2と同様にして積層シートを得た。
[比較例3]
ポリアルキルシロキサン(数平均分子量70万)を、バインダー固形分に対して7重量%となるように加えた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[比較例4]
ポリアルキルシロキサン(数平均分子量70万)を、バインダー固形分に対して12.5重量%となるように加えた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
<評価方法>
用紙搬送性、印刷前後の光沢度変化について評価して、結果を表1に示す。
[用紙搬送性]
カシオ計算機社製カラーレーザービームプリンター スピーディアN5300を使用してA4サイズのサンプル1000枚を印字した際の用紙ジャム発生数あるいはフィードミス発生数を測定し、次の基準で示した。
◎ 5枚以下
○ 6枚〜10枚
△ 11枚〜20枚
× 21枚以上
[印刷前後光沢度変化]
カシオ計算機社製カラーレーザービームプリンター スピーディアN5300(離型オイルをヒートロールに塗布するタイプ)を使用してA4サイズのサンプル100枚を印字し、各サンプルの白紙部について印字前と印字後の75°光沢度をISO 8254−1に準拠し、(株)村上色彩技術研究所製光沢度計GM−26PROを使用して測定した。

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも一方の面に1以上の熱可塑性樹脂からなる層が積層された積層シートであって、熱可塑性樹脂層の表面にバインダーと平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含有する塗工層を設けたことを特徴とする積層シート。
  2. バインダー成分として、少なくとも80℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と、50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)とを含有する塗工層を設けたことを特徴とする請求項1記載の積層シート。
  3. バインダーに対して平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを固形分割合で5重量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2記載の積層シート。
  4. 高分子シリコーンがポリアルキルシロキサンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. ISO (8254−1)75度光沢度が80%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
  6. 電子写真方式用記録シートである請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
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