JP4147968B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バンパーを側部に設けたバンパーステイを介して車体のサイドメンバーに取り付けるようにした自動車の前部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の前部車体構造としては、例えば図19図に示したように、全体の図示を省略した車体の両側部に前後に延びるサイドメンバー1,1を設け、このサイドメンバー1,1の前端部に取付フランジ1a,1aを設け、フロントバンパー2の両側部に後方に延びるバンパーステイ3,3を設け、このバンパーステイ3,3の後端部に取付フランジ3a,3aを設けると共に、取付フランジ1a,3a同士をボルト4,ナット5で互いに結合するようにした構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
また、自動車の前部車体構造では、図19,図20に示したようにサイドメンバー1に脆弱部としてビード6,6を設けたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
この様な構成では、フロントバンパー2に低速で衝撃荷重が入力された場合、図21に示したようにバンパーステイ3が圧縮力で潰れる圧壊が生じて、入力される衝撃荷重が吸収される様になっている。
【0005】
一方、フロントバンパー2に高速で衝撃荷重が入力された場合、図21に示したようにバンパーステイ3が圧縮力で潰れる圧壊が生じて、入力される衝撃荷重の一部が吸収された後、図22に示したようにサイドメンバー1の前部がバンパーステイ3から入力される圧縮力で潰れる圧壊が生じて、入力される衝撃荷重の残りが吸収される様になっている。
【0006】
そして、図21に示したようにバンパーステイ3が圧壊した場合には、バンパーステイ3をサイドメンバー1から取り外して、フロントバンパー2を交換することで、修理を容易に行うことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−249078号公報
【特許文献2】
特開平10−7024号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構造では、フロントバンパー2に低速で衝撃荷重が入力された場合、衝撃荷重の入力方向によってはバンパーステイ3が圧壊する前に、サイドメンバー1が図23のビード6の部分で折れ曲がってしまうこともある。この場合には、フロントバンパー2の交換以外に、サイドメンバー1の修理を行う必要があるため、修理代が高くなるという問題がある。
【0009】
また、上述した構成では、低速の衝撃荷重によりバンパーステイ3が圧壊しても、バンパーステイ3の潰れ残り部が図21に示したようにサイドメンバー1に対して直列に残るものであった。また、高速の衝撃荷重によりバンパーステイ3及びサイドメンバー1の前部が圧壊しても、バンパーステイ3の潰れ残り部及びサイドメンバー1潰れ残り部が図22に示したように直列に残るものであった。このため、限られたスペースを有効に利用できないものであった。
【0010】
更に、上述した構成において、更にバンパーステイ3とサイドメンバー1との間にラジエータコアサポートパネル7を図24に示したように介装することも行われている。尚、この場合、図25に示したように取付フランジ1a,3a間にラジエータコアサポートパネル7が介装される。
【0011】
この構造において、フロントバンパー2に低速で衝撃荷重が入力されて、バンパーステイ3が圧壊する前にサイドメンバー1がビード6の部分で図26に示すように折れ曲がってしまった場合、サイドメンバー1,1のスパンが広がってラジエータコアサポートパネル7に亀裂7aが生じることもあった。この場合にはラジエータコアサポートパネル7の分だけ更に修理代が高くなるという問題があった。
【0012】
そこで、この発明は、低速の衝撃荷重がバンパーステイに入力されても、サイドメンバーが折れ曲がることのない自動車の前部車体構造を提供することを目的とするものである。分
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、バンパーを側部に設けたバンパーステイを介して車体のサイドメンバーに取り付けると共に、前記サイドメンバーに前記バンパーからの衝撃荷重が入力されたときに潰れ易くする脆弱部を前記サイドメンバーのバンパーステイ取付部近傍の部分に設けた自動車の前部車体構造において、前記バンパーステイの強度を前記サイドメンバーの脆弱部より後方の部分の強度よりも弱くすると共に、前記バンパーステイの前記サイドメンバーへの取付位置を前記脆弱部より後方側に位置させた自動車の前部車体構造としたことを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明によれば、バンパーからバンパーステイに低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバーの脆弱部には衝撃荷重が入力されることはないので、低速の衝撃荷重はバンパーステイのみの変形で吸収でき、サイドメンバーが低速の衝撃荷重により脆弱部から折れ曲がるような状態は生じない。
【0015】
この様に低速の衝撃荷重はサイドメンバーの脆弱部に伝わることがなくバンパーステイの変形のみで吸収できるので、修理費はバンパーステイ側のみとなり安価になる。
【0016】
また、請求項2の発明は、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記バンパーステイの降伏反力をFbsとし、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバーの前記脆弱部の降伏反力をFsf、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバーの前記脆弱部より後方側の降伏反力をFsrとしたとき、前記降伏反力Fbs,Fsfは降伏反力Fsrより低くなるようにFbs+Fsf<Fsrの関係に設定したことを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明によれば、バンパーからバンパーステイに衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重の一部が吸収された後、サイドメンバーの脆弱部に残りの衝撃荷重が入力されて、サイドメンバーの脆弱部が圧縮力により潰れる圧壊が確実に生じて、残りの衝撃荷重が効果的に吸収され、更に衝撃荷重が残っている場合にはサイドメンバーの脆弱部より後側が圧縮力により潰れる圧壊が生じて残りの衝撃荷重が吸収される。
【0018】
このようにバンパーステイに衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ,サイドメンバーの脆弱部,サイドメンバーの脆弱部より後側の順に圧壊していくため、低速度の衝撃荷重ではサイドメンバーに損傷を与えず、高速度の衝撃荷重では前より効率よく圧壊して衝撃荷重を効果的に吸収できる。
【0019】
更に、請求項3の発明は、前記サイドメンバーの前端部にラジエータコアサポートを取り付けたことを特徴とする。
【0020】
この請求項3の発明によれば、バンパーからバンパーステイに低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバーには衝撃荷重が入力されることはないので、サイドメンバーが低速の衝撃荷重により脆弱部から折れ曲がるような状態は生ずることもなく、左右のサイドメンバー間のスパンが広がらないため、低速の衝撃荷重でラジエータコアサポートが破損したり、ラジエータコアサポートに亀裂が生じたりすることを未然に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態1】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1(a)は自動車の前部車体構造を示したものである。この図1(a)において、10,10は全体の図示を省略した自動車の車体の両側に設けられた前後に延びる筒状のサイドメンバー、11はこのサイドメンバー10,10に取り付けられたフロントバンパーである。
【0023】
このサイドメンバー10の前端(一端)には、フランジ12が一体に形成されている。また、サイドメンバー10は図3に示したように側壁10a,10b,上壁10c,下壁10dから断面が四角形に形成されている。しかも、サイドメンバー10の前端部近傍の部分には、側壁10a〜10dに沿って環状に延び且つサイドメンバー10の内側に膨出するビード13が脆弱部として形成されている。しかも、ビード13は、図3に示したように、側壁10a〜10dの角部の部分に位置して、サイドメンバー10の内側に膨出する円弧状の膨出突部13aを有する。
【0024】
また、サイドメンバー10には、図1(b)に示したようにビード13より所定距離(僅かな距離)だけ後方の位置に、前側に面する段差部14が設けられている。この段差部14の寸法tは、非常に小さく設定されている。
【0025】
しかも、サイドメンバー10の段差部14から前側の部分すなわち段差部14とフランジ12との間の前側部分を前サイドメンバー部15とし、サイドメンバー10の段差部14より後方の部分を後サイドメンバー部16とすると、前サイドメンバー部15は後サイドメンバー部16より寸法tだけ薄肉に形成されている。これにより前サイドメンバー部15は、後サイドメンバー部16と比較すると脆弱部となる。
【0026】
従って、サイドメンバー10の前端部に後方に向かう衝撃荷重が入力されたときに、このサイドメンバー10の前サイドメンバー部(脆弱部)15の降伏反力をFsf、サイドメンバー10の後サイドメンバー部16の降伏反力をFsrとすると、降伏反力Fsrは降伏反力Fsfより大きく設定されている。この結果、サイドメンバー10の前端部に後方に向かう衝撃荷重が入力されたときに、前サイドメンバー部15は後サイドメンバー部16より先に変形できるようになっている。
【0027】
フロントバンパー11の両側部には、後方に向けて延びる筒状のバンパーステイ17,17の一端部(前端部)がそれぞれ取り付けられている。このバンパーステイ17,17は図1(a),図2,図3に示したようにサイドメンバー10,10内に遊挿されている。
【0028】
このバンパーステイ17の他端部(後端部)には、図1,図2に示したように、ビード13より僅かに後方の位置から後方に向けて後サイドメンバー部16の内面近傍まで拡開する傾斜筒部17aと、傾斜筒部17aから後方に向けて後サイドメンバー部16の内面に沿うように延びる取付筒部17bが設けられている。
【0029】
このバンパーステイ17は、図3,図4に示したように側壁18,19,上壁20,下壁21から断面が四角形で筒状に形成されている。しかも、バンパーステイ17の角部には図3に示したように傾斜壁部22が形成されている。
【0030】
また、側壁18,19,上壁20,下壁21の内面には、図5に示したように取付筒部17bの部分に位置してウエルドナット22〜25が溶接固定されている(図1(a),図2参照)。しかも、側壁18,19,上壁20,下壁21には、ウエルドナット22〜25に対応する挿通孔18a,19a,20a,21aが形成されている。
【0031】
そして、サイドメンバー10の側壁10a,10b,上壁10c,下壁10dを貫通するボルト26〜29がウエルドナット22〜25にそれぞれ螺着されている。これにより、バンパーステイ17の取付筒部17bがサイドメンバー10の後サイドメンバー部16に固定されている。しかも、この状態でサイドメンバー10の前端とフロントバンパー11との間には、フロントバンパー11に後方に向かう衝撃荷重が入力されたときに、バンパーステイ17が先に圧縮変形可能とする間隙Sが形成されている。
【0032】
ここで、フロントバンパー11に後方に向かう衝撃荷重が低速で入力され、この衝撃荷重がバンパーステイ17に入力されたときのバンパーステイ17の降伏反力をFbsとして、バンパーステイ17の強度の設定状態を説明する。この降伏反力Fbsは、バンパーステイ17に後方に向かう衝撃荷重が低速で入力されたとき、この衝撃荷重によりバンパーステイ17が圧縮変形できる大きさに設定されている。また、後サイドメンバー部16の降伏反力Fsrは、バンパーステイ17に後方に向かう衝撃荷重が低速で入力されたとき、この衝撃荷重では圧縮変形できない大きさに設定されている。
【0033】
さらに、降伏反力Fbs,Fsfは降伏反力Fsrより低くなるようにFbs+Fsf<Fsrの関係に設定されている。
【0034】
次に、この様な構成の自動車の前部車体構造の作用を説明する。
(低速の衝撃荷重吸収)
このような構成において、フロントバンパー11に低速の衝撃荷重が後方に向けて入力された場合、フロントバンパー11からバンパーステイ17に低速の衝撃荷重が後方に向けて入力される。この場合、図6に模式的に示したように、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊(圧縮変形)が生じて、低速の衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバー10の脆弱部であるビード13には衝撃荷重が入力されることはないので、低速の衝撃荷重はバンパーステイ17のみの変形で吸収される。この結果、サイドメンバー10が低速の衝撃荷重により脆弱部であるビード13から折れ曲がるような状態は生じない。
【0035】
この様に低速の衝撃荷重はサイドメンバー10の脆弱部であるビード13に伝わることがなくバンパーステイ17の変形のみで吸収できるので、修理費はバンパーステイ17側のみとなり安価になる。
(高速の衝撃荷重吸収)
また、フロントバンパー11に高速の衝撃荷重が後方に向けて入力された場合、フロントバンパー11からバンパーステイ17に高速の衝撃荷重が後方に向けて入力される。この場合、図7に模式的に示したように、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重の一部が吸収された後、サイドメンバー10の脆弱部である前サイドメンバー部15に残りの衝撃荷重が入力される。そして、この衝撃荷重により脆弱部である前サイドメンバー部15が圧縮力により潰れる圧壊が確実に生じて、残りの衝撃荷重が効果的に吸収される。この際、更に衝撃荷重が残っている場合にはサイドメンバー10の脆弱部である前サイドメンバー部15より後側の後サイドメンバー部16が圧縮力により潰れる圧壊が生じて残りの衝撃荷重が吸収される。
【0036】
このようにバンパーステイ17に高速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ17,サイドメンバー10の脆弱部である前サイドメンバー部15,サイドメンバー10の脆弱部より後側の後サイドメンバー部16の順に圧壊していくため、低速度の衝撃荷重ではサイドメンバー10に損傷を与えず、高速度の衝撃荷重では前より効率よく圧壊して衝撃荷重を効果的に吸収できる。
【0037】
【実施例】
また、上述したバンパーステイ17の強度を決定するためのバンパーステイ17の幅及び高さは、図8,図9に示したサイドメンバー10の寸法等の関係から求めることができる。
【0038】
ここで、バンパーステイ17の幅をx、バンパーステイ17の高さをy、サイドメンバー10の幅をa、サイドメンバー10の高さをb、ビード13の突出量をtb、バンパーステイ17が例えば図8の直線で示した状態から波形状に圧縮変形したときのバンパーステイ17とビード13との間隔を、バンパーステイ17の板圧をtとすると、バンパーステイ17の幅x及び高さyは、
【0039】
【数1】
Figure 0004147968
【0040】
から求めることができる。
【0041】
なお、このようなバンパーステイ17の幅x及び高さyの求め方は一例を示したものであって、他の方法で求めても良い。
(変形例1)
図10に示したように、サイドメンバー10,10の前端部のフランジ12,12にラジエータコアサポートパネル30の両側部をボルト31,ナット32で取り付けても良い。尚、30a,30aはラジエータコアサポートパネル30の両側部に形成された挿通孔で、この挿通孔30a,30aにはバンパーステイ17,17が挿通されている。
この構成によれば、フロントバンパー11に低速の衝撃荷重が後方に向けて入力された場合、このフロントバンパー11からバンパーステイに低速の衝撃荷重が後方に向けて入力されて、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバー10には衝撃荷重が入力されることはないので、サイドメンバー10が低速の衝撃荷重により脆弱部から折れ曲がるような状態は生ずることもなく、左右のサイドメンバー10,10間のスパンが広がらないため、低速の衝撃荷重でラジエータコアサポートパネル30が破損したり、ラジエータコアサポートパネル30に亀裂が生じたりすることを未然に防止できる。
【0042】
【発明の実施の形態2】
以上説明した発明の実施の形態1では、バンパーステイ17の後端部に傾斜筒部17a及び取付筒部17bを設けて、このバンパーステイ17の後端部側をサイドメンバー10内に遊挿するように構成したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0043】
例えば、発明の実施の形態1の傾斜筒部17a及び取付筒部17bを省略して、図11に示したようにバンパーステイ17をストレートに形成し、発明の実施の形態1のフランジ12を省略してサイドメンバー10の前端に内方フランジ33を形成すると共に、サイドメンバー10を図11,図12に示したようにバンパーステイ17内に遊挿した構成としても良い。
【0044】
この図11では、バンパーステイ17の後端部がボルト34及びナット35により後サイドメンバー部16に取り付けられいる。しかも、サイドメンバー10の前端とフロントバンパー11との間には、フロントバンパー11に後方に向かう衝撃荷重が入力されたときに、バンパーステイ17が先に圧縮変形可能とする間隙Sが形成されている。
【0045】
尚、発明の実施の形態2では、発明の実施の形態1と同一の部分又は類似する部分には、発明の実施の形態1で用いた符号と同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施の形態では、発明の実施の形態1の円弧状の膨出突部13aをストレートに形成し、発明の実施の形態1のストレートな傾斜壁部22を円弧状に形成している。
【0046】
この構成でも、衝撃荷重の吸収作用は発明の実施の形態1と同じであるので、その説明は省略する。
(変形例2)
また、発明の実施の形態1では、バンパーステイ17の角部に傾斜壁部22を設けているが、この傾斜壁部22を省略してもよい。図13,図14は、発明の実施の形態1におけるバンパーステイ17の角部の傾斜壁部22を省略した例を示したものである。
(変形例3)
更に、発明の実施の形態1におけるバンパーステイ17の傾斜筒部17a及び取付筒部17bを省略して、バンパーステイ17の後端部を図15,図16に示したように構成することもできる。
【0047】
このバンパーステイ17の後端には、図15に示したように八角形状の外方フランジ36が形成され、この外方フランジ36の上下左右の辺には後方に向けて延びる取付片37〜40がそれぞれ一体に形成されている。そして、取付片37〜40の内面には、図16に示したようにウエルドナット22〜25が溶接固定されている。しかも、取付片37〜40には、ウエルドナット22〜25に対応する挿通孔37a,38a,39a,40aが形成されている。
【0048】
この変形例3では、バンパーステイ17を図1(a)の如くサイドメンバー10内に遊挿すると共に、図1(a)の様にサイドメンバー10の側壁10a,10b,上壁10c,下壁10dを貫通するボルト26〜29を設け、このボルト26〜29を挿通孔37a,38a,39a,40aを介してウエルドナット22〜25にそれぞれ螺着さすることにより、バンパーステイ17の取付片37〜40がサイドメンバー10の後サイドメンバー部16に固定される。
(変形例4)
また、変形例3では図15に示したように八角形状の外方フランジ36を設けているが、この外方フランジ36を図17に示したように長方形(四角形)状に形成しても良い。この外方フランジ36にも、図17,図18に示したように図15,図16と同様な取付片37〜40、及び図18に示したように図16と同様なウエルドナット22〜25が設けられる。
【0049】
以上説明したように、この発明の自動車の前部車体構造では、バンパー(フロントバンパー11)を側部に設けたバンパーステイ17,17を介して車体のサイドメンバー10,10に取り付けると共に、前記サイドメンバー10,10に前記バンパー(フロントバンパー11)からの衝撃荷重が入力されたときに潰れ易くする脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)を前記サイドメンバー10,10のバンパーステイ取付部近傍の部分に設けている。また、自動車の前部車体構造では、前記バンパーステイ17の強度を前記サイドメンバー10の脆弱部より後方の部分(後サイドメンバー部16)の強度よりも弱くすると共に、前記バンパーステイ17の前記サイドメンバーへの取付位置を前記脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)より後方側の部分(後サイドメンバー部16)に位置させた構成としている。
【0050】
この構成によれば、バンパー(フロントバンパー11)からバンパーステイ17に低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバー10の脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)には衝撃荷重が入力されることはないので、低速の衝撃荷重はバンパーステイ17のみの変形で吸収でき、サイドメンバー10が低速の衝撃荷重により脆弱部(例えばビード13の部分)から折れ曲がるような状態は生じない。
【0051】
この様に低速の衝撃荷重はサイドメンバー10の脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)に伝わることがなくバンパーステイ17の変形のみで吸収できるので、修理費はバンパーステイ17側のみとなり安価になる。
【0052】
また、この発明の実施の形態の自動車の前部車体構造では、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記バンパーステイ17の降伏反力をFbsとし、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバー10の前記脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)より前側の降伏反力をFsf、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバー10の前記脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)より後方側の降伏反力をFsrとしたとき、前記降伏反力Fbs,Fsfは降伏反力Fsrより低くなるようにFbs+Fsf<Fsrの関係に設定したことを特徴とする。
【0053】
この構成によれば、バンパー(フロントバンパー11)からバンパーステイ17に衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重の一部が吸収された後、サイドメンバー10の脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)に残りの衝撃荷重が入力されて、サイドメンバー10の脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13)が圧縮力により潰れる圧壊が確実に生じて、残りーの衝撃荷重が効果的に吸収され、更に衝撃荷重が残っている場合にはサイドメンバー10の脆弱部より後側が圧縮力により潰れる圧壊が生じて残りの衝撃荷重が吸収される。
【0054】
このようにバンパーステイ17に衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ17,サイドメンバー10の脆弱部(前サイドメンバー部15及びビード13),サイドメンバー10の脆弱部より後側の順に圧壊していくため、低速度の衝撃荷重ではサイドメンバー10に損傷を与えず、高速度の衝撃荷重では前より効率よく圧壊して衝撃荷重を効果的に吸収できる。
【0055】
更に、この発明の実施の形態の自動車の前部車体構造によれば、前記サイドメンバー10の前端部にラジエータコアサポート30を取り付けけた構成としている。
【0056】
この構成によれば、バンパ(フロントバンパー11)からバンパーステイ17に低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ17が圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバー10には衝撃荷重が入力されることはないので、サイドメンバー10が低速の衝撃荷重により脆弱部(例えばビード13の部分)から折れ曲がるような状態は生ずることもなく、左右のサイドメンバー10,10間のスパンが広がらないため、低速の衝撃荷重でラジエータコアサポートが破損したり、ラジエータコアサポートに亀裂が生じたりすることを未然に防止できる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明は、以上説明したように構成したので、バンパーからバンパーステイに低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバーの脆弱部には衝撃荷重が入力されることはないので、低速の衝撃荷重はバンパーステイのみの変形で吸収でき、サイドメンバーが低速の衝撃荷重により脆弱部から折れ曲がるような状態は生じない。しかも、この様に低速の衝撃荷重はサイドメンバーの脆弱部に伝わることがなくバンパーステイの変形のみで吸収できるので、修理費はバンパーステイ側のみとなり安価になる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、バンパーからバンパーステイに衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重の一部が吸収された後、サイドメンバーの脆弱部に残りの衝撃荷重が入力されて、サイドメンバーの脆弱部が圧縮力により潰れる圧壊が確実に生じて、残りの衝撃荷重が効果的に吸収され、更に衝撃荷重が残っている場合にはサイドメンバーの脆弱部より後側が圧縮力により潰れる圧壊が生じて残りの衝撃荷重が吸収される。このようにバンパーステイに衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイ,サイドメンバーの脆弱部,サイドメンバーの脆弱部より後側の順に圧壊していくため、低速度の衝撃荷重ではサイドメンバーに損傷を与えず、高速度の衝撃荷重では前より効率よく圧壊して衝撃荷重を効果的に吸収できる。
【0059】
更に、請求項3の発明によれば、バンパーからバンパーステイに低速の衝撃荷重が入力された場合、バンパーステイが圧縮力により潰れる圧壊が生じ、衝撃荷重が吸収される。この際、サイドメンバーには衝撃荷重が入力されることはないので、サイドメンバーが低速の衝撃荷重により脆弱部から折れ曲がるような状態は生ずることもなく、左右のサイドメンバー間のスパンが広がらないため、低速の衝撃荷重でラジエータコアサポートが破損したり、ラジエータコアサポートに亀裂が生じたりすることを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる自動車の前部車体構造を示す部分断面図、(b)は(a)の部分拡大説明図である。
【図2】図1(a)のA0−A0線に沿う断面図である。
【図3】図2のA1−A1線に沿う断面図である。
【図4】図1のバンパーステイの斜視図である。
【図5】図4のA2−A2線に沿う断面図である。
【図6】図1の自動車の前部車体構造の模式的な作用説明図である。
【図7】図1の自動車の前部車体構造の模式的な作用説明図である。
【図8】図1のバンパーステイの幅及び高さを求めるための模式的な説明図である。
【図9】図1のバンパーステイの幅及び高さを求めるための断面における寸法説明図である。
【図10】図1(a)のバンパーステイとラジエータコアサポートとの関係を示す部分断面図である。
【図11】この発明にかかる自動車の前部車体構造の他の例を示す部分断面図である。
【図12】図11のA3−A3線に沿う断面図である。
【図13】この発明に用いるバンパーステイの他の形状を示す斜視図である。
【図14】図13のA4−A4線に沿う断面図である。
【図15】この発明に用いるバンパーステイの他の形状を示す斜視図である。
【図16】図15のA5−A5線に沿う断面図である。
【図17】この発明に用いるバンパーステイの他の形状を示す斜視図である。
【図18】図17のA6−A6線に沿う断面図である。
【図19】従来の自動車の前部車体構造を示す部分断面図である。
【図20】図19の要部拡大斜視図である。
【図21】図19の前部車体構造の作用説明図である。
【図22】図19の前部車体構造の作用説明図である。
【図23】図19の前部車体構造の作用説明図である。
【図24】従来の自動車の前部車体構造の他の例を示す部分断面図である。
【図25】図24の要部拡大断面図である。
【図26】図24の前部車体構造の作用説明図である。
【符号の説明】
11…フロントバンパー(バンパー)
13…ビード13(脆弱部)
15…前サイドメンバー部(脆弱部)
16…後サイドメンバー部
17…バンパーステイ
10…サイドメンバー
30…ラジエータコアサポート

Claims (3)

  1. バンパーを側部に設けたバンパーステイを介して車体のサイドメンバーに取り付けると共に、前記サイドメンバーに前記バンパーからの衝撃荷重が入力されたときに潰れ易くする脆弱部を前記サイドメンバーのバンパーステイ取付部近傍の部分に設けた自動車の前部車体構造において、
    前記バンパーステイの強度を前記サイドメンバーの脆弱部より後方の部分の強度よりも弱くすると共に、前記バンパーステイの前記サイドメンバーへの取付位置を前記脆弱部より後方側に位置させたことを特徴とする自動車の前部車体構造。
  2. 前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記バンパーステイの降伏反力をFbsとし、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバーの前記脆弱部の降伏反力をFsf、前記衝撃荷重が低速で入力されるときの前記サイドメンバーの前記脆弱部より後方側の降伏反力をFsrとしたとき、前記降伏反力Fbs,Fsfは降伏反力Fsrより低くなるようにFbs+Fsf<Fsrの関係に設定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の前部車体構造。
  3. 前記サイドメンバーの前端部にラジエータコアサポートを取り付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の前部車体構造。
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