JP4147635B2 - テープドライブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテープ状記録媒体に対してデータの記録再生を行うことができるテープドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを磁気テープに記録/再生することのできるドライブ装置として、いわゆるテープストリーマドライブが知られている。このようなテープストリーマドライブは、メディアであるテープカセットのテープ長にもよるが、例えば数十〜数百ギガバイト程度の膨大な記録容量を有することが可能であり、このため、コンピュータ本体のハードディスク等のメディアに記録されたデータをバックアップするなどの用途に広く利用されている。また、データサイズの大きい画像データ等の保存に利用する場合にも好適とされている。
【0003】
そして上述のようなテープストリーマドライブでは、回転ヘッドによるヘリカルスキャン方式を採用してデータの記録/再生を行うようにされたものが提案されている。そのようなテープストリーマドライブでは、磁気テープをテープカセットから引き出し、磁気テープを回転ヘッドの一部に当接させるようなローディング機構が備えられている。
【0004】
ローディング機構の駆動方法としては、例えばローディングモータを一定電圧で駆動する定電圧駆動方式や、パルス幅が制御された方形波電圧で駆動する、いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)電圧駆動方式などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えばローディングモータを定電圧で駆動した場合は、ローディングモータに対して十分なトルクを与えることができないため、通常のローディング動作では支障がないものの、例えばローディング機構に異物が混入したり、モータの磨耗などの一定の条件のもとで、一時的にローディングモータへの負荷が増大すると、トルク不足によるローディングモータエラーが発生することがあった。
【0006】
一方、ローディングモータをPWM電圧により駆動した場合は、上記した定電圧駆動に比べて、ローディングモータに大きいトルクを与えることができるため、上述したような一定条件の元で、一時的な負荷が増大してもトルク不足によるローディングモータエラーを防ぐことができるといった利点はある。しかしながら、その場合は定電圧駆動に比べてモータの磨耗が大きくモータの寿命の低下、ローディング速度の遅延、ローディング音が大きくなるという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、テープカセットに収納されている磁気テープを引き出して、記録/再生ヘッドを備えた回転ドラムに巻回することができるテープローディング手段を備えたテープドライブ装置において、テープローディング時、テープローディング手段のローディングモータを定電圧信号により駆動制御を行うと共に、その際に動作エラーを検出した場合には、ローディングモータを方形波電圧信号による駆動制御に切り替えることができるローディングモータ駆動制御手段を備えることとした。
【0008】
また、ローディングモータ駆動制御手段は、定電圧信号による駆動制御において動作エラーが発生した場合は、所定回数を上限として、定電圧信号によるリトライ駆動制御を行うと共に、所定回数のリトライ駆動制御を行っても動作エラーが発生している場合は、方形波電圧信号による駆動制御に切り替えるようにした。
【0009】
本発明は、例えば通常のローディング動作時は、ローディングモータ駆動制御手段によりローディングモータを定電圧信号で駆動制御を行うようにする。そして、ローディングモータの動作エラーを解消することができなかった時のみ、ローディングモータに対して、定電圧信号よりトルクを与えることができる方形波電圧信号によりローディングモータの駆動制御を行うことで、例えばローディングモータのトルク不足により発生するローディングモータの駆動エラーを解消することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の説明を以下の順序で行う。
1.テープカセットの構成
2.テープストリーマドライブ及びホストコンピュータの構成
3.ローディング機構の動作及び構成
4.ローディング機構の制御動作
【0011】
1.テープカセットの構成
先ず、本例のテープストリーマドライブに対応するテープカセットについて図2に示す外観例を参照しながら説明する。
この図2に示すテープカセット2は、テープ幅を8mmとした磁気テープ4を収納したものである。このテープカセット2は、合成樹脂を成形して形成された略方形状を上下一対のハーフ5、6を突き合わせ、複数の止めネジによって結合したテープカセット本体7を備えている。このテープカセット本体7の内部には、長手方向に並んで磁気テープ4が掛け渡し巻回される一対のテープリール、すなわちテープ供給リール8とテープ巻取リール9とが回転自在に収納されている。
【0012】
テープカセット本体7は、前面部10が幅方向のほぼ全域に亘って開放されると共に、この前面部10には、本実施の形態のテープストリーマドライブに配設されている後述するローディング機構の一部が進入する略凹字状のテープ引出部11が設けられている。テープカセット本体7は、テープ供給リール8及びテープ巻取リール9が回転自在に収納される内部空間とテープ引出部11との間が隔壁12によって区画されている。
【0013】
テープカセット本体7には、開放された前面部10を閉塞する前面蓋13が回動自在に取り付けられている。前面蓋13の内面には、上ハーフ5の前方開放部分を閉塞する後蓋部材14が回動自在に組み付けられている。
【0014】
したがって、テープカセット2は、前面蓋13及び後蓋部材14が回動動作してテープカセット本体7の前面部10を開放した状態において、テープ引出部11にローディング機構の一部が進入して磁気テープ4を外方へと引き出すといった所定のローディング動作が行われる。
【0015】
2.テープストリーマドライブ及びホストコンピュータの構成
次に、図1により本例のテープストリーマドライブ100の構成について説明する。このテープストリーマドライブ100は、装填されたテープカセット2の磁気テープ4に対して、ヘリカルスキャン方式により記録/再生を行うようにされている。
回転ドラム18には、例えばアジマス角の異なる2つの記録ヘッド12A、12Bと、例えばアジマス角の異なる3つの再生ヘッド13A、13B、13Cが設けられる。
【0016】
テープカセット2から引き出された磁気テープ4が巻き付けられる回転ドラム18はドラムモータ114Aにより回転される。
また、後述する磁気テープ4を定速走行させるためのキャプスタン83はキャプスタンモータ114Bにより回転駆動される。
また、図2に示したテープカセット2内の上記テープ供給リール8とテープ巻取リール9は、それぞれリールモータ114C、114Dにより、独自に、順方向及び逆方向に回転駆動される。
ローディングモータ31は、後述するローディング機構を駆動し、磁気テープ4の回転ドラム18へのローディング/アンローディングを実行する。
【0017】
ドラムモータ114A、キャプスタンモータ114B、リールモータ114C、114D、ローディングモータ31は、それぞれメカドライバ117からの電力印加により回転駆動される。メカドライバ117はサーボコントローラ116からの制御に基づいて各モータを駆動する。サーボコントローラ116は各モータの回転速度制御を行って通常の記録再生時の走行や高速再生時のテープ走行、早送り、巻き戻し時のテープ走行、テープカセット装填動作、ローディング/アンローディング動作、テープテンション制御動作、などを実行させる。
図示していないが、サーボコントローラ116が各モータのサーボ制御を実行するために、ドラムモータ114A、キャプスタンモータ114B、リールモータ114C、114DにはそれぞれFG(周波数発生器)が設けられており、各モータの回転情報が検出できるようにしている。
【0018】
そしてサーボコントローラ116はこれらのFGパルスに基づいて各モータの回転速度を判別することで、各モータの回転動作について目的とする回転速度との誤差を検出し、その誤差分に相当する印加電力制御をメカドライバ117に対して行うことで、閉ループによる回転速度制御を実現することができる。従って、記録/再生時の通常走行や、高速サーチ、早送り、巻き戻しなどの各種動作時に、サーボコントローラ116はそれぞれの動作に応じた目標回転速度により各モータが回転されるように制御を行うことができる。
【0019】
EEP−ROM118にはサーボコントローラ116が各モータのサーボ制御に用いる定数等が格納されている。
サーボコントローラ116はインターフェースコントローラ/ECCフォーマター122(以下、IF/ECCコントローラという)を介してシステム全体の制御処理を実行するシステムコントローラ115と双方向に接続されている。
【0020】
このテープストリーマドライブ100においては、データの入出力にSCSIインターフェース120が用いられている。例えばデータ記録時にはホストコンピュータ140から、固定長のレコードという伝送データ単位によりSCSIインターフェース120を介して逐次データが入力され、圧縮/伸長回路121に供給される。なお、このようなテープストリーマドライブシステムにおいては、可変長のデータの集合単位によってホストコンピュータ140よりデータが伝送されるモードも存在する。
【0021】
圧縮/伸長回路121では、入力されたデータについて必要があれば、所定方式によって圧縮処理を施すようにされる。圧縮方式の一例として、例えばLZ符号による圧縮方式を採用するのであれば、この方式では過去に処理した文字列に対して専用のコードが割り与えられて辞書の形で格納される。そして、以降に入力される文字列と辞書の内容とが比較されて、入力データの文字列が辞書のコードと一致すればこの文字列データを辞書のコードに置き換えるようにしていく。辞書と一致しなかった入力文字列のデータは逐次新たなコードが与えられて辞書に登録されていく。このようにして入力文字列のデータを辞書に登録し、文字列データを辞書のコードに置き換えていくことによりデータ圧縮が行われるようにされる。
【0022】
圧縮/伸長回路121の出力は、IF/ECCコントローラ122に供給されるが、IF/ECCコントローラ122においてはその制御動作によって圧縮/伸長回路121の出力をバッファメモリ123に一旦蓄積する。このバッファメモリ123に蓄積されたデータはIF/ECCコントローラ122の制御によって、最終的にグループ(Group)という磁気テープ4の40トラック分に相当する固定長の単位としてデータを扱うようにされ、このデータに対してECCフォーマット処理が行われる。
【0023】
ECCフォーマット処理としては、記録データについて誤り訂正コードを付加すると共に、磁気記録に適合するようにデータについて変調処理を行ってRF処理部119に供給する。
RF処理部119では供給された記録データに対して増幅、記録イコライジング等の処理を施して記録信号を生成し、記録ヘッド12A、12Bに供給する。これにより記録ヘッド12A、12Bから磁気テープ4に対するデータの記録が行われることになる。
【0024】
また、データ再生動作について簡単に説明すると、磁気テープ4の記録データが再生ヘッド13A、13BによりRF再生信号として読み出され、その再生出力はRF処理部119で再生イコライジング、再生クロック生成、2値化、デコード(例えばビタビ復号)などが行われる。
このようにして読み出された信号はIF/ECCコントローラ122に供給されて、まず誤り訂正処理等が施される。そしてバッファメモリ123に一時蓄積され、所定の時点で読み出されて圧縮/伸長回路121に供給される。
圧縮/伸長回路121では、システムコントローラ115の判断に基づいて、記録時に圧縮/伸長回路121により圧縮が施されたデータであればここでデータ伸長処理を行い、非圧縮データであればデータ伸長処理を行わずにそのままパスして出力される。
圧縮/伸長回路121の出力データはSCSIインターフェース120を介して再生データとしてホストコンピュータ140に出力される。
【0025】
また、この図にはテープカセット2の磁気テープと共に不揮発性メモリであるMIC(Memory In Cassette)130が示されている。このMIC130は図2に示したテープカセット7の筺体内部に配されているものであり、MIC130のモジュールからは電源端子、データ入力端子、クロック入力端子、アース端子等が導出されており、テープカセット本体7がテープストリーマドライブ100に装填されると、これらの端子がシステムコントローラ115とデータの入出力が可能なように接続される。これによりシステムコントローラ115はMIC130に記録されている管理情報を読み込んだり管理情報を更新できる。
【0026】
MIC130には、テープカセットごとの製造年月日や製造場所、テープの厚さや長さ、材質、テープ3上に形成される各パーティションごとの記録データの使用履歴等に関連する情報、ユーザ情報等が記憶される。なお、本明細書ではこれらのMIC130に格納される各種情報は『管理情報』とも言うことにする。
【0027】
MIC130と外部のホストコンピュータ140間はSCSIのコマンドを用いて情報の相互伝送が行われる。このため、特にMIC130とホストコンピュータ140との間に専用のラインを設ける必要はなく、結果的にテープカセットとホストコンピュータ140とのデータのやりとりは、SCSIインターフェイスだけで結ぶことができる。
【0028】
テープストリーマドライブ100とホストコンピュータ140間は上記のようにSCSIインターフェース120を用いて情報の相互伝送が行われるが、システムコントローラ115に対してはホストコンピュータ140がSCSIコマンドを用いて各種の通信を行うことになる。
また従って、ホストコンピュータ140はSCSIコマンドによりシステムコントローラ115に指示を行ってMIC130に対するデータ書込/読出を実行させることができる。
【0029】
S−RAM124,フラッシュROM125は、システムコントローラ115が各種処理に用いるデータが記憶される。
例えばフラッシュROM125には制御に用いる定数等が記憶される。またS−RAM124はワークメモリとして用いられたり、MIC130から読み出されたデータ、MIC130に書き込むデータ、テープカセット単位で設定されるモードデータ、各種フラグデータなどの記憶や演算処理などに用いるメモリとされる。
なお、S−RAM124,フラッシュROM125は、システムコントローラ115を構成するマイクロコンピュータの内部メモリとして構成してもよく、またバッファメモリ123の領域の一部をワークメモリとして用いる構成としてもよい。
【0030】
3.ローディング機構の動作及び構成
次に、図3〜図7を参照しながら本例のテープストリーマドライブ100に備えられているローディング機構の動作及び構成について説明する。
図3及び図4は、本例のローディング機構にテープカセット2が挿入されている時のローディング機構の水平断面図であり、これら図3及び図4を参照しながらローディング動作を説明する。
【0031】
図3、図4に示すように、本例のテープストリーマドライブ100の筺体15の内部にはカセット収納部16が備えられ、このカセット収納部16においてテープカセット2が挿入されるカセット挿入開口部17と対向する中央領域に磁気テープ4に対してデータを記録したり、磁気テープ4に記録されたデータを読みだすための記録/再生ヘッドを備えた回転ドラム18が設けられている。
【0032】
図3に示すようにカセット収納部16にテープカセット2が正常に装填されると、図示しない位置検出機構によりローディング駆動のための駆動信号が出力され、第1のテープガイド42は、図4に示すようにテープカセット2のテープ引出部11から筺体15の内部の一方の側板19側のシャーシ81に立設された固定テープガイド82の位置まで移動して、磁気テープ4を引き出すようにされる。
【0033】
また、図3に示す第2及び第3の移動テープガイド55,56は、図4に示すようにテープカセット2のテープ引出部11から回転ドラム18の周回りを、図4中に矢印Sで示す時計回りに略々1/3周した位置まで移動して、磁気テープ4を引き出すようにされる。
また、図3に示す第4及び第5の移動テープガイド59,60は、図4に示すようにテープカセット2のテープ引出部11から回転ドラム18の周回りを図4中に矢印Xで示す反時計回りに略々1/3周した位置まで移動して、磁気テープ4を引き出すようにされる。
また、これら第2及び第3の移動テープガイド55,56及び第4及び第5の移動テープガイド59,60は、磁気テープ4に対して所定のテープテンションを付与しており、磁気テープ4を回転ドラム18の外周摺動面90に確実に圧接するようにしている。
【0034】
さらにまた、図3に示す第6のテープガイド75は、図4に示すように、テープカセット2のテープ引出部11から筺体15の内部の他方の側板20側の位置まで磁気テープ4を引き出すようにされる。
また図3に示すピンチローラ77は、図4に示すように、テープカセット2のテープ引出部11から筺体15の他方の側板20側のシャーシ81に立設されたキャプスタン83の位置まで、磁気テープ4を引き出すと共に、磁気テープ4をキヤプスタン83の外周面に当接させるようにしている。
【0035】
これにより、図4に示すようにテープカセット2から引き出された磁気テープ4は、第1乃至第6のテープガイド42、55、56、59、60、75、及びピンチローラ77に沿って回転ドラム18に、その一部が巻き付けられた状態となる。そして、この状態でテープストリーマドライブ100は、キャプスタン83により磁気テープ4を定速走行させ、回転ドラム18を回転動作させて、回転ドラム18に備えられている記録ヘッド又は再生ヘッドによって磁気テープ4に対して記録動作或いは再生動作を行う。
【0036】
次に、図5〜図7を参照しながら上記したようなローディング動作を実現するためのローディング機構の構成を概略的に説明する。
図5はローディング機構の概略構成を示した図であり、この図5に示すように、本例のローディング機構は、ローディングモータ30を有する駆動機構21と、この駆動機構21に駆動操作される第1の伝動機構22と、この第1の伝動機構22に駆動操作される第2の伝動機構23と、この第2の伝動機構23に駆動操作される第3の伝動機構24とを備えている。さらに、ローディング機構は、第1の伝動機構22に移動操作される第1の磁気テープ操作機構25と、第2の伝動機構23に移動操作される第2の磁気テープ操作機構26、27と、第3の伝動機構24に移動操作される第3の磁気テープ操作機構28、29とを備えて構成される。
【0037】
駆動機構21は、筺体15の内部の一方の側板19側に配設されている。駆動機構21は、駆動軸31に駆動歯車32が取り付けられたローディングモータ30と、このローディングモータ30の駆動歯車32に一端部が噛み合わされウォームシャフト33と、このウォームシャフト33の他端部に噛み合わされたウォームホイル34とを備えて構成されている。
【0038】
第1の伝動機構22は、駆動機構21のテープカセット2挿入側に位置して配設されている。第1の伝動機構22は、図6に示すように上記ウォームホイル34に噛み合わされた下アーム駆動歯車35と、この下アーム駆動歯車35に支軸36を一致させた上アーム駆動歯車37とを備えて構成される。下アーム駆動歯車35には、光学センサによってこの上アーム駆動歯車37の回転位置を検出するための位置検出板38が取り付けられている。そして、この位置検出板38と光学センサによって、イジェクト、サーチ、ストップ等の各モードに対応するローディング機構の駆動ポジションが検出される。
【0039】
第1の磁気テープ操作機構25は、図7からも解るように第1の伝動機構22の上部に位置して配設されている。そして、第1の磁気テープ操作機構25は、上記上アーム駆動歯車37に噛み合わされた略扇状のアーム歯車39と、アーム歯車39に支軸40を一致させて一端部が重ね合わされた略長板状のアーム41と、アーム40の他端部に立設された略円柱状の第1の移動テープガイド42とを備えている。また、図7に示すように基板85がシャーシ81の下面側に固定される。そして、基板85上に、上側アーム駆動歯車37の回転位置を検出するための反射型の光学センサ84が取り付けられている。
【0040】
第2の伝動機構23は、第1の伝動機構22の他方側で、回転ドラム18のテープカセット2の挿入側に位置して配設されている。第2の伝動機構23は、図6にも示すように上記下アーム駆動歯車35に噛み合わされた第1の下リング駆動歯車43と、この第1の下リング駆動歯車43に支軸44を一致させて配設された第1の上リング駆動歯車45と、この第1の上リング駆動歯車45に噛み合わされた第1のリング歯車46とを備えている。また、第2の伝動機構23は、第1の下リング駆動歯車43に噛み合わされた第2の上リング駆動歯車47と、この第2の上リング駆動歯車47に支軸48を一致させて配設された第2の下リング駆動歯車49と、この第2の下リング駆動歯車49に噛み合わされた第2のリング歯車50とを備えて構成されている。
【0041】
第2の磁気テープ操作機構26は、第2の伝動機構23の上部に位置して配設されている。そして、第2の磁気テープ操作機構26は、上記第1のリング歯車46の外周縁部に立設された支軸53に回動自在に支持された第1のコースター54と、この第1のコースター54に立設された略円柱状の第2の移動テープガイド55と、第1のコースター54に回転ドラム18側に傾斜して設けられた略円柱状の第3の移動テープガイド56とを備えて構成されている。
【0042】
また、第2の磁気テープ操作機構27は、第2の伝動機構23の上部に位置して配設されている。そして、第2の磁気テープ操作機構27は、上記第2のリング歯車50の外周縁部に立設された支軸57に回動自在に支持された第2のコースター58と、この第2のコースター58に立設された略円柱状の第4の移動テープガイド59と、第2のコースター58に回転ドラム18側に傾斜して設けられた略円柱状の第5の移動テープガイド60とを備えて構成されている。
【0043】
第3の伝動機構24は、第2の伝動機構23の他方側で、筺体15の内部の他方の側板20側に配設されている。そして、第3の伝動機構24は、上記第2の上リング駆動歯車47に噛み合わされたカム歯車61と、このカム歯車61に掛合して配設された駆動レバー62と、この駆動レバー62に掛合して配設された駆動アーム63とを備えて構成される 。
【0044】
カム歯車61は、図6に示すように、支軸64に支持された支軸穴65の周回りに第1のカム溝66が設けられ、第1のカム溝66の周回りに第2のカム溝67が設けられている。第1のカム溝66は、カム歯車61の外周部と支軸64との間から支軸穴65の近傍まで略々1周に亘って略渦巻状に形成されている。また、第2のカム溝67は、カム歯車61の外周部から第1のカム溝66の終端部の近傍まで略々1周に亘って略渦巻状に形成されている。
【0045】
第3の磁気テープ操作機構28は、第3の伝動機構24の上部に位置して配設されている。そして、第3の磁気テープ操作機構28は、上記駆動レバー62に掛合して配設されたテープガイドアーム74と、このテープガイドアーム74の先端部に立設された略円柱状の第6の移動テープガイド75とを備えている。
テープガイドアーム74は、一端部がシャーシ81に立設された支軸(図示しない)に回動自在に支持されている。
【0046】
また、第3の磁気テープ操作機構29は、第3の伝動機構24の上部に位置して配設されている。そして、第3の磁気テープ操作機構29は、上記駆動アーム63と支軸を一致させて配設された略逆L字状のピンチローラアーム76と、このピンチローラアーム76の先端部に回動自在に支持されたピンチローラ77と、カム歯車61に掛合して配設された略逆L字状の押圧アーム78とを備えている。ピンチローラアーム76は、中央部に駆動アーム63に一端部が取り付けられたコイルバネ73の他端部が取り付けられて構成されている。
【0047】
4.ローディング機構の制御動作
以下、本実施の形態のテープストリーマドライブ100によるローディング機構の制御動作について説明する。
先ず、本例のテープストリーマドライブ100の各メカポジションにおける磁気テープ4のローディング状態を図8を参照しながら説明する。
テープストリーマドライブ100の各メカポジションは、先に説明したローディング機構の光学センサ84と下アーム駆動歯車35の位置検出板38(図7参照)から得られる光学センサ84の出力により検出される。
【0048】
図8(a)は、メカポジションが、例えばテープカセット7のエジェクト/ロード状態を示す「アンスレッド」ポジションとされている時の磁気テープ4のローディング状態が示されている。この場合は、磁気テープ4の回転ドラム18へのローディングは実行されていない。
【0049】
図8(b)は、メカポジションが待機状態を示す「ストップ」ポジションとされている時の磁気テープ4のローディング状態が示されている。この場合は、先に説明したローディング機構により、磁気テープ4の回転ドラム18へのローディングが実行され、磁気テープ4が回転ドラム18に当接された状態となる。
但し、この場合は、磁気テープ4に印加されるテープテンションを検出するためのテンションピックアップはオフ状態とされる。また磁気テープ4を定速で走行させるために、キャプスタン83と共に磁気テープ4を狭持しているピンチローラ77は開放(オフ)状態とされる。
【0050】
図8(c)は、メカポジションが高速サーチ状態を示す「サーチ」ポジションとされている時の磁気テープ4のローディング状態を示したものである。この場合はローディング機構により磁気テープ4の回転ドラム18へのローディングが実行される。但し、この場合はテンションピックアップはオン状態とされる。また磁気テープ4を定速で走行させるためのピンチローラ77はオフ状態とされる。
【0051】
図8(d)は、メカポジションがフォワード/リバース方向への記録再生状態を示す「フォワード」ポジションとされている時の磁気テープ4のローディング状態を示したものである。この場合はローディング機構により磁気テープ4の回転ドラム18へのローディングが実行される。但し、この時はテンションピックアップはオン状態、磁気テープ4を定速走行させるためのピンチローラ77はオン状態になる。
【0052】
即ち、本例のテープストリーマドライブ100では、例えばメカポジションが「アンスレッド」に位置する場合を除いて、ローディング機構による磁気テープ4のローディングが実行されることになる。このようなローディング機構の動作は、システムコントローラ115により制御が行われている。
システムコントローラ115がローディング機構の動作制御を行う場合、システムコントローラ115はIF/ECCコントローラ122を介してサーボコントローラ116に対してローディング動作を実行させるためのコマンド信号を送信する。
【0053】
サーボコントローラ116は、システムコントローラ115からのコマンド信号に基づいて、メカドライバ117を介して先に説明したローディングモータ31の駆動を行うようにされる。
また、サーボコントローラ116は、ローディング機構におけるローディング動作が正常に行われているかどうかの検出を行っており、例えばローディング動作が開始されてから所定時間経過してもローディング動作の終了を検出できなかった時は、ローディングモータタイムアウト(以下、「LMERR」と表記する)というエラーフラグをIF/ECCコントローラ122を介してシステムコントローラ115に対して返信するようにされる。
なお、システムコントローラ115とサーボコントローラ116との通信は、例えば全2重双方向通信により行われ、回転ドラム18の回転毎に行われている。
【0054】
サーボコントローラ116によりメカドライバ117を介して駆動制御されるローディングモータ31は、通常、サーボドライバ116から一定レベルの駆動電圧信号が供給される。即ち、通常のローディング動作時では、ローディングモータ31は、サーボドライバ116から供給される図9(a)に示すような一定レベルの電圧信号により駆動されることになる。
【0055】
ところが、ローディングモータ31を定電圧信号により駆動した時に、ローディングモータ31で得られるトルクは、図9(a)に示すように電圧供給開始時点では大きく、それ以降は通常のローディング動作を行うのに支障のない程度に低下する。このため、例えばローディング機構内の異物の混入や、モータの磨耗等の一定条件の元でローディングモータ31への負荷が一時的に大きくなると、トルクが不足してテープカセット7から磁気テープ4を引き出すことができずローディングエラーが発生する。
【0056】
そこで、本実施の形態では、システムコントローラ115にLMERRのエラーフラグが返信されてきた場合、システムコントローラ115は返信されてきたエラーフラグが例えば1回目であれば、再びローディングモータ31を定電圧信号により駆動させるためのコマンド信号をサーボコントローラ116に送信する。即ち、システムコントローラ115は、ローディングモータの動作エラーが1回目であれば、定電圧信号によりローディングモータの駆動制御のリトライを実行する。
【0057】
そして、それでもサーボコントローラ116からLMERRのエラーフラグが返信されてきた時、つまりLMERRのエラーフラグが2回以上連続して返信されてきた時は、ローディングモータ31を定電圧信号で駆動させた時より大きいトルクが得られる、例えばPWM(Pulse Width Modulation)などのパルス電圧(方形波電圧)信号により駆動させるためのコマンド信号をサーボコントローラ116に送信するようにした。即ち、システムコントローラ115は、ローディングモータの動作エラーが2回以上であれば、定電圧信号からパルス電圧信号に切り替えてローディングモータ駆動制御のリトライを実行するようにした。
【0058】
この場合、サーボコントローラ116からローディングモータ31に供給される駆動電圧は、図9(b)に示すようなパルス電圧信号となり、この時にローディングモータ31で得られるトルクは、図9(b)に破線で示すようにパルス電圧信号が供給されるごとに大きなトルクが得られるようになる。
【0059】
従って、本実施の形態によれば、ローディングモータ31を定電圧により駆動した際に、何らかの一時的な要因によりローディングモータ31のトルクが不足して動作エラーが発生したような場合は、ローディングモータ31をパルス電圧信号により駆動した際に解消することができるので、従来に比べてローディングモータエラーの発生頻度を著しく低減することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、通常のローディング動作時におけるローディングモータ31の駆動電圧信号は定電圧信号とし、パルス電圧で駆動するのは、ローディングモータ31を定電圧駆動した際に動作エラーが発生した時のみとされるため、ローディングモータ31をパルス電圧信号で駆動した時に問題となるモータの磨耗の増加によりモータ寿命の低下や、ローディング速度の遅延、ローディング音の増大はほとんど問題になることはない。
【0061】
なお、パルス電圧信号によりローディング動作のリトライ(例えば定電圧信号によるリトライを含めて3回)を行ってもローディングモータ31の動作エラーが解消されない場合には、ローディングモータエラーとして所要の処理を実行すればよい。
【0062】
図10は上記したようなローディング動作を実現するためのシステムコントローラ15の処理動作の一例を示したフローチャートである。
システムコントローラ115は、先ずステップS001において、ローディングモータ31を定電圧駆動するためのコマンド信号をサーボコントローラ116に対して送信するようにされる。これに応じてサーボコントローラ116は、定電圧信号によりローディングモータ31を駆動する動作を行う。
【0063】
ステップS002では、システムコントローラ115は、IF/ECCコントローラ122を介してサーボコントローラ116からLMERRのエラーフラグが返信されてきたかどうかを検出しており、LMERRのエラーフラグの返信がなければ、ステップS003に進んで、例えばローディングモータ31の動作エラー回数を示す変数iに「0」を代入してローディングモータ処理を終了するようにされる。
【0064】
一方、ステップS002において、サーボコントローラ116からLMERRのエラーフラグが返信されてきた時は、ステップS004に進み、サーボコントローラ116に対してリセットコマンドを送信すると共に、ローディングモータ31の動作エラー回数を示す変数iに「1」を加算して、ステップS005に進む。
【0065】
ステップS005では、リトライ回数を示す変数iの値が「1」以下かどうかの判別を行い、変数iが「1」以下であればステップS006に進んで、ローディングモータ31を、電圧駆動によりリトライすることとし、ステップS001に戻ってローディングモータ31を定電圧信号で駆動するためのコマンド信号を送信するようにされる。
【0066】
このようにリトライを行っても、サーボコントローラ116から再びLMERRのエラーフラグが返信されてきた時は、ステップS005において、変数iの値が「1」を超え、従ってステップS007に進む。ここでは、変数iが「3」以下かどうかの判別を行い、変数iの値が「3」以下であれば、ステップS008に進んで、ローディングモータ31をパルス電圧信号でリトライすることとし、ステップS001に戻って、ローディングモータをパルス電圧信号で駆動するためのコマンド信号を送信するようにされる。これにより、サーボコントローラ16は図9(b)で説明したようなパルス電圧信号をローディングモータ1に印加し、ローディング動作を実行させる。
【0067】
また、ステップS009において、ローディングモータ31の動作エラー回数を示す変数iの値が「3」を超えている時、つまり、パルス電圧信号でのリトライを2回行っても、なお動作エラーとなった時は、ステップS009に進んで、ローディングモータエラーとして、所要のローディングモータエラー処理を実行してローディングモータ制御処理を終了するようにされる。
【0068】
なお、本実施の形態においては、ローディングモータ31の動作エラー回数が1回目の時は、定電圧駆動によりローディングモータ31のリトライを行い、動作エラー回数が2、3回目の時はパルス電圧駆動によりローディングモータ31の制御を行うようにしているが、これはあくまでも一例であり、例えばローディングモータ31の動作エラー回数が1回目からパルス電圧駆動によりリトライを行うといったことは当然可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のテープドライブ装置では、例えば通常動作時は、ローディングモータ駆動制御手段によりローディングモータを定電圧信号で駆動制御する。そして、定電圧駆動ではローディングモータの動作エラーを解消できない時にパルス電圧信号に切り替えてローディングモータの駆動制御を行うようにしている。この結果、一定の条件のもとでローディングモータのトルク不足による動作エラーが発生してもローディングモータの駆動エラーを解消することができるので、従来に比べてローディングモータエラーの発生頻度を低減することができる。
【0070】
また、ローディングモータを定電圧信号により駆動制御したときに動作エラーが発生した場合は、例えば定電圧信号により、再度ローディングモータのリトライ駆動制御を行い、そのでも動作エラーが解消されない時は、方形波電圧信号によりローディングモータによる駆動制御に切り替えるようにしている。即ち、ローディングモータを定電圧信号により駆動制御した際に確実に動作エラーとなる時だけパルス電圧信号により駆動制御を行うことになるため、ローディングモータをパルス電圧信号により駆動してもモータ寿命の低下するといったことがほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のテープストリーマドライブのブロック図である。
【図2】本実施の形態のテープストリーマドライブに対応するテープカセットの外観図である。
【図3】本実施の形態のテープストリーマドライブのローディング機構の水平断面図である。
【図4】本実施の形態のテープストリーマドライブのローディング機構の水平断面図である。
【図5】ローディング機構の概略構成を説明するための図である。
【図6】ローディング機構の各ギアの噛合状態を説明するための図である。
【図7】ローディング機構の位置検出機構を説明するための図である。
【図8】ローディング機構の各メカポジションにおけるローディング状態を示した図である。
【図9】ローディングモータの駆動電圧波形を示した図である。
【図10】システムコントローラにおけるローディング処理動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
18 回転ドラム、31 ローディングモータ、 100 テープストリーマドライブ、115 システムコントローラ、116 サーボコントローラ、117 メカドライバ、122 IF/ECCコントローラ
Claims (2)
- テープカセットに収納されている磁気テープを引き出して、記録/再生ヘッドを備えた回転ドラムに巻回することができるテープローディング手段を備えたテープドライブ装置において、
テープローディング時、上記テープローディング手段のローディングモータを定電圧信号により駆動制御を行うと共に、その際に動作エラーを検出した場合には、上記ローディングモータを方形波電圧信号による駆動制御に切り替えることができるローディングモータ駆動制御手段を備えることを特徴とするテープドライブ装置。 - 上記ローディングモータ駆動制御手段は、定電圧信号による駆動制御において動作エラーが発生した場合は、所定回数を上限として定電圧制御によるリトライ駆動制御を行うと共に、
上記所定回数のリトライ駆動制御を行っても動作エラーが発生している場合は、上記方形波電圧信号による駆動制御に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のテープドライブ装置。
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JP25863698A JP4147635B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | テープドライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=17323030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25863698A Expired - Fee Related JP4147635B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | テープドライブ装置 |
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JP (1) | JP4147635B2 (ja) |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP25863698A patent/JP4147635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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