JP4146579B2 - 溝掘削機の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溝掘削機におけるチェーン駆動式カッターの傾きに対する制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チェーン駆動式カッターによるソイルセメント地中連続壁工法では、図8に示すように、地盤20に設けた孔に挿入したチェーン駆動式カッター21を、孔の上部地表に設けたベースマシン22に接続し、このベースマシン22でチェーン駆動式カッター21を横方向へ徐々に動かしていくことにより、溝掘削を行っている。このチェーン駆動式カッター21は、ベースマシン22で支持されているだけであるので、掘削作業中に傾きを生じてしまうことがある。
そこで、チェーン駆動式カッター21を支持しているカッターポスト23等に傾斜計24を設置し、カッターポスト23の傾斜を計測することで、チェーン駆動式カッター21の傾きを検出し、得られた傾斜の値を基にベースマシン22部分で、例えばカッターポスト23や減速機25を支える支柱26に、チェーン駆動式カッター21の傾斜方向へ力を加える等のチェーン駆動式カッター21の傾き制御を行っている(図9参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カッターポスト等に設けた傾斜計には、カッターポストに曲がって取付けてしまった場合に生じる取付誤差や、傾斜計の0点セット(カッターポストが垂直になっている場合に傾斜計が検出する傾きを0とする設定。)の設定における誤差等が発生し、このような誤差を持つ傾斜計で計測された傾斜は誤差の大きいものとなってしまう。
また、チェーン駆動式カッターの傾き制御は、地上のベースマシンのチェーン駆動式カッターを支持している部分のみで行われており、掘削深度が深い場合には地中部での傾斜に対する制御は困難であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、傾斜計の取付誤差や0点セットの誤差等がほとんど含まれない初期設定方法を提供して傾斜の計測精度を向上させるとともに、地中部でも傾斜に対する制御を行えるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、地盤(11)に挿入したチェーン駆動式カッター(5)を駆動させながら移動させて溝を掘削する溝掘削機において、
前記チェーン駆動式カッターを支持するとともに、上下に複数連結された各カッターポスト(3)内に設けられた傾斜計(4)を、前記各カッターポスト内に上下方向に沿って設けられた回転軸周りに360度回転し、
前記傾斜計が回転軸に沿って回転した回転角をxとし、このときの傾斜計の出力値をyとして、この回転角xと傾斜計の出力値yから得られる関数を解析することにより各傾斜計の初期設定値を決定し、
得られた初期設定値で設定を行った各傾斜計で各カッターポストの傾斜を測定し、
この各傾斜計から得られた測定値に応じて、各カッターポストごとに傾き制御を行うことでチェーン駆動式カッターの傾きを制御することを特徴としている。
【0006】
ここで、傾斜計は周知のもので良く、常に傾斜角度を計測できるようになっているものとする。
傾斜計をカッターポスト内に上下方向に沿って設けられた回転軸周りに360度回転させると、回転軸に沿って回転させた回転角xに対する理想的な傾斜計の出力yは下記式(2)のようになり、例えば図4に示すようなsinカーブを描く。ここで、Bは傾斜計のオフセットと取付誤差の和であり、θは傾斜計の傾いている向きであり、得られるsinカーブはBの分y軸方向に平行移動し、θの分x軸方向に平行移動している。
【数2】
(上記式(2)において、Aはカッターポストの傾斜角の大きさ、θは傾斜計の傾いている向き、Bは傾斜計のオフセットと傾斜計の取付誤差の和である。)
つまり、このBが誤差であり、この誤差を考慮した初期設定値を決定し、設定を行うものとする。
【0007】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、傾斜計をカッターポスト内に上下方向に沿って設けられた回転軸周りに360度回転させることによって傾斜計の出力yがsinカーブを描く。このsinカーブを解析することで傾斜計のオフセットや取付誤差等が検出でき、このような誤差を考慮した初期設定を行うことで誤差の少ない計測値を得ることができる。
また、各カッターポストごとに傾き制御を行うことができるので、掘削深度が深い場合でも傾斜に適した傾き制御を行うことができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の溝掘削機の制御方法であって、
前記初期設定値の決定は、
下記式(1)を「A」「θ」「B」の各成分で偏微分し、
得られた3つの方程式に、複数の計測データPi(xi,yi)を代入し、
eiの2乗和を最小にする「A」「θ」「B」を求め、
得られた「B」の値を初期設定値とすることを特徴としている。
【数3】
(上記式(1)において、xi、yiは上記回転角xと傾斜計の出力yの計測データ、eiは計測誤差、Aはカッターポストの傾斜角の大きさ、θは傾斜計の傾いている向き、Bは傾斜計のオフセットと傾斜計の取付誤差の和である。)
【0009】
回転角xと傾斜計の出力yの実測データPi(xi,yi)には計測誤差が含まれるので、上記式(2)は実際には下記式(3)のようになる
【数4】
(上記式(3)において、xi、yiは上記回転角xと傾斜計の出力yの計測データ、eiは計測誤差、Aはカッターポストの傾斜角の大きさ、θは傾斜計の傾いている向き、Bは傾斜計のオフセットと傾斜計の取付誤差の和である。)
このeiの2乗和を最小にするA、θ、Bがそれぞれ、カッターポストの傾斜角の大きさ、傾斜計の傾いている向き、傾斜計のオフセットと傾斜計の取付誤差の和となる。
従って、下記式(1)をA、θ、Bの各成分で偏微分し、得られた3つの方程式に計測値を代入して方程式を解くことによりA、θ、Bを求めることができる。この方程式を解くためには理論上、最低3点の計測値が必要である。
【数5】
(上記式(1)において、xi、yiは上記回転角xと傾斜計の出力yの計測データ、eiは計測誤差、Aはカッターポストの傾斜角の大きさ、θは傾斜計の傾いている向き、Bは傾斜計のオフセットと傾斜計の取付誤差の和である。)
【0010】
このように、請求項2記載の発明によれば、得られたBの値は傾斜計のオフセット及び傾斜計の取付誤差の和であるので、このBの値を初期設定値として初期設定を行うことで、傾斜計から誤差の少ない計測値を得ることができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の溝掘削機の制御方法であって、例えば図5に示すように、上下に互いに隣接されたカッターポスト同士が、互いに掘削すべき溝の長さ方向に沿った回転軸周りに回動自在に連結され、これらカッターポスト同士を回動駆動させる駆動手段(例えば、ピストン9,9)を有する構造とし、
前記駆動手段により、カッターポスト同士を回動駆動することで各カッターポストごとに傾き制御を行いチェーン駆動式カッターの傾きを制御することを特徴としている。
【0012】
ここで、駆動手段は、一つの連結部分に複数個設けられているものとし、伸縮などによりカッターポスト同士を回動駆動させることができるものであれば良く、例えば、ジャッキやシリンダユニット等でよい。
【0013】
このように、請求項3記載の発明によれば、駆動手段にて回動自在な連結部分を回動させることにより、カッターポストを傾けることができるので、傾斜計で計測されたカッターポストの傾斜に対向してカッターポストを傾けることにより、カッターポストの傾きを制御することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の溝掘削機の制御方法であって、例えば図7に示すように、上下に互いに隣接されたカッターポスト同士が、互いに掘削すべき溝の長さ方向に沿った回転軸周りに回転自在に連結され、かつ各カッターポストは掘削された溝の内側面に向かって出没自在な出没部材(例えば、張出し板10,10)を有する構造とし、
前記出没部材により溝の内側面を押すことで、各カッターポストごとに傾き制御を行い、チェーン駆動式カッターの傾きを制御することを特徴としている。
【0015】
ここで、出没部材は溝の長さ方向の内側面に面する部分に1つ以上設けられるものとし、1つのカッターポストには2つ以上の出没部材が設けられているものとする。また、構造はカッターポストから出没する構造であればよく、板状でも棒状のものでも良い。
【0016】
このように、請求項4記載の発明によれば、チェーン駆動式カッターが傾斜している方向(カッターポストの下端が、溝の掘削方向に対してほぼ直交する左右方向のうちのいずれか一方に向かって、鉛直方向からずれた方向)と逆側に設けられた出没部材を引っ込め、チェーン駆動式カッターが傾斜している方向に設けられた出没部材を張り出して地盤を押すことにより、カッターポストの傾きの制御を行うことができる。傾斜計で計測されたカッターポストの傾斜に応じて、出没部材の出没量を調整することによりカッターポストの傾斜に応じた制御を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る溝掘削機の制御方法の実施の形態例を図1から図7に基づいて説明する。
【0018】
<第一の実施の形態例>
先ず、図1はこの制御方法を用いる溝掘削機の正面図であり、溝掘削機は、ベースマシン1、減速機2、カッターポスト3、傾斜計4、チェーン駆動式カッター5から概略構成されている。
基本的にベースマシン1、減速機2、チェーン駆動式カッター5は周知のものであり、従来と同様に機能するようになっている。つまり、溝を形成していく方向にカッター面を向けて、地盤11に設けた孔に挿入されたチェーン駆動式カッター5は、ベースマシン1に連結されており、チェーン駆動式カッター5は孔の中で縦に回転し、ベースマシン1が地盤11上を溝を形成していく方向へ動いていくことにより、チェーン駆動式カッター5は徐々に地盤11を掘削することができる。減速機2はチェーン駆動式カッター5の回転速度を変化させるための装置である。
【0019】
カッターポスト3は図2に示すように、掘削すべき溝の長さ方向に沿った回転軸周りに回動自在な連結部6を介して上下に複数個連結されており、チェーン駆動式カッター5(図1に図示)が縦に回転できるように支持している。図1中では5個のカッターポスト3を連結しているが、カッターポスト3は互いに着脱自在であり、連結するカッターポスト3の個数は形成する溝の深さにより任意に設定できる。
【0020】
傾斜計4は各カッターポスト3内に一つずつ設けられている。傾斜計4は一軸方向の傾斜を計測するものであり、ここでは溝を掘削する方向と直交する方向の傾斜角度を計測するものである。カッターポスト3の中央に、縦に円筒形の空間を設け、その空間に、図3に示すような傾斜計4を内部に固設した計測内管7を挿入している。計測内管7の上下両端にはベアリング8a,8bが取り付けられ、このベアリング8a,8bがカッターポスト3に固定されており、計測内管7(傾斜計4)がカッターポスト3内で容易且つ滑らかに回転できるようになっている。計測内管7の回転は、計測内管7に設けられた図示しない回転駆動手段により行われ、この計測内管7の回転角は減速機2内に設置された回転角計測センサー(図示省略)で計測される。
【0021】
図5は、両側に一対のシリンダユニット9,9を設けた、カッターポスト3とカッターポスト3の可動式の連結部を示す連結部部分の正面図である。
シリンダユニット(駆動手段)9,9のシリンダ9a,9aは連結部が連結する2つのカッターポスト3,3の一方に連結しており、このシリンダ9a,9a内を摺動するピストン9b,9bは他方のカッターポスト3に連結している。このシリンダユニット9,9は、各カッターポスト3に設けられた傾斜計4から得られたカッターポスト3の傾斜に基づいてシリンダ9a,9a内でピストン9b,9bを摺動させて伸縮することで、カッターポスト3の傾きを制御する。
シリンダユニット9,9は、例えば、周知のような、図示しないRAMとROMとCPUを備えた制御部を有しており、ROMにあらかじめ記憶されたプログラム等とRAMに記憶された設定値に基づいてCPUが後述する処理を行う。
【0022】
次に、傾斜計4の初期設定値の決定方法を説明する。
傾斜計4の初期設定値は、上下方向に沿って設けられた回転軸に沿って傾斜計4を360度回転させて決定する。このとき、ベースマシン1及びチェーン駆動式カッター5は停止した状態にしておく。
回転角計測センサーで計測された傾斜計4の回転角をxとし、回転角xの時の傾斜計4の出力値をyとすると、傾斜計4を360度回転させた場合の理想的な傾斜計4の出力値yは、下記式(2)のようになる。
【数6】
(上記式(2)において、Aはカッターポスト3の傾斜角の大きさ、θは傾斜計4の傾いている向き、Bは傾斜計4のオフセットと傾斜計4の取付誤差の和である。)
つまり、傾斜計4の出力値yは、例えば図4に示すようなsinカーブを描く。取付誤差等がある場合、傾斜計4の出力値yの描くsinカーブは、x軸及びy軸方向に平行移動している。これは上記式(2)からわかるように、x軸方向の平行移動はθによるものであり、y軸方向の平行移動はBによるものである。つまり、このBが取付等で生じる誤差であるので、Bを初期設定値とし、計測値から差し引かれる(または加えられる)ように初期設定を行えば良い。
そこで、このBを求める。
【0023】
実際は、計測には計測誤差が含まれるので、上記式(2)は下記式(3)のようになる。
【数7】
(上記式(3)において、xi、yiは上記回転角xと傾斜計の出力yの計測データ、eiは計測誤差、Aはカッターポスト3の傾斜角の大きさ、θは傾斜計4の傾いている向き、Bは傾斜計4のオフセットと傾斜計4の取付誤差の和である。)
このeiの2乗和を最小にするA、θ、Bがそれぞれ、カッターポスト3の傾斜角の大きさ、傾斜計4の傾いている向き、傾斜計4のオフセットと傾斜計4の取付誤差の和となるので、下記式(1)をA、θ、Bの各成分で偏微分し、得られた3つの方程式に計測値を代入して方程式を解くことによりA、θ、Bを求めることができる。ここで、方程式に代入する計測値は3つ以上であれば良い。
このようにして得られた初期設定値をもとに、傾斜計4の初期設定を行う。
【数8】
(上記式(1)において、xi、yiは上記回転角xと傾斜計の出力yの計測データ、eiは計測誤差、Aはカッターポスト3の傾斜角の大きさ、θは傾斜計4の傾いている向き、Bは傾斜計4のオフセットと傾斜計4の取付誤差の和である。)
【0024】
次にカッターポスト3(チェーン駆動式カッター5)傾き制御方法に付いて説明する。傾き制御は、掘削作業を行いながら行う。
【0025】
シリンダユニット9,9の制御部は、上述のように初期設定を行った傾斜計4から得られたカッターポスト3の傾斜データに基づいて、カッターポスト3が傾斜している側(カッターポストの下端が、溝の掘削方向に対してほぼ直交する左右方向のうちのいずれか一方に向かって、鉛直方向からずれた側)のピストン9bを摺動させて伸ばし、同時に逆側のピストン9bを摺動させて縮ませ、カッターポスト3を傾斜とは逆の方向に曲げるようにすることにより、図6に示すように各カッターポスト3ごとにカッターポスト3の傾きを制御している。このときのシリンダユニット9,9の伸縮度は各カッターポスト3の傾き加減により設定される。
【0026】
<第二の実施の形態例>
図7は、張り出し板10,10を設けたカッターポスト3を示す斜視図である。
カッターポスト3は掘削された溝の内側面に面する部分に、張り出し板(出没部材)10,10を備えており、この張り出し板10,10は例えば油圧等によりカッターポスト3から自在に張り出したり引っ込めるたりすることができる。
カッターポスト3の上面及び下面は、図3に示したように、可動式の連結部を介して他のカッターポスト3と連結している。
なお、ここで用いられる溝掘削機、傾斜計4等は第一の実施の形態例と同様のものであり、傾斜計4のカッターポスト3への取付構造や、傾斜計の初期設定値の決定方法等も同様である。
張り出し板10,10も、第一の実施の形態例におけるシリンダユニット9,9と同様に、周知のような、図示しないRAMとROMとCPUを備えた制御部を有しており、ROMにあらかじめ記憶されたプログラム等とRAMに記憶された設定値に基づいてCPUが後述した処理を行う。
張り出し板10,10の制御部は、第一の実施の形態例と同様に初期設定を行った傾斜計4から得られたカッターポスト3の傾斜データに基づいて、カッターポスト3が傾斜している側(カッターポストの下端が、溝の掘削方向に対してほぼ直交する左右方向のうちのいずれか一方に向かって、鉛直方向からずれた側)の張り出し板10を張り出し、同時に逆側の張り出し板10を引っ込ませ、張り出した張り出し板10で地盤を押し、カッターポスト3を鉛直方向に戻すようにすることにより、図6に示すように各カッターポスト3ごとに傾きを制御している。このときの張り出し板10,10の張り出し量は各カッターポスト3の傾き加減により設定される。
【0027】
このように、上記実施の形態の溝掘削機の制御方法によれば、傾斜計4を360度回転させて得られた傾斜計4の出力値を解析することにより、傾斜計の取付や0点セット等による誤差を検出することができ、この値をもとに初期設定を行った傾斜計4からは誤差の少ない計測値を得ることができる。
また、傾斜計4は各カッターポストごとに備えられており、各カッターポストごとに傾き制御が行われるので、掘削深度が深い場合でも傾斜に適した傾き制御を行うことができる。
【0028】
なお、以上の実施の形態例においては、駆動手段としてシリンダユニットを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、伸縮などによりカッターポスト同士を回動駆動させることができるものであれば良い。また、シリンダユニットの数は2個としたが、連結部の周りに配置可能であれば2個以上であっても良い。
出没部材としては張出し板を用いたが、カッターポストから出没して地盤を押すことができるものであれば、例えば棒状の出没部材でも良い。また、張出し板も2個としたが、溝の長さ方向の内側面に面する部分に1つ以上設けるものとし、1つのカッターポストには2つ以上設けられていれば良い。
また、カッターポストの形状や連結部の構造等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係る溝掘削機の制御方法によれば、傾斜計をカッターポスト内に上下方向に沿って設けられた回転軸周りに360度回転させることによって傾斜計の出力yがsinカーブを描く。このsinカーブを解析することで傾斜計のオフセットや取付誤差等が検出でき、このような誤差を考慮した初期設定を行うことで誤差の少ない計測値を得ることができる。
また、各カッターポストごとに傾き制御を行うことができるので、掘削深度が深い場合でも傾斜に適した傾き制御を行うことができる。
【0030】
請求項2記載の発明に係る溝掘削機の制御方法によれば、得られたBの値は傾斜計のオフセット及び傾斜計の取付誤差の和であるので、このBの値を初期設定値として初期設定を行うことで、傾斜計から誤差の少ない計測値を得ることができる。
【0031】
請求項3記載の発明に係る溝掘削機の制御方法によれば、駆動手段にて回動自在な連結部分を回動させることにより、カッターポストを任意の方向に傾けることができるので、傾斜計で計測されたカッターポストの傾斜に対向してカッターポストを傾けることにより、カッターポストの傾きを制御することができる。
【0032】
請求項4記載の発明に係る溝掘削機の制御方法によれば、チェーン駆動式カッターが傾斜している方向(カッターポストの下端が、溝の掘削方向に対してほぼ直交する左右方向のうちのいずれか一方に向かって、鉛直方向からずれた方向)と逆側に設けられた出没部材を引っ込め、チェーン駆動式カッターが傾斜している方向に設けられた出没部材を張り出して地盤を押すことにより、カッターポストの傾きの制御を行うことができる。傾斜計で計測されたカッターポストの傾斜に応じて、出没部材の出没量を調整することによりカッターポストの傾斜に応じた制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての溝掘削機の構造を示す正面図である。
【図2】可動式の連結部の構造を示す概略図である。
【図3】傾斜計を有する計測内管の構造を示す概略図である。
【図4】傾斜計を360度回転させた時に、傾斜計の回転角xに対する傾斜計の出力値yが示すsinカーブの一例を示す図である。
【図5】カッターポスト連結部にピストンを設けた状態を示す概略図である。
【図6】溝掘削機における傾き制御方法を示す概略図である。
【図7】張り出し板を設けたカッターポストの構造を示す概略図である。
【図8】従来の溝掘削機の構造を示す正面図である。
【図9】図8に示した従来の溝掘削機における傾き制御方法を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ベースマシン
2 減速機
3 カッターポスト
4 傾斜計
5 チェーン駆動式カッター
6 連結部
7 計測内管
8a,8b ベアリング
9 シリンダユニット
9aシリンダ
9bピストン
10張出し板
11地盤
20地盤
21チェーン駆動式カッター
22ベースマシン
23カッターポスト
24傾斜計
25減速機
26支柱
Claims (4)
- 地盤に挿入したチェーン駆動式カッターを駆動させながら移動させて溝を掘削する溝掘削機において、
前記チェーン駆動式カッターを支持するとともに、上下に複数連結された各カッターポスト内に設けられた傾斜計を、前記各カッターポスト内に上下方向に沿って設けられた回転軸周りに360度回転し、
前記傾斜計が回転軸に沿って回転した回転角をxとし、このときの傾斜計の出力値をyとして、この回転角xと傾斜計の出力値yから得られる関数を解析することにより各傾斜計の初期設定値を決定し、
得られた初期設定値で設定を行った各傾斜計で各カッターポストの傾斜を測定し、
この各傾斜計から得られた測定値に応じて、各カッターポストごとに傾き制御を行うことでチェーン駆動式カッターの傾きを制御すること、
を特徴とする溝掘削機の制御方法。 - 上下に互いに隣接されたカッターポスト同士が、互いに掘削すべき溝の長さ方向に沿った回転軸周りに回動自在に連結され、これらカッターポスト同士を回動駆動させる駆動手段を有する構造とし、
前記駆動手段により、カッターポスト同士を回動駆動することで各カッターポストごとに傾き制御を行いチェーン駆動式カッターの傾きを制御すること、
を特徴とする請求項1記載の溝掘削機の制御方法。 - 上下に互いに隣接されたカッターポスト同士が、互いに掘削すべき溝の長さ方向に沿った回転軸周りに回転自在に連結され、かつ各カッターポストは掘削された溝の内側面に向かって出没自在な出没部材を有する構造とし、
前記出没部材により溝の内側面を押すことで、各カッターポストごとに傾き制御を行い、チェーン駆動式カッターの傾きを制御すること、
を特徴とする請求項1記載の溝掘削機の制御方法。
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