JP4146356B2 - 圧力センサの機能性を検査する方法 - Google Patents

Description

従来技術
本発明は、車両の車体部分内の気圧を検出する圧力センサの機能性（Funktionsfaehigkeit）を検査する方法に関する。ここで車両は、気圧を検出する少なくとも１つの別の圧力センサを含む。

圧力センサ、例えばマイクロマシニング技術による圧力センサは自動車技術において殊に乗員保護の領域で使用される。例えばｙ方向での加速度センシングに対して付加的に、しばしば車両側面での圧力センシングが行われ、側面衝突を識別し、拘束手段がトリガされるべきか否かが判断される。このために車両扉内に圧力センサが配置される。この圧力センサは定常状態において、すなわち通常の状態において、周囲の気圧ｐ０を検出する。これは一方では気象に依存し、他方ではその時々のＮＮ（海抜）レベルに依存する。車両扉が変形される側面衝突は、（衝突の強さに応じて）迅速な圧力上昇Δｐ＝ｐ１−ｐ０に結びつく。

上述したように実際にはしばしば、マイクロマシニング技術によるセンサ要素を有する圧力センサが使用される。この種のセンサのメンブレンは通常は、完全に破壊された場合にのみ故障と診断される。表面上の傷またはメンブレンにおける破れ等の比較的小さい損傷はその時点では、付加的な補助装置によってしか識別されない。

発明の利点
本発明は、付加的な補助装置を必要とせずに、センサの完全性（Integritaet）を推測することができる、圧力センサの機能性を検査する方法を提案する。従って本発明の方法によってコストを増加させずに、乗員保護システムの自己診断能力を改善することができる。

これは本発明と相応に次のことによって実現される。すなわち圧力センサの測定値と、少なくとも１つの別の圧力センサの測定値が所定の観察時間にわたって相互に比較され、圧力センサの測定値が、少なくとも１つの別の圧力センサの測定値と所定の程度を越えて異なっている場合、圧力センサは故障していると識別される。

本発明は、自動車内には通常は、実質的に周辺の気圧を検出する複数の圧力センサが設けられていることを利用する。従って例えば側面衝突に対する上述の乗員保護システムは、車両の扉の数に応じて既に少なくとも２つまたは４つの圧力センサを有している。これらの圧力センサは車両の扉内に配置されており、通常の状態において周囲の気圧を検出する。さらなる圧力センサは例えばエンジン制御、車両室内の空調および／または自動車用ウェザーステーション（Kfz-Wetterstation）に対して設けられる。本発明では気圧検出部のこのような冗長性が利用され、１つのセンサないしは測定値比較に関与している全てのセンサの完全性、すなわち機能性が推測される。複数の圧力センサの測定値が所定の観察時間にわたって相互に比較されて、圧力センサの測定値が、測定値比較に関与している残りの圧力センサの測定値と所定の程度を上回って相違している場合にのみ、圧力センサは故障であると識別される、ことが重要である。これによって側面衝突等の特異な結果は、連続的にいわば背後で行われている本発明による機能性検査に影響を与えない。

本発明による方法を実行するのには、少なくとも１つの次のような別のセンサが必要である。すなわちその測定値が、検査されるべき圧力センサの測定値と比較される別の装置である。しかし、測定値比較に関与している全ての圧力センサは、その機能性検査に関して同等であることをここで再び指摘しておく。すなわち測定値比較の枠においては、関与している全ての圧力センサが検査され、同時に、関与している全ての圧力センサは基準センサとしても使用され得る。これと相応にセンサの故障は、測定値比較に参加する圧力センサの数（ひいては気圧検出での冗長性）が多ければ多いほど確実に検出される。既に上述したように、測定値比較に関与している個々の圧力センサは、乗員保護等の１つのシステムに割り当てられていても、または全く異なる複数のシステムに割り当てられていてもよい。

本発明による方法は有利には、圧力センサの機能性検査に使用される。ここでこのセンサは側面衝突を識別するのに用いられる、このために相応の車両扉内に配置されている。有利には測定値比較はここでは、同じように側面衝突の識別に使用され、このために同じように車両扉内に配置されている圧力センサによって行われる。２つの比較センサが車体部分内に配置されていることによって、いずれにせよ機械的な損傷の影響に対する保護が得られる。

車両衝突の識別に用いられる圧力センサの機能性を検査する本発明による方法の有利な発展形態では、この圧力センサが故障であると識別された場合には、拘束手段のトリガに関する判断がこの圧力センサの測定値に依存しないで行われる。このようにして少なくともある程度の乗員保護が保証される。

特に有利には、機能性が本発明の方法によって検査される圧力センサの測定値は、複数回（すなわち複数の車両システムの枠内で）使用される。従って乗員保護の枠内で連続的に検出された周辺気圧が例えば、運転者情報システムにおいても表示される。場合によっては、周辺気圧に関する情報は、車両室内の空調の最適化にも、または自動車ウェザーステーションの実現にも使用される。

図面
上述したように、本発明の理論を有利に構成および改善する種々様々な方法がある。このために一方では請求項１に従属する請求項を、他方では図面に基づく本発明の実施例に対する以下の説明を参照されたい。

唯一の図面には、本発明による方法の可能な形態のフローチャートが示されている。

実施例の説明
自動車にはｙ方向における加速度センシング部が装備られており、さらに側面衝突を識別するために、各側面にそれぞれ１つずつ圧力センサＳ１およびＳ２が装備されている。圧力センサＳ１およびＳ２は車両扉内に配置されており、通常の状態において周辺気圧ｐ０を検出する。各扉が変形される側面衝突では強さに応じて、約１００ｍｂａｒの迅速な圧力上昇Δｐ＝ｐ１−ｐ０が、３ｍｓ内で生じる。周辺気圧ｐ０はその時々の気象およびＮＮ（海抜）レベルに依存する。

図示されたフローチャートの１では、２つの圧力センサＳ１およびＳ２（車両の右側／左側）の測定値ｐ０Ｓ１およびｐ０Ｓ２が所定の観察時間にわたって相互に比較されて、各センサＳ１およびＳ２の完全性が推定される。このために測定値ｐ０Ｓ１およびｐ０Ｓ２は例えば２５０ｍｓ毎に相互に比較され得る。２では、観察時間内に検出された測定値ｐ０Ｓ１およびｐ０Ｓ２が所定の程度を越えて相違しているか否かが検査される。これらの測定値が所定の程度を上回って相違していない場合、１で行われた比較が次の観察時間に対して実施される。しかし２つの圧力センサＳ１およびＳ２の測定値ｐ０Ｓ１およびｐ０Ｓ２が所定の程度を越えて相違している場合、２つの圧力センサのうちの少なくとも１つの圧力センサの機能性に障害があるとされる。

観察時間内での周辺気圧の変化を介して、故障しているセンサ要素の識別が推測される。このために３では、測定値ｐ０Ｓ１および／またはｐ０Ｓ２が観察時間内に一定に保たれているか否かが検査される。例えば圧力センサＳ２の測定値が、通常の気象等によって引き起こされる変動の影響下にあり、圧力センサＳ１の測定値が一定である場合、圧力センサＳ１の機能性に障害があるとされる。このような場合には４ないしは５（この関係が逆である場合、すなわち圧力センサＳ２に障害がある場合）で少なくとも１つの相応する警告が出力される。付加的に、該当する面に対して最小の衝突保護が維持される。これはこの場合に拘束手段が圧力センシングを考慮せず、ｙ方向における加速度センシングにのみ基づきアクティブ化されることによって行われる。２つの圧力センサの測定値が観察時間中に一定であった場合、または２つの測定値が異なる変動の影響を受けている場合、個々の圧力センサＳ１およびＳ２の機能性に関する正確な情報は与えられない。この場合には６でさらなる検査措置が講じられなければならない。

本発明による方法の可能な形態のフローチャートである。

Claims (4)

1. 側面衝突を識別するために用いられ、車両の車体部分内の気圧を検出する圧力センサの機能性を検査する方法であって、
   前記車両は、気圧を検出する少なくとも１つの別の圧力センサを有する形式の方法において、
   前記圧力センサの測定値と前記少なくとも１つの別の圧力センサの測定値を所定の観察時間にわたって相互に比較し、
   前記圧力センサの測定値と、前記少なくとも１つの別の圧力センサの測定値とが所定の程度を越えて相違している場合に、前記圧力センサの測定値および前記少なくとも１つの別の圧力センサの測定値が前記観察時間内で一定のままであるか否かが検査され、一定のままである測定値を有している圧力センサを故障した圧力センサと識別し、
   当該検査を連続的に行う、
   ことを特徴とする、圧力センサの機能性を検査する方法。
2. 前記別の圧力センサは他の車体部分に配置されている、
   請求項１に記載された、側面衝突を識別する、車両扉内に配置された圧力センサの機能性を検査する方法。
3. 前記別の圧力センサは、車両の同じ側または他の側にある別の車両扉内に配置されている、請求項２記載の方法。
4. 前記圧力センサの測定値を運転者情報システムを介して表示する、
   請求項１から３までのいずれか１項記載の方法。

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