JP4145719B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスセンサ及びガスセンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサは、軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、前側筒状体と後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなる。また、このガスセンサは、軸方向に延び、一端側に検出部をもつ検出素子と、検出素子の他端側に接続され、検出部の出力信号を取り出すためのリード部材とを備えている。前側筒状体及び後側筒状体の一方である主体金具は、筒状をなして自身の内側に検出素子を挿通し、少なくとも検出部が一端側に露出するように検出素子を保持している。また、前側筒状体及び後側筒状体の他方であり得る外筒は、主体金具の他端に接続され、リード部材を内部に収容している。前側筒状体及び後側筒状体の他方であり得るプロテクタも、主体金具の一端に接続され、検出部を覆っている。
【0003】
このガスセンサの製造方法として、特許文献1記載のものが知られている。この製造方法では、まず、図6に示すように、主体金具80及び外筒81を用意し、主体金具80及び外筒81を軸方向の前後に配置し、主体金具80と外筒81との間に重ね合わせ部Aを形成する。そして、主体金具80と外筒81との重ね合わせ部Aに対して仮止を施し、軸方向を回転軸として主体金具80及び外筒81を回転させつつ、軸方向と直交する方向からレーザを照射する。これにより、溶け込み方向が軸方向と直交し、溶接幅W1、溶接深さD1の溶接部82が重ね合わせ部Aの周方向の全周に形成される。こうして得られたガスセンサでは、重ね合わせ部Aに形成された溶接部82により、主体金具80と外筒81との溶接強度が確保される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−147213号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のガスセンサでは、重ね合わせ部に対して軸方向と直交する方向からレーザを照射する製造方法が採用されているため、溶接部の溶け込み方向が軸方向と直交しており、溶接部の溶接幅が十分でなく、前側筒状体と後側筒状体との溶接強度が確保されない虞がある。また、溶接部の溶接幅を広げるため、レーザのスポット径を大きくしたのでは、消費電力が大きくなってしまい、製造コストの高騰化を生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、十分な溶接強度を確保しつつ、安価に製造可能なガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスセンサは、軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、該前側筒状体と該後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなるガスセンサにおいて、
前記溶接部の溶け込み方向が前記軸方向と直交する方向に対して傾斜しており、
前記溶接部の外表面が前記溶け込み方向とは反対方向に膨らんでいることを特徴とする。
【0008】
本発明のガスセンサでは、前側筒状体と後側筒状体との重ね合わせ部に形成される溶接部の溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜しているため、溶接幅が広くなっている。そのため、十分な溶接強度を確保することができる。また、溶接幅の広い溶接部を形成するために例えば照射するレーザのスポット径を大きくする必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【0009】
したがって、本発明のガスセンサは、十分な溶接強度を確保しつつ、安価に製造可能なものである。なお、溶け込み方向は、軸方向と直行する方向に対し、5〜40度傾斜していることが好ましい。
【0010】
また、従来のガスセンサでは、重ね合わせ部に対して軸方向と直交する方向からレーザを照射しており、溶接部の溶け込み深さが深くなる傾向にある。そのため、前側筒状体と後側筒状体との重ね合わせ部が肉薄である場合、溶接部が重ね合わせ部を貫通してしまう虞がある。これに対し、本発明のガスセンサでは、溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜しているので、軸方向と直交する方向の溶け込み深さを抑えることができ、重ね合わせ部が肉薄の場合でも、溶接部が重ね合わせ部を貫通してしまうのを防止することができる。
【0011】
また、本発明のガスセンサによれば、ガスセンサの重ね合わせ部の表面にて反射されたレーザを、レーザの反射する方向に設置された受光装置等によりモニタすることができる。これにより、溶接工程中に溶接の状態をオンラインモニタすることが可能となる。
【0012】
なお、本発明のガスセンサにおいて、溶接部の溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜していることは、溶接部における軸方向に沿った径方向断面を観察したときに、溶接部の溶け込み方向が溶接面に対して傾斜していることにより確認することができる。
【0013】
本発明のガスセンサは、軸方向に延び、一端側に検出部をもつ検出素子と、検出素子の他端側に接続され、検出部の出力信号を取り出すためのリード部材と、筒状をなして自身の内側に検出素子を挿通し、少なくとも検出部が一端側に露出するように検出素子を保持する主体金具と、主体金具の一端に接続され、検出部を覆うプロテクタと、主体金具の他端に接続され、リード部材を内部に収容する外筒とを備え得る。この場合、このガスセンサは、前側筒状体及び後側筒状体の一方が主体金具であり、前側筒状体及び後側筒状体の他方が前記プロテクタ及び前記外筒の少なくとも一方であり得る。これにより、主体金具と外筒との溶接部の溶接強度、又は主体金具とプロテクタとの溶接部の溶接強度、或いは主体金具と外筒及びプロテクタの両方の溶接部の溶接強度が高いガスセンサとすることができる。ここで、主体金具と外筒とが溶接部により接合されるガスセンサにおいては、前側筒状体が主体金具で後側筒状体が外筒である。また、主体金具とプロテクタとが溶接部により接合されるガスセンサにおいては、後側筒状体が主体金具で前側筒状体がプロテクタである。さらに、主体金具と外筒及びプロテクタの両方が溶接部により接合されるガスセンサにおいては、主体金具と外筒との関係では前側筒状体が主体金具で後側筒状体が外筒であり、主体金具とプロテクタとの関係では後側筒状体が主体金具で前側筒状体がプロテクタである。
【0014】
前側筒状体及び後側筒状体の他方は外筒であることが好ましい。これにより、主体金具と外筒との間の溶接強度を十分高くすることができる。
【0015】
本発明のガスセンサは、溶接部は周方向の全周に形成されていることが好ましい。これにより、重ね合わせ部における気密性を確保することができる。
【0016】
また、本発明のガスセンサでは、溶接部がレーザ溶接により形成されていることが好ましい。レーザ溶接であれば、前側筒状体と後側筒状体とを確実に溶接することができる。
【0017】
本発明のガスセンサの製造方法は、軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、該前側筒状体と該後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなるガスセンサの製造方法において、
前記前側筒状体及び前記後側筒状体を用意する第1工程と、
該前側筒状体及び該後側筒状体を軸方向の前後に配置し、該前側筒状体と該後側筒状体との間に前記重ね合わせ部を形成する第2工程と、
軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向からレーザを照射し、該重ね合わせ部に溶け込み方向が前記軸方向と直交する方向に対して傾斜し、かつ自身の外表面が前記溶け込み方向とは反対方向に膨らんだ溶接部を形成する第3工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明のガスセンサの製造方法では、第1工程において前側筒状体及び後側筒状体を用意し、第2工程において前側筒状体と後側筒状体との間に重ね合わせ部を形成し、第3工程において軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向からレーザを照射し、重ね合わせ部に溶接部を形成する。これにより、前側筒状体と後側筒状体との重ね合わせ部に形成される溶接部の溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜するため、レーザのスポット径を大きくすることなく、溶接幅を広くすることができる。
【0019】
したがって、本発明のガスセンサの製造方法によれば、十分な溶接強度を確保するガスセンサを安価に製造することができる。なお、レーザを照射する方向は、軸方向と直交する方向に対し、5〜40度傾斜していることが好ましい。5度未満であると、軸方向と直交する方向からレーザを照射する場合と比べて、溶接部の溶接幅があまり変わらず、溶接強度の向上がみられない。また、40度を越えると、被照射物表面でのレーザの反射が顕著になる。
【0020】
第3工程においては、レーザを照射するレーザ装置と重ね合わせ部とを相対回転させることにより、重ね合わせ部の周方向の全周に溶接部を形成することが好ましい。これにより、レーザ装置を固定することもでき、安定して重ね合わせ部に溶接部を形成することができるとともに、容易に重ね合わせ部の周方向の全周に溶接部を形成することができる。
【0021】
また、第2工程において、前側筒状体と後側筒状体とを遊嵌して重ね合わせ部を形成した後、重ね合わせ部を径方向内側にかしめてかしめ部を形成し、第3工程において、かしめ部に溶接部を形成することが好ましい。第2工程において、かしめ部を形成することにより前側筒状体と後側筒状体とが仮止されるため、第3工程において溶接部を形成するに際し、前側筒状体と後側筒状体とが位置ずれを生じ難い。また、かしめ部を形成することにより容易にレーザ溶接を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を酸素センサ及び酸素センサの製造方法に具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
実施形態の酸素センサは、図1に示すように、軸方向に延びる積層型センサ素子1を備えている。積層型センサ素子1は、ジルコニア等を主成分とする酸素イオン伝導性固体電解質体からなる酸素濃淡電池素子と、酸素濃淡電池素子を所定の活性化温度に加熱するためのヒータとが積層されたものとして構成されている。酸素濃淡電池素子の一端側には、酸素イオン伝導性固体電解質体の両側面に白金からなる検出電極が形成されており、酸素濃度を検出する検出部となっている。酸素濃淡電池素子の他端側には、検出電極と電気的に接続された素子用端子電極が形成されている。また、ヒータはセラミックシート間に抵抗発熱体パターンが配置された構造をなしており、他端側にヒータ駆動用の電力を外部から供給するためのヒータ用端子電極が形成されている。そして、積層型センサ素子1の他端側には、セラミックス製のコネクタ13により導線14が固定されており、導線14と素子用端子電極とが電気的に接続される。この導線14は、セラミックス製のセパレータ15内で接続端子16によりリード線18に電気的に接続されている。導線14、接続端子16及びリード線18が検出部の出力信号を取り出すためのリード部材である。また、セパレータ15と隣接してゴム製のグロメット17が外筒11に内装されており、このグロメット17を挿通してリード線18が外部に延出されている。なお、図示しないが、積層型センサ素子1のヒータのヒータ用端子電極には、外部から電力を供給するためのリード部材が電気的に接続されている。
【0024】
上記積層型センサ素子1は、金属製のパッキン10、セラミックス製のホルダ9、タルク等からなるシーリング粉末8、セラミックス製のスリーブ7及び金属製のリング6を介して筒状をなす金属製の主体金具2内に挿通されている。主体金具2の他端側は径方向内側にかしめられており、これにより積層型センサ素子1の検出部は主体金具2の一端側に露出するように絶縁状態で保持されている。主体金具2の一端側には円筒状の第1ボス部2aが形成されており、この第1ボス部2aには積層型センサ素子1の検出部を覆う金属製のプロテクタ3が接続されている。プロテクタ3は、外側に位置する外側プロテクタ3aと、この外側プロテクタ3a内に固着された内側プロテクタ3bとからなる。外側プロテクタ3aは他端側に円筒状の挿入部3cを有している。このプロテクタ3は、挿入部3cが主体金具2の第1ボス部2aの径方向外側を取り囲み、これにより第1ボス部2aと挿入部3cとの間に重ね合わせ部Bが形成されている。重ね合わせ部Bは径方向内側にかしめられているとともに、レーザ溶接による溶接部4により接合されている。プロテクタ3にはガス濃度を測定するための積層型センサ素子1の検出部と接触させるためのガス導入口3dが形成されている。なお、主体金具2はフランジ2cと第1ボス部2aとの間に雄ねじ2dが形成されており、フランジ2cと雄ねじ2dとの間にはガスケット5が取り付けられている。
【0025】
また、主体金具2の他端側にも円筒状の第2ボス部2bが形成されており、この第2ボス部2bには積層型センサ素子1の他端側、コネクタ13、導線14、セパレータ15、接続端子16、グロメット17及びリード線18を内部に収容する金属製の外筒11が接続されている。外筒11は一端側に円筒状の挿入部11aを有している。この外筒11は、挿入部11aが主体金具2の第2ボス部2bの径方向外側を取り囲み、これにより第2ボス部2bと挿入部11aとの間に重ね合わせ部Cが形成されている。重ね合わせ部Cは径方向内側にかしめられているとともに、レーザ溶接による溶接部12により接合されている。なお、プロテクタ3と主体金具2との関係では、プロテクタ3が前側筒状体であり、主体金具2が後側筒状体である。また、主体金具2と外筒11との関係では、主体金具2が前側筒状体であり、外筒11が後側筒状体である。
【0026】
以上の構成をなす酸素センサは以下のように製造される。まず第1工程において、積層型センサ素子1、主体金具2、プロテクタ3、ガスケット5、リング6、スリーブ7、シーリング粉末8、ホルダ9、金属製のパッキン10、外筒11、コネクタ13、導線14、セパレータ15、接続端子16、グロメット17及びリード線18等を用意する。
【0027】
次に、プロテクタ3と主体金具2及び主体金具2と外筒11について各々第2工程及び第3工程が行われる。つまり、プロテクタ3と主体金具2とについて第2工程及び第3工程が行われ、続いて主体金具2と外筒11とについて第2工程及び第3工程が行われる。以下、プロテクタ3と主体金具2及び主体金具2と外筒11についての第2工程及び第3工程を説明する。
【0028】
まず、プロテクタ3と主体金具2とについての第2工程において、プロテクタ3と主体金具2とを遊嵌して重ね合わせ部Bを形成する。その後、この重ね合わせ部Bを径方向内側にかしめて、重ね合わせ部Bにかしめ部を形成する。この際、八つのパンチを採用した八方かしめの方法を採用する。これにより主体金具2の第1ボス部2aとプロテクタ3の挿入部3cとが密接する。このように、八方かしめの方法を採用していることから、プロテクタ3を絞り加工により成形していても、第1ボス部2aとの間の間隙をさほど厳格に管理する必要がなく、加工、検査の手間を簡素化することができる。
【0029】
プロテクタ3と主体金具2とについての第3工程において、図2に示すように、主体金具2のフランジ2cを六角チャック20で握持し、プロテクタ3と主体金具2とを回転させる。そして、回転速度が一定になった後、2つのファイバ21により軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向(本実施形態では20度)から矢印のようにレーザを照射する。これにより、図3に示すように、重ね合わせ部Bの周方向の全周に、溶接幅W2、溶接深さD2の溶接部4が形成される。このとき、プロテクタ3(より詳細には、外側プロテクタ3aの挿入部3c)の肉厚をT1としたとき、T1≦D2となっていた。このように、2つのファイバ21を用いていることから、比較的簡易に重ね合わせ部Bを全周で溶接することができ、溶接強度及び気密性をより確保することができる。ここで、溶接幅W2とは、主体金具2(より詳細には、第1ボス部2a)の厚み方向に対して直交方向(軸方向)における溶接部4の最大長さを意味している。また、溶接深さD2とは、主体金具2の厚み方向(軸方向と直交する方向)における溶接部4の最大長さを意味している。
【0030】
次に、主体金具2と外筒11についての第2工程において、主体金具2にリング6を挿入し、スリーブ7の装着された積層型センサ1を挿入する。そして、シーリング粉末8を充填し、ホルダ9及びパッキン10を挿入した後、主体金具2の他端側を径方向内側にかしめる。また、リード線18の一端と導線14の他端とを接続端子16により接続し、導線14の一端と積層型センサ1とをコネクタ13により接続する。そして、主体金具2と外筒11とを遊嵌して重ね合わせ部Cを形成する。その後、この重ね合わせ部Cを径方向内側にかしめて、重ね合わせ部Cにかしめ部を形成する。この際にも、八つのパンチを採用した八方かしめの方法を採用する。これにより主体金具2の第2ボス部2bと外筒11の挿入部11aとが密接する。この場合にも、八方かしめの方法を採用していることから、外筒11を絞り加工により成形していても、第2ボス部2bとの間の間隙をさほど厳格に管理する必要がなく、加工、検査の手間を簡素化することができる。
【0031】
主体金具2と外筒11についての第3工程において、図4に示すように、主体金具2のフランジ2cを六角チャック20で握持し、外筒11と主体金具2とを回転させる。そして、回転速度が一定になった後、2つのファイバ23により軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向(本実施形態では20度)から矢印のようにレーザを照射する。これにより、図5に示すように、重ね合わせ部Cの周方向の全周に、溶接幅W3、溶接深さD3の溶接部12が形成される。このとき、外筒11(より詳細には挿入部11a)の肉厚をT2としたとき、T2≦D3となっていた。この場合にも、ファイバ23を用いていることから、比較的簡易に重ね合わせ部Cを全周で溶接することができ、溶接強度及び気密性をより確保することができる。ここで、溶接幅W3とは、主体金具2(より詳細には、第2ボス部2b)の厚み方向に対して直交方向(軸方向)における溶接部12の最大長さを意味している。また、溶接深さD3とは、主体金具2の厚み方向(軸方向と直交する方向)における溶接部12の最大長さを意味している。
【0032】
最後に、接続端子16及びグロメット17にリード線18の他端を通し、外筒11の他端側から所定の位置まで挿入する。そして、かしめによりグロメット17を外筒11に固定して、図1に示す酸素センサを得る。
【0033】
実施形態の酸素センサでは、主体金具2と外筒11との重ね合わせ部Cに形成される溶接部12の溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜しているため、溶接幅W3が広くなっている。そのため、十分な溶接強度を確保することができる。特に、T2≦D3とすると、溶接強度が大きくなり好ましい。また、溶接幅W3を広くするために、例えばレーザのスポット径を大きくする必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【0034】
また、実施形態の酸素センサでは、プロテクタ3と主体金具2との重ね合わせ部Bに形成される溶接部4の溶け込み方向も軸方向と直交する方向に対して傾斜しているため、溶接幅W2が広くなっている。そのため、十分な溶接強度を確保することができる。特に、T1≦D2とすると、溶接強度が大きくなり好ましい。また、溶接幅W2を広くするために、そのために例えばレーザのスポット径を大きくする必要がなく、消費電力を抑制することができる。さらに、この重ね合わせ部Bは薄肉であるため、溶接部4の溶け込み方向が軸方向と直交する方向に対して傾斜していることにより、溶接深さD2を浅くできるため溶接部4が重ね合わせ部Bを貫通してしまうのを防止することができる。
【0035】
したがって、実施形態の酸素センサは、十分な溶接強度を確保しつつ、安価に製造可能なものである。また、実施形態の酸素センサの製造方法によれば、十分な溶接強度を確保する酸素センサを安価に製造することができる。
【0036】
本実施形態では、レーザ装置としてYAGレーザを使用したが、これに限られるものではなく、CO2レーザを適用してもかまわない。また、本実施形態では、重ね合わせ部を径方向内側にかしめてかしめ部を形成した後、かしめ部をレーザ溶接しているが、これに限定されない。例えば、主体金具に外筒を圧入し、圧入箇所をレーザ溶接してもよい。
【0037】
本実施形態では、主体金具と外筒(或いは主体金具とプロテクタ)とを遊嵌して重ね合わせ部を形成し、この重ね合わせ部を径方向にかしめることで、主体金具と外筒とを仮止めしているが、主体金具に外筒(或いは主体金具にプロテクタ)を圧入したり、主体金具と外筒(或いは主体金具とプロテクタ)とを遊嵌して重ね合わせ部を形成し、この重ね合わせ部の一部を溶接(例えばスポット溶接)して仮止めを行ってもよい。
【0038】
また、本発明は、酸素センサだけでなく、例えば、NOxセンサ等にも適用可能である。さらに、本発明は、外筒の外表面に他の外筒を溶接する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の酸素センサの断面図である。
【図2】実施形態の酸素センサに係り、プロテクタと主体金具とについての第3工程の断面図である。
【図3】実施形態の酸素センサに係り、プロテクタと主体金具との重ね合わせ部に形成された溶接部の断面図である。
【図4】実施形態の酸素センサに係り、主体金具と外筒とについての第3工程の断面図である。
【図5】実施形態の酸素センサに係り、主体金具と外筒との重ね合わせ部に形成された溶接部の断面図である。
【図6】従来のガスセンサに係り、主体金具と外筒との重ね合わせ部に形成された溶接部の断面図である。
【符号の説明】
1…検出素子(積層型センサ素子)
2…主体金具
3…プロテクタ
11…外筒
14、16、18…リード部材(14…導線、16…接続端子、18…リード線)
4、12…溶接部
B、C…重ね合わせ部

Claims (10)

  1. 軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、該前側筒状体と該後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなるガスセンサにおいて、
    前記溶接部の溶け込み方向が前記軸方向と直交する方向に対して傾斜しており、
    前記溶接部の外表面が前記溶け込み方向とは反対方向に膨らんでいることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向からレーザを照射することにより、前記溶接部の溶け込み方向が前記軸方向と直交する方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  3. 軸方向に延び、一端側に検出部をもつ検出素子と、該検出素子の他端側に接続され、該検出部の出力信号を取り出すためのリード部材と、筒状をなして自身の内側に該検出素子を挿通し、少なくとも該検出部が一端側に露出するように該検出素子を保持する主体金具と、該主体金具の一端に接続され、該検出部を覆うプロテクタと、該主体金具の他端に接続され、該リード部材を内部に収容する外筒とを備え、
    前記前側筒状体及び前記後側筒状体の一方は前記主体金具であり、該前側筒状体及び該後側筒状体の他方は前記プロテクタ及び前記外筒の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2記載のガスセンサ。
  4. 前記主体金具は、前記一端部と前記他端部との間にフランジを備え、
    前記プロテクタ及び前記外筒の少なくとも一方は前記主体金具の外側に配置されており、
    前記溶接部の溶け込み方向が前記フランジに向かって傾斜していることを特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
  5. 前記溶接部の溶け込み方向は、前記軸方向と直交する方向に対し、5〜40度傾斜していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスセンサ。
  6. 前記溶接部は周方向の全周に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のガスセンサ。
  7. 軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、該前側筒状体と該後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなるガスセンサの製造方法において、
    前記前側筒状体及び前記後側筒状体を用意する第1工程と、
    該前側筒状体及び該後側筒状体を軸方向の前後に配置し、該前側筒状体と該後側筒状体との間に前記重ね合わせ部を形成する第2工程と、
    軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向からレーザを照射し、該重ね合わせ部に溶け込み方向が前記軸方向と直交する方向に対して傾斜し、かつ自身の外表面が前記溶け込み方向とは反対方向に膨らんだ溶接部を形成する第3工程とを備えていることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  8. 前記第3工程において、レーザを照射するレーザ装置と前記重ね合わせ部とを相対回転させることにより、該重ね合わせ部の周方向の全周に前記溶接部を形成することを特徴とする請求項記載のガスセンサの製造方法。
  9. 前記第2工程において、前記前側筒状体と前記後側筒状体とを遊嵌して前記重ね合わせ部を形成した後、該重ね合わせ部を径方向内側にかしめてかしめ部を形成し、前記第3工程において、該かしめ部に前記溶接部を形成することを特徴とする請求項7又は8記載のガスセンサの製造方法。
  10. 軸方向の前後に配置される金属製の前側筒状体及び後側筒状体を備え、該前側筒状体と該後側筒状体とが互いの重ね合わせ部に形成される溶接部により接合されてなるガスセンサにおいて、
    軸方向に延び、一端側に検出部をもつ検出素子と、該検出素子の他端側に接続され、該検出部の出力信号を取り出すためのリード部材と、筒状をなして自身の内側に該検出素子を挿通し、少なくとも該検出部が一端側に露出するように該検出素子を保持する主体金具と、該主体金具の一端部に接続され、該検出部を覆うプロテクタと、該主体金具の他端部に接続され、該リード部材を内部に収容する外筒とを備え、
    前記前側筒状体は前記主体金具であり、前記後側筒状体は前記外筒であり、
    前記主体金具は、前記一端部と前記他端部との間にフランジを備え、
    前記外筒は前記主体金具の外側に配置されており、
    前記軸方向と直交する方向に対して傾斜した方向からレーザを照射することにより、前記溶接部の溶け込み方向が前記フランジに向かって傾斜していることを特徴とするガスセンサ。
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