JP4145434B2 - Leather-like sheet and method for producing the same - Google Patents
Leather-like sheet and method for producing the same Download PDFInfo
- Publication number
- JP4145434B2 JP4145434B2 JP25443699A JP25443699A JP4145434B2 JP 4145434 B2 JP4145434 B2 JP 4145434B2 JP 25443699 A JP25443699 A JP 25443699A JP 25443699 A JP25443699 A JP 25443699A JP 4145434 B2 JP4145434 B2 JP 4145434B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- ultrafine
- leather
- sheet
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充実感、柔軟性、ドレープ性及び表面外観に優れた皮革様シートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スエード調の皮革様シートとして、高分子弾性体を付与した不織布基体の表面に極細繊維立毛を存在させたものが知られている。しかしこの皮革様シートは、天然皮革と比較すると充実感に劣り、反発感が強くドレープ性が低い。
また、このような問題点を解消する技術として、高分子弾性体を用いることなく繊維のみで形成された、より天然皮革の構造に近い皮革様シートの提案がなされている。例えば、特開平10−37057号公報には、芯部がポリエステルブロック共重合体、鞘部が該ポリエステルブロック共重合体よりも高い融点を有するポリエステルまたはポリアミドを島成分とし、オレフィン系ポリマーを海成分として配したブレンド組成物からなる芯鞘型の複合繊維を用い、芯部のポリエステルブロック共重合体をバインダー成分として利用する皮革様シート基布の製造方法が提案されている。しかしながら、このような方法で製造された人工皮革は、充実感に劣る布帛ライクなものであるか、あるいは硬いペーパ−ライクなものである。理由は定かではないが、芯部に熱融着性成分を配しているため、ポリオレフィン系ポリマーを除いた後に発生する繊維束内のポリエステルブロック共重合体とポリエステルまたはポリアミドは十分に熱融着するが、繊維束間の熱融着が不十分となり、その結果充実感に劣る布帛ライクなものとなり、融着条件などの変更により繊維束間の熱融着を増大させようとすると繊維束内の熱融着が激しくなり、柔軟性に劣るペーパーライクなものしか得られないことが原因であると推測される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繊維および樹脂で形成され、構造および充実感、柔軟性、表面外観などの風合いが天然皮革に近い皮革様シートを提供することである。さらにクロムなどの重金属を含有しない分散染料で染色できる環境対応型のスエード調皮革様シートを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明者らは鋭意研究を重ねてきた。その結果、主体となる極細繊維を超極細繊維により高度に絡合させるか、または接着性成分として固定し、さらに樹脂を含浸し、凝固させることで充実感を高めるという基本的技術思想を用いたならば、上記目的が達成できることを見出し、さらに超極細繊維を形成する樹脂の特性、主体となる極細繊維と超極細繊維のデニール、主体となる極細繊維と超極細繊維の比率などが重要であり、さらに含浸する樹脂については、感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョンであって、感熱ゲル化する温度域および高温有機溶剤中での繊維海成分抽出温度域での弾性率が特定の範囲であるものが重要であることが分かった。
【0005】
原理的には本発明は、主体となる極細繊維を固定する方法として、超極細繊維を用いることで繊維間の絡合を高度に高めるか、または、極細繊維と超極細繊維を発生する極細繊維発生型繊維からなる不織布から、有機溶媒で該繊維中の抽出成分を除去する際に、同時に超極細繊維を該有機溶媒で膨潤させて接着させ、さらに上記の特定の弾性率を有するポリウレタン系エマルジョンを含浸凝固することで充実感と柔軟性が両立した天然皮革ライクな風合いを発現させるものである。
【0006】
すなわち本発明は、繊維束からなる絡合不織布とそれに含有させた弾性重合体とからなる皮革様シートにおいて、下記の条件(1)〜(3)
(1)該繊維束が、繊度0.005〜0.5デニールの極細繊維(A)と、繊度0.0001〜0.1デニールの超極細繊維(B)からなること、
(2)極細繊維(A)と超極細繊維(B)との重量比が95:5〜50:50であり、かつ繊維断面における極細繊維(A)からなる島の本数が5以上であり、かつ繊維束断面における該超極細繊維(B)の本数が25以上であること、
(3)該弾性重合体が、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以下であり、160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンの凝固物であること、
を満足していることを特徴とする皮革様シートである。
そしてこのような皮革様シートにおいて、好ましくは、該超極細繊維(B)を形成する樹脂成分が、芳香族ポリエステルからなるハードブロックと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエーテルエステル、脂肪族ポリエステルカーボネートの少なくとも1つからなるソフトブロックからなり、かつ融点が180℃以上であるブロック共重合体であるか、あるいは結晶融解熱が0〜25J/gの範囲であり、かつガラス転移温度が50℃以上であるポリエステルである上記皮革様シートである。
さらに、このような皮革様シートの好適な製造方法として、島成分が極細繊維形成性樹脂であり、海成分が、超極細繊維発生性繊維(多成分系繊維と称する場合がある)からなる分散成分が分散媒成分中に分散している混合体であり、かつ下記条件(1)〜(2)を満足している海島断面構造を有する極細繊維発生型繊維からなる不織布を製造する工程(a)、下記条件(3)を満足しているポリウレタン系エマルジョンを含浸し凝固する工程(b)、繊維中の該分散媒成分を溶剤により溶解抽出する工程(c)を、(a)(b)(c)の順序又は(a)(c)(b)の順序で順次行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法である。
(1)該島成分の太さが0.005〜0.5デニールで、該分散成分の太さが0.0001〜0.1デニールであること、
(2)極細繊維(A)と超極細繊維(B)との重量比が95:5〜50:50であり、かつ繊維断面における極細繊維(A)からなる島の本数が5以上であり、該超極細繊維(B)の本数が25以上であること、
(3)該弾性重合体が、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以下であり、160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンの凝固物であること、
【0007】
【発明の実態の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず図1に本発明の多成分系繊維の横断面の1例を示す。同図において、1が島成分でかつ主体繊維となる極細繊維(A)で、超極細繊維(B)で、3が分散媒成分でかつ抽出可能な樹脂(以下分散媒成分(C)とする)である。
本発明の皮革様シートは、このような多成分系繊維からなる不織布を製造し、ポリウレタン系エマルジョンによる樹脂付与の前または後に、該繊維を構成している海成分の分散媒成分を溶剤で抽出することにより得られる。詳細には、本発明は、主体となる極細繊維(A)を固定する方法として、超極細繊維(B)を用いることで繊維間の絡合を高度に高めるか、または、極細繊維(A)と超極細繊維(B)を発生する極細繊維発生型繊維からなる不織布から有機溶媒で該繊維中の分散媒成分(C)を除去する際に、同時に超極細繊維(B)を該有機溶媒で膨潤させて接着させ、さらに上記の特定の弾性率を有するポリウレタン系エマルジョンを分散媒成分(C)を除去する工程の前または後に含浸凝固することで充実感と柔軟性が両立した天然皮革ライクな風合いを発現させるものである。しかし、繊維束間、繊維束内、繊維と樹脂の間で、必要以上に接着が起こるとペーパーライクなシートなる。天然皮革ライクな充実感、柔軟性、表面外観を達成するためには、繊維束間、繊維束内、繊維と樹脂の間で適度に接着することが重要である。この点において、主体繊維(A)および超極細繊維(B)およびポリウレタン系エマルジョンを構成する樹脂が選ばれる。なお本発明において、分散媒成分を抽出除去することにより形成される極細繊維束において、島成分から形成される繊維が極細繊維(A)であり、分散成分から形成される繊維が超極細繊維(B)である。
【0008】
本発明の極細繊維(A)を構成するこのような樹脂としては、極細繊維形成性ポリマーであり、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリエステルなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6/12、変性ナイロンなどのポリアミド類などを挙げることができ、この中でも結晶性ポリエステルを使用することが分散染料で染色したときの染色堅牢性が優れることなどから好ましい。その具体例としては、テレフタル酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位などのジカルボン酸単位とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのグリコール単位を組み合わせたポリエステル系重合体が挙げられる。
【0009】
さらに、必要に応じて、テレフタル酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とともに少量の他のジカルボン酸単位やオキシカルボン酸単位を有していてもよい。他のジカルボン酸単位、オキシカルボン酸単位としてはイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸や芳香族オキシカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などからなる単位を挙げることができる。
【0010】
さらには、該結晶性ポリエステルには、上述のグリコール単位と共に少量の他のグリコール単位を有していても良い。他のグリコール単位としてはシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのジオール;ポリオキシアルキレングリコール単位などを挙げることができる。
【0011】
また、該結晶性ポリエステルはその線状構造を実質的に損なわない範囲内でトリメリット酸などのポリカルボン酸;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールが用いられていてもよい。
【0012】
上述した結晶性ポリエステルのうち、皮革様シートの染色堅牢性、耐久性などをより良好にする点から、ガラス転移温度が50℃以上、特に60℃以上である結晶性ポリエステルが好ましい。なおガラス転移温度は、示差熱量計(DSC)により測定される。さらに、本発明に用いられる極細繊維形成性繊維は、上記結晶性ポリエステルと、結晶性のブロック共重合体や後述する特定の結晶融解熱とガラス転移温度を有するポリエステル等を含有する溶解除去可能な樹脂を複合紡糸するが、結晶性のブロック共重合体などの紡糸時の耐熱安定性の観点から、紡糸温度は290℃以下であることが好ましい。そのような好ましい結晶性ポリエステルとして、ポリエステルの構成単位であるグリコール単位の80モル%以上がエチレングリコール単位およびジカルボン酸単位の80モル%以上がテレフタル酸単位で構成され、さらに好ましくはグリコール単位がエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位とイソフタル酸単位またはフタル酸単位との混合物であり、かつテレフタル酸単位とイソフタル酸単位またはフタル酸単位とのモル比が95/5〜85/15の範囲である結晶性ポリエステルが挙げられる。すなわちポリエチレンテレフタレート系の共重合体であり、特にイソフタル酸および/またはフタル酸が共重合されたポリエチレンテレフタレート系共重合体が好ましく、後者のイソフタル酸および/またはフタル酸が共重合されたポリエチレンテレフタレート系共重合体を用いると、さらに主体繊維とバインダー繊維との接着の制御が容易となり、充実感、柔軟性、表面外観等の風合いに優れた皮革様シートが得られる。
【0013】
本発明の結晶性ポリエステルの固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタンの混合溶媒(1/1重量比)中で30℃で測定した時に、0.50〜1.00dl/gの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.55〜0.80dl/gの範囲である。結晶性ポリエステルの固有粘度が0.50dl/g未満の場合は、皮革様シートの機械的物性が劣り好ましくない。また、1.00dl/gを越えると、本発明の多成分系繊維の紡糸性が低下するため好ましくない。
【0014】
本発明において、天然皮革ライクな充実感、表面外観を達成するために、繊維束間、繊維束内で適度に接着することが好ましい。この目的を達成するためには、本発明において超極細繊維(B)を構成する樹脂の選択が重要である。すなわち超極細繊維(B)を構成する成分としては極細繊維発生性繊維で構成される不織布から、極細繊維発生性繊維の海成分中の分散媒成分を抽出する際に、抽出に用いる溶剤で、超極細繊維(B)の大部分は溶解することなく膨潤することが好ましく、さらに繊維束間、繊維束内で一端接着した接着点は容易に剥離しないことが重要である。具体的に超極細繊維(B)を構成する成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリエステルなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6/12、変性ナイロンなどのポリアミド類、ブロック共重合体などを挙げることができ、このなかでも特定のブロック共重合体と特定のポリエステルが好適に使用できる。
【0015】
超極細繊維(B)を構成するブロック共重合体の好ましい例としては、ポリエステルブロック共重合体、ポリアミドブロック共重合体、ポリウレタンブロック共重合体が挙げられる。ポリウレタンブロック共重合体は250℃以上の温度で紡糸すると熱分解するため、250℃以下で紡糸可能なものを選択することが好ましいが、このような紡糸可能温度を有するポリウレタンブロック共重合体が著しく限定されるため、より好ましくはポリエステルブロック共重合体、ポリアミドブロック共重合体である。最も好ましくは、融点が180℃以上、結晶融解熱が15〜42J/gの範囲にある結晶性のポリエステル系のブロック共重合体である。このようなポリエステルブロック共重合体を用いた皮革様シートは充実感が特に優れる。
【0016】
上記したポリエステルブロック共重合体、ポリアミドブロック共重合体、ポリウレタンブロック共重合体としては、公知の熱可塑性のポリエステルブロック共重合体、ポリアミドブロック共重合体、ポリウレタンブロック共重合体を用いることができる。この中でもポリエステルブロック共重合体は芳香族ポリエステルからなるハードブロックと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエーテルエステル、脂肪族ポリエステルカーボネートの少なくとも1つからなるソフトブロックとで構成されるブロック共重合体が好ましい。
【0017】
このポリエステル系ブロック共重合体についてさらに詳細に説明する。ハードブロックを構成する芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタテート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。皮革様シートの充実感、柔軟性、表面外観により優れた皮革様シートが得られる点から、さらに好ましくはポリエチレンテレフタレートである。ハードブロックがポリエチレンテレフタレートで、かつ主体繊維がポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合体である場合には、特に皮革様シートの充実感、柔軟性、表面外観が優れたものとなる。
【0018】
また、少量(20モル%以下)のその他ジカルボン酸単位、ジオール単位、オキシカルボン酸単位、3官能以上のポリカルボン酸単位、ポリオール単位が共重合されていてもよく、そのような例としては、主体繊維を構成する結晶性ポリエステルで記述したものと同様なものが挙げられる。ハードブロックを構成する結晶性ポリエステルのブロック鎖長としては、平均分子量1000〜8000が好ましく、特に1200〜5000が好ましい。
【0019】
次にブロック共重合体を構成するソフトブロックとして用いられる脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエーテルエステル、脂肪族ポリエステルカーボネートについてさらに詳細に説明する。
【0020】
脂肪族ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキレングリコールを挙げることができる。
【0021】
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジカルボン酸単位とジオール単位から主としてなるポリエステルや脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位からなるポリエステルなどを挙げることができる。脂肪族ポリエステルを構成する脂肪族ジカルボン酸単位としては、例えば、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。また、上記の脂肪族ジカルボン酸単位の他に、必要に応じて、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などから誘導される単位を含んでいてもよい。さらに、上記したジカルボン酸単位と共に、少量(好ましくは全ジカルボン酸単位の1モル%以下)であれば、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸などの3官能以上の多価カルボン酸から誘導される単位を含んでいてもよい。
脂肪族ポリエステルを構成するジオール単位としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−モノデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどの直鎖状の脂肪族ジオール;1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐を有する脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。上記のジオール単位以外に、必要に応じて、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレングリコールなどの芳香族ジオールなどから誘導される単位を含ませることができる。さらに、上記したジオール単位と共に、少量(好ましくは全ジオール単位の1モル%以下)であれば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの3官能以上の多価アルコールから誘導される単位を含んでいてもよい。
【0022】
また、脂肪族ポリエステルを構成する脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位としては、例えば、ε−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシエナント酸、7−ヒドロキシカプリル酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。
【0023】
脂肪族ポリカーボネートとしては、例えば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。脂肪族ポリカーボネートに用いられるポリオールとしては、脂肪族ポリエステルの構成成分として先に例示したポリオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0024】
脂肪族ポリエーテルエステルとしては、例えば、脂肪族ポリエーテルポリオールと脂肪族ポリカルボン酸との反応により得ることができる。この脂肪族ポリエーテルポリオールとしては脂肪族ポリエーテルで先に例示したポリオールを用いることができ、脂肪族ポリカルボン酸としては脂肪族ポリエステルの構成成分として先に例示した脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0025】
脂肪族ポリエステルカーボネートとしては、例えば、脂肪族ポリオール、脂肪族ポリカルボン酸、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。脂肪族ポリオール、脂肪族ポリカルボン酸としては、脂肪族ポリエステルの構成成分として先に例示した脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールを挙げることができる。
【0026】
本発明においてソフトブロックの鎖長として、平均分子量500〜5000、特に800〜3000の範囲のものが好適に用いられる。
本発明に用いられる結晶性のブロック共重合体は、融点が180℃以上、結晶融解熱が15〜42J/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、融点が190℃以上、結晶融解熱が18〜40J/gの範囲である。この条件が満たされる時、繊維束内、繊維束間で適度な接着を有し、得られる皮革様シートの柔軟性、充実感が両立した風合いとなる。融点が180℃未満の場合には、繊維束内、繊維束間の接着が激しくなり得られる皮革様シートがペーパーライクとなる傾向があり、また結晶融解熱が15J/g未満の場合には、同様に接着が激しくなり得られる皮革様シートがペーパーライクとなり、一方、42J/gを越える場合には、接着が不十分となり、皮革様シートが布帛ライクとなる傾向がある。融点、結晶融解熱の測定方法は、下記の実施例の項に記した通りである。ブロック共重合体(C)において、ハードブロックとソフトブロックの重量比は50:50〜90:10の範囲、特に60:40〜85:15の範囲が好ましい。
【0027】
本発明において、特に良好な機械的物性の皮革様シートが得られることから、結晶性のブロック共重合体の固有粘度はフェノール/テトラクロロエタンの混合溶媒(1/1重量比)中で、30℃で測定した時に、1.20〜2.5dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは1.40〜2.3dl/gの範囲である。
具体的なブロック共重合体としては、特に制限されないが、極細繊維発生性繊維の海成分の分散媒成分を抽出する溶剤に浸した時の膨潤率が15〜200重量%である場合が好ましい。膨潤率が15重量%未満である場合は、皮革様シートの充実感、表面外観が劣ったものになりやすく、200重量%を越える場合は、皮革様シートの柔軟性が劣る傾向にある。もちろん極細繊維(A)は、抽出処理条件下で実質的に膨潤しない樹脂、すなわち膨潤度が15重量%未満である樹脂から構成されているのが好ましい。溶剤膨潤度の測定方法は下記の実施例の項に記した通りである。
【0028】
また、超極細繊維(B)を構成する樹脂として、上記したようなブロック共重合体の他に、結晶融解熱が0〜25J/gの範囲であり、かつガラス転移温度が50℃以上であるポリエステルを用いることも好ましい。具体的にはこのようなポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレートなどの芳香族ポリエステルに下記のジオール単位、ジカルボン酸単位、オキシカルボン酸単位の1種類以上の化合物を共重合した、共重合ポリエステルを挙げることができる。共重合可能なジオール単位、ジカルボン酸単位、オキシカルボン酸単位を以下に列挙する。
【0029】
共重合可能なジオール単位として、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールなどの脂環式ジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジオール、1,2−エチレングリコール(上記ポリエステルのジオール単位がプロパンジオール単位、ブタンジオール単位である場合)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール(上記ポリエステルのジオール単位がプロパンジオール単位、ブタンジオール単位である場合)、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオールを挙げることができる。
【0030】
共重合可能なジカルボン酸単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸(上記ポリエステルを構成するジカルボン酸単位がナフタレンジカルボン酸単位である場合)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(上記ポリエステルを構成するジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である場合)、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0031】
共重合可能なオキシカルボン酸として、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等などの芳香族オキシカルボン酸を挙げることができる。
【0032】
好ましい共重合可能な構成単位としては脂環式ジオール単位、脂環式ジカルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位が挙げられ、より好ましくは脂環式ジオール単位、脂環式ジカルボン酸単位である。得られる皮革様シートの耐光堅牢性などの耐久性および柔軟性、充実感、表面外観などの風合いが優れることから、脂環骨格を有するジオール単位又はジカルボン酸単位を、全構成単位(ジカルボン酸単位,ジオール単位,オキシカルボン酸単位などの合計)中5モル%以上、より好ましくは10モル%以上含有するポリエステルが、ポリエステルとして最も好ましい。
【0033】
さらに、上記のポリエステルは、トリメリット酸などのポリカルボン酸;グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを、該ポリエステルの構成単位であるジカルボン酸単位に対して0.01〜0.1モル%の範囲で含まれていることが、得られる皮革様シートの柔軟性が優れることから好ましい。
【0034】
さらに具体的に、好ましいポリエステルについて記述すると、ポリエチレンテレフタレートに1,4−シクロヘキサンジメタノールが全構成単位中8〜20モル%共重合された共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸が8〜20モル%共重合された共重合ポリエステルなどを挙げることができ、ポリエチレンテレフタレートに1,4−シクロヘキサンジメタノールが全構成単位中8〜20モル%共重合された共重合ポリエステルは最も好ましい例として挙げることができる。
【0035】
また、ポリエステルの固有粘度はフェノール/テトラクロロエタンの混合溶媒(1/1重量比)中で、30℃で測定した時に、0.5〜1.2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.55〜1.0dl/gの範囲である。
【0036】
また、多成分系繊維の海成分中の分散成分として超極細繊維(B)成分以外の分散成分が混在していてもよく、この場合に使用される分散成分を構成する樹脂としては超極細繊維を発生する結晶性樹脂を挙げることができる。極細繊維(A)は、繊維束間、繊維束内で、超極細繊維(B)からなるバインダー繊維により接着されるが、バインダー繊維間で過度に接着が進むと、ペーパーライクな風合いとなり、かつ引き裂き強力などの物性が劣る傾向がある。この場合、結晶性樹脂からなる超極細繊維を混在させることで、バインダー繊維間で過度に接着されることがないため、バインダー繊維が効率良く機能し、風合い、物性などがいずれも高いレベルで良好なものとなる。このような結晶性樹脂は、結晶性ポリエステルまたは結晶性ポリアミドで構成されるが、該結晶性ポリエステルとしては、前記した極細繊維(A)を構成するポリエステルと同様なものが挙げられる。該結晶性ポリアミドとしては、溶融可能で結晶融解熱が40J/g以上のものが挙げられ、例えばナイロン6,ナイロン12,ナイロン66などの脂肪族ポリアミド、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンなどの脂肪族ジアミンとテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを反応させて得られる半芳香族ポリアミドなどを挙げることができる。得られる皮革様シートの耐光染色堅牢性などが良好になるという理由から、ガラス転移温度が60℃以上のものが好ましい。そのような好ましい例としては、上記半芳香族ポリアミドを挙げることができる。特に、ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位であり、ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である半芳香族ポリアミドが好ましい。
【0037】
本発明においては、極細繊維(A)および超極細繊維(B)の繊度が重要である。極細繊維(A)の繊度(計算値)は平均0.005〜0.5デニール、超極細繊維(B)の繊度は平均0.0001〜0.1デニールの範囲である必要がある。極細繊維(A)の繊度が平均0.005デニール未満である場合は、皮革様シートの発色性などに劣り好ましくない。極細繊維(A)の繊度が平均0.5デニールを越える場合は、皮革様シートの表面外観、柔軟性などが劣る。また、超極細繊維(B)は、皮革様シートの引張強度などの機械的物性が低下しない範囲(0.0001デニール以上)で細い方がよい。超極細繊維(B)が細い場合、その表面積が大きくなり、少ない超極細繊維(B)で繊維束間の接着が可能となり、皮革様シートの充実感、柔軟性、表面外観の両立が可能となる。このような理由から、超極細繊維(B)の繊度が0.1デニールを越える場合は好ましくない。さらに、染色後の色ムラが目立ち好ましくない。さらに、本発明においては、繊維束断面における極細繊維(A)と超極細繊維(B)の本数が重要である。極細繊維(A)からなる島の本数は5本以上必要であり、好ましくは8本以上、さらに好ましくは12本以上である。島数が5本より少ない場合は、抽出成分を溶剤で除去する際に、繊維束内、繊維束間の繊維同士の接着が多くなり、得られる皮革様シートがペーパーライクとなる傾向があるため好ましくない。また、超極細繊維(B)からなる島の本数は25本以上、好ましくは100本以上、さらに好ましくは300本以上であり、25本より少ない場合は、抽出成分を溶剤で除去して得られる皮革様シートが布帛ライクとなる傾向があり好ましくない。なお本発明において、超極細繊維(B)からなる島は抽出処理の際に島同士が膠着し、一見すると超極細繊維の本数が減少したように観測される場合があるが、本発明において超極細繊維同士が膠着した場合の超極細繊維の本数は膠着前の本数を意味する。超極細繊維(B)からなる島の本数は、極細繊維(A)からなる島の本数の5倍以上であるのが好ましい。より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは20倍以上である。5倍より少ない場合には得られる皮革様シートが布帛ライクとなりやすい。
【0038】
また、超極細繊維(B)を極細繊維(A)へ接着させる場合は、個々の極細繊維(A)の周囲に超極細繊維(B)が位置するように存在させることが、繊維束間の接着を効率よく行う上で好ましい。超極細繊維(B)は、超極細繊維(B)同士で膠着していてもよい。超極細繊維(B)および超極細繊維(B)同士が膠着した繊維状物が、極細繊維(A)に部分的に膠着するように存在している場合、皮革様シートの充実感、表面外観を良好に保つことができる。
【0039】
極細繊維(A)を構成する樹脂と、超極細繊維(B)を構成する樹脂は、その重量比は50:50〜95:5、好ましくは60:40〜85:15の範囲である。超極細繊維(B)が50重量%を越えると、皮革様シートの機械的物性、発色性などが劣り好ましくない。超極細繊維(B)が5重量%未満である場合は、皮革様シートの充実感、表面外観が劣り好ましくない。極細繊維発生型繊維中に占める極細繊維成分の比率は、極細繊維(A)と超極細繊維(B)の合計で40〜80重量%が紡糸安定性や経済性等の点で好ましい。
【0040】
極細繊維発生型複合繊維の海成分を構成する分散媒成分は、極細繊維(A)を構成する樹脂および超極細繊維(B)を構成する樹脂と、溶剤に対する溶解性を異にし、極細繊維(A)を構成する樹脂および超極細繊維(B)との親和性の低いポリマーであって、かつ紡糸条件下で極細繊維(A)を構成する樹脂および超極細繊維(B)を構成する樹脂より低溶融粘度であるか、あるいは表面張力が低いポリマーである。その代表例として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンエチレン共重合体などのポリマーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーが挙げられる。
【0041】
本発明の皮革様シートは、その使用目的に応じて極細繊維(A)および超極細繊維(B)として適切な樹脂が選択されるが、皮革様シートの充実感をさらに向上させ、表面外観、機械的物性を補うために、ポリウレタン系エマルジョンを使用する必要がある。このポリウレタン系エマルジョンは、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以下であり、160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンであることが重要である。90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)より大きい場合には、樹脂自身の硬さのため得られる皮革様シートの風合いが硬くなり、また160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)より小さい場合、高温で有機溶剤等により繊維中の分散媒成分を抽出処理した場合に得られる皮革様シートがへたりを発生しペーパーライクな風合いとなってしまう。
【0042】
本発明で規定するようなポリウレタン系エマルジョンを含浸して凝固させれば、感熱ゲル化性を有するため樹脂が乾燥過程で表面へ偏るいわゆるマイグレーションの発生を抑制し、かつ上記の特定範囲の弾性率を有する場合は、主体繊維である結晶性ポリエステルに強く接着せず、かつ樹脂自身の弾性率も高すぎることがないため、得られる皮革様シートの風合いは柔軟で天然皮革に近い優れた風合いを発現することができる。ポリウレタン系エマルジョンの付与量としては、極細繊維(A)および超極細繊維(B)の合計重量100に対して、ポリウレタン系エマルジョン中のポリウレタン系樹脂の付与量が2〜120重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜80重量部である。付与量が2重量部より少ない場合には、ポリウレタン系樹脂の付与による皮革様シートの充実感の向上はほとんどなく、120重量部を越える場合には得られる皮革様シートの柔軟性が損なわれる。ポリウレタン系エマルジョンの感熱ゲル化は、含浸後に熱風で凝固する、熱水中で凝固する、スチームで凝固する等の公知の方法で行うことができるが、得られる皮革様シートの風合いが優れる点から、70℃以上の温水中またはスチーム雰囲気下で行うことが好ましい。また、ポリウレタンエマルジョンによる樹脂の付与は繊維の海成分の除去による極細化処理の前でも後でも良いが、得られる皮革様シートの柔軟性が優れる点から極細化処理の前に行っておくことが好ましい。またエマルジョンの均一かつ速やかな含浸のために、エマルジョン含浸に先だって、不織布を湿潤浸透剤で処理しておくこともできる。
【0043】
該ポリウレタン系エマルジョンを構成するポリウレタン成分の組成としては、以下に示すような高分子ポリオール成分、イソシアネート成分、鎖伸長剤の各成分を適宜組み合わせて原料ポリウレタンとすることができる。
【0044】
ポリウレタン系エマルジョン成分となる高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。これらの高分子ポリオールは、例えば、常法に従い、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体とポリオールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応に付すか、またはラクトンを開環重合することにより製造することができる。
【0045】
ポリエステルポリオールを構成するポリオールとしては、ポリエステルの製造において一般的に使用されているものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8―オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの炭素数2〜15の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジメチルシクロオクタンジメタノールなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族二価アルコールなどを挙げることができる。これらのジオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、上記のジオールと共に3官能以上の水酸基を有する化合物を使用してもよく、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。これらのポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
ポリエステルポリオールを構成するジカルボン酸としては、ポリエステルの製造において一般的に使用されているものを用いることができ、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体などを挙げることができる。これらのジカルボン酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記のラクトンの例としては、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げることができる。
【0048】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などが挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるものを使用することができる。ポリカーボネートジオールを構成するポリオールとしては、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示したポリオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを挙げることができる。更に、アルキレンカーボネートジオールとしてはエチレンカーボネートなどを挙げることができ、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0050】
ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオール、ジカルボン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させて得られるものを使用することができる。あるいは、予め上記した方法によりポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールをそれぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか、またはポリオールおよびジカルボン酸と反応させて得られるものを使用することができる。
【0051】
高分子ポリオールの数平均分子量は500〜5000が好ましく、600〜3000がより好ましい。なお、本発明で言う高分子ポリオールの数平均分子量は、いずれもJIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0052】
高分子ポリオールは、高分子ポリオール1分子当たりの水酸基の数は2より大きくてもエマルジョン合成に支障をきたさない限り使用に問題はない。水酸基の数が2より大きい高分子ポリオールを得る手段としては、高分子ポリオールを製造する際に任意の高分子ポリオール1分子当たりの水酸基の数となるように1分子中の水酸基の数が3個以上である低分子ポリオールを使用する方法、ポリウレタン重合の際に高分子ジオールと1分子中の水酸基の数が3個以上である高分子ポリオールを混合することで、任意の1分子当たりの水酸基の数とする方法等を挙げることができる。すなわち水酸基の数が2より大きい高分子ポリオールを製造する方法としては、例えば上記ポリエステルポリオールを製造する際に、3官能以上の水酸基を有する化合物を併用して製造することができる。
【0053】
ポリウレタン系エマルジョンに用いられるイソシアネート化合物としては特に制限はなく、通常のエマルジョン系ポリウレタンの製造に従来から使用されている分子中にイソシアネート基を含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族の有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよく、例えばトリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの有機イソシアネート化合物の中でも、得られるポリウレタン樹脂の耐溶剤性が優れることからトリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート化合物を使用することが好ましく、有機溶剤による複合紡糸繊維または混合紡糸繊維の海成分の溶解除去に先だってエマルジョンによる樹脂付与を行う場合、特に有効である。これらの有機イソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】
鎖伸長剤としては特に制限はなく、通常のエマルジョン系ポリウレタンの製造に従来から使用されている鎖伸長剤のいずれを使用してもよく、イソシアネート基と反応し得る水素原子を分子中に2個以上含有する分子量400以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコールなどのジオール、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、4,4´−ジアミノフェニルメタン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミンなどのジアミン、ジエチレントリアミンなどのトリアミン、アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられる。これら低分子化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0055】
ポリウレタン系エマルジョンの製造方法は、一般にポリウレタンのエマルジョン製造に用いられている製造方法を使用して製造することができ、例えば、乳化剤の存在下で高い機械的剪断力で水中により強制乳化した非イオン性エマルジョンを挙げることができる。また、親水性樹脂から得られた自己乳化型エマルジョンを挙げることができる。強制乳化法としては、例えば反応の完了した液状ポリウレタンポリマーを該乳化剤でエマルジョン化する転相乳化法、末端イソシアネートプレポリマーを乳化分散すると同時に/またはその後にアミン類等の鎖伸長剤で鎖伸長反応を完結させ、高分子量化して得られるプレポリマー法が挙げられ、特に柔軟性と充実感に優れた皮革様シートが得らえることからプレポリマー法を用いることが好ましい。
【0056】
さらに、乳化分散性を向上させるために、ポリウレタンのポリマー分子骨格に、エチレンオキサイド等の高分子付加物のようなノニオン性の親水基を側鎖に導入したり、耐溶剤性、耐熱性、耐熱水性を向上させる目的で、トリメチロールプロパン等の三官能グリコール、三官能アミン等を反応させ、架橋構造を形成するなどのポリウレタン自体の変性による改質手段も本発明に好適に使用することができる。
【0057】
また、本発明に使用するポリウレタン系エマルジョンは、上記のポリウレタンエマルジョンの存在下でメチルメタクリレート、ブチルアクリレート等のエチレン性不飽和モノマーを乳化重合して得られた複合タイプのポリウレタン系エマルジョンを含む。
【0058】
本発明に使用するポリウレタン系エマルジョンには、必要に応じて、更に公知の添加物、例えば、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活性剤、増粘剤、防黴材、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、充填剤、凝固調節剤などを配合することができる。
【0059】
本発明においては、これらのエマルジョンは感熱ゲル化性を有していることが重要である。感熱ゲル化性を有しないエマルジョンを使用すると、含浸後に熱風で乾燥した場合はエマルジョン粒子がマイグレーションの発生により均一に付与できず得られるシート状物の強伸度や柔軟性等の物理的性質、風合いに著しく悪影響を与え、温水中での凝固を行う場合は凝固温水浴中にエマルジョンが流出してしまう。エマルジョン粒子をマイグレーションを引き起こすことなく感熱ゲル化させ均一に付与するためには感熱ゲル化剤をエマルジョン中に添加するか、樹脂自身が感熱ゲル化性を有する必要がある。前者の場合、用いられる感熱ゲル化剤としては、例えば、無機塩類、ポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリエーテル共重合体、ポリシロキサン等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのうちでも無機塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤の組み合わせが好適な結果を与えるため好ましい。このようなポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。また無機塩類としてはノニオン性界面活性剤の曇点を低下させるような一価または二価の金属塩がより好ましい。例えば、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛等を挙げることができる。感熱ゲル化剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対して全量で0.2〜20重量部であることが好ましく、ノニオン性界面活性剤と無機塩類の比率は重量比で50/50〜95/5であることが好ましい。
【0060】
上記のように調製したエマルジョンを適切な濃度に調製し、前記した極細繊維発生型繊維からなる不織布に含浸させ、プレスロールなどで絞るか、またはドクターナイフ等によって適量の含浸量とした後、70〜100℃の温水浴中で凝固させるか、スチーム雰囲気下において凝固した後に乾燥機中で乾燥させるか、または直接50〜150℃の乾燥機中で乾燥中に凝固させることよって、弾性重合体を付与することができる。
【0061】
従って、本発明の皮革様シートは、好適には、例えば、以下の各工程を組み合わせ行うことにより得ることができる。即ち、溶解除去できる海成分中に、島成分として繊維形成性の非ブロック共重合体からなる平均繊度0.005〜0.5デニールの極細繊維(A)とブロック共重合体からなる0.0001〜0.1デニールの超極細繊維(B)とが重量比で95/5〜50/50の割合で、かつ極細繊維発生型繊維断面における該島成分の本数が5以上で、該分散成分の本数が25以上で、断面全体にわたってほぼ均一に、かつ超極細繊維(B)が個々の極細繊維(A)の周囲に位置するように混在しており、海成分を除去することにより極細繊維(A)と超極細繊維(B)からなる極細繊維束を形成しうる極細繊維発生型繊維、すなわち海島断面繊維を製造し、該繊維からなる絡合不織布を製造する工程(a)、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以上であり、160℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンを含浸して凝固させる工程(b)、該繊維の海成分を溶剤などで溶解除去することにより極細繊維(A)と超極細繊維(B)を発生させると同時に超極細繊維(B)を溶剤により膨潤させるなどして不織布を固定する工程(c)を、(a)(b)(c)の順に、または(a)(c)(b)の順に行うことにより本発明の皮革様シートを製造することができる。さらに、この後に、少なくとも一面に該繊維束の立毛を形成する工程、得られた繊維立毛基体を染色する工程によりスエード調人工皮革とすることができる。また片面にポリウレタン層を付与する等の既知の方法により銀面付き人工皮革とすることもできる。また工程(a)のあとに、後述するように、該不織布を収縮させる工程を入れるのが好ましい。また工程(a)のあとに不織布の工程中での形態を保つためにポリビニルアルコールで代表される水溶性糊剤を不織布に付与し、工程(c)の後でこの糊剤を除去する方法を用いてもよい。
【0062】
このようにして得られる皮革様シートの製造方法について、以下詳しく説明する。本発明の極細繊維発生型繊維は、超極細繊維(B)を構成するポリマーと海成分中の分散媒成分となるポリマーを所定の混合比で混合して、同一溶融系で溶融し、これと別の系で溶融した極細繊維(A)を構成する極細繊維形成性のポリマーとを、紡糸頭部で接合−分割を複数回繰り返して両者の混合系を形成して紡糸する方法、あるいは両者を紡糸口金部で繊維形状を規定して合流させ紡糸する方法により得られる。つまり、超極細繊維(B)を構成するポリマーと海成分中の分散媒ポリマーを所定の混合比で混合して同一溶融系で溶融した混合ポリマーを海成分とし、極細繊維(A)を構成する極細繊維形成性のポリマーが島成分として海成分中にほぼ均一に分散するように複合紡糸することによって海成分ポリマー中に極細繊維(A)と超極細繊維(B)とがほぼ均一に、かつ個々の極細繊維(A)の周囲に超極細繊維(B)が分散した極細繊維発生型繊維を得ることができる。
【0063】
極細繊維発生型繊維は延伸し、必要に応じて捲縮、熱固定、カットなどの処理工程を経て繊度2〜15デニールの繊維とする。
【0064】
極細繊維発生型繊維は、カードで解繊し、ウェバーを通してランダムウェブまたはクロスラップウェブを形成し、得られた繊維ウェブは所望の重さ、厚さに積層する。次いで、公知の方法でニードルパンチ処理を行い、ニードルパンチ不織布とする。パンチ数は通常200〜2500パンチ/cm2の範囲で処理を行う。
【0065】
次に、繊維絡合不織布に50〜150℃の範囲の温度に加熱し、特に50〜95℃の範囲の熱水槽で繊維絡合不織布を加熱し、繊維絡合不織布を収縮させるのが好ましい。収縮率は、極細繊維(A)および極細繊維(B)を構成する樹脂組成物の種類、紡糸条件、延伸条件などにより決まるが、皮革様シートの充実感、柔軟性を良好にするためのは、面積収縮率が10〜60%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜50%の範囲である。収縮させることにより、充実度が一層向上し、さらにスエード調の皮革様シートとした場合に、立毛密度の高い、高級感あるものが得られることとなる。
【0066】
感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョンの含浸とゲル化を行う工程においては、乾燥温度は50〜160℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは80〜140℃の範囲である。160℃を越える温度の場合、皮革様シートの機械的物性、外観に悪影響を及ぼし好ましくない。50℃未満の場合は乾燥に長時間を要し好ましくない。
【0067】
該繊維の海成分(分散媒成分)を溶剤で溶解除去することにより極細繊維(A)と超極細繊維(B)を発生させると同時に超極細繊維(B)を溶剤により膨潤させ不織布を固定する工程においては、溶解除去およびロールなどにより押圧を組み合わせることで、不織布を固定することができる。例えば、海成分中の分散媒ポリマーとしてポリエチレンを用い、90℃に加熱したトルエンでポリエチレン溶解し、ロールでポリエチレンを絞り出すと同時に不織布固定を行うことにより、柔軟性、充実感に優れたシートを得ることができる。押圧の程度は、不織布に含浸させた液体をローラー間を通過させることにより搾液除去する際に一般に用いられている程度、例えば 1〜20kg/cmが採用される。分散媒ポリマーとしてポリプロピレンを用いた場合には、溶剤の代表例としてジクロロベンゼンが、またエチレンプロピレン共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンエチレン共重合体の場合にはトルエンが好適に用いられる。そして抽出処理温度を調整することにより前記した膨潤率とすることができる。
【0068】
次に、スエード調人工皮革を得るには、極細繊維絡合不織布と弾性重合体からなるシートは、少なくとも一面を起毛処理して極細繊維を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維立毛面を形成させる方法は、繊維質基体を所望の厚さに厚み合わせを行った後あるいは厚み合わせを行う前に、サンドペーパーなどを用いたバフィング処理などを施す。そして厚み合わせを行っていないものにあっては所望の厚さに厚み合わせを行う。次いで、得られたスエード調繊維質基体を染色するが、染色は、分散染料などの染料で、通常の染色法で染色を行う。染色したスエード調繊維質基体は揉み柔軟化処理、ブラッシングなどの仕上げ処理を行ってスエード調人工皮革の製品が得られる。
【0069】
本発明で得られた皮革様シートは適度な柔軟性と充実感を有する皮革様シートであり、マットレス、鞄内張り材料、衣料芯地、靴用芯材、クッション材、自動車内装材、壁紙、カーペットなどに好適に使用することができる。さらに起毛処理してスエード調人工皮革とした場合は、外観、風合いが良好でかつ発色性、機械的物性に優れるため、衣料用はもとより、服飾品、インテリア用、靴、カーシート、袋物、各種手袋などに好適である。また表面にポリウレタンなどの樹脂層を設けて銀付き調人工皮革とした場合は、スポーツシューズ、紳士靴、鞄、カメラケースなどに好適に使用することができる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は断りのない限り、重量に関するものである。以下の実施例および比較例において、融点および結晶融解熱、溶剤膨潤度、ポリウレタンエマルジョンを乾燥して得られるフィルムの90℃、160℃における弾性率、感熱ゲル化温度は以下の方法により評価した。
【0071】
〔融点および結晶融解熱〕
結晶性のブロック共重合体の融点および結晶融解熱は、メトラー社製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素気流下で以下表1に示す行程1〜行程3を順次行って、その際の融解ピーク温度を融点とし、融解に要した熱量を結晶融解熱として求めた。
【0072】
【表1】
【0073】
〔溶剤膨潤度〕
ブロック共重合体のぺレットを100℃で10時間、真空乾燥した後、プレス成形機用い、260℃の温度で100μmのフィルムに成形し、成形後、室温25℃の部屋で自然放冷し、その後80℃の真空乾燥機内で24時間放置し、試験用のサンプルを得た。サンプルを1辺10cmの正方形にカットし重量(Wo)を測定した後、抽出溶剤に、抽出温度で1時間浸した後、表面に付着した溶剤を拭き取り、重量(W)を測定し下記の計算式に従い膨潤率を計算した。実施例、比較例に用いたブロック共重合体の膨潤率は、溶剤としてトルエンを使用し、90℃の温度で測定した。
膨潤度(wt%)=(W−Wo)×100/Wo
【0074】
[90℃、160℃における弾性率]
ポリウレタンエマルジョンを50℃で乾燥して得られる、厚さ100μmのフィルムを使用し、(株)レオロジ製粘弾性測定装置FTレオスペクトラーDVE−V4を用いて周波数11Hzで測定を行い、90℃および160℃における弾性率を求めた。
【0075】
[感熱ゲル化温度]
試験管に含浸する濃度に調節したエマルジョンを10g秤取し、90℃の恒温熱水浴中で撹拌しながら昇温し、エマルジョンが流動性を失いゲル状物となるときのエマルジョンの温度を感熱ゲル化温度とした。
【0076】
[島本数および繊度]
極細繊維発生型繊維又はこれから分散媒成分を抽出除去して得られる極細繊維束の横断面を光学顕微鏡により観察し、抽出前の繊維1本又は繊維束1本の横断面に存在する島成分又は極細繊維(A)および分散成分又は超極細繊維(B)の本数を数えた。次に極細繊維発生型繊維中における島成分と分散成分のそれぞれの重量割合を求め、極細繊維発生型繊維の太さ(デニール)にそれぞれの重量割合をかけ、得られた値を本数で割った。
【0077】
下記に実施例、比較例に用いた樹脂を以下の表2に示した。
【表2】
【0078】
また本文中で用いられる化合物の略号を以下の表3示す。
【表3】
【0079】
<ポリウレタンエマルジョンの製造>
参考例1
三ツ口フラスコに、PMSA1850を600.0g、TDIを114.8g、DMPAを7.95gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにMEK228.3gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEAを6.00gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン930(花王製、ノニオン系界面活性剤)53.3gを蒸留水478.5gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにDETAを13.2g、IPDAを10.9gを蒸留水230.3gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、MEKをロータリーエバポレーターにより除去してから、蒸留水を加えて固形分重量40wt%のポリウレタンエマルジョンを得た。このポリウレタンエマルジョン80重量部に対して、蒸留水20重量部、感熱ゲル化剤(水:花王製、ノニオン系界面活性剤エマルゲン910:塩化カルシウムを重量比5:4:1で混合した溶液)4重量部を配合し、感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョン(以下、PUエマルジョン▲1▼と称する)を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は52℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.0×107(dyn/cm2)、160℃における弾性率は3.5×107(dyn/cm2)であった。
【0080】
参考例2
エマルジョンに感熱ゲル化剤を加えない以外は参考例1と同様に調製したエマルジョンを得た(以下、PUエマルジョン▲2▼と称する)。このPUエマルジョンの感熱ゲル化温度を上記試験方法にて測定したが90℃においてもゲル化挙動を示さなかった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.0×107(dyn/cm2)、160℃における弾性率は3.5×107(dyn/cm2)であった。
【0081】
参考例3
TDI量を減らしたことでポリウレタンのハードセグメント含量を減らし、それに応じて他の成分のモルバランスを調製した以外は実施例1と同様の合成手順でエマルジョンを合成した(以下、PUエマルジョン▲3▼と称する)。このエマルジョンの感熱ゲル化温度は56℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は1.4×107(dyn/cm2)、160℃における弾性率は4.0×106(dyn/cm2)であった。
【0082】
参考例4
三ツ口フラスコに、PHC2000を250.0g、PTG1000を250.0g、TDIを105.8g、DMPAを6.38gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにトルエン191.7gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEAを4.80gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン930(花王製、ノニオン系界面活性剤)37.50gを蒸留水910gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにDETAを9.50g、IPDAを7.84gを蒸留水240gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、トルエンと水をロータリーエバポレーターにより除去した後、蒸留水を加えて固形分重量40wt%のポリウレタンエマルジョンを得た。このポリウレタンエマルジョン80重量部に対して、蒸留水20重量部、感熱ゲル化剤として塩化カルシウム0.8重量部を配合し、感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョン(以下、PUエマルジョン▲4▼とする)を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は48℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は3.0×108(dyn/cm2)、160℃における弾性率は5.5×107(dyn/cm2)であった。
【0083】
参考例5
TDI量を増やしたことでポリウレタンのハードセグメント含量を増し、それに応じて他の成分のモルバランスを調製した以外は参考例4と同様の合成手順でエマルジョンを合成した(以下、PUエマルジョン▲5▼と称する)。このエマルジョンの感熱ゲル化温度は45℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.8×108(dyn/cm2)、160℃における弾性率は8.2×107(dyn/cm2)であった。
【0084】
参考例6
三ツ口フラスコに、PMPA2000を300.0g、TDIを60.87g、DMPAを7.85gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにMEKを195.4gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEAを5.92gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウムを7.83gを蒸留水285gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにDETAを6.91g、IPDAを5.70gを蒸留水496gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、MEKをロータリーエバポレーターにより除去し固形分重量35wt%のポリウレタンエマルジョンを得た。冷却管付きフラスコに、このポリウレタンエマルジョンを240g、硫酸第一鉄七水和物(FeSO4・H2O)を0.02g、ピロリン酸カリウムを0.294g、ロンガリット(ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラートの2水塩)を0.451g、EDTA・2Naを0.02gおよび蒸留水246gを秤取し、40℃に昇温した後、系内を窒素置換し、次いでブチルアクリレート152.1g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを3.14g、メタクリル酸アリル1.57gおよびECT−3NEX(日本サーファクタント製、アニオン性界乳化剤)1.57gの混合物とクメンヒドロパーオキシド0.078g、ECT−3NEXを0.314gおよび蒸留水15gの乳化液(開始剤▲1▼)を別々の滴下ロートからフラスコ内に4時間かけて滴下し、滴下終了後40℃で30分間保持した。その後メチルメタクリレート38.4g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.78gおよびECT−3NEX0.392gの混合物をクメンヒドロパーオキシド0.078g、ECT−3NEX0.078gおよび蒸留水3gの乳化液(開始剤▲2▼)を別々の滴下ロートからフラスコ内に1時間30分かけて滴下し、滴下終了後50℃で60分間保持し重合を完了し、固形分重量40wt%のエマルジョンを得た。このポリウレタン/アクリル複合系エマルジョン100重量部に対して、エマルゲン109P(花王製、ノニオン性界面活性剤)4重量部、および塩化カルシウム1重量部を配合し、感熱ゲル化性を有するポリウレタン/アクリル複合系エマルジョン(以下、PUエマルジョン▲6▼と称する)を得た。PUエマルジョン▲6▼の感熱ゲル化温度は52℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は1.3×108(dyn/cm2)、160℃における弾性率は3.7×107(dyn/cm2)であった。
【0085】
<皮革様シートの作製>
実施例1
海成分としてTPEE(1)20部[超極細繊維(B)]とポリエチレン40部とを同一溶融系で溶融したものと、島成分としてPET80部[極細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により島本数が25本となるように紡糸し、繊度12デニールの極細繊維発生型繊維を得た。この時、繊維の断面を観察すると超極細繊維(B)の平均本数は720本であった。得られた繊維を3倍に延伸し、機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチを行い繊維絡合不織布とした。90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸し、不織布を収縮させた。収縮率[(収縮後の不織布の長さ/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に24%,ヨコ方向に25%であった。収縮した不織布を乾燥した後、不織布に対してPUエマルジョン▲1▼の固形分が15部付与されるように不織布に含浸し、90℃の熱水浴中で凝固した。凝固浴槽にエマルジョンの流出は認められなかった。この樹脂含浸不織布を130℃の熱風で乾燥した。乾燥後の樹脂含浸不織布の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ウレタン樹脂はほぼ均一に付着していた。次に繊維中のポリエチレンを90℃のトルエン中で処理して除去し、PETおよびTPEE(1)およびポリウレタンとからなる厚さ約1mmの繊維質基体を得た。なお、極細繊維のPETの繊度(計算値)は0.11デニールであった。繊維質基体の一面をサンドペーパでバフィングして厚さ0.80mmに厚み合わせを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細立毛面を形成し、更にサーキュラー液流染色機で分散染料を用いて茶色に染色した後、仕上げをして比重が0.54の皮革様シートを得た。充実感、柔軟性に優れ、かつ立毛は均一であり、表面外観に優れていた。
【0086】
実施例2
海成分としてポリエステル(1)20部[超極細繊維(B)]とポリエチレン40部とを同一溶融系で溶融したものと、島成分としてIPA共重合PET80部[極細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により島本数が25本となるように紡糸し、繊度12デニールの極細繊維発生性繊維を得た。ポリエステル(1)の島数は約300であった。得られた繊維を3.5倍に延伸し、機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチを行い、目付500g/m2の繊維絡合不織布とした。90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸し、不織布を収縮させた。収縮率[(収縮後の不織布の長さ/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に22%,ヨコ方向に23%であった。収縮した不織布を乾燥した後、不織布に対してPUエマルジョン▲1▼の固形分が10部付与されるように不織布に含浸し、ゲージ圧0.3(kg/cm2)のスチーム雰囲気下で凝固し、さらにこの樹脂含浸不織布を130℃の熱風で乾燥した。乾燥後の不織布を観察したところ、ウレタン樹脂はほぼ均一に付着していた。次いで、極細繊維発生性繊維中のポリエチレンをトルエンで処理して除去し、PETおよびポリエステル(1)およびポリウレタンとからなる厚さ約1mmの繊維質基体を得た。なお、主体繊維の繊度は、0.08デニールであった。繊維質基体の一面をサンドペーパでバフィングして厚さ0.80mmに厚み合わせを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細立毛面を形成し、更に茶色に染色した後、仕上げをして比重0.49皮革様シートを得た。充実感、柔軟性に優れ、かつ立毛は均一であり、表面外観に優れていた。
【0087】
実施例3
PBT8部とTPEE(2)12部[超極細繊維(B)]、およびポリエチレン(PE)40部とを同一溶融系で溶融したものと、PET80部[極細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により、島本数[細繊維(A)]が25本となるように紡糸し、繊度12デニールの極細繊維発生型繊維(C)を得た。このとき、繊維(C)の断面を観察すると、細繊維(A)と極細繊維(B)とはほぼ均一に分散していた。得られた繊維を3.5倍に延伸し、機械捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後、クロスラッパウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチにより、目付560g/m2の繊維絡合不織布とした。90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸漬し、不織布を収縮させた。収縮率[(収縮後の不織布の長さ/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に22%,ヨコ方向に24%であった。収縮した不織布を乾燥した後、この不織布に対してPUエマルジョン▲4▼の固形分が20部付与されるように不織布に含浸し、ゲージ圧0.3(kg/cm2)のスチームを用いて凝固した。この樹脂含浸不織布を130℃の熱風で乾燥し、厚さ約1mmの繊維質基体を得た。乾燥後の不織布を観察したところ、不織布にウレタン樹脂はほぼ均一に付着していた。次いで、ポリエチレンをトルエン中で抽出除去して、PET、PBTおよびTPEE(2)とポリウレタンからなる厚さ1.0mmの繊維質基体を得た。極細繊維(A)および超極細繊維(B)の繊度(計算値)は、それぞれ0.12デニール,0.0006デニールであった。繊維質基体の一面をサンドペーパでバフィングして厚さ0.90mmに厚み合わせを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細繊維立毛面を形成し、更に茶色に染色した。仕上げをして比重が0.53の皮革様シートを得た。充実感、柔軟性に優れ、かつ立毛は均一であり、表面外観に優れていた。
【0088】
実施例4
海成分としてTPEE(3)を20部[超極細繊維(B)]とポリエチレン40部とを同一溶融系で溶融したものと、島成分としてPET80部[極細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により島本数が25本となるように紡糸し、繊度12デニールの極細繊維発生型繊維を得た。この時、繊維の断面を観察すると超極細繊維(B)の平均本数は1000本であった。得られた繊維を3倍に延伸し、機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチを行い繊維絡合不織布とした。90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸し、不織布を収縮させた。収縮率[(収縮後の不織布の長さ/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に17%,ヨコ方向に17%であった。不織布に対してPUエマルジョン▲6▼の固形分が15部付与されるように不織布に含浸し、130℃の熱風乾燥機中で凝固、乾燥した。次いで、極細繊維発生型繊維中のポリエチレンをトルエンで処理して除去し、PETおよびTPEE(3)およびポリウレタンとからなる厚さ1.0mmの繊維質基体を得た。繊維質基体の一面をサンドペーパでバフィングして厚さ0.80mmに厚み合わせを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細立毛面を形成し、更に茶色に染色した後、仕上げをして比重が0.42の皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは充実感、柔軟性に優れ、表面外観に優れていた。
【0089】
以上の実施例1〜4で得られた皮革様シートを構成する極細繊維束を顕微鏡により観察したところ、構成する極細繊維(A)と超極細繊維(B)とが部分的に接着しており、さらに、繊維束同士も超極細繊維により所々接着固定されていることが確認できた。
【0090】
比較例1
PUエマルジョン▲2▼を用いる以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。エマルジョンを含浸した不織布を温水浴につけたところ、エマルジョンの白濁液が浴槽内に流出し、浴槽を汚染した。これ以後のトルエンによる海成分抽出作業も同じ手順で実施し、比重0.48のシートを得た。このシートは表面のシワの発生が大きく、かつ充実感が劣るものであった。
【0091】
比較例2
PUエマルジョン▲3▼を用いる以外は実施例2と同様にしてシートを作製した。以下のトルエンによる海成分抽出作業も同じ手順で実施し、比重0.58のシートを得た。このシートはペーパーライクで硬い風合いであった。
【0092】
比較例3
海成分としてPET70部[超極細繊維(B)]とポリエチレン70部とを同一溶融系で溶融したものと、島成分としてTPEE(1)30部[極細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により島本数が25本となるように紡糸し、繊度12デニールの極細繊維発生型繊維を得た。この時、繊維の断面を観察すると超極細繊維(B)の平均本数は約3000本であった。得られた繊維を3倍に延伸し、機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチを行い繊維絡合不織布とした。90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸し、不織布を収縮させた。収縮率[(収縮後の不織布の長さ/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に24%,ヨコ方向に25%であった。収縮した不織布を乾燥した後、不織布に対してPUエマルジョン▲1▼の固形分が15部付与されるように不織布に含浸し、90℃の温水浴中で凝固した。凝固浴槽にエマルジョンの流出は認められなかった。この樹脂含浸不織布を130℃の熱風で乾燥した。乾燥後の樹脂含浸不織布の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ウレタン樹脂はほぼ均一に付着していた。次に極細繊維発生型繊維中のポリエチレンをトルエンで処理して除去し、PETおよびTPEE(1)とからなる厚さ1.0mmの繊維質基体を得た。繊維質基体の一面をサンドペーパでバフィングして厚さ0.80mmに厚み合わせを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細立毛面を形成し、更に茶色に染色した後、仕上げをして比重が0.42の皮革様シートを得た。皮革様シートは発色性に劣り、得られた皮革様シートの表面外観も劣っていた。
【0093】
比較例5
PUエマルジョン▲5▼を用いる以外は実施例3と同様にしてシートを作製した。エマルジョンを含浸した不織布を温水浴につけた場合もエマルジョンの流出は認められなかった。以下のトルエンによる海成分抽出作業も同じ手順で実施し、比重0.54のシートを得た。このシートは充実感には優れているものの硬い風合いであった。
【0094】
比較例6
PUエマルジョン▲6▼の付与処理を行わない以外は実施例4と同様にして皮革様シートを得た。得られたシートの比重は0.32で柔軟性が優れていた。しかし、バフィングする際、エメリーバフ機で処理する際、繊維が十分に固定されていないため繊維の抜けが激しかった。したがって、表面外観は著しく劣っており、また充実感にかけるものであった。
【0095】
【発明の効果】
本発明により柔軟性、充実感、表面外観に優れた天然皮革ライクな皮革様シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多成分系繊維の横断面の1例の模式図である。
【符号の説明】
1:主体繊維の極細繊維(A)となる島成分
2:超極細繊維(B)となる分散成分
3:分散媒成分でかつ抽出可能な樹脂(C)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a leather-like sheet excellent in feeling of fullness, flexibility, drape and surface appearance, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, suede-like leather-like sheets are known in which ultrafine fiber napping is present on the surface of a nonwoven fabric substrate provided with a polymer elastic body. However, this leather-like sheet is inferior to the natural leather and has a strong rebound and low drape.
As a technique for solving such problems, there has been proposed a leather-like sheet that is made of only fibers without using a polymer elastic body and has a structure closer to that of natural leather. For example, in JP-A-10-37057, the core part is a polyester block copolymer, the sheath part is polyester or polyamide having a melting point higher than that of the polyester block copolymer, and the olefin polymer is a sea component. There has been proposed a method for producing a leather-like sheet base fabric using a core-sheath type composite fiber made of a blend composition arranged as described above and using a polyester block copolymer in the core as a binder component. However, the artificial leather manufactured by such a method is a fabric-like one that is inferior in a sense of fullness, or a hard paper-like one. The reason is not clear, but because the heat-fusible component is placed in the core, the polyester block copolymer and polyester or polyamide in the fiber bundle generated after removing the polyolefin polymer are sufficiently heat-sealed. However, the thermal fusion between the fiber bundles becomes insufficient, resulting in a fabric-like one that is inferior in the sense of fulfillment, and if the thermal fusion between the fiber bundles is increased by changing the fusion conditions, This is presumed to be caused by the fact that only the paper-like material inferior in flexibility is obtained due to the intense heat fusion.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a leather-like sheet which is formed of fibers and resin and has a texture such as structure and fullness, flexibility, surface appearance and the like close to natural leather. Another object is to provide an environment-friendly suede-like leather-like sheet that can be dyed with a disperse dye that does not contain heavy metals such as chromium.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present inventors have conducted intensive research. As a result, the basic technical idea of enhancing the sense of fulfillment by highly entanglement of the main ultrafine fibers with the ultrafine fibers, or fixing as an adhesive component, impregnating and solidifying the resin was used. Then, it is found that the above object can be achieved, and further, the characteristics of the resin forming the ultrafine fiber, the denier of the main ultrafine fiber and the ultrafine fiber, the ratio of the main ultrafine fiber to the ultrafine fiber, etc. are important. Furthermore, the resin to be impregnated is a polyurethane emulsion having heat-sensitive gelation property, and has a specific range of elastic modulus in the temperature range in which heat-sensitive gelation occurs and in the temperature range of fiber sea component extraction in a high-temperature organic solvent. Was found to be important.
[0005]
In principle, the present invention uses ultra-fine fibers as a method for fixing the main ultra-fine fibers, so that the entanglement between the fibers is highly enhanced, or the ultra-fine fibers that generate ultra-fine fibers and ultra-fine fibers are generated. A polyurethane emulsion having a specific elastic modulus as described above, when removing an extraction component in the fiber with an organic solvent from a non-woven fabric composed of generating fibers, and simultaneously swelling and bonding the ultrafine fiber with the organic solvent By impregnating and solidifying, natural leather-like texture that satisfies both fullness and flexibility is achieved.
[0006]
That is, the present invention provides a leather-like sheet comprising an entangled nonwoven fabric comprising fiber bundles and an elastic polymer contained therein, and the following conditions (1) to (3)
(1) The fiber bundle is composed of an ultrafine fiber (A) having a fineness of 0.005 to 0.5 denier and an ultrafine fiber (B) having a fineness of 0.0001 to 0.1 denier,
(2) The weight ratio of the ultrafine fibers (A) to the ultrafine fibers (B) is 95: 5 to 50:50, and the number of islands made of the ultrafine fibers (A) in the fiber cross section is 5 or more, And the number of the ultra-fine fibers (B) in the fiber bundle cross section is 25 or more,
(3) The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying the elastic polymer at 50 ° C. is 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) And the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0 × 10 6 (Dyn / cm 2 ) A polyurethane emulsion coagulum having heat-sensitive gelling properties as described above,
It is a leather-like sheet characterized by satisfying
In such a leather-like sheet, preferably, the resin component forming the ultrafine fiber (B) is a hard block made of an aromatic polyester, an aliphatic polyether, an aliphatic polyester, an aliphatic polycarbonate, an aliphatic It is a block copolymer comprising a soft block comprising at least one of polyether ester and aliphatic polyester carbonate and having a melting point of 180 ° C. or higher, or a crystal melting heat in the range of 0 to 25 J / g, The leather-like sheet is a polyester having a glass transition temperature of 50 ° C. or higher.
Further, as a preferable method for producing such a leather-like sheet, a dispersion in which the island component is an ultrafine fiber-forming resin and the sea component is a superfine fiber-generating fiber (sometimes referred to as a multicomponent fiber). A step of producing a nonwoven fabric comprising ultrafine fiber-generating fibers having a sea-island cross-sectional structure, which is a mixture in which components are dispersed in a dispersion medium component and satisfies the following conditions (1) to (2) (a ), A step (b) of impregnating and solidifying a polyurethane emulsion satisfying the following condition (3), a step (c) of dissolving and extracting the dispersion medium component in the fiber with a solvent, (a) (b) It is a method for producing a leather-like sheet, which is sequentially performed in the order of (c) or the order of (a), (c) and (b).
(1) The island component has a thickness of 0.005 to 0.5 denier, and the dispersed component has a thickness of 0.0001 to 0.1 denier.
(2) The weight ratio of the ultrafine fibers (A) to the ultrafine fibers (B) is 95: 5 to 50:50, and the number of islands made of the ultrafine fibers (A) in the fiber cross section is 5 or more, The number of the super extra fine fibers (B) is 25 or more,
(3) The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying the elastic polymer at 50 ° C. is 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) And the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0 × 10 6 (Dyn / cm 2 ) A polyurethane emulsion coagulum having heat-sensitive gelling properties as described above,
[0007]
[Form of the present invention]
The present invention is described in detail below.
First, FIG. 1 shows an example of a cross section of the multicomponent fiber of the present invention. In the figure, 1 is an ultrafine fiber (A) which is an island component and is a main fiber, ultrafine fiber (B), 3 is a dispersion medium component and an extractable resin (hereinafter referred to as dispersion medium component (C)) ).
The leather-like sheet of the present invention produces a nonwoven fabric composed of such multi-component fibers, and before or after resin application with a polyurethane emulsion, the dispersion medium component of the sea component constituting the fibers is extracted with a solvent. Can be obtained. Specifically, in the present invention, as a method of fixing the main ultrafine fiber (A), entanglement between the fibers is highly enhanced by using the ultrafine fiber (B), or the ultrafine fiber (A). When the dispersion medium component (C) in the fiber is removed with an organic solvent from the nonwoven fabric composed of the ultrafine fiber-generating fiber that generates the ultrafine fiber (B), the ultrafine fiber (B) is simultaneously removed with the organic solvent. It is a natural leather-like material that combines swelling and adhesion by impregnating and solidifying the polyurethane emulsion having the above specific elastic modulus before or after the step of removing the dispersion medium component (C). The texture is expressed. However, if adhesion occurs more than necessary between the fiber bundles, within the fiber bundle, or between the fibers and the resin, a paper-like sheet is formed. In order to achieve a natural leather-like sense of fullness, flexibility, and surface appearance, it is important to appropriately bond between fiber bundles, within fiber bundles, and between fibers and resin. In this respect, the main fiber (A), the ultrafine fiber (B), and the resin constituting the polyurethane emulsion are selected. In the present invention, in the ultrafine fiber bundle formed by extracting and removing the dispersion medium component, the fiber formed from the island component is the ultrafine fiber (A), and the fiber formed from the dispersion component is the ultrafine fiber ( B).
[0008]
Such a resin constituting the ultrafine fiber (A) of the present invention is an ultrafine fiber-forming polymer, specifically, polyesters such as polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polybutylene terephthalate, and modified polyester, nylon 6 And polyamides such as nylon 66, nylon 12, nylon 6/12, and modified nylon. Among them, the use of crystalline polyester is excellent in dyeing fastness when dyed with disperse dyes. preferable. Specific examples thereof include polyester polymers in which dicarboxylic acid units such as terephthalic acid units and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid units are combined with glycol units such as ethylene glycol, propylene glycol and butylene glycol.
[0009]
Furthermore, you may have a small amount of other dicarboxylic acid units and oxycarboxylic acid units with a terephthalic acid unit and a 2, 6- naphthalene dicarboxylic acid unit as needed. Other dicarboxylic acid units and oxycarboxylic acid units include isophthalic acid, sodium sulfoisophthalate, diphenyldicarboxylic acid, diphenoxyethanedicarboxylic acid, β-hydroxyethoxybenzoic acid, p-oxybenzoic acid and other aromatic dicarboxylic acids and aromatics. Examples thereof include units consisting of aliphatic dicarboxylic acids such as adipic acid, sebacic acid and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, and alicyclic dicarboxylic acids.
[0010]
Furthermore, the crystalline polyester may have a small amount of other glycol units together with the above-mentioned glycol units. Examples of other glycol units include diols such as cyclohexane-1,4-dimethanol, neopentyl glycol, bisphenol A, and bisphenol S; polyoxyalkylene glycol units.
[0011]
The crystalline polyester may use a polycarboxylic acid such as trimellitic acid and a polyol such as glycerin, trimethylolpropane and pentaerythritol within a range that does not substantially impair the linear structure.
[0012]
Among the crystalline polyesters described above, a crystalline polyester having a glass transition temperature of 50 ° C. or higher, particularly 60 ° C. or higher is preferable from the viewpoint of improving the dyeing fastness and durability of the leather-like sheet. The glass transition temperature is measured with a differential calorimeter (DSC). Furthermore, the ultrafine fiber-forming fiber used in the present invention can be dissolved and removed containing the crystalline polyester, a crystalline block copolymer, a polyester having a specific crystal melting heat and a glass transition temperature described later, and the like. The resin is composite-spun, but the spinning temperature is preferably 290 ° C. or lower from the viewpoint of heat stability during spinning of a crystalline block copolymer or the like. As such a preferable crystalline polyester, 80 mol% or more of the glycol units which are constituent units of the polyester are constituted by ethylene glycol units and 80 mol% or more of the dicarboxylic acid units by terephthalic acid units, more preferably the glycol units are ethylene. Glycol, the dicarboxylic acid unit is a mixture of terephthalic acid unit and isophthalic acid unit or phthalic acid unit, and the molar ratio of terephthalic acid unit to isophthalic acid unit or phthalic acid unit is 95/5 to 85/15 The crystalline polyester which is the range is mentioned. That is, it is a polyethylene terephthalate copolymer, and in particular, a polyethylene terephthalate copolymer obtained by copolymerization of isophthalic acid and / or phthalic acid is preferable. When the copolymer is used, the adhesion between the main fiber and the binder fiber can be easily controlled, and a leather-like sheet excellent in texture such as fullness, flexibility and surface appearance can be obtained.
[0013]
The intrinsic viscosity of the crystalline polyester of the present invention is preferably in the range of 0.50 to 1.00 dl / g when measured at 30 ° C. in a phenol / tetrachloroethane mixed solvent (1/1 weight ratio). . More preferably, it is the range of 0.55-0.80 dl / g. When the intrinsic viscosity of the crystalline polyester is less than 0.50 dl / g, the mechanical properties of the leather-like sheet are inferior, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds 1.00 dl / g, the spinnability of the multicomponent fiber of the present invention is lowered, which is not preferable.
[0014]
In the present invention, in order to achieve a natural leather-like sense of fullness and surface appearance, it is preferable to bond appropriately between fiber bundles and within fiber bundles. In order to achieve this object, it is important to select a resin constituting the ultrafine fiber (B) in the present invention. That is, when extracting the dispersion medium component in the sea component of the ultrafine fiber-generating fiber from the non-woven fabric composed of the ultrafine fiber-generating fiber as a component constituting the ultrafine fiber (B), It is preferable that most of the ultrafine fibers (B) swell without being dissolved, and it is important that the adhesion points once bonded between the fiber bundles and within the fiber bundles do not easily peel off. Specifically, the components constituting the ultrafine fiber (B) include polyesters such as polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and modified polyester, and polyamides such as nylon 6, nylon 66, nylon 12, nylon 6/12, and modified nylon. And a block copolymer. Among these, a specific block copolymer and a specific polyester can be preferably used.
[0015]
Preferable examples of the block copolymer constituting the ultrafine fiber (B) include a polyester block copolymer, a polyamide block copolymer, and a polyurethane block copolymer. Since the polyurethane block copolymer is thermally decomposed when spun at a temperature of 250 ° C. or higher, it is preferable to select a polyurethane block copolymer that can be spun at 250 ° C. or lower. However, polyurethane block copolymers having such a spinnable temperature are remarkably used. Since it is limited, a polyester block copolymer and a polyamide block copolymer are more preferable. Most preferably, it is a crystalline polyester block copolymer having a melting point of 180 ° C. or higher and a crystal melting heat in the range of 15 to 42 J / g. A leather-like sheet using such a polyester block copolymer is particularly excellent in a sense of fulfillment.
[0016]
As the above-described polyester block copolymer, polyamide block copolymer, and polyurethane block copolymer, known thermoplastic polyester block copolymers, polyamide block copolymers, and polyurethane block copolymers can be used. Among these, the polyester block copolymer is composed of a hard block made of aromatic polyester and a soft block made of at least one of aliphatic polyether, aliphatic polyester, aliphatic polycarbonate, aliphatic polyether ester, and aliphatic polyester carbonate. A constructed block copolymer is preferred.
[0017]
This polyester block copolymer will be described in more detail. Examples of the aromatic polyester constituting the hard block include polyethylene terephthalate, polypropylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polypropylene naphthalate, and polybutylene naphthalate. Polyethylene terephthalate is more preferable from the viewpoint that a leather-like sheet superior in the sense of fullness, flexibility and surface appearance of the leather-like sheet can be obtained. When the hard block is polyethylene terephthalate and the main fiber is polyethylene terephthalate or a copolymer mainly composed of polyethylene terephthalate, the sense of fullness, flexibility, and surface appearance of the leather-like sheet are particularly excellent.
[0018]
Further, a small amount (20 mol% or less) of other dicarboxylic acid units, diol units, oxycarboxylic acid units, trifunctional or higher polycarboxylic acid units, and polyol units may be copolymerized. The thing similar to what was described with the crystalline polyester which comprises a main fiber is mentioned. As a block chain length of the crystalline polyester constituting the hard block, an average molecular weight of 1000 to 8000 is preferable, and 1200 to 5000 is particularly preferable.
[0019]
Next, the aliphatic polyether, aliphatic polyester, aliphatic polycarbonate, aliphatic polyether ester, and aliphatic polyester carbonate used as the soft block constituting the block copolymer will be described in more detail.
[0020]
Examples of the aliphatic polyether include polyalkylene glycols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, and polytetramethylene ether glycol.
[0021]
Examples of the aliphatic polyester include a polyester mainly composed of an aliphatic dicarboxylic acid unit and a diol unit, and a polyester composed of an aliphatic hydroxycarboxylic acid unit. Examples of the aliphatic dicarboxylic acid unit constituting the aliphatic polyester include glutaric acid, succinic acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid, 2-methylsuccinic acid, and 2-methyladipine. Examples include units derived from acids, 3-methyladipic acid, 3-methylpentanedioic acid, 2-methyloctanedioic acid, 3,8-dimethyldecanedioic acid, 3,7-dimethyldecanedioic acid, and the like. , One or more of these can be included. In addition to the above aliphatic dicarboxylic acid units, if necessary, alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid; units derived from aromatic dicarboxylic acids such as phthalic acid, terephthalic acid, and isophthalic acid May be included. Furthermore, if it is a small amount (preferably 1 mol% or less of all dicarboxylic acid units) together with the above-mentioned dicarboxylic acid units, a polyfunctional carboxylic acid having three or more functional groups such as trimellitic acid, trimesic acid, pyromellitic acid, tricarballylic acid, etc. Units derived from acids may be included.
Examples of the diol unit constituting the aliphatic polyester include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, and 1,7-heptanediol. Linear aliphatic diols such as 1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, 1,10-decanediol, 1,11-monodecanediol, 1,12-dodecanediol; Propanediol, 2-methyl-1,3-propanediol, neopentyl glycol, 2,2-diethyl-1,3-propanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 3-methyl- Branched aliphatic diols such as 1,5-pentanediol and 2-methyl-1,8-octanediol; Units derived from alicyclic diols such as sandimethanol and cyclohexanediol can be mentioned, and one or more of these can be included. In addition to the above diol units, units derived from aromatic diols such as 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene and p-xylene glycol can be included as necessary. Furthermore, if it is a small amount (preferably 1 mol% or less of all diol units) with the above-mentioned diol units, trifunctional or more functional groups such as trimethylolethane, trimethylolpropane, glycerin, 1,2-hexanetriol, pentaerythritol, etc. A unit derived from a polyhydric alcohol may be included.
[0022]
Examples of the aliphatic hydroxycarboxylic acid unit constituting the aliphatic polyester include units derived from ε-hydroxycaproic acid, 6-hydroxyenanthic acid, 7-hydroxycaprylic acid, and the like. Of these, one or more can be included.
[0023]
The aliphatic polycarbonate can be obtained, for example, by a reaction between a polyol and a carbonate compound such as dialkyl carbonate, alkylene carbonate, or diaryl carbonate. As the polyol used in the aliphatic polycarbonate, the polyol exemplified above as a constituent component of the aliphatic polyester can be used. Examples of the dialkyl carbonate include dimethyl carbonate and diethyl carbonate, examples of the alkylene carbonate include ethylene carbonate, and examples of the diaryl carbonate include diphenyl carbonate.
[0024]
The aliphatic polyether ester can be obtained, for example, by a reaction between an aliphatic polyether polyol and an aliphatic polycarboxylic acid. As the aliphatic polyether polyol, the polyol exemplified above for the aliphatic polyether can be used, and as the aliphatic polycarboxylic acid, the aliphatic dicarboxylic acid exemplified above as a constituent component of the aliphatic polyester can be mentioned. it can.
[0025]
Examples of the aliphatic polyester carbonate can be obtained by a reaction with a carbonate compound such as an aliphatic polyol, an aliphatic polycarboxylic acid, a dialkyl carbonate, an alkylene carbonate, or a diaryl carbonate. Examples of the aliphatic polyol and aliphatic polycarboxylic acid include the aliphatic dicarboxylic acids and aliphatic diols exemplified above as the constituent components of the aliphatic polyester.
[0026]
In the present invention, the soft block having a mean molecular weight of 500 to 5000, particularly 800 to 3000 is preferably used.
The crystalline block copolymer used in the present invention preferably has a melting point of 180 ° C. or higher and a crystal melting heat of 15 to 42 J / g, more preferably a melting point of 190 ° C. or higher and a crystal melting heat. Is in the range of 18-40 J / g. When this condition is satisfied, there is an appropriate adhesion between the fiber bundles and between the fiber bundles, and the resulting leather-like sheet has a softness and a feeling of fulfillment. When the melting point is less than 180 ° C, the leather-like sheet that can be strongly bonded within the fiber bundle and between the fiber bundles tends to be paper-like, and when the heat of crystal fusion is less than 15 J / g, Similarly, a leather-like sheet that can be strongly bonded becomes paper-like, whereas if it exceeds 42 J / g, adhesion tends to be insufficient and the leather-like sheet tends to become fabric-like. The methods for measuring the melting point and the heat of crystal melting are as described in the Examples section below. In the block copolymer (C), the weight ratio of the hard block to the soft block is preferably in the range of 50:50 to 90:10, particularly preferably in the range of 60:40 to 85:15.
[0027]
In the present invention, since a leather-like sheet having particularly good mechanical properties can be obtained, the intrinsic viscosity of the crystalline block copolymer is 30 ° C. in a phenol / tetrachloroethane mixed solvent (1/1 weight ratio). Is preferably in the range of 1.20 to 2.5 dl / g, more preferably 1.40 to 2.3 dl / g.
Although it does not restrict | limit especially as a specific block copolymer, The case where the swelling rate when immersed in the solvent which extracts the dispersion medium component of the sea component of an ultrafine fiber generation fiber is 15 to 200 weight% is preferable. When the swelling ratio is less than 15% by weight, the leather-like sheet tends to be inferior in solidity and surface appearance, and when it exceeds 200% by weight, the flexibility of the leather-like sheet tends to be inferior. Of course, the ultrafine fiber (A) is preferably composed of a resin that does not substantially swell under the extraction treatment conditions, that is, a resin having a degree of swelling of less than 15% by weight. The method for measuring the degree of solvent swelling is as described in the Examples section below.
[0028]
In addition to the block copolymer as described above, the resin constituting the ultrafine fiber (B) has a heat of crystal melting of 0 to 25 J / g and a glass transition temperature of 50 ° C. or higher. It is also preferable to use polyester. Specifically, such polyesters include aromatic polyesters such as polyethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, polypropylene terephthalate, polypropylene-2,6-naphthalate, polybutylene terephthalate, polybutylene-2,6-naphthalate, and the like. And a copolymerized polyester obtained by copolymerizing one or more compounds of a diol unit, a dicarboxylic acid unit, and an oxycarboxylic acid unit. The copolymerizable diol units, dicarboxylic acid units, and oxycarboxylic acid units are listed below.
[0029]
Examples of copolymerizable diol units include 1,4-cyclohexanedimethanol, cyclohexanediol, and bis (hydroxymethyl) tricyclo [5.2.1.0. 2,6 ] Decane, Decahydro-1,4: 5,8-dimethanonaphthalene-2,3-dimethanol and other alicyclic diols, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, bisphenol A, bisphenol S, etc. Aromatic diol, 1,2-ethylene glycol (when the diol unit of the polyester is a propanediol unit, butanediol unit), 1,2-propanediol, 1,3-propanediol (the diol unit of the polyester is propane Diol unit, butanediol unit), 2-methyl-1,3-propanediol, neopentyl glycol, 1,5-pentanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol 1,7-heptanediol, 1,8-octanediol, 2-me Le-1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, and aliphatic diols such as 1,10-decanediol.
[0030]
As copolymerizable dicarboxylic acid units, alicyclic dicarboxylic acids such as 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, terephthalic acid (when the dicarboxylic acid unit constituting the polyester is a naphthalenedicarboxylic acid unit), 2,6-naphthalene Dicarboxylic acid (when the dicarboxylic acid unit constituting the polyester is a terephthalic acid unit), 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, isophthalic acid, sulfoisophthalic acid Aromatic dicarboxylic acids such as sodium, diphenyldicarboxylic acid and diphenoxyethanedicarboxylic acid, and aliphatic dicarboxylic acids such as succinic acid, glutaric acid, adipic acid, suberic acid, azelaic acid and sebacic acid can be mentioned.
[0031]
Examples of copolymerizable oxycarboxylic acids include aromatic oxycarboxylic acids such as β-hydroxyethoxybenzoic acid and p-oxybenzoic acid.
[0032]
Preferred copolymerizable structural units include alicyclic diol units, alicyclic dicarboxylic acid units, and aromatic dicarboxylic acid units, and more preferred are alicyclic diol units and alicyclic dicarboxylic acid units. The resulting leather-like sheet has excellent durability and flexibility such as light fastness, texture, surface appearance, and the like, so diol units or dicarboxylic acid units having an alicyclic skeleton are all structural units (dicarboxylic acid units). , Diol units, oxycarboxylic acid units, etc.) is most preferably used as the polyester.
[0033]
Furthermore, the polyester is a structural unit of a polyester such as a polycarboxylic acid such as trimellitic acid; a polyol such as glycerin, trimethylolpropane, butanetriol, hexanetriol, trimethylolbutane, trimethylolpentane, or pentaerythritol. It is preferable that it is contained in the range of 0.01 to 0.1 mol% with respect to the dicarboxylic acid unit because the obtained leather-like sheet has excellent flexibility.
[0034]
More specifically, a preferable polyester will be described. A copolymer polyester in which 1,4-cyclohexanedimethanol is copolymerized with polyethylene terephthalate in an amount of 8 to 20 mol% in all structural units, and isophthalic acid in polyethylene terephthalate is 8 to 20 mol%. Examples include a copolymerized copolymer polyester, and a copolymer polyester obtained by copolymerizing 1,4-cyclohexanedimethanol with polyethylene terephthalate in an amount of 8 to 20 mol% in all structural units can be exemplified as the most preferable example. .
[0035]
The intrinsic viscosity of the polyester is preferably in the range of 0.5 to 1.2, more preferably 0 when measured at 30 ° C. in a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane (1/1 weight ratio). The range is from 55 to 1.0 dl / g.
[0036]
In addition, a dispersion component other than the ultrafine fiber (B) component may be mixed as a dispersion component in the sea component of the multicomponent fiber, and the resin constituting the dispersion component used in this case is an ultrafine fiber. And crystalline resins that generate The ultrafine fiber (A) is bonded between the fiber bundles and within the fiber bundle by the binder fiber made of the ultrafine fiber (B), but when the bonding proceeds excessively between the binder fibers, it becomes a paper-like texture, and There is a tendency that physical properties such as tearing strength are inferior. In this case, by mixing ultrafine fibers made of crystalline resin, the binder fibers do not excessively adhere between the binder fibers, so the binder fibers function efficiently, and the texture, physical properties, etc. are all high and good. It will be something. Such a crystalline resin is composed of crystalline polyester or crystalline polyamide, and examples of the crystalline polyester include those similar to the polyester constituting the ultrafine fiber (A). Examples of the crystalline polyamide include those that can be melted and have a heat of crystal melting of 40 J / g or more. For example, aliphatic polyamides such as nylon 6, nylon 12, nylon 66, 1,6-hexamethylenediamine, 1,9 Examples include semi-aromatic polyamides obtained by reacting aliphatic diamines such as nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine with aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid. A glass transition temperature of 60 ° C. or higher is preferred because the light-fast dyeing fastness of the obtained leather-like sheet is improved. As such a preferable example, the said semi-aromatic polyamide can be mentioned. Particularly preferred are semi-aromatic polyamides in which the dicarboxylic acid unit is a terephthalic acid unit and the diamine unit is a 1,9-nonanediamine unit and / or a 2-methyl-1,8-octanediamine unit.
[0037]
In the present invention, the fineness of the ultrafine fibers (A) and the ultrafine fibers (B) is important. The fineness (calculated value) of the ultrafine fiber (A) needs to be in the range of 0.005-0.5 denier on the average, and the fineness of the ultrafine fiber (B) needs to be in the range of 0.0001 to 0.1 denier on the average. When the fineness of the ultrafine fiber (A) is less than 0.005 denier on average, the color developability of the leather-like sheet is inferior. When the fineness of the ultrafine fiber (A) exceeds 0.5 denier on average, the surface appearance and flexibility of the leather-like sheet are inferior. The ultrafine fiber (B) is preferably thin in a range (0.0001 denier or more) in which mechanical properties such as tensile strength of the leather-like sheet are not deteriorated. When the ultra-fine fiber (B) is thin, its surface area becomes large, and a few ultra-fine fibers (B) can be bonded between the fiber bundles, making it possible to achieve a sense of fullness, flexibility and surface appearance of the leather-like sheet. Become. For these reasons, it is not preferable that the fineness of the ultrafine fiber (B) exceeds 0.1 denier. Furthermore, color unevenness after dyeing is conspicuously undesirable. Furthermore, in the present invention, the number of ultrafine fibers (A) and ultrafine fibers (B) in the fiber bundle cross section is important. The number of islands made of the ultrafine fibers (A) must be 5 or more, preferably 8 or more, and more preferably 12 or more. When the number of islands is less than 5, when removing the extraction component with a solvent, the adhesion between fibers in the fiber bundle and between the fiber bundles increases, and the resulting leather-like sheet tends to be paper-like. It is not preferable. Further, the number of islands made of the ultrafine fibers (B) is 25 or more, preferably 100 or more, more preferably 300 or more. When the number of islands is less than 25, the extracted components are removed with a solvent. The leather-like sheet tends to be fabric-like, which is not preferable. In the present invention, the islands composed of the ultrafine fibers (B) may be observed to be stuck together during the extraction process, and at first glance, the number of ultrafine fibers may be reduced. The number of ultrafine fibers when the ultrafine fibers are agglutinated means the number before agglutination. The number of islands made of the ultrafine fibers (B) is preferably 5 times or more the number of islands made of the ultrafine fibers (A). More preferably, it is 10 times or more, and further preferably 20 times or more. When it is less than 5 times, the obtained leather-like sheet tends to be fabric-like.
[0038]
In addition, when the ultrafine fiber (B) is bonded to the ultrafine fiber (A), the ultrafine fiber (B) is present around the individual ultrafine fibers (A) so that the fiber bundles can be located. This is preferable for efficient bonding. The ultrafine fibers (B) may be glued together with the ultrafine fibers (B). When the ultra-fine fiber (B) and the fibrous material in which the ultra-fine fibers (B) are adhered to each other are partially adhered to the ultra-fine fibers (A), the fullness of the leather-like sheet, the surface appearance Can be kept good.
[0039]
The resin constituting the ultrafine fiber (A) and the resin constituting the ultrafine fiber (B) have a weight ratio in the range of 50:50 to 95: 5, preferably 60:40 to 85:15. When the ultrafine fiber (B) exceeds 50% by weight, the mechanical properties and color developability of the leather-like sheet are inferior. When the ultrafine fiber (B) is less than 5% by weight, the fullness of the leather-like sheet and the surface appearance are inferior. The ratio of the ultrafine fiber component in the ultrafine fiber-generating fiber is preferably 40 to 80% by weight in terms of spinning stability, economy, etc. in total of the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B).
[0040]
The dispersion medium component that constitutes the sea component of the ultrafine fiber generating composite fiber is different from the resin that constitutes the ultrafine fiber (A) and the resin that constitutes the ultrafine fiber (B) in the solubility in the solvent. A resin having a low affinity with the resin constituting A) and the ultrafine fiber (B), and the resin constituting the ultrafine fiber (A) and the resin constituting the ultrafine fiber (B) under the spinning conditions A polymer with low melt viscosity or low surface tension. Representative examples thereof include, for example, selected from polymers such as polyethylene, polypropylene, ethylene propylene copolymer, ethylene octene copolymer, ethylene vinyl acetate copolymer, polystyrene, styrene acrylonitrile copolymer and styrene ethylene copolymer. There may be mentioned at least one polymer.
[0041]
In the leather-like sheet of the present invention, an appropriate resin is selected as the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B) depending on the purpose of use, but the sense of fulfillment of the leather-like sheet is further improved, the surface appearance, In order to supplement mechanical properties, it is necessary to use a polyurethane emulsion. This polyurethane emulsion has an elastic modulus of 5.0 × 10 5 at 90 ° C. of a film obtained by drying at 50 ° C. 8 (Dyn / cm 2 ) And the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0 × 10 6 (Dyn / cm 2 It is important that the polyurethane emulsion has the above-mentioned heat-sensitive gelation property. Elastic modulus at 90 ° C. is 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) Larger, the texture of the leather-like sheet obtained is hard due to the hardness of the resin itself, and the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0 × 10. 6 (Dyn / cm 2 ) Is smaller, the leather-like sheet obtained when the dispersion medium component in the fiber is extracted with an organic solvent or the like at a high temperature generates sag and becomes a paper-like texture.
[0042]
If the polyurethane emulsion as defined in the present invention is impregnated and solidified, it has a heat-sensitive gelling property, so that the occurrence of so-called migration in which the resin is biased to the surface during the drying process is suppressed, and the elastic modulus in the above specific range. In that case, it does not adhere strongly to the crystalline polyester, which is the main fiber, and the elastic modulus of the resin itself is not too high, so the texture of the resulting leather-like sheet is flexible and has an excellent texture close to that of natural leather. Can be expressed. The applied amount of the polyurethane-based emulsion is 2 to 120 parts by weight, preferably 5 parts by weight of the polyurethane-based resin in the polyurethane-based emulsion with respect to the total weight 100 of the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B). -100 parts by weight, more preferably 10-80 parts by weight. When the applied amount is less than 2 parts by weight, there is almost no improvement in the sense of fullness of the leather-like sheet due to the application of the polyurethane resin, and when it exceeds 120 parts by weight, the flexibility of the obtained leather-like sheet is impaired. The heat-sensitive gelation of the polyurethane emulsion can be carried out by a known method such as coagulation with hot air after impregnation, coagulation in hot water, coagulation with steam, etc., since the texture of the obtained leather-like sheet is excellent It is preferably carried out in warm water of 70 ° C. or higher or in a steam atmosphere. In addition, the application of the resin by the polyurethane emulsion may be performed before or after the ultrafine treatment by removing the sea component of the fiber, but it may be performed before the ultrafine treatment from the point that the obtained leather-like sheet has excellent flexibility. preferable. In addition, in order to uniformly and quickly impregnate the emulsion, the nonwoven fabric can be treated with a wet penetrant prior to emulsion impregnation.
[0043]
As a composition of the polyurethane component which comprises this polyurethane-type emulsion, each component of a high molecular polyol component, an isocyanate component, and a chain extender as shown below can be combined suitably, and it can be set as raw material polyurethane.
[0044]
Examples of the polymer polyol serving as the polyurethane emulsion component include polyester polyol, polyether polyol, polycarbonate polyol, and polyester polycarbonate polyol. These polymer polyols are subjected to esterification or transesterification directly with ester-forming derivatives such as dicarboxylic acids or their esters and anhydrides and polyols, or ring-opening polymerization of lactones, for example, according to conventional methods. Can be manufactured.
[0045]
As the polyol constituting the polyester polyol, those generally used in the production of polyester can be used. For example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, 1,3-propanediol, 2- Methyl-1,3-propanediol, 2,2-diethyl-1,3-propanediol, 1,3-butylene glycol, 1,4-butanediol, 2-methyl-1,4-butanediol, 3-methyl 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,8-octanediol, 2-methyl-1,8-octanediol, 2,7-dimethyl-1,8-octanediol, 1,9- Nonanediol, 2,8-dimethyl-1,9-nonanediol, 1,10-de Aliphatic diols having 2 to 15 carbon atoms such as diols; alicyclic diols such as 1,4-cyclohexanediol, cyclohexanedimethanol and dimethylcyclooctanedimethanol; 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, etc. An aromatic dihydric alcohol etc. can be mentioned. These diols may be used alone or in combination of two or more. Further, a compound having a tri- or higher functional hydroxyl group may be used together with the above diol, for example, glycerin, trimethylolethane, trimethylolpropane, trimethylolbutane, butanetriol, hexanetriol, pentaerythritol and the like. it can. These polyols may be used alone or in combination of two or more.
[0046]
As the dicarboxylic acid constituting the polyester polyol, those generally used in the production of polyester can be used. For example, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid , Dodecanedioic acid, methylsuccinic acid, 2-methylglutaric acid, 3-methylglutaric acid, trimethyladipic acid, 2-methyloctanedioic acid, 3,8-dimethyldecanedioic acid, 3,7-dimethyldecanedioic acid, etc. Examples include aliphatic dicarboxylic acids having 4 to 12 carbon atoms; alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid; aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, orthophthalic acid, and naphthalenedicarboxylic acid, or ester-forming derivatives thereof. it can. These dicarboxylic acids may be used alone or in combination of two or more.
[0047]
Examples of the lactone include ε-caprolactone and β-methyl-δ-valerolactone.
[0048]
Examples of the polyether polyol include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, and poly (methyl tetramethylene glycol). These polyether polyols may be used alone or in combination of two or more.
[0049]
As a polycarbonate polyol, what is obtained by reaction of a polyol and carbonate compounds, such as a dialkyl carbonate, an alkylene carbonate, a diaryl carbonate, can be used, for example. As the polyol constituting the polycarbonate diol, the polyol exemplified above as a constituent component of the polyester polyol can be used. Examples of the dialkyl carbonate include dimethyl carbonate and diethyl carbonate. Furthermore, examples of the alkylene carbonate diol include ethylene carbonate, and examples of the diaryl carbonate include diphenyl carbonate.
[0050]
As a polyester polycarbonate polyol, what is obtained by reacting a polyol, dicarboxylic acid, and a carbonate compound simultaneously can be used, for example. Alternatively, polyester polyols and polycarbonate polyols can be synthesized in advance by the method described above and then reacted with a carbonate compound, or those obtained by reacting with a polyol and a dicarboxylic acid can be used.
[0051]
The number average molecular weight of the polymer polyol is preferably 500 to 5000, and more preferably 600 to 3000. The number average molecular weight of the polymer polyol referred to in the present invention is a number average molecular weight calculated based on the hydroxyl value measured in accordance with JIS K 1577.
[0052]
Even if the number of hydroxyl groups per molecule of the polymer polyol is larger than 2, there is no problem in using the polymer polyol as long as it does not hinder emulsion synthesis. As a means for obtaining a polymer polyol having a number of hydroxyl groups larger than 2, the number of hydroxyl groups in one molecule is 3 so that the number of hydroxyl groups per molecule of any polymer polyol can be obtained when the polymer polyol is produced. The above-described method using a low-molecular polyol, and by mixing a polymer diol and a polymer polyol having 3 or more hydroxyl groups in one molecule during polyurethane polymerization, The method of making it into a number etc. can be mentioned. That is, as a method for producing a polymer polyol having a number of hydroxyl groups greater than 2, for example, when producing the polyester polyol, a compound having a tri- or higher functional hydroxyl group can be used in combination.
[0053]
The isocyanate compound used in the polyurethane emulsion is not particularly limited, and known aliphatic, alicyclic and aromatic organic compounds containing an isocyanate group in the molecule conventionally used in the production of ordinary emulsion polyurethanes. Any of the diisocyanates may be used. For example, tolylene diisocyanate, 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, isophorone diisocyanate, P-phenylene diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, 4,4 Examples include '-dicyclohexylmethane diisocyanate, 3,3'-dichloro-4,4'-diphenylmethane diisocyanate, and hydrogenated xylylene diisocyanate. Among these organic isocyanate compounds, it is preferable to use aromatic isocyanate compounds such as tolylene diisocyanate and 4,4′-diphenylmethane diisocyanate because the resulting polyurethane resin has excellent solvent resistance. Or, it is particularly effective when the resin is applied by emulsion prior to dissolving and removing the sea component of the mixed spun fiber. These organic isocyanates may be used alone or in combination of two or more.
[0054]
The chain extender is not particularly limited, and any chain extender conventionally used in the production of ordinary emulsion polyurethanes may be used, and two hydrogen atoms capable of reacting with isocyanate groups are present in the molecule. It is preferable to use a low molecular weight compound having a molecular weight of 400 or less. For example, ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, 1,4-cyclohexanediol, bis (β-hydroxyethyl) terephthalate, 3-methyl-1,5-pentanediol, cyclohexane Diols such as diol, xylylene glycol, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, neopentyl glycol, hydrazine, ethylenediamine, propylenediamine, xylylenediamine, isophoronediamine, piperazine and derivatives thereof, phenylenediamine, tolylenediamine Amine, xylenediamine, adipic acid dihydrazide, isophthalic acid dihydrazide, hexamethylenediamine, 4,4'-diaminophenylmethane, 4,4'-dicyclohexylmethanediamine Which diamines, triamines such as diethylene triamine, aminoethyl alcohol, and the like amino alcohols such as amino propyl alcohol. These low molecular compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0055]
A method for producing a polyurethane emulsion can be produced by using a production method generally used for producing a polyurethane emulsion. For example, a non-ion that is forcibly emulsified in water with high mechanical shear force in the presence of an emulsifier. Can be mentioned. Moreover, the self-emulsification type | mold emulsion obtained from hydrophilic resin can be mentioned. As the forced emulsification method, for example, a phase inversion emulsification method in which a liquid polyurethane polymer that has been reacted is emulsified with the emulsifier, a terminal elongation prepolymer is emulsified and dispersed, and / or thereafter a chain extension reaction with a chain extender such as an amine. Is a prepolymer method obtained by completing the process and increasing the molecular weight, and it is particularly preferable to use the prepolymer method because a leather-like sheet excellent in flexibility and fullness can be obtained.
[0056]
Furthermore, in order to improve emulsification dispersibility, nonionic hydrophilic groups such as polymer adducts such as ethylene oxide are introduced into the side chain of the polymer molecular skeleton of polyurethane, and solvent resistance, heat resistance, heat resistance For the purpose of improving aqueous properties, a modification means by modification of polyurethane itself, such as reacting a trifunctional glycol such as trimethylolpropane, a trifunctional amine or the like to form a crosslinked structure, can also be suitably used in the present invention. .
[0057]
The polyurethane emulsion used in the present invention includes a composite type polyurethane emulsion obtained by emulsion polymerization of ethylenically unsaturated monomers such as methyl methacrylate and butyl acrylate in the presence of the above polyurethane emulsion.
[0058]
In the polyurethane emulsion used in the present invention, if necessary, further known additives such as surfactants such as light stabilizer, antioxidant, ultraviolet absorber, penetrant, thickener, anti-mold Materials, water-soluble polymer compounds such as polyvinyl alcohol and carboxymethyl cellulose, dyes, pigments, fillers, coagulation regulators and the like can be blended.
[0059]
In the present invention, it is important that these emulsions have heat-sensitive gelling properties. When an emulsion that does not have heat-sensitive gelling properties is used, when dried with hot air after impregnation, the emulsion particles cannot be uniformly applied due to the occurrence of migration, and physical properties such as strength and flexibility of the obtained sheet-like material, When the coagulation is performed in warm water, the emulsion will flow out into the coagulation hot water bath. In order to make the emulsion particles heat-sensitive gel and uniformly apply without causing migration, a heat-sensitive gelling agent needs to be added to the emulsion or the resin itself needs to have heat-sensitive gelling properties. In the case of the former, examples of the heat-sensitive gelling agent that can be used include inorganic salts, polyethylene glycol type nonionic surfactants, polyvinyl methyl ether, polypropylene glycol, silicone polyether copolymers, polysiloxanes, and the like. Of these, one or more can be used. Among these, a combination of inorganic salts and a polyethylene glycol type nonionic surfactant is preferable because it gives suitable results. As such a polyethylene glycol type nonionic surfactant, for example, ethylene oxide adduct of higher alcohol, ethylene oxide adduct of alkylphenol, ethylene oxide adduct of fatty acid, ethylene oxide adduct of fatty acid ester of polyhydric alcohol, Examples include higher alkylamine ethylene oxide adducts and polypropylene glycol ethylene oxide adducts. Further, as the inorganic salts, monovalent or divalent metal salts that lower the cloud point of the nonionic surfactant are more preferable. Examples thereof include sodium carbonate, sodium sulfate, calcium chloride, calcium sulfate, zinc oxide, zinc chloride, magnesium chloride, potassium chloride, potassium carbonate, sodium nitrate, lead nitrate and the like. The amount of the heat-sensitive gelling agent is preferably 0.2 to 20 parts by weight based on 100 parts by weight of the resin solid content, and the ratio of the nonionic surfactant and the inorganic salt is 50/50 by weight. It is preferable that it is -95/5.
[0060]
The emulsion prepared as described above is prepared to an appropriate concentration, impregnated into a nonwoven fabric composed of the above-described ultrafine fiber-generating fibers, and squeezed with a press roll or the like, or an appropriate amount of impregnation is obtained with a doctor knife or the like. The elastic polymer can be solidified in a warm water bath at -100 ° C, solidified in a steam atmosphere and then dried in a dryer, or directly solidified during drying in a dryer at 50-150 ° C. Can be granted.
[0061]
Therefore, the leather-like sheet of the present invention can be suitably obtained by combining, for example, the following steps. That is, in the sea component that can be dissolved and removed, 0.0001 made of ultrafine fibers (A) having an average fineness of 0.005 to 0.5 denier made of a fiber-forming non-block copolymer as an island component and a block copolymer. To 0.1 denier ultrafine fiber (B) in a weight ratio of 95/5 to 50/50, and the number of island components in the cross section of the ultrafine fiber-generating fiber is 5 or more, The number of fibers is 25 or more, and the ultra-fine fibers (B) are mixed so that they are almost uniformly over the entire cross section and are located around the individual ultra-fine fibers (A). Step (a) of producing an ultrafine fiber generation type fiber that can form an ultrafine fiber bundle composed of A) and an ultrafine fiber (B), that is, sea-island cross-sectional fiber, and producing an entangled nonwoven fabric composed of the fiber at 50 ° C. 90 of the film obtained by drying Modulus of elasticity in the 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) The elastic modulus at 160 ° C. is 5.0 × 10. 8 (Dyn / cm 2 ) Step (b) for impregnating and coagulating the polyurethane emulsion having heat-sensitive gelation properties as described above, and dissolving and removing the sea component of the fiber with a solvent or the like to remove ultrafine fibers (A) and ultrafine fibers (B) The step (c) of fixing the nonwoven fabric by swelling the ultrafine fiber (B) with a solvent at the same time as generating (a), (b), (c), or (a), (c), (b) ), The leather-like sheet of the present invention can be produced. Furthermore, after this, a suede-like artificial leather can be obtained by a step of forming nap of the fiber bundle on at least one surface and a step of dyeing the obtained fiber nap base. Moreover, it can also be set as the artificial leather with a silver surface by known methods, such as providing a polyurethane layer on one side. Moreover, after the step (a), it is preferable to add a step of shrinking the nonwoven fabric as will be described later. Moreover, in order to keep the form in the process of a nonwoven fabric after a process (a), the water-soluble paste represented by polyvinyl alcohol is provided to a nonwoven fabric, and the method of removing this paste after a process (c) is used. It may be used.
[0062]
The method for producing the leather-like sheet thus obtained will be described in detail below. The ultrafine fiber-generating fiber of the present invention is prepared by mixing a polymer constituting the ultrafine fiber (B) and a polymer serving as a dispersion medium component in the sea component at a predetermined mixing ratio, and melting in the same melting system. A method of spinning a microfiber-forming polymer constituting an ultrafine fiber (A) melted in another system by repeating joining and dividing at the spinning head a plurality of times to form a mixed system of the two, or both It is obtained by a method in which the fiber shape is defined at the spinneret portion, joined and spun. That is, the polymer constituting the ultrafine fiber (B) and the dispersion medium polymer in the sea component are mixed at a predetermined mixing ratio, and the mixed polymer melted in the same melting system is used as the sea component to constitute the ultrafine fiber (A). By carrying out the composite spinning so that the ultrafine fiber-forming polymer is dispersed almost uniformly in the sea component as an island component, the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B) are almost uniform in the sea component polymer, and It is possible to obtain an ultrafine fiber generating fiber in which the ultrafine fibers (B) are dispersed around the individual ultrafine fibers (A).
[0063]
The ultrafine fiber-generating fiber is stretched and processed into a fiber having a fineness of 2 to 15 denier through crimping, heat setting, cutting, and other processing steps as necessary.
[0064]
The ultrafine fiber-generating fiber is defibrated with a card and a random web or a cross-wrap web is formed through a webber, and the obtained fiber web is laminated to a desired weight and thickness. Next, needle punching is performed by a known method to obtain a needle punched nonwoven fabric. The number of punches is usually 200-2500 punches / cm 2 Process in the range.
[0065]
Next, it is preferable that the fiber-entangled nonwoven fabric is heated to a temperature in the range of 50 to 150 ° C., and particularly the fiber-entangled nonwoven fabric is heated in a hot water tank in the range of 50 to 95 ° C. to shrink the fiber-entangled nonwoven fabric. The shrinkage rate is determined by the type of resin composition constituting the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B), spinning conditions, stretching conditions, etc. The area shrinkage ratio is preferably in the range of 10 to 60%, more preferably in the range of 20 to 50%. By shrinking, the degree of fulfillment is further improved, and when a suede-like leather-like sheet is obtained, a high-priced density and a high-class feeling can be obtained.
[0066]
In the step of impregnating and gelling the polyurethane emulsion having heat-sensitive gelling property, the drying temperature is preferably in the range of 50 to 160 ° C, more preferably in the range of 80 to 140 ° C. A temperature exceeding 160 ° C. is not preferable because it adversely affects the mechanical properties and appearance of the leather-like sheet. When it is less than 50 ° C., it takes a long time to dry, which is not preferable.
[0067]
By dissolving and removing the sea component (dispersion medium component) of the fiber with a solvent, an ultrafine fiber (A) and an ultrafine fiber (B) are generated, and at the same time, the ultrafine fiber (B) is swollen with a solvent to fix the nonwoven fabric. In the process, the nonwoven fabric can be fixed by combining pressing with dissolution removal and rolls. For example, using polyethylene as a dispersion medium polymer in the sea component, dissolving polyethylene with toluene heated to 90 ° C, squeezing out the polyethylene with a roll and fixing the nonwoven fabric at the same time gives a sheet with excellent flexibility and fulfillment be able to. As the degree of pressing, a degree generally used when removing the liquid by passing the liquid impregnated into the nonwoven fabric between the rollers, for example, 1 to 20 kg / cm is employed. When polypropylene is used as the dispersion medium polymer, dichlorobenzene is a representative example of the solvent, and ethylene propylene copolymer, ethylene octene copolymer, ethylene vinyl acetate copolymer, polystyrene, styrene acrylonitrile copolymer, styrene In the case of an ethylene copolymer, toluene is preferably used. And it can be set as above-mentioned swelling rate by adjusting extraction process temperature.
[0068]
Next, in order to obtain a suede-like artificial leather, at least one surface of the sheet made of an ultrafine fiber entangled nonwoven fabric and an elastic polymer is raised to form a fiber raised surface mainly composed of ultrafine fibers. As a method for forming the fiber raised surface, buffing using sandpaper or the like is performed after the fiber base is adjusted to a desired thickness or before the thickness is adjusted. If the thickness is not adjusted, the thickness is adjusted to a desired thickness. Subsequently, the obtained suede-like fibrous substrate is dyed, and dyeing is performed by a normal dyeing method with a dye such as a disperse dye. The dyed suede-like fibrous substrate is subjected to finishing treatment such as sag softening and brushing to obtain a product of suede-like artificial leather.
[0069]
The leather-like sheet obtained by the present invention is a leather-like sheet having moderate flexibility and fullness, mattress, lining material, clothing interlining, shoe core, cushioning material, automobile interior material, wallpaper, carpet For example, it can be suitably used. Furthermore, when it is raised to a suede-like artificial leather, it has a good appearance, texture, color development, and mechanical properties, so it is not only for clothing but also for clothing, interiors, shoes, car seats, bags, Suitable for gloves and the like. Further, when a resin layer such as polyurethane is provided on the surface to make a silver-tone artificial leather, it can be suitably used for sports shoes, men's shoes, bags, camera cases, and the like.
[0070]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited at all by these Examples. In addition, unless otherwise indicated, the part and% in an Example are related to a weight. In the following Examples and Comparative Examples, the melting point and heat of crystal fusion, the degree of solvent swelling, the elastic modulus at 90 ° C. and 160 ° C. of the film obtained by drying the polyurethane emulsion, and the thermal gelation temperature were evaluated by the following methods.
[0071]
[Melting point and heat of crystal melting]
The melting point and heat of crystal melting of the crystalline block copolymer were measured by sequentially performing steps 1 to 3 shown in Table 1 below under a nitrogen stream using a differential scanning calorimeter (DSC) manufactured by METTLER. The melting peak temperature at that time was taken as the melting point, and the amount of heat required for melting was determined as the crystal melting heat.
[0072]
[Table 1]
[0073]
[Solvent swelling]
The block copolymer pellet was vacuum-dried at 100 ° C. for 10 hours, then formed into a 100 μm film at a temperature of 260 ° C. using a press molding machine, and then naturally cooled in a room at room temperature of 25 ° C. Thereafter, it was left in a vacuum dryer at 80 ° C. for 24 hours to obtain a test sample. The sample was cut into a square of 10 cm on a side and the weight (Wo) was measured. After immersing in the extraction solvent at the extraction temperature for 1 hour, the solvent adhering to the surface was wiped off, and the weight (W) was measured. The swelling rate was calculated according to the formula. The swelling ratio of the block copolymers used in Examples and Comparative Examples was measured at a temperature of 90 ° C. using toluene as a solvent.
Swelling degree (wt%) = (W−Wo) × 100 / Wo
[0074]
[Elastic modulus at 90 ° C and 160 ° C]
Using a film having a thickness of 100 μm obtained by drying the polyurethane emulsion at 50 ° C., measurement was performed at a frequency of 11 Hz using a viscoelasticity measuring device FT Rheospectrer DVE-V4 manufactured by Rheology Co., Ltd. The elastic modulus at 160 ° C. was determined.
[0075]
[Thermal gelation temperature]
10 g of the emulsion adjusted to the concentration to be impregnated in the test tube is weighed and heated while stirring in a constant temperature hot water bath at 90 ° C., and the temperature of the emulsion when the emulsion loses fluidity and becomes a gel-like material is heat sensitive. The gelation temperature was used.
[0076]
[Number of islands and fineness]
The cross section of the ultrafine fiber generation type fiber or the ultrafine fiber bundle obtained by extracting and removing the dispersion medium component from this is observed with an optical microscope, and the island component existing in the cross section of one fiber or one fiber bundle before extraction or The number of extra fine fibers (A) and dispersed components or extra extra fine fibers (B) was counted. Next, the respective weight ratios of the island component and the dispersed component in the ultrafine fiber-generating fiber were obtained, the thickness (denier) of the ultrafine fiber-generating fiber was multiplied by the respective weight ratio, and the obtained value was divided by the number. .
[0077]
The resins used in Examples and Comparative Examples are shown in Table 2 below.
[Table 2]
[0078]
The abbreviations of the compounds used in the text are shown in Table 3 below.
[Table 3]
[0079]
<Manufacture of polyurethane emulsion>
Reference example 1
In a three-necked flask, weigh 600.0 g of PMSA1850, 114.8 g of TDI, and 7.95 g of DMPA and stir for 2 hr at 90 ° C. in a dry nitrogen atmosphere to quantitatively react the hydroxyl groups in the system. A terminal prepolymer was obtained. After adding MEK 228.3g and stirring uniformly, the temperature in a flask was lowered | hung to 40 degreeC, 6.00g of TEA was added, and it stirred for 10 minutes. Next, an aqueous solution prepared by dissolving 53.3 g of Emulgen 930 (manufactured by Kao, nonionic surfactant) as an emulsifier in 478.5 g of distilled water was added to the prepolymer and emulsified by stirring for 1 minute with a homomixer. An aqueous solution in which 13.2 g and 10.9 g of IPDA were dissolved in 230.3 g of distilled water was added, and the mixture was stirred with a homomixer for 1 minute to carry out a chain extension reaction. Thereafter, MEK was removed by a rotary evaporator, and then distilled water was added to obtain a polyurethane emulsion having a solid content of 40 wt%. To 80 parts by weight of this polyurethane emulsion, 20 parts by weight of distilled water and a heat-sensitive gelling agent (water: a product made by mixing Kao, nonionic surfactant Emulgen 910: calcium chloride in a weight ratio of 5: 4: 1) 4 A polyurethane emulsion having a heat-sensitive gelling property (hereinafter referred to as PU emulsion (1)) was obtained by blending parts by weight. The heat-sensitive gelation temperature of the PU emulsion was 52 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 3.5 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0080]
Reference example 2
An emulsion prepared in the same manner as in Reference Example 1 was obtained except that no heat-sensitive gelling agent was added to the emulsion (hereinafter referred to as PU emulsion (2)). The heat-sensitive gelation temperature of this PU emulsion was measured by the above test method, but did not show gelation behavior even at 90 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 3.5 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0081]
Reference example 3
An emulsion was synthesized by the same synthesis procedure as in Example 1 except that the hard segment content of the polyurethane was reduced by reducing the amount of TDI and the molar balance of the other components was adjusted accordingly (hereinafter PU emulsion (3)). Called). The thermal gelation temperature of this emulsion was 56 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 1.4 × 10 7 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 4.0 × 10 6 (Dyn / cm 2 )Met.
[0082]
Reference example 4
In a three-necked flask, weigh 250.0 g of PHC2000, 250.0 g of PTG1000, 105.8 g of TDI, and 6.38 g of DMPA and stir at 90 ° C. for 2 hr in a dry nitrogen atmosphere to determine the hydroxyl groups in the system. To obtain an isocyanate-terminated prepolymer. After adding 191.7g of toluene to this and stirring uniformly, the temperature in a flask was lowered | hung to 40 degreeC, 4.80g of TEA was added, and it stirred for 10 minutes. Next, an aqueous solution prepared by dissolving 37.50 g of Emulgen 930 (manufactured by Kao, nonionic surfactant) as an emulsifier in 910 g of distilled water was added to the prepolymer and emulsified by stirring for 1 minute with a homomixer. An aqueous solution in which 50 g and 7.84 g of IPDA were dissolved in 240 g of distilled water was added and stirred with a homomixer for 1 minute to carry out a chain extension reaction. Then, after removing toluene and water with a rotary evaporator, distilled water was added to obtain a polyurethane emulsion having a solid content of 40 wt%. To 80 parts by weight of this polyurethane emulsion, 20 parts by weight of distilled water and 0.8 part by weight of calcium chloride as a heat-sensitive gelling agent are blended to form a polyurethane emulsion having heat-sensitive gelation property (hereinafter referred to as PU emulsion (4)). ) The heat-sensitive gelation temperature of the PU emulsion was 48 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 3.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 5.5 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0083]
Reference Example 5
An emulsion was synthesized by the same synthesis procedure as in Reference Example 4 except that the hard segment content of polyurethane was increased by increasing the amount of TDI and the molar balance of other components was adjusted accordingly (hereinafter referred to as PU emulsion (5)). Called). The thermal gelation temperature of this emulsion was 45 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.8 × 10 6. 8 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 8.2 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0084]
Reference Example 6
In a three-necked flask, weigh 300.0 g of PMPA2000, 60.87 g of TDI, and 7.85 g of DMPA, and stir for 2 hr at 90 ° C. in a dry nitrogen atmosphere to quantitatively react the hydroxyl groups in the system. A terminal prepolymer was obtained. After 195.4 g of MEK was added thereto and stirred uniformly, the temperature in the flask was lowered to 40 ° C., 5.92 g of TEA was added and stirred for 10 minutes. Next, an aqueous solution prepared by dissolving 7.83 g of sodium lauryl sulfate as an emulsifier in 285 g of distilled water was added to the prepolymer and stirred for 1 minute with a homomixer to immediately emulsify 6.91 g of DETA and 5.70 g of IPDA. An aqueous solution dissolved in 496 g of distilled water was added and stirred with a homomixer for 1 minute to carry out a chain extension reaction. Thereafter, MEK was removed by a rotary evaporator to obtain a polyurethane emulsion having a solid content of 35 wt%. In a flask with a condenser tube, 240 g of this polyurethane emulsion, ferrous sulfate heptahydrate (FeSO Four ・ H 2 0.02 g of O), 0.294 g of potassium pyrophosphate, 0.451 g of Rongalite (dihydrate of sodium formaldehyde sulfoxylate), 0.02 g of EDTA · 2Na and 246 g of distilled water were weighed, and 40 ° C. The temperature in the system was replaced with nitrogen, and then 152.1 g of butyl acrylate, 3.14 g of 1,6-hexanediol diacrylate, 1.57 g of allyl methacrylate and ECT-3NEX (manufactured by Nippon Surfactant, anionic) Emulsifier (initiator (1)) of 1.57 g of mixture, cumene hydroperoxide 0.078 g, ECT-3NEX 0.314 g and distilled water 15 g from separate dropping funnels over 4 hours. The solution was added dropwise, and held at 40 ° C. for 30 minutes after the completion of the addition. Thereafter, an emulsion (initiator) of 38.4 g of methyl methacrylate, 0.78 g of 1,6-hexanediol diacrylate and 0.392 g of ECT-3NEX was added to 0.078 g of cumene hydroperoxide, 0.078 g of ECT-3NEX and 3 g of distilled water. (2)) was dropped from a separate dropping funnel into the flask over 1 hour and 30 minutes. After completion of the dropping, the mixture was held at 50 ° C. for 60 minutes to complete the polymerization to obtain an emulsion having a solid content of 40 wt%. 4 parts by weight of Emulgen 109P (manufactured by Kao, nonionic surfactant) and 1 part by weight of calcium chloride are blended with 100 parts by weight of this polyurethane / acrylic composite emulsion, and a polyurethane / acrylic composite having heat-sensitive gelation properties. A system emulsion (hereinafter referred to as PU emulsion (6)) was obtained. The heat-sensitive gelation temperature of PU emulsion (6) was 52 ° C. The film obtained by drying this emulsion has an elastic modulus at 90 ° C. of 1.3 × 10 8 (Dyn / cm 2 ), The elastic modulus at 160 ° C. is 3.7 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0085]
<Production of leather-like sheet>
Example 1
20 parts of TPEE (1) [super extra fine fiber (B)] as sea component and 40 parts of polyethylene are melted in the same melt system, and 80 parts of PET (extra fine fiber (A)) as island component are melted in another system. This was spun so that the number of islands was 25 by a method of spinning with the fiber shape defined by the spinneret to obtain ultrafine fiber generating fibers having a fineness of 12 denier. At this time, when the cross section of the fiber was observed, the average number of ultrafine fibers (B) was 720. The obtained fiber was stretched 3 times, mechanically crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper webber. Next, needle punching was performed to obtain a fiber-entangled nonwoven fabric. This fiber-entangled nonwoven fabric was immersed in a bath containing hot water at 90 ° C. to shrink the nonwoven fabric. The shrinkage ratio [(length of nonwoven fabric after shrinkage / length of nonwoven fabric before shrinkage) × 100] was 24% in the vertical direction and 25% in the horizontal direction. After drying the shrinked nonwoven fabric, the nonwoven fabric was impregnated so that 15 parts of the solid content of PU emulsion (1) was given to the nonwoven fabric, and solidified in a hot water bath at 90 ° C. No emulsion flow was observed in the coagulation bath. This resin-impregnated nonwoven fabric was dried with hot air at 130 ° C. When the cross section of the resin-impregnated nonwoven fabric after drying was observed with an electron microscope, the urethane resin adhered almost uniformly. Next, the polyethylene in the fiber was removed by treatment in toluene at 90 ° C. to obtain a fibrous substrate having a thickness of about 1 mm composed of PET and TPEE (1) and polyurethane. The fineness (calculated value) of ultrafine fiber PET was 0.11 denier. After buffing one side of the fibrous substrate with sandpaper and adjusting the thickness to 0.80 mm, the other side is treated with an emery buffing machine to form ultra-fine raised surfaces, and further disperse dyes with a circular liquid dyeing machine Was dyed brown and finished to obtain a leather-like sheet having a specific gravity of 0.54. Excellent solidity and flexibility, uniform napping, and excellent surface appearance.
[0086]
Example 2
20 parts of polyester (1) [super extra fine fiber (B)] and 40 parts of polyethylene melted in the same melt system as sea components, and 80 parts of IPA copolymerized PET [extra fine fibers (A)] as separate island components The fiber melted in the system was spun so that the number of islands would be 25 by spinning the fiber shape at the spinneret to obtain ultrafine fiber generating fibers having a fineness of 12 denier. The number of islands of polyester (1) was about 300. The obtained fiber was stretched 3.5 times, mechanically crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper webber. Next, needle punching is performed, and the basis weight is 500 g / m. 2 The fiber entangled nonwoven fabric. This fiber-entangled nonwoven fabric was immersed in a bath containing hot water at 90 ° C. to shrink the nonwoven fabric. The shrinkage ratio [(length of nonwoven fabric after shrinking / length of nonwoven fabric before shrinking) × 100] was 22% in the vertical direction and 23% in the horizontal direction. After drying the shrinked nonwoven fabric, the nonwoven fabric is impregnated so that 10 parts of the solid content of PU emulsion (1) is applied to the nonwoven fabric, and the gauge pressure is 0.3 (kg / cm 2 ) In a steam atmosphere, and the resin-impregnated nonwoven fabric was dried with hot air at 130 ° C. When the non-woven fabric after drying was observed, the urethane resin adhered almost uniformly. Next, polyethylene in the ultrafine fiber-generating fiber was removed by treatment with toluene to obtain a fibrous substrate having a thickness of about 1 mm made of PET, polyester (1) and polyurethane. The fineness of the main fiber was 0.08 denier. After buffing one side of the fiber substrate with sandpaper and adjusting the thickness to 0.80 mm, the other side is treated with an emery buffing machine to form a very fine raised surface, and further dyed brown, then finish Thus, a leather-like sheet having a specific gravity of 0.49 was obtained. Excellent solidity and flexibility, uniform napping, and excellent surface appearance.
[0087]
Example 3
8 parts of PBT, 12 parts of TPEE (2) [super extra fine fiber (B)], and 40 parts of polyethylene (PE) are melted in the same melt system, and 80 parts of PET [extra fine fiber (A)] in different systems The melted fiber is spun so that the number of islands [fine fibers (A)] is 25 by a method of spinning by specifying the fiber shape at the spinneret portion, and an ultrafine fiber generating type fiber having a fineness of 12 denier ( C) was obtained. At this time, when the cross section of the fiber (C) was observed, the fine fiber (A) and the ultrafine fiber (B) were almost uniformly dispersed. The obtained fiber was stretched 3.5 times, subjected to mechanical crimping, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper webber. Next, with a needle punch, the basis weight is 560 g / m. 2 The fiber entangled nonwoven fabric. This fiber-entangled nonwoven fabric was immersed in a bathtub containing hot water at 90 ° C. to shrink the nonwoven fabric. The shrinkage ratio [(length of nonwoven fabric after shrinking / length of nonwoven fabric before shrinking) × 100] was 22% in the vertical direction and 24% in the horizontal direction. After drying the shrinked nonwoven fabric, the nonwoven fabric is impregnated so that 20 parts of the solid content of the PU emulsion (4) is applied to the nonwoven fabric, and the gauge pressure is 0.3 (kg / cm 2 ) Steam. This resin-impregnated nonwoven fabric was dried with hot air at 130 ° C. to obtain a fibrous substrate having a thickness of about 1 mm. When the non-woven fabric after drying was observed, the urethane resin adhered to the non-woven fabric almost uniformly. Next, the polyethylene was extracted and removed in toluene to obtain a 1.0 mm thick fibrous substrate made of PET, PBT and TPEE (2) and polyurethane. The fineness (calculated values) of the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B) were 0.12 denier and 0.0006 denier, respectively. After buffing one side of the fibrous base material with sandpaper to adjust the thickness to 0.90 mm, the other side was treated with an emery buffing machine to form an ultrafine fiber raised surface and further dyed brown. Finished to obtain a leather-like sheet having a specific gravity of 0.53. Excellent solidity and flexibility, uniform napping, and excellent surface appearance.
[0088]
Example 4
20 parts of TPEE (3) as the sea component [super extra fine fiber (B)] and 40 parts of polyethylene melted in the same melt system, and 80 parts of PET as the island component [extra fine fiber (A)] in another system The melted fiber was spun so that the number of islands would be 25 by a method of spinning by specifying the fiber shape at the spinneret to obtain ultrafine fiber generating fibers having a fineness of 12 denier. At this time, when the cross section of the fiber was observed, the average number of ultrafine fibers (B) was 1000. The obtained fiber was stretched 3 times, mechanically crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper webber. Next, needle punching was performed to obtain a fiber-entangled nonwoven fabric. This fiber-entangled nonwoven fabric was immersed in a bath containing hot water at 90 ° C. to shrink the nonwoven fabric. The shrinkage ratio [(length of nonwoven fabric after shrinking / length of nonwoven fabric before shrinking) × 100] was 17% in the vertical direction and 17% in the horizontal direction. The nonwoven fabric was impregnated so that 15 parts of the solid content of PU emulsion (6) was given to the nonwoven fabric, and then solidified and dried in a 130 ° C. hot air dryer. Next, the polyethylene in the ultrafine fiber-generating fiber was removed by treatment with toluene to obtain a fibrous substrate having a thickness of 1.0 mm composed of PET, TPEE (3), and polyurethane. After buffing one side of the fiber substrate with sandpaper and adjusting the thickness to 0.80 mm, the other side is treated with an emery buffing machine to form a very fine raised surface, and further dyed brown, then finish Thus, a leather-like sheet having a specific gravity of 0.42 was obtained. The obtained leather-like sheet was excellent in fullness, flexibility, and surface appearance.
[0089]
When the ultrafine fiber bundle constituting the leather-like sheet obtained in Examples 1 to 4 was observed with a microscope, the ultrafine fiber (A) and the ultrafine fiber (B) constituting the same were partially bonded. Furthermore, it was confirmed that the fiber bundles were also bonded and fixed in some places by the ultrafine fibers.
[0090]
Comparative Example 1
A sheet was prepared in the same manner as in Example 1 except that PU emulsion (2) was used. When the nonwoven fabric impregnated with the emulsion was placed in a warm water bath, the emulsion cloudy liquid flowed into the bath and contaminated the bath. Subsequent extraction of sea components with toluene was performed in the same procedure, and a sheet having a specific gravity of 0.48 was obtained. This sheet had large wrinkles on the surface and was inferior in fullness.
[0091]
Comparative Example 2
A sheet was prepared in the same manner as in Example 2 except that PU emulsion (3) was used. The following sea component extraction operation with toluene was performed in the same procedure, and a sheet having a specific gravity of 0.58 was obtained. This sheet was paper-like and had a hard texture.
[0092]
Comparative Example 3
70 parts of PET (ultrafine fiber (B)) and 70 parts of polyethylene melted in the same melt system as sea components and 30 parts of TPEE (1) [microfiber (A)] melted in separate systems as island components This was spun so that the number of islands was 25 by a method of spinning with the fiber shape defined by the spinneret to obtain ultrafine fiber generating fibers having a fineness of 12 denier. At this time, when the cross section of the fiber was observed, the average number of ultrafine fibers (B) was about 3000. The obtained fiber was stretched 3 times, mechanically crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper webber. Next, needle punching was performed to obtain a fiber-entangled nonwoven fabric. This fiber-entangled nonwoven fabric was immersed in a bath containing hot water at 90 ° C. to shrink the nonwoven fabric. The shrinkage ratio [(length of nonwoven fabric after shrinkage / length of nonwoven fabric before shrinkage) × 100] was 24% in the vertical direction and 25% in the horizontal direction. After drying the shrinked nonwoven fabric, the nonwoven fabric was impregnated so that 15 parts of the solid content of the PU emulsion (1) was given to the nonwoven fabric, and solidified in a warm water bath at 90 ° C. No emulsion flow was observed in the coagulation bath. This resin-impregnated nonwoven fabric was dried with hot air at 130 ° C. When the cross section of the resin-impregnated nonwoven fabric after drying was observed with an electron microscope, the urethane resin adhered almost uniformly. Next, the polyethylene in the ultrafine fiber generating fiber was removed by treatment with toluene to obtain a fibrous substrate having a thickness of 1.0 mm composed of PET and TPEE (1). After buffing one side of the fiber substrate with sandpaper and adjusting the thickness to 0.80 mm, the other side is treated with an emery buffing machine to form a very fine raised surface, and further dyed brown, then finish Thus, a leather-like sheet having a specific gravity of 0.42 was obtained. The leather-like sheet was inferior in color developability, and the surface appearance of the obtained leather-like sheet was also inferior.
[0093]
Comparative Example 5
A sheet was prepared in the same manner as in Example 3 except that PU emulsion (5) was used. Even when the nonwoven fabric impregnated with the emulsion was placed in a warm water bath, the emulsion did not flow out. The following sea component extraction operation with toluene was performed in the same procedure, and a sheet having a specific gravity of 0.54 was obtained. Although this sheet was excellent in a sense of fulfillment, it had a hard texture.
[0094]
Comparative Example 6
A leather-like sheet was obtained in the same manner as in Example 4 except that the PU emulsion (6) was not applied. The specific gravity of the obtained sheet was 0.32, and the flexibility was excellent. However, when buffing, when processed with an emery buff machine, the fibers were not sufficiently fixed, and the fibers were severely detached. Therefore, the surface appearance was remarkably inferior, and it gave a sense of fulfillment.
[0095]
【The invention's effect】
According to the present invention, a natural leather-like leather-like sheet excellent in flexibility, fullness and surface appearance can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an example of a cross section of a multicomponent fiber of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Island component that becomes the ultrafine fiber (A) of the main fiber
2: Dispersion component that becomes the ultrafine fiber (B)
3: Dispersible medium component and extractable resin (C)
Claims (4)
(1)該繊維束が、繊度0.005〜0.5デニールの極細繊維(A)と繊度0.0001〜0.1デニールの超極細繊維(B)からなること、
(2)極細繊維(A)と超極細繊維(B)との重量比が95:5〜50:50であり、かつ繊維束断面における極細繊維(A)からなる島の本数が5以上であり、かつ繊維束断面における該超極細繊維(B)の本数が25以上であること、
(3)該弾性重合体が、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以下であり、160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンの凝固物であること、
を満足していることを特徴とする皮革様シート。In a leather-like sheet comprising an entangled nonwoven fabric comprising fiber bundles and an elastic polymer contained therein, the following conditions (1) to (3)
(1) The fiber bundle is composed of an ultrafine fiber (A) having a fineness of 0.005 to 0.5 denier and an ultrafine fiber (B) having a fineness of 0.0001 to 0.1 denier,
(2) The weight ratio of the ultrafine fibers (A) to the ultrafine fibers (B) is 95: 5 to 50:50, and the number of islands made of the ultrafine fibers (A) in the fiber bundle cross section is 5 or more. And the number of the ultrafine fibers (B) in the fiber bundle cross section is 25 or more,
(3) The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying the elastic polymer at 50 ° C. is 5.0 × 10 8 (dyn / cm 2 ) or less, and the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0. X10 6 (dyn / cm 2 ) or more of a polyurethane emulsion coagulated product having a heat-sensitive gelling property;
A leather-like sheet characterized by satisfying
(1)該島成分の太さが0.005〜0.5デニールで、該分散成分の太さが0.0001〜0.1デニールであること、
(2)極細繊維(A)と超極細繊維(B)との重量比が95:5〜50:50であり、かつ繊維断面における極細繊維(A)からなる島の本数が5以上であり、繊維束断面における該超極細繊維(B)の本数が25以上であること、
(3)該弾性重合体が、50℃で乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)以下であり、160℃における弾性率が5.0×106(dyn/cm2)以上である感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンの凝固物であること、It is a mixture in which the island component is an ultrafine fiber-forming resin, the sea component is a dispersion component composed of a superfine fiber-forming resin, and the following conditions (1) to (2) are satisfied. A step (a) of producing a nonwoven fabric comprising ultrafine fiber-generating fibers having a sea-island cross-sectional structure, a step (b) of impregnating and solidifying a polyurethane emulsion satisfying the following condition (3), The leather-like sheet, wherein the step (c) of dissolving and extracting the dispersion medium component with a solvent is performed in the order of (a), (b), and (c) or in the order of (a), (c), and (b) Manufacturing method.
(1) The island component has a thickness of 0.005 to 0.5 denier, and the dispersed component has a thickness of 0.0001 to 0.1 denier.
(2) The weight ratio of the ultrafine fibers (A) to the ultrafine fibers (B) is 95: 5 to 50:50, and the number of islands made of the ultrafine fibers (A) in the fiber cross section is 5 or more, The number of the ultrafine fibers (B) in the fiber bundle cross section is 25 or more,
(3) The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying the elastic polymer at 50 ° C. is 5.0 × 10 8 (dyn / cm 2 ) or less, and the elastic modulus at 160 ° C. is 5.0. X10 6 (dyn / cm 2 ) or more of a polyurethane emulsion coagulated product having a heat-sensitive gelling property;
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25443699A JP4145434B2 (en) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | Leather-like sheet and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25443699A JP4145434B2 (en) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | Leather-like sheet and method for producing the same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001081676A JP2001081676A (en) | 2001-03-27 |
JP4145434B2 true JP4145434B2 (en) | 2008-09-03 |
Family
ID=17264979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25443699A Expired - Fee Related JP4145434B2 (en) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | Leather-like sheet and method for producing the same |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4145434B2 (en) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101027365B1 (en) | 2002-08-22 | 2011-04-11 | 데이진 고도레 가부시키가이샤 | Leather-like sheet and process for production thereof |
JP4560511B2 (en) * | 2004-04-28 | 2010-10-13 | 株式会社クラレ | Artificial leather with silver |
KR101298892B1 (en) | 2005-09-30 | 2013-08-21 | 가부시키가이샤 구라레 | Leather-like sheet and method of manufacturing the same |
EP3510066A4 (en) * | 2016-09-09 | 2020-04-08 | Dow Global Technologies, LLC | Chemical resistant pud for microfiber nonwoven synthetic leather application and the method |
CN109112845A (en) * | 2018-10-19 | 2019-01-01 | 江苏尚科聚合新材料有限公司 | A kind of softness combined artificial leather and preparation method thereof |
-
1999
- 1999-09-08 JP JP25443699A patent/JP4145434B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001081676A (en) | 2001-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6551227B2 (en) | Sheet-like material and method for producing the same | |
CN101611193B (en) | Stretchable sheet and method of producing the same | |
WO2015115290A1 (en) | Sheet-like article, and method for producing same | |
US5993944A (en) | Non-impregnated type substrate useful as base fabric for artificial leather, artificial leather made therefrom, and process for their production | |
JP2005171426A (en) | Base material for artificial leather, various artificial leathers with the same as base, and method for manufacturing the base material for artificial leather | |
TWI580840B (en) | A sheet and a method for producing the sheet | |
JP4204711B2 (en) | Leather-like sheet manufacturing method | |
WO2017164162A1 (en) | Sheet-shaped material and method for producing same | |
TWI846996B (en) | Sheet and method for manufacturing the same | |
JP4145434B2 (en) | Leather-like sheet and method for producing the same | |
JP4346766B2 (en) | Leather-like sheet and method for producing the same | |
JP4146035B2 (en) | Method for producing leather-like sheet | |
JP2000096457A (en) | Polyurethane-based emulsion having heat-sensitive gel- forming property and its production | |
JP4046901B2 (en) | Multicomponent fiber and leather-like sheet using the same | |
JP4025425B2 (en) | Method for producing leather-like sheet | |
JP3967486B2 (en) | Artificial leather suitable for school bags | |
JP4194719B2 (en) | Leather-like sheet and method for producing the same | |
JP2012017541A (en) | Grained artificial leather | |
JP4017786B2 (en) | Multicomponent fiber and leather-like sheet using the same | |
JP4074377B2 (en) | Leather-like sheet and manufacturing method thereof | |
JP4190651B2 (en) | Leather-like sheet and method for producing the same | |
JP2001248023A (en) | Multicomponent fiber and leather-like sheet using the same | |
JP2000199184A (en) | Leather-like sheet and its production | |
JP4194717B2 (en) | Leather-like sheet and method for producing the same | |
JP2011179127A (en) | Method for producing sheet-like material |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051003 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080527 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080618 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |