JP4204711B2 - Leather-like sheet manufacturing method - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は皮革様シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、海島型の極細繊維発生繊維からなる繊維質基材にエマルジョン系の樹脂を付与した後に該海島型極細繊維発生繊維の海成分をアルカリ性水溶液によって抽出して得られる充実感に優れた皮革様シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然皮革代用品としてポリウレタン等の樹脂成分を繊維質基材の結束剤として用いたシートが従来より製造されている。このようなシートの中でも繊維質基材が極細繊維である場合は、極めて天然皮革に類似した風合いをもたらすため、いわゆる高級スエード調人工皮革などとして用いられる。その代表的な製造方法としては、海島型の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維からなる不織布にポリウレタン等の樹脂を付与した後、繊維中の海成分を有機溶剤またはアルカリ性水溶液により溶解または分解し除去して繊維を極細繊維化して得る方法、および海島型の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維からなる不織布中の海成分を有機溶剤またはアルカリ性水溶液により溶解または分解し除去し極細繊維からなる繊維質基材を製造した後にポリウレタン等の樹脂を付与する方法があげられる。上記の製造方法においては、従来、ポリウレタン等の樹脂の付与方法として、ポリウレタン等の樹脂成分のジメチルホルムアミド(DMFと略記する)等の溶液を繊維質基材に含浸後、水等の非溶剤中で凝固する、いわゆる湿式法が採用されている。この湿式法は、天然皮革に近い風合いを有するシートを製造することが可能であるが、ポリウレタン等の樹脂の水系エマルジョンを繊維質基材に含浸後、乾燥する乾式法に比べ生産性に劣り、かつDMF等の有機溶剤の使用が不可欠であるという欠点がある。また、海成分を有機溶剤で溶解する場合は、不織布にポリウレタン等の樹脂を付与した後、海成分を有機溶剤またはアルカリ性水溶液により溶解または分解し除去して繊維を極細繊維化して得る方法の方が、海島型の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維の繊維海成分を有機溶剤またはアルカリ性水溶液により溶解または分解し除去し極細繊維からなる繊維質基材を製造した後にポリウレタン等の樹脂を付与する方法に比べて、より柔軟な風合いを発現するために好適に用いられているが、このような海成分を除去する際にもパークレン等のハロゲン含有化合物やトルエン等の有機溶剤が使用されており、このような有機溶剤を使用することについても、近年、環境汚染の問題から極力低減することが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の理由から、これまでにも湿式法を乾式法に代替する試みが実施されてきたが、湿式法により得られる皮革様シートに匹敵する風合いを発現するには至っていない。この理由として乾式法によって得られるシートは乾燥過程で樹脂が繊維にからみつき拘束する構造をとることにより硬い風合いになり、かつ樹脂が存在しない隙間が湿式法による樹脂付与と比べ多くできるため充実感が劣ることが挙げられる。特にポリウレタン等の樹脂付与の後に海島型の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維の海成分を有機溶剤またはアルカリ性水溶液により溶解または分解し除去する場合は、その加工工程において極細化した繊維束へ樹脂が侵入し繊維を拘束する構造をとることにより、硬い風合いになることが挙げられる。また硬い風合いにならないように樹脂付与量を少なくすると充実感のない不織布ライクな風合いとなってしまう。しかし、乾式法においては、水系エマルジョンを使用することにより有機溶剤を使用することなくシートを得ることが可能となるため、環境適合性の面から極めて重要であり、かつ工程の簡略化においても極めて有効であるため、今後も皮革様シートを製造して行くための重要な課題である。また、繊維海成分を溶解または分解除去する場合についても同様に環境適合性の面から有機溶剤の使用を回避することが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記したエマルジョンを用いた場合の問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、従来のエマルジョン系による樹脂付与に比べ柔軟性と充実感が著しく改良されたアルカリ性水溶液により極細化可能な極細繊維からなる繊維質基材を使用した皮革様シートを製造する方法を見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、極細繊維からなる繊維質基材とポリウレタン系弾性体からなる皮革様シートを製造する方法において、下記(1)〜(3);
(1)該ポリウレタン系弾性体を構成する高分子ポリオールの少なくとも60重量%がポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールであり、該ポリウレタン系エマルジョンを乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が1.0×107〜5.0×108(dyn/cm2)であること。
(2)該繊維質基材を構成する極細繊維が、海島断面を有する複合紡糸繊維または混合紡糸繊維をアルカリ性水溶液で処理して海成分を繊維から除去して形成される繊維であること。
(3)該ポリウレタン系弾性体が、感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンを用い、このポリウレタンエマルジョンを海成分除去前の繊維質基材に含浸して凝固させることにより形成されるものであって、かつ極細繊維が、ポリウレタンエマルジョンを凝固させた後、前記繊維中の海成分をアルカリ性水溶液によって除去することにより形成されるものであること。
の条件を満たすことを特徴とする皮革様シートの製造方法およびこれによって得られる皮革様シートである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる繊維質基材は、適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有する、アルカリ性水溶液により溶解または分解することで海成分が抽出され極細繊維となるものでよく、従来より皮革様シートの製造に使用されている各種の極細繊維からなる繊維質基材を使用することができる。ここで言う極細繊維からなる繊維質基材とは、2種以上の高分子物質からなる海島型の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維のうち海成分である高分子物質が、その他の高分子物質とアルカリ性水溶液に対する溶解性や分解性が異なり抽出除去されることにより島成分のみとなり極細化される繊維からなる不織布、編織物などの繊維質基材である。海島型繊維の海成分と島成分とは、繊維の横断面のある部分において成分Aを成分Bが完全に取り囲んでいる場合、Aをその部分における島成分といい、Bを海成分という。但し上記成分Aが成分Bによって完全に取り囲まれることなく一部が繊維表面に露出している場合も、このAを島成分に含める。また成分Aは2種類以上の高分子物質からなる場合であってもよい。同様に島成分に関しても2種類以上の高分子物質からなる場合であってもよい。
【0007】
上記の成分Aとなる高分子物質としては、6−ナイロン、6,12−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、変性ナイロンなどのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を共重合した高収縮ポリエステルなどのポリエステル類、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタンエラストマーや、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸エステルなどの中から1種または2種以上の物質を選び使用することができる。
【0008】
また、アルカリ性水溶液により抽出可能な上記の成分Bとしては、例えば、アルカリ溶解性の共重合ポリエステルや熱可塑性ポリビニルアルコールを挙げることができる。この中でも、共重合ポリエステルが好適に使用される。このような共重合ポリエステルは、ジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸等から製造することができ、例えば、酸成分としてテレフタル酸とソジウムスルホイソフタル酸を用いエチレングリコールなどとの縮合反応によって得られる共重合ポリエステルなどを挙げることができる。ソジウムスルホイソフタル酸のテレフタル酸に対する共重合のモル比としては2〜15モル%が好ましい。特に、島成分としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、海成分として、4.5〜15モル%とソジウムスルホイソフタル酸の共重合量を増大させたポリエステルを用いると、アルカリ性水溶液に対する溶解あるいは分解速度が大きく異なるため、より海成分の除去が容易となる。また、かかる共重合ポリエステルとして、イソフタル酸を更に共重合させたものも好ましい。また、グリコール成分としてエチレングリコールの他にポリエチレングリコールを共重合してもよい。
【0009】
かかるアルカリ溶解性ポリエステルに、酸化防止剤(例えばチバ・ガイギー社製イルガノックス1010、アメリカンサイアナミッド社製サイアノックス1790など)を添加することにより耐熱性を向上させることも可能である。
【0010】
複合紡糸繊維や混合紡糸繊維中の、重合体成分AとBの重量比は得られる皮革様シートの用途により適宜選択することができるが、一般に島成分/海成分=15/85〜85/15の範囲が好ましく、さらに好ましくは25/75〜75/25の範囲である。また、このような極細繊維発生繊維に、通常の合成繊維、収縮性繊維、潜在自発伸長性収縮性繊維、多層貼り合わせ型潜在分割性繊維、特殊多孔質繊維、半合成繊維、天然繊維などを併用することは、極細繊維の特徴である皮革様風合いを損なわない限り何ら問題はない。このような繊維の種類としては、例えば、ポリエステル系の繊維、ナイロン系の繊維、アクリル系の繊維等を挙げることができる。極細繊維の繊度としては、皮革様の柔軟性が得られることから、0.5デニール以下が好ましく、より好ましくは、0.2デニール以下、さらに好ましくは0.1デニール以下である。繊維質基材の厚みは得られるシートの用途などによって任意に選択でき、特に制限されるものではないが、その厚みは0.3〜3.0mm程度であることが好ましく、0.6〜2.5mm程度であることがより好ましい。繊維質基材の見かけ密度は、柔軟な風合いを有するシートを得るためには海成分の除去後で0.1〜0.5g/cm3であることが好ましく、0.15〜0.45g/cm3であることがより好ましい。見かけ密度が0.5g/cm3より大きくなると、得られるシートの腰がなくなったり、ゴムの様な風合いとなる傾向がある。一方、見かけ密度が0.1g/cm3より小さくなると、反発性および腰感が劣り、天然皮革のような風合いが損なわれる傾向がある。
また、これらの繊維またはこれよりなる繊維質基材にあらかじめ既知の染料、顔料、撥水剤、柔軟剤、浸透剤、耐光剤などを処理しても何ら差し支えはない。
【0011】
本発明において、島成分としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用した混合紡糸繊維からなる不織布を使用し、以下に示すようなポリウレタン系エマルジョンを含浸凝固した後にアルカリ性水溶液により海成分を溶解除去して得られる皮革様シートが極めて天然皮革様の風合いを有する人工皮革用素材として好適に使用できる。このようなエチレン−ビニルアルコール共重合体はエチレン−酢酸ビニル系共重合物を鹸化することにより得られ、共重合体に含有されるエチレンの量は25〜70モル%、好ましくは30〜50モル%である。エチレン含量が25モル%未満では耐熱性が低下し繊維化の際に該共重合体がゲル化したり、曳糸性や延伸性が低下し、得られる皮革様シートの風合いも硬くなる。またエチレン含量が70モル%を越えると水酸基が少なくなり、目的とする柔軟な風合いが得られない。エチレン−酢酸ビニル系共重合体の鹸化度は95%以上であることが望ましい。鹸化度が低すぎると該共重合体の結晶性が低下し強度等の繊維物性が低下してくるのみならず、該共重合体が軟化しやすくなり、加工工程上のトラブルが発生したり、得られるシートの風合いが悪くなる場合がある。
【0012】
上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体は公知の方法で製造することができ、例えばメタノール等の重合溶媒中でエチレンと酢酸ビニルをラジカル重合触媒の存在下でラジカル重合させ、ついで未反応のモノマーを追い出し水酸化ナトリウムによりケン化反応を生じせしめ、エチレンービニルアルコール系共重合体とした後、水中でペレット化し水洗して乾燥し製造することができる。
【0013】
エチレンービニルアルコール系共重合体からなる皮革様シートはスレン染料で染色可能であるが、エチレンービニルアルコール系共重合体の主鎖にスルホン酸基またはスルホネート基を有する単位を共重合により導入することによりカチオン染料による染色を可能にすることもできる。
【0014】
エチレンービニルアルコール系共重合体に特定量の酸および/またはその金属塩を含有させることにより溶融成形時のゲル化防止効果がさらに充分なものとなる。酸としては各種の無機酸および有機酸が使用可能であり、特に限定されるものではないが、具体的にはリン酸、亜リン酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸等があげられる。また、この酸は沸点115℃以上であることが、処理後にチップを乾燥する時に酸等が揮散することを防止できるのでより望ましい。これらの酸の金属塩としては、特に限定されるものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等があげられ、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等を用いることができる。多塩基酸を用いる場合にはその金属塩が部分塩であってもよく、リン酸二水素ナトリウムやリン酸二水素カリウムなども用いることができる。
【0015】
エチレンービニルアルコール系共重合体には、必要に応じて平均粒子径が100ミリミクロン以下の微粒子を0.1〜5wt%、重合時又はその後に添加することができる。微粒子の材質は特に限定されず、たとえばシリカゲル(コロイダルシリカ)、乾式法シリカ、酸化アルミニウムを含有する乾式法シリカ、粒子表面にアルキル基を有し、かつ粒子表面のシラノール基を封鎖した乾式法シリカ、アルミナゾル(コロイダルアルミナ)、微粒子アルミナ、微粒子酸化チタン、炭酸カルシウムゾル(コロイダル炭酸カルシウム)などの不活性微粒子やリン化合物と金属化合物とを析出せしめた内部析出系微粒子等を好ましい例として挙げることができる。特に平均粒子径が15〜70ミリミクロンのシリカの微粒子が好ましく、紡糸性や延伸性が向上するとともに、繊維表面に凹凸が得られて染色後の皮革様シートの色に深みが出て鮮明性も改善される。
【0016】
本発明に用いられるポリウレタン系エマルジョンは、感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンであって、ポリウレタン系エマルジョンを乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が1.0×107〜5.0×108(dyn/cm2)であることが必要であり、2.0×107〜3.0×108であることが好ましい。従来の不織布バインダーなどに多く用いられているような、90℃における弾性率が低いポリウレタン樹脂では繊維がポリウレタン樹脂にからみつき拘束するために、充実感のない不織布ライクのシートしか得られない。また90℃における弾性率が5.0×108(dyn/cm2)より大きいウレタン樹脂の場合は、得られる皮革様シートの充実感はあるが、硬い風合いとなる。また、このエマルジョンはW/Oタイプ、O/Wタイプのどちらでも差し支えなく、有機溶剤を含んでいても、有機溶剤を含まない完全水系であっても良いが、環境面および回収工程による生産性の面から有機溶剤を含まない水系エマルジョンを使用することが好ましい。
さらにこのエマルジョンを構成するポリウレタン樹脂に他の樹脂化合物が併用されていても、得られる皮革様シートの風合いを損なわない限り差し支えない。このようなポリウレタン樹脂に併用可能な樹脂化合物としては、天然ゴムおよびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアクリレート、アクリレートタイプの共重合体、シリコーン、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル−ポリエ−テルブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成弾性重合体を挙げることができる。これらの樹脂は単独で使用しても、複数を併用して使用してもよい。このようにして得られたポリウレタン系エマルジョンを繊維質基材に含浸し、凝固し、乾燥し、繊維海成分をアルカリ性水溶液で抽出して得られる極細繊維からなる繊維質基材とポリウレタン弾性体からなるシートは柔軟性に富み、同時に充実感を有する風合いを呈し、従来の湿式凝固によって得られる人工皮革素材と比べても遜色のないものである。この原因は得られた皮革様シートを分析した結果、ポリウレタン樹脂が極細繊維にからみつくことなく凝固している形態によるものと推定される。このような構造は繊維を強く拘束することがないため柔軟性を損なうことがなく、また繊維質基材の繊維間の隙間を埋める樹脂部分の充填量も増えているため、従来のエマルジョン含浸によって得られるような、繊維を樹脂が接着した構造に比べ、柔軟性と充実感の両立した天然皮革の風合いを有するシートが得られるものと思われる。
【0017】
本発明のポリウレタン系エマルジョンを構成するポリウレタン成分の組成としては、以下に示すような高分子ポリオール成分、イソシアネート成分、鎖伸長剤の各成分を適宜組み合わせて原料ポリウレタンとすることができる。
【0018】
本発明に用いられる高分子ポリオールとしては、ポリウレタン成分を構成する全高分子ポリオール100重量%中のポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが60重量%以上である必要がある。全高分子ポリオール100重量%中のポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが60重量%未満である場合、繊維海成分をアルカリ性水溶液で抽出する際に、樹脂が分解などにより劣化するなどして、皮革様シートから脱落したり、繊維を拘束して得られる皮革様シートの風合いが悪化したりする。ポリエーテルポリオールとポリカーボネートポリオールはどちらも単独で使用してもよいし、併用してもよい。ポリカーボネートポリオールを多く使用した場合は耐酸化劣化が少ない利点がある。ポリエーテルポリオールを多く使用した場合は柔軟性が優れ、製造コストを少なくできる利点がある。両者を混合して使用する場合はポリエーテルポリオールとポリカーボネートポリオールが重量比で10/90〜90/10、好ましくは30/70〜70/30の範囲内であることが両者の利点を発現することができ、好ましい。上記の条件を満たす限りにおいては、一般に使用されている高分子ポリオールを使用することができる。従って、本発明において使用可能な高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどを挙げることができる。
【0019】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などが挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。このようなポリエーテルポリオールの中でもポリテトラメチレングリコールが好適に使用される。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるものを使用することができる。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ヘキサメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの炭素数2〜15の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジメチルシクロオクタンジメタノールなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族二価アルコールなどを挙げることができる。これらのジオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、上記のジオールと共に3官能以上の水酸基を有する化合物を使用してもよく、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。これらのポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを挙げることができる。更に、アルキレンカーボネートジオールとしてはエチレンカーボネートなどを挙げることができ、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0021】
ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオール、ジカルボン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させて得られるものを使用することができる。あるいは、予め上記した方法によりポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールをそれぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか、または上記のポリオールおよび後述するポリエステルポリオールに例示したジカルボン酸とを反応させて得られるものを使用することができる。なおポリエステルポリカーボネートポリオールのうち、ポリカーボネート部分は、本発明でいう、「全高分子ポリオール100重量%中のポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが60重量%以上」という条件のポリカーボネートポリオール中に含めて計算する。
【0022】
ポリエステルポリオールは、例えば、常法に従い、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体とポリオールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応に付すか、またはラクトンを開環重合することにより製造することができる。ポリエステルポリオールを構成するポリオールとしては、ポリエステルの製造において一般的に使用されている上記のポリオールを用いることができる。ポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
ポリエステルポリオールを構成するジカルボン酸としては、ポリエステルの製造において一般的に使用されているものを用いることができ、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3,8−ジメチル−3−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体などを挙げることができる。これらのジカルボン酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記のラクトンの例としては、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げることができる。
【0025】
高分子ポリオールの数平均分子量は500〜5000であるのが好ましく、600〜3000であるのがより好ましい。なお、本発明で言う高分子ポリオールの数平均分子量は、いずれもJIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0026】
高分子ポリオールは、高分子ポリオール1分子当たりの水酸基の数は2より大きくてもエマルジョン合成に支障をきたさない限り使用に問題はない。水酸基の数が2より大きい高分子ポリオールを得る手段としては、高分子ポリオールを製造する際に任意の高分子ポリオール1分子当たりの水酸基の数となるように1分子中の水酸基の数が3個以上である低分子ポリオールを使用する方法、ポリウレタン重合の際に高分子ジオールと1分子中の水酸基の数が3個以上である高分子ポリオールを混合することで、任意の1分子当たりの水酸基の数とする方法等を挙げることができる。すなわち水酸基の数が2より大きい高分子ポリオールを製造する方法としては、例えば上記ポリエステルポリオールを製造する際に、3官能以上の水酸基を有する化合物を併用して製造することができる。
【0027】
本発明に用いられるイソシアネート化合物としては特に制限はなく、通常のエマルジョン系ポリウレタンの製造に従来から使用されている分子中にイソシアネート基を含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族の有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよく、例えばトルイレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの有機イソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
鎖伸長剤としては特に制限はなく、通常のエマルジョン系ポリウレタンの製造に従来から使用されている鎖伸長剤のいずれを使用してもよく、イソシアネート基と反応し得る水素原子を分子中に2個以上含有する分子量400以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコールなどのジオール、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、4,4´−ジアミノフェニルメタン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミンなどのジアミン、ジエチレントリアミンなどのトリアミン、アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられる。これら低分子化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
本発明の製造方法は、一般にポリウレタンのエマルジョン製造に用いられている製造方法を使用して製造することができ、例えば、乳化剤の存在下で高い機械的剪断力で水中により強制乳化した非イオン性エマルジョンを挙げることができる。また、親水性樹脂から得られた自己乳化型エマルジョンを挙げることができる。強制乳化法としては、例えば反応の完了した液状ポリウレタンポリマーを該乳化剤でエマルジョン化する転相乳化法、末端イソシアネートプレポリマーを乳化分散すると同時に/またはその後にアミン類等の鎖伸長剤で鎖伸長反応を完結させ、高分子量化して得られるプレポリマー法が挙げられ、風合いの良好なシート状物を得るためにはプレポリマー法が好ましい。
【0030】
さらに、乳化分散性を向上させるために、ポリウレタンのポリマー分子骨格に、エチレンオキサイド等の高分子付加物のようなノニオン性の親水基を側鎖に導入したり、耐溶剤性、耐熱性、耐熱水性を向上させる目的で、トリメチロールプロパン等の三官能グリコール、三官能アミン等を反応させ、架橋構造を形成するなどのポリウレタン自体の変性による改質手段も本発明に好適に使用することができる。
【0031】
本発明に使用するポリウレタン系エマルジョンには、必要に応じて、更に公知の添加物、例えば、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活性剤、増粘剤、防黴材、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、充填剤、凝固調節剤などを配合することができる。
【0032】
本発明においては、これらのエマルジョンは感熱ゲル化性を有していることが重要である。感熱ゲル化性を有しないエマルジョンを使用すると、含浸後に熱風で乾燥した場合はエマルジョン粒子がマイグレーションの発生により均一に付与できず得られるシートの強伸度や柔軟性等の物理的性質、風合いに著しく悪影響を与え、温水中での凝固を行う場合は凝固温水浴中にエマルジョンが流出してしまう。エマルジョン粒子をマイグレーションを引き起こすことなく感熱ゲル化させ均一に付与するためにはいわゆるマイグレーション防止剤と称する物質をエマルジョン中に添加するか、樹脂自身が感熱ゲル化性を有する必要がある。前者の場合用いられる感熱ゲル化剤としては、例えば、無機塩類、ポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリエーテル共重合体、ポリシロキサン等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのうちでも無機塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤の組み合わせが好適な結果を与えるため好ましい。このようなポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。また無機塩類としてはノニオン性界面活性剤の曇点を低下させるような一価または二価の金属塩がより好ましい。例えば、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛等を挙げることができる。感熱凝固剤の配合量は、樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部であることが好ましい。
【0033】
上記の要領で調製したエマルジョンを前述の不織布等の繊維質基材へ含浸させ、プレスロールなどで絞るか、またはドクターナイフ等によって適量の含浸量とした後、70〜100℃の温水浴中で凝固させるか、スチーム雰囲気下において凝固した後に乾燥機中で乾燥させるか、または直接50〜150℃の乾燥機中で乾燥中に凝固させ、その後に、複合紡糸繊維または混合紡糸繊維の海成分を抽出除去する場合は、これを行うことよって、目的とするシートが得られる。特にこの中でも感熱凝固が速やかに進行し、より柔軟な風合いを与えることから、温水中での凝固またはスチームを用いた凝固が好ましい。
【0034】
上記の工程においてエマルジョンの含浸の際に、均一かつ速やかな含浸を行うためにエマルジョンの含浸に先だって繊維質基材に浸透性を示す浸透剤を付与しておくことができる。このような浸透性を示す界面活性剤としては、湿潤剤、浸透剤、またはレべリング剤として当業者に周知のものが使用できる。これらの中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩型アニオン界面活性剤;ラウリル硫酸エステルナトリウム、硫酸オレイン酸ブチルエステルナトリウム塩、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどの硫酸エステル型アニオン界面活性剤;ポリエチレングリコール−モノ−4−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−オクチルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−デシルエーテルなどのHLB価6〜16のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤;フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることが望ましい。
【0035】
なお、これらの界面活性剤と共に、水酸基1個当たりの分子量が200以下であるアルコールを併用するのが好ましく、併用することにより浸透性が向上する。併用できるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ブチルカルビトール等のモノオール;エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等のジオール;トリメチロールプロパン等のトリオールなどを挙げることができる。水酸基1個当たりの分子量が200を越える場合には、併用することにより得られる優れた効果がほとんど期待できない。
【0036】
前記の湿潤浸透性を示す界面活性剤およびアルコールは、水溶液または水分散液として用いることができ、これら液中に占める界面活性剤とアルコールの合計が0.1〜50wt%であるのが好ましく、1〜30wt%であるのがより好ましい。繊維質基材に付与する界面活性剤の量およびアルコールの量は、それぞれ繊維質基材に対して0.01〜20重量%および0.001〜5重量%が好ましい。
【0037】
ポリウレタン系エマルジョンを含浸、乾燥して得られるシートに付与される樹脂(ポリウレタン)量は海成分除去後の繊維成分の重量に対して5〜150重量%であることが好ましく、10〜100重量%であることがより好ましく、さらに好ましくは20〜80重量%である。樹脂付着量が5重量%未満では得られるシートの充実感が不足し、皮革様の風合いが悪くなる傾向がある。一方、150重量%を越えると、得られるシートは硬くなり、皮革様の風合いが悪くなる傾向がある。
【0038】
アルカリ水溶液によって繊維海成分を除去する方法としては、浸積法、ディップニップ法、ローラーパッド法等のどの方法で行ってもよい。用いるアルカリ性水溶液は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム等の強アルカリ溶液を用いることができ、2〜60g/l、さらに好ましくは3〜20g/l程度の濃度の処理液中でアルカリ処理を行う。炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の弱アルカリ性物質を使用する場合は、処理液中のアルカリ物質濃度5〜200g/l、好ましくは5〜60g/lである。これら強アルカリ物質と弱アルカリ物質を併用することも可能であり、処理液中に分解促進剤などを含んでいてもよい。また、アルカリ界面活性剤を添加することにより、繊維のアルカリ浸透等が促進されて好ましい。
【0039】
アルカリ水溶液の処理温度は70〜130℃が好ましい。温度が70℃未満ではアルカリ処理に要する時間が長くかかるようになり、また130℃を超えると島繊維成分が浸食、劣化したりすることがある。アルカリ処理の後に、中和、水洗乾燥処理を行うのが好ましい。
【0040】
上記のように本発明の皮革様シートは、例えば、以下の工程(1)〜(7)を順次行うことにより得られる。
(1)海成分がアルカリ性水溶液により溶解性または分解性を有する海島構造繊維を製造する工程、
(2)該繊維からなる絡合不織布を製造する工程、
(3)必要に応じて該絡合不織布を仮固定する工程、
(4)該絡合不織布に上述の感熱ゲル化性ポリウレタンエマルジョンを含浸し、熱水またはスチームまたは熱風により凝固させてポリウレタン樹脂が充填された絡合不織布を形成する工程、
(1)該繊維から海成分ポリマーをアルカリ性水溶液で除去して該繊維を極細繊維束に変性する工程、
(2)染色する工程、
(3)必要に応じて表面をバフィング処理または表面に樹脂層の形成処理を行う工程、
【0041】
本発明により得られるシートは、適度な柔軟性と充実感を有するシートであり、マットレス、鞄内張り材料、衣料芯地、靴用芯材、クッション材、自動車内装材、壁材、カーペットなどに好適に使用することができる。さらに、バッフィングすることによりスエード調の皮革様シートが得られ、衣料、椅子やソファー等の家具の上張り材、カーシートの上張り材、壁材などに好適に使用することができる。また、少なくとも片面にポリウレタン等の樹脂を既知の方法により付与することによりスポーツシューズ、紳士靴、鞄などに用いられる銀付き人工皮革としても好適に使用することができる。
【0042】
以下、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、ポリウレタンエマルジョンを乾燥して得られるフィルムの90℃、感熱ゲル化温度、シートの柔軟性、風合いは以下の方法により評価した。
【0043】
[90℃における弾性率]
ポリウレタンエマルジョンを乾燥して得られる、厚さ100μmのフィルムを使用し、(株)レオロジ製粘弾性測定装置FTレオスペクトラーDVE−V4を用いて周波数11Hzで測定を行い、90℃における弾性率を求めた。
【0044】
[感熱ゲル化温度]
試験管にエマルジョンを10g秤取し、90℃の恒温熱水浴中で撹拌しながら昇温し、エマルジョンが流動性を失いゲル状物となるときのエマルジョンの温度を感熱ゲル化温度とした。
【0045】
[柔軟性]
皮革様シートを10cm×10cmに切り取り、室内温度が20℃の状態で純曲げ試験機(KATO TEKKO製KES−FB2−L)を用いて、不織布の巻き取り方向に対して直角方向の曲げ剛性率を測定した。
【0046】
[風合い]
シートが天然皮革様の風合いを有するものである場合を「○」と判定し、柔軟性不足、または充実感不足のためシートが天然皮革様の風合いを呈さない場合を「×」と判定した。
【0047】
表1に本文中で用いられる化合物の略号を示す。
【表1】

Figure 0004204711
【0048】
<繊維質基材の製造>
参考例1
海成分として、5−ソジウムスルホイソフタル酸とテレフタル酸を酸成分として用い、エチレングリコールと反応して得られる共重合ポリエステル(全ジカルボン酸中における5−ソジウムスルホイソフタル酸成分の含有量5.0モル%)を、島成分としてナイロン−6を用い、島/海成分比65/35、島本数16本の複合紡糸繊維を紡糸し、3倍に延伸して、機械捲縮して乾燥後、51mmの長さにカットして繊度2デニールのステープルとした。ついでこのステープルをクロスラップ法で目付380g/m2のウェッブを形成、ついで両面からニードルパンチングを行った。さらに熱風中で収縮させ、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布をつくった。この不織布の目付は400g/m2、見掛け比重は0.32であった。以下、この不織布を不織布▲1▼と略する。
【0049】
参考例2
島成分としてエチレン含量44モル%のエチレン/酢酸ビニル共重合体を苛性ソーダ含有メタノール中で鹸化し、鹸化度99.5モル%、メルトインデックス(190℃、2160g荷重下)で5.5g/10分、融点160℃のエチレン/ビニルアルコール系共重合体を用い、海成分として、5−ソジウムスルホイソフタル酸とテレフタル酸を酸成分、エチレングリコールと分子量2000のポリエチレングリコールをジオール成分として反応して得られる共重合ポリエステル(5−ソジウムスルホイソフタル酸成分含有量5.0モル%、分子量2000のポリエチレングリコールを6重量%)を用い、島/海成分比60/40、島本数16本の複合紡糸繊維を紡糸し、3倍に延伸して、機械捲縮して乾燥後、51mmの長さにカットして繊度2デニールのステープルとした。ついでこのステープルをクロスラップ法で目付500g/m2のウェッブを形成、ついで両面からニードルパンチングを行った。さらに熱風中で収縮させ、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布をつくった。この不織布の目付は520g/m2、見掛け比重は0.34であった。以下、この不織布を不織布▲2▼と略する。
【0050】
実施例1
<ポリウレタンエマルジョンの製造>
三ツ口フラスコに、PMSA1850を100.0g、PTG1000を200g、PHC2000を200.0g、TDIを104.6g、DMPAを6.52gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにトルエン191.8gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEAを4.92gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン147(花王製、ノニオン系界面活性剤)44.8gを蒸留水404gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにDETAを10.04g、IPDAを8.29gを蒸留水240gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、トルエンをロータリーエバポレーターにより除去してから、蒸留水を加えて固形分重量40重量%のポリウレタンエマルジョンを得た。このポリウレタンエマルジョン80重量部に対して、蒸留水20重量部、感熱凝固剤(水:花王製、ノニオン系界面活性剤エマルゲン910:塩化カルシウムを重量比5:4:1で混合した溶液)4重量部を配合し、感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョン(以下、PUエマルジョン▲1▼と称する)を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は52℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.0×107(dyn/cm2であった。
【0051】
<皮革様シートの作製>
PUエマルジョン▲1▼を、不織布▲1▼に浸し、プレスロールにて絞った後、90℃の温水浴にて1分間凝固し、さらに130℃の熱風乾燥機中で30分間乾燥することによりシートを得た。このシートを90℃の水酸化ナトリウム40g/l水溶液中(浴比50:1)で海成分の抽出を行った。1時間の処理中に2kg/cm2のプレスロールで5回の絞りをはさみ、6−ナイロン極細繊維不織布にポリウレタンを含有したシートを得た。樹脂の付着重量は海成分除去後の不織布繊維重量に対して55重量%であった。このシートは柔軟性と充実感を有する天然皮革様のシートであった。風合いと曲げ剛性について上記の方法で評価した結果を表2に示す。
【0052】
比較例1
エマルジョンに感熱ゲル化剤を加えない以外は実施例1と同様に調製したエマルジョンを得た。以下、PUエマルジョン▲2▼と称する。このPUエマルジョンの感熱ゲル化温度を上記試験方法にて測定したが90℃においてもゲル化挙動を示さなかった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.0×107(dyn/cm2)であった。このPUエマルジョン▲2▼を用いる以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。エマルジョンを含浸した不織布を温水浴につけたところ、エマルジョンの白濁液が浴槽内に流出し、浴槽を汚染した。以下のアルカリ抽出作業も同じ手順で実施し、シートを得た。樹脂の付着重量は不織布重量に対して35重量%であった。このシートはへたりを生じた全体的にペーパーライクな充実感のないシートとなった。風合いと曲げ剛性について上記の方法で評価した結果を表2に示す。
【0053】
比較例2
高分子ポリオールとしてPMSA1850を200.0g、PTG1000を100.0g、PHC2000を100.0gとし、それに応じて他の成分のモルバランスを調製した以外は実施例1と同様の合成手順でエマルジョンを合成した(以下、PUエマルジョン▲3▼と称する)。このエマルジョンの感熱ゲル化温度は53℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.0×107(dyn/cm2)であった。PUエマルジョン▲3▼を引き続き、実施例1と同様にしてシートを作成した。樹脂の付着重量は不織布重量に対して48重量%であった。このシートはへたりを生じた全体的にペーパーライクな充実感のないシートとなった。電子顕微鏡で細部を観察すると樹脂が繊維を拘束した状態であった。風合いと曲げ剛性について評価した結果を表2に示す。
【0054】
比較例3
TDI量を増やしたことでポリウレタンのハードセグメント含量を増やし、それに応じて他の成分のモルバランスを調製した以外は実施例1と同様の合成手順でエマルジョンを合成した(以下、PUエマルジョン▲4▼と称する)。このエマルジョンの感熱ゲル化温度は45℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は5.8×108(dyn/cm2)であった。PUエマルジョン▲4▼を引き続き、実施例1と同様にしてシートを作製した。樹脂の付着重量は不織布重量に対して50重量%であった。このシートは充実感はあるが、柔軟性が不良な硬い風合いのシートであった。風合いと曲げ剛性について評価した結果を表2に示す。
【0055】
実施例2
<ポリウレタンエマルジョンの製造>
三ツ口フラスコに、PHC2000を250g、PTG1000を250g、TDIを105.8g、DMPAを6.38gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにトルエン191.7gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEAを4.81gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン930(花王製、ノニオン系界面活性剤)44.82gを蒸留水506gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにDETAを9.50g、IPDAを7.84gを蒸留水240gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、トルエンと水をロータリーエバポレーターにより除去した後、蒸留水を加えて固形分重量40wt%のポリウレタンエマルジョンを得た。このポリウレタンエマルジョン80重量部に対して、蒸留水20重量部、感熱ゲル化剤として感熱凝固剤(水:花王製、ノニオン系界面活性剤エマルゲン910:塩化カルシウムを重量比5:4:1で混合した溶液)4重量部を配合し、感熱ゲル化性を有するポリウレタンエマルジョン(以下、PUエマルジョン▲5▼と称する)を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は48℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は3.0×107(dyn/cm2)であった。
【0056】
<皮革様シートの作製>
PUエマルジョン▲5▼を、不織布▲2▼に浸し、プレスロールにて絞った後、90℃のゲージ圧0.3kgf/cm2にて1分間凝固し、さらに130℃の熱風乾燥機中で30分間乾燥することによりシートを得た。このシートを90℃の水酸化ナトリウム40g/l水溶液中(浴比50:1)に浸漬することで繊維中の海成分の抽出を行った。1時間の処理中に2kg/cm2のプレスロールで5回の絞りをはさみ海成分を除去して、エチレン−ビニルアルコール系極細繊維からなる不織布にポリウレタンを含有したシートを得た。樹脂の付着重量は不織布繊維重量に対して50重量%であった。このシートは優れた柔軟性と充実感を有する天然皮革様のシートであった。風合いと曲げ剛性について上記の方法で評価した結果を表2に示す。
【0057】
比較例4
TDI量を減らしたことでポリウレタンのハードセグメント含量を減らし、それに応じて他の成分のモルバランスを調製した以外は実施例2と同様の合成手順でエマルジョンを合成した(以下、PUエマルジョン▲6▼と称する)。このエマルジョンの感熱ゲル化温度は62℃であった。このエマルジョンを乾燥して得られたフィルムの90℃における弾性率は8.0×106(dyn/cm2)であった。PUエマルジョン▲6▼を引き続き、実施例2と同様にしてシートを作製した。樹脂の付着重量は不織布重量に対して48重量%であった。このシートはへたりを生じた全体的にペーパーライクな充実感のないものとなった。電子顕微鏡で細部を観察すると樹脂が繊維を拘束した状態であった。風合いと曲げ剛性について評価した結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
Figure 0004204711
【0059】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、極細繊維からなる繊維質基材の使用とポリウレタン系エマルジョンによる樹脂付与により、柔軟性と充実感等に優れた天然皮革様の風合いを有すると皮革様シートを製造することができる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a leather-like sheet and a method for producing the same. More specifically, the present invention provides a solid product obtained by applying an emulsion-based resin to a fibrous base material composed of sea-island-type ultrafine fiber-generating fibers and then extracting the sea components of the sea-island-type ultrafine fiber-generating fibers with an alkaline aqueous solution. The present invention relates to a leather-like sheet excellent in feeling and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
As a natural leather substitute, a sheet using a resin component such as polyurethane as a binding agent for a fibrous base material has been conventionally produced. Among such sheets, when the fibrous base material is an ultrafine fiber, it gives a texture very similar to natural leather, and is used as a so-called high-quality suede-like artificial leather. As a typical production method, after applying a resin such as polyurethane to a nonwoven fabric made of sea-island type composite spun fiber or mixed spun fiber, the sea component in the fiber is dissolved or decomposed in an organic solvent or an alkaline aqueous solution and removed. And a fiber substrate made of ultrafine fibers by dissolving or decomposing and removing sea components in a nonwoven fabric made of sea-island type composite spun fibers or mixed spun fibers with an organic solvent or an alkaline aqueous solution. There is a method of applying a resin such as polyurethane after the production. In the above production method, conventionally, as a method for providing a resin such as polyurethane, a fibrous base material is impregnated with a solution such as dimethylformamide (abbreviated as DMF) of a resin component such as polyurethane, and then in a non-solvent such as water. A so-called wet method is used in which solidification is performed. This wet method can produce a sheet having a texture close to that of natural leather, but after impregnating a fibrous base material with an aqueous emulsion of resin such as polyurethane, it is inferior in productivity compared to a dry method of drying, In addition, there is a disadvantage that the use of an organic solvent such as DMF is indispensable. Also, when the sea component is dissolved with an organic solvent, after adding a resin such as polyurethane to the nonwoven fabric, the sea component is dissolved or decomposed with an organic solvent or an alkaline aqueous solution and removed to make the fibers into ultrafine fibers. Is a method of applying a resin such as polyurethane after producing a fibrous base material composed of ultrafine fibers by dissolving or decomposing and removing the sea-sea component of sea-island type composite spun fiber or mixed spun fiber with an organic solvent or an alkaline aqueous solution. Compared with this, it is preferably used to develop a softer texture, but when removing such sea components, halogen-containing compounds such as parkren and organic solvents such as toluene are used. In recent years, the use of such an organic solvent has been required to be reduced as much as possible due to the problem of environmental pollution.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
For the above reasons, attempts have been made so far to replace the wet method with the dry method, but it has not yet developed a texture comparable to the leather-like sheet obtained by the wet method. The reason for this is that the sheet obtained by the dry method has a hard feeling due to the structure in which the resin is entangled and constrained by the fibers during the drying process, and there is a sense of fulfillment because there are more gaps where no resin is present compared to the resin application by the wet method Inferior. In particular, when the sea components of sea-island type composite spun fibers or mixed spun fibers are dissolved or decomposed with an organic solvent or an alkaline aqueous solution and removed after application of polyurethane or other resin, the resin penetrates into the fiber bundle that has been refined in the processing step. By taking a structure that restrains the fibers, it is possible to obtain a hard texture. Moreover, if the amount of resin applied is reduced so as not to give a hard texture, a non-woven fabric-like texture will be obtained. However, in the dry method, the use of an aqueous emulsion makes it possible to obtain a sheet without using an organic solvent, which is extremely important from the standpoint of environmental compatibility, and is extremely simple in simplifying the process. Since it is effective, it is an important issue for the future production of leather-like sheets. Similarly, when dissolving or decomposing and removing the fiber sea component, it is preferable to avoid the use of an organic solvent from the viewpoint of environmental compatibility.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As a result of intensive studies to solve the problems in the case of using the above-mentioned emulsion, the present inventors have obtained an ultrafine aqueous solution by using an alkaline aqueous solution that is significantly improved in flexibility and solidity compared to the resin application by the conventional emulsion system. The present inventors have found a method for producing a leather-like sheet using a fibrous base material made of ultrafine fibers that can be made, and have completed the present invention based on these findings.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention provides a method for producing a leather-like sheet comprising a fibrous base material comprising ultrafine fibers and a polyurethane-based elastic body, the following (1) to (3);
(1) At least 60% by weight of the polymer polyol constituting the polyurethane elastic body is a polyether polyol or a polycarbonate polyol, and the film obtained by drying the polyurethane emulsion has an elastic modulus at 90 ° C. of 1.0. × 10 7 ~ 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 )
(2) The ultrafine fiber constituting the fibrous base material is a fiber formed by treating a composite spun fiber or mixed spun fiber having a sea-island cross section with an alkaline aqueous solution to remove sea components from the fiber.
(3) The polyurethane-based elastic body is formed by using a polyurethane-based emulsion having heat-sensitive gelation property, and impregnating the polyurethane emulsion into a fibrous base material before removing the sea component and solidifying it. The ultrafine fibers are formed by coagulating the polyurethane emulsion and then removing the sea components in the fibers with an alkaline aqueous solution.
And a leather-like sheet obtained by the method.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The fibrous base material used in the present invention has an appropriate thickness and solidity, and has a soft texture, and it can be an ultrafine fiber by extracting sea components by dissolving or decomposing with an alkaline aqueous solution, A fibrous base material made of various ultrafine fibers conventionally used for the production of leather-like sheets can be used. The fibrous base material composed of ultrafine fibers as used herein refers to a sea-island type composite spun fiber or a mixed spun fiber composed of two or more kinds of polymer materials, which is a sea component, and other polymer materials. It is a fibrous base material such as a non-woven fabric or a knitted fabric made of fibers that are made into an island component only by being extracted and removed by being different in solubility and decomposability in an alkaline aqueous solution. When the component B completely surrounds the component A in the part with the cross section of a sea island type fiber of a sea island type fiber, A is called the island component in the part, and B is called a sea component. However, even when the component A is not completely surrounded by the component B and part thereof is exposed on the fiber surface, this A is included in the island component. Component A may be composed of two or more types of polymer substances. Similarly, the island component may be composed of two or more kinds of polymer substances.
[0007]
Examples of the polymer substance to be component A include polyamides such as 6-nylon, 6,12-nylon, 6,6-nylon, 6,10-nylon, and modified nylon, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and polyethylene terephthalate. Polyesters such as high-shrinkage polyester copolymerized with isophthalic acid, polyvinyl alcohol, ethylene-vinyl alcohol copolymer, polyvinyl acetate, polyurethane elastomer, polyolefins such as polyethylene, polystyrene, and polypropylene, polyvinylidene chloride, poly One or more substances can be selected and used from methacrylic acid esters and the like.
[0008]
Moreover, as said component B extractable with alkaline aqueous solution, alkali-soluble copolyester and thermoplastic polyvinyl alcohol can be mentioned, for example. Among these, a copolyester is preferably used. Such a copolyester can be produced from a dicarboxylic acid, a diol, a hydroxycarboxylic acid, etc. For example, a copolymer obtained by a condensation reaction with ethylene glycol or the like using terephthalic acid and sodium sulfoisophthalic acid as acid components. Examples thereof include polymerized polyester. The molar ratio of the copolymer of sodium sulfoisophthalic acid to terephthalic acid is preferably 2 to 15 mol%. In particular, when polyethylene terephthalate is used as an island component, the rate of dissolution or decomposition in an alkaline aqueous solution can be obtained by using, as a sea component, polyester having an increased copolymerization amount of 4.5 to 15 mol% and sodium sulfoisophthalic acid. Because of the large difference, removal of sea components becomes easier. Moreover, what co-polymerized isophthalic acid as this copolyester is also preferable. In addition to ethylene glycol, polyethylene glycol may be copolymerized as a glycol component.
[0009]
It is also possible to improve the heat resistance by adding an antioxidant (for example, Irganox 1010 manufactured by Ciba-Geigy, Sianox 1790 manufactured by American Cyanamid, etc.) to the alkali-soluble polyester.
[0010]
The weight ratio of the polymer components A and B in the composite spun fiber and the mixed spun fiber can be appropriately selected depending on the use of the obtained leather-like sheet. Generally, the island component / sea component = 15/85 to 85/15. Is more preferable, and the range of 25/75 to 75/25 is more preferable. In addition, such synthetic fibers, shrinkable fibers, latent spontaneous stretchable shrinkable fibers, multi-layer bonded latently splittable fibers, special porous fibers, semi-synthetic fibers, natural fibers, etc. There is no problem with the combined use as long as the leather-like texture that is a feature of the ultrafine fibers is not impaired. Examples of such fiber types include polyester fibers, nylon fibers, acrylic fibers, and the like. The fineness of the ultrafine fibers is preferably 0.5 denier or less, more preferably 0.2 denier or less, and even more preferably 0.1 denier or less because leather-like flexibility is obtained. The thickness of the fibrous base material can be arbitrarily selected depending on the use of the sheet to be obtained, and is not particularly limited, but the thickness is preferably about 0.3 to 3.0 mm, and 0.6 to 2 More preferably, it is about 5 mm. The apparent density of the fibrous base material is 0.1 to 0.5 g / cm after removal of the sea component in order to obtain a sheet having a soft texture. Three Preferably, 0.15 to 0.45 g / cm Three It is more preferable that Apparent density 0.5g / cm Three When it becomes larger, the resulting sheet tends to lose its elasticity or feel like rubber. On the other hand, the apparent density is 0.1 g / cm Three When it becomes smaller, resilience and lower back feeling are inferior, and the texture like natural leather tends to be impaired.
Moreover, there is no problem even if these fibers or a fibrous base material made thereof are treated with a known dye, pigment, water repellent, softener, penetrating agent, light-proofing agent and the like in advance.
[0011]
In the present invention, a non-woven fabric made of mixed spun fibers using an ethylene-vinyl alcohol copolymer is used as an island component. After impregnating and solidifying a polyurethane emulsion as shown below, the sea component is dissolved and removed with an alkaline aqueous solution. The obtained leather-like sheet can be suitably used as a material for artificial leather having an extremely natural leather-like texture. Such an ethylene-vinyl alcohol copolymer is obtained by saponifying an ethylene-vinyl acetate copolymer, and the amount of ethylene contained in the copolymer is 25 to 70 mol%, preferably 30 to 50 mol. %. When the ethylene content is less than 25 mol%, the heat resistance is lowered, the copolymer is gelated during fiber formation, the spinnability and stretchability are lowered, and the texture of the resulting leather-like sheet is hardened. On the other hand, if the ethylene content exceeds 70 mol%, the number of hydroxyl groups decreases, and the desired soft texture cannot be obtained. The saponification degree of the ethylene-vinyl acetate copolymer is desirably 95% or more. If the degree of saponification is too low, not only will the crystallinity of the copolymer decrease and fiber properties such as strength will decrease, but the copolymer will tend to soften, causing troubles in the processing process, The texture of the obtained sheet may be deteriorated.
[0012]
The ethylene-vinyl alcohol copolymer can be produced by a known method. For example, ethylene and vinyl acetate are radically polymerized in a polymerization solvent such as methanol in the presence of a radical polymerization catalyst, and then an unreacted monomer is removed. A saponification reaction is caused by expelling sodium hydroxide to obtain an ethylene-vinyl alcohol copolymer, which is then pelletized in water, washed with water and dried.
[0013]
A leather-like sheet made of an ethylene-vinyl alcohol copolymer can be dyed with a selenium dye, but a unit having a sulfonic acid group or a sulfonate group is introduced into the main chain of the ethylene-vinyl alcohol copolymer by copolymerization. Thus, dyeing with a cationic dye can be made possible.
[0014]
By containing a specific amount of acid and / or a metal salt thereof in the ethylene-vinyl alcohol copolymer, the effect of preventing gelation at the time of melt molding becomes further sufficient. As the acid, various inorganic acids and organic acids can be used and are not particularly limited. Specifically, phosphoric acid, phosphorous acid, acetic acid, oxalic acid, succinic acid, adipic acid, tartaric acid, citric acid, and the like can be used. Examples include acids. Further, it is more desirable that the acid has a boiling point of 115 ° C. or higher because it can prevent the acid and the like from evaporating when the chip is dried after the treatment. The metal salts of these acids are not particularly limited, but include sodium salts, potassium salts, lithium salts, magnesium salts, calcium salts, barium salts, and the like, such as sodium acetate, potassium acetate, and calcium acetate. Can be used. When a polybasic acid is used, the metal salt may be a partial salt, and sodium dihydrogen phosphate, potassium dihydrogen phosphate, and the like can also be used.
[0015]
If necessary, 0.1 to 5 wt% of fine particles having an average particle diameter of 100 mm or less can be added to the ethylene-vinyl alcohol copolymer at the time of polymerization or thereafter. The material of the fine particles is not particularly limited. For example, silica gel (colloidal silica), dry method silica, dry method silica containing aluminum oxide, dry method silica having an alkyl group on the particle surface and blocking the silanol group on the particle surface. Preferred examples include inert fine particles such as alumina sol (colloidal alumina), fine particle alumina, fine particle titanium oxide and calcium carbonate sol (colloidal calcium carbonate), and internal precipitation fine particles in which a phosphorus compound and a metal compound are precipitated. it can. In particular, fine particles of silica having an average particle diameter of 15 to 70 mm are preferable, and the spinnability and stretchability are improved, and irregularities are obtained on the fiber surface, so that the color of the leather-like sheet after dyeing becomes deep and clear. Is also improved.
[0016]
The polyurethane-based emulsion used in the present invention is a polyurethane-based emulsion having a heat-sensitive gelation property, and a film obtained by drying the polyurethane-based emulsion has an elastic modulus at 90 ° C. of 1.0 × 10. 7 ~ 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) And is required to be 2.0 × 10 7 ~ 3.0 × 10 8 It is preferable that In a polyurethane resin having a low elastic modulus at 90 ° C., which is often used for conventional nonwoven fabric binders, the fibers are entangled and restrained with the polyurethane resin, so that only a non-woven fabric-like sheet can be obtained. The elastic modulus at 90 ° C. is 5.0 × 10 8 (Dyn / cm 2 ) In the case of a larger urethane resin, there is a sense of fullness of the obtained leather-like sheet, but it has a hard texture. This emulsion may be either W / O type or O / W type, and may contain an organic solvent or a complete aqueous system that does not contain an organic solvent. From this aspect, it is preferable to use an aqueous emulsion containing no organic solvent.
Furthermore, even if other resin compounds are used in combination with the polyurethane resin constituting this emulsion, there is no problem as long as the texture of the resulting leather-like sheet is not impaired. Resin compounds that can be used in combination with such polyurethane resins include natural rubber and acrylonitrile-butadiene copolymer, polychloroprene, styrene-butadiene copolymer, polybutadiene, polyisoprene, ethylene-propylene copolymer, polyacrylate, and acrylate. Examples thereof include synthetic elastic polymers such as type copolymers, silicone, polyurethane, polyvinyl acetate, polyvinyl chloride, polyester-polyether block copolymers, and ethylene-vinyl acetate copolymers. These resins may be used alone or in combination. The fiber base material impregnated with the polyurethane-based emulsion thus obtained, solidified, dried and extracted from the fiber base material and polyurethane elastic body, which are obtained by extracting the fiber sea component with an alkaline aqueous solution. The resulting sheet is rich in flexibility, and at the same time exhibits a feeling of fullness, which is comparable to the artificial leather material obtained by conventional wet coagulation. As a result of analyzing the obtained leather-like sheet, this cause is presumed to be due to a form in which the polyurethane resin is solidified without being entangled with the ultrafine fibers. Since such a structure does not strongly restrain the fiber, the flexibility is not impaired, and the filling amount of the resin portion that fills the gap between the fibers of the fibrous base material is increased. It seems that a sheet having a texture of natural leather having both flexibility and fullness can be obtained as compared to the structure obtained by bonding resin to fibers.
[0017]
As a composition of the polyurethane component which comprises the polyurethane-type emulsion of this invention, it can be set as raw material polyurethane by combining suitably each component of a polymer polyol component, an isocyanate component, and a chain extender as shown below.
[0018]
As the polymer polyol used in the present invention, the polyether polyol and / or polycarbonate polyol in 100% by weight of the total polymer polyol constituting the polyurethane component needs to be 60% by weight or more. When the polyether polyol and / or the polycarbonate polyol in 100% by weight of the total polymer polyol is less than 60% by weight, when the fiber sea component is extracted with an alkaline aqueous solution, the resin deteriorates due to decomposition or the like. It falls off the sheet, or the texture of the leather-like sheet obtained by restraining the fibers deteriorates. Both polyether polyol and polycarbonate polyol may be used alone or in combination. When a large amount of polycarbonate polyol is used, there is an advantage of less oxidation deterioration. When many polyether polyols are used, there is an advantage that flexibility is excellent and manufacturing costs can be reduced. When both are used in combination, the polyether polyol and the polycarbonate polyol have a weight ratio within the range of 10/90 to 90/10, preferably 30/70 to 70/30. This is preferable. As long as the above conditions are satisfied, commonly used polymer polyols can be used. Accordingly, examples of the polymer polyol that can be used in the present invention include polyether polyol, polycarbonate polyol, polyester polycarbonate polyol, and polyester polyol.
[0019]
Examples of the polyether polyol include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, and poly (methyl tetramethylene glycol). These polyether polyols may be used alone or in combination of two or more. Among such polyether polyols, polytetramethylene glycol is preferably used.
[0020]
As a polycarbonate polyol, what is obtained by reaction of a polyol and carbonate compounds, such as a dialkyl carbonate, an alkylene carbonate, a diaryl carbonate, can be used, for example. Examples of the polyol constituting the polycarbonate polyol include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, 1,3-propanediol, 2-methyl-1,3-propanediol, and 2,2-diethyl-1,3-propane. Diol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,3-butylene glycol, 1,4-butanediol, 2-methyl-1,4-hexamethylene glycol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,8-octanediol, 2-methyl-1,8-octanediol, 2,7-dimethyl-1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, 2,8-dimethyl -1,9-nonanediol, 1,10-decanediol, etc. 5 aliphatic diols; alicyclic diols such as 1,4-cyclohexanediol, cyclohexanedimethanol and dimethylcyclooctanedimethanol; aromatic dihydric alcohols such as 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene Can be mentioned. These diols may be used alone or in combination of two or more. Further, a compound having a tri- or higher functional hydroxyl group may be used together with the above diol, for example, glycerin, trimethylolethane, trimethylolpropane, trimethylolbutane, butanetriol, hexanetriol, pentaerythritol and the like. it can. These polyols may be used alone or in combination of two or more. Examples of the dialkyl carbonate include dimethyl carbonate and diethyl carbonate. Furthermore, examples of the alkylene carbonate diol include ethylene carbonate, and examples of the diaryl carbonate include diphenyl carbonate.
[0021]
As a polyester polycarbonate polyol, what is obtained by reacting a polyol, dicarboxylic acid, and a carbonate compound simultaneously can be used, for example. Alternatively, a polyester polyol and a polycarbonate polyol are synthesized in advance by the above-described method, and then reacted with a carbonate compound, or obtained by reacting the above polyol and the dicarboxylic acid exemplified in the polyester polyol described below. Can be used. In the polyester polycarbonate polyol, the polycarbonate portion is calculated by including in the polycarbonate polyol under the condition of “the polyether polyol and / or the polycarbonate polyol in 100% by weight of the total polymer polyol is 60% by weight or more” in the present invention. .
[0022]
Polyester polyol is produced, for example, by subjecting an ester-forming derivative such as dicarboxylic acid or its ester or anhydride and a polyol directly to an esterification reaction or transesterification reaction, or by ring-opening polymerization of a lactone according to a conventional method. can do. As the polyol constituting the polyester polyol, the above-mentioned polyols generally used in the production of polyester can be used. A polyol may be used independently and may use 2 or more types together.
[0023]
As the dicarboxylic acid constituting the polyester polyol, those generally used in the production of polyester can be used. For example, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid , Dodecanedioic acid, methylsuccinic acid, 2-methylglutaric acid, 3,8-dimethyl-3-methylglutaric acid, trimethyladipic acid, 2-methyloctanedioic acid, 3,8-dimethyldecanedioic acid, 3,7- C4-C12 aliphatic dicarboxylic acid such as dimethyldecanedioic acid; alicyclic dicarboxylic acid such as cyclohexanedicarboxylic acid; aromatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid, isophthalic acid, orthophthalic acid, naphthalenedicarboxylic acid or ester formation thereof Derivatives and the like can be mentioned. These dicarboxylic acids may be used alone or in combination of two or more.
[0024]
Examples of the lactone include ε-caprolactone and β-methyl-δ-valerolactone.
[0025]
The number average molecular weight of the polymer polyol is preferably 500 to 5,000, more preferably 600 to 3,000. The number average molecular weight of the polymer polyol referred to in the present invention is a number average molecular weight calculated based on the hydroxyl value measured in accordance with JIS K 1577.
[0026]
Even if the number of hydroxyl groups per molecule of the polymer polyol is larger than 2, there is no problem in using the polymer polyol as long as it does not hinder emulsion synthesis. As a means for obtaining a polymer polyol having a number of hydroxyl groups larger than 2, the number of hydroxyl groups in one molecule is 3 so that the number of hydroxyl groups per molecule of any polymer polyol can be obtained when the polymer polyol is produced. The above-described method using a low-molecular polyol, and by mixing a polymer diol and a polymer polyol having 3 or more hydroxyl groups in one molecule during polyurethane polymerization, The method of making it into a number etc. can be mentioned. That is, as a method for producing a polymer polyol having a number of hydroxyl groups greater than 2, for example, when producing the polyester polyol, a compound having a tri- or higher functional hydroxyl group can be used in combination.
[0027]
There is no restriction | limiting in particular as an isocyanate compound used for this invention, The well-known aliphatic, alicyclic, and aromatic organic diisocyanate which contains an isocyanate group in the molecule | numerator conventionally used for manufacture of a usual emulsion type polyurethane. Any of these may be used, such as toluylene diisocyanate, 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, isophorone diisocyanate, tolylene diisocyanate, P-phenylene diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, Examples include 4,4'-dicyclohexylmethane diisocyanate, 3,3'-dichloro-4,4'-diphenylmethane diisocyanate, and hydrogenated xylylene diisocyanate. These organic isocyanates may be used alone or in combination of two or more.
[0028]
The chain extender is not particularly limited, and any chain extender conventionally used in the production of ordinary emulsion polyurethanes may be used, and two hydrogen atoms capable of reacting with isocyanate groups are present in the molecule. It is preferable to use a low molecular weight compound having a molecular weight of 400 or less. For example, ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, 1,4-cyclohexanediol, bis (β-hydroxyethyl) terephthalate, 3-methyl-1,5-pentanediol, cyclohexane Diols such as diol, xylylene glycol, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, neopentyl glycol, hydrazine, ethylenediamine, propylenediamine, xylylenediamine, isophoronediamine, piperazine and derivatives thereof, phenylenediamine, tolylenediamine Amine, xylenediamine, adipic acid dihydrazide, isophthalic acid dihydrazide, hexamethylenediamine, 4,4'-diaminophenylmethane, 4,4'-dicyclohexylmethanediamine Which diamines, triamines such as diethylene triamine, aminoethyl alcohol, and the like amino alcohols such as amino propyl alcohol. These low molecular compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0029]
The production method of the present invention can be produced by using a production method generally used for producing an emulsion of polyurethane, for example, a nonionic property forcedly emulsified in water with a high mechanical shear force in the presence of an emulsifier. An emulsion can be mentioned. Moreover, the self-emulsification type | mold emulsion obtained from hydrophilic resin can be mentioned. As the forced emulsification method, for example, a phase inversion emulsification method in which a liquid polyurethane polymer that has been reacted is emulsified with the emulsifier, a terminal elongation prepolymer is emulsified and dispersed, and / or thereafter a chain extension reaction with a chain extender such as an amine. And a prepolymer method obtained by increasing the molecular weight, and the prepolymer method is preferred for obtaining a sheet-like material having a good texture.
[0030]
Furthermore, in order to improve emulsification dispersibility, nonionic hydrophilic groups such as polymer adducts such as ethylene oxide are introduced into the side chain of the polymer molecular skeleton of polyurethane, and solvent resistance, heat resistance, heat resistance For the purpose of improving aqueous properties, a modification means by modification of polyurethane itself, such as reacting a trifunctional glycol such as trimethylolpropane, a trifunctional amine or the like to form a crosslinked structure, can also be suitably used in the present invention. .
[0031]
In the polyurethane emulsion used in the present invention, if necessary, further known additives such as surfactants such as light stabilizer, antioxidant, ultraviolet absorber, penetrant, thickener, anti-mold Materials, water-soluble polymer compounds such as polyvinyl alcohol and carboxymethyl cellulose, dyes, pigments, fillers, coagulation regulators and the like can be blended.
[0032]
In the present invention, it is important that these emulsions have heat-sensitive gelling properties. When an emulsion that does not have heat-sensitive gelling properties is used, when dried with hot air after impregnation, the emulsion particles cannot be uniformly applied due to the occurrence of migration, resulting in physical properties such as strength and flexibility of the resulting sheet, and texture. If the coagulation is performed in warm water, the emulsion will flow out into the coagulated warm water bath. In order to make the emulsion particles heat-sensitive gel uniformly without causing migration, a material called a so-called migration inhibitor must be added to the emulsion or the resin itself needs to have heat-gelling properties. Examples of the heat-sensitive gelling agent used in the former case include inorganic salts, polyethylene glycol type nonionic surfactants, polyvinyl methyl ether, polypropylene glycol, silicone polyether copolymers, polysiloxanes, and the like. 1 type (s) or 2 or more types can be used. Among these, a combination of inorganic salts and a polyethylene glycol type nonionic surfactant is preferable because it gives suitable results. As such a polyethylene glycol type nonionic surfactant, for example, ethylene oxide adduct of higher alcohol, ethylene oxide adduct of alkylphenol, ethylene oxide adduct of fatty acid, ethylene oxide adduct of fatty acid ester of polyhydric alcohol, Examples include higher alkylamine ethylene oxide adducts and polypropylene glycol ethylene oxide adducts. Further, as the inorganic salts, monovalent or divalent metal salts that lower the cloud point of the nonionic surfactant are more preferable. Examples thereof include sodium carbonate, sodium sulfate, calcium chloride, calcium sulfate, zinc oxide, zinc chloride, magnesium chloride, potassium chloride, potassium carbonate, sodium nitrate, lead nitrate and the like. The blending amount of the heat-sensitive coagulant is preferably 0.2 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin.
[0033]
The emulsion prepared as described above is impregnated into a fibrous base material such as the above-mentioned non-woven fabric and squeezed with a press roll or the like, or after a suitable amount of impregnation with a doctor knife, etc., in a hot water bath at 70 to 100 ° C. Coagulate, coagulate in a steam atmosphere and then dry in a dryer, or directly coagulate during drying in a dryer at 50-150 ° C., after which the sea component of the composite spun fiber or mixed spun fiber is In the case of extracting and removing, the target sheet is obtained by doing this. In particular, thermal coagulation proceeds promptly and gives a softer texture, so that coagulation in warm water or coagulation using steam is preferable.
[0034]
In the above step, in the impregnation of the emulsion, in order to perform uniform and rapid impregnation, a penetrant exhibiting permeability can be added to the fibrous base material prior to the impregnation of the emulsion. As the surfactant exhibiting such permeability, those known to those skilled in the art as a wetting agent, a penetrating agent, or a leveling agent can be used. Among these, sulfonate type anionic surfactants such as sulfosuccinic acid di-2-ethylhexyl ester sodium salt, sulfosuccinic acid dioctyl ester sodium salt, sodium dodecylbenzenesulfonate; sodium lauryl sulfate, butyl oleate sulfate sodium salt Sulfate anionic surfactants such as sodium dibutyl naphthalenesulfonate; HLB values of 6 to 16 such as polyethylene glycol-mono-4-nonylphenyl ether, polyethylene glycol-mono-octyl ether, polyethylene glycol-mono-decyl ether It is desirable to use one or more selected from polyethylene glycol type nonionic surfactants; fluorine-based surfactants; silicone-based surfactants.
[0035]
In addition, it is preferable to use together with these surfactants alcohol having a molecular weight per hydroxyl group of 200 or less, and the combined use improves permeability. Examples of alcohols that can be used in combination include monools such as methanol, ethanol, propanol, butanol, pentanol, hexanol, heptanol, octanol, and butyl carbitol; diols such as ethylene glycol, propanediol, and butanediol; trimethylolpropane, and the like Triols can be mentioned. When the molecular weight per hydroxyl group exceeds 200, the excellent effect obtained by using together can hardly be expected.
[0036]
The surfactant and alcohol exhibiting the wet permeability can be used as an aqueous solution or an aqueous dispersion, and the total of the surfactant and the alcohol in the liquid is preferably 0.1 to 50 wt%. More preferably, it is 1-30 wt%. The amount of surfactant and alcohol added to the fibrous base material are preferably 0.01 to 20% by weight and 0.001 to 5% by weight, respectively, with respect to the fibrous base material.
[0037]
The amount of resin (polyurethane) applied to the sheet obtained by impregnating and drying the polyurethane emulsion is preferably 5 to 150% by weight, preferably 10 to 100% by weight, based on the weight of the fiber component after removal of the sea component. More preferably, it is 20 to 80 weight%. If the resin adhesion amount is less than 5% by weight, the resulting sheet is not sufficiently filled, and the leather-like texture tends to deteriorate. On the other hand, if it exceeds 150% by weight, the resulting sheet becomes hard and the leather-like texture tends to deteriorate.
[0038]
As a method for removing the fiber sea component with an aqueous alkaline solution, any method such as a dipping method, a dip nip method, a roller pad method and the like may be used. The alkaline aqueous solution to be used can be a strong alkaline solution such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, trisodium phosphate, etc., and it is alkaline in a treatment solution having a concentration of about 2 to 60 g / l, more preferably about 3 to 20 g / l. Process. When a weak alkaline substance such as sodium carbonate, sodium silicate, or sodium dihydrogen phosphate is used, the alkali substance concentration in the treatment liquid is 5 to 200 g / l, preferably 5 to 60 g / l. These strong alkali materials and weak alkali materials can be used in combination, and the processing solution may contain a decomposition accelerator or the like. Moreover, it is preferable to add an alkali surfactant because the alkali permeation of the fiber is promoted.
[0039]
The treatment temperature of the alkaline aqueous solution is preferably 70 to 130 ° C. If the temperature is less than 70 ° C., it takes a long time for alkali treatment, and if it exceeds 130 ° C., the island fiber component may be eroded or deteriorated. After the alkali treatment, it is preferable to carry out neutralization, washing with water and drying treatment.
[0040]
As described above, the leather-like sheet of the present invention is obtained, for example, by sequentially performing the following steps (1) to (7).
(1) a process of producing sea-island structure fibers in which sea components are soluble or decomposable with an alkaline aqueous solution;
(2) a step of producing an entangled nonwoven fabric comprising the fibers,
(3) a step of temporarily fixing the entangled nonwoven fabric as required,
(4) A step of impregnating the entangled nonwoven fabric with the above-mentioned heat-sensitive gelling polyurethane emulsion and coagulating with hot water, steam or hot air to form an entangled nonwoven fabric filled with a polyurethane resin,
(1) A step of removing the sea component polymer from the fiber with an alkaline aqueous solution to modify the fiber into an ultrafine fiber bundle,
(2) dyeing process,
(3) A step of buffing the surface or forming a resin layer on the surface as necessary,
[0041]
The sheet obtained by the present invention is a sheet having moderate flexibility and fulfillment, and is suitable for mattresses, lining materials, clothing interlining, shoe cores, cushioning materials, automotive interior materials, wall materials, carpets, etc. Can be used for Furthermore, a suede-like leather-like sheet can be obtained by buffing, and can be suitably used for clothing, furniture upholstery such as chairs and sofas, car seat upholstery, and wall materials. Moreover, it can use suitably also as artificial leather with silver used for sports shoes, men's shoes, a bag, etc. by providing resin, such as a polyurethane, by a known method at least on one side.
[0042]
EXAMPLES Hereinafter, although an Example etc. demonstrate this invention concretely, this invention is not restrict | limited at all by these Examples. In the following Examples and Comparative Examples, 90 ° C., heat-sensitive gelation temperature, sheet flexibility and texture of films obtained by drying polyurethane emulsions were evaluated by the following methods.
[0043]
[Elastic modulus at 90 ° C]
Using a film having a thickness of 100 μm obtained by drying a polyurethane emulsion, measurement is performed at a frequency of 11 Hz using a viscoelasticity measuring apparatus FT Rheospectrer DVE-V4 manufactured by Rheology Co., Ltd., and an elastic modulus at 90 ° C. is measured. Asked.
[0044]
[Thermal gelation temperature]
10 g of the emulsion was weighed into a test tube and heated with stirring in a constant temperature hot water bath at 90 ° C., and the temperature of the emulsion when the emulsion lost its fluidity and became a gel-like material was defined as the thermal gelation temperature.
[0045]
[Flexibility]
Cut the leather-like sheet into 10cm x 10cm, and use a pure bending tester (KES-FB2-L manufactured by KATO TEKKO) in a state where the room temperature is 20 ° C, the bending rigidity in the direction perpendicular to the winding direction of the nonwoven fabric Was measured.
[0046]
[Texture]
The case where the sheet had a natural leather-like texture was determined as “◯”, and the case where the sheet did not exhibit a natural leather-like texture due to insufficient flexibility or lack of fullness was determined as “x”.
[0047]
Table 1 shows the abbreviations of the compounds used in the text.
[Table 1]
Figure 0004204711
[0048]
<Manufacture of fiber base material>
Reference example 1
Copolymer polyester obtained by reacting with ethylene glycol using 5-sodium sulfoisophthalic acid and terephthalic acid as sea components (content of 5-sodium sulfoisophthalic acid component in all dicarboxylic acids 5. 0 mol%) using nylon-6 as the island component, spinning the composite spun fiber with an island / sea component ratio of 65/35 and 16 islands, stretching 3 times, mechanical crimping and drying A staple having a fineness of 2 denier was cut into a length of 51 mm. Then, the basis weight of this staple is 380 g / m by the cross wrap method. 2 Next, needle punching was performed from both sides. Furthermore, it was contracted in hot air and pressed with a calender roll to produce an intertwined nonwoven fabric with a smooth surface. The basis weight of this nonwoven fabric is 400 g / m 2 The apparent specific gravity was 0.32. Hereinafter, this nonwoven fabric is abbreviated as nonwoven fabric (1).
[0049]
Reference example 2
An ethylene / vinyl acetate copolymer having an ethylene content of 44 mol% as an island component was saponified in caustic soda-containing methanol, and a saponification degree of 99.5 mol% and a melt index (190 ° C. under 2160 g load) of 5.5 g / 10 min. Using an ethylene / vinyl alcohol copolymer having a melting point of 160 ° C., it is obtained by reacting, as sea components, 5-sodium sulfoisophthalic acid and terephthalic acid as acid components, and ethylene glycol and polyethylene glycol having a molecular weight of 2000 as diol components. Using a copolymer polyester (5-sodium sulfoisophthalic acid component content: 5.0 mol%, polyethylene glycol having a molecular weight of 2000: 6% by weight), an island / sea component ratio of 60/40, and 16 islands Spin fiber, draw 3 times, machine crimp and dry, cut to 51mm length It was degrees 2 denier staple. Next, the basis weight of this staple is 500 g / m by the cross wrap method. 2 Next, needle punching was performed from both sides. Furthermore, it was contracted in hot air and pressed with a calender roll to produce an intertwined nonwoven fabric with a smooth surface. The basis weight of this nonwoven fabric is 520 g / m. 2 The apparent specific gravity was 0.34. Hereinafter, this non-woven fabric is abbreviated as non-woven fabric (2).
[0050]
Example 1
<Manufacture of polyurethane emulsion>
In a three-necked flask, weigh 100.0 g of PMSA1850, 200 g of PTG1000, 200.0 g of PHC2000, 104.6 g of TDI, and 6.52 g of DMPA, and stir for 2 hr at 90 ° C. in a dry nitrogen atmosphere. The hydroxyl group of was reacted quantitatively to obtain an isocyanate-terminated prepolymer. After adding 191.8g of toluene to this and stirring uniformly, the temperature in a flask was lowered | hung to 40 degreeC, 4.92g of TEA was added, and it stirred for 10 minutes. Next, an emulsion prepared by dissolving 44.8 g of Emulgen 147 (manufactured by Kao, nonionic surfactant) as an emulsifier in 404 g of distilled water was added to the prepolymer and emulsified by stirring for 1 minute with a homomixer. An aqueous solution in which 04 g and 8.29 g of IPDA were dissolved in 240 g of distilled water was added and stirred with a homomixer for 1 minute to carry out a chain extension reaction. Thereafter, toluene was removed by a rotary evaporator, and then distilled water was added to obtain a polyurethane emulsion having a solid content of 40% by weight. 80 parts by weight of this polyurethane emulsion, 20 parts by weight of distilled water, 4 parts by weight of a heat-sensitive coagulant (water: Kao, nonionic surfactant Emulgen 910: calcium chloride mixed at a weight ratio of 5: 4: 1) A polyurethane emulsion having heat-sensitive gelation properties (hereinafter referred to as PU emulsion (1)) was obtained. The heat-sensitive gelation temperature of the PU emulsion was 52 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 Met.
[0051]
<Production of leather-like sheet>
After immersing PU emulsion (1) in non-woven fabric (1), squeezing with a press roll, coagulating for 1 minute in a 90 ° C hot water bath, and further drying for 30 minutes in a 130 ° C hot air dryer. Got. Sea components were extracted from this sheet in a 90 g sodium hydroxide 40 g / l aqueous solution (bath ratio 50: 1). 2kg / cm during 1 hour treatment 2 A sheet of polyurethane containing 6-nylon ultrafine fiber nonwoven fabric was obtained by sandwiching the drawing with the press roll 5 times. The weight of the resin attached was 55% by weight based on the weight of the nonwoven fabric after the sea component was removed. This sheet was a natural leather-like sheet having flexibility and fullness. Table 2 shows the results of evaluating the texture and bending rigidity by the above method.
[0052]
Comparative Example 1
An emulsion prepared in the same manner as in Example 1 was obtained except that no heat-sensitive gelling agent was added to the emulsion. Hereinafter, it is referred to as PU emulsion (2). The heat-sensitive gelation temperature of this PU emulsion was measured by the above test method, but did not show gelation behavior even at 90 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met. A sheet was prepared in the same manner as in Example 1 except that this PU emulsion (2) was used. When the nonwoven fabric impregnated with the emulsion was placed in a warm water bath, the emulsion cloudy liquid flowed into the bath and contaminated the bath. The following alkali extraction operation was also carried out in the same procedure to obtain a sheet. The adhesion weight of the resin was 35% by weight based on the weight of the nonwoven fabric. This sheet became sagging as a whole and was not a paper-like fulfilling sheet. Table 2 shows the results of evaluating the texture and bending rigidity by the above method.
[0053]
Comparative Example 2
An emulsion was synthesized in the same synthetic procedure as in Example 1 except that PMSA1850 was 200.0 g, PTG1000 was 100.0 g, and PHC2000 was 100.0 g as a polymer polyol, and the molar balance of other components was adjusted accordingly. (Hereinafter referred to as PU emulsion (3)). The thermal gelation temperature of this emulsion was 53 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met. A sheet was prepared using PU emulsion (3) in the same manner as in Example 1. The adhesion weight of the resin was 48% by weight based on the weight of the nonwoven fabric. This sheet became sagging as a whole and was not a paper-like fulfilling sheet. When the details were observed with an electron microscope, the resin was in a state of restraining the fibers. Table 2 shows the evaluation results of the texture and bending rigidity.
[0054]
Comparative Example 3
An emulsion was synthesized by the same synthesis procedure as in Example 1 except that the hard segment content of polyurethane was increased by increasing the amount of TDI and the molar balance of other components was adjusted accordingly (hereinafter, PU emulsion (4)). Called). The thermal gelation temperature of this emulsion was 45 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 5.8 × 10 6. 8 (Dyn / cm 2 )Met. A sheet was prepared using PU emulsion (4) in the same manner as in Example 1. The adhesion weight of the resin was 50% by weight with respect to the weight of the nonwoven fabric. Although this sheet had a sense of fulfillment, it was a hard texture sheet with poor flexibility. Table 2 shows the evaluation results of the texture and bending rigidity.
[0055]
Example 2
<Manufacture of polyurethane emulsion>
In a three-necked flask, weigh 250 g of PHC2000, 250 g of PTG1000, 105.8 g of TDI, and 6.38 g of DMPA, and stir for 2 hr at 90 ° C. in a dry nitrogen atmosphere to quantitatively react the hydroxyl groups in the system. An isocyanate-terminated prepolymer was obtained. After adding 191.7g of toluene to this and stirring uniformly, the temperature in a flask was lowered | hung to 40 degreeC, 4.81g of TEA was added, and it stirred for 10 minutes. Next, an aqueous solution obtained by dissolving 44.82 g of Emulgen 930 (manufactured by Kao Corporation, nonionic surfactant) as an emulsifier in 506 g of distilled water was added to the prepolymer and emulsified by stirring for 1 minute with a homomixer. An aqueous solution in which 50 g and 7.84 g of IPDA were dissolved in 240 g of distilled water was added and stirred with a homomixer for 1 minute to carry out a chain extension reaction. Then, after removing toluene and water with a rotary evaporator, distilled water was added to obtain a polyurethane emulsion having a solid content of 40 wt%. To 80 parts by weight of this polyurethane emulsion, 20 parts by weight of distilled water and a heat-sensitive coagulant as a heat-sensitive gelling agent (water: manufactured by Kao, nonionic surfactant Emulgen 910: calcium chloride were mixed at a weight ratio of 5: 4: 1. 4 parts by weight of the resulting solution was blended to obtain a heat-sensitive gelling polyurethane emulsion (hereinafter referred to as PU emulsion (5)). The heat-sensitive gelation temperature of the PU emulsion was 48 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 3.0 × 10 7 (Dyn / cm 2 )Met.
[0056]
<Production of leather-like sheet>
After immersing PU emulsion (5) in non-woven fabric (2) and squeezing with a press roll, it solidifies for 1 minute at a gauge pressure of 0.3 kgf / cm 2 at 90 ° C., and further for 30 minutes in a hot air dryer at 130 ° C. A sheet was obtained by drying. The sea component in the fiber was extracted by immersing this sheet in a 90 g sodium hydroxide 40 g / l aqueous solution (bath ratio 50: 1). During the treatment for 1 hour, the sea component was removed by pinching 5 times with a 2 kg / cm 2 press roll to obtain a sheet containing polyurethane in a nonwoven fabric made of ultrafine ethylene-vinyl alcohol fibers. The adhesion weight of the resin was 50% by weight with respect to the nonwoven fabric fiber weight. This sheet was a natural leather-like sheet having excellent flexibility and fullness. Table 2 shows the results of evaluating the texture and bending rigidity by the above method.
[0057]
Comparative Example 4
An emulsion was synthesized by the same synthesis procedure as in Example 2 except that the hard segment content of polyurethane was reduced by reducing the amount of TDI and the molar balance of other components was adjusted accordingly (hereinafter referred to as PU emulsion (6)). Called). The thermal gelation temperature of this emulsion was 62 ° C. The elastic modulus at 90 ° C. of the film obtained by drying this emulsion is 8.0 × 10 6 (Dyn / cm 2 )Met. A sheet was prepared using PU emulsion (6) in the same manner as in Example 2. The adhesion weight of the resin was 48% by weight based on the weight of the nonwoven fabric. This sheet was sagging as a whole and had no paper-like fulfillment. When the details were observed with an electron microscope, the resin was in a state of restraining the fibers. Table 2 shows the evaluation results of the texture and bending rigidity.
[0058]
[Table 2]
Figure 0004204711
[0059]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, a leather-like sheet is produced with a natural leather-like texture excellent in flexibility, fullness, etc., by using a fibrous base material made of ultrafine fibers and applying a resin with a polyurethane emulsion. can do.

Claims (3)

極細繊維からなる繊維質基材とポリウレタン系弾性体からなる皮革様シートを製造する方法において、下記(1)〜(3);
(1)該ポリウレタン系弾性体を構成する高分子ポリオールの少なくとも60重量%がポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールであり、該ポリウレタン系エマルジョンを乾燥して得られるフィルムの90℃における弾性率が1.0×107〜5.0×108(dyn/cm2)であること。
(2)該繊維質基材を構成する極細繊維が、海島断面を有する複合紡糸繊維または混合紡糸繊維をアルカリ性水溶液で処理して海成分を繊維から除去して形成される繊維であること。
(3)該ポリウレタン系弾性体が、感熱ゲル化性を有するポリウレタン系エマルジョンを用い、このポリウレタンエマルジョンを海成分除去前の繊維質基材に含浸して凝固させることにより形成されるものであって、かつ極細繊維が、ポリウレタンエマルジョンを凝固させた後、前記繊維中の海成分をアルカリ性水溶液によって除去することにより形成されるものであること。
の条件を満たすことを特徴とする皮革様シートの製造方法。
In the method for producing a leather-like sheet comprising a fibrous base material comprising ultrafine fibers and a polyurethane elastic body, the following (1) to (3);
(1) At least 60% by weight of the polymer polyol constituting the polyurethane elastic body is a polyether polyol or a polycarbonate polyol, and the film obtained by drying the polyurethane emulsion has an elastic modulus at 90 ° C. of 1.0. X10 < 7 > -5.0 * 10 < 8 > (dyn / cm < 2 >).
(2) The ultrafine fiber constituting the fibrous base material is a fiber formed by treating a composite spun fiber or mixed spun fiber having a sea-island cross section with an alkaline aqueous solution to remove sea components from the fiber.
(3) The polyurethane-based elastic body is formed by using a polyurethane-based emulsion having heat-sensitive gelation property, and impregnating the polyurethane emulsion into a fibrous base material before removing the sea component and solidifying it. The ultrafine fibers are formed by coagulating the polyurethane emulsion and then removing the sea components in the fibers with an alkaline aqueous solution.
A method for producing a leather-like sheet characterized by satisfying the following conditions.
海成分が、スルホイソフタル酸ナトリウムを共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート系ポリマーである請求項1記載の製造方法。The process according to claim 1, wherein the sea component is a copolymerized polyethylene terephthalate polymer obtained by copolymerizing sodium sulfoisophthalate. 請求項1又は2に記載の方法によって得られる皮革様シート。A leather-like sheet obtained by the method according to claim 1.
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