JP4144857B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に現像像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ)を感光ドラムなどの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナーを供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は定着器に搬送され、定着器では転写像が記録媒体に定着される。定着器には、通常、ヒータなどの加熱体が内蔵された定着ローラ(加熱ローラ)とこの定着ローラに圧接する加圧ローラとが備えられている。転写像を記録媒体に定着する際は、定着ローラと加圧ローラとで記録媒体を挟持して搬送しながら転写像を所定の定着温度で加熱すると同時に加圧する。この加熱と加圧で転写像が記録媒体に定着される。転写像が定着された記録媒体は排紙ローラなどに挟持されながら排出される。
【0003】
ところで、画像形成装置の電源をオンしてから画像形成作業を開始できるまでの時間(いわゆる装置立ち上げ所要時間)を短縮するためには、定着ローラを熱伝導率の高い材料(例えば金属)で作製すると共に、定着ローラを肉厚の薄い筒状にすることが望ましい。また、定着ローラは回転するものであるため、定着ローラを回転させる駆動ギアが必要となる。定着ローラと駆動ギアとについて、図6と図7を参照して説明する。
【0004】
図6は、定着ローラの長手方向一端部と駆動ギアを示す斜視図である。図7は、定着ローラと駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。
【0005】
定着ローラ100の長手方向一端部には、U字状で細長い切欠き102が形成されている。この切欠き102は、円周方向の反対側にも形成されている。一方、リング状の駆動ギア110の内周面には、切欠き102に嵌め込まれる細長い凸部112が形成されている。駆動ギア110の凸部112を定着ローラ100の切欠き102に嵌め込むことにより、定着ローラ100に駆動ギア110が固定される。これにより、駆動ギア110が外部の駆動原によって回転するに伴って定着ローラ100も回転することとなる。
【0006】
ところで、定着ローラ100に固定される駆動ギア110を、耐熱性を有すると共に熱伝導率の悪い材料(例えば、耐熱性の合成樹脂材料)で作製した場合、定着ローラ100の熱が駆動ギア110に伝導されにくい。従って、定着ローラ100の熱が駆動ギア110を介して定着装置の他の部品に伝導されにくいので、この他の部品を耐熱性にしなくても済む。この結果、定着装置の製造コストを低減できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した定着ローラ100は、内蔵された加熱体によって素早く昇温させるために、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料(金属)で作製されている。このため、定着ローラ100からの熱は駆動ギア110に伝導され易い。従って、駆動ギア110が耐熱性の高い合成樹脂で作製されているとしても、温度上昇によって駆動ギア110の強度は低下する。
【0008】
また、定着装置には、待ち時間短縮の観点から素早い立ち上がりが求められている。このため、定着ローラ100の肉厚を0.3mm〜0.5mm程度にして熱伝導効率を向上させることがある。このように肉厚を薄くした場合、定着ローラ100を加熱し始めた直後から駆動ギア110に熱が伝導して駆動ギア110が加熱される。
【0009】
ところで、画像形成装置を駆動し始めるときは、駆動系への負荷トルクが最も大きくなる。駆動ギア110への負荷トルクは、画像形成装置の構造差にもよるが、定常回転駆動時の1.5〜2.0倍になることがある。このような大きな負荷トルクが駆動ギア110に作用する場合、駆動ギア110の強度が加熱によって低下しているときは、駆動ギア110の強度が不足するおそれがある。このような駆動ギア110の強度不足を防止するために、耐熱性が高くて高強度の合成樹脂で作製することも考えられるが、材料コストが増加する。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、低コストで駆動ギアの強度低下を防止した定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の定着装置は、加熱体が内蔵された定着ローラと、この定着ローラに押し付けられる加圧ローラと、前記定着ローラの長手方向一端部の外周面に接触するようにに嵌め込まれて前記定着ローラを回転させるリング状の駆動ギアとを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラとが互いに接触するニップ部で記録媒体を挟持しながら定着する定着装置において、
(1)前記駆動ギアは、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する凹凸がその内周面に形成されたものであることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、
(2)前記駆動ギアは、前記定着ローラの長手方向に延びる凸状部がその内周面に形成されたものであり、
(3)前記定着ローラは、前記凸状部が嵌め込まれる切欠きが前記長手方向一端部に形成されたものであってもよい。
【0013】
また、
(4)前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、該駆動ギアの歯底の裏側に形成されたものであってもよい。
【0014】
さらに、
(5)前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する上辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する円弧を有する半円状であってもよい。
【0015】
さらにまた、
(6)前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凹は、その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う下辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う円弧を有する半円状であってもよい。
【0016】
さらにまた、
(7)前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、該凸が前記定着ローラに接触する面における法線が、前記駆動ギアの歯元隅肉曲線と歯型中心線に対して30°を成す接線との接点を通るように形成されたものであってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1を参照して本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の概略構造を説明する。
【0019】
図1は、本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるデジタル複写機を示す模式図である。
【0020】
複写機10の頂面には開閉自在な直方体状の原稿圧着板12が配置されている。原稿圧着板12の下には、原稿に記録された画像を読み取る画像読取装置14が配置されている。画像読取装置14の上面(上壁)は、原稿が載置される原稿台ガラス(図示せず)である。
【0021】
原稿圧着板12よりも手前側(正面側)には、複写枚数などが入力される操作パネル(図示せず)が配置されている。また複写機10の下部には、複数枚のカット紙が収容されるカセット16が複写機10に出し入れ自在に備えられている。また、複写機10の左側部分には空間が形成されており、排出された記録紙が積載される排紙トレイ18が形成されている。
【0022】
複写機10で画像を形成する手順等を説明する。
【0023】
原稿に記録された画像を記録媒体に形成するためには、原稿圧着板12を開き、原稿台ガラス(図示せず)の上面に、画像面が下になるように原稿を載置し、この原稿を原稿圧着板12で押さえて固定する。次に、所定の操作ボタン等を押すことにより、原稿に記録された画像は、画像読取装置14で読み取られる。読み取られた画像はデジタル信号に変換され、このデジタル信号は、レーザスキャナ20に送信される。
【0024】
レーザスキャナ20に送信された信号はレーザ光に変換されて、このレーザ光は、高速で回転するスキャナミラー20a、折り返しミラー20bを経由して感光ドラム22に照射される。感光ドラム22は帯電器24によって一様に帯電されており、レーザ光が照射された感光ドラム22には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ26から供給された現像剤で現像されて現像像が形成される。
【0025】
一方、カセット16からは記録紙などの記録媒体が給紙ローラ28によって矢印A方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ30とレジストローラ32によって転写ローラ34に搬送される。転写ローラ34は感光ドラム22と共に記録媒体を挟持しながら、この記録媒体に感光ドラム22の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体は搬送ガイド36によって定着装置40に案内される。定着装置40には定着ローラ(加熱ローラ)50と加圧ローラ70が配置されており、これら2つのローラ50,70に記録媒体が挟持されながら搬送されて、現像像が記録媒体に定着される。定着ローラ50にはヒータ等の加熱体が内蔵されている。このようにして現像像が定着された記録媒体は排紙ローラ80によって排出されて排紙トレイ18に積載される。
【0026】
図2から図4までを参照して、定着装置40について説明する。
【0027】
図2は、定着装置を示す正面図である。図3は、定着ローラの長手方向一端部と駆動ギアを示す斜視図である。図4は、定着ローラと駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。これらの図では、図1に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0028】
定着ローラ50は、肉厚が0.3〜0.5mm程度のアルミウム製でパイプ状(円筒状)のローラ本体52(本発明にいう円筒状ローラの一例である)を備えている。ローラ本体52の外周面には離型層54が形成されている。この離型層54は、高い離型性を有するフッ素樹脂、オイル含浸シリコーンゴム、又はシリコーンゴム層の表面にフッ素樹脂層が形成されたものである。定着ローラ50には、加圧ローラ70が押し付けられており、2つのローラ50,70が接触している部分(ニップ部)72に記録媒体が挟持される。
【0029】
定着ローラ50の長手方向両端部は、軸受け55に回転自在に固定されている。この軸受け55を樹脂製の定着フレーム56に固定することにより、定着ローラ50の位置が決められる。軸受け55はPPSをベースにした耐熱性の樹脂製であり、その耐熱温度は約200℃である。定着ローラ50の長手方向一端部には駆動ギア90が嵌め込まれている。この駆動ギア90は、本体駆動源42の駆動力を伝達ギア60を介して定着ローラ50に伝達する。定着ローラ50と駆動ギア90の嵌め込みについては後述する。
【0030】
定着ローラ50の内部には、ハロゲンランプ62(加熱体の一例である)が配置されている。ハロゲンランプ62は、ニップ部72の表面温度が定着ローラ50の長手方向で均一になるように配置されている。定着ローラ50のうちニップ部72よりも回転方向上流側であって長手方向中央部の表面には、この表面の温度を測定するサーミスタ64が接触している。サーミスタ64は、コイルばね66によって定着ローラ50の表面に弾性的に押し付けられている。サーミスタ64で測定された温度に基づいて、定着ローラ50の表面温度が所定温度になるように制御される。
【0031】
定着ローラ50と駆動ギア90の嵌め込みについて説明する。
【0032】
定着ローラ50の長手方向一端部であって離型層54の無い部分には、図3に示すように、U字状で細長い切欠き68が形成されている。この切欠き68は、円周方向の反対側にも形成されている。一方、リング状の駆動ギア90の内周面には、切欠き68に嵌め込まれる細長い凸状部92が形成されている。駆動ギア90の凸状部92を定着ローラ50の切欠き68に嵌め込むことにより、定着ローラ50に駆動ギア90が固定される。これにより、駆動ギア90が本体駆動源42によって回転するに伴って定着ローラ50も回転することとなる。
【0033】
駆動ギア90の内周面のうち凸状部92を除いた部分には、多数の凸94と凹96が交互に形成されている。凸94の断面形状は台形状であり、その上辺(天面部)94aから下辺に向うに従って広がっている。天面部94aは、定着ローラ50の外周面に接触する接触面(嵌合面)Mとなる。天面部94aの幅Wは、互いに隣接する歯91の中心線(歯型中心線)B同士の距離Lの約2分の1である。このため、駆動ギア90が定着ローラ50の外周面に接触する接触面積は、多数の凸94と凹96が無い場合に比べて約2分の1となる。なお、凸94の断面形状を台形状にしたが、半円状にしてもよい。この場合、半円の円弧が定着ローラ50の外周面に接触するように構成する。
【0034】
また、凸94は、互いに隣接する歯91と歯91の間(歯底91a)の裏側に形成されている。凹96の断面形状は円弧状であり、各歯91の裏側に形成されている。なお、凹96の断面形状を台形状にしてもよい。
【0035】
定着ローラ50がハロゲンランプ62によって加熱されることにより、定着ローラ50から熱が駆動ギア90に伝導する。この場合、定着ローラ50には凸94の天面部94aが接触しているので、定着ローラ50の熱は天面部94aから直接に駆動ギア90に伝導する。このため、定着ローラ50から駆動ギア90に伝導する熱の量を抑制できる。
【0036】
また、凹96によって定着ローラ50と駆動ギア90との空間が広げられている(大きくされている)。従って、定着ローラ50の外周面と駆動ギア90の内周面とがすきまばめ状態であるものの、定着ローラ50の熱が上記の空間を伝導することにより、この伝導に要する時間を遅くできる。
【0037】
以上説明したように、駆動ギア90と定着ローラ50との接触面積を減少したので、熱伝導特性に優れた薄肉円筒状でアルミニウム製の定着ローラ50を使用しても、この定着ローラ50のハロゲンヒータ62を加熱し始めたとき(定着ローラ50の起動時)等において定着ローラ50から駆動ギア90に伝導される熱量を抑制できる。この結果、駆動ギア90の温度が急激に変動することが防止される。また、定着ローラ50の起動時に定着ローラ50から駆動ギア90に多量の熱が伝導されないので、駆動ギア90が樹脂製の場合であっても、その強度低下を防止できて駆動ギア90の耐久性を向上できる。さらに、駆動ギア90の内周面に形成された凹凸の凹部と定着ローラ50の長手方向一端部の外周面とで形成する隙間(空気層)は、定着ローラ50と駆動ギア90との間で断熱効果及び冷却効果を発揮するので、駆動ギア90の温度が上昇することを抑制できる。従って、耐熱性の低い材質で駆動ギア90を作製するなど、駆動ギア90の材質を選択する範囲を広げられるので、コスト低減にも効果がある。さらにまた、駆動ギア90に噛み合っているギア(ギア60など)に伝導する熱の量も減少するので、これらギア60の材質を耐熱性の高価なものにする必要は無く、その分、コストダウンできる。
【0038】
なお、上記した凸94と凹96の大きさは、定着装置の温度設定状況、駆動ギア90と定着ローラ50に作用する駆動時の負荷トルク、定着ローラ50と加圧ローラ70の加圧力の設定状況などに応じて、最適なものに適宜に変更される。
【0039】
図5を参照して、駆動ギアの他の例を説明する。
【0040】
図5は、定着ローラと他の例の駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。この図では、図4に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0041】
駆動ギア190の内周面のうち凸状部92(図3参照)を除いた部分には、多数の凸194と凹196が交互に形成されている。凸194の断面形状は円弧状であり、その円弧部の頂点部194aは、定着ローラ50の外周面に接触する接触面(嵌合面)Mとなる。円弧状の凸194は、後述する接点Pを中心として交点Kを通る半径rを有する曲線をなす。
【0042】
ここで、駆動ギア190とギア60(図2参照)の噛み合いピッチ点をGとする。また、歯型中心線Bを挟んでピッチ点Gとは反対の側の歯元隅肉曲線をLとする。また、歯型中心線Bに対して30°を成す接線をCとする。さらに、歯元隅肉曲線Lと接線Cとの接点をPとする。さらにまた、凸194が定着ローラ50の外周面に接触している点(嵌合部)をKとする。この点Kにおける定着ローラ50の外周面の法線をHとする。この法線Hは、凸194が定着ローラ50に接触する面における法線である。
【0043】
上記のように決めた場合、法線Hが接点Pを通るように、凸194が形成されている。即ち、凸194の頂点部194aにおける定着ローラ50の外周面の法線Hが接点Pを通るように、凸194が形成されている。駆動ギア190の歯元隅肉曲線Lと歯型中心線Bに対して30°を成す接線Cとの接点Pは、周知の「ホーファーの30度接線法」によれば応力が集中し易い部分であるが、この部分の近傍に凸194が形成されることとなる。この結果、応力集中し易い部分を厚くできるので、駆動ギア190に作用する応力を分散して駆動ギア190の強度低下を防止できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の定着装置では、駆動ギアの内周面に形成された凹凸の凸の先端部のみが定着ローラの長手方向一端部の外周面に接触することとなるので、駆動ギアと定着ローラとの接触面積を減少できる。このため、熱伝導特性に優れた薄肉円筒状のアルミニウム製定着ローラを使用しても、この定着ローラの加熱体を加熱し始めたとき(定着ローラの起動時)等において定着ローラから駆動ギアに伝導される熱量を抑制できる。この結果、駆動ギアの温度が急激に変動することが防止される。また、定着ローラの起動時に定着ローラから駆動ギアに多量の熱が伝導された場合は、樹脂製の駆動ギアの強度低下と駆動ギアの負荷トルクの増大とが重なることに起因して駆動ギアが破損するおそれがある。しかし、本発明の定着装置では、定着ローラの起動時等において定着ローラから駆動ギアに伝導される熱量を抑制できるので、駆動ギアが樹脂製の場合であっても、その強度低下を防止できて駆動ギアの耐久性を向上できる。さらに、駆動ギアの内周面に形成された凹凸の凹部と定着ローラの長手方向一端部の外周面とで形成する隙間(空気層)は、定着ローラと駆動ギアとの間で断熱効果及び冷却効果を発揮する。このため、駆動ギアの温度が上昇することを抑制できる。従って、耐熱性の低い材質で駆動ギアを作製するなど、駆動ギアの材質を選択する範囲を広げられるので、コスト低減にも効果がある。さらにまた、駆動ギアに噛み合っているギアに伝導する熱の量も減少する。従って、駆動ギアに噛み合っているギアの材質を耐熱性の高価なものにする必要は無いので、その分、コストダウンできる。
【0045】
ここで、前記駆動ギアは、前記定着ローラの長手方向に延びる凸状部がその内周面に形成されたものであり、前記定着ローラは、前記凸状部が嵌め込まれる切欠きが前記長手方向一端部に形成されたものである場合は、凸状部が切欠きに嵌め込まれている周辺(すきまばめ周辺)の温度の上昇が抑制されるので、温度上昇に伴う凸状部と切欠きのがたつきに起因する振動や回転ムラが防止される。この結果、高品位の画像が得られることとなる。
【0046】
また、前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、該駆動ギアの歯底の裏側に形成されたものである場合は、歯底の肉厚が薄くならないので、駆動ギアの強度低下を抑えられる。
【0047】
さらに、前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する上辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する円弧を有する半円状である場合は、定着ローラの長手方向一端部の外周面に接触する駆動ギアの接触面積を狭くできると共に、駆動ギアの凹凸に作用する応力の集中も低減できる。この結果、凹凸の部分及びその周辺部分の強度を高く維持できる。
【0048】
さらにまた、前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凹は、その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う下辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う円弧を有する半円状である場合は、定着ローラの長手方向一端部の外周面に接触する駆動ギアの接触面積を狭くできると共に、駆動ギアの凹凸に作用する応力の集中も低減できる。この結果、凹凸の部分及びその周辺部分の強度を高く維持できる。
【0049】
さらにまた、前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、該凸が前記定着ローラに接触する面における法線が、前記駆動ギアの歯元隅肉曲線と歯型中心線に対して30°を成す接線との接点を通るように形成されたものである場合は、前記駆動ギアの歯元隅肉曲線と歯型中心線に対して30°を成す接線との接点は、周知の「ホーファーの30度接線法」によれば応力が集中し易い部分であるが、この部分の近傍に凸が形成されることとなるので、駆動ギアの強度低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるデジタル複写機を示す模式図である。
【図2】定着装置を示す正面図である。
【図3】定着ローラの長手方向一端部と駆動ギアを示す斜視図である。
【図4】定着ローラと駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。
【図5】定着ローラと他の例の駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。
【図6】定着ローラの長手方向一端部と駆動ギアを示す斜視図である。
【図7】定着ローラと駆動ギアの嵌合部分を示す側面図である。
【符号の説明】
40 定着装置
50 定着ローラ
62 ハロゲンランプ
70 加圧ローラ
90,190 駆動ギア
94,194 凸
96,196 凹
Claims (5)
- 加熱体が内蔵された定着ローラと、この定着ローラに押し付けられる加圧ローラと、前記定着ローラの長手方向一端部の外周面に接触するように嵌め込まれて前記定着ローラを回転させるリング状の駆動ギアとを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラとが互いに接触するニップ部で記録媒体を挟持しながら定着する定着装置において、
前記駆動ギアは、
前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する凹凸が交互に連続してその内周面に形成されたものであり、
該凹凸のうち凸は、該駆動ギアの歯底の裏側に形成されたものであり、
該凹凸のうち凹は、該駆動ギアの歯先の裏側に形成されたものであることを特徴とする定着装置。 - 前記駆動ギアは、
前記定着ローラの長手方向に延びる凸状部がその内周面に形成されたものであり、
前記定着ローラは、
前記凸状部が嵌め込まれる切欠きが前記長手方向一端部に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、
その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する上辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に接触する円弧を有する半円状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凹は、
その断面の形状が、前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う下辺を有する台形状、若しくは前記定着ローラの前記長手方向一端部の外周面に向き合う円弧を有する半円状であることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の定着装置。 - 前記駆動ギアに形成された凹凸のうち凸は、
該凸が前記定着ローラに接触する面における法線が、前記駆動ギアの歯元隅肉曲線と歯型中心線に対して30°を成す接線との接点を通るように形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の定着装置。
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