JP5687042B2 - 両軸受リール及びその設計方法 - Google Patents

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本発明は、両軸受リール、特に、釣り糸を巻き取り及び繰り出し可能な両軸受リール及びその設計方法に関する。
両軸受リールでは、ハンドルの回転を増速して伝達する回転伝達機構によりスプールに釣り糸を巻き取っている。回転伝達機構は、ハンドルの回転に連動して回転する大径のドライブギアと、中心をスプール軸が貫通しドライブギアに噛み合うピニオンギアとを有している。両軸受リールでは、ハンドルの回転によりドライブギアを回転させ、ピニオンギアによりスプールを回転させ、スプールに釣り糸を巻き取っている(たとえば、特許文献1、2参照)。
特開2001−333674号公報 実開平4−129771号公報
前記従来の両軸受リールでは、ピニオンギアの中心をスプール軸が貫通しているため、ピニオンギアの歯底と貫通孔との間の肉厚、すなわち、歯底肉厚が他に比べ薄くなる。このことは、特に、歯数を少なくして巻き上げ比率を増やしているリールには顕著である。このように歯底肉厚が薄くなると、加工時に変形して安定した歯型精度が出ないだけでなく、巻き上げ時に容易に塑性変形して噛み合いが正常でなくなり、ギアノイズを発する等、回転フィーリングが悪くなることがある。そこで、歯底肉厚を厚くすることが考えられるが、歯底肉厚を単純に厚くするには、ピニオンギアの歯底径を大きくする必要があり、このため、ピニオンギアの大径化、すなわち、リール本体の大型化やギア比の低下を招くおそれが生じる。また、歯底肉厚を単純に厚くするには、スプール軸を細軸化して貫通孔を小径化したり、スプール軸を貫通させない方法が考えられるが、スプール軸を細軸化する方法では、スプールに荷重がかかった際にスプール軸の変形が大きくなる問題が発生したり、スプール軸を貫通させない方法では、スプールの支持点が近づくために、キャスト時のスプールの振動が大きくなるといった問題が生じる。
また、当業者においては、ピニオンギアを加工する時の変形を防ぐための目安として、歯底肉厚を歯車の正面モジュール(単位ミリメートル)以上に設計することが通例として知られている。しかし、歯車の正面モジュールを用いた歯底肉厚の目安は、ピニオンギア加工時の変形を避けるための目安にすぎないので、歯車の正面モジュールを用いた歯底肉厚によって設計したピニオンギアをスプール径やギア比等の異なるリールに組み込んだとしても、強度を高く維持できるピニオンギアが得られないおそれがある。このため、強度を高く維持できるピニオンギアを設計するためには、複数の選択肢からなる試作品を作製して強度試験を行ったり、3次元CAD(Computer Aided Design)システム等で複雑な解析を行う必要が生じる。
本発明の課題は、両軸受リールのピニオンギアにおいて、試作試験や複雑な解析を行うことなく、ピニオンギアとして最適な歯底肉厚を設計する上での目安となる数値を得るとともに、この目安によってピニオンギアを設計し、従来のものより強度を高く維持できるピニオンギアを得ることにある。
発明1に係る両軸受リールは、釣り糸を巻き取り及び繰り出し可能な両軸受リールであって、リール本体と、スプール軸と、スプールと、ハンドル軸と、ハンドルと、ドライブギアと、ピニオンギアとを備えている。スプール軸は、リール本体に回転自在に装着される。スプールは、スプール軸に回転自在に支持され、外周に釣り糸が巻き付けられる。ハンドル軸は、スプール軸と平行に配置され、リール本体に回転自在に支持される。ハンドルは、ハンドル軸の先端部に一体回転可能に固定される。ドライブギアは、ハンドル軸の基端部に一体回転可能に装着される。ピニオンギアは、中心を前記スプール軸が貫通し、スプール軸に一体回転可能に固定される筒状部と、筒状部の外周部に形成されドライブギアに噛み合う歯部とを有している。ピニオンギアは、歯部の歯底肉厚(a)が、スプールの外径(b)と歯部の高さ(c)との積を、歯部の歯底径(d)とドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(e)との積で除したもの(f)を超えるように形成されている。
この両軸受リールでは、歯部の歯底肉厚(=歯部の歯底径と貫通孔の内径との差の1/2)(a)が、スプールの外径(b)と歯部の高さ(=歯丈、歯部の歯先径と歯部の歯底径との差の1/2)(c)との積を、歯部の歯底径(d)とドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)})を超えるように((a)>(f))、ピニオンギアを設計している。
また、発明者等は、ピニオンギアの強度が歯面そのものの変形より、歯底肉部分の変形の影響が大きいことから、歯面からの荷重が曲げモーメントとして歯底肉部に作用すると考え、歯部の歯底肉厚(a)と歯部の高さ(c)との比率(a/c)を1以上とすることを設計の目安として用いることを考えた。この考えに基いて、歯部の歯底肉厚(a)と歯部の高さ(c)との比率(a/c)が1以上となる各諸元のピニオンギアを試作し、従来に比してピニオンギアの強度が向上することを確認した。しかし、この方法では、スプールやピニオンギアのサイズが異なるリールでも同じ結果となるため、それぞれに最適な設計ができないことがあった。そこで、発明者等は、歯部の歯底肉厚(a)と歯部の高さ(c)との比率(a/c)と、スプールにかかる張力とピニオンギア歯底部での荷重との比率であるスプールの外径(b)と歯部の歯底径(d)との比率(b/d)に、巻上げトルクに起因する各歯面での荷重の比率であるピニオンギア径とドライブギア径の比率(ドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)の逆数(1/e))を乗じたもの(ピニオンギア径とドライブギア径の比率とを比較することを考えた。この結果、歯部の歯底肉厚(a)と歯部の高さ(c)との比率(a/c)が、スプールの外径(b)と歯部の歯底径(d)との比率(b/d)にドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)の逆数(1/e)を乗じたものより大きいとき、すなわち、歯部の歯底肉厚(a)と歯部の高さ(c)との比率(a/c)が、スプールの外径(b)と歯部の歯底径(d)との比率(b/d)をドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)で除したものより大きいとき、従来のものより強度を高く維持できることを知見した。
以上のことから、歯部の歯底肉厚(a)をスプールの外径(b)に対するドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)の割合によって算出しているので、ピニオンギアとして最適な歯底肉厚を設計する上での目安となる数値を得ることができ、この目安によってリールのサイズやギア比に応じた最適な強度を有するピニオンギアを設計できる。したがって、従来のように試作試験や複雑な解析を行うことなく、従来のものより強度を高く維持できるピニオンギアを得ることができる。
なお、本発明の数式によれば、歯部の高さ(c)を低くすれば、ピニオンギアの強度を高くできるが、歯部の高さ(c)を低くする方法としては、低歯の歯型を用いるほか、歯車モジュールを小さくすることでも、歯部の高さ(c)の低いピニオンギアを得ることができる。
発明2に係る両軸受リールは、発明1の両軸受リールにおいて、ピニオンギアの両端を支持する軸受をさらに備えている。この場合、発明1の構成では、歯部の高さ(=歯丈)(c)を小さくすれば、必要な歯部の歯底肉厚(a)を小さくすることができるが、このように歯部の高さ(=歯丈)(c)を小さくした場合でも、ピニオンギアの両端が軸受で支持されているので、荷重がかかった噛み合い時に歯とびするのを防止できる。
発明3に係る両軸受リールの設計方法は、釣り糸を巻き取り及び繰り出し可能な両軸受リールの設計方法である。両軸受リールは、リール本体と、スプール軸と、スプールと、ハンドル軸と、ハンドルと、ドライブギアと、ピニオンギアとを備えている。スプール軸は、リール本体に回転自在に装着される。スプールは、スプール軸に回転自在に支持され、外周に釣り糸が巻き付けられる。ハンドル軸は、スプール軸と平行に配置され、リール本体に回転自在に支持される。ハンドルは、ハンドル軸の先端部に一体回転可能に固定される。ドライブギアは、ハンドル軸の基端部に一体回転可能に装着される。ピニオンギアは、中心を前記スプール軸が貫通し、スプール軸に一体回転可能に固定される筒状部と、筒状部の外周部に形成されドライブギアに噛み合う歯部とを有している。両軸受リールの設計方法は、ピニオンギアを、歯部の歯底肉厚(a)が、スプールの外径(b)と歯部の高さ(c)との積を、歯部の歯底径(d)とドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(e)との積で除したもの(f)を超えるように設計する。
この両軸受リールの設計方法では、歯部の歯底肉厚(a)が、スプールの外径(b)と歯部の高さ(=歯丈)(c)との積を、歯部の歯底径(d)とドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)})を超えるように((a)>(f))、ピニオンギアを設計している。ここでは、歯部の歯底肉厚(a)をスプールの外径(b)に対するドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(=ギア比)(e)の割合によって算出しているので、ピニオンギアとして最適な歯底肉厚を設計する上での目安となる数値を得ることができる。
本発明によれば、両軸受リールにおいて、ピニオンギアは、スプール軸に一体回転可能に固定される筒状部と、筒状部の外周部に形成されドライブギアに噛み合う歯部とを有している。ピニオンギアは、歯部の歯底肉厚(a)が、スプールの外径(b)と歯部の高さ(c)との積を、歯部の歯底径(d)とドライブギアを1回転させたときのピニオンギアの回転数(e)との積で除したもの(f)を超えるように形成されているので、従来のように試作試験や複雑な解析を行うことなく、従来のものより強度を高く維持できるピニオンギアを得ることができる。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。 前記両軸受リールの平面断面図。 前記両軸受リールの回転伝達機構周囲の分解斜視図。 前記回転伝達機構のピニオンギアの拡大分解斜視図。 本発明及び従来の前記ピニオンギアの寸法を示す表。 本発明及び従来のドラグ力毎の回転フィーリングの評点を調査した官能検査結果を示す表。 図6の試験結果を示す折れ線グラフ。
<全体構成>
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、図1に示すように、たとえば、ジギングに使用する中型の丸型リールである。丸型リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたスタードラグ3とを備えている。リール本体1には、スプール15が回転自在に装着されている。リール本体1は、釣竿取付脚4を介して釣竿Rに装着され得る。
リール本体1は、図2に示すように、フレーム5と、第1側カバー13と、第2側カバー14と、機構装着板16と、を有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて配置された第1側板10及び第2側板11と、第1側板10と第2側板11を連結する複数の連結部材12とを有している。第1側カバー13は、第1側板10の外方を覆うように第1側板と一体形成されている。第2側カバー14は、第2側板11の外方を覆うように第2側板11に固定されている。機構装着板16は第2側板11に配置され、機構装着板16と第2側カバー14との間には、後述する各種機構を収納するための空間が形成されている。
フレーム5はダイキャスト成形により得られ、第2側カバー14は、金属薄板をプレス成形して得られる。第1側板10、第2側板11及び第1側カバー13は、それぞれ側面から見て円形をなしており、外周面はたとえば旋盤等を用いて機械加工されている。第2側カバー14及び機構装着板16は、図1及び図2に示すように、側面から見て円形の一部が径方向に突出した形状である。第2側カバー14は、後述するハンドル軸30の装着部分を中心に軸方向外方にも膨出している。
複数の連結部材12は、第1側板10及び第2側板11の外周に沿う形状で第1側板10及び第2側板11と一体で形成された板状の部材である。複数の連結部材12は、たとえば、リール本体1の後部と下部と前部との3箇所で第1側板10及び第2側板11を連結している。このように第1側板10及び第2側板11と複数の連結部材12とを一体で形成することで、リール本体1に大きな荷重が作用しても撓み等の変形が生じがたく、巻き上げ効率の低下が抑制される。この連結部材12の外周部も第1側板10、第2側板11及び第1側カバー13と一体で機械加工されている。
下部の連結部材12には釣竿取付脚4が固定されている。釣竿取付脚4は、フレーム5の第1側板10及び第2側板11の間の中心位置に沿って前後方向に配置されている。この中心位置は、スプール15の糸巻部分の中心位置でもある。後部の連結部材12には、リールを釣竿Rとともに保持するための合成樹脂製のサムレスト17が装着されている。
サムレスト17は、連結部材12の上部と後部とに接するように形成され、かつ後部が第1側板10及び第2側板11から径方向外方、つまり後方に突出している。サムレスト17の上面後部は、下方に凸に湾曲しながら傾斜している。また、サムレスト17の上面後部の左端及び右端は、後方への突出量が左側にいくにつれて徐々に減少している。
このような形状のサムレスト17を設け、このサムレスト17にたとえば左手の親指を置いて他の指で釣竿Rを掴み釣竿Rとともにリールを握ることで、バーチカルジギング時等に釣竿Rをリールとともに確実に保持できる。
ハンドル2は、図1及び図2に示すように、ハンドル軸30の先端に回転不能に装着されたクランクアーム6と、クランクアーム6の一端にクランクアーム6の一端部と直交する把手軸芯回りに回転自在に装着されたハンドル把手7とを有している。ハンドル2において、ハンドル把手7の基端部の回転平面がクランクアーム6のハンドル軸30への固定部分の回転平面よりリール本体1側に接近している。このことにより、ハンドル把手7と釣竿Rとの距離が従来に比べて近くなり、ハンドル把手7を回して釣り糸を巻き上げたときの釣竿Rの軸回りのトルクが小さくなり、ハンドル巻き上げ効率の低下を効果的に抑えることができる。
スプール15は、図2に示すように、第1側板10及び第2側板11間に回転自在に配置されている。スプール15の中心にはスプール軸25が貫通して固定されている。スプール軸25は第1側カバー13及び機構装着板16に軸受26a及び軸受26bを介して回転自在に各別に支持されている。スプール軸25の両端には、キャスティングコントロール機構36が配置されている。
機構装着板16と第2側カバー14の間の空間には、ハンドル2からのトルクをスプール15に伝えるための回転伝達機構20と、回転伝達機構20内に設けられたクラッチ機構21と、クラッチ機構21をオンオフ操作するためのクラッチ操作機構22とが配置されている。
<回転伝達機構の構成>
回転伝達機構20は、スプール15からハンドル2側にトルクが逆に伝達された場合のトルクを規制するための回転制御機構23を含んでいる。また、第2側板11の中心部には糸繰り出し方向に自由回転するスプール15を制動するための遠心ブレーキ機構24が配置されている。第1側板10の外側で第1側カバー13内には、スプール15回転時に発音させる発音機構や根がかりしたとき等にスプール15を完全にロックして糸切れしやすくするためのロック機構等が配置されている。
回転伝達機構20は、図3に示すように、一端にハンドル2が固定されたハンドル軸30と、ハンドル軸30の他端に回転制御機構23を介して連結されたドライブギア31と、ドライブギア31に噛み合うピニオンギア32とを有している。ドライブギア31は、ハンドル軸30の一端側に回転制御機構23を介してハンドル軸30と一体回転するように連結される。
ハンドル軸30は、スプール軸25と平行に配置されている。ハンドル軸30は、一端が軸受35aを介して機構装着板16に回転自在に支持され、中間部が軸受35bを介して第2側カバー14の第1ボス部14aに回転自在に支持されている。
ドライブギア31は、外周に多数のギア歯31aを有し、ハンドル軸30に回転自在に装着されている。
ピニオンギア32は、回転伝達機構20を構成するとともにクラッチ機構21としても機能する。ピニオンギア32は、一端に形成された十字の噛み合い溝32aと、中間に形成されたくびれ部32bと、くびれ部32bに隣接して形成された多数のギア歯32cと、他端に形成されギア歯32cの貫通孔32eを貫通する軸受支持部32dとを有している。ギア歯32cはドライブギア31のギア歯31aに噛み合っている。
ピニオンギア32は、図2、図4及び図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(ギア歯32cの歯底径(d)と貫通孔32eの内径(h)との差の1/2)(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈、ギア歯32cの歯先径(g)とギア歯32cの歯底径(d)との差の1/2)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)})を超えるように((a)>(f))形成されている。
具体的には、本発明を採用した機種Aでは、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が1.21mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が49.10mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が0.88mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が6.03mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が6.39である。したがって、機種Aでは、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、1.12mmとなり、(a=1.21mm)>(f=1.12mm)となっている。
また、本発明を採用した機種Bでは、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が2.48mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が59.60mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が0.88mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が9.16mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が5.15である。したがって、機種Bでは、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、1.11mmとなり、(a=2.48)>(f=1.11)となっている。
また、本発明を採用した機種Cでは、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が1.04mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が34.00mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が0.50mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が5.09mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が7.00である。したがって、機種Cでは、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、0.48mmとなり、(a=1.04)>(f=0.48)となっている。
また、本発明を採用した機種Dでは、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が1.19mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が34.00mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が0.25mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が5.39mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が7.02である。したがって、機種Dでは、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、0.23mmとなり、(a=1.19)>(f=0.23)となっている。
また、本発明を採用した機種Eでは、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が1.75mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が59.60mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が0.88mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が7.71mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が6.22である。したがって、機種Eでは、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、1.10mmとなり、(a=1.75)>(f=1.10)となっている。
なお、参考例として記載とするが、本発明を採用していない従来機種1では、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が2.04mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が59.60mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が1.89mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が8.28mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が5.08である。したがって、従来機種1では、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、2.68mmとなり、(f=2.68)>(a=2.04)となっている。すなわち、従来機種1では、本発明のように(a)>(f)となっていない。
また、本発明を採用していない従来機種2では、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が0.94mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が36.70mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が1.14mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が4.90mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が6.00である。したがって、従来機種2では、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、1.42mmとなり、(f=1.42)>(a=0.94)となっている。すなわち、従来機種2では、本発明のように(a)>(f)となっていない。
また、本発明を採用していない従来機種3では、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が3.05mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が121.00mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が2.25mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が14.10mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が2.47である。したがって、従来機種3では、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、7.82mmとなり、(f=7.82)>(a=3.05)となっている。すなわち、従来機種3では、本発明のように(a)>(f)となっていない。
また、本発明を採用していない従来機種4では、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が5.55mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が121.00mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が2.25mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が22.50mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が1.32である。したがって、従来機種4では、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、9.17mmとなり、(f=9.17)>(a=5.55)となっている。すなわち、従来機種4では、本発明のように(a)>(f)となっていない。
また、本発明を採用していない従来機種5では、図5に示すように、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が1.28mmであり、スプール15の外径(b)(最大外径)が59.60mmであり、ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)が1.89mmであり、ギア歯32cの歯底径(d)が6.75mmであり、ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)が6.18である。したがって、従来機種5では、ギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)}が、2.70mmとなり、(f=2.70)>(a=1.28)となっている。すなわち、従来機種5では、本発明のように(a)>(f)となっていない。
また、本発明を採用した機種E及び本発明を採用していない従来機種5について、図6及び図7に示すような官能試験を行った。ここでは、ドラグ力を複数段階(0から10)に変更し、各段階の回転フィーリングに関する評点(0から5)を判定する官能検査を複数の被験者により行った。具体的には、被験者は、各段階のドラグ力を作用させた状態で釣り糸を所定長さ(5m)を所定回数(5回)だけ繰り出し後、繰り出された釣り糸を無負荷で巻き上げる動作を行い、このときの回転フィーリングに関する評点(0から5)を判定することにより行う。ここで、回転フィーリングに関する評点とは、0から5の順に回転フィーリングが良好になる評点であって、たとえば、1は釣人が明らかに悪いと感じるギア交換が推奨されるレベルの評点であり、2は製品として出荷される下限レベルの評点であり、3は平均的なレベルの評点であり、5が釣人が最も良好であると感じるレベルの評点である。この官能検査の結果の平均値を図6及び図7に表及びグラフで示す。図7では、縦軸に回転フィーリングに関する平均評点をとり、横軸にドラグ力をとっている。
本発明を採用した機種Eでは、図6及び図7に示すように、ドラグ力が0〜4であるときは回転フィーリングに関する平均評点が4.00になっており、ドラグ力が5〜6であるときは回転フィーリングに関する平均評点が3.50になっており、ドラグ力が7〜10であるときは回転フィーリングに関する平均評点が3.00になっている。
また、本発明を採用していない従来機種5では、図6及び図7に示すように、ドラグ力が0〜3であるときは回転フィーリングに関する平均評点が3.50になっており、ドラグ力が4であるときは回転フィーリングに関する平均評点が2.67になっており、ドラグ力が5であるときは回転フィーリングに関する平均評点が2.50になっており、ドラグ力が6であるときは回転フィーリングに関する平均評点が2.17になっており、ドラグ力が7であるときは回転フィーリングに関する平均評点が1.83になっており、ドラグ力が8であるときは回転フィーリングに関する平均評点が1.33になっており、ドラグ力が9〜10であるときは回転フィーリングに関する平均評点が1.00になっている。
以上の官能試験によって、本発明を採用した(a)>(f)となっている機種Eは、本発明を採用していない(a)>(f)となっていない従来機種5に比して、ドラグ力がどの段階であっても、回転フィーリングに関する平均評点が良好になる結果が得られた。
なお、図4では、ネジレ角のない平歯車で描かれているが、ネジレ角が10度から20度程度の斜歯歯車であってもよい。この場合、ネジレ角を持たせることで、同じ歯数、同じ歯車モジュールであってもピッチ円径を大きくすることができる。
ピニオンギア32は歯数が多く、ギア歯32cの歯の高さが低い。このため、ピニオンギア32に高い噛み合い精度が要求される。これを実現するためにピニオンギア32は、リール本体1に両端が支持されている。具体的には、噛み合い溝32aが形成されたピニオンギア32の一端と、軸受支持部32dが形成された他端とが、軸受27a及び軸受27aを介して機構装着板16に、軸受27bを介して第2側カバー14の第2ボス部14bに回転自在に各別に支持されている。また、ピニオンギア32は、スプール軸方向に図2のスプール軸芯の下側に図示したクラッチオン位置とスプール軸芯の上側に図示したクラッチオフ位置とに往復移動可能である。
このような構成では、クラッチ機構21がオンされた状態では、ハンドル2からのトルクがスプール15に直接伝達される。
クラッチ機構21は、スプール軸25の外周部にスライド自在に装着された筒状のピニオンギア32と、ピニオンギア32の一部に配置された噛み合い溝32aと、スプール軸25に配置されたクラッチピン33と、を有している。スプール軸25に沿ってピニオンギア32を摺動させ、噛み合い溝32aをクラッチピン33と係合させれば、スプール軸25とピニオンギア32との間で回転力が伝達される。この状態が連結状態(クラッチオン状態)である。噛み合い溝32aとクラッチピン33の係合を外せば、スプール軸25とピニオンギア32との間で回転力は伝達されない。この状態が遮断状態(クラッチオフ状態)である。クラッチオフ状態では、スプール15は自由に回転する。ピニオンギア32は、クラッチ操作機構22により噛み合い溝32aとクラッチピン33とが係合する方向、すなわちクラッチオン状態に付勢されている。
回転制御機構23は、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させる(糸繰り出し方向の回転を禁止する)ローラ型のワンウェイクラッチ55と、ドラグ機構57と、爪式のワンウェイクラッチ60と、を有している。ドラグ機構57は、スプール15の糸繰り出し方向の回転に対して設定した制動力を作用させるための機構である。ドラグ機構57は、スタードラグ3によりドラグ力を調整可能である。ドラグ機構57は、図3に示すように、ハンドル軸30に装着された複数のドラグ座金57aを有している。ドラグ座金57aは一部がハンドル軸30に一体回転可能に装着され、残りがハンドル軸30に回転自在に装着されている。
爪式のワンウェイクラッチ60は、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させるものである。爪式のワンウェイクラッチ60は、図2及び図3に示すように、ハンドル軸30に一体回転可能に装着されたラチェットホイール61と、ラチェットホイール61に噛み合い可能なラチェット爪62と、を有している。ラチェット爪62は、ラチェットホイール61側に付勢されている。
なお、ハンドル軸30の逆転(糸繰り出し方向の回転)を禁止するだけであれば、爪式のワンウェイクラッチ60のみを設けてローラ型のワンウェイクラッチ55を省いてもよい。しかし、ワンウェイクラッチ60は、ラチェット爪62がラチェットホイール61に噛み合ったり外れたりする動作にある程度の時間がかかる。釣りの動作に要求される迅速で滑らかな逆転禁止動作を果たすには、前記のようなローラ型のワンウェイクラッチ55が好ましく、ワンウェイクラッチ55では負担できないような過大な力を爪式のワンウェイクラッチ60で負担することが有効である。
クラッチ操作機構22は、クラッチ機構21をクラッチオン及びクラッチオフ操作するためのクラッチ操作レバー40を有し、クラッチ操作レバー40の操作に連動してピニオンギア32をクラッチオン位置とクラッチオフ位置とに移動させる。
<両軸受リールの動作>
次に、ジギング時の丸形リールの動作について説明する。
釣り糸を繰り出す時には、クラッチ操作レバー40を操作してクラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。この結果、スプール15が自由回転状態になり、ジグ(仕掛け)の自重によりスプール15が糸繰り出し方向に回転し、釣り糸がスプール15から繰り出される。
ジグが海底に到達するとハンドル2を糸巻取方向に回転させてバーチカルジギングを開始する。ハンドル2を糸巻取方向に回転させると、図示しないクラッチ復帰機構の作用により、クラッチ機構21がクラッチオン状態になる。またハンドル2の回転がドライブギア31からピニオンギア32を介してスプール15に伝達され、スプール15が糸巻取方向に回転する。このとき、ワンウェイクラッチ55及び爪式のワンウェイクラッチ60では、回転が糸巻取方向であるので回転を許容する。
バーチカルジギングを行うときには、たとえば、左の脇に釣竿Rの図示しない後端部を挟み、リール本体1の後部に固定されたサムレスト17に左手の親指を置き、残りの指で釣竿Rを掴んでリールと釣竿Rとを保持し、左手で釣竿Rをしゃくりつつ右手でハンドル2のハンドル把手7をつまみ、高速でハンドル軸30を回すポンピング動作を繰り返す。この場合には、ハンドル2の回転数がさらに早くなるため、振幅をさらに感じにくくなり、さらに回転フィーリングが向上する。
ハンドル2を糸巻取方向に回転させると、ハンドル2の回転がハンドル軸30からワンウェイクラッチ55、ドラグ機構57を介してドライブギア31にそのまま伝達される。このときクラッチ機構21はクラッチオン状態であるため、ドライブギア31の回転はピニオンギア32からスプール15に伝達されて、釣り糸が巻き上げられる。
次に、魚の引きなどで釣り糸が繰り出される際には、スプール15の回転がドライブギア31に伝達され、ドラグ機構57を介してハンドル軸30およびワンウェイクラッチ55に伝わる。ワンウェイクラッチ55ではハンドル軸30の逆転が禁止される。魚の引きが弱ければ、スプール15は回転せず釣り糸が引き出されることもない。そして、魚の引きが強くなりスプール15の回転力が大きくなると、伝達される回転力がドラグ機構57の設定回転抵抗力を超える。すると、ドラグ機構57で滑りが生じるので、ドライブギア31を含むスプール15側は回転を始める。このとき、スプール15には常にドラグ機構57から一定の抵抗力すなわちドラグ力が作用する。このとき、ピニオンギア32には、径方向に強い反力が作用するが、ピニオンギア32は、軸受27a及び軸受27bにより両端支持されているため、ピニオンギア32が径方向に逃げなくなり、ドライブギア31との噛み合いが維持される。
このような両軸受リールでは、ピニオンギア32のギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)とドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)})を超えるように((a)>(f))形成されている。ここでは、ピニオンギア32のギア歯32cの歯底肉厚(a)をスプール15の外径(b)に対するドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)の割合によって算出しているので、ピニオンギア32として最適なギア歯32cの歯底肉厚(a)を設計する上での目安となる数値を得ることができ、この目安によってリールのサイズやギア比(e)に応じた最適な強度を有するピニオンギア32を設計できる。したがって、従来のように試作試験や複雑な解析を行うことなく、従来のものより強度を高く維持できるピニオンギア32を得ることができる。
〔他の実施形態〕
前記実施形態では、両軸受リールの機種A〜機種Dを例にあげて説明したが、これらに限定されるものではなく、ピニオンギア32のギア歯32cの歯底肉厚(a)が、スプール15の外径(b)(最大外径)とギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈)(c)との積を、ギア歯32cの歯底径(d)ドライブギア31を1回転させたときのピニオンギア32の回転数(ギア比)(e)との積で除したもの(f={(b*c)/(d*e)})を超えるように((a)>(f))形成されていれば、どのようなサイズの両軸受リールにも本発明を適用できる。
1 リール本体
2 ハンドル
3 スタードラグ
4 釣竿取付脚
5 フレーム
6 クランクアーム
7 ハンドル把手
10 第1側板
12 連結部材
13 第1側カバー
14 第2側カバー
14a 第1ボス部
14b 第2ボス部
15 スプール
16 機構装着板
17 サムレスト
20 回転伝達機構
21 クラッチ機構
22 クラッチ操作機構
23 回転制御機構
24 遠心ブレーキ機構
25 スプール軸
26a、26b、27a、27b 軸受
30 ハンドル軸
31 ドライブギア
31a ギア歯
32 ピニオンギア
32a 噛み合い溝
32b くびれ部
32c ギア歯
32d 軸受支持部
32e 貫通孔
33 クラッチピン
35a、35b 軸受
36 キャスティングコントロール機構
40 クラッチ操作レバー
55 ワンウェイクラッチ
57 ドラグ機構
57a ドラグ座金
61 ラチェットホイール
62 ラチェット爪
R 釣竿
a ギア歯32cの歯底肉厚(ギア歯32cの歯底径(d)と貫通孔32eの内径(h)との差の1/2)
b スプール15の外径(スプール15の最大外径)
c ギア歯32cの高さ(ギア歯32cの歯丈、ギア歯32cの歯先径(g)とギア歯32cの歯底径(d)との差の1/2)
d ギア歯32cの歯底径
e ギア比
f (b*c)/(d*e)
g ギア歯32cの歯先径
h 貫通孔32eの内径

Claims (3)

  1. 釣り糸を巻き取り及び繰り出し可能な両軸受リールであって、
    リール本体と、
    前記リール本体に回転自在に装着されたスプール軸と、
    前記スプール軸に回転自在に支持され、外周に前記釣り糸が巻き付けられるスプールと、
    前記スプール軸と平行に配置され、前記リール本体に回転自在に支持されたハンドル軸と、
    前記ハンドル軸の先端部に一体回転可能に固定されたハンドルと、
    前記ハンドル軸の基端部に一体回転可能に装着されたドライブギアと、
    中心を前記スプール軸が貫通し、前記スプール軸に一体回転可能に固定される筒状部と、前記筒状部の外周部に形成され前記ドライブギアに噛み合う歯部とを有するピニオンギアとを備え、
    前記ピニオンギアは、前記歯部の歯底肉厚が、前記スプールの外径と前記歯部の高さとの積を、前記歯部の歯底径と前記ドライブギアを1回転させたときの前記ピニオンギアの回転数との積で除したものを超えるように形成されている、両軸受リール。
  2. 前記ピニオンギアの両端を支持する軸受をさらに備える、請求項1に記載の両軸受リール。
  3. 釣り糸を巻き取り及び繰り出し可能な両軸受リールの設計方法であって、
    前記両軸受リールは、
    リール本体と、
    前記リール本体に回転自在に装着されたスプール軸と、
    前記スプール軸に回転自在に支持され、外周に前記釣り糸が巻き付けられるスプールと、
    前記スプール軸と平行に配置され、前記リール本体に回転自在に支持されたハンドル軸と、
    前記ハンドル軸の先端部に一体回転可能に固定されたハンドルと、
    前記ハンドル軸の基端部に一体回転可能に装着されたドライブギアと、
    中心を前記スプール軸が貫通し、前記スプール軸に一体回転可能に固定される筒状部と、前記筒状部の外周部に形成され前記ドライブギアに噛み合う歯部とを有するピニオンギアとを備え、
    前記ピニオンギアを、前記歯部の歯底肉厚が、前記スプールの外径と前記歯部の高さとの積を、前記歯部の歯底径と前記ドライブギアを1回転させたときの前記ピニオンギアの回転数との積で除したものを超えるように設計する、両軸受リールの設計方法。
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