JP4144768B2 - 顕微鏡の遠隔操作方法および装置 - Google Patents

顕微鏡の遠隔操作方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、宇宙ステ一ション等に設置される顕微鏡の遠隔操作装置に係り、特に顕微鏡のフォーカスを地球から操作する遠隔操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
宇宙ステーションの建設やステーションでの様々な作業や実験に際し、宇宙飛行士の作業量やステーション計算機の負荷を削減するために、地上から遠隔操作する種々の支援システムが提案されている。例えば、宇宙ロボットに搭載したテレビカメラで撮像した画像を観測しながら、地上のオペレータが遠隔操作する実画像支援方式がある。
【0003】
実画像支援方式は伝送遅延時間が大きいため、地上から与えた操作指令と宇宙ステーションにある機器の動きに時間差を生じ、例えば宇宙ロボットのアーム制御では、予測によるアーム軌跡の安全性や信頼性の確保に問題がある。また、遠隔制御中にステーションが地球の裏側となって、通信が中断してしまうこともある。さらに、ロボットのアーム制御では、制御指令がジョイスティックによる連続量となるのでデータ量が多い。このため、宇宙ステーションが複数の遠隔装置を備える場合は、一台当りの操作指令のデータ量が制限され、十分な支援環境を提供できないことがある。
【0004】
この実画像支援方式の問題点を低減するために、入力操作による指令値を基にロボット等の動作を予めシミュレーションし、シミュレーション画像に基づいて次の操作指令を作成する、バ一チャルリアリティ支援方式が提案されている(特開平7−52068号公報)。これによれば、宇宙と地上の間での画像伝送が少なくなるので、その分、伝送遅延時間やデータ量を低減できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の実画像支援方式やバ一チャルリアリティ支援方式によっても、操作指令をジョイスティック等による連続量で与える場合には、操作指令データ量が多量になり、また伝送遅延時間が増大する問題点が解決できない。このため、宇宙ステーションに多数の遠隔装置が設置される場合に、全体として操作指令データ量が制限され、特に優先度の低い装置のデータ量はさらに低減され、あるいはステーション計算機の制御環境から除外されてしまう。操作指令データ量が制限された場合は操作性が悪化し、効率的な作業をすることができない。
【0006】
このように比較的優先度の低い遠隔装置の一つに宇宙実験用の顕微鏡がある。顕微鏡のフォーカス制御指令は、ジョイスティックによる連続量となるのでデータ量が多い。このため、従来は地上からの遠隔操作の対象外とされ、宇宙飛行士がステーションの制御装置により操作していた。
【0007】
本発明の第1の目的は、従来の宇宙空間における遠隔操作の問題点に鑑み、地上からの操作指令のデータ量を低減できる顕微鏡の遠隔操作装置を提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、地上との通信不良からの回復時に、宇宙での制御を地上側で継続できる顕微鏡の遠隔操作装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成する本発明は、宇宙局に設置された顕微鏡を地上局から操作しながら、顕微鏡画像の試料を地上局のモニタで観察する遠隔操作方法において、前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、該画像から所定の画像処理によってピントの合う焦点位置を求め、該焦点位置をデータに含む操作指令を生成して前記宇宙局に送信し、ピント調整された顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする。
【0010】
あるいは、前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、前記モニタに表示された顕微鏡画像上で前記試料の任意の部位を画像中央部に移動する観察位置の設定を行い、該観察位置をデータに含む操作指令を生成して前記宇宙局に送信し、観察したい任意の部位を中央部とする顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする。
【0011】
あるいは、前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、前記モニタに表示された顕微鏡画像上で前記試料の任意の部位を画像中央部に移動する観察位置の設定を行うとともに、前記観察位置を設定する前または後に、受信した前記顕微鏡画像から所定の画像処理によってピントの合う焦点位置を求め、前記観察位置と前記焦点位置をデータに含む操作指令を前記宇宙局に送信することを特徴とする。
【0012】
また、前記操作指令は顕微鏡の倍率をデータとして含み、該倍率が変更される場合は変更後の受信画像から前記焦点位置を求めて、ピントの再調整を行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記所定の画像処理は、焦点距離の関数である劣化関数を作用させて理想画像を求め、その鮮鋭化画像と理想画像の偏差が最小となる焦点距離を求めて、前記ピントの合う焦点位置とすることを特徴とする。
【0014】
上記第2の目的を達成する本発明は、宇宙局に設置される顕微鏡を地上局から操作しながら観察を行う顕微鏡の遠隔制御装置において、前記宇宙局に、操作指令に基づいて制御信号を出力し前記顕微鏡を調整する制御手段と、前記顕微鏡の観察像を電気信号の映像に変換する撮像手段と、前記映像を表示するモニタと、映像を見ながら焦点や観察位置を調整するジョイスティック等の操作手段と、該操作手段からのデータで前記操作指令を生成する操作指令作成手段と、前記地上局と送受信する通信手段を備え、前記地上局に、前記宇宙局からの映像を表示するモニタと、モニタ画面上で位置指定を行うマウス等の操作手段と、前記モニタの画面上で設定された観察位置や前記映像から求めたピントの合う焦点位置を含む操作指令を生成する操作指令作成手段と、前記宇宙局と送受信する通信手段を備え、前記地上局からの通信が中断したときに以後の顕微鏡観察を前記宇宙局で継続し、前記地上局への通信が回復したときに前記宇宙局の操作指令作成手段による操作指令と前記撮像手段による映像を前記地上局へ送信し、以後の顕微鏡観察を前記地上局へ切り替る構成としたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、上記した第1の目的を達成する発明の実施例1と、第2の目的を達成する発明の実施例2のそれぞれを、図面にしたがって詳細に説明する。
【0016】
〔実施例1〕
図1は、一実施例による宇宙空間にある顕微鏡の遠隔操作システムの構成図で、左側が宇宙ステーション側の機器構成、右側が地上局側の機器構成を示している。地上局側遠隔制御装置(以下、地上局)1は操作部10、操作指令生成部20、画像処理部25及び地上側通信部30から、宇宙ステーション側遠隔装置(以下、宇宙局)2は通信部40、制御部50及び顕微鏡60から構成される。地上側の通信部30と宇宙側の通信部40は、通信データ量に制約のある衛星通信経路3で結ばれている。なお、本実施例での宇宙ステーションは、宇宙空間に浮かぶ人工衛星のみならず、実在の惑星や衛星等に建設された基地も含む。
【0017】
地上側の操作部10はマウス11、画像表示の可能なモニタ12、キーボード13などで構成される。操作指令生成部20は、操作部10からの指示に基づいて、顕微鏡60の照明の光量、倍率、焦点(フォーカス)、試料の観察位置などの操作指令を生成し、通信部30から宇宙ステーションへ送信する。画像処理部25は、モニタ画像を取り込んでディジタル化し、後述する焦点距離zの関数である劣化関数を作用させた画像処理(演算)を行い、その処理結果より操作指令生成部20で最適焦点距離を求める。
【0018】
宇宙側に設置される顕微鏡60はXYZステージ61、ビデオカメラ62とその光学系63、対物レンズレボルバ64、位相リング夕一レツト65、ハロゲン光源66、キセノン光源67などで構成される。通信部40は地上局1から受信した操作指令を解読し、制御部50へ伝送する。制御部50は各操作指令により顕微鏡の照明66、67の光量や、顕微鏡の対物レンズレボルバ64の倍率や、XYZステージ61のZ方向(焦点位置)やXY方向(観察位置)を調整する制御信号を顕微鏡60へ出力する。
【0019】
この他にも、位相リング夕一レツト64への操作指令を地上局1から出力することで、位相差観察のための各種フィル夕を切替えることができる。また、ハロゲン光源66の代わりに、キセノン光源66の点灯や光量の指令を地上局1から出力すると、試料の蛍光観察が可能になる。
【0020】
これら制御指令により調整された顕微鏡60で観察された光学像は、光学系63、ビデオカメラ62を介して、通信部40から地上局1へ送信される。そして、地上局側の通信部30を経由してモニタ12に表示される。
【0021】
次に、本実施例による顕微鏡の遠隔操作システムの動作を説明する。最初に、宇宙飛行士が試料αをXYZステージ61に載置し、照明66(または、67)を点灯すると、その光学像がカメラ62を介して画像信号に変換され、地上に送信される。地上側通信部30はステーションからの顕微鏡画像を受信すると、モニタ12に表示する。
【0022】
図2に、地上側遠隔制御装置の処理フロー図を示す。地上局1はステーションからの顕微鏡画像を受信すると、その信号の受信を確認して操作指令生成部の処理を開始する(s10)。なお、地上の観察者がモニタ12に表示された顕微鏡画像を確認して、開始を指示するようにしてもよい。
【0023】
まず、受信画像の現在の輝度値を基に求めた必要な光量、あるいはキーボード13からの設定値により、ハロゲン光源65の光量調節指令を出力し(s20)、顕微鏡60のハロゲン光源66の光量を制御する。続いて、顕微鏡60の倍率mを観察スケジュールに従って設定し、倍率調節指令を出力する(s30)。たとえば、倍率mは×4、×10、×20、×40等のスケジュールにより設定変更される。
【0024】
次に、顕微鏡60の焦点fの調整指令を出力し、XYZステージ61のZ軸を移動して試料αの光学像のピントを調節する(s40)。続いて、画面上でマウス11から指示された観察部位の移動位置を取り込んで移動の調整指令を出力し、XYZステージ61のXY軸を移動して観察部位を画面の中央部に制御する(s50)。これらs40、s50の処理の詳細は後述する。
【0025】
この結果、観察部位を画面中央部とし、ピントの合った最適画像がステーションから送信されてくる。一定時間の経過または観察者からの指示により、この最適画像に対する地上側の観察が終了すると(s60)、観察スケジュールがすべて終了したか判定し(s70)、終了していなければs30に戻って次の倍率mに変更し、s40からの処理を繰り返す。
【0026】
上記のs20〜s50の各々で生成される操作指令のデータは、通信部30で作成される通信フレームのデータ部に一括して載置され、宇宙局2に送信される。なお、処理毎にあるいは部分的に纏めて送信するようにしてもよい。
【0027】
図3に、顕微鏡焦点調節指令の生成処理の説明図を示す。地上局1は試料αを含む映像信号(NTSC信号)を受信すると、モニタ12に表示するとともに、操作指令生成部20を介して画像処理部25に取り込む。画像処理部25は受信映像をディジタル化して関数f(x,y)を得る(s401)。この関数f(x,y)はピンぼけ画像を反映している。
【0028】
本実施例ではピンボケ画像から焦点の合った画像を求める画像処理を行う。この画像処理として、受信画像に対し劣化関数を作用させる手法(「ディジタル画像処理」;近代化学社刊)が知られている。たとえば、鮮明な画像(理想画像)に対して焦点の不適による劣化が作用すると、ぼけた画像になる。この鮮明な画像とぼけた画像の間に存在する劣化関数を、焦点位置を変数として複数の画像から予め取得しておき、ぼけ画像に劣化関数の逆数を作用させることで、理想画像の取得が可能になる。劣化関数の焦点位置を小刻みにとると、受信したぼけ画像と理想画像の焦点位置の偏差を正確に求めることがきる。
【0029】
数1のように、ピンぼけ画像の関数f(x,y)に対し劣化関数hn(x,y)を作用させ、ピンぼけの修正された理想画像の関数fn(x,y)を得る(s402)。n:1〜jである。
【0030】
【数1】
Figure 0004144768
【0031】
計算の手順は、hn(x,y),f(x,y)をフーリェ変換し、数1よりFn(μ,ν)を求め、Fn(μ,ν)を逆フーリェ変換してfn(x,y)を求める。ここで、Zステージの位置がZnの劣化関数をhn(x,y)とする。つまり、Znを正数化したnの値に応じて、予め求められている劣化関数hn(x,y)が、図3(b)のように与えられている。
【0032】
次に、数2により、fn(x,y)からその2回微分値を差し引いた鮮鋭化画像の関数gn(x,y)を得る(s403)。
【0033】
【数2】
Figure 0004144768
【0034】
ここで得られる鮮鋭化画像gn(x,y)は理想画像fn(x,y)から生成しているので、数2は理想画像のぼけ度合いを反映していて、理想画像が正しほど鮮鋭化画像との偏差が小さくなる。
【0035】
次に、fn(x,y)とgn(x,y)の偏差をn=1〜jまで求め、最小の偏差となるnの値からピントが最適となる焦点、つまりZステージの移動位置Znを得る(s404)。このZnにより、操作指令生成部20で生成された焦点zの調整指令により、Zステージ位置がピントの合った焦点位置Znに調整される。
【0036】
本実施例によれば、従来のジョイスティックの連続量による焦点調整と異なり、受信したピンぼけ画像のディジタル関数に劣化関数を作用させる画像処理によって、最適な焦点位置を求めることができるので、只1回の調整指令によって最適位置に制御できるので、顕微鏡焦点を調節するための操作指令データ量が大幅に低減される。
【0037】
図4に、画面上での観察位置設定の説明図を示す。モニタ12に、宇宙局2からの試料αの受信映像が、部分(たとえば、細胞)α1、α2を含んで表示されている。地上側の観察者はモニタ12の画面から観察する試料αの観察部α1を見定めると、マウスポインタ14を観察部α1の中心α10付近にセットしてクリックする。次に、観察部α1を移動したい目標位置(通常は、画面の中央付近)にマウスポインタ14を移動してクリックする。
【0038】
このように、モニタ画面上で観察位置とその移動目標位置を指定し、観察位置調整指令を地上局1から出力し、宇宙局2のXYステージ61を移動して試料の観察したい特定部位を視野の中央へセットする。本実施例による観察位置調整指令は、従来のようにジョイスティックによらないので、只1回の調整指令によって最適位置に制御され、通信遅延時間の影響及び操作指令データ量が大幅に低減できる。なお、画面上の位置指定にマウス11を使用したが、タッチペンやタッチパネル等によってもよい。
【0039】
宇宙局2から、観察したい試料の特定部位が中央にある画像を受信して、地上側での観察が行われる。観察者はスケジュールまたは任意の倍率切替指令を出力し、顕微鏡60の対物レンズレボルバ64を切替ながら詳細な顕微鏡観察を行う。ただし、倍率を変えた後は再び、焦点調整指令を出力してピント調整を行う必要がある。このとき、s50の処理は省略できる。なお、図2の処理手順は種々の変更が可能である。
【0040】
図5に、図2の処理手順の一部を変更した一変形例を示す。図2との相違は、s40の処理の前にs50の処理を実行し、観察位置調整後の受信画像に基づいてs40の焦点調整を行う点にある。
【0041】
つまり、倍率調整指令の出力(s30)に続いて、観察位置(x,y)調整指令を生成し(s50)、これら調整指令をステーション側に送信する(s51)。そして、ステーションから観察位置の調整された画像が受信されるのを待ち(s52)、観察位置調整後の画像を用いた画像処理により、顕微鏡焦点の調整指令を出力する(s40)。
【0042】
本変形例によれば、少なくとも調整指令を2回に分けて送信するので、伝送遅延による制御遅れの点では不利となる。しかし、最適焦点位置を求める画像処理が観察部位を中心とする画像に基づいて行われるので、焦点精度が向上する。
【0043】
以上、本実施例によれば、宇宙ステーションに設定された顕微鏡の焦点や観察位置の地上からの調整が、宇宙側と地上側の入だで1回または2回の映像送受を行うのみで実現でき、従来のようにリアルタイム映像の連続的な送受を行う必要がない。このため、通信遅延時間と通信データ量制約の影響を低減でき、地上からの制御が効率よく、かつ高精度に実現できる。
【0044】
〔実施例2〕
次に、宇宙ステーションが地球の裏側となる位置関係などから、通信が中断される場合に地上局1からの制御を宇宙局2で継続し、一方、通信が回復した場合に宇宙局2での制御を地上局1で継続できる実施例を説明する。
【0045】
図6に、実施例2による顕微鏡遠隔操作システムの構成を示す。地上局1と宇宙局2の基本構成は、実施例1(図1)と同様になる。図1との相違は、宇宙局2に、地上局1と同様の操作部80及び操作指令部70を設けている点にある。なお、宇宙局2の操作部80は従来の宇宙実験室での顕微鏡と同様に、ジョイスティック81、モニタ82、テンキー83を具備している。
【0046】
宇宙局2での操作は、操作部80のテンキー83からハロゲン光源65の光量調節指令を出力し、ハロゲン光源65を点灯させる。次に、XYZステージ61のZ軸移動指令を操作部80のジョイスティック81から出力し試料αのピントを調節する。次に、XYZステージ61にセットされた試料αの部位α1、α2が表示されている、図4と同様のモニタ82を見ながら、ジョイスティック81を操作しXYステージ61を移動させ、観察する部位α1を中央部へ移動する。また、位相リング夕一レツト65やキセノン光源67の操作指令も、テンキー83から行うことができる。
【0047】
宇宙局2での操作は通信遅延時間や通信データ量の制限がない。したがって、ジョイスティック81による速度指令のデータ量が移動距離に応じて増大しても問題はなく、操作性は良好である。
【0048】
次に、地上局1と宇宙局2との通信が中断及び回復したときの継続操作を説明する。宇宙局2の制御部50が地上局1からの操作指令を受信し翻訳し、制御信号を出力して顕微鏡60を調整する。調整中の観察画像は地上側のモニタ12と同様に宇宙側のモニタ82にも表示される。この調整中に通信が中断すると、通信部40で通信中断を検出し、モニタ82にアラーム表示する。宇宙飛行士は信号中断を確認し、その観察を継続する場合は、モニタ82から現調整段階を判断し、ジョイスティック81やテンキー83を用いて必要な調整と観察を行う。
【0049】
一方、宇宙側での調整と観察中に通信が回復すると、通信部40で通信回復を検出し、モニタ82にアラーム表示する。これにより、自動的または宇宙飛行士により、地上側に対し宇宙側で観察中の画像を送信するメッセージを発行する。そして、操作指令部70から通信部40を介して現在の操作指令のデータとモニタ映像を地上側へ送信する。
【0050】
図7に、宇宙局における処理フローを示す。宇宙局2の通信部40で通信状態を監視し(s700)、正常通信時は地上局1からの操作指令に基づき、制御部50が顕微鏡60を制御する(s701)。通信中断を検出するとモニタ82にアラームを出力する(s710)。その後は、宇宙飛行士による調整と観察が行われる(s720,s730)。
【0051】
通信部40は、通信中断時も継続して通信状態を監視し(s740)、地上局1との通信回復を検出すると制御部50とモニタ82へアラームを出力する(s750)。このアラームをトリガーに、カメラ62から監査中の顕微鏡画像、制御部50から現在の操作指令データを、地上局1へ送信する(s760,s770)。地上局1の操作指令生成部20は受診した画像とデータを基に、以後の顕微鏡60の調整を地上側で継続し、顕微鏡画像の観察を行う。
【0052】
地上側では、宇宙側からの受信画像と操作データを操作指令生成部20に取り込み、宇宙側の操作データの光量、倍率を地上側操作指令の設定値とする。また、観察位置が中央部にセットされている場合は、受信されたXYステージ位置を地上側操作指令の設定値とする。次に、受信画像に対する実施例1と同様の画像処理をして最適焦点位置を求め、受信操作データの焦点位置が最適焦点位置と異なる(許容範囲外)場合は、最適焦点位置を設定した操作指令を宇宙局2に送信し、異ならない場合は当該受信画像の観察を行い、観察終了後に次のスケジュールの処理に移行する。
【0053】
以上、実施例2によれば、宇宙局と地上局の双方に顕微鏡の操作部と操作指令生成部を設けているので、地上局の制御指令によって宇宙側の顕微鏡を調整、観察中に、両局間の通信が中断した場合は中断を知らせるのみで、宇宙側で継続した調整と観察を実行できる。また、宇宙側で調整と観察を実行中に、通信が回復した場合は、その時点の映像と制御データを地上側へ送信するのみで、宇宙側での観察を地上側に継続して切替ることができ、宇宙側での作業の負担を軽減できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、宇宙ステーションの顕微鏡による観察像を、地上側からその焦点や観察位置等を調整して観察できるので、宇宙での作業や計算機負荷を軽減できるとともに、地上側での専門家による高度な観察が可能になる。
【0055】
また、焦点調整や観察位置調整を1回の受信画像に基づいて最適位置に制御できるので、通信遅延時間及び通信データ量の制約による影響を低減し、精度のよい制御を効率的に実現できる。
【0056】
さらに、地上側と宇宙ステーションの双方に操作部と操作指令生成部を設け、通信中断時に宇宙側で観察を継続し、また、通信回復時に宇宙側での観察を地上側に切替て観察を継続できるので、観察の中断を回避するとともに宇宙側での観察作業の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡遠隔操作装置の実施例1を示す構成図。
【図2】実施例1の遠隔操作装置の地上側の処理を示すフロー図。
【図3】画像処理による焦点調整指令生成の処理を示す説明図。
【図4】地上側のモニタ画像上で、観察位置の移動を指定する説明図。
【図5】実施例1の遠隔操作装置の地上側の処理で、図1の変形例を示すフロー図。
【図6】宇宙側での操作と地上側への切替を可能とした本発明の顕微鏡遠隔操作装置の実施例2を示す構成図。
【図7】宇宙側での通信回復時の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…地上局側遠隔制御装置(地上局)、2…宇宙ステーション側遠隔装置(宇宙局)、10…操作部、11…マウス、12…モニタ、13…キーボード、20…操作指令生成部、25…画像処理部、30…通信部、40…通信部、50…制御部、60…顕微鏡、61…XYZステージ、62…ビデオカメラ、63…光学系、64…対物レンズレボルバ、65…位相リング夕一レツト、66…ハロゲン光源、67…キセノン光源、70…操作指令生成部、80…操作部、81…ジョイスティック、82…モニ夕、83…テンキー。

Claims (9)

  1. 宇宙局に設置された顕微鏡を地上局から操作しながら、顕微鏡画像の試料を地上局のモニタで観察する遠隔操作方法において、
    前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、該画像から所定の画像処理によってピントの合う焦点位置を求め、該焦点位置をデータに含む操作指令を生成して前記宇宙局に送信し、ピント調整された顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  2. 宇宙局に設置された顕微鏡を地上局から操作しながら、顕微鏡画像の試料を地上局のモニタで観察する遠隔操作方法において、
    前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、前記モニタに表示された顕微鏡画像上で前記試料の任意の部位を画像中央部に移動する観察位置の設定を行い、該観察位置をデータに含む操作指令を生成して前記宇宙局に送信し、観察したい任意の部位を中央部とする顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  3. 請求項2において、
    前記観察位置を含む操作指令を前記宇宙局に送信し、観察したい任意の部位を中央部とする顕微鏡画像を受信し、この受信画像から所定の画像処理によってピントの合う焦点位置を求め、該焦点位置を前記操作指令のデータに含めて前記宇宙局に送信し、ピント調整された顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  4. 宇宙局に設置された顕微鏡を地上局から操作しながら、顕微鏡画像の試料を地上局のモニタで観察する遠隔操作方法において、
    前記地上局は宇宙局からの顕微鏡画像を受信すると、前記モニタに表示された顕微鏡画像上で前記試料の任意の部位を画像中央部に移動する観察位置の設定を行うとともに、前記観察位置を設定する前または後に、受信した前記顕微鏡画像から所定の画像処理によってピントの合う焦点位置を求め、前記観察位置と前記焦点位置をデータに含む操作指令を前記宇宙局に送信し、観察したい任意の部位を中央にし、ピント調整された顕微鏡画像をモニタ表示することを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  5. 請求項1または4において、
    前記操作指令は顕微鏡の倍率をデータとして含み、該倍率が変更される場合は変更後の受信画像から前記焦点位置を求めて、ピントの再調整を行うことを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  6. 請求項1、4または5において、
    前記所定の画像処理は、焦点距離の関数である劣化関数を作用させて理想画像を求め、その鮮鋭化画像と理想画像の偏差が最小となる焦点距離を求めて、前記ピントの合う焦点位置とすることを特徴とする顕微鏡の遠隔操作方法。
  7. 宇宙局に設置される顕微鏡を地上局から操作しながら観察を行う顕微鏡の遠隔制御装置において、
    前記宇宙局に、操作指令に基づいて制御信号を出力し前記顕微鏡を調整する制御手段と、前記顕微鏡の観察像を電気信号の映像に変換する撮像手段と、地上局に映像を送信し地上局から前記操作指令を受信する通信手段を備え、
    前記地上局に、前記宇宙局からの映像を表示するモニタと、モニタ画面上での位置指定を行うマウス等をもつ操作手段と、前記画面上で設定された観察位置や前記映像から求めたピントの合う焦点位置を含む操作指令を生成する操作指令作成手段と、前記映像を受信し前記操作指令を送信する通信手段を備えることを特徴とする顕微鏡の遠隔制御装置。
  8. 請求項7において、
    前記操作指令作成手段は、前記宇宙局からの1回の映像を画像処理してピントの合った焦点位置を求める画像処理手段を具備することを特徴とする顕微鏡の遠隔制御装置。
  9. 宇宙局に設置される顕微鏡を地上局から操作しながら観察を行う顕微鏡の遠隔制御装置において、
    前記宇宙局に、操作指令に基づいて制御信号を出力し前記顕微鏡を調整する制御手段と、前記顕微鏡の観察像を電気信号の映像に変換する撮像手段と、前記映像を表示するモニタと、映像を見ながら焦点や観察位置を調整するジョイスティック等の操作手段と、該操作手段からのデータで前記操作指令を生成する操作指令作成手段と、前記地上局と送受信する通信手段を備え、
    前記地上局に、前記宇宙局からの映像を表示するモニタと、モニタ画面上で位置指定を行うマウス等の操作手段と、前記モニタの画面上で設定された観察位置や前記映像から求めたピントの合う焦点位置を含む操作指令を生成する操作指令作成手段と、前記宇宙局と送受信する通信手段を備え、
    前記地上局からの通信が中断したときに以後の顕微鏡観察を前記宇宙局で継続し、前記地上局への通信が回復したときに前記宇宙局の操作指令作成手段による操作指令と前記撮像手段による映像を前記地上局へ送信し、以後の顕微鏡観察を前記地上局へ切り替る構成としたことを特徴とする顕微鏡の遠隔制御装置。
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