JP4144327B2 - ローラクラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るローラクラッチは、互いに同心に組み合わされた2個の部材が所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら2個の部材同士の間での回転力の伝達を自在とするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用補機の駆動用プーリユニットやファクシミリや複写機の紙送り機構等、各種機械装置の回転伝達部分に、所定方向の回転運動のみを伝達するローラクラッチを組み込んでいる。図5〜8は、従来から知られているローラクラッチの1例として、特許文献1に記載されたものを示している。
【0003】
この図5〜8に示したローラクラッチは、外輪相当部材である外輪1と、内輪相当部材である軸2と、複数本のローラ3、3と、これら各ローラ3、3と同数のばね4、4と、保持器5とから成る。上記外輪1は、鋼材により円筒状に形成したもので、内周面に円周方向に亙る凹凸であるカム面6を設けている。即ち、この外輪1の内周面に、それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部7、7を、円周方向に関し等間隔に形成する事により、この外輪1の内周面を上記カム面6としている。又、上記軸2は、鋼製で、外周面を円筒面8としている。上記外輪1は、この軸2の周囲に、この軸2と同心に配置している。そして、この外輪1の内周面に設けたカム面6と上記軸2の外周面に設けた円筒面8との間に、上記各ローラ3、3、上記各ばね4、4、及び上記保持器5を配置している。
【0004】
このうちの保持器5は、合成樹脂(例えば、ポリアミド46等の合成樹脂にガラス繊維を20%程度混入したもの)を射出成形する事により、籠型円筒状に形成している。この様な保持器5は、それぞれが円環状である1対のリム部9、9と、これら両リム部9、9の内側面の径方向内端部同士を連結する状態で円周方向に関し等間隔に配置された複数の連結部10、10とを備える。この様な保持器5は、上記両リム部9、9の外周面に形成した各突片11、11を上記カム面6を構成する各凹部7、7に係合させる事により、上記外輪1に対する相対回転を不能にしている。
【0005】
又、上記両リム部9、9の内側面で、円周方向に関し上記各連結部10、10の中間部に整合する部分に、第二抑え部である1対の後方支持板部12、12を、上記各連結部10、10の外周面から径方向外方に突出する状態で形成している。又、これら各連結部10、10の外周面で、上記各後方支持板部12、12よりも少しだけ円周方向前方(図6の左方、図7、8の上方)に寄った部分の中央部に、第一抑え部である前方支持板部13を、同じく両端寄り部分に1対の突出部14、14を、それぞれ上記各連結部10、10の外周面から径方向外方に突出する状態で形成している。そして、上記両リム部9、9と円周方向に隣り合う2組の各支持板部12、13とにより四方を囲まれる部分を、それぞれポケット15、15とし、これら各ポケット15、15内に前記各ローラ3、3を、転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に設けている。
【0006】
又、前記各ばね4、4は、ステンレス鋼製の板材(弾性金属板)に曲げ加工を施す事により形成している。この様な各ばね4、4は、上記保持器5の軸方向に長い基部16と、この基部16の両側部分を、この保持器5の円周方向であるこの基部16の厚さ方向片側(図6の左側、図7、8の上側)に鋭角に(この厚さ方向に関してこの基部16と重畳するまで)折り返して成る、1対の押圧片17、17とを備える。この様に構成する各ばね4、4は、上記基部16の片側面(図6の左側面、図7、8の上側面)を上記前方支持板部13の片側面(図6の右側面、図7、8の下側面)に、この基部16の他側面(図6の右側面、図7、8の下側面)の両端部を上記各後方支持板部12、12の片側面(図6の左側面、図7、8の上側面)に、それぞれ弾性的に当接させる事により、上記保持器5の円周方向複数個所に係止している。又、この状態で、上記各ばね4、4を構成する基部16と各押圧片17、17との連続部に存在する1対の折り返し部18、18の内側に、それぞれ上記各突出部14、14を配置している。
【0007】
上述の様に各ばね4、4を保持器5に係止した状態では、図7に示す様に、これら各ばね4、4を構成する1対の押圧片17、17の先端部が、それぞれ上記各ローラ3、3の転動面に弾性的に当接する。そして、これら各押圧片17、17により、上記各ローラ3、3を、前記カム面6と前記円筒面8との間の径方向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧する。この結果、次述する運転時に、ローラクラッチのロック状態とオーバラン状態との切り換えを行なえる様になる。
【0008】
上述の様に構成するローラクラッチの使用時には、前記外輪1を、自動車用補機を駆動する為のプーリ、或は複写機の紙送りローラの中心部に設けた軸受ハウジング等、内周面を円筒面とした図示しない保持部材の内側に内嵌固定する。この状態で、上記ローラクラッチは、上記外輪1を内嵌固定した保持部材と前記軸2とが所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら両部材同士の間で回転力の伝達を自在とする。例えば、図5で、上記外輪1が固定されており、上記軸2のみが回転すると仮定する。この場合、上記軸2が上記各ばね4、4による上記各ローラ3、3の押圧方向と同方向(図5の反時計方向)に回転する場合には、上記円筒面8から上記各ローラ3、3に、上記押圧方向と同方向の力が作用する。この結果、上記各ローラ3、3が上記円筒面8と上記カム面6との間の径方向に関する幅の狭い部分(図5の反時計方向側の部分)に向け変位し、当該部分にくさび状に食い込む。この結果、上記外輪1を内嵌固定した保持部材と上記軸2との間で回転力の伝達が自在(ロック状態)となり、これら両部材が同期して回転する様になる。尚、図7は、このロック状態での、ローラ3とばね4との状態を示している。
【0009】
これに対し、上記軸2が上記押圧方向と反対方向(図5の時計方向)に回転する場合には、上記円筒面8から上記各ローラ3、3に、上記押圧方向と反対方向の力が作用する。この結果、上記各ローラ3、3が上記円筒面8と上記カム面6との間の径方向に関する幅の広い部分(図5の時計方向側の部分)に向け変位する傾向となる。又、この際に上記各ローラ3、3は、図8に示す様に、上記各ばね4、4を構成する押圧片17、17を撓ませる。図示の例では、これら各押圧片17、17の基部内側面に前記各突出部14、14を当接させる事により、これら各押圧片17、17のばね剛性を調節している。但し、ローラクラッチの構造によっては、上記各突出部14、14を省略する場合もある(例えば、特許文献2参照)。何れにしても、上述の様に幅の広い部分に向け変位した各ローラ3、3は、当該部分で転動並びに若干の変位自在となる。この結果、上記外輪1を内嵌固定した保持部材と上記軸2との間で回転力の伝達が不能(オーバラン状態)となり、これら両部材が相対回転する様になる。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−196090号公報
【特許文献2】
特開2002−174270号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ローラクラッチのロック状態では、図7に示す様に、ばね4を構成する押圧片17、17の撓み量が小さくなる。これに対し、オーバラン状態では、図8に示す様に、上記各押圧片17、17の撓み量が大きくなる。又、この様に各押圧片17、17が撓んだ状態では、上記ばね4を構成する各要素のうち、1対の折り返し部18、18で曲げ変形量が大きくなり、発生する曲げ応力も大きくなる。一方、運転時には、上述したロック状態とオーバラン状態との切り換えが交互に繰り返し行なわれる。この為、上記各折り返し部18、18には、この様な状態の切り換えに伴い、上述した曲げ応力に基づく大きな繰り返し応力が加わる。従って、特に、上記状態の切り換えが頻繁に行なわれる用途では、上記各折り返し部18、18が上記繰り返し応力によって塑性変形し、この結果、上記各押圧片17、17による押圧力が減少して、オーバラン状態からロック状態への切り換えが行なわれにくくなる可能性がある。
【0012】
又、図9に示す様に、ばね4を構成する1対の折り返し部18、18の内側に突出部14、14(図6〜8)を設けない構造も、従来から知られている。この様な構造の場合、オーバラン状態では、同図に示す様に、上記ばね4を構成する基部16が殆ど曲げ変形せず、1対の折り返し部18、18の曲げ変形量がより大きくなる為、上述の様にオーバラン状態からロック状態への切り換えが行なわれにくくなる可能性が、より大きくなる。
【0013】
これに対し、オーバラン状態での上記各折り返し部18、18の曲げ変形量を小さくする事ができれば、これら各折り返し部18、18に加わる曲げ応力の最大値を小さくする事ができる為、これら各折り返し部18、18で塑性変形を生じにくくする事ができる。そこで、オーバラン状態での上記各折り返し部18、18の曲げ変形量を小さくすべく、図10に示す様な構造を採用する事が考えられる。この図10に示した構造の場合、保持器5aは、上述の図9に示した構造と同様、ばね4を構成する1対の折り返し部18、18の内側に突出部14、14(図6〜8)を設けていない。これと共に、1対の後方支持板部12a、12aの幅寸法Wを小さくする事により、これら各後方支持板部12a、12aの片側面を、それぞればね4を構成する基部16の他側面に対向させずに、上記各折り返し部18、18の外周面にのみ対向させている。この様な構造によれば、ローラクラッチのオーバラン時、同図に鎖線で示す様に、上記ばね4を構成する1対の押圧片17、17が撓んだ際に、上記基部16の中央部を円周方向後方側に大きく曲げ変形させる事ができ、これに伴って、上記各折り返し部18、18の曲げ変形量を小さくする事ができる。
【0014】
ところが、上述の図10に示した構造の場合には、上記各後方支持板部12a、12aが上記ばね4を、円周方向後方から、上記各折り返し部18、18部分でしか支持していない。この為、オーバラン時に上記ばね4がローラ3によって円周方向後方に押圧され、且つ、変形した際に、図11に示す様に、このばね4が上記1対の後方支持板部12a、12a同士の間部分から円周方向後方に脱落する可能性がある。従って、この様にばね4が脱落すると言った不都合を生じる事のない、別の構造を実現する事が望まれる。
本発明のローラクラッチは、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラクラッチは、外輪相当部材と、内輪相当部材と、カム面と、円筒面と、複数本のローラと、保持器と、複数のばねとを備える。
このうちの内輪相当部材は、上記外輪相当部材の内側にこの外輪相当部材と同心に配置されている。
又、上記カム面は、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成されている。
又、上記円筒面は、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面とのうちの他方の周面に形成されている。
又、上記各ローラは、上記カム面と上記円筒面との間の円筒状空間内に設けられている。
又、上記保持器は、上記カム面を形成した部材に対する回転を不能として上記円筒状空間内に配置され、上記各ローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持する。
又、上記各ばねは、上記保持器と上記各ローラとの間に設けられ、これら各ローラを円周方向に関して同方向に押圧する。この様な各ばねは、金属板製で、上記保持器の軸方向に長い基部と、この基部の長さ方向の少なくとも片側部分を、この保持器の円周方向であるこの基部の厚さ方向片側に、この円周方向に関してこの基部と重畳するまで折り返して成る押圧片と、これら基部と押圧片との連続部に存在する折り返し部とを備えたものである。
更に、上記保持器は、上記各ばねを構成する基部の片側面を抑える為の第一抑え部と、この基部の他側面の両端部を抑える為の第二抑え部とを備えたものである。
【0016】
特に、本発明のローラクラッチに於いては、上記第二抑え部の側面のうち、上記ばねを上記保持器に組み付けた状態で上記基部の他側面の両端部と対向する部分に、この基部の中央側に向かう程この基部の他側面から退避する方向に傾斜する傾斜部を設けている。
【0017】
【作用】
上述の様に、本発明のローラクラッチの場合には、第二抑え部の側面のうち、ばねを構成する基部の他側面の両端部と対向する部分に、この基部の中央側に向かう程この基部の他側面から退避する方向に傾斜する傾斜部を設けている。この為、ローラクラッチのオーバラン時、ばねを構成する押圧片がローラに押圧されて撓んだ際に、上記基部の中間部を円周方向後方に大きく曲げ変形させる事ができる。そして、これに伴い、上記押圧片と上記基部との連続部に存在する折り返し部の曲げ変形量を小さくする事ができ、この折り返し部に加わる曲げ応力の最大値を小さくする事ができる。従って、運転中、ロック状態とオーバラン状態との切り換えに伴い、上記折り返し部に上記曲げ応力に基づく繰り返し応力が作用しても、この折り返し部で塑性変形を生じにくくする事ができる。この結果、ばねの押圧力が低下する事を防止できる。
【0018】
更に、本発明の場合には、上記第二抑え部に設けた傾斜部が、上記ばねを構成する基部の他側面の両端部に対向している。この為、オーバラン時にこのばねがローラによって円周方向後方に押圧されて変形した場合でも、上記傾斜部により上記基部の他側面の両端部を抑える事ができる。従って、このばねが上記第二抑え部と第一抑え部とによる支持部から、円周方向後方に脱落する事を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、第二抑え部である後方支持板部12b、12bの形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜8に示した従来構造とほぼ同様である為、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、上記従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0020】
本例の場合、保持器5bは、ばね4を構成する1対の折り返し部18、18の内側に配置する突出部14、14(図6〜8参照)を設けていない。又、上記保持器5bを構成する1対の後方支持板部12b、12bの片側面(図1〜2の上側面)で、上記ばね4を構成する基部16の他側面(図1〜2の下側面)の両端部と対向する部分に、この基部16の中央側に向かう程円周方向(図1〜2の上下方向)に関してこの基部16から離れる方向に傾斜する傾斜部19、19を設けている。
【0021】
上述の様に構成する本例のローラクラッチによれば、図2に示す様に、このローラクラッチのオーバラン時、上記ばね4を構成する1対の押圧片17、17がローラ3に押圧されて撓んだ際に、上記基部16の中央部を円周方向後方(図1〜2の下方)側に大きく曲げ変形させる事ができる。そして、これに伴い、上記各押圧片17、17と上記基部16との連続部に存在する折り返し部18、18の曲げ変形量を小さくする事ができ、これら各折り返し部18、18に加わる曲げ応力の最大値を小さくする事ができる。従って、運転中、図1に示すロック状態と図2に示すオーバラン状態との切り換えに伴い、上記各折り返し部18、18に上記曲げ応力に基づく繰り返し応力が作用しても、これら各折り返し部18、18で塑性変形を生じにくくする事ができる。この結果、上記ばね4の押圧力が低下する事を防止できる。尚、ローラクラッチのオーバラン時、上記基部16の中央部が上述した様に大きく曲げ変形し易くなる様に、この基部16の剛性を(必要な耐久性を確保しつつ)小さくするのが好ましい。
【0022】
更に、本例の場合には、上記各後方支持板部12b、12bに設けた傾斜部19、19が、上記基部16の他側面の両端部に対向している。この為、オーバラン時に上記ばね4がローラ3によって円周方向後方に押圧されて変形し、前記保持器5bの軸方向(図1〜2の左右方向)に関する上記ばね4の長さ寸法が縮んだ場合でも、上記各傾斜部19、19により上記基部16の他側面の両端部を抑える事ができる。従って、上記ばね4が上記1対の後方支持板部12b、12b同士の間部分から、円周方向後方に脱落する事を防止できる。
【0023】
次に、図3〜4は、本発明の実施の形態の第2〜3例を示している。これら第2〜3例の場合には、ばね4a、4bを構成する押圧片17a、17bの先端部を、図3に示した第2例は外側に、図4に示した第3例は内側に、それぞれ折り曲げる事により、これら各押圧片17a、17bの先端部に、非尖鋭端である押圧部20a、20bを設けている。そして、この様な各押圧部20a、20bをローラ3の転動面に当接させる事により、エッジロードに基づく摩耗が生じるのを防止している。尚、上述の様な非尖鋭端である押圧部は、上述した様に押圧片の先端部を折り曲げて形成する他、この押圧片の先端部に切削加工や表面処理を施す事によって形成する事もできる。その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0024】
又、本発明を実施する場合、ローラクラッチを構成するカム面と円筒面との径方向に関する配置は、上述した各実施の形態(前述した従来構造)の場合と逆にしても良い。更に、上記カム面及び円筒面を、ローラクラッチ専用の外輪又は内輪の周面に形成するか、或はこのローラクラッチを組み込むべき機械装置を構成する保持部材又は回転軸の周面に直接形成するかは、採用する構造により、適宜選択できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のローラクラッチは、以上に述べた様に構成され作用するので、ばねを構成する折り返し部で塑性変形を生じにくくする事ができ、このばねの押圧力が低下する事を防止できる。この為、ローラクラッチの機能を長期に亙り良好に維持する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す、図7と同様の図。
【図2】 同じく、図8と同様の図。
【図3】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。
【図4】 同第3例を示す、図1と同様の図。
【図5】 従来のローラクラッチの1例を示す、部分断面図。
【図6】 保持器、ばね、及びローラのみを取り出した状態で示す部分斜視図。
【図7】 ローラクラッチのロック状態を、保持器、ばね、及びローラのみを取り出して、その一部を径方向外方から見た図。
【図8】 ローラクラッチのオーバラン状態を、保持器、ばね、及びローラのみを取り出して、その一部を径方向外方から見た図。
【図9】 従来のローラクラッチの第2例を示す、図8と同様の図。
【図10】 本発明を完成させるのに先立って考えた構造を示す、図7〜8と同様の図。
【図11】 ばねが保持器から脱落した状態を示す、図8と同様の図。
【符号の説明】
1 外輪
2 軸
3 ローラ
4、4a、4b ばね
5、5a、5b 保持器
6 カム面
7 凹部
8 円筒面
9 リム部
10 連結部
11 突片
12、12a、12b 後方支持板部
13 前方支持板部
14 突出部
15 ポケット
16 基部
17、17a、17b 押圧片
18 折り返し部
19 傾斜部
20a、20b 押圧部

Claims (1)

  1. 外輪相当部材と、この外輪相当部材の内側にこの外輪相当部材と同心に配置された内輪相当部材と、これら外輪相当部材の内周面と内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成された、円周方向に亙る凹凸であるカム面と、同じく他方の周面に形成された円筒面と、これらカム面と円筒面との間の円筒状空間内に設けられた複数本のローラと、このカム面を形成した部材に対する回転を不能として上記円筒状空間内に配置され、上記各ローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持する保持器と、この保持器と上記各ローラとの間に設けられ、これら各ローラを円周方向に関して同方向に押圧するばねとを備え、このうちの各ばねは、金属板製で、上記保持器の軸方向に長い基部と、この基部の長さ方向の少なくとも片側部分を、この保持器の円周方向であるこの基部の厚さ方向片側に、この厚さ方向に関してこの基部と重畳するまで折り返して成る押圧片と、これら基部と押圧片との連続部に存在する折り返し部とを備えたものであり、上記保持器は、上記各ばねを構成する基部の片側面を抑える為の第一抑え部と、この基部の他側面の両端部を抑える為の第二抑え部とを備えたものであるローラクラッチに於いて、上記第二抑え部の側面のうち、上記ばねを上記保持器に組み付けた状態で上記基部の他側面の両端部と対向する部分に、この基部の中央側に向かう程この基部の他側面から退避する方向に傾斜する傾斜部を設けた事を特徴とするローラクラッチ。
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