JP4142700B2 - 荷すくい装置 - Google Patents
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Description
・ スライドフォークや昇降台に様々な不確定要因がありまた外乱が働くため、荷すくい装置の正確な内部状態を推定するのが難しい、等の問題に対して、
発明者は、
・ 安定な制振制御を行い、かつ
・ 短時間で荷すくいを完了できる制御を検討した。
請求項2の発明での追加の課題は、昇降自在なベースにアームを取り付けた荷すくい装置を制振すると共に、効率的な制振制御を行うことにある。
請求項3の発明での追加の課題は、ベースを正確な高さへ短時間で上昇させることにある。
請求項4の発明での追加の課題は、昇降台と昇降モータとの間に吊持材がある荷すくい装置で、物品支持部を制振し、昇降台を正確な位置に上昇させることにある。
請求項5の発明での追加の課題は、内部状態を正確に推定して、的確な制御を行うことにある。
前記物品支持部の振動を検出するセンサと、
該センサの出力に基づき、荷すくい装置の内部状態を推定するための内部状態推定手段と、
推定した内部状態に基づき、物品支持部の振動を抑制しながら、物品支持部を上昇させるように、昇降手段を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、物品支持部が物品に接触した後、物品支持部の上昇が終了するまでの時間帯の、初期は物品支持部の制振に対する制御ゲインを高く、後期は物品支持部の高さ位置に対する制御ゲインを高くするように、制振に対する制御ゲインと高さ位置に対する制御ゲインとの割合を時間的に可変にしたことを特徴とする。
前記アームは物品よりも低い位置から上昇を開始し、
アームが物品に接触するまではフィードフォワード制御により昇降手段を制御し、
アームが物品に接触した後に、前記制御手段による制御を行う。
より好ましくは、前記アーム基部の高さ位置を求めるためのセンサを設けて、
前記制御手段は、アーム基部の高さ位置とアーム先端の振動とに基づいて、アームとベースの内部状態を推定して、昇降手段を介してベースの昇降を制御する。
特に好ましくは、前記昇降手段が、ベースの昇降をガイドする支柱と、ベースを吊持する吊持材と、吊持材を鉛直方向に送る昇降モータとを備えている。
前記センサの出力と前記内部状態に基づく推定値との偏差により、内部状態を変化させるためのフィルタと、
前記内部状態自体を、該内部状態の変化に換算するための演算手段と、
昇降手段への制御入力を、前記内部状態の変化に換算するための演算手段と、
前記フィルタ及び前記各演算手段による内部状態の変化を加算すると共に積分して、前記内部状態を更新するための更新手段、とを備えている。
より好ましくは、前記制御手段は、非定常ロバスト制御により、前記昇降手段を制御する。
ここでアーム基部の高さ位置を求めるためのセンサを設けて、アーム基部の高さ位置とアーム先端の振動とに基づいて、この発明の制御を行うと、制御の主目標である制振とアーム基部の高さに対して実測値を用いることができるので、制振と正確な高さ位置への上昇制御を行うことができる。
この発明では、ベースを吊持材で吊持して昇降モータで昇降させる荷すくい装置でも、昇降モータから離れたアームの振動を抑制できる。
また非定常ロバスト制御により、制御の重みを制振から高さ位置へ変化させながら制御すると、様々な外乱に対して安定に制御できる。
Xn+1=(1+A・Δ+A2/2・Δ2)Xn+(B・Δ+B2/2・Δ2)un
+(Ln(r-y)・Δ+Ln2(r-y)/2・Δ2)
となる。
項 目 値 他 内 容
物理モデル自由度 5 x0,x1,x2,x3,θ
内部フィルタ次数 4
センサ数 2 昇降台の高さ位置,スライドフォークの先端加速度
制御入力u 1 昇降モータへの指令
状態量X 14 自由度の5×2+フィルタ次数の4
各自由度に対し、その値と時間微分とを状態量とする
出力y 2 昇降台の高さ位置,スライドフォークの先端加速度
カルマンフィルタL 2入力×14出力
時変ゲインK 14入力×1出力
行列A 14行14列 状態Xからのその時間変化への寄与
行列B 14行1列 制御入力uから状態Xの時間変化への寄与
行列C 2行14列 状態Xから出力yへの寄与
行列D 2行1列 制御入力uから出力yへの寄与
dX/dt=AX+Bu+L(r−y)
y=CX+Du
u=KX
J=∫(uTR(t)u+XTQ(t)X)dt: Jは評価関数;R(t)は制御入力uへの時変の重み;Q(t)は状態量Xへの時変の重み
J=X’P(t)X: 評価関数Jを最小化するP(t)が上式のリカッチ解
K=R(t)−1・BT(t)・P(t): 時変の重みR(t),Q(t)を定めると評価関数Jとリカッチ解P(t)とが定まり、ゲインKは結局時変の重みR(t),Q(t)により定まる
1) スライドフォークの振動を、比較例の1/2程度の時間で抑制できる。
2) 昇降台を正確な位置へ上昇させることができる。
3) これらに伴って、荷すくいの時間を短縮できる。
4) 荷すくい時に物品に加わる力を軽減できる。
5) 荷すくい時の物品の振幅を小さくできるので、棚受け間の上下の間隔を小さくできる。
6) 液晶基板カセットなどの重量物の荷すくいでも、昇降台やスライドフォークなどの剛性を比較的小さくでき、スタッカークレーンの大形化を防止できる。
7) 昇降モータから吊持材、昇降台を介して行う制御にも係わらず、スライドフォーク先端の振動を抑制できる。
4 昇降台
6 マスト
8 リニアスケール
10 リニアセンサ
12 吊持材
16 フィードバック制御器
18 フィードフォワード制御器
20 スイッチ
22 昇降モータ
24 スライドフォーク
25 物品支持部
26 加速度センサ
28 棚
29 支柱
30 棚受け
32 物品
34 目標高さ記憶部
36,38 差分器
40,42 加算器
44 カルマンフィルタ
46 積分手段
48〜54 乗算手段
56 時変ゲイン処理手段
Claims (6)
- 物品を支持するための物品支持部を、昇降手段により昇降させるようにした荷すくい装置であって、
前記物品支持部の振動を検出するセンサと、
該センサの出力に基づき、荷すくい装置の内部状態を推定するための内部状態推定手段と、
推定した内部状態に基づき、物品支持部の振動を抑制しながら、物品支持部を上昇させるように、昇降手段を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、物品支持部が物品に接触した後、物品支持部の上昇が終了するまでの時間帯の、初期は物品支持部の制振に対する制御ゲインを高く、後期は物品支持部の高さ位置に対する制御ゲインを高くするように、制振に対する制御ゲインと高さ位置に対する制御ゲインとの割合を時間的に可変にしたことを特徴とする、荷すくい装置。 - 水平方向に進退自在で、先端が前記物品支持部で、前記昇降手段により昇降自在なベースに基部が取り付けられたアームを設けて、
前記アームは物品よりも低い位置から上昇を開始し、
アームが物品に接触するまではフィードフォワード制御により昇降手段を制御し、
アームが物品に接触した後に、前記制御手段による制御を行う、ようにしたことを特徴とする、請求項1の荷すくい装置。 - 前記アーム基部の高さ位置を求めるためのセンサを設けて、
前記制御手段は、アーム基部の高さ位置とアーム先端の振動とに基づいて、アームとベースの内部状態を推定して、昇降手段を介してベースの昇降を制御する、ようにしたことを特徴とする、請求項2の荷すくい装置。 - 前記昇降手段が、ベースの昇降をガイドする支柱と、ベースを吊持する吊持材と、吊持材を鉛直方向に送る昇降モータとを備えていることを特徴とする、請求項3の荷すくい装置。
- 前記内部状態推定手段は、
前記センサの出力と前記内部状態に基づく推定値との偏差により、内部状態を変化させるためのフィルタと、
前記内部状態自体を、該内部状態の変化に換算するための演算手段と、
昇降手段への制御入力を、前記内部状態の変化に換算するための演算手段と、
前記フィルタ及び前記各演算手段による内部状態の変化を加算すると共に積分して、前記内部状態を更新するための更新手段、とを備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの荷すくい装置。 - 前記制御手段は、非定常ロバスト制御により、前記昇降手段を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項5の荷すくい装置。
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