JP4142649B2 - プラスミドのレベルの変更方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の主な目的は、遺伝子nusGの突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、遺伝子rhoの突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、遺伝子dnaCの突然変異がプラスミド・レベルの低下をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、プラスミド・レベルの違いが約10倍であるプラスミド・レベルの変更方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanの遺伝子型をもつE.コリ株を開発することである。
本発明のさらなる目的は、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらすrho遺伝子の243番コドンに突然変異があるE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらすdnaC遺伝子の83番コドンに突然変異があるE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、nusG遺伝子のIPTG(イソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド)依存性条件付きレプリコン・プラスミドとしてのpHYD751を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、nusG遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンとしてのpHYD763プラスミドを開発することである。
本発明のさらに他の目的は、rho遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンとしてのpHYD1201プラスミドを開発することである。
本発明は、染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaCの少なくとも1つの中に突然変異を有する、細菌内の変更されたプラスミド含有量の獲得方法、ならびにプラスミド・レベルを変えることができる、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで前記変異染色体遺伝子を有するその細菌株に関する。
したがって、本発明は、染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaCの少なくとも1つに突然変異をもつ、細菌内の変更されたプラスミド含有量の獲得方法、ならびにプラスミド・レベルを変えることができる、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで変異染色体遺伝子を有する細菌株に関する。
(a)宿主細菌の上記染色体遺伝子の中に突然変異を導入し、
(b)上記細菌中の条件付きレプリカ上に、上記染色体遺伝子の機能性コピーを維持し、
(c)細胞内複製を許容し、かつ、条件付きレプリカを維持する条件下で上記細菌を培養し、
(d)細菌を条件付きレプリカのさらなる細胞内複製を許さない制限された条件に移し、
(e)許容条件下と制限条件下の両方で細菌内のプラスミドベクター・レベルを評価し、そして
(f)上記遺伝子の、許容条件下と制限条件下の上記細菌内のプラスミドベクター・レベルの違いを計算する、
を含む。
本発明のさらに別の態様において、rho遺伝子は、同族アミノ酸のアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらす、243番コドンのGCからTAへのトランジション突然変異を示す。
本発明のさらに別の態様において、dnaC遺伝子は、同族アミノ酸のアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を示す。
本発明のさらに別の態様において、腸内細菌(Enterobacteriaceae)ファミリーの細菌が宿主細菌である。
本発明のさらに別の態様において、宿主細菌は好ましくはE.コリである。
本発明のさらに別の態様において、ColE1由来プラスミドは、プラスミドpBR322、pBR329、pUCシリーズのプラスミド、pBluescriptシリーズのプラスミド、およびその誘導体を含む、不和合性群のメンバーである。
本発明のさらに別の態様において、前記p15A由来プラスミドが、プラスミドpACYC184およびpACYC177、ならびにその誘導体を含むp15A不和合性群のメンバーである。
本発明のさらに別の態様において、nusG遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、rho遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、dnaC遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの低下をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、条件付きレプリカは、プラスミドpHYD751、pHYD763、およびpHYD1201を含む群から選ばれる。
本発明のさらに別の態様において、条件付きレプリカは、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで、nusG、rho、およびdnaCを含む突然変異なしの遺伝子を示す。
本発明のさらに別の態様において、前記方法は、所望のレベルで着目の遺伝子を得る助けとなる。
本発明のさらに別の態様において、登録番号NCIMB41132の、遺伝子型MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanのE.コリ株を、NCIMB Limited, Scotland, U.K.に寄託した。
本発明のさらに別の態様において、前記菌株は、ファージP1形質導入によってdnaCに約88%関連したzjj-901::Tn10dKan突然変異にしたがって、コードされたタンパク質の同族アミノ酸位置でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、dnaC染色体遺伝子の83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD751である。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、nusG遺伝子のIPTG(イソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド)依存性条件付きレプリコンである。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD763である。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD1201である。
本発明のさらに別の態様において、前記プラスミドは、rho遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンである。
本発明の他の態様において、先に触れた先行技術の進歩にもかかわらず、DNAワクチンとしてのプラスミドの使用によって課せられる収量の要望としても、プラスミド・ベースの組み換えDNA技術の幅広い適用を考えると、プラスミドDNAコピー数と収量の上げるまたは下げる、追加のおよび改善された手法に対する必要性が存在し続ける。
本発明の他の態様において、本発明の1つの側面は、nusG遺伝子の突然変異により宿主細菌細胞内のプラスミドのコピー数を増やす方法を特色とする。
(i)宿主細菌細胞が、nusG染色体遺伝子における突然変異を担持し、
(ii)上記細胞が、条件付きレプリコン上の機能性nusG+遺伝子を同様に担持し、
(iii)上記細菌を、細胞内複製、かつ、条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養し、そして
(iv)培養物を、上記条件付きレプリコンのさらなる複製を許容しない制限的条件に移す、
プラスミドのコピー数を増やすための方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明は、以下のステップ:
(i)宿主細菌細胞が、rho染色体遺伝子における突然変異を担持し、
(ii)上記細胞が、条件付きレプリコン上の機能性rho+遺伝子を同様に担持し、
(iii)上記細菌を、細胞内複製、および条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養し、そして
(iv)培養物を、上記条件付きレプリコンのさらなる複製を許容しない制限的条件に移す、
を含むプラスミドのコピー数を増やす方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明は、dnaC遺伝子における突然変異を用いた、宿主細菌細胞内でのプラスミド・コピー数、および宿主細菌細胞からの収量を減少させる方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明の好ましい側面は、ColE1由来プラスミドとp15A由来プラスミドへのその適応性である。
本発明の他の態様において、本明細書中に使用される場合、「p15A由来プラスミド」は、p15A不和合性群のメンバー・プラスミドであり、そして、例えばプラスミドpACYC184およびpACYC177、ならびにその誘導体を含む。
本発明の他の態様において、本明細書中に使用される場合、「条件付きレプリコン」は、「許容状態」と言われる細菌培養物の増殖するある条件下、宿主細菌細胞内で自律増殖が可能な、しかし「制限的」と言われる、ある他の培養条件下自律増殖不可能な、染色体外の遺伝子要素である。
本発明の他の態様において、本明細書中に記載される方法および材料に類似するか、または同じものが本発明の実施および試験に使用されうるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。材料、方法、および実施例は、一例に過ぎず、制限することを目的としていない。
本発明の他の態様において、完全な開示の要求にしたがって、本願発明の以下の菌株を、当該出願の出願日前に、ブダペスト条約規則の下で、the NCIMB Ltd., 23 St Machar Drive, Aberdeen AB24 3RY, Scotland, United Kingdom, under the Budapest Treaty Rulesに寄託した。寄託は、2002年5月24日に、登録番号NCIMB41132のもとに、エッシェリシア・コリ(Escherichia coli)株GJ3158としてなされる。GJ3158株は、ファージP1を介在した形質導入のいくつかのステップによってMC4100株から構築された。GJ3158株の遺伝子型を以下に記載する。
本発明の他の態様において、当該技術分野において、エッシェリシア・コリは、様々な組み換えDNA処理のために好ましい宿主細菌であり;そしてColE1由来プラスミドとp15A由来プラスミドは、これらの処理に利用される好ましいプラスミドベクターの1つである。DNAワクチンの製造において、宿主細菌細胞の高いプラスミド・コピー数に通じる(複製プライマーRNA−II内の)ある突然変異、および/または(小さいタンパク質の所定のRopまたはRomをコードする遺伝子の)削除を持つColE1由来プラスミド、例えばpUCまたはpBluescriptシリーズのプラスミドの誘導体が好ましい。
本発明の他の態様において、本発明の1つの側面によると、nusG突然変異は、コードされたタンパク質の機能を低下させるものである。以下の実施例1は、その宿主細菌細胞内でp15A由来プラスミド、pACYC184との組み合わせによって、コードされたタンパク質の同族アミノ酸の位置でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらすnusG染色体遺伝子の146番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を有するE.コリ宿主細菌の利用に関する本発明のこの側面を説明する。nusGにコードされたタンパク質の同じ変異が、当該技術分野に知られている種々の方法のいずれかによっても得られることができ、そしてnusGの他の突然変異か、pACYC184以外のプラスミド誘導体が類似した結果を期待して当業者に使用されることに留意。
本発明の他の態様において、挙げられた実施例は、本願発明において特許請求される用途、処理、および産物、例えばベクターおよび菌株の単なる説明に過ぎず、本発明の実施自体は、記載の実施例に、または実施例によって制限されない。同じ発明の追加の設定、および/またはそれによる実施にまで減らされる代替手段は、当該技術分野ですでに知られ、そして確立された材料および処理を伴う変異によって達成されるであろう。nusG、rho、およびdnaC遺伝子のオルソロガスが、種々のグラム陰性菌およびグラム陽性菌で確認されたことも、この状況において留意のこと。
1.実施例で使用した大腸菌株の遺伝子型を以下の表中に挙げる。
本発明は、以下の実施例を参照することによって本明細書中、以下の部分で説明される。実施例は、一例に過ぎず、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
nusG+菌株MC4100と同質遺伝子nusGの変異株GJ1504の培養物からのプラスミドpACYC184の収量の比較
菌株GJ3158は、ブダペスト条約規則の下、NCIMB Ltd.(Scotland)で登録番号NCIMB41132として寄託された本願発明の菌株である。菌株GJ3158は、P1ファージ形質導入によりnusGに約25%関連したargE86::Tn10突然変異による、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす染色体のnusG遺伝子の146番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。菌株GJ3158により準備されたP1ライセートを、37℃にてLB−Tet寒天平板上での、Tetrへの菌株MC4100の形質導入のために使用した。nusG突然変異を同時に受け継いだTetr形質導入体を、それらがSMG耐性であるの対して、nusG+形質導入体がSMG感受性であるという事実に基づいて確認した;この試験を(栄養要求性の要求を満たすための)L−アルギニンを補った平板によっておこなった。その後、TetrSMG耐性形質導入体の1つを、菌株MC4100を用いて準備したP1ライセートによる形質導入の受容菌として使用し、そして選ばれたArg+形質導入体を、TetsおよびSMG耐性に関して選別した。Arg+TetsSMG耐性形質導入体の1つを確保し、そしてGJ1504と規定した。そのため、菌株GJ1504は、菌株MC4100の同質遺伝子nusG変異株誘導体である。
同様に、我々は、前記培養物において、プラスミドpACYC184上の遺伝子によってコードされた酵素クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼの活性が実質的に高められた証拠を得た。
2つの他のプラスミドpUC19またはpBluescriptII−KSのいずれかによる、しかしMC4100のではないGJ1504の形質転換体の誘導体は、同様に、30℃、24時間のインキュベーション後に非常に低い生存率を示すことが判明した。
nusG+遺伝子を担持した温度感受性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD763の構築と、30℃から43℃への温度シフトアップ後の、GJ1504/pHYD763/pACYC184中のプラスミドpACYC184のコピー数の増加の実証
rpoB2(Ts)菌株JBK246を、MC4100recA::Kanを用いて準備したP1ライセートによって、Kanrへと形質転換し、そして、得られたJBK246recA::Kan形質導入体をGJ1514と規定した。
nusG+遺伝子を担持するIPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD751の構築と、IPTG中止後のGJ1504/pHYD751/pUC4KにおけるプラスミドpUC4Kのコピー数の増加の実証
プラスミドpHYD547から始まって、nusG+を担持する2.1 kbのEcoRI−SalIフラグメントを、IPTG依存性AmprプラスミドベクターpAM34のEcoRI−SalIサイトの中にサブクローニングして、プラスミドpHYD751を作製した。
同質遺伝子rho+菌株GJ862と、rho−4変異株GJ863の培養物からのプラスミドpACYC184の収量の比較
同質遺伝子rho菌株GJ862およびGJ863を、以下の通り2ステップのP1形質導入によって構築した。第1ステップにおいて、菌株CAG18431により準備したP1ライセートを、MC4100のTetrIlv-への形質導入に使用した。そのような形質導入体の1つを、rho−4変異菌株でCGSC5072によって準備したP1ライセートの感染のための第2ステップにおける受容菌として使用し、そしてIlv+形質導入体を選択した(その全てがTetsにもなる)。Ilv+Tets形質導入体の約20%が、それらがSMG感受性であったMC4100のように振る舞うのに対し、残りの80%が、SMG耐性となり、つながれたrho−4対立遺伝子を受け継いだと推測された。第2の交雑からSMG感受性形質導入体1つとSMG耐性形質導入体1つをさらなる研究に使用し、そしてそれぞれGJ862とGJ863と規定した。GJ863のrho染色体遺伝子のDNA配列決定は、rho−4突然変異がコードしたタンパク質の同族アミノ酸位置でのアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらす243番コドンのGCからTAへの塩基転換突然変異であることを示した。
2つの他のプラスミドpUC19またはpBluescriptII−KSのいずれかによる、しかしGJ862のではないGJ863の形質転換体の誘導体が、30℃、24時間のインキュベーション後に非常に低い生存率を示すことも判明した。
30℃から43℃への温度シフトアップ後のGJ863/pPMrhoCam/pACYC184におけるプラスミドpACYC184のコピー数の増加の実証のための、rho+遺伝子を担持する温度感受性条件付きレプリコン・プラスミドpPMrhoCamの使用。
菌株MC4100とGJ863を、それぞれpPMrhoCam形質転換に対するCmrとpACYC184形質転換に対するTetrについての選択を用いて、各々続けてプラスミドpPMrhoCam(rho+遺伝子を担持する温度感受性条件付きレプリコン)、そしてpACYC184により形質転換した。GJ863/pPMrhoCam/pACYC184とMC4100/pPMrhoCam/pACYC184の各々の単一形質転換体コロニーを、CmおよびTetを補った2 mlのLB中に接種し、そしてその培養物を30℃で一晩インキュベーションすることによって静止期まで培養した。各々の培養物から準備した100 μl量の1:100希釈物を、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Tetを補った10 mlのLB培地中に接種した。両方のフラスコを、それぞれの培養物のA600値が約1.3に達するまで、ジャイロータリー水浴振とう機により43℃で振盪しながらインキュベートし、それに続いて、各々のフラスコから採取した2.5 ml量の培養物からプラスミド調製物を作製した。GJ863誘導体の培養物からのプラスミドpACYC184の収量が、MC4100誘導体の培養物からの収量より実質的に高かったことが観察された。収穫時点において、GJ863由来培養物の生存率の大幅な低下があったが、MC4100由来培養物の低下がなかったことが同様に観察された。
rho+遺伝子を担持するIPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD1201の構築と、IPTG中止後のGJ863/pHYD1201/pUC4KにおけるプラスミドpUC4Kのコピー数の増加の実証
IPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD1201を、以下の通り3ステップにより構築した。Koharaら[Cell (1987) 50:495-508]によって記載のE.コリのゲノムのオーダードλファージ・ライブラリからのλファージ・クローン556のDNAから始まって、rho+遺伝子を担持する6.7 kbのHindIIIフラグメントを、プラスミドベクターpCL1921のHindIIIサイトの中にサブクローニングし、そうして得られた1つのプラスミドをpHYD552と規定した。第2ステップで、rho+遺伝子を担持するpHYD552からの3.3 kbのNsiIフラグメントを、プラスミドベクターpCL1920のPstIサイトの中にクローニングしてプラスミドpHYD567とpHYD568(上記ベクターに関して挿入断片の2つの方向性を意味する)を得る。pHYD567の挿入断片DNAを、(特に)(rhoプロモーターに最も近い)一方の端でSalI部位と、そして他方でHindIII部位と隣接する。第3ステップで、プラスミドpHYD1201を作製するために、pHYD567(rho+を担持する)からのHindIII−SalIフラグメントをプラスミドベクターpAM34のHindIII−SalIサイトの中にクローニングした。第3ステップにおけるAmpr形質転換体は、IPTGを補ったプレートによって選択された。
dnaC+菌株GJ3141と同質遺伝子dnaCの変異株GJ3140の誘導体の培養物からのプラスミドpACYC184、pBR329、およびpUC19の収量の比較
菌株GJ3158は、ブダペスト条約規則の下、NCIMB Ltd.(Scotland)で登録番号NCIMB41132として寄託された本願発明の菌株である。菌株GJ3158は、P1ファージ形質導入によりdnaCに約88%関連したzjj-901::Tn10dKan挿入による、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらす染色体のdnaC遺伝子の83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。菌株GJ3158により準備されたP1ライセートを、37℃にてLB−Kan寒天平板上での、Kanrへの菌株GJ3141の形質導入のために使用した。dnaC突然変異を同時に受け継いだKanr形質導入体を、続いてプラスミドpUC19により30℃でAmprに形質転換された時、その形質転換体の誘導体は42℃で培養することも可能であるのに対し、親のdnaC+対立遺伝子を持ち続けたそれらのKan形質導入体は、42℃で培養できないpUC19−Ampr形質転換体を生み出す、という事実に基づいて確認した。そうして確認されたKanrdnaC+およびKanrdnaC形質導入体の各々1つを、それぞれGJ3141およびGJ3140と規定した。
Claims (14)
- 大腸菌内のプラスミドの変更された含有量を得る方法であって、以下のステップ:
(a)大腸菌の染色体遺伝子であるnusG、rho−4またはdnaCのいずれか1つに突然変異を導入することにより、大腸菌の突然変異株を得、ここで、当該変異は、nusGによってコードされたタンパク質の146番コドンでのグリシンからアスパラギン酸塩への置換、rho−4によってコードされたタンパク質の243番コドンでのアラニンからグルタミン酸塩への置換、またはdnaCによってコードされたタンパク質の83番コドンでのアラニンからスレオニンへの置換を生じる;
(b)当該大腸菌内の条件付きレプリコン上に上記染色体遺伝子の機能性のコピーを維持し;
(c)当該突然変異株にプラスミドを導入し、ここで、当該プラスミドは、染色体nusGの突然変異を有する株については、pACYC184、pUC19、pBluescript II−KSおよびpUC4Kから選ばれ、染色体rho−4の突然変異を有する株については、pACYC184およびpUC4Kから選ばれ、染色体dnaCの突然変異を有する株については、pACYC184、pBR329およびpUC19から選ばれる;
(d)細胞内複製および条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で上記プラスミドを有する突然変異株を培養し;
(e)上記条件付きレプリコンのさらなる細胞内複製を許容しない制限条件下で上記プラスミドを有する突然変異株を培養し;並びに
(f)上記突然変異株内のプラスミドのレベルと、大腸菌の非突然変異株内のプラスミドのレベルとを比較すること、ここで、当該大腸菌の非突然変異株は、nusG、rho−4またはdnaCに突然変異を導入せずに、前記ステップ(b)、(c)、(d)および(e)を経て得られる、
を含み、
ここで、上記突然変異株内のプラスミドのレベルと上記非突然変異内のプラスミドのレベルとの相違は、プラスミドの変更された含有量の指標である、前記方法。 - nusGの146番コドンでの突然変異が、GCからATへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
- rho−4の243番コドンでの突然変異が、GCからTAへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
- dnaCの83番コドンでの突然変異が、GCからATへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
- 前記nusG遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの上昇をもたらす、請求項1に記載の方法。
- 前記rho−4遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの上昇をもたらす、請求項1に記載の方法。
- 前記dnaC遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの低下をもたらす、請求項1に記載の方法。
- 前記突然変異がrho−4遺伝子に導入され、pACYC184のレベルの増加が10倍である、請求項1に記載の方法。
- 前記突然変異がnusG遺伝子に導入され、pACYC184のレベルの増加が10倍である、請求項1に記載の方法。
- 前記条件付きレプリコンが、nusG、rho−4およびdnaCを個々にまたは組み合わせて含む非突然変異遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
- 所望のレベルで着目の遺伝子を獲得するのに役立つ、請求項1に記載の方法。
- コードされたタンパク質の対応するアミノ酸の位置でグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす、nusG染色体遺伝子の146番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を担持する、大腸菌株。
- コードされたタンパク質の対応するアミノ酸の位置でアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、dnaC染色体遺伝子の83番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を担持する、大腸菌株。
- 英国スコットランドのNCIMB Limitedに寄託された登録番号NCIMB41132の遺伝子型MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanの大腸菌株。
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