JP4142649B2 - プラスミドのレベルの変更方法 - Google Patents

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Description

本発明は、宿主細菌細胞中の高いプラスミド含有量、そしてプラスミドDNAの高い収量、または宿主細菌細胞の低いプラスミド含有量を可能にするプラスミドDNAの処理に関する。
プラスミドは細菌の安定した染色体外遺伝因子であり、それは通常(しばしば、数キロ・ベースペア[kb]サイズの)環状DNAから成っており、そして細菌細胞内において自律増殖が可能である。組み換えDNA技術の出現により、プラスミドは、細菌宿主細胞内への外来DNAの導入および維持のための担体またはベクターとしての種々の処理における用途を増した。最近になって、プラスミドが、医療行為および獣医学診療におけるDNAワクチンの形態で、製品としても重要になっている。そのような適用のほとんどで、細菌宿主はエッシェリシア・コリ(Escherichia coli)である。
プラスミドに関して重要な特徴は、細菌細胞内でのそれらのコピー数調節である。普通の成長条件下で、各々のプラスミドは、プラスミドDNAの複製を制御するフィードバック調節ループの働きによって細胞の特有のコピー数にて維持される。バイオテクノロジーに広く利用されるプラスミドの1つのクラスは、天然のプラスミドColE1、p15A、RSF1030、CloDF13およびpMB1、ならびにクローニングベクターpBR322、pBR329、pACYC184、pACYC177およびプラスミドのpUCおよびpBluescriptシリーズを含む「ColE1様」プラスミドである。E.コリ中のColE1様プラスミドの複製において、フィードバック調節ループは、複製を活性化する、プラスミドに特異的なRNA種(RNA−II)、ならびに複製を抑えるように作用する、2次プラスミドに特異的なRNA種(RNA−I)とタンパク質(Rop)に関与する[Polisky (1988年) Cell 55:929-932]。
−上流及び下流の両方への−プラスミドのコピー数の変異は、以下に簡単に記載の通り、先行技術において関係フィードバック調節ループの操作によって達成されると考えられた。プラスミド・コピー数を増やすための操作は、当業者の目的が、(i)例えば、日常的な組み換えDNA実験で、またはDNAワクチンの製造で、培養物からのプラスミドDNAの収量を増やすこと;(ii)あるいはプラスミドに保持された遺伝子によってコードされた産物の発現を高めることの場合、一般的に望ましい。
プラスミド・コピー数の増加は、フィードバック制御サーキット不活化する突然変異によって(例えば、一般に使用される非常に高いコピー数をもつColE1由来のpUCシリーズのプラスミドベクター、例えばpUC18かpUC19の存在)、またはランナウェイ・プラスミド複製システムと呼ばれた誘導方法[Lin-Chao et al. (1992) Mol. Microbiol. 6:3385-3393; Nordstrom及びUhlin (1992) Bio/Technology 10:661-666]によって構成的に達成された。
プラスミド・コピー数を減少させるための操作は、プラスミド上に保持された遺伝子が宿主細菌細胞に投与量依存的な増殖の問題点を有する状況下で有益である。E.コリ(E.coli)の染色体遺伝子、pcnBの突然変異が、おそらくプラスミド複製の負の制御に関係しているRNA−I転写産物の安定化を通して、ColE1由来およびp15A由来プラスミドのコピー数を減らすことが示された[Lopilato et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 205:285-290]。
本発明の目的
本発明の主な目的は、少なくとも1つの染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaC中に突然変異を有する細菌内の変異プラスミド含有量の獲得方法を開発することである。
本発明の他の主な目的は、遺伝子nusGの突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、遺伝子rhoの突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、遺伝子dnaCの突然変異がプラスミド・レベルの低下をもたらす方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、プラスミド・レベルの違いが約10倍であるプラスミド・レベルの変更方法を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanの遺伝子型をもつE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の主な目的は、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらすnusG遺伝子の146番コドンに突然変異があるE.コリ株を開発することである。
本発明のさらなる目的は、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらすrho遺伝子の243番コドンに突然変異があるE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらすdnaC遺伝子の83番コドンに突然変異があるE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで、条件付きのレプリコン・プラスミド、pHYD751、pHYD763、およびpHYD1201により形質転換したE.コリ株を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、nusG遺伝子のIPTG(イソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド)依存性条件付きレプリコン・プラスミドとしてのpHYD751を開発することである。
本発明のさらに他の目的は、nusG遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンとしてのpHYD763プラスミドを開発することである。
本発明のさらに他の目的は、rho遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンとしてのpHYD1201プラスミドを開発することである。
本発明の概要
本発明は、染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaCの少なくとも1つの中に突然変異を有する、細菌内の変更されたプラスミド含有量の獲得方法、ならびにプラスミド・レベルを変えることができる、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで前記変異染色体遺伝子を有するその細菌株に関する。
本発明の詳細な説明
したがって、本発明は、染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaCの少なくとも1つに突然変異をもつ、細菌内の変更されたプラスミド含有量の獲得方法、ならびにプラスミド・レベルを変えることができる、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで変異染色体遺伝子を有する細菌株に関する。
本発明、染色体遺伝子、nusG、rho、およびdnaCの少なくとも1つの中に突然変異を有する、細菌内の変更されたプラスミド含有量の獲得方法の態様において、前記方法は、以下のステップ:
(a)宿主細菌の上記染色体遺伝子の中に突然変異を導入し、
(b)上記細菌中の条件付きレプリカ上に、上記染色体遺伝子の機能性コピーを維持し、
(c)細胞内複製を許容し、かつ、条件付きレプリカを維持する条件下で上記細菌を培養し、
(d)細菌を条件付きレプリカのさらなる細胞内複製を許さない制限された条件に移し、
(e)許容条件下と制限条件下の両方で細菌内のプラスミドベクター・レベルを評価し、そして
(f)上記遺伝子の、許容条件下と制限条件下の上記細菌内のプラスミドベクター・レベルの違いを計算する、
を含む。
本発明の他の態様において、nusG遺伝子は、同族アミノ酸のグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす、146番コドンでのGCからATへのトランジション突然変異を示す。
本発明のさらに別の態様において、rho遺伝子は、同族アミノ酸のアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらす、243番コドンのGCからTAへのトランジション突然変異を示す。
本発明のさらに別の態様において、dnaC遺伝子は、同族アミノ酸のアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を示す。
本発明のさらに別の態様において、腸内細菌(Enterobacteriaceae)ファミリーの細菌が宿主細菌である。
本発明のさらに別の態様において、宿主細菌は好ましくはE.コリである。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドベクターは、好ましくはColE1由来プラスミドと、p15A由来プラスミドを含む群からである。
本発明のさらに別の態様において、ColE1由来プラスミドは、プラスミドpBR322、pBR329、pUCシリーズのプラスミド、pBluescriptシリーズのプラスミド、およびその誘導体を含む、不和合性群のメンバーである。
本発明のさらに別の態様において、前記p15A由来プラスミドが、プラスミドpACYC184およびpACYC177、ならびにその誘導体を含むp15A不和合性群のメンバーである。
本発明のさらに別の態様において、nusG遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、rho遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの上昇をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、dnaC遺伝子の突然変異がプラスミド・レベルの低下をもたらす。
本発明のさらに別の態様において、プラスミド・レベルの違いが約10倍である。
本発明のさらに別の態様において、条件付きレプリカは、プラスミドpHYD751、pHYD763、およびpHYD1201を含む群から選ばれる。
本発明のさらに別の態様において、条件付きレプリカは、個々にまたは実現しうる様々な組み合わせで、nusG、rho、およびdnaCを含む突然変異なしの遺伝子を示す。
本発明のさらに別の態様において、前記方法は、所望のレベルで着目の遺伝子を得る助けとなる。
本発明のさらに別の態様において、登録番号NCIMB41132の、遺伝子型MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanのE.コリ株を、NCIMB Limited, Scotland, U.K.に寄託した。
本発明のさらに別の態様において、前記菌株は、ファージP1形質導入によってnusGに約25%関連したargE86::Tn10突然変異にしたがって、コードされたタンパク質の同族アミノ酸位置でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす、nusG染色体遺伝子の146番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。
本発明のさらに別の態様において、前記菌株は、ファージP1形質導入によってdnaCに約88%関連したzjj-901::Tn10dKan突然変異にしたがって、コードされたタンパク質の同族アミノ酸位置でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、dnaC染色体遺伝子の83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD751である。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、nusG遺伝子のIPTG(イソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド)依存性条件付きレプリコンである。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD763である。
本発明のさらに別の態様において、前記プラスミドは、nusG遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンである。
本発明のさらに別の態様において、プラスミドは、pHYD1201である。
本発明のさらに別の態様において、前記プラスミドは、rho遺伝子の温度感受性条件付きレプリコンである。
本発明の他の態様において、先に触れた先行技術の進歩にもかかわらず、DNAワクチンとしてのプラスミドの使用によって課せられる収量の要望としても、プラスミド・ベースの組み換えDNA技術の幅広い適用を考えると、プラスミドDNAコピー数と収量の上げるまたは下げる、追加のおよび改善された手法に対する必要性が存在し続ける。
本発明の他の態様において、新規方法は、以下の遺伝子、nusG、rhoまたはdnaCの少なくとも1つの中に突然変異を有する菌株の利用によって、宿主細菌細胞内のプラスミドDNA含有量と、宿主細菌細胞からの収量の改変のために我々が構築した。好ましくは、細菌細胞は、腸内細菌・ファミリー、例えば大腸菌、に属する細菌である。nusGおよびrho遺伝子産物は、細菌細胞内の転写停止および/または抗停止反応に関係し[Sullivan et al. (1992) Cell 68:989-994; Martinez et al. (1996) J. Mol. Biol. 257:895-908]、一方で、dnaC遺伝子産物は、生体内で染色体およびプラスミドDNAの複製に加わる[Marians (1996) "Replication Fork Progression", in Escherichia coli and Salmonella:Cellular and Molecular Biology, 2edition" (Neidhardt et al., eds), ASM Press, Washington D.C., USA, Chapter 50, pp. 749-763]。同族の宿主細菌細胞内のプラスミドDNA含有量、および同族の宿主細菌細胞からの収量の改変のためにこれらの遺伝子のいずれかにおける突然変異を利用した方法の先行技術の中での記載が存在しなかった。
本発明の他の態様において、本発明の1つの側面は、nusG遺伝子の突然変異により宿主細菌細胞内のプラスミドのコピー数を増やす方法を特色とする。
本発明の他の態様において、本発明は、
(i)宿主細菌細胞が、nusG染色体遺伝子における突然変異を担持し、
(ii)上記細胞が、条件付きレプリコン上の機能性nusG+遺伝子を同様に担持し、
(iii)上記細菌を、細胞内複製、かつ、条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養し、そして
(iv)培養物を、上記条件付きレプリコンのさらなる複製を許容しない制限的条件に移す、
プラスミドのコピー数を増やすための方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明は、rho遺伝子の突然変異を用いて、宿主細菌細胞内でプラスミドのコピー数を増やす方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明は、以下のステップ:
(i)宿主細菌細胞が、rho染色体遺伝子における突然変異を担持し、
(ii)上記細胞が、条件付きレプリコン上の機能性rho+遺伝子を同様に担持し、
(iii)上記細菌を、細胞内複製、および条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養し、そして
(iv)培養物を、上記条件付きレプリコンのさらなる複製を許容しない制限的条件に移す、
を含むプラスミドのコピー数を増やす方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明は、dnaC遺伝子における突然変異を用いた、宿主細菌細胞内でのプラスミド・コピー数、および宿主細菌細胞からの収量を減少させる方法を提供する。
本発明の他の態様において、本発明の好ましい側面は、ColE1由来プラスミドとp15A由来プラスミドへのその適応性である。
本発明の他の態様において、本明細書中に使用される場合、「ColE1由来プラスミド」は、ColE1不和合性群のメンバー・プラスミドであり、そして、例えばプラスミドpBR322、pBR329、pUCシリーズのプラスミド、およびpBluescriptシリーズのプラスミド、ならびにその誘導体を含む。
本発明の他の態様において、本明細書中に使用される場合、「p15A由来プラスミド」は、p15A不和合性群のメンバー・プラスミドであり、そして、例えばプラスミドpACYC184およびpACYC177、ならびにその誘導体を含む。
本発明の他の態様において、本明細書中に使用される場合、「条件付きレプリコン」は、「許容状態」と言われる細菌培養物の増殖するある条件下、宿主細菌細胞内で自律増殖が可能な、しかし「制限的」と言われる、ある他の培養条件下自律増殖不可能な、染色体外の遺伝子要素である。
本発明の他の態様において、別段の規定のない限り、本明細書中に使用される技術用語および科学用語は、本願発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を持つ。不一致の場合には、規定を含む当該出願が統制する。本明細書中に言及される全ての刊行物、特許、および他の参考文献が本明細書中に援用される。
本発明の他の態様において、本明細書中に記載される方法および材料に類似するか、または同じものが本発明の実施および試験に使用されうるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。材料、方法、および実施例は、一例に過ぎず、制限することを目的としていない。
本発明の他の態様において、完全な開示の要求にしたがって、本願発明の以下の菌株を、当該出願の出願日前に、ブダペスト条約規則の下で、the NCIMB Ltd., 23 St Machar Drive, Aberdeen AB24 3RY, Scotland, United Kingdom, under the Budapest Treaty Rulesに寄託した。寄託は、2002年5月24日に、登録番号NCIMB41132のもとに、エッシェリシア・コリ(Escherichia coli)株GJ3158としてなされる。GJ3158株は、ファージP1を介在した形質導入のいくつかのステップによってMC4100株から構築された。GJ3158株の遺伝子型を以下に記載する。
本発明の他の態様において、種々の組み換えDNA処理におけるプラスミドの広範囲にわたる利用は、宿主細菌細胞内のそのようなプラスミドのコピー数を、上流および下流の両方で、操作するさらなる新しい、そして改善された方法の必要性を生み出した。プラスミドDNA含有量を増やす方法は、DNAワクチンの工業的製造の状況において特に有用でもある。したがって、本発明は、宿主細菌細胞内のプラスミドDNA含有量を増やす、および減らすいくつかの方法を提供する。これらの方法は、本明細書中に記載したnusG、rho、またはdnaC遺伝子の突然変異による細菌細胞のある新規特性の発見に基づく。
本発明の他の態様において、当該技術分野において、エッシェリシア・コリは、様々な組み換えDNA処理のために好ましい宿主細菌であり;そしてColE1由来プラスミドとp15A由来プラスミドは、これらの処理に利用される好ましいプラスミドベクターの1つである。DNAワクチンの製造において、宿主細菌細胞の高いプラスミド・コピー数に通じる(複製プライマーRNA−II内の)ある突然変異、および/または(小さいタンパク質の所定のRopまたはRomをコードする遺伝子の)削除を持つColE1由来プラスミド、例えばpUCまたはpBluescriptシリーズのプラスミドの誘導体が好ましい。
本発明の他の態様において、宿主細菌としてのE.コリの使用が本発明の好ましい側面でもある。同様に、ColE1由来プラスミドとp15−A由来プラスミドの使用は、本発明の他の好ましい側面である。本発明のさらに好ましい側面は、RNA−II中の突然変異、および/またはRomの欠失を有する非常に高いコピー数のColE1由来プラスミド、例えばpUCまたはpBluescriptシリーズのプラスミドの使用である。
本発明の他の態様において、本発明の1つの側面によると、nusG突然変異は、コードされたタンパク質の機能を低下させるものである。以下の実施例1は、その宿主細菌細胞内でp15A由来プラスミド、pACYC184との組み合わせによって、コードされたタンパク質の同族アミノ酸の位置でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらすnusG染色体遺伝子の146番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を有するE.コリ宿主細菌の利用に関する本発明のこの側面を説明する。nusGにコードされたタンパク質の同じ変異が、当該技術分野に知られている種々の方法のいずれかによっても得られることができ、そしてnusGの他の突然変異か、pACYC184以外のプラスミド誘導体が類似した結果を期待して当業者に使用されることに留意。
本発明の他の態様において、本発明の他の側面によると、nusG染色体に突然変異を有する宿主細菌細胞は、機能性nusG+遺伝子を伴う条件付きレプリコンをも担持する。前記方法に含まれるステップは、最初に、細菌を細胞内複製および条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養するステップ、その後続いて上記培養物を上記条件付きレプリコンのさらなる複製を許さない制限的な条件下でインキュベートするステップを含む。以下の実施例2は、プラスミドpHYD763、nusG+を有する温度感受性条件付きレプリコンの構築、そしてp15A由来プラスミドpACYC184のプラスミド含有量を操作するための、コードされたタンパク質の同族のアミノ酸の位置でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらすnusG染色体遺伝子の146番コドンでのGCからATへのトランジション突然変異を有する宿主細菌細胞におけるその利用を説明する。以下の実施例3は、プラスミドpHYD751、その複製が培地中のイソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の存在に依存するnusG+を伴う条件付きレプリコンの構築、そしてpUCシリーズのプラスミドの1つ、pUC4Kのプラスミド含有量を操作するための、コードされたタンパク質の同族のアミノ酸の位置でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらすnusG染色体遺伝子の146番コドンでのGCからATへのトランジション突然変異を有する宿主細菌細胞におけるその利用を説明する。あるいは、先行技術の教示に基づき、無発現変異またはノックアウト突然変異を含むnusGの他の染色体突然変異、pHYD763またはpHYD751に相当するプラスミドを構築する他の方法、nusG+遺伝子を伴う他の条件付きレプリコン、あるいはpACYC184またはpUC4K以外のプラスミドが、本発明のこれらの側面の実施に当業者によって利用されることに留意。
本発明の他の態様において、rho突然変異は、コードされたタンパク質の機能を低下させる突然変異である。以下の実施例4は、その宿主細菌細胞内にp15A由来プラスミドpACYC184との組み合わせで、E.コリ宿主細菌のrho−4突然変異の使用を含む、本発明のこの側面の実施の1つの実施例を説明する。rhoの他の突然変異、またはpACYC184以外のプラスミド誘導体が、似通った結果を期待して当業者によって利用されることに留意。
本発明の他の態様において、本願発明のさらに他の態様によると、rho染色体の突然変異を有する宿主細菌細胞は、機能性rho+遺伝子を伴う条件付きレプリコンを担持する。前記方法に含まれたステップは、最初に、細菌を細胞内複製と条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で培養するステップ、その後続いて上記培養物を条件付きレプリコンのさらなる複製を許容しない制限的条件下でインキュベートするステップを含む。以下の実施例5は、p15A由来プラスミドpACYC184のプラスミド含有量を操作するための、rho−4染色体の突然変異を有する宿主細菌細胞における、rho+を伴う温度感受性条件付きレプリコン、プラスミドpPMrhoCamの利用について説明する。以下の実施例6は、プラスミドpHYD1201、その複製が培地中のIPTGの存在に依存するrho+を伴う条件付きレプリコンの構築、そしてpUCシリーズのプラスミドの1つ、pUC4Kのプラスミド含有量を操作するための、rho−4染色体突然変異の宿主細菌細胞におけるその利用を説明する。先行技術の教示に基づき、無発現変異またはノックダウン突然変異を含むrhoにおける他の染色体変異、pHYD1201に相当するプラスミドの構築のための他の方法、rho+を伴う他の条件付きレプリコン、あるいはpACYC184またはpUC4K以外のプラスミドが、本発明のこれらの側面の実施に当業者によって利用されることに留意。
本発明の他の態様において、dnaC遺伝子中のミスセンス突然変異を提供する。以下の実施例7は、その宿主細菌細胞内、以下のプラスミドpACYC184、pBR329、またはpUC19との組み合わせで、コードされたタンパク質の同族アミノ酸の位置でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらすdnaC染色体遺伝子の83番コドンでのGCからATへのトランジション突然変異を有するE.コリ宿主細菌の利用を含む本発明のこの側面の実施の1つの実施例について説明する。dnaCにコードされたタンパク質の同じ変異が当該技術分野に知られている種々の方法のいずれかによっても得られ、およびdnaCにおける他の突然変異、あるいはpACYC184、pBR329、またはpUC19以外のプラスミド誘導体が、似通った結果を期待されて当業者によって利用されることに留意。
本発明の他の態様において、プラスミド遺伝子によってコードされた産物の発現を増やして、そして高いコピー数のある遺伝子に関係する中毒性を減らすために、本発明に記載の処理はプラスミドDNAの収量を増やすために使用される。
本発明の他の態様において、挙げられた実施例は、本願発明において特許請求される用途、処理、および産物、例えばベクターおよび菌株の単なる説明に過ぎず、本発明の実施自体は、記載の実施例に、または実施例によって制限されない。同じ発明の追加の設定、および/またはそれによる実施にまで減らされる代替手段は、当該技術分野ですでに知られ、そして確立された材料および処理を伴う変異によって達成されるであろう。nusG、rho、およびdnaC遺伝子のオルソロガスが、種々のグラム陰性菌およびグラム陽性菌で確認されたことも、この状況において留意のこと。
以下の実施例において、以下の材料および方法を、全体を通して使用した:
1.実施例で使用した大腸菌株の遺伝子型を以下の表中に挙げる。
Figure 0004142649
菌株CAG18431、CGSC5072、JBK246、およびMC4100は、Coli Genetic Stock Center, 830 Kline Biology Tower, MCD Biology Department(266 Whitney Ave., P.O. Box 20813, Yale University, New Haven, Conn. 06520-8193, USA)から入手可能である。MC4100 recA::Kan菌株は、School of Biological Sciences, Madurai Kamaraj University(Madurai 625 014, India)のR. Jayaraman教授から入手した。菌株GJ3158は、NCIMB Ltd, Scotlandに、登録番号NCIMB41132として寄託した本願発明の菌株である。先に挙げた他の菌株は、実施例において説明される。
2.バクテリオファージP1を、Dept. of Microbiology and Immunology, University of Melbourne(Parkville, Victoria 3052, Australia)のA. J. Pittard教授から入手し、そしてNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria)(P.O. Box 85167, 3508 AD Utrecht, the Netherlands(http://www.cbs.knaw.nl/Nccb))からも入手可能である。E.コリのゲノムのオーダードλファージ・ライブラリのバクテリオファージλのクローン556は、Dept. of Biology, Faculty of Science, Kobe University(Japan)のK. Isono博士から入手し、そしてKoharaらの[Cell (1987) 50:495-508]に記載されている;それは、先に示したのと同じアドレスのNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria)から入手可能である。
3.プラスミドpCL1920とpCL1921は、Dept. of Biochemistry, UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical School(Piscataway, 08854-5635, USA)のM. Inouye博士から入手し、そしてLerner and Inouyeの[Nucleic Acids Res. (1990) 15:4631]に記載される;これらの2つのプラスミドは、先に示したのと同じアドレスのNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria)から入手可能である。プラスミドpAM34は、Centre de Recherche de Biochimie et de Genetique Cellulaires, CNRS(31062 Toulouse, France)のJ. P. Bouche博士から入手し、そしてGil and Boucheの[Gene (1991) 105:17-22]に記載される;それは、the American Type Culture Collection (ATCC)(P.O. Box 1549, Manassas, Va. 20108, USA)においても入手可能である。プラスミドpMAK705は、Dept. of Genetics, University of Georgia(Athens, Ga. 30602, USA)のS. R. Kushner博士から入手し、Hamiltonらの[J. Bacteriol. (1989) 171:4617-4622]に記載される。プラスミドpUC4Kは、先に示したのと同じ住所のS. R. Kushner博士から入手し、そしてそれは、Amersham Biosciences Inc.(800 Centennial Avenue, P.O. Box 1327, Piscataway, N.J. 08855-1327, USA)からも入手可能である。プラスミドpACYC184、pBR329、およびpUC19は、それぞれChang and Cohenの(1978) J. Bacteriol. 134:1141-1156、Covarrubias and Bolivarの(1982) Gene 17:79-89、およびYanisch-Perronらの(1985) Gene 33:103-119に記載され;これらの3つのプラスミド全てが、先に示したそれらのそれぞれの住所のthe American Type Culture Collection (ATCC)およびthe NCCB/CBSから入手可能であり;プラスミドpACYC184とpUC19は、New England Biolabs Inc.(32 Tozer Road, Beverly, Mass. 01915-5599, USA)からも入手可能である。プラスミドpBluescriptII−KSは、Stratagene Inc.(11011 N. Torrey Pines Road, La Jolla, Calif. 92037, USA)から入手可能である。プラスミドpPMrhoCamは、Dept. of Chemistry, Indiana University(Bloomington, 47405, USA)のJ. P. Richardson博士から入手し、Martinezらの[J. Mol. Biol. (1996) 257:895-908]に記載されている。
4.細菌培地材料を、Difco Laboratories(P.O. Box 331058, Detroit, Mich. 48232-7058, USA)から購入した。抗生物質および精製化学薬品を、Sigma(P.O. Box 14508, St. Louis, Mo. 63178, USA)から購入した。制限エンドヌクレアーゼおよびDNAクローニングの間に使用する酵素を、New England Biolabs(32 Tozer Rd, Beverly, Mass. 01915-5599, USA)から入手した。
5.栄養およびグルコース最小成長培地を、J. H. Millerによる(1992), Cold Spring Harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor, N.Y., USA)からの「A Short Course in Bacterial Genetics: A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria」に記載のLBおよび最小A培地からそれぞれ得た。必要とされる場合、栄養要求性の要求を満たすための特定のアミノ酸による最小成長培地の補給は、各40 μg/mlの終濃度であった。(必要とされる場合)以下の最終の濃度(μg/ml):アンピシリン(Amp)、100;テトラサイクリン(Tet)、15;クロラムフェニコール(Cm)、30;カナマイシン(Kan)、50;およびスペクチノマイシン(Sp)、50、で抗生物質を使用した。スーパースクリプトrおよびsを、それぞれ耐性および感受性の発現型を示すために使用した。Amp、Kan、およびSpの原液を、水で準備し、TetとCmの原液をエタノールで準備した。IPTGを、水中、100mMの原液として準備し、1mMの終濃度で使用した。
6.P1形質導入のための手順、および他の日常的な微生物遺伝子技術のほとんどが、先に引用されたMillerの参考文献に記載の通りであった。Lセリン、Lメチオニン、およびグリシン(加えて適当適切で、かつ、示された他の栄養要求性の要求)の各々を0.05 mg/ml補給したグルコース最小A寒天平板上、37℃でのそれらの増殖の能力(または無能力)に基づいてSMG耐性(またはSMG感受性)として菌株を分類した。別段言及されない限り、プラスミドおよびλファージDNAの製造、およびDNAフラグメントの製造およびクローニング、そしてプラスミドの形質転換のための手順は、Sambrookらによる「Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y., USA)中に記載の標準的な技術による。特に示されない限り、IPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpAM34を担持する菌株誘導体またはその誘導体を、AmpとIPTGを補った培地中で培養した。特に示されない限り、温度感受性条件付きレプリコン・プラスミドpMAK705を担持する菌株誘導体またはその誘導体を、30℃の温度で培養した。
7.DNA塩基配列上のデータおよびE.コリのゲノムの物理的地図を、それぞれ、Blattnerらの[Science (1997) 277:1453-1462]およびRuddの[Microbiol. Mol. Biol. Rev. (1998) 62:985-1019]から入手した。E.コリの全ゲノム、およびnusGとrhoを担持する部分のGenBankの配列データベース登録番号(URLサイトのアドレスhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank)は、それぞれNC−000913、AE000472、およびAE000454である。
本発明は、以下の実施例を参照することによって本明細書中、以下の部分で説明される。実施例は、一例に過ぎず、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
実施例1
nusG+菌株MC4100と同質遺伝子nusGの変異株GJ1504の培養物からのプラスミドpACYC184の収量の比較
菌株GJ3158は、ブダペスト条約規則の下、NCIMB Ltd.(Scotland)で登録番号NCIMB41132として寄託された本願発明の菌株である。菌株GJ3158は、P1ファージ形質導入によりnusGに約25%関連したargE86::Tn10突然変異による、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす染色体のnusG遺伝子の146番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。菌株GJ3158により準備されたP1ライセートを、37℃にてLB−Tet寒天平板上での、Tetrへの菌株MC4100の形質導入のために使用した。nusG突然変異を同時に受け継いだTetr形質導入体を、それらがSMG耐性であるの対して、nusG+形質導入体がSMG感受性であるという事実に基づいて確認した;この試験を(栄養要求性の要求を満たすための)L−アルギニンを補った平板によっておこなった。その後、TetrSMG耐性形質導入体の1つを、菌株MC4100を用いて準備したP1ライセートによる形質導入の受容菌として使用し、そして選ばれたArg+形質導入体を、TetsおよびSMG耐性に関して選別した。Arg+TetsSMG耐性形質導入体の1つを確保し、そしてGJ1504と規定した。そのため、菌株GJ1504は、菌株MC4100の同質遺伝子nusG変異株誘導体である。
菌株MC4100とGJ1504を、プラスミドpACYC184により形質転換し、形質転換体コロニーを、Cmを補ったLB寒天平板上での30℃14時間のインキュベーションによって選んだ。MC4100/pACYC184とGJ1504/pACYC184の各々の単一コロニーを、変異プレートから選び、30mlの150ml容エルレンマイヤーフラスコ中のCmを補ったLB培地の中に別々に接種して、30℃でジャイロータリー(gyrotary)水浴振とう機を用いてインキュベートした。培養物からの3mlのアリコートを、接種の6時間後から始まって18時間、2時間間隔で採取した。各々のアリコートについて、600nm(A600)の吸光度を計測し、プラスミド調製物を2.5mlの容量から作製した。前記2つの培養物のA600の全ての得られた値について、GJ1504/pACYC184からのpACYC184DNAの収量が、MC4100/pACYC184の収量より高く、そしてこの違いが、約1.0〜1.2のA600値で非常に大幅(約10倍以上)であることが観察された。同様に、誘導体GJ1504/pACYC184中、これらの条件下のプラスミドpACYC184の支配的な種が、当該技術分野において「共有結合性閉環スーパーコイル型モノマー」と呼ばれる形態であることも観察された。
菌株GJ1504のpACYC184形質転換体内のプラスミド含有量の実質的増加は、上記コロニーの生存率の急落と相互関係があり、そして30℃での24〜36時間のインキュベーションで培養をおこなった。
同様に、我々は、前記培養物において、プラスミドpACYC184上の遺伝子によってコードされた酵素クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼの活性が実質的に高められた証拠を得た。
2つの他のプラスミドpUC19またはpBluescriptII−KSのいずれかによる、しかしMC4100のではないGJ1504の形質転換体の誘導体は、同様に、30℃、24時間のインキュベーション後に非常に低い生存率を示すことが判明した。
実施例2
nusG+遺伝子を担持した温度感受性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD763の構築と、30℃から43℃への温度シフトアップ後の、GJ1504/pHYD763/pACYC184中のプラスミドpACYC184のコピー数の増加の実証
rpoB2(Ts)菌株JBK246を、MC4100recA::Kanを用いて準備したP1ライセートによって、Kanrへと形質転換し、そして、得られたJBK246recA::Kan形質導入体をGJ1514と規定した。
菌株MC4100から単離した染色体DNAを、BamHIによって消化し、BamHIで消化したプラスミドベクターpCL1920DNAとライゲートした。ライゲーション・ミックスを、GJ1514を42℃でSpecrに形質転換するのに使用した。そうして得られた形質転換体コロニーは、42℃での培養のためのGJ1514中のrpoB(Ts)突然変異を補完するために、ベクターpCL1920の中にクローニングされたMC4100染色体からのrpoB+遺伝子を担持した22 kbのBamHIフラグメントを有するプラスミドを持つことが見込まれた。そのように確認された、所望の挿入断片を有する1つのプラスミドを、pHYD541と規定した。
プラスミドpHYD541をHindIIIとBamHIで消化し、そしてnusG+遺伝子を担持することが見込まれる7.8 kbのフラグメントを、アガロースゲル電気泳動法に続くアガロースゲルの一部からの溶出によって精製した。その7.8 kbのフラグメントを、pCL1920のHindIIIサイトとBamHIサイトの中にクローニングしてプラスミドpHYD545を作製した。同様に、プラスミドpHYD545をSmaIで消化し、そしてnusG+遺伝子を担持することが見込まれる3.8 kbのフラグメントを、アガロースゲル電気泳動法に続くアガロースゲルの一部からの溶出によって精製した。その3.8 kbのフラグメントを、pCL1920のSmaIサイトの中にクローニングしてプラスミドpHYD547を作製した。続いて、pHYD547から、nusG+を担持する3.8 kbのBamHI−SacIフラグメントをCmrプラスミドpMAK705のBamHI−SacIサイトの中にサブクローニングして、プラスミドpHYD763を作製した。
菌株MC4100とGJ1504を、それぞれpHYD763形質転換に対してCmr、およびpACYC184形質転換に対してTetrについて選択することで、各々続けてプラスミドpHYD763、そしてpACYC184によって形質転換した。GJ1504/pHYD763/pACYC184とMC4100/pHYD763の/pACYC184の各々の単一形質転換体コロニーを、CmとTetを補った2mlのLB中に接種し、そしてその培養物を、30℃で一晩インキュベーションすることによって静止期まで培養した。そして、その培養物の各々から準備した100 μl量の1:100希釈物を、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Tetを補った10 mlのLB培地中に接種した。両方のフラスコを、それぞれの培養物のA600値が約1.3に達するまで、ジャイロータリー水浴振とう機により43℃で振盪しながらインキュベートし、それに続いて、プラスミド調製物を各々のフラスコから採取した2.5 mlの容量の培養物から作製した。GJ1504誘導体の培養物からのプラスミドpACYC184の収量が、MC4100誘導体の培養物からの収量より実質的に多かったことが観察された。収穫時点で、GJ1504由来培養物の生存率の大幅な低下があったが、MC4100由来培養物には低下がなかったことが同様に観察された。
実施例3
nusG+遺伝子を担持するIPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD751の構築と、IPTG中止後のGJ1504/pHYD751/pUC4KにおけるプラスミドpUC4Kのコピー数の増加の実証
プラスミドpHYD547から始まって、nusG+を担持する2.1 kbのEcoRI−SalIフラグメントを、IPTG依存性AmprプラスミドベクターpAM34のEcoRI−SalIサイトの中にサブクローニングして、プラスミドpHYD751を作製した。
菌株MC4100とGJ1504を、それぞれpHYD751形質転換に対して(IPTGの存在下で)Kanr、およびpUC4K形質転換に対してAmprについての選択を用いて、各々続けてプラスミドpHYD751、そしてpUC4Kにより形質転換した。GJ1504/pHYD751/pUC4KとMC4100/pHYD751/pUC4Kの各々の単一形質転換体コロニーを、Amp、Kan、およびIPTGを補った2 mlのLB中に接種し、その培養物を、30℃で一夜インキュベーションすることによって静止期まで培養した。各々の培養物中の細胞を、卓上遠心分離機を用いて10分間4000rpmで遠心分離することでペレットにし、そして2mlの新しいLB中に再懸濁した。各々の懸濁液から10 μl量を、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Kanを補った10 mlのLB培地中に接種した。両方のフラスコを、それぞれの培養物のA600値が約1.3に達するまで、ジャイロータリー水浴振とう機により30℃で振盪しながらインキュベートし、それに続いて、各々のフラスコから採取した2.5 ml量の培養物からプラスミド調製物を作製した。GJ1504誘導体の培養物からのプラスミドpUC4Kの収量が、MC4100誘導体の培養物からの収量より実質的に高かったことが観察された。収穫時点において、GJ1504由来培養物の生存率の大幅な低下があったが、MC4100由来培養物の低下がなかったことが同様に観察された。
実施例4
同質遺伝子rho+菌株GJ862と、rho−4変異株GJ863の培養物からのプラスミドpACYC184の収量の比較
同質遺伝子rho菌株GJ862およびGJ863を、以下の通り2ステップのP1形質導入によって構築した。第1ステップにおいて、菌株CAG18431により準備したP1ライセートを、MC4100のTetrIlv-への形質導入に使用した。そのような形質導入体の1つを、rho−4変異菌株でCGSC5072によって準備したP1ライセートの感染のための第2ステップにおける受容菌として使用し、そしてIlv+形質導入体を選択した(その全てがTetsにもなる)。Ilv+Tets形質導入体の約20%が、それらがSMG感受性であったMC4100のように振る舞うのに対し、残りの80%が、SMG耐性となり、つながれたrho−4対立遺伝子を受け継いだと推測された。第2の交雑からSMG感受性形質導入体1つとSMG耐性形質導入体1つをさらなる研究に使用し、そしてそれぞれGJ862とGJ863と規定した。GJ863のrho染色体遺伝子のDNA配列決定は、rho−4突然変異がコードしたタンパク質の同族アミノ酸位置でのアラニンからグルタミン酸塩への置換をもたらす243番コドンのGCからTAへの塩基転換突然変異であることを示した。
菌株GJ862とGJ863を、プラスミドpACYC184によって形質転換し、形質転換体コロニーを、Cmを補ったLB寒天平板上、30℃で14時間インキュベーションすることによって選択した。GJ862/pACYC184とGJ863/pACYC184の各々の単一コロニーを、形質転換プレートから選び、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Cmを補った30 mlのLB培地中に別々に接種し、そしてジャイロータリー水浴振とう機を用いて30℃でインキュベートした。その培養物から3 mlのアリコートを、接種の6時間後から始まって18時間まで2時間間隔で採取した。各々のアリコートについて、(A600)を計測し、プラスミド調製物を2.5 mlの容量から作製した。前記2つの培養物に関する得られた全てのA600値について、GJ863/pACYC184からのpACYC184DNAの収量は、GJ862/pACYC184からの収量より高く、そして約1.0〜1.2のA600値において、この違いが非常に大きかった(約10倍以上)ことを観察した。
菌株GJ863のpACYC184形質転換体内のプラスミド含有量の実質的増加は、30℃、24〜36時間のインキュベーション後の上記コロニーおよび培養物の生存率の急落とも相関関係があった。
2つの他のプラスミドpUC19またはpBluescriptII−KSのいずれかによる、しかしGJ862のではないGJ863の形質転換体の誘導体が、30℃、24時間のインキュベーション後に非常に低い生存率を示すことも判明した。
実施例5
30℃から43℃への温度シフトアップ後のGJ863/pPMrhoCam/pACYC184におけるプラスミドpACYC184のコピー数の増加の実証のための、rho+遺伝子を担持する温度感受性条件付きレプリコン・プラスミドpPMrhoCamの使用。
菌株MC4100とGJ863を、それぞれpPMrhoCam形質転換に対するCmrとpACYC184形質転換に対するTetrについての選択を用いて、各々続けてプラスミドpPMrhoCam(rho+遺伝子を担持する温度感受性条件付きレプリコン)、そしてpACYC184により形質転換した。GJ863/pPMrhoCam/pACYC184とMC4100/pPMrhoCam/pACYC184の各々の単一形質転換体コロニーを、CmおよびTetを補った2 mlのLB中に接種し、そしてその培養物を30℃で一晩インキュベーションすることによって静止期まで培養した。各々の培養物から準備した100 μl量の1:100希釈物を、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Tetを補った10 mlのLB培地中に接種した。両方のフラスコを、それぞれの培養物のA600値が約1.3に達するまで、ジャイロータリー水浴振とう機により43℃で振盪しながらインキュベートし、それに続いて、各々のフラスコから採取した2.5 ml量の培養物からプラスミド調製物を作製した。GJ863誘導体の培養物からのプラスミドpACYC184の収量が、MC4100誘導体の培養物からの収量より実質的に高かったことが観察された。収穫時点において、GJ863由来培養物の生存率の大幅な低下があったが、MC4100由来培養物の低下がなかったことが同様に観察された。
実施例6
rho+遺伝子を担持するIPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD1201の構築と、IPTG中止後のGJ863/pHYD1201/pUC4KにおけるプラスミドpUC4Kのコピー数の増加の実証
IPTG依存性条件付きレプリコン・プラスミドpHYD1201を、以下の通り3ステップにより構築した。Koharaら[Cell (1987) 50:495-508]によって記載のE.コリのゲノムのオーダードλファージ・ライブラリからのλファージ・クローン556のDNAから始まって、rho+遺伝子を担持する6.7 kbのHindIIIフラグメントを、プラスミドベクターpCL1921のHindIIIサイトの中にサブクローニングし、そうして得られた1つのプラスミドをpHYD552と規定した。第2ステップで、rho+遺伝子を担持するpHYD552からの3.3 kbのNsiIフラグメントを、プラスミドベクターpCL1920のPstIサイトの中にクローニングしてプラスミドpHYD567とpHYD568(上記ベクターに関して挿入断片の2つの方向性を意味する)を得る。pHYD567の挿入断片DNAを、(特に)(rhoプロモーターに最も近い)一方の端でSalI部位と、そして他方でHindIII部位と隣接する。第3ステップで、プラスミドpHYD1201を作製するために、pHYD567(rho+を担持する)からのHindIII−SalIフラグメントをプラスミドベクターpAM34のHindIII−SalIサイトの中にクローニングした。第3ステップにおけるAmpr形質転換体は、IPTGを補ったプレートによって選択された。
菌株GJ862(rho+)とGJ863(rho−4)を、それぞれpHYD1201形質転換に対して(IPTGの存在下で)Kanr、およびpUC4K形質転換に対してAmprについての選択を用いて、各々続けてプラスミドpHYD1201、そしてpUC4Kにより形質転換した。GJ862/pHYD1201/pUC4KとGJ863/pHYD1201/pUC4Kの各々の単一形質転換体コロニーを、Amp、Kan、およびIPTGを補った2mlのLB中に接種し、その培養物を、30℃で一夜インキュベーションすることによって静止期まで培養した。各々の培養物中の細胞を、卓上遠心分離機を用いて10分間4000rpmで遠心分離することでペレットにし、そして2mlの新しいLB中に再懸濁した。各々の懸濁液から10 μl量を、150 ml容のエルレンマイヤーフラスコ中、Kanを補った10 mlのLB培地中に接種した。両方のフラスコを、それぞれの培養物のA600値が約1.3に達するまで、ジャイロータリー水浴振とう機により30℃で振盪しながらインキュベートし、それに続いて、各々のフラスコから採取した2.5 ml量の培養物からプラスミド調製物を作製した。GJ863誘導体の培養物からのプラスミドpUC4Kの収量が、GJ862誘導体の培養物からのそれより実質的に高かったことが観察された。収穫時点において、GJ863由来培養物の生存率の大幅な低下があったが、GJ862由来培養物の低下がなかったことが同様に観察された。
実施例7
dnaC+菌株GJ3141と同質遺伝子dnaCの変異株GJ3140の誘導体の培養物からのプラスミドpACYC184、pBR329、およびpUC19の収量の比較
菌株GJ3158は、ブダペスト条約規則の下、NCIMB Ltd.(Scotland)で登録番号NCIMB41132として寄託された本願発明の菌株である。菌株GJ3158は、P1ファージ形質導入によりdnaCに約88%関連したzjj-901::Tn10dKan挿入による、コードされたタンパク質の同族アミノ酸部位でのアラニンからスレオニンへの置換をもたらす染色体のdnaC遺伝子の83番コドンのGCからATへのトランジション突然変異を担持する。菌株GJ3158により準備されたP1ライセートを、37℃にてLB−Kan寒天平板上での、Kanrへの菌株GJ3141の形質導入のために使用した。dnaC突然変異を同時に受け継いだKanr形質導入体を、続いてプラスミドpUC19により30℃でAmprに形質転換された時、その形質転換体の誘導体は42℃で培養することも可能であるのに対し、親のdnaC+対立遺伝子を持ち続けたそれらのKan形質導入体は、42℃で培養できないpUC19−Ampr形質転換体を生み出す、という事実に基づいて確認した。そうして確認されたKanrdnaC+およびKanrdnaC形質導入体の各々1つを、それぞれGJ3141およびGJ3140と規定した。
菌株GJ3141とGJ3140を、それぞれ、30℃でのCmr、Ampr、またはAmprコロニーに対する選択を用いて、各々プラスミドpACYC184、pBR329、またはpUC19により形質転換した。形質転換体の誘導体を、30℃で適当な抗生物質を補ったLB中でA600値約1.6まで培養し、そしてプラスミド調製物を各々の培養物2.5 mlの容量から作製した。3つのプラスミドの各々の収量は、対応するGJ3141誘導体からの収量よりもGJ3140誘導体からの方が実質的に低いことを観察した。
宿主細菌細胞内のプラスミド含有量を変更するために、dnaC突然変異が、nusGおよびrho突然変異と無関係に働くことを示す証拠となる2つの系統を得、それにより、上記細胞からプラスミド収量を調節するために、当業者が(一方にnusGまたはrho、そして他方にdnaCから成る)様々な突然変異の組み合わせを利用することを可能にした:(i)(ファージP1を介在した形質導入によって)dnaC突然変異を菌株GJ3158からnusG菌株GJ1504内またはrho菌株GJ863内のいずれかに導入し、そして続いてプラスミドpACYC184を得られた誘導体内に形質転換した場合に、上記形質転換体からのプラスミド収量は、GJ3140/pACYC184からの収量より高いが、しかしGJ1504/pACYC184またはGJ863/pACYC184のいずれかからの収量より低かった。(ii)GJ1504およびGJ863のpACYC184形質転換体が30℃、24〜36時間のインキュベーション後に生存率の急落を示すのに対して、GJ1504およびGJ863のdnaC変異株の誘導体の類似の形質転換体は、生存率の少しの損失も示さなかった。様々な菌株のプラスミドpUC19形質転換体を試験した時、同様に非常に類似した結果が得られた。

Claims (14)

  1. 大腸菌内のプラスミドの変更された含有量を得る方法であって、以下のステップ:
    (a)大腸菌の染色体遺伝子であるnusG、rho−4またはdnaCのいずれか1つに突然変異を導入することにより、大腸菌の突然変異株を得、ここで、当該変異は、nusGによってコードされたタンパク質の146番コドンでのグリシンからアスパラギン酸塩への置換、rho−4によってコードされたタンパク質の243番コドンでのアラニンからグルタミン酸塩への置換、またはdnaCによってコードされたタンパク質の83番コドンでのアラニンからスレオニンへの置換を生じる;
    (b)当該大腸菌内の条件付きレプリコン上に上記染色体遺伝子の機能性のコピーを維持し;
    (c)当該突然変異株にプラスミドを導入し、ここで、当該プラスミドは、染色体nusGの突然変異を有する株については、pACYC184、pUC19、pBluescript II−KSおよびpUC4Kから選ばれ、染色体rho−4の突然変異を有する株については、pACYC184およびpUC4Kから選ばれ、染色体dnaCの突然変異を有する株については、pACYC184、pBR329およびpUC19から選ばれる;
    (d)細胞内複製および条件付きレプリコンの維持を許容する条件下で上記プラスミドを有する突然変異株を培養し;
    (e)上記条件付きレプリコンのさらなる細胞内複製を許容しない制限条件下で上記プラスミドを有する突然変異株を培養し;並びに
    (f)上記突然変異株内のプラスミドのレベルと、大腸菌の非突然変異株内のプラスミドのレベルとを比較すること、ここで、当該大腸菌の非突然変異株は、nusG、rho−4またはdnaCに突然変異を導入せずに、前記ステップ(b)、(c)、(d)および(e)を経て得られる、
    を含み、
    ここで、上記突然変異株内のプラスミドのレベルと上記非突然変異内のプラスミドのレベルとの相違は、プラスミドの変更された含有量の指標である、前記方法。
  2. nusGの146番コドンでの突然変異が、GCからATへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
  3. rho−4の243番コドンでの突然変異が、GCからTAへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
  4. dnaCの83番コドンでの突然変異が、GCからATへのトランジション突然変異である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記nusG遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの上昇をもたらす、請求項1に記載の方法。
  6. 前記rho−4遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの上昇をもたらす、請求項1に記載の方法。
  7. 前記dnaC遺伝子の突然変異が、プラスミドのレベルの低下をもたらす、請求項1に記載の方法。
  8. 前記突然変異がrho−4遺伝子に導入され、pACYC184のレベルの増加が10倍である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記突然変異がnusG遺伝子に導入され、pACYC184のレベルの増加が10倍である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記条件付きレプリコンが、nusG、rho−4およびdnaCを個々にまたは組み合わせて含む非突然変異遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 所望のレベルで着目の遺伝子を獲得するのに役立つ、請求項1に記載の方法。
  12. コードされたタンパク質の対応するアミノ酸の位置でグリシンからアスパラギン酸塩への置換をもたらす、nusG染色体遺伝子の146番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を担持する、大腸菌株。
  13. コードされたタンパク質の対応するアミノ酸の位置でアラニンからスレオニンへの置換をもたらす、dnaC染色体遺伝子の83番コドンにおけるGCからATへのトランジション突然変異を担持する、大腸菌株。
  14. 英国スコットランドのNCIMB Limitedに寄託された登録番号NCIMB41132の遺伝子型MC4100 nusG argE86::Tn10 dnaC zjj901::Tn10dKanの大腸菌株。
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