JP4836440B2 - 微生物を用いたアルギニン産生の方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルギニン生合成を増大させ、そしてEscherichia coliタンパク質YggAまたはEscherichia coli YggAと実質的に類似するタンパク質のレベルを増大させるために遺伝的に操作された系統を用いることにより、細菌の培養物からのアミノ酸、アルギニンの収量を増大させるための方法に関する。本発明の2種類の系統は、MTCC(Chandigarh)に寄託された。これらの系統は、GJ4894/pHYD952(MTCC 5127)およびGJ4536/pHYD953(MTCC 5128)である。
天然に存在するタンパク質の構成要素であるいくつかのアミノ酸は、たとえば、加工食品産業において使用するため、家畜動物飼料(animal stock feed)において使用するため、そしてヒト非経口的栄養補助剤を提供する際に使用するために、商業的に産生されている。アミノ酸によっては、商業的な産生のための方法は、化学的合成、タンパク質加水分解、および/または微生物の発酵方法によるものであってもよい。たとえばグルタミン酸(Glutamate)は、細菌の発酵により、非常に大規模に生産されている。
アミノ酸産生のために細菌を使用するどのような方法においても、いくつかの特徴が好ましいものとして認識されている。一つは、アミノ酸の生合成経路を通じて、流動を亢進しまたは最適化することである。また別のものは、細菌におけるアミノ酸の活性な取り込みシステムを不活性化し、その結果アミノ酸が細胞内煮蓄積することを回避することである。さらにまた別のものは、細菌明らかにされたことであるが、細菌におけるアミノ酸排出装置(exporter)の機能を使用することである
アミノ酸の活性な取り込みシステムとは異なり、非常にまれに存在するアミノ酸排出装置が、細菌において同定された。中でも、同定された第一の細菌性アミノ酸排出装置は、Corynebacterium glutamicumのリジン排出装置LysEであった[非特許文献1]。続いて、LysEは、アルギニンの排出装置であることも示された[非特許文献2]。LysEの合成は、LysR-型の転写制御因子の大型なファミリーの構成分子である制御因子タンパク質、LysGの転写活性化制御下にある。LysGは、上で引用した非特許文献2中に記載されるように、リジンによるそしてアルギニンによる、C. glutamicumにおけるLysE転写の誘導を媒介する。
アルギニンは、食餌性構成要素として(もっとも頻繁には、食餌性タンパク質の構成成分として)、ヒトを含むほとんどの動物にとって必要とされる、必須アミノ酸に分類される。アルギニン生合成の制御は、Escherichia coliまたはSalmonella typhimuriumなどのEnterobacteriaceae科の細菌において、よく研究されており、これらの細菌では、アルギニン生合成は遺伝子argRの抑制的制御下にあり、その結果argR変異体は、アミノ酸の合成が実質的に増加することが示される[非特許文献3;非特許文献4]。argAによりコードされるアルギニン生合成経路の最初の酵素は、最終生成物であるアルギニンによるフィードバック阻害の対象ともなり、そしてフィードバック阻害耐性のargA変異体および複数コピーのargAを有するE. coli誘導体がえられ、これらはアルギニンを過剰産生した[特許文献1;非特許文献5;特許文献2]。上で引用した非特許文献3および非特許文献4において記載されるように、アルギニン合成を増加させることが示された変異体は、アルギニン類似体カナバニン(canavanine)に対して耐性であり、そしてアルギニン栄養要求株の系統の栄養共生的増殖を増大させることをサポートすることができる。
アルギニンについてのいくつかの活性な取り込みシステムが、E. coliにおいて同定された;少なくとも2種類のこれらの取り込みシステムを介した、アルギニン取り込みはargK遺伝子の産生物により調節され、その転写が、次にLysR-型転写制御因子遺伝子argP(以前はiciAと呼ばれていた)により活性化されることが、主張された[非特許文献6]。同じ非特許文献6においてさらに、カナバニンに対する耐性を付与するargP変異が、アルギニン取り込みシステムに対するArgPの機能を活性化することを止めることによりそのようなことが起こることが、主張された。
V. A. Livshitsら(特許文献3、2000年7月5日公開)により、E. coliの性質がはっきりしないオープンリーディングフレーム、yahN、yeaS、yfiK、およびyggAが、アミノ酸排出装置をコードすることが示唆され、そして複数コピー数のyggAを有するE. coli系統が、(i)アルギニンに対する耐性およびリジン類似体であるS-(2-アミノエチル)-システインに対する耐性を亢進させ、そして(ii)培養液中でのリジン、グルタミン酸、およびアルギニンの産生を亢進させること、が示された。
系統の寄託
完全な開示の要件にしたがって、本発明の2種類の系統を、Microbial Type Culture Collection(MTCC)、微生物技術研究所(Institute of Microbial Technology, Sector 39-A, Chandigarh 160036, India)に2004年2月19日に寄託した(ブダペスト条約に基づく国際寄託にしたがった)。これらの系統は、以下の通りである(アクセッション番号は、かっこ内に示した):
GJ4894/pHYD952(MTCC 5127)
GJ4536/pHYD953(MTCC 5128)。
Vrljic et al (1996) Mol. Microbiol. 22: 815-826 Bellmann et al (2001) Microbiology 147: 1765-1774 N. Glansdorff (1996) "Biosynthesis of arginine and polyamines", in Escherichia coli and Salmonella: Cellular and Molecular Biology, 2nd Edition (Neidhardt et al., eds.) ASM Press, Washington D.C., USA, Chapter 25, pp 408-433 R.A. Kelln and G.A. O′Donovan (1976) J. Bacteriol. 128: 528-535 Momose et al, US patent 4430430 issued 07 Feb 1984 B.S. Rajagopal et al. (1998) Appl. Env. Microbiol. 64: 1805-1811 L.R. Ptitsyn et al, European patent application EP1170361 A2, published 09 Jan 2002 R.T.F. Celis (1999) J. Mol. Biol. 294: 1087-1095 V. A. Livshits et al, European patent application EP1016710 A2
本発明の主要な目的は、細菌の細胞培養からのアミノ酸アルギニンの収量を増大させるための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、アルギニン生合成を増大させかつE.coliタンパク質YggAまたはアミノ酸配列がE. coli YggAと実質的に類似するタンパク質のレベルを増大させるために、細菌の系統を遺伝的に操作することにより、細菌の細胞培養からのアミノ酸アルギニンの収量を増大させるための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、カナバニン耐性の表現型に関連するargR遺伝子中に変異を導入することを含む、アルギニン生合成を増大させるための2種の遺伝子操作を有し、そしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖を増大させることをサポートする能力を有する、組換え細菌系統を産生することである。
本発明の別の目的は、カナバニン耐性の表現型と関連するargP遺伝子中に改変または変異を作製することである。
本発明の別の目的は、プラスミド中において、改変されたまたは変異されたargP遺伝子を提供することである。
本発明の別の目的は、アルギニン生合成を増大させかつE.coliタンパク質YggAのレベルを増大させるために、遺伝子操作されたE.coli系統を提供することである。
したがって、本発明は、細菌の培養においてアルギニンを産生するための新規な方法、すなわち少なくとも2種類の遺伝子操作、すなわち一つはアルギニン生合成を増大させるためのもの、そしてもう一つはE. coli YggAまたはアミノ酸配列でE. coli YggAと実質的に類似するタンパク質のいずれかのレベルを増大させるためのもの、を有する細菌の系統を増殖させることを含む方法、を提供する。本発明の重要な特徴は、2種類の遺伝子操作が相乗的に作用すること、その場合、アルギニン産生に対するそれらの組み合わせによる効果が、別々に得られる効果と比較して、実質的に優れていること、である。
本発明の別の側面は、前記第二の遺伝子操作が、E. coli YggAのレベルを増加させるためのものであり、これはE. coli yggA遺伝子の転写が増加することを通じて達成されるということであり、ここで、他の点では細菌の野生型系統である第二の細菌において行われる場合、第二の遺伝子操作は、それ自体、操作された第二の細菌の系統におけるカナバニン耐性の表現型と関連するものとして、定義される。
本発明の別の側面において、前記第二の遺伝子操作には、クローン化したE. coli yggA遺伝子を有する複数コピーのプラスミドを導入することが含まれる。
本発明はまた、カナバニン耐性の表現型に関連するargR遺伝子内に変異を導入すること、そしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖を増大させることをサポートする能力を導入すること、を含む、細菌の培養中でのアルギニン生合成を増大させるために細菌の系統をを遺伝的に操作する方法を提供する。
本発明のもう一つの側面は、argP遺伝子におけるカナバニン耐性-付与性変異の導入、たとえば、E. coli argP遺伝子のコドン94の改変、により、前記タンパク質のレベルを増大させることである。
本発明の2種類の系統は、MTCC(Chandigarh)に寄託された。系統は、GJ4894/pHYD952(MTCC 5127)およびGJ4536/pHYD953(MTCC 5128)である。
添付する配列表についての簡単な記載
SEQ ID NO: 1:5’- GGGCGCGAACTCGCTGAGCGA-3’
SEQ ID NO: 2:5’- GAGCAAGTTGTACGAACGCTT -3’
SEQ ID NO: 3:5’-GTAAAACGACGGCCAGT-3’
SEQ ID NO: 4:5’-AACAGCTATGACCATG-3’
発明の実施の形態
したがって、本発明は、細菌の培養中でアルギニンを産生するための方法を提供し、前記方法は、以下の工程:
I. 第一の細菌系統を増殖させ、ここで前記第一の系統は以下の(i)および(ii)の少なくとも2種類の遺伝子操作を受けており:
(i) 他の点では前記細菌の野生型系統である第二の細菌において行われる場合、それ自体カナバニン(canavanine)耐性の表現系、およびアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の上昇をサポートする能力と関連するもので規定される、アルギニン生合成を増加させるための第一の操作;そして
(ii) 他の点では前記細菌の野生型系統である第二の細菌において行われる場合、それ自体カナバニン耐性の表現系と関連するものとして規定される、Escherichia coliタンパク質YggAまたはEscherichia coli YggAとそのアミノ酸配列において実質的に類似するタンパク質のいずれかのレベルを上昇させるための第二の操作;そして
II. ついで、前記第一の細菌系統の培養液から、既知の方法によりアルギニンを回収する;
を含む。
本発明の態様は、第一の細菌の系統および第二の細菌の系統がEscherichia coliの誘導体であり、そして第二の遺伝子操作がEscherichia coli yggA遺伝子の発現の増加に関連している方法を提供する。
第二の遺伝子操作には、argP遺伝子中のカナバニン耐性-付与性改変が含まれ、そしてargP遺伝子中の改変にはEscherichia coli argP遺伝子のコドン位置94番でのロイシンをコードするコドンが含まれる。
本発明の別の態様においては、argP中の改変がプラスミド上に存在しており、ここで前記プラスミドはアクセッション番号MTCC 5128を有する細菌から入手することができるpHYD953である。
本発明のもう一つ別の態様は、第二の遺伝子操作がプラスミド上にE.coli yggA遺伝子を導入することを含み、前記プラスミドがアクセッション番号MTCC 5127を有する細菌から入手することができるpHYD952である、方法を提供する。
本発明の別の態様においては、第一の遺伝子操作は、argR遺伝子中のカナバニン耐性-付与性変異を含む。
本発明は、細菌の培養中でアルギニンを産生するための新規な方法に関する。
本発明の一側面は、細菌の培養中でアルギニンを産生するための方法であることを特徴とし、この方法は、少なくとも2種の遺伝子操作(すなわち一つはアルギニン生合成を増大させるためのものそしてもう一つはE. coli YggAであるタンパク質またはアミノ酸配列においてE. coli YggAと実質的に類似するタンパク質のレベルを増大させるものである)を受ける第一の細菌の系統を増殖させることを含む。E. coli YggAは、E. coliゲノム中の特徴がわかっていないオープンリーディングフレームyggAの産物である。前記のタンパク質レベルの増大は、他の点では前記細菌の野生型系統である第二の細菌において行われる場合、第二の細菌の系統におけるカナバニン耐性の増大という表現型をそれ自体付与しうる。
本発明の一側面において、前記のタンパク質レベルの増大は、argP遺伝子中にカナバニン耐性-付与性変異を導入することにより、たとえば、E. coli argP遺伝子のコドン94をロイシンをコードするコドンに改変することにより、達成される。
本発明の別の側面において、前記のタンパク質レベルの増大は、細菌中の複数コピーのプラスミド上にyggA遺伝子を導入することにより達成される。
好ましくは、細菌の系統は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の細菌の系統、たとえば、E. coliの系統である。
本発明のさらなる側面において、前記第一の細菌の系統においてアルギニン生合成を増大させるための遺伝子操作には、カナバニン耐性の表現型と関連するargR遺伝子中に変異を導入すること、そしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の上昇をサポートする能力を導入すること、が含まれる。
本明細書中で使用される場合、変異または遺伝子操作と関連するかまたは変異または遺伝子操作により付与される“カナバニン耐性”または“カナバニン高感受性”は、前記変異または遺伝子操作を受け、様々な濃度のカナバニンを添加された培養液中で、前記変異または遺伝子操作を受けていない同系の野生型系統と比べて、それぞれ増殖の向上または増殖の低下を示す、系統の能力のことを言う。
本明細書中で使用される場合、変異または遺伝子操作と関連するかまたは変異または遺伝子操作により付与される“アルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の上昇をサポートする能力”は、前記変異または遺伝子操作を有する第一の被検系統が、前記変異または遺伝子操作を有さない第二の同系の野生型被検系統と比較して、たとえば、実施例6に説明する様に、アルギニン-不含寒天培地中に播かれた場合にその上に被検系統をスポットするアルギニン栄養要求株の指標系統の、微小コロニーの栄養共生的増殖のより顕著なハロ(halo)を示す能力のことである。
それ以外の定義をしない場合には、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により通常理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合、定義も含めて本件出願が支配する。すべての刊行物、特許および本明細書中で言及するその他の参考文献は、参考文献として本明細書中に援用する。
本明細書中で記載されるものと類似のまたは同等の方法および物質を本発明を実施しまたは試験する際に使用することができるが、好ましい方法および物質は、以下に記載される。物質、方法、および例示は、説明のみを目的としたものであり、限定を意図したものではない。本発明のその他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
これらの方法は、本明細書中で記載されるyggAおよびargP遺伝子、およびそれらの変異の特定の新規な特徴を見いだしたことに基づいている。この知見には、E. coliにおけるArgP機能の欠失が、上記に引用したCelisの文献(1999)において教示されるカナバニン耐性とは関係なく、カナバニン-高感度性と関係しているという知見; E. coliにおけるYggA機能の欠失もまた、カナバニン-高感度性と関係しているという知見;野生型argP遺伝子を有する系統において、argR遺伝子中へのカナバニン耐性-付与性変異の導入に際してまたは培養培地にアルギニン、その前駆体であるシトルリン、またはカナバニンを添加するに際して、yggA遺伝子の転写が誘導され、そして培養培地にリジンを添加するに際してそれが実質的に抑制されるという知見;そしてargP遺伝子中にカナバニン耐性-付与性ミスセンス変異を有する系統において、yggA遺伝子の転写が上昇し、そしてその転写は、培養物へのアルギニンまたはリジンの添加の作用に大部分は本質的であるようにされる、という知見を含む。これらの知見により、我々は、YggAタンパク質が、E. coliにおいてアルギニンに特異的な排出装置であり、この合成はアルギニンの誘導性作用を媒介するが、リジンの存在下においてその活性化機能を不活性化する、ArgPタンパク質の転写活性化調節の下で行われる、ということを提案する。
上記で引用したLivshitsらの文献(2000)は、遺伝的に操作してE. coli YggAの量が増加した細菌系統の培養中において、アルギニン産生を増大させる方法を教示する。しかしながら、前記遺伝子操作もまた、(i)培養培地中のリジン含量の増加、(ii)リジン排出の増加も伴うリジン類似体S-(2-アミノエチル)-システインに対する耐性の増加、そして(iii)培養培地中のグルタミン酸含量の増加、にも関連する。
上記で引用したLivshitsら(2000)により教示されたアルギニン産生を増加させる方法は、当該技術分野において、以下のものを含むいくつかの欠点を受けると考えられているが、これらのものには限定されない。培養培地におけるリジン含量およびグルタミン酸含量の増加は、所望の最終生成物アルギニン以外の産物への、代謝物の無駄なチャネリングが存在することを示している。さらに、排出されるグルタミン酸自体は、アルギニン生合成の必須な前駆体であり、そしてリジンはYggA排出装置の合成を阻害しうる(以下の実施例6を参照)。
したがって、本発明は、アルギニン生合成を増加させるための第一の操作、およびE. coli YggAまたはアミノ酸配列がE. coli YggAと実質的に類似するタンパク質のいずれかのレベルを増加させるための第二の操作、を含む少なくとも2種類の遺伝子操作を有する細菌の第一の系統を使用する、細菌培養物中でアルギニンを産生させるための改良された方法を教示する。本発明の重要な特徴は、アルギニン産生に対する組み合わせ作用が、実質的に個別のそれぞれの作用よりも実質的に大きいという点で、2種類の遺伝子操作が相乗的に作用するということである。
本発明の好ましい側面は、前記第二の遺伝子操作が、E. coli YggAのレベルを増加させるためのものであり、それがE. coli yggA遺伝子の転写を増加させることにより達成されるということである。他の点では前記細菌の野生型系統である第二の細菌において行われる場合、前記第二の遺伝子操作は、それ自体、操作された第二の細菌系統におけるカナバニン耐性の表現系と関連する可能性がある。
本発明の一側面において、前記第二の遺伝子操作は、複数コピーのプラスミドをクローン化E. coli yggA遺伝子を用いて導入することを含み、そして実施例1は、複数コピーのプラスミドpHYD952をクローン化yggA遺伝子を用いて構築することについて記載する。
本発明の別の側面において、前記第二の遺伝子操作は、argP遺伝子中にカナバニン耐性-付与性変異を導入することを含み、そして実施例2〜4は総合してargP遺伝子中にカナバニン耐性-付与性変異を有するプラスミドpHYD953を得るための方法を記載する。argP遺伝子中のカナバニン耐性-付与性変異がyggA遺伝子の転写の増加と関係していることは、実施例6に記載される。
E. coli yggAおよびargPのオルソログがいくつかの細菌中に存在し、そしてしたがって、当業者が、上述した様にそして実施例中に記載したように、前記オーソロガス遺伝子を用いてまたはE. coli遺伝子およびそれらのオルソログの変異体を用いて、前記第二の遺伝子操作を行うことは、実現可能である。
アルギニン生合成は、多数の細菌において厳密に制御されているが、しかしながら細菌を遺伝的に操作し、その結果制御メカニズムを混乱させ、そしてアルギニンの細胞内の生合成を増加させる、いくつかの手段が、当該技術分野において教示される[たとえば、上記で引用された、Glansdorffの文献(1996)、KellnおよびO′Donovanの文献(1976);Momoseらの文献(1984);Rajagopalらの文献(1998);Ptitsynらの文献(2002)を参照]。当該技術分野において既知のそのような遺伝子操作には、argR抑制遺伝子を不活性化させる変異、コードされる酵素アセチルグルタミン酸合成酵素(acetyl glutamate synthase)にアルギニンに対するフィードバック耐性を与えるargAの変異、およびargA遺伝子のコピー数の増加、が含まれるが、これらのものには限定されない。細菌中でアルギニン生合成を増加させるいずれかの遺伝子操作は、前記細菌の表現型にカナバニン耐性を付与し、そしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の増加をサポートする能力を付与する可能性がある。
本発明は、細菌の培養中でアルギニンを産生させるための方法を教示し、ここで前記細菌は、アルギニン生合成を増加させる少なくとも1種類の第一の遺伝子操作およびE. coli YggAまたはアミノ酸配列でE. coli YggAと実質的に類似するタンパク質のいずれかのレベルを増加させる少なくとも1種類の第二の遺伝子操作を有する細菌である。実施例5は、E. coli系統がアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の増加をサポートする能力により決定されるように、前記E. coli系統中でアルギニンの産生を増加させることを記載する。前記E. coli系統は、アルギニン生合成の増加を引き起こすargR変異を含む第一の遺伝子操作を、(i)クローン化yggA遺伝子を有する複数コピーのプラスミド、または(ii)クローン化argP遺伝子中にカナバニン耐性-付与性変異を有するプラスミド、のいずれかを含む第二の遺伝子操作と組み合わせて有する。
実施例6は、yggAプロモータのin vivo転写活性を測定するためのyggA-lacオペロン融合物を構築する方法、それを使用して、野生型系統MC4100の誘導体において、yggAプロモーター転写がアルギニンにより誘導され、そして外来性リジン添加によりほぼ不活性化されることを示すこと;そしてargP中にカナバニン耐性-付与性変異を有する系統において、yggAプロモーター転写が構成的に活性化されることを示すこと、を記載する。yggAプロモーター転写活性におけるこれらの変化は、細菌中のYggAタンパク質のレベルの適切な変化を引き起こすことが期待される。
提示された実施例は、用途、方法、および本発明において請求項に記載されたベクターや系統などの生成物を説明するためのみのものであり、本発明自体の実施は、記載された実施例に限定されるわけでも、その実施例により限定される訳でもない。同一の発明のさらなる形態および/または実施化させるための代替的手段は、すでに知られておりそして当該技術分野において十分に確立された物質および方法に関連する修飾により達成することができることが予想される。argR遺伝子、argP遺伝子、およびyggA遺伝子のオルソログが、様々なグラム陰性細菌およびグラム陽性細菌中で同定されたことは、この文脈において同様に注目される可能性がある。
以下の実施例において、以下の物質および方法を、一貫して使用した:
1. 細菌学的培地材料は、Difco Laboratories(P.O.Box 331058, Detroit, Michigan 48232-7058, USA)から購入した。アミノ酸およびカナバニンを含む抗生物質および精製化学製品は、Sigma-Aldrich Corporation(P.O. Box 14508, St.Louis, Missouri 63178, USA)から購入した。すべてのアミノ酸およびカナバニンは、“L-”体の光学異性体であった。制限エンドヌクレアーゼおよびDNAクローニングの間に使用した酵素、同様に17-mer M13/pUCシークエンシングプライマー(-20)および16-mer M13/pUCリバースシークエンシングプライマー(-24)は、New England Biolabs(32 Tozer Rd, Beverly, Massachussetts 01915-5599, USA)から入手した。その他の合成オリゴヌクレオチドプライマーは、Eurogentec s.a.(Liege Science Park, Rue Bois Saint Jean 5, 4102 Seraing, Belgium)から入手した。
2. 栄養成長培地およびグルコース最小培地はそれぞれ、“A Short Course in Bacterial Genetics : A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria”(J. H. Miller (1992), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA)中に記載されるLB培地およびグルコース-最小A培地に由来した。必要がある場合、栄養要求株の要求性を満たすために最小増殖培地に特定のアミノ酸を添加するとき、それぞれの最終濃度は40μg/mlであった。抗生物質は(必要がある場合)以下の最終濃度(μg/ml)で使用した:アンピシリン(Amp)、100;テトラサイクリン(Tet)、15;クロラムフェニコール(Cm)、30;カナマイシン(Kan)、50;トリメトプリム(trimethoprim、Tp)、60;およびスペクチノマイシン(Sp)、50。Superscripts RおよびSを使用して、耐性および感受性のそれぞれの表現型を表示する。Amp、Kan、およびSpのストック溶液は水中で調製し、Tpのストック溶液はジメチルホルムアミド中で調製し、そしてTetおよびCmのストック溶液はエタノール中で調製した。カナバニンは、水中20 mg/mlのストック溶液として調製し、そして以下に記載する様々な濃度にて使用した。0.1 Mクエン酸バッファー(pH 5.5)および0.1 Mリン酸バッファー(pH 7.0)は、上記で引用したMillerの文献(1992)に記載されている様に調製した。
3. 実施例で使用されるEscherichia coli系統の遺伝子型は、以下の表1に列挙する。
Figure 0004836440
系統DH5αは、Invitrogen Life Technologies(1600 Faraday Avenue, Carlsbad, California 92008, USA)から入手可能である。系統MC4100およびSK2226は、E. coli Genetic Stock Center(830 Kline Biology Tower, MCD Biology Department, 266 Whitney Avenue., P.O. Box 20813, Yale University, New Haven, Connecticut 06520-8193, USA)から入手可能である。プラスミドを持つ、系統GJ4536の誘導体(プラスミドpHYD953を有するもの)および系統GJ4894の誘導体(プラスミドpHYD952を有するもの)は、それぞれアクセッション番号MTCC 5128およびMTCC 5127として、上述した住所のMicrobial Type Culture Collection(MTCC)に寄託した、本発明の系統である。寄託された系統のそれぞれの自然発生的なプラスミドを持たない誘導体は、AmpSコロニーについてスクリーニングした後、3回の連続したそれぞれ10 mlのLB培地中での1:10000サブカルチャーサイクルを行うことにより得ることができる。系統GJ4748は、GJ4894上で調製したP1溶解物を用いて、ファージP1をMC4100中に形質導入することにより、CmR形質導入株について選択しそしてウラシルおよびカナバニンをそれぞれ40μg/mlおよび65μg/mlで添加したグルコース-最小A培地上で増殖することができ、そしてその結果argR64変異を受け継ぐことができたことが示されうるコロニーについてスクリーニングすることにより、得ることができる;この実験において、zhb-914::Tn10dCmの間の形質導入連鎖値は、およそ20%である。系統GJ4822は、GJ4894上で調製したP1溶解物を用いてファージP1をMC4100中に形質導入することにより、TetR形質導入株について選択することにより、得ることができる。
4. バクテリオファージP1は、A.J. Pittard教授(Dept. of Microbiology and Immunology, University of Melbourne, Parkville, Victoria 3052, Australia)から入手したが、これはNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria;P.O. Box 85167, 3508 AD Utrecht, The Netherlands(http://www.cbs.knaw.nl/Nccb))からも入手することができる。E. coliゲノムの注文品ラムダファージライブラリのバクテリオファージラムダクローン471および472は、Dr. K. Isono(Dept. of Biology, Faculty of Science, Kobe University, Japan)から入手し、そしてそれはY. Koharaら[Cell (1987) 50:495-508]に記載されている;上述したものと同一の住所のNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria)からも入手できる。
5.プラスミドpCL1920は、Dr. M. Inouye(Dept. of Biochemistry, UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical School, Piscataway, 08854-5635, USA)から入手したが、そしてこれはC. G. LernerとM. Inouye[Nucleic Acids Res. (1990) 15:4631]に記載されている;このプラスミドはまた、上述したものと同じ住所のNCCB/CBS(The Netherlands Culture Collection of Bacteria)からも入手できる。プラスミドpBR329は、L. CovarrubiasおよびF. Bolivar[Gene (1982) 17:79-89]中に記載され、そしてAmerican Type Culture Collection(ATCC;P.O. Box 1549, Manassas, Virginia 20108, USA)および上記と同じ住所のNCCB/CBSの両方からも入手可能である。プラスミドpBluescript II-KSは、Stratagene Inc.(11011 N. Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, U.S.A)から入手した。プラスミドpMU575は、obtained from A. J. Pittard教授(Department of Microbiology and Immunology, University of Melbourne, Parkville, Victoria 3052, Australia)から入手し、そしてA. E. Andrewsら[J. Bacteriol. (1991) 173: 5068-5078]に記載されている。
6. P1形質導入についての手順およびその他のほとんどの通常の微生物の遺伝子技術は、上述したMiller(1992)の文献に記載されている通りであった。系統のカナバニン耐性を、様々な濃度のカナバニンを添加したグルコース-最小A培地中で試験し、そして増殖を37℃にて24時間した後、スコア化した。いくつかの場合において、40μg/mlのウラシルを培地中に添加し、所定のカナバニン濃度により付加される毒性を高めた。野生型E. coli系統MC4100は、20μg/mlのカナバニンに対して耐性であった。しかし、40μg/mlのウラシルの存在下において、65μg/mlのカナバニンに対して感受性であった。それ以外に言及しない場合、プラスミドおよびラムダファージDNAの調製、DNA断片の調製およびクローニング、プラスミド形質転換、およびDNA配列決定のための手順は、“Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition”((1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y., USA)により記載されている、標準的な技術により行った。系統DH5αを、プラスミドベクター中にDNA断片をクローニングすることに関連する形質転換実験におけるレシピエントとして使用した。
7. E.coliゲノムのDNA配列についてのデータは、F. R. Blattnerら[Science (1997) 277:1453-1462]から入手した。全E.coliゲノムについてのGenBank配列データベース(URLサイトアドレスhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank)におけるアクセッション番号は、NC_000913であり、yggAおよびargPの両方を持つゲノム断片についてのアクセッション番号は、AE000375である。argP遺伝子は、AE000375の配列寄託においてはiciAと注釈がつけられている。
実施例1:E. coli yggA遺伝子のpBR329中でのクローニング
複数コピーのyggA+プラスミドpHYD952を、以下のように三段階で構築した。上記で引用されたKoharaら(1987)の参考文献中に記載されたE. coliゲノムの注文されたラムダファージライブラリ由来のラムダファージクローン472のDNAから始めて、yggA+遺伝子を有する3.8-kbのEcoRI断片を、アガロースゲル電気泳動の後、アガロースゲル小片から溶出した。次に、3.8-kb断片を、プラスミドベクターpBluescript-IIKSのEcoRI部位中にクローニングし、AmpRプラスミドpHYD944を作製した。2番目の段階においては、pHYD944をHindIIIとPstIを用いて消化し、yggA+を有する1.2-kb断片を放出し、それをアガロースゲル電気泳動後にアガロースゲル小片から溶出し、その後プラスミドベクターpBluescript-IIKSのHindIIIおよびPstI部位中にクローニングし、AmpRプラスミドpHYD951を作製した。3番目の段階においては、pHYD951をBamHIとHindIIIを用いて消化し、pBluescript-IIKSのマルチクローニング部位領域の小さな領域とともにyggA+遺伝子を有する同一の1.2-kb断片を放出した。1.2-kbのBamHI-HindIII断片をアガロースゲル電気泳動後にアガロースゲル小片から精製し、その後プラスミドベクターpBR329のBamHIおよびHindIII部位中にクローニングし、AmpRCmRプラスミドpHYD952を作製した。
プラスミドpHYD952がyggA+配列を含有することを確認するため、yggA::Tn10dTet系統GJ4822(ここで、機能的染色体コピーはトランスポゾンTn10dTetを挿入することにより破壊されている)を、プラスミドベクターpBR329によるかまたはプラスミドpHYD952によるかのいずれかにより個別に形質転換し、そしてそれぞれの形質転換実験から1つの得られたAmpRコロニーを、Ampとカナバニンを20μg/mlで添加したグルコース-最小Aプレート上で増殖する能力について試験した。37℃にて24時間インキュベーションした後、pCL1920での形質転換体コロニーが、増殖しなかった一方で、pHYD952での形質転換体コロニーはよく増殖したことが観察された。このことから、pHYD952により含まれる1.2-kbのDNA配列は、GJ4822中のyggA::Tn10dTet変異を相補することができることが示される。
Amp、40μg/mlのウラシル、および65μg/mlのカナバニンを添加したグルコース-最小A寒天プレート上において、プラスミドpHYD952で形質転換したMC4100誘導体の増殖を、プラスミドpBR329で形質転換したMC4100誘導体の増殖と比較した場合、後者ではなく前者が、37℃にて24時間インキュベーションの後、前記プレート上で増殖することが示された。
実施例2:E. coli argP遺伝子のpCL1920中でのクローニング
argP+遺伝子を、以下の2段階でプラスミドベクターpCL1920中にクローニングした。上記で引用されたKoharaら(1987)の参考文献中に記載されたE. coliゲノムの注文されたラムダファージライブラリ由来のラムダファージクローン471のDNAから始めて、argP+遺伝子を有する2.9-kbのBamHI-KpnI断片を、アガロースゲル電気泳動の後、アガロースゲル小片から溶出した。その後、この断片をBamHI-KpnI消化したプラスミドベクターpCL1920中にクローニングし、組換えプラスミド、pHYD913を作製した。次の段階において、pHYD913をSalIで消化し、1.86-kbの染色体断片を放出し、これがargP+遺伝子をそのプロモーター配列とともに有することが期待された;1.86-kbのSalI断片をアガロースゲル電気泳動後にアガロースゲル小片から溶出し、プラスミドベクターpCL1920のSalI部位中にクローニングし、組換えプラスミドpHYD914およびpHYD915を生成した。プラスミドベクター配列に関して、プラスミドpHYD915中の前記1.86-kbのSalI染色体挿入断片の方向性は、SalIクローニング部位に隣接するベクターのXbaI部位およびPstI部位が、argP遺伝子のプロモーター-近位末端およびプロモーター-遠位末端それぞれの間に位置し、そしてプラスミドpHYD914に関して逆が当てはまるようなものである。
プラスミドpHYD914およびpHYD915の真正性は、カナバニンを含有するグルコース-最小Aプレート上での増殖に関して、それぞれがargP202::Kan系統GJ4536(その染色体argP遺伝子はトランスポゾンの挿入により、機能しないようにされている)を相補する能力を試験することにより、チェックされた。プラスミドpCL1920、pHYD914、およびpHYD915は、上記で引用したSambrookらの参考文献(1989)に記載されるような形質転換、およびSpRコロニーに関する選択により、GJ4536中に別々に導入された。GJ4536/pCL1920、GJ4536/pHYD914およびGJ4536/pHYD915のそれぞれの単一のコロニーを、形質転換プレートからピックアップし、そして20μg/mlのSpおよびカナバニンを添加したグルコース-最小Aプレート上で接種した;プレートを37℃で24時間後にインキュベートした。プラスミドpHYD914およびpHYD915は、系統GJ4536に対して、カナバニン-添加培地上で増殖する能力を付与したが、プラスミドベクターpCL1920はしなかった。このことから、プラスミドpHYD914およびpHYD915は両方とも、野生型argP+配列を含有することが示唆される。
実施例3:argPにおけるカナバニン耐性-付与性変異の取得
N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)変異生成アプローチを使用して、プラスミド-保有性カナバニン耐性-付与性argPアリルを単離した。MNNG変異生成のために次に行われた方法は、上記で引用したMillerの参考文献(1992)中に記載されたとおりであった。Spを添加したLB中で一晩増殖させた系統MC4100/pHYD915の培養物を、150-mlエーレンマイヤーフラスコ中でSpを添加したLB、10 mlにより50-倍に希釈し、そして37℃で増殖させ、培養物の光密度(600 nm)が0.6となるようにした。5 mlの培養物由来の細胞を、卓上型遠心分離機により回収し、等容量の0.1 Mクエン酸バッファー(pH 5.5)を用いて2回洗浄し、0.1 Mのクエン酸バッファー(pH 5.5)の同一量の中で再懸濁した。MNNGは、0.1 M クエン酸バッファー(pH 5.5)中1 mg/mlのストック溶液として新しく調製され、そして最終濃度50μg/mlで細胞に対して添加された。37℃にて30分間、混合物をインキュベートし、その後0.1 Mリン酸バッファー(pH 7.0)を用いて二回洗浄した。細胞を、最終的に再懸濁し、Spを添加した20 mlのLB中、150-mlエーレンマイヤーフラスコ中で37℃にて一晩増殖させた。MNNG処理した後(そして、一晩培養することにより増殖させる前に)細胞の生存している画分を測定し、約10%であるように決定した。
プラスミドDNAを、変異生成した細胞集団を一晩増殖させた培養物から単離し、そしてそれをSpを添加したLB培地上でのSpRコロニーに関して選択することにより、argP::Kanヌル系統GJ4536中に形質転換するために使用した。このようにして得られたSpRコロニーは、ついでSpを添加したグルコース-最小A培地上で精製され、そしてその後Sp、40μg/mlのウラシルおよび65μg/mlのカナバニンを添加したグルコース-最小Aプレート上での増殖に関して試験した;これらのプレート上での増殖は、37℃にて24時間インキュベーションした後にスコア化した。
スクリーニングしたおよそ800コロニーから、ウラシル-添加プレートおよびカナバニン-添加プレート上で増殖することができる7種類の変異体が得られた。カナバニン耐性表現型がプラスミドがもたらしたものであることを確認するため、プラスミドDNAを7種類のカナバニン耐性変異体のそれぞれから単離し、そしてSpを添加したLB培地上でSpRコロニーに関して選択することにより、GJ4536中に再び形質転換した。それぞれの形質転換由来の8〜10種のSpRコロニーを、Spを添加したグルコース-最小Aプレート上で精製し、そしてその後Sp、40μg/mlのウラシルおよび65μg/mlのカナバニンを添加したグルコース-最小Aプレート上での増殖および37℃にて24時間のインキュベーションに関して上述したように試験した。それぞれの場合のすべてのコロニーが、対象であるGJ4536/pHYD915よりも良好に増殖し、このことからプラスミドがカナバニン耐性表現型を付与することが示唆されることが、この結果から示された。プラスミドを保有する7種のカナバニン耐性付与性変異体は、pHYD926からpHYD932と命名された。
上記の実験において得られたカナバニン耐性-付与性変異体が野生型argP+アリルに関して劣性であるかまたはドミナントであるかを決定するため、Spを添加したLB培地上で、37℃にてSpRに関する選択を用いて形質転換することにより、プラスミドpHYD926からpHYD932をMC4100(染色体的にはargP+である)中に別々に導入した。得られたSpRコロニーを、上述したカナバニン耐性表現型に関して、Sp、40μg/mlのウラシルおよび65μg/mlのカナバニンを添加したグルコース-最小Aプレート上で斜面培養し、37℃にて24時間インキュベーションすることにより、対照系統としてのMC4100/pHYD915とともに試験した。7種のプラスミドのうちの6種を有するMC4100変異体、すなわちpHYD926からpHYD930およびpHYD932を、ウラシルを添加した培地およびカナバニンを添加した培地上で増殖させることができたが、一方MC4100/pHYD931およびMC4100/pHYD915を前記培地上では増殖させることができなかった。これらの結果に基づいて、プラスミドpHYD926からpHYD930およびpHYD932のそれぞれにおけるカナバニン耐性-付与性変異は、argP+に関してドミナントであり、一方pHYD931におけるそれはargP+に関して劣勢であると、結論づけられた。
それぞれのプラスミドにおけるカナバニン耐性-付与性変異を分子的に特徴づけるため、プラスミド上のargP遺伝子を配列決定することは、(i)argP遺伝子の1.86-kb SalI断片の内部にある、SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO: 2を有する2種のプライマー[ARGP1、SEQ ID NO: 1(5’-GGGCGCGAACTCGCTGAGCGA-3’)およびARGP2、SEQ ID NO: 2(5’-GAGCAAGTTGTACGAACGCTT-3’)]および(ii)ベクターpCL1920中のマルチクローニング部位領域から読み出すことができる、SEQ ID NO: 3[5’-GTAAAACGACGGCCAGT-3’]を有するM13 pUCシークエンシングプライマー(-20)およびSEQ ID NO: 4[5’-AACAGCTATGACCATG-3’]を有するM13/pUCリバースシークエンシングプライマー(-24)、の補助を受けて、標準的な方法により行った。配列決定の結果から、表2に記載されるように、7種のプラスミドのそれぞれは、コードされたタンパク質中の1アミノ酸残基変異を結果として生じることが推定されたargPにおける異なる部位で、GCからATへのミスセンス変異を有することが示唆された。
Figure 0004836440
実施例4: pHYD926由来のカナバニン耐性-付与性argP変異体アリルのプラスミドベクターpBR329中へのクローニング
プラスミドpHYD926由来のargP変異体アリルを、以下の通り、複数コピーのプラスミドベクターpBR329中にサブクローニングした。プラスミドpHYD926を、SalIを用いて消化し、1.8-kbの断片を遊離させ、それをアガロースゲル電気泳動の後アガロースゲル小片から精製した。この断片をpBR329のSalI部位中にクローニングし、プラスミドpHYD953を生成し、その形質転換体をAmpRコロニーとして選択した。プラスミドpHYD953中にargPを有する1.8-kbのSalI断片の方向性は、プラスミド上のargP転写の方向性がプラスミド上のpBR329ベクター-由来tet プロモーターからの転写の方向性とは反対であるようなものである。
プラスミドpHYD953で形質転換されたMC4100の増殖を、Amp、40μg/mlのウラシル、および65μg/mlのカナバニンを添加したグルコース-最小A寒天プレート上で、プラスミドpBR329で形質転換されたMC4100誘導体の増殖と比較した場合、前者では37℃にて24時間インキュベーションした後に前記プレート上での増殖が示されたのに対して、後者では示されなかった。
実施例5:複数コピーのyggA + を有するargR 系統かまたはargP中にカナバニン耐性-付与性変異を有するargR 系統中のアルギニン産生の増大の説明
複数コピーのyggA+を有するかまたはargP-S94Lアリルを有するかのいずれかであるargR系統(アルギニン生合成に関して抑制されたもの)は、実質的にアルギニン産生の増大を示すということが、実験において示され、ここでこれらの系統がアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖をサポートする能力を試験した。デルタargH 系統SK2226のpBR329形質転換体誘導体を、アルギニン-栄養要求株の指標系統として実験において使用した。Ampを添加したLB培地中で増殖させた系統SK2226/pBR329の一晩培養物を、LB中で希釈し、そして培地の温度が40℃付近である場合、200μlの1:1000希釈物(約105細胞に相当する)を、40 mlのグルコース最小A-寒天培地(プロリン、トリプトファン、ヒスチジン(すなわち、アルギニン以外のSK2226のすべての栄養要求株の要求性)を添加した)に対して添加し;その後、寒天培地を2枚の85 mm滅菌ペトリ皿に注ぎ(ディッシュあたり20 ml)、そして室温にて固形化させた。それぞれの寒天プレートを、3つの均等な扇形に分割し、それぞれの扇形の中心に、以下に具体的に記載するように、試験コロニーをスポットした。
系統MC4100(argR+である)およびGJ4748(argRである)を、プラスミドpBR329、pHYD952、またはpHYD953のいずれかを用いて、別々に形質転換し、すべての場合においてAmpRコロニーについて選択を行った。GJ4748/pBR329、GJ4748/pHYD952、およびGJ4748/pHYD953の形質転換体コロニー誘導体を、上述したように調製した寒天プレートの一つの表面上の3つの扇形において、試験コロニーとして、滅菌したつまようじを用いてスポットし、そしてMC4100/pBR329のコロニー、MC4100/pHYD952のコロニー、およびMC4100/pHYD953のコロニーを、第二の寒天プレートの表面上の3つの扇形において、同様に試験コロニーとしてスポットし;プレートを37℃にてインキュベートした。12時間のインキュベーションの後、GJ4748/pHYD952およびGJ4748/pHYD953のスポットの近傍のみにおいて、SK2226/pBR329微小コロニーの栄養共生的増殖により引き起こされる、顕著な赤色のハロ(halo)が存在したが、このことは、他の4種の系統と比較して、実質的にこれらの2種類の系統によりアルギニン産生が増加することが、示唆される。40時間のインキュベーションの後、GJ4748/pBR329はSK2226/pBR329の栄養共生的増殖の赤色のハロを示したが、その他の3系統の誘導体は、指標系統の増殖のそのようなハロを示さなかった。
実施例6:カナバニン耐性-付与性argP変異を有する系統におけるyggA転写の増加
yggAの転写をin vivoでモニターするため、yggA-lacオペロン融合物を有する1コピー数のプラスミドpHYD956を、以下の様に2工程で構築した。最初の工程では、プラスミドpHYD951(実施例1で記載したもの)をHindIIIとPvuIIで消化して、yggA転写制御領域とyggA構造遺伝子の3'-末端領域以外のすべての領域とを持つ1.1-kb断片を遊離し、そしてこの断片をアガロースゲル電気泳動の後アガロースゲル小片から溶出した。この断片を、PstIおよびEcoRVで消化したプラスミドベクターpBluescript-IIKS中にクローニングし、AmpRプラスミドpHYD954を生成した。2番目の工程では、プラスミドpHYD954をPstIおよびHindIIIで消化し、同じく1.1-kb断片をpBluescript-IIKSのマルチクローニング部位領域の小さな領域と共に遊離した。1.1-kbのPstI-HindIII断片をアガロースゲル電気泳動の後アガロースゲル小片から精製し、そしてPstIおよびHindIIIで消化したプラスミドベクターpMU575中にクローニングし、TpRプラスミドpHYD956を生成した。プラスミドpMU575は、Andrewsらの論文[J. Bacteriol. (1991) 173: 5068-5078]に記載されており、そしてプロモーターを持たないlacZ遺伝子を持つTpRをコードする1コピー数のプラスミドベクターであり、、その上流にプロモーター断片をクローニングしてプロモーター-lacオペロン融合物を生成することができる。したがって、プラスミドpHYD956は、pMU575ベクターのlacZ遺伝子の上流にクローニングされたyggA転写制御領域を有する。
TpRコロニーに関して選択することにより系統MC4100およびGJ4748中にプラスミドpHYD956を形質転換することにより、そしてSpRTpRコロニーに関して選択することにより系統MC4100/pHYD926中にプラスミドpHYD956を形質転換することにより、プラスミドpHYD956を導入した。系統のそれぞれの3種類の形質転換体の一つ、pHYD956を、上述したMillerの参考文献(1992)において記載されているように、β-ガラクトシダーゼ特異的活性を決定するために、適切な抗生物質を含み、そして1 mMアルギニンまたは1 mMリジンを追加的に添加していないかまたは添加したグルコース-最小A培地中で、37℃にて増殖させた。結果を、表3にまとめた。
Figure 0004836440
この結果から、yggA転写は、系統MC4100におけるアルギニンにより、そしてGJ4748のargR変異により誘導され、そしてリジンの存在下では、MC4100およびGJ4748の両方ともにおいて非常に低いことが示された。さらに、MC4100/pHYD926誘導体中に存在するargPにおけるカナバニン耐性-付与性変異は、高レベルの構成的なyggA転写と関連していた。
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Claims (8)

  1. 細菌培養においてアルギニンを産生させる方法であって、前記方法が以下の工程:
    a) 以下の(i)および(ii):
    (i)Escherichia coliのargR遺伝子中にカナバニン-耐性を付与する変異を含む、アルギニン生合成を増加させるための第一の変異であって、それ自体カナバニン(canavanine)耐性の表現系と関連しそしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の上昇をサポートする能力と関連するものとして規定される、前記第一の変異;そして
    (ii)Escherichia coliのargP遺伝子のコドン位置94、108、144、217、294、295または68番目のいずれかにおいて変異を含むEscherichia coliのargP遺伝子におけるカナバニン-耐性を付与する変異を含む第二の変異;
    の少なくとも2種類の変異を有するEscherichia coli細菌系統を増殖させる工程、そして
    b)ついで、既知の方法により、前記細菌系統の培養液から、アルギニンを回収する工程、
    を含む、前記方法。
  2. Escherichia coliのargP遺伝子中の変異が、Escherichia coli argP遺伝子のコドン位置94番目におけるロイシンをコードするコドンへの変異を含む、請求項1に記載の方法。
  3. Escherichia coliのargPにおける変異が、プラスミド中に存在する、請求項1または2に記載の方法。
  4. プラスミドが、アクセッション番号MTCC 5128を有する細菌から入手可能なpHYD953である、請求項3に記載の方法。
  5. それ自体カナバニン(canavanine)耐性の表現系と関連しそしてアルギニン栄養要求株の栄養共生的増殖の上昇をサポートする能力と関連するものとして規定される、Escherichia coliのargR遺伝子中にカナバニン-耐性を付与する変異を含む第一の変異、そしてEscherichia coliのargP遺伝子のコドン位置94、108、144、217、294、295または68番目のいずれかにおいて変異を含むEscherichia coliのargP遺伝子におけるカナバニン-耐性を付与する変異を含む第二の変異、を含む、アルギニン生合成を増加させるための遺伝子操作をされたEscherichia coli細菌系統。
  6. Escherichia coliのargP遺伝子中の変異が、Escherichia coli argP遺伝子のコドン位置94番目におけるロイシンをコードするコドンへの変異を含む、請求項5に記載の遺伝子操作をされたEscherichia coli細菌系統。
  7. アクセッション番号MTCC 5128を有する細菌から入手可能である、プラスミドpHYD953。
  8. アクセッション番号MTCC 5128を有する細菌。
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