JP4142598B2 - 廃液の処理方法 - Google Patents

廃液の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4142598B2
JP4142598B2 JP2004056701A JP2004056701A JP4142598B2 JP 4142598 B2 JP4142598 B2 JP 4142598B2 JP 2004056701 A JP2004056701 A JP 2004056701A JP 2004056701 A JP2004056701 A JP 2004056701A JP 4142598 B2 JP4142598 B2 JP 4142598B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
waste liquid
water
tank
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004056701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005246142A (ja
Inventor
清治 藤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan ALSI Co Ltd
Original Assignee
Japan ALSI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan ALSI Co Ltd filed Critical Japan ALSI Co Ltd
Priority to JP2004056701A priority Critical patent/JP4142598B2/ja
Publication of JP2005246142A publication Critical patent/JP2005246142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4142598B2 publication Critical patent/JP4142598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

本発明は廃液の処理方法に関し、特に金属加工製品の鋳造、鍛造または切削工程で発生する濃厚廃液の処理方法に関する。
金属加工製品の鋳造、鍛造または切削工程を多用している自動車部品製造工場では、それらの工程で排出される廃水の処理は、昭和40年代の初期は凝集沈澱やUF膜やRO膜等の物理化学的な処理と冷却水等での希釈で放流規制値を遵守することが主体であった。 その後、環境規制が厳しくなり、また環境問題が表面化するにつれて排出量の削減を目指して節水が行なわれた結果、排出される廃水濃度が濃厚になってきたため、物理化学的な処理から活性汚泥による微生物処理へと順次移行してきた。
しかしながら、金属加工製品の各工程から発生する有機汚濁物質は生物分解し難いので莫大な費用をかけて汚濁物質を外部依託処理せざるを得ない場合が多い。
自動車部品製造過程で発生する濃厚廃液としては、鋳造や鍛造工程で発生する離型剤含有廃水と機械切削加工で発生する水溶性濃厚切削廃液ならびに洗浄水と塗装工程で発生する濃厚廃液やメッキや表面処理等の無機性廃液が主体であり、いずれも微生物処理し難いので、微生物処理が困難な濃厚残渣部分は業者依託処分を実施しているところが多い。
微生物処理する場合においても、前処理として、消石灰、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムなどを加えて凝集処理することが一般的である。しかし、これら無機凝集剤による処理は、廃水を浄化する代償として、前処理汚泥、余剰汚泥、廃棄粉末活性炭、廃棄活性炭および無機吸着汚泥などの多量の固体廃棄物を発生させるという問題がある。さらに処理水中には、これら無機凝集剤の金属イオンの対陰イオンが添加するアルカリ成分と反応して生じる塩分が多量に発生し、これが活性汚泥処理の大きな阻害要因となりCOD除去を困難とする大きな問題がある。
金属処理における廃水処理を容易にする凝集処理剤として、例えば曇点が30℃以下である特定構造のポリエーテルと、このポリエーテル1当量に対して0.5〜20当量の有機酸を配合してなるポリエーテル系潤滑剤が知られている(特許文献1)。
しかしながら、ポリエーテル系潤滑剤を用いたとしても、硫酸バンドなどを前処理として使用する必要があり、固体廃棄物を発生を抑えることが困難であるという問題がある。
特開2003−165995号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属加工製品の鋳造、鍛造または切削工程等で発生する濃厚廃液の処理において、濃厚廃棄物が多量に発生する点にある。
本発明の廃液の処理方法は、金属加工のときに発生する廃液の処理方法であって、その廃液にカチオン系および/またはアニオン系高分子凝集剤を加える凝集分離工程と、凝集分離工程で分離した凝集分離物を除いた廃水を活性汚泥を用いた微生物処理槽で処理する微生物処理工程とを備え、上記微生物処理槽が、廃水供給口を内槽下部に有し嫌気反応を行なう嫌気反応部と、この嫌気反応部の上部に連結部を介して空気取入れ口を該連結部の上部に有し好気反応を行なう好気反応部とを備えた内槽と、この内槽上部に設けられた循環率制御装置と、上記内槽の外側に設けられた円筒状制御板と、内槽の外側および内側に設けられた処理水質測定装置とを具備してなり、この処理水質測定装置により測定される処理水のpH、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも一つの測定値を検出する手段と、上記検出された測定値に応じて循環率制御装置の制御量および空気取入れ口より吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも一つの量を制御することにより、微生物処理槽内の処理水循環率を制御する手段とを備えてなることを特徴とする。
また、微生物処理工程後に高分子吸着剤による凝集工程を有することを特徴とする。
また、上記金属加工が金属材の鋳造、鍛造または切削であることを特徴とする。
本発明は、カチオン系またはアニオン系高分子凝集剤を用いる凝集分離工程と、活性汚泥を用いた微生物処理槽で処理する微生物処理工程を有する。固体廃棄物の発生や無機塩分濃度の上昇を伴う無機凝集剤を使用しないので、また、微生物処理槽で嫌気・好気反応を繰り返すので、有機汚濁成分を炭酸ガスや水、窒素ガス等に効率良く変換できる。そのため、汚泥の発生を抑えた廃液の処理方法が得られる。
本発明方法で処理できる廃液は、金属加工のときに発生する廃液である。金属加工としては、鋳造、鍛造、切削、研削、プレス、圧延、引き抜き、研磨等が挙げられる。このような金属加工で用いられる、例えば、ダイキャスト鋳造、熱間鍛造で用いられる水溶性または水分散性の処理液や潤滑剤、切削油等を含む濃厚廃液を好適に処理することができる。
例えば、アルミニウムのダイキャスト鋳造には、成形品の複雑と寸法精度から、金型のキャビティ面に塗布される離型剤として、水ガラスや多孔質珪酸化合物とワックス類との水中懸濁液、オルガノポリシロキサンと極圧潤滑剤との水乳化液、無機粉末とワックス類との粉末体、アクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、無水マレイン酸系共重合体、またはポリアルキレンオキサイド系ワックスをバインダとし、これに水ガラス、ワックスやシリコーンなどの潤滑剤を配合した水分散型の離型剤などが用いられているが、これらを含む濃厚廃液を好適に処理することができる。
また、鋳造用シェル砂からフェノール類、ホルムアルデヒド、アンモニア、アミン類、有機変性シリコーンが、生砂を用いた生型造型ラインからはエチレン、トルエン、キシレン、スチレン、フェノール、ホルムアルデヒド、ワニス、その他の場所から油中子ではアクロレインが、コールドボックスからはトリエチルアミンや溶剤が、フラン樹脂からはアンモニアやホルムアルデヒドや酸化生成物であるカルボン酸類やアルコール等が発生し、これらは金属加工で発生する濃厚廃液となる。
鍛造工程では、型打ちする度に、型ミゾの部分に潤滑の目的で黒鉛/水系の離型剤が用いられている。特に精密な複雑な形状の鍛造には、ポリカルボン酸のアルカリ塩や、特殊な添加剤等の水系の離型剤がある。また、黒鉛は環境汚染が生じるおそれがあることから、雲母や滑石等の層状固体潤滑剤やケイ酸塩のガラス系、六方晶窒化ホウ素や有機酸のアルカリ塩や生分解性の高いエステル系基油、リン酸エステル系の極圧剤が配合された非黒鉛系の離型剤になりつつある。このため、鍛造工程からは有機性汚濁物質が濃厚廃液として排出される。
金属材料の切削加工の分野では、多量の水系クーラントが使用されている。また、近年従来のように水に油を分散させた分散タイプと異なる水に溶解するソルブルタイプの切削油も使用されている。これら水系クーラントは鉱物油や作動油の混入されて切削工程から濃厚廃液として排出される。なお、ソルブルタイプの切削油廃液は従来の無機凝集剤やUF膜やRO膜処理では処理できない。
本発明で使用できるカチオン系高分子凝集剤は、下記の化1で表す、構成単位(i)とともに、(ii)および(iii)の少なくとも一つの構成単位を有し、Xが−SO3Mを有する基であり、Mが水素または金属元素であり、Yは四級化窒素を有する基であり、Zは求電子性を有する基であり、R1〜R9が水素またはアルキル基である。
求電子性を有する基とは、陽イオンや電子親和力の大きい空軌道を持つ分子を含む基であって、四級化窒素を有する基を除いた基である。
また、上記カチオン系高分子凝集剤は、さらに上記構成単位が結合された分子末端に−OSO3M基を有し、Mが水素または金属元素であり、また、上記X、YおよびZの少なくとも一つの基にアルキレンオキサイド部分が含まれていることが好ましい。
構成単位(i)において、−SO3M基は高分子体の側鎖末端に結合していればよい。また、金属元素としては凝集剤が水溶性となりやすいアルカリ金属が好ましく、たとえばNa、K、Liが例示できる。−SO3M基を生成する基の例としては、−C66SO3H、−CONHCH2CH2C(CH32CH2SO3H、−CONHCH2C(CH32CH2SO3H、−CONHC(CH32CH2SO3H等が挙げられる。
構成単位(i)を形成する基は、−SO3Hを含む二重結合を有するモノマーを重合時に配合することにより形成される。たとえばモノマーとしては、スチレンスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2- メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸類、およびこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。
本発明は、スチレンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩が好ましい。また、カルシウムイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類イオンが共存すると凝集反応時に油分等の分離性に優れるため好ましい。
構成単位(ii)は、Yが四級化窒素を有する基であり、Yとしては、たとえば四級化アンモニウム基、四級化ピリジン基、四級化アミノ基などを含む基が挙げられる。Yの例示としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル四級化物、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル四級化物等のアクリル酸類、−COOC24+(CH33Cl-がある。
構成単位(ii)は、四級化窒素を有する基を有するモノマーを重合時に配合することにより形成される。たとえばモノマーとしては、アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライドモノマー、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライドモノマー等が挙げられる。
構成単位(iii)は、Zが求電子性を有する基であり、たとえば−CONH2基、またはその誘導体基を挙げることができる。また、−COOH基の誘導体基であってもよい。これら誘導体基はアミド基やカルボキシル基の水素原子を置換した基をいい、たとえば以下に示す官能基が挙げられる。
−CONHCH2OH、−CON(CH32、−CONHCH2OCH2CH(CH32、−COOCH2CH2N(CH32
構成単位(iii)は、求電子性を有する基を有するモノマーを重合時に配合することにより形成される。たとえばモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸アミド等が挙げられる。
構成単位(i)(ii)および(iii)において、R1〜R9は、水素またはアルキル基を表すが、より親水性が得られる水素が本発明に好適である。また、アルキル基は低級アルキル基が好ましく、低級アルキル基とは、炭素数 1〜4 の直鎖または分岐アルキル基をいう。
上記構成単位(i)(ii)および(iii)における、X、YおよびZの少なくとも一つの基にアルキレンオキサイド部分が含まれていることにより、COD値の高い廃液であっても、アルキレンオキサイド部分が界面活性剤的作用を果たし、より効果的に汚濁成分を分離して凝集できる。
アルキレンオキサイド部分は、−(Cn2nO)m−で表される。
ここで添字nは2または3であることが好ましく、添字mは油水分離凝集剤合成時の反応性を低下させない範囲でX、YまたはZの化学構造により定まる。例えば、スチレンスルホン酸のスルホン酸基とエチレンオキサイドを反応させて得られるエチレンオキサイド付加スチレンスルホン酸[CH2=CHC64SO3−(Cn2nO)m−H]の場合、添字nは2であり、また添字mは1〜3が好ましい。
また、アミノエチルメタクリル酸のアミノ基の一つの水素とエチレンオキサイドを反応させて得られるエチレンオキサイド付加アミノエチルメタクリル酸[CH2=C(CH3)COOC24NH−(Cn2nO)m−H]または同アミノ基の二つの水素とエチレンオキサイドを反応させて得られるエチレンオキサイド付加アミノエチルメタクリル酸[CH2=C(CH3)COOC24N−((Cn2nO)m−H)2]の場合、添字nは2であり、また添字mはエチレンオキサイド付加物が液状となる範囲であればよい。好ましくは1〜30、より好ましくは1〜5である。
アルキレンオキサイド付加物はアルキレンオキサイド部分を含むモノマーを合成した後に分離凝集剤合成に用いられる。重合開始時のモノマーには、アルキレンオキサイド付加物とアルキレンオキサイド非付加物との混合物を用いることができる。この混合物における付加物と非付加物との配合は、付加物が10モル%以上であることが好ましい。
またカチオン系高分子凝集剤は、つぎの化2で表される構成単位を高分子鎖の中に含む共重合体であってもよい。
10は水素または低級アルキル基を表し、R11はカルボキシル基、アルコキシル基、アミノ基、またはこれら官能基を末端に有する基、ならびにこれらの基の誘導体を表す。
上記構成単位は、たとえばビニルモノマーを共重合させることにより得られ、そのようなビニルモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、n-ブチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等が挙げられる。これらの中で、コスト的に安価で工業的に利用しやすい、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル成分が共重合成分として好ましい。
カチオン系高分子凝集剤は、上記構成単位が結合された分子末端に−OSO3M基を有することができる。Mは水素または金属元素を表す。金属元素としてはアルカリ金属が好ましく、たとえばNa、K、Liが例示できる。好ましいMとしては、生成した塩の水溶解性が高く、工業的に安価であるNa、Kが挙げられる。このような−OSO3M基を有することにより、高濃度廃液の汚泥成分を容易に分離し、凝集させることができるとともに、二次処理において活性汚泥などに悪影響を及ぼさない。
カチオン系高分子凝集剤は、一分子中に含まれる各構成単位数の比率が、構成単位(i)と構成単位(ii)との場合は(i):(ii)=(1〜100):(1〜100)、構成単位(i)と構成単位(iii)との場合は(i):(iii)=(1〜100):(1〜100)、構成単位(i)と構成単位(ii)および構成単位(iii)との場合は(i):{(ii)+(iii)}=(1〜100):(1〜100)であることが好ましい。
この構成単位比は各モノマー成分の配合モル比を変更することにより調整できる。また、重合度は合成して得られた試料を濃度 2mol/L KBr 水溶液に溶解して温度 25 ℃で測定した極限粘度として、 0.001〜 0.6 dl/g であることが好ましい。各構成単位および極限粘度が上記範囲となる重合度を選択することにより、COD値が高い場合であっても、高濃度廃液中の汚泥成分を容易に分離し、凝集させることができるとともに、二次処理において活性汚泥などに悪影響を及ぼさない。
カチオン系高分子凝集剤は、水およびメタノール、エタノールなどの親水性溶媒中で、各構成単位となるモノマーをラウリルパーオキサイド、スチルブチルパーオキサイドなどのパーオキサイドを開始剤として用いて重合させることにより得られる。また、分子末端に−OSO3M基を導入する場合は、ペルオキソ二硫酸カリ(K228)などのペルオキソ二硫酸塩が多量に存在する状態でレドックス重合やラジカル重合などの方法により共重合させる。−OSO3M基を末端基に必ず付加させる場合は、ペルオキソ二硫酸カリなどのペルオキソ二硫酸塩を反応開始剤濃度よりも多量に用いる。具体的には、全モノマー量に対して 0.3〜5重量%、好ましくは0.3〜1 重量%程度配合することが好ましい。
なお、−OSO3M基は、上述のように分子鎖末端のみでなく、分子鎖内に側鎖として含まれていてもよい。分子鎖内に側鎖として−OSO3M基を導入する場合、上記構成単位として二重結合を主鎖に有する化合物を用いて、その部分にペルオキソ二硫酸カリなどのペルオキソ二硫酸塩や硫酸を反応させることにより得られる。この場合、二重結合に対して約等モル量のペルオキソ二硫酸カリなどのペルオキソ二硫酸塩を反応させることが好ましい。
本発明で使用できるアニオン系高分子凝集剤は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等、通常陰イオン界面活性剤として知られているものを使用できる。例えば、アクリル酸とその誘導体、アクリル酸の硫酸エステル、アクリル酸とポリオキシアルキレンとの反応物、アルキルアリルスルホネート、リン酸エステル、高級アルコールやオレフィン類の硫酸エステル等が挙げられる。
本発明において、微生物処理工程後に使用できる高分子吸着剤は、微粉末担体にアミン系化合物を付加させて、さらにエピクロルヒドリンなどのオキシアルキレン誘導体を反応させた反応物、あるいはポリオキシアルキレン等をグラフトした生成物等を用いることができる。高分子吸着剤の市販品としては、例えばアルシーフロックNK100シリーズ(日本アルシー株式会社商品名)が挙げられる。
本発明の廃液の処理方法を図1により説明する。図1は廃液処理システムのフロー図である。
廃液原水14は、一旦原水調整槽15に集められ、凝集反応槽16内にて水素イオン濃度(PH)が調整されるとともに、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤またはこれらを併用して凝集反応槽16内にて添加撹拌され、その後凝集沈殿処理槽17および加圧浮上処理槽18のいずれか、あるいは両方を用いて固液分離の前処理がなされる。
PH調整は、酸またはアルカリ水溶液でPH6.5〜PH7.5の範囲となるように行なわれる。酸としては硝酸またはリン酸が好ましい。硝酸またはリン酸は廃液原水に配合した場合でも、本発明にかかるその後の生物処理工程での活性汚泥に悪影響を与えず、生物処理できる。アルカリとしては水酸化ナトリウムが挙げられる。
凝集沈殿処理および加圧浮上処理は廃液原水の種類により選別使用される。例えば濃厚水溶性切削廃液の場合のように、固体状物質が分離浮遊する場合は加圧浮上処理槽18を好適に使用できる。
凝集沈殿処理槽または加圧浮上処理槽では、凝集反応槽で所定量添加された本発明に係る高分子凝集剤により、廃液原水が固体状部分と液体状部分に分離する。特に高分子凝集剤を用いることにより、固体状部分が無機凝集剤で前処理した場合と比較して少なくなる。また、塩分や無機分濃度が低くなるので、その後の生物処理が容易となる。
高分子凝集剤の添加濃度は廃液原水の種類、濃度によって異なるが、通常10mg/L〜3000mg/Lである。
原水として、鋳造廃液、鍛造廃液および濃厚水溶性切削廃液をそれぞれ用いて、凝集反応槽で前処理したときの状態を図2、図3および図4にそれぞれ示す。
図2は鋳造廃液前処理状態を示す図であり、図2(1)は廃液原水の状態を、図2(2)は同廃液原水にポリ塩化アルミニウムを4500mg/L、水酸化ナトリウムを200mg/L、および高分子凝集剤を2mg/Lを添加して得られた従来の凝集分離の状態を、図2(3)は同廃液原水にカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN110;日本アルシー株式会社商品名)を90mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック102;日本アルシー株式会社商品名)を2mg/L)を順次添加して得られた本発明の凝集分離の状態をそれぞれ示す。
図3は鍛造廃液前処理状態を示す図であり、図3(1)は廃液原水の状態を、図3(2)は同廃液原水にポリ塩化アルミニウムを5000mg/L、水酸化ナトリウムを1000mg/L、および高分子凝集剤を8mg/L添加して得られた従来の凝集分離の状態を、図3(3)は同廃液原水にカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN130、800mg+アルシーフロックN110、10mg;日本アルシー株式会社商品名)を810mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック102;日本アルシー株式会社商品名)を10mg/L)を順次添加して得られた本発明の凝集分離の状態をそれぞれ示す。
図4は濃厚水溶性切削廃液前処理状態を示す図であり、図4(1)は廃液原水の状態を、図4(2)は同廃液原水にポリ塩化アルミニウムを8000mg/L、水酸化ナトリウムを3000mg/L、および高分子凝集剤を10mg/L添加して得られた従来の凝集沈殿の状態を、図4(3)は同廃液原水にカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN110;日本アルシー株式会社商品名)を1500mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック101;日本アルシー株式会社商品名)を10mg/L)を順次添加して得られた本発明の凝集分離の状態をそれぞれ示す。
図2〜図4に示すように、上述した本発明の高分子凝集剤を用いた方法とすることにより、従来のポリ塩化アルミニウムと水酸化ナトリウムとを主成分にする凝集剤に比較して、固体状物質を大幅に低下させることができる。特に、図4に示すように、本発明の高分子凝集剤を用いた方法とすることにより、従来沈殿物として得られた分離物が浮上物として得られる。
凝集物が除かれた廃水は微生物処理工程において、微生物処理槽1で処理され、そのまま処理水20として放流されるか、あるいは微生物処理槽1で未処理物を再度処理する凝集分離工程19を経て処理水20として放流される。
微生物処理槽を図5により説明する。図5は微生物処理槽の断面図である。
微生物処理槽1は、内槽2と、この内槽2の上部に設けられた循環率制御装置3と、外側に設けられた円筒状制御板4と、外側および内側に設けられた処理水質測定装置5とから構成されている。
内槽2は、連結部2cで連結され、その横断面構造が円状をしている好気反応部2aと嫌気反応部2bとより構成されている。好気反応部2aの容積は嫌気反応部2bの容積の 1〜 10 倍であることが好ましい。この範囲であると高濃度廃水の好気反応および嫌気反応を効率よく行なうことができる。また、嫌気反応部2bの下部には原水供給口6および嫌気菌栄養物供給口7が、好気反応部2aの下部より空気取入れ口8およびアルカリ供給口9が設けられている。
嫌気菌栄養物供給口7およびアルカリ供給口9は、BOD負荷が小さいにもかかわらず、窒素分濃度等が高い原水の処理などに好適である。一方、処理される原水の種類および汚濁の程度等によっては、嫌気菌栄養物供給口7およびアルカリ供給口9を省略することができる。
内槽2内には、攪拌機10が内設されタービン羽10a、10bおよび10cが設けられている。タービン羽10cは連結部2cの位置に配置されている。タービン羽10cの配置により、好気反応部2aから嫌気反応部2bへの処理水の逆流を防ぐことができる。
この内槽2の外側に円筒状制御板4a、4b、4cが配置されている。円筒状制御板4bおよび4cは所定の傾斜を有している。この傾斜は急速強制沈降を可能とする角度に設定されている。また、処理水質測定装置5a、5b、5cは、内槽2の内外に設けられている。この処理水質測定装置は、処理水の水素イオン濃度(pH)、酸化還元電位(ORP)、溶存酸素(DO)を測定する装置である。なお、11は浄化された処理水の放流口であり、12は余剰汚泥引抜き口である。図5において、反応槽下部の斜線部は活性汚泥の沈降層を示す。また、浮上汚泥を嫌気反応部2bへ戻すポンプ13を設けることが好ましい。
微生物処理槽1は、さらに処理水質測定装置により測定される処理水のpH、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも一つの測定値を検出する手段を有している。この手段により検出された検出値に応じて、あらかじめ制御装置のメモリ上に電子的に格納された制御プログラムにより循環率制御装置3の制御量および空気取入れ口8より吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも一つの量を制御する。循環率制御装置3の制御量は、具体的には液面調節バルブの開閉、あるいは液面調節板の上下動等によりなされる。空気量あるいは上記制御量を調節することにより、処理水の循環率をポンプを用いることなく変動させることができる。処理水は、後述するように、好気反応部2aから内槽2の外側に配置された円筒状制御板を経て嫌気状態の嫌気反応部2bへ、さらに嫌気反応部2bから好気状態の好気反応部2aへと循環することにより、嫌気および好気反応が連続して行なわれる。したがって、処理水の循環率を検出値に応じて所定の制御プログラムに基づき制御することにより、最適な嫌気および好気反応を行なうことができ、汚泥が大きく削減される。
内槽を構成する好気反応部の容積は嫌気反応部の容積より 1〜 10 倍、より好ましくは 4〜 10 倍に設定される。この範囲とすることにより、濃厚廃液の汚泥を大きく削減できる。
本発明に係る微生物処理槽内での処理水循環率は 2〜20 、好ましくは 5〜20 である。処理水循環率が2未満であると、消化反応がより起こりやすく、汚泥の解体や破壊が起こりやすくなり、また、20をこえると好気反応と嫌気反応とのバランスが崩れ、原水の汚泥削減を行なうことができなくなる。すなわち、処理水循環率をこの範囲とすることにより、処理水質測定装置により測定される処理水の酸化還元電位を、嫌気反応部において−10mV以下、好ましくは−50mV以下、好気反応部において+10mV以上、好ましくは+100mV以上に維持することができる。その結果、好気反応および嫌気反応が十分に行われ、微生物処理が連続的になされる。なお、このような条件下において好気反応部でのpHは4.5〜8.5、好ましくは5.5〜7.5の範囲となる。
以下、微生物処理槽1を用いて高濃度廃液の排水処理方法について説明する。凝集分離工程で分離した凝集分離物が除かれた高濃度廃液(以下、原水ともいう)は、微生物処理槽1の最下部に連続的に供給される。なお、供給される原水のBODおよびSS値は、あらかじめ測定しておくことが好ましい。
微生物処理槽1には活性汚泥が固形分換算で 5,000〜10,000mg/L 入れられており、原水は、まず下内槽2b内にて嫌気状態で活性汚泥に接触し、嫌気反応が行なわれる。次いで空気が吹込まれている上内槽2aに移り好気状態で活性汚泥に接触し、好気反応が進行する。好気反応が進行するにつれ処理液のpH等が低下する。処理液のpH値、酸化還元電位、溶存酸素量が処理水質測定装置5で測定され、これらの値に基づき原水の循環量が定められる。具体的には、酸化還元電位を、好気反応部において+10 mV 以上、嫌気反応部において−10 mV 以下に維持できるように空気吹き込み量などを調整して処理水を循環する。循環量は、循環ポンプなどを使用することなく、空気量および/または循環率制御装置を制御することにより容易に行なうことができる。このため本発明は省エネルギー型の排水処理方法である。また、本設備は、微生物反応の各ユニットをそれぞれ調整できるので、これらの制御を予めプログラム化し、無人で自動運転することが容易であり、省力化プラントとしての特徴を有している。
また、原水のBOD負荷が小さいにもかかわらず、窒素分濃度等が高い場合は、プロトン供与体などの有機物質からなる嫌気菌栄養物、たとえばメタノールを嫌気部に添加して処理することが好ましく、この場合、処理水のpHが低下しやすいので、水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分を添加することが好ましい。
本発明の廃水処理方法は、微生物処理槽を1槽用いてもよいが、また複数槽用いることもできる。この場合、第1槽からの放流水を第2槽の原水供給口に導入する。また、たとえば2つの微生物処理槽を直列で連結する場合は、第2槽における好気反応部の容積と嫌気反応部の容積との比率を第1槽における比率と変えることにより、より効果的に廃水処理を行なうことができる。具体的には、容積比を第1槽のそれより小さくすることにより、嫌気・好気反応を行なうことができる。
微生物処理槽を用いても分解できないCOD汚濁物質等は、微生物処理工程後に高分子吸着剤により凝集分離される。また、凝集後の分離方法としては、凝集沈殿処理および加圧浮上処理のいずれか、あるいは両方を用いて固液分離される。固体状物質は最終汚泥として焼却処理等なされ、液体状物質は必要に応じて活性炭吸着工程を経て放流される。
実施例1、比較例1〜比較例3
自動車用エンジン製造を実施している鋳造工場から排出される廃水の処理を行なった。この廃水はCODが450mg/L、BODが350mg/L、SS値が1025mg/L、n−Hex量が45mg/Lの水質であり、処理量は2500t/月である。
実施例1は、前処理としてカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN110;日本アルシー株式会社商品名)を90mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック102;日本アルシー株式会社商品名)を2mg/L添加してそれぞれ凝集分離を行なった。その後上述の微生物処理槽を用いて嫌気・好気処理を行なった。最後にCOD除去用高分子吸着剤(日本アルシー社商品名、アルシーフロックNK100;日本アルシー株式会社商品名)を100mg/L添加して後処理を行なった。
また、実施例1と同様の廃水を用いて、比較例1〜比較例3の処理を実施した。
比較例1は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを2500mg/Lおよび水酸化ナトリウム400mg/L添加して前処理を行ない、微生物処理を行なうことなく、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例2は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを2500mg/Lおよび水酸化ナトリウム400mg/L添加して前処理を行ない、その後固定床法による接触酸化処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例3は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを2500mg/Lおよび水酸化ナトリウム400mg/L添加して前処理を行ない、その後嫌気・好気処理を循環しない標準活性汚泥処理法により微生物処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例1〜比較例3において、後処理として用いた粉末および粒状活性炭は汚泥として処理される。
得られた処理水の水質と汚泥発生量、使用薬品および汚泥処理費用を含めた全処理費用の相対比較(比較例1を100とする)を表1に示す。
原廃水中に含まれる高分子成分を分解するには、比較例2の固定床法や比較例3の標準活性汚泥法では、油分や殺菌剤成分の影響で処理できないのが分かった。これは、比較例2では、固定床に微生物が付着しても剥離したり付着したりし難いためである。比較例3の標準活性汚泥処理法でも酸素消費量が少なく過曝気になりやすく汚泥が解体して汚泥濃度が維持できない。
実施例1は、前処理として高分子凝集剤を用いるので、従来使用されている無機凝集剤に比較して微生物処理で用いられる活性汚泥に悪影響をおよぼすことがなく、微生物処理性能が低下しない。また、嫌気・好気処理を繰り返す微生物処理を十分に実施しているので、汚泥発生量が減少するのみならず廃水処理費を大幅に低減することができる。
実施例2、比較例4〜比較例6
黒鉛と白系離型剤を使用している鍛造工場から排出される廃水の処理を行なった。この廃水はCODが2500mg/L、BODが3500mg/L、SS値が4000mg/L、n−Hex量が25mg/Lの水質であり、処理量は200t/月である。
実施例2は、前処理としてカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN110;日本アルシー株式会社商品名)を600mg/L、カチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN130;日本アルシー株式会社商品名)を1200mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック102;日本アルシー株式会社商品名)を16mg/L添加してそれぞれ凝集分離を行なった。前処理は加圧浮上の前に沈澱処理を行なった。その後上述の微生物処理槽を用いて嫌気・好気処理を行なった。最後にCOD除去用高分子吸着剤(日本アルシー社商品名、アルシーフロックNK100;日本アルシー株式会社商品名)を2500mg/L添加して後処理を行なった。
また、実施例2と同様の廃水を用いて、比較例4〜比較例6の処理を実施した。
比較例4は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを16000mg/Lおよび水酸化ナトリウム6000mg/L添加して前処理を行ない、微生物処理を行なうことなく、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例5は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを8000mg/Lおよび水酸化ナトリウム3000mg/L添加して前処理を行ない、その後固定床法による接触酸化処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例6は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを8000mg/Lおよび水酸化ナトリウム3000mg/L添加して前処理を行ない、その後嫌気・好気処理を循環しない標準活性汚泥処理法により微生物処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例4〜比較例6において、後処理として用いた粉末および粒状活性炭は汚泥として処理される。
得られた処理水の水質と汚泥発生量、使用薬品および汚泥処理費用を含めた全処理費用の相対比較(比較例4を100とする)を表2に示す。
鍛造工場から排出される鍛造離型剤廃液は濃厚であるとともに多量の付着性水溶性ポリマーが回収されるが、実施例1とほぼ同様の処理方法で処理ができ、大幅な廃棄物の削減と処理費用の削減が達成できる。これに対して、比較例4〜比較例6では処理費用が高くなったり、汚泥が多量に発生したりする。
実施例3、比較例7〜比較例9
金属材料の切削工程で排出される濃厚切削廃水の処理を行なった。この廃水はCODが4500mg/L、BODが9500mg/L、SS値が200mg/L、n−Hex量が9800mg/Lの水質であり、処理量は200t/月である。
実施例3は、前処理としてカチオン系高分子凝集剤(アルシーフロックN110;日本アルシー株式会社商品名)を1600mg/L、およびアニオン系高分子凝集剤(アルシーフロック102;日本アルシー株式会社商品名)を16mg/L添加してそれぞれ凝集分離を行なった。その後上述の微生物処理槽を用いて嫌気・好気処理を行なった。最後にCOD除去用高分子吸着剤(日本アルシー社商品名、アルシーフロックNK100;日本アルシー株式会社商品名)を1500mg/L添加して後処理を行なった。
また、実施例3と同様の廃水を用いて、比較例7〜比較例9の処理を実施した。
比較例7は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを18000mg/Lおよび水酸化ナトリウムを7000mg/L添加して前処理を行ない、微生物処理を行なうことなく、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例8は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを14000mg/Lおよび水酸化ナトリウムを3000mg/L添加して前処理を行ない、その後固定床法による接触酸化処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例9は、前処理としてポリ塩化アルミニウムを12000mg/Lおよび水酸化ナトリウム3000mg/L添加して前処理を行ない、その後嫌気・好気処理を循環しない標準活性汚泥処理法により微生物処理を行ない、後処理として活性炭吸着凝集沈殿処理および砂濾過塔+活性炭吸着塔を用いて処理した例である。
比較例7〜比較例9において、後処理として用いた粉末および粒状活性炭は汚泥として処理される。
得られた処理水の水質と汚泥発生量、使用薬品および汚泥処理費用を含めた全処理費用の相対比較(比較例7を100とする)を表3に示す。
実施例3は、濃厚廃液をそのまま処理でき、処理水をそのまま下水道放流ができるので、廃棄物の削減と処分費の大幅な削減が達成できる。
一方、従来の方法は、比較例8および比較例9に示すように、無機凝集剤を用いた前処理をすると、その処理水の生物処理性が著しく悪化してくるのが分かった。ほとんど処理できないで長時間処理で汚泥が解体することがほとんどであり、比較例8の固定床による接触分解や比較例9の標準活性汚泥処理法は単独処理が不能であった。
本発明の廃液の処理方法は、カチオン系および/またはアニオン系高分子凝集剤を加える凝集分離と、嫌気・好気処理を十分に行なえる微生物処理槽を用いて微生物処理を行なうので、従来、処理が困難であった水系濃厚廃液の処理ができる。そのため、金属加工製品の鋳造、鍛造または切削工程で発生する濃厚廃液の処理に好適に適用できる。
廃液処理システムのフロー図である。 鋳造廃液を凝集反応槽で前処理したときの状態を示す図である。 鍛造廃液を凝集反応槽で前処理したときの状態を示す図である。 濃厚水溶性切削廃液を凝集反応槽で前処理したときの状態を示す図である。 微生物反応槽の断面図である。
符号の説明
1 微生物反応槽
2 内槽
3 循環率制御装置
4 円筒状制御板
5 処理水質測定装置
6 原水供給口
7 脱窒菌栄養物供給口
8 空気取入れ口
9 アルカリ供給口
10 攪拌機
11 放流口
12 余剰汚泥引抜き口
13 ポンプ
14 廃液原水
15 原水調整槽
16 凝集反応槽
17 凝集沈殿処理槽
18 加圧浮上処理槽
19 凝集分離工程
20 処理水

Claims (1)

  1. 金属材の鋳造、鍛造または切削で発生する廃液の処理方法であって、
    前記廃液にカチオン系およびアニオン系高分子凝集剤の少なくとも一つを加える凝集分離工程と、凝集分離工程で分離した凝集分離物を除いた廃水を活性汚泥を用いた微生物処理槽で処理する微生物処理工程と、微生物処理工程後にCOD除去用高分子吸着剤による凝集工程とを備え、
    前記微生物処理槽が、廃水供給口を内槽下部に有し嫌気反応を行なう嫌気反応部と、この嫌気反応部の上部に連結部を介して空気取入れ口を該連結部の上部に有し好気反応を行なう好気反応部とを備えた内槽と、この内槽上部に設けられた循環率制御装置と、前記内槽の外側に設けられた円筒状制御板と、前記内槽の外側および内側に設けられた処理水質測定装置とを具備してなり、前記処理水質測定装置により測定される処理水のpH、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも一つの測定値を検出する手段と、前記検出された測定値に応じて前記循環率制御装置の制御量および前記空気取入れ口より吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも一つの量を制御することにより、微生物処理槽内の処理水循環率を制御する手段とを備えてなり、
    前記COD除去用高分子吸着剤が微粉末担体にアミン系化合物を付加させて、さらにオキシアルキレン誘導体を反応させた反応物であることを特徴とする廃液の処理方法。
JP2004056701A 2004-03-01 2004-03-01 廃液の処理方法 Expired - Fee Related JP4142598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056701A JP4142598B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 廃液の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056701A JP4142598B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 廃液の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005246142A JP2005246142A (ja) 2005-09-15
JP4142598B2 true JP4142598B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=35027145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004056701A Expired - Fee Related JP4142598B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 廃液の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4142598B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5575445B2 (ja) * 2009-09-30 2014-08-20 ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 スチレン系ポリマー
JP5490478B2 (ja) * 2009-09-30 2014-05-14 ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 アクリル系ポリマー
JP6134940B2 (ja) * 2013-02-20 2017-05-31 三菱ケミカル株式会社 含油洗浄廃水の凝集処理方法
CN115180781B (zh) * 2022-08-18 2023-08-01 山东中欧膜技术研究有限公司 一种高效节能的高浓度含酚含油废水处理装置及利用其处理高浓度含酚含油废水的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005246142A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105948414B (zh) 一种乳化液废水处理系统及其处理工艺
CN101274809B (zh) 有机性排水的处理装置
KR101335186B1 (ko) 배수 처리 장치 및 배수 처리 방법
KR101278230B1 (ko) 급속 응집ㆍ응결 침강제를 이용한 오폐수 중의 총인/총질소 제거방법 및 그 장치
KR100957851B1 (ko) 응집제 투입시기에 따른 수처리방법
CN112794555A (zh) 一种新型强化混凝处理废水的方法
JP4142598B2 (ja) 廃液の処理方法
JP2002316173A (ja) 砒素及び過酸化水素を含有する排水の処理方法
CN213623721U (zh) 一种双氧水生产废水处理系统
JP2008086848A (ja) 有機性排液の処理装置および有機性排液の処理方法
JPH09192675A (ja) 廃水の処理方法
JPH0741277B2 (ja) 汚物処理剤および汚物処理方法
CN105016569A (zh) 一种冷轧反渗透浓盐水的处理系统和处理方法
CN115340163B (zh) 漆雾凝聚剂及其制备方法
CN216236565U (zh) 一种酸化油脂废水的处理装置
CN110606598A (zh) 一种含砷低浓度有机工业废水的处理方法
KR101088148B1 (ko) 콜로이드 입자의 전기적인 중화속도 조절을 이용한 수처리 방법
JP2010274244A (ja) 鉄鋼製造排水の浄化処理方法
JP5693992B2 (ja) 多種金属イオン含有排水からの溶存鉄の回収方法
JPH0278488A (ja) 排水の高度処理方法
JPH11319889A (ja) セレン含有排水の処理方法及び装置
KR20020092619A (ko) 슬래그 및 비산재를 이용한 상수, 용수 및 폐수의물리화학적 응집 ㆍ응결 처리 방법
KR100503632B1 (ko) 고농도의 질소와 인을 함유하는 금속표면처리 산업폐수의처리장치 및 방법
CN212051004U (zh) 一种垃圾渗滤液处理系统
CN116854227B (zh) 一种消泡方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080612

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4142598

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees