JP4142468B2 - 巡回バスの運行ルート取得システム及び到着通知システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、巡回バスの利用者側にて、巡回バスの運行ルート及びこの運行ルートにおける乗降地点を容易に取得できるシステム、及び、これを利用して、巡回バスが運行ルート上の所定地点に到着したことをその利用者に通知するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
幼稚園、学校、介護施設の利用者等を、所定の地点で乗降させつつ、定められたルートを定期的に巡回する巡回バス(以下、単にバスともよぶ)が運行されている。そして、この巡回バスの利用者に対して、所定の乗降地点にバスが近接したことを通知するシステムが提案されている。
【0003】
従来、この種のシステムとしては、例えば下記特許文献1に記載されたようなものがある。この従来技術においては、位置取得機能を備えた通信機を搭載したバスが、自車が予め定められている乗降地点周辺に設定された所定エリア内に侵入したことを示す緯度経度を、中継会社を介して管理センタ側に送信する。管理センタでは、バス側から送信されてきたこの緯度経度に基づき、予め定められている乗降地点にあと何分で到着するかを示すメッセージを、インターネット等を介してバス利用者側の通信端末に送信するようにしている。
【0004】
そして、このようなシステムにおいて、利用者が上述のようなメッセージを管理センタから受けるためには、まず、利用者はバス会社や管理センタから運行ルートに関する情報を取得した後、この運行ルート上の自身の希望する乗降地点を管理センタに伝える。そして、管理センタにおいて専門員が、そのサーバに対して、メッセージを送信するための各種設定を行うという基本手順になっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−334397号公報(図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような巡回バスサービスにおいては、利用者が変更になったり、目的地が変更になったりすることも多く、これに伴い運行ルートや乗降地点も変更されることが多い。このような場合、上記従来のシステムによると、まずバス会社が管理センタに最新の乗降地点情報を含む最新ルートを連絡し、その後利用者にその旨が伝えられる。次に、利用者がこの最新ルートを参照しつつ、希望する乗降地点を管理センタに伝える。そして、管理センタの専門員が、乗降地点等の設定を再度、行うことになる。
【0007】
このため、従来のシステムによると、運行ルートに何らかの変更が発生した場合、或いは、現行の運行ルートを再確認したい場合等、利用者は即時に最新の運行ルートに関する情報を得ることができないという問題がある。また、運行ルートにおける乗降地点の変更時にも、管理センタの専門員による再設定作業が必要となり煩雑であるという問題がある。更に、巡回バスサービスの利用者には、老人、身障者、幼稚園児等も多く、自宅から乗降地点までの所要時間に個人差が大きいにも拘わらず、従来のような、乗降地点周辺に固定的に設定されたエリア内にバスが侵入したときにメッセージを送信するというシステムでは、利用者が乗り遅れたり、バスが利用者を待たなければならないケースも発生する。
【0008】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、利用者側において、乗降地点を含む運行ルートを容易かつ即時に取得できる巡回バスの運行ルート取得システム、及び利用者側において容易に所望の通知地点を設定できる巡回バスの到着通知システムを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の巡回バスの運行ルート取得システムは、図1の基本構成図に示すように、巡回バス1の利用者6側にて、この巡回バス1の乗降地点を含む所定の運行ルートを取得するシステムであって、前記運行ルートを走行する巡回バス1には、自車両の緯度経度を所定のサンプリング周期毎に取得する緯度経度取得手段11Bと、緯度経度を取得した時刻を取得する時刻取得手段11Cと、取得した緯度経度及び時刻を無線送信する機能を備えた端末側通信手段11Aと、が搭載され、利用者6側には、巡回バス1側から提供される緯度経度及び時刻を取得するバスデータ取得手段6Bと、緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて前記乗降地点を特定する乗降地点特定手段6Cと、が装備される、ことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、所定の運行ルートを走行する巡回バス1側にて所定のサンプリング周期毎に取得された自車両の緯度経度及びその時刻が無線送信されてくる。利用者6側においては、この巡回バス1側から提供される緯度経度及び時刻を取得し、緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて乗降地点を特定し、この乗降地点を含む運行ルートを取得する。したがって、利用者6側で、容易かつ即時に乗降地点を含む運行ルートを取得できる。乗降地点は、取得した緯度経度及び時刻から算出した速度を利用して特定される。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の巡回バスの運行ルート取得システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1記載の運行ルート取得システムにおいて、前記運行ルートは、最新の運行ルートである、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、運行ルートに何らかの変更が発生しても、利用者6側において、最新の乗降地点を含む運行ルートを取得できる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の巡回バスの運行ルート取得システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2記載の運行ルート取得システムにおいて、前記乗降地点は、所定回数以上連続するサンプリングタイミングで前記速度がゼロとなった地点とする、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、乗降地点は所定回数以上連続するサンプリングタイミングで速度がゼロとなった地点としているので、渋滞等により突発的にバスが停止したことを、乗降地点から自動的に除外することができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の巡回バスの運行ルート取得システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運行ルート取得システムにおいて、取得した運行ルートに正式なルート名を付けて保存する保存手段6D、を更に含むことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、正式な乗降地点を含む運行ルートに正式なルート名を付けて保存されるので、後で参照したり、変更したりするときに有効となる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の巡回バスの到着通知システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運行ルート取得システムを利用して、巡回バス1が前記運行ルート上の所定地点に到着したことを管理センタ4側から利用者6側に通知するシステムであって、前記利用者6側には、インターネットを含む通信回線を介して、外部と通信可能な利用者側通信手段6Aと、到着を通知して欲しい前記運行ルート上の所望の通知地点を設定する通知地点設定手段6Eと、インターネットを含む通信回線を介して送信されてくる所定の通知指令に応答して、前記到着を通知する通知手段6Fと、が装備され、前記管理センタ4側には、無線回線を含む通信回線を介して、巡回バス1に搭載される端末側送信手段と通信可能であり、インターネットを含む通信回線を介して、前記利用者側通信手段6Aと通信可能な管理センタ側通信手段4Aと、利用者6側で設定された通知地点を格納する格納手段4Bと、無線回線を含む通信回線を介して、巡回バス1側から送信されてくる緯度経度と、格納している通知地点とを比較して、巡回バス1が前記通知地点に到着したことを検出して前記通知指令を発生する指令発生手段4Cと、が装備される、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、上記運行ルート取得システムにて、運行ルートを取得しておき、利用者6側にて、バス到着を通知して欲しいこの運行ルート上の所望の通知地点が設定されて管理センタ4側に送信される。管理センタ4側では、利用者6側で設定された通知地点を格納しておき、巡回バス1側から送信されてくる緯度経度と、格納している通知地点とを比較して、巡回バス1が通知地点に到着したことを検出し、通知指令を利用者6側に送信する。そして、利用者6側では、この通知指令に応答して到着が通知される。したがって、従来のように管理センタ4の専門員の手を借りることなく、利用者6側で容易に所望の通知地点を設定できる。また、ルート変更や利用者6の個人差等にも柔軟に対応できる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の巡回バスの到着通知システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項5記載の到着通知システムにおいて、前記通知地点は、緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて特定された前記乗降地点のうちのひとつである、ことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、通知地点は乗降地点のうちのひとつであるので、通知点の選択が容易になる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の巡回バスの到着通知システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項6記載の到着通知システムにおいて、前記乗降地点には、それぞれ前記時刻に基づいて算出した予定通過時刻が並記される、ことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、通知地点には予定通過時刻が並記されるので、利用者6は、所望のバスに確実に乗れるような通知地点を設定できる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の巡回バスの到着通知システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項6又は7記載の到着通知システムにおいて、前記通知手段6Fは、可聴信号及び可視信号により前記到着を通知する、ことを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、巡回バス1のひとつである福祉バスの利用者6に多い老人や身障者も、確実に到着通知を認識できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の巡回バスの運行ルート取得システム及び到着通知システムの一実施形態に係るシステム構成を示す図である。図2に示すように、本システムでは、巡回バス1側、管理センタ4側及び利用者6側が所定の回線を介して通信接続されている。巡回バス1は、所定の運行ルートR上にある乗降地点P1、P2、P3を経由して、所定の目的地点まで運行される。この巡回バス1には、GPS信号を受信して自車両の緯度経度及び時刻を取得したり、管理センタ4と通信可能なGPS端末11が搭載されている。ここでは図示しないが、勿論、巡回バス1にはバッテリも搭載されている。
【0026】
なお、本発明において、巡回バス1とは、例えば、幼稚園や介護施設への送迎バス等のように、その利用者を所定の乗降地点で乗降させつつ、所定の運行ルートを定期的に走行するバスをいう。また、運行ルートは、本実施形態で示すように、必ずしも閉ループ化されている必要はない。なお、現実的には、巡回バス1及び利用者6は複数存在するが、ここではそのうちの1組のみを例示している。
【0027】
GPS端末11は、GPS(Global Positioning Systems)を構成する複数のGPS衛星2から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを利用して自車両の現在地の相当する緯度経度や時刻を取得する。そして、GPS端末11は、緯度経度及び時刻を、携帯電話パケット通信網3を介して管理センタ4に送信する。
【0028】
携帯電話パケット通信網3は、例えば、株式会社NTTドコモからサービス提供されているDoPaが利用される。このサービスは、携帯電話網においてパケット交換方式を利用したデータ通信サービスであり、通信したデータ量に応じて通信料が計算されるデータ従量制課金方式である。この方式は低料金で本システムに関するサービスを提供する際の一助となる。この携帯電話パケット通信網3は、無線基地局31を介して、上記GPS端末11に通信接続される。また、携帯電話パケット通信網3は、例えば、NTTドコモのiモードセンタと呼ばれる接続センタ32を介して、管理センタ4に通信接続される。
【0029】
管理センタ4は、インターネット5を介して利用者6側に接続される、ASP(Application Service Provider)であり、情報処理装置41、通信装置42及び記憶装置43を含んで構成される。管理センタ4は、巡回バス1の運行に関するデータを格納しておき適宜利用者に提供したり、後述のバス到着通知サービスを提供したりする。ASPは、近年普及しつつある、インターネット等の広域通信網を使って各種サービスを提供する事業者であり、この事業者は、例えば、本出願人である。情報処理装置41は、ルータやDSU(デジタル回線接続装置)からなる通信装置42を介して情報を受けて、GPS端末11との通信機能や道路情報生成処理等を行う、CPU、RAM及びROMを有するコンピュータ装置である。記憶装置43には、プログラムファイル431、利用者データベース432、地図データベース433、運行ルートデータベース434及び通知地点データベース435等が格納されている。なお、上記通信装置42及び記憶装置43はそれぞれ、請求項中の管理センタ側通信手段及び格納手段に対応する。
【0030】
プログラムファイル431は、GPS端末11との通信を可能にする通信制御ソフトウエアや、図4及び図5で示すような本発明に係る制御を行うためのソフトウエアである。これについては、図4及び図5を用いて後述する。利用者データベース432は、本システムの加入者名簿や連絡場所等を有して構成される。地図データベース433は、運行ルート周辺の地形、道路、地名等を含む地図データである。この地図データベース433は、DVD−ROM等で提供されるスタンドアロン型のものであってもよいし、インターネットに接続される地図情報提供サイトから提供されるものであってもよい。運行ルートデータベース434は、各バスから送信されてくるデータに基づくもので、例えば、図6に示すように、ルートID434aに対応する時刻434b、速度434c及び緯度経度434dから構成される運行ルートデータの集まりである。通知地点データベース435は、各利用者にて各運行ルート上に設定された通知地点を示す通知地点データの集まりである。
【0031】
管理センタ4に接続される接続センタ32は、上記携帯電話パケット通信網3と共に、インターネット5にも通信接続されている。インターネット5には、公知のインターネット対応携帯電話網も含まれる。このようなインターネット5にはまた、利用者6側のインターネット端末61やインターネット対応携帯電話62が通信接続される。インターネット対応携帯電話網は、例えば、NTTドコモからサービス提供されているiモードサービスが利用可能であるが、KDDIからサービス提供されているEZwebやJ−フォンからサービス提供されているJ−スカイであってもよい。
【0032】
利用者宅60には、上記インターネット端末61及びこれに接続される通知装置61aが装備されている。インターネット端末61は、通可聴信号及び可視信号により、設定した所望の地点に巡回バス1が到着したことを通知する装置であり、例えば、パトライト(登録商用)が利用可能である。なお、到着通知は、インターネット対応携帯電話62を利用してもよい。これにより、到着通知時に利用者がトイレ等にはいっていたり、ちょっとした外出中であっても、確実に到着通知が認識される。インターネット端末61の有する送受信機能は請求項中の利用者側通信手段に対応し、通知装置61aは請求項中の通知手段に対応する。
【0033】
図3は、上記GPS端末11の構成を示すブロック図である。図3に示すように、GPS端末11には巡回バス1の車載バッテリBTが接続されて電源供給される。図示しないが、GPS端末11と車載バッテリBTとの間には、オフポジション、アクセサリポジション、オンポジション、及びエンジンスタートポジションを有するエンジンキースイッチが介設されている。上記GPS端末11は、制御部110、電源回路部111、GPS受信部112、携帯電話通信部113、及び記憶部114を含んで構成される。
【0034】
制御部110は、基本的にCPU、ROM、及びRAMを含むマイクロコンピュータから構成される。CPUはROMに記憶されている制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。RAMには、CPUが各種の処理を実行するうえにおいて必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。制御部110は、上記制御プログラムにしたがって、記憶部114に格納されている端末ID114aを読み出したり、GPS受信部112を制御して緯度経度及び時刻を取得したり、通報指令を発したりして、本発明に係る制御を司る。これらについては、図4以降で再度説明する。
【0035】
電源回路部111は、基本的に直流変圧回路から構成されている。すなわち、電源入力端子RX11に印加される車載バッテリBTからのバッテリ電圧は、この電源回路部111に含まれる直流変圧回路にて、この装置11の各電子回路部に適した電圧値、例えば、5ボルトに変換されて分配供給される。なお、この電源回路部111には、車載バッテリBTが故意に切断されたとき等の補助電源としてのバックアップ電池111aが含まれている。この電源回路部111はGPS端末11と別筐体で構成するようにしてもよい。
【0036】
GPS受信部112は、GPSアンテナ112aを介してGPSを構成する複数のGPS衛星2からのGPS信号を受信し、これに基づいて現在の緯度経度や時刻を取得し、この情報を制御部110に供給する。携帯電話通信部113は、パケット通信アンテナ113aを介して、携帯電話パケット通信網3の無線基地局31に無線接続される。これらGPS受信部112及び携帯電話通信部113は、公知の装置を利用可能である。携帯電話通信部113は、請求項中の端末側通信手段に対応する。
【0037】
記憶部114には、少なくとも、このGPS端末11を特定する端末ID114aが格納されている。端末ID114aは、GPS端末11を特定するものであってもよいし、このGPS端末11を搭載する巡回バス1を特定するものであってもよい。
【0038】
次に、上述してきた構成を前提とする本発明の実施形態に係る最新ルートの取得処理及び通知地点の登録処理について、図6〜図9を参照しつつ、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態に係る最新ルートの取得処理及び通知地点の登録処理を示すフローチャートである。図6は、運行ルートデータの一例を示す図である。図7及び図9は共に、通知地点設定画面の例を示す図である。図8は、取得された最新ルートの表示例を示す図である。なお、図4に示す処理は、現実的には、複数のバス側及び利用者側にて行われるが、ここでは、バス側及び利用者側はひとつずつ示している。
【0039】
この実施形態では、巡回バス1の運行ルートが変更になった場合を想定して説明する。すなわち、巡回バス1は、変更になった運行スケジュールにしたがって最新の運行ルートを走行するものとする。
【0040】
この場合、図4に示すバス側処理においては、上記GPS端末11にて、所定のサンプリング周期経過毎(ステップS101のN)に、緯度経度及び時刻が取得される(ステップS102及びステップS103)。サンプリングインターバルは、例えば、1分である。ここで、取得された緯度経度及び時刻は、GPS端末11の端末ID114aと共に、最新の運行データとして、管理センタ4側に無線送信される(ステップS104)。なお、予め定められた所定インターバルにしたがって緯度経度が取得されるので、管理センタ4におけるタイマ等を利用しても時刻取得は可能である。したがって、必ずしもGPS信号から時刻情報を取得しなくてもよいが、GPS信号から時刻情報を取得すれば、緯度経度が取得された時刻がより正確に把握可能になる。なお、以下の説明では、時刻情報は、GPS信号から取得されるものとする。上記ステップS102及びステップS103はそれぞれ、請求項中の緯度経度取得手段及び時刻取得手段に対応する。
【0041】
このようなステップS101〜ステップS104の処理は、このバスが最新の運行ルートを走行完了するまで継続される(ステップS105のN)。すなわち、このバスが最新の運行ルートを走行完了する(ステップS105のY)まで、1分毎に運行データが管理センタ側に送信される。このような運行データは、携帯電話通信部113から送信され、携帯電話パケット通信網3、接続センタ32、及び管理センタ4の通信装置42を介して、情報処理装置41に至る。
【0042】
管理センタ側では、バス側からのデータ送信が終わるまで、情報処理装置41にて、上記運行データの受信が行われ(ステップS401のN)、受信が完了すると(ステップS401のY)、速度の算出が行われる(ステップS402)。この速度は、利用者側で乗降地点を特定するために利用されるものであり、運行データに含まれる緯度経度と時刻とから算出可能である。ここでは、速度算出は管理センタ4にて行われるようにしているが、これは利用者側にて行ってもよい。
【0043】
速度算出が終了すると、図6に示すように、最新の運行データ(時刻434b及び緯度経度434d)に、速度434c、及びルートIDを付加し、これを運行ルートデータベース434として記憶装置43に格納しておく(ステップS403)。ここで、ルートIDは、各運行ルートに対して個別に割り当てられるもので、利用者側にも知らされているものとする。なお、運行ルートには、行きルート及び帰りルートがあるので、これらも区別できるように割り当てられている。
【0044】
利用者側では、最新の運行ルートを取得するために、これに対応するルートIDをインターネット端末61の入力部を用いて指定する(ステップS601)。この指定に応答して、インターネット端末61は指定されたルートIDと共に最新ルートデータを管理センタ側に要求する(ステップS602)。この要求は、インターネット5、接続センタ32、及び管理センタ4の通信装置42を介して、情報処理装置41に至る。
【0045】
管理センタ側では、上記ルートIDを伴う最新ルートの要求の受信が待機されており(ステップS404のN)、これが情報処理装置41にて受信されると(ステップS404のY)、記憶装置43のルートデータベース434から受信したルートIDに該当する最新ルートデータが読み出される(ステップS405)。そして、読み出された最新ルートデータは、通信装置42、接続センタ32及びインターネット5介して、利用者側のインターネット端末61に至る。
【0046】
利用者側では、上記ルートIDを伴う最新ルートデータの要求の受信が待機されており(ステップS603のN)、これがインターネット端末61にて受信されると(ステップS603のY)、最新ルートデータに含まれる速度から乗降地点が特定される。例えば、図6に示すような最新ルートデータが受信されたとすると、時刻8:03及び8:04(434b1参照)、並びに、時刻8:11及び8:12(434b2参照)において、速度がゼロ(434c1、434c2参照)であることがわかる。そうすると、この速度ゼロに対応する地点が、緯度経度X1、Y1(434d1参照)、並びに、X3、Y3(434d2参照)から特定できるので、この地点を乗降地点として特定する。
【0047】
このように、速度を利用することにより、容易かつ確実に乗降地点を特定できる。ここでは、連続するサンプリングタイミング、すなわち、2分間、バスが停車した地点を乗降地点として特定しているが、これ以上の時間停車した地点も乗降地点としてもよいし、例えば、緯度経度のサンプリングが30秒秒毎に行われる場合には、4回連続してゼロになった地点を乗降地点として特定するというふうに、適宜、現実的なデータに照合して変更可能である。なお、ステップS603及びステップS604はそれそれ、請求項中のバスデータ取得手段及び乗降地点特定手段に対応する。
【0048】
また、受信された最新ルートデータに含まれるR101で示すルートID(434a1参照)に対応する全ての緯度経度から最新ルートも特定できる。このように特定された最新ルートR及び乗降地点P1、P2、P3、P4、P5、P6はそれぞれ、図8に示すように、このルートに関連する地域の地図に重ねてインターネット端末61の表示部上に表示される(ステップS605)。地図データは、管理センタ4の地図データベース433から取得してもよいし、インターネット端末61に予め地図ソフトをインストールしておき、これを利用するようにしてもよい。ここで、運行開始地点P0や参考地点P1′を合わせて表示することが好ましい。図中、運行開始地点P0は、最新ルートデータに含まれる緯度経度から特定できる。また、参考地点P1′は、図6の434c′で示すように、単発的に速度がゼロにとなったときの緯度経度から特定できる。このような参考地点P1′により、何らかの理由で万が一、正規の乗降地点あるにもかかわらず、停車時間が短くなったときでも、手動指令にて、正式な乗降地点として特定可能となる。
【0049】
このようにして取得された最新ルートRは、正式なルート名を付けて、インターネット端末61の記憶部に保存しておくことが好ましい(ステップS606)。また、正式なルート名を付けた最新ルートRは、管理センタ側に送信して、ここで保存しおておくようにしてもよい。いうまでもなく、正式なルート名には、行きルートであるか帰りのルートであるかを区別する情報も含まれる。このように、乗降地点を含む運行ルートに正式なルート名を付けて保存しておくことにより、後で参照したり、変更したりするときに有効となる。
【0050】
以上のような最新ルートRの取得処理が終了すると、通知地点の登録処理が開始される。すなわち、インターネット端末61の入力部による所定のスイッチ操作をトリガーとして、表示部に通知地点設定画面が表示される(ステップS607)。この際、インターネット端末61、或いは、管理センタ側に保存されている最新ルートRが読み出されて、これに基づいて通知地点設定画面が表示される。ここでは、図示しないが、最新ルートRが管理センタ側で保存されている場合、利用者は上記正式なルート名(行き/帰りルート名を含む)を指定し、管理センタ4にアクセスし、該当する最新ルートRを取得するようにする。
【0051】
通知地点設定画面は、例えば、図9に示すように、上述のようにして特定した乗降地点P1、P2、P3、P4、P5、P6を含む最新ルートRを地図に重ねて表示しておき、所望の地点をマウス等の入力装置にて通知地点として指定できるようにする。例えば、乗降地点P2が通知地点として設定されると(ステップS608)、ここが図9に示すように、他の地点と区別できるようにマーキングされる。通知地点は、必ずしも、乗降地点P1、P2、P3、P4、P5、P6のうちのひとつから選択する必要はないが、乗降地点を目安にすることにより、通知点の選択が容易になる。なお、ステップS608は、請求項中の通知地点設定手段に対応する。
【0052】
通知地点設定画面は、例えば、図7に示すように、リスト形式にしてもよい。このリストは、図9のような地図と共に表示することが好ましい。図7に示すように、このリストは、少なくとも、ルート名(61a参照)、乗降地点名(61d参照)、到着予定時刻(61b参照)、通知地点チェックボックス(61c参照)を含んで構成される。ルート名61aはステップS606にて付けられたものとし、乗降地点名61d及び到着予定時刻61bはそれぞれ、地図データを参照しつつ、図6に示すルートデータ中の緯度経度434d及び時刻434bから導出できる。利用者はこのようなリストを見ながら、61c2で示すように、通知地点として設定したい乗降地点の横のチェックボックス61cにマウス等の入力装置を用いてマークする。特に、乗降地点の横には予定通過時刻が並記されるので、利用者6は、所望のバスに確実に乗れるような通知地点を設定できる。
【0053】
このような通知地点の設定が終了すると、設定した通知地点が管理センタ側に送信される(ステップS609)。この通知地点の利用者側から管理センタ側への送信経路は上述した通りである。
【0054】
管理センタ側では、上記通知地点の受信が待機されており(ステップS407のN)、これが情報処理装置41にて受信されると(ステップS407のY)、通知地点データベース435として、記憶装置43に格納される。以上のようにして、通知地点の登録処理が終了する。
【0055】
更に、図5を用いて、巡回バスの到着通知処理について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る到着通知処理を示すフローチャートである。この処理も、複数のバス側及び利用者側にて行われるが、ここでは、バス側及び利用者側はひとつずつ示している。また、巡回バス1は、上記通知地点が設定された通知ルートを走行するものとする。
【0056】
図5の到着通知処理において、バス側処理を示すステップS121〜ステップS125は、図4のステップS101〜ステップS105と同等であるので重複説明は省略する。但し、ここで、巡回バス1は、上記通知地点が設定された通知ルートを走行するものとする。
【0057】
管理センタ側では、バス側からのデータ送信が終わるまで、所定のインターバル、例えば1分間隔で、運行データの受信が行われている(ステップS421のN)。運行データの受信があると、運行データに含まれる緯度経度と、記憶装置43に格納されている通知地点データベース435中の該当する通知ルート上の通知地点とが比較され(ステップS422)、両者が一致したことにより巡回バス1が通知地点に到着したと判定されると(422のY)、通知地点を設定した利用者にその旨を知らせるための通知指令が送信される(ステップS423)。この通知指令の管理センタ側から利用者側への送信経路は、図4で説明した経路と同様である。なお、上記ステップS422及びステップS423は、請求項の指令発生手段に対応する。
【0058】
利用者側では、上記通知指令の受信が待機されており(ステップS621のN)、これがインターネット端末61にて受信されると(ステップS621のY)、インターネット端末61に接続される通知装置61aが駆動指令されて、可聴信号及び可視信号により、設定した所望の地点に巡回バス1が到着したことが利用者に通知される。この通知は、直接、通知地点の名前を可聴信号にて出力するようにしてもよいし、あとどれくらいで、この利用者の乗降地点に到着するかを出力するようにしてもよい。また、通知はインターネット対応携帯電話62を利用して行うようにしてもよい。
【0059】
このように、本実施形態によれば、利用者6側で、容易かつ即時に乗降地点を含む運行ルートを取得できる。特に、取得した緯度経度及び時刻から算出した速度を利用することにより、複雑な情報取得や演算処理をすることなく正確に乗降地点を特定できる。また、本実施形態によれば、従来のように管理センタ4の専門員の手を借りることなく、利用者6側で容易に所望の通知地点を設定できる。また、ルート変更や利用者6の個人差等にも柔軟に対応できる。更に、従来のようにバスがエリアに侵入したときではなく、所望の通知地点に到着したことを検出して通知指令が発生されるので、利用者6は、所望のバスに乗り遅れることのない正確な通知地点を設定可能となる。
【0060】
なお、本発明の運行ルート取得システムでは、取得する運行ルートは必ずしも変更直後の最新のものでなくてもよい。何らかの理由で、利用者側において、現行の運行ルートに関する情報を紛失してこの情報が即座に必要になったときにも、本発明の運行ルート取得システムは適用可能である。また、利用者側のみならず、バス会社においても、設計上の計画したルートを実際にバスが走行しているかどうかを確かめるとき等に、本発明の運行ルート取得システムは適用可能である。この場合には、図4に示す利用者側の処理をバス側で行うようにすればよい。本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で変更されたものも含む。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、所定の運行ルートを走行する巡回バス1側にて所定のサンプリング周期毎に取得された自車両の緯度経度及びその時刻が無線送信されてくる。利用者6側においては、この巡回バス1側から提供される緯度経度及び時刻を取得し、緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて乗降地点を特定し、この乗降地点を含む運行ルートを取得する。したがって、利用者6側で、容易かつ即時に乗降地点を含む運行ルートを取得できる。特に、取得した緯度経度及び時刻から算出した速度を利用することにより、複雑な情報取得や演算処理をすることなく正確に乗降地点を特定できる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、運行ルートに何らかの変更が発生しても、利用者6側において、最新の乗降地点を含む運行ルートを容易かつ確実に取得できる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、乗降地点は所定回数以上連続するサンプリングタイミングで速度がゼロとなった地点としているので、渋滞等により突発的にバスが停止したことを、乗降地点から自動的に除外することができる。
【0064】
請求項4記載の発明によれば、正式な乗降地点を含む運行ルートに正式なルート名を付けて保存されるので、後で参照したり、変更したりするときに有効となる。
【0065】
請求項5記載の発明によれば、上記運行ルート取得システムにて、運行ルートを取得しておき、利用者6側にて、バス到着を通知して欲しいこの運行ルート上の所望の通知地点が設定されて管理センタ4側に送信される。管理センタ4側では、利用者6側で設定された通知地点を格納しておき、巡回バス1側から送信されてくる緯度経度と、格納している通知地点とを比較して、巡回バス1が通知地点に到着したことを検出し、通知指令を利用者6側に送信する。そして、利用者6側では、この通知指令に応答して到着が通知される。したがって、従来のように管理センタ4の専門員の手を借りることなく、利用者6側で容易に所望の通知地点を設定できる。また、ルート変更や利用者6の個人差等にも柔軟に対応できる。更に、従来のようにバスがエリアに侵入したときではなく、所望の通知地点に到着したことを検出して通知指令が発生されるので、利用者6は、所望のバスに乗り遅れることのない正確な通知地点を設定可能となる。
【0066】
請求項6記載の発明によれば、通知地点は乗降地点のうちのひとつであるので、通知点の選択が容易になる。
【0067】
請求項7記載の発明によれば、通知地点には予定通過時刻が並記されるので、利用者6は、所望のバスに確実に乗れるような通知地点を設定できる。
【0068】
請求項8記載の発明によれば、巡回バス1のひとつである福祉バスの利用者6に多い老人や身障者も、確実に到着通知を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。
【図3】GPS端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る最新ルートの取得処理及び通知地点の登録処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る到着通知処理を示すフローチャートである。
【図6】運行ルートデータの一例を示す図である。
【図7】通知地点設定画面の一例を示す図である。
【図8】取得された最新ルートの表示例を示す図である。
【図9】通知地点設定画面の他例を示す図である。
【符号の説明】
1 巡回バス
2 GPS衛星
3 携帯電話パケット通信網
4 管理センタ
5 インターネット
6 利用者
11 GPS端末
61 インターネット端末
P1〜P3 乗降地点
R ルート
Claims (8)
- 巡回バスの利用者側にて、この巡回バスの乗降地点を含む所定の運行ルートを取得するシステムであって、
前記運行ルートを走行する巡回バスには、
自車両の緯度経度を所定のサンプリング周期毎に取得する緯度経度取得手段と、
緯度経度を取得した時刻を取得する時刻取得手段と、
取得した緯度経度及び時刻を無線送信する機能を備えた端末側通信手段と、が搭載され、
利用者側には、
巡回バス側から提供される緯度経度及び時刻を取得するバスデータ取得手段と、
緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて前記乗降地点を特定する乗降地点特定手段と、が装備される、
ことを特徴とする巡回バスの運行ルート取得システム。 - 請求項1記載の運行ルート取得システムにおいて、
前記運行ルートは、最新の運行ルートである、
ことを特徴とする巡回バスの運行ルート取得システム。 - 請求項1又は2記載の運行ルート取得システムにおいて、
前記乗降地点は、所定回数以上連続するサンプリングタイミングで前記速度がゼロとなった地点とする、
ことを特徴とする巡回バスの運行ルート取得システム。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の運行ルート取得システムにおいて、
取得した運行ルートに正式なルート名を付けて保存する保存手段、
を更に含むことを特徴とする巡回バスの運行ルート取得システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の運行ルート取得システムを利用して、巡回バスが前記運行ルート上の所定地点に到着したことを管理センタ側から利用者側に通知するシステムであって、
前記利用者側には、
インターネットを含む通信回線を介して、外部と通信可能な利用者側通信手段と、
到着を通知して欲しい前記運行ルート上の所望の通知地点を設定する通知地点設定手段と、
インターネットを含む通信回線を介して送信されてくる所定の通知指令に応答して、前記到着を通知する通知手段と、が装備され、
前記管理センタ側には、
無線回線を含む通信回線を介して、巡回バスに搭載される端末側送信手段と通信可能であり、インターネットを含む通信回線を介して、前記利用者側通信手段と通信可能な管理センタ側通信手段と、
利用者側で設定された通知地点を格納する格納手段と、
無線回線を含む通信回線を介して、巡回バス側から送信されてくる緯度経度と、格納している通知地点とを比較して、巡回バスが前記通知地点に到着したことを検出して前記通知指令を発生する指令発生手段と、が装備される、
ことを特徴とする巡回バスの到着通知システム。 - 請求項5記載の到着通知システムにおいて、
前記通知地点は、緯度経度及び時刻から算出した速度に基づいて特定された前記乗降地点のうちのひとつである、
ことを特徴とする巡回バスの到着通知システム。 - 請求項6記載の到着通知システムにおいて、
前記乗降地点には、それぞれ前記時刻に基づいて算出した予定通過時刻が並記される、
ことを特徴とする巡回バスの到着通知システム。 - 請求項6又は7記載の到着通知システムにおいて、
前記通知手段は、可聴信号及び可視信号により前記到着を通知する、
ことを特徴とする巡回バスの到着通知システム。
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