JP4142373B2 - 表示方法及び表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示内容に対応した所定のパターンの表示を行う表示方法及び表示装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
光を透過する部材(例えば透明パネル)に対して、塗料を所定のパターンで印刷することにより、文字、記号(アイコン等)、並びに絵等を表示することが考えられている。
【0003】
例えば図7Aに示すように、透明パネル51の裏面51Bに塗料層52を形成し、この裏面51B側に光源(バックライト)53を配置して、表示装置を構成する。そして、塗料層52は、透明パネル51の裏面51B側の平面図を図7Bに示すように、文字や記号や絵に対応した所定のパターンに形成される。
【0004】
そして、この構成において、光源53からの出射光を透明パネル51及びその裏面51B上の塗料層52に照射して、この出射光を透明パネル51に透過させて、透明パネル51の表面51A側に所定のパターンの表示を行うことができる。
【0005】
また、特定の文字や絵のパターンを表示する表示装置のその他の構成として、例えば特定のパターンの表示部を光透過性として、表示部以外の部分に特定波長域の光は反射するがその他の波長域の光は透過するマスキング処理を施す構成(特開平8−129350号公報参照)、蛍光顔料によりパターンを形成し、光源から発射された特定波長の光(紫外光)に反応して蛍光顔料を発光させる構成(特開平8−292730号公報参照)、第1の波長の光を発光する光源からの光を蛍光板に入射させ、蛍光板で入射光(第1の波長)を透過させるとともに、励起による第2の波長の光を発光させ、これら第1の波長の光及び第2の波長の光を文字等のパターンが描かれた板を通して表示する構成(特開平9−185337号公報参照)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7A及び図7Bに示すように、透明パネル51の光源(バックライト)53側の面51Bに、単純に塗料層52を設けた場合には、光源53からの出射光が通過すると、塗料層52で光が吸収されてしまうので、灰色、もしくは黒っぽい表示になる。塗料層52のない部分は、光源53からの出射光がそのまま透明パネル51を透過して、表示の地の色となる。
【0007】
光源53からの出射光が赤色系等である場合には、黒い表示は、赤色系の地の色に対してコントラストがはっきりして見やすい。
これに対して、光源53からの出射光が青色光の場合には、黒い表示では、青色の地の色に対してコントラストがはっきりせず、表示内容がわかりにくくなってしまう。
【0008】
これまでは、青色の地の色に対して、所定のパターンをコントラストがはっきりするように表示する方法は考えられていなかった。
【0009】
さらに、前述した他の構成においても、この青色の地の色に対して所定のパターンをコントラストがはっきりするように表示することはできない。
これは、これらの構成では、パターン以外の地の部分が不透過性で青色の地の表示ができなかったり、パターンのみを紫外光で励起して発光させるため地の部分は色が表示されなかったり、図7と同様にパターンが透過性の低い構成となっていたりするからである。
【0010】
上述した問題の解決のために、本発明においては、青色の地の色に対して所定のパターンをコントラストがはっきりするように表示することを可能にする表示方法及び表示装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の表示方法は、表示内容に対応した所定のパターンの表示を行う際に、第1の光源からの青色の出射光により励起されて黄色光を発光させる蛍光体を含んで成り、かつ所定のパターンに対応して形成された蛍光体層を設け、第1の光源からの青色の出射光を透過させるが、第2の光源からの他の色の出射光を吸収する特性を有し、かつ所定のパターンに対応して形成された吸収層を、蛍光体層よりも第1の光源及び第2の光源側に配置し、第1の光源又は第2の光源からの出射光が吸収層及び蛍光体層を通過した光と、出射光が吸収層及び蛍光体層以外の部分を通過した光とにより、表示を行うものである。
【0014】
上述の本発明の表示方法によれば、第1の光源からの青色の出射光は吸収層で吸収させずそのまま透過させ、蛍光体層で蛍光体を励起して黄色光を発光させるので、吸収層及び蛍光体層を通過した光は、青色光と黄色光が合わさった白色になる。吸収層及び蛍光体層以外の部分を通過した光は青色のままである。そして、青色の出射光が吸収層及び蛍光体層を通過して得られる白色と、青色の出射光が吸収層及び蛍光体層以外の部分を通過した光即ち青色光とにより表示を行うことから、コントラストがとれ、視認性が良好な表示を行うことが可能になる。このとき、吸収層及び蛍光体層が(表示内容に対応した)所定のパターンに対応して形成されているため、青色の地に所定のパターンが白く表示される。
一方、第2の光源からの青色以外の出射光は吸収層で吸収されるため、吸収層及び蛍光体層を通過する光量が少なくなる。また出射光の波長が比較的長い場合には蛍光体が励起されないので蛍光体からの発光もなくなる。そして、第2の光源からの出射光が吸収層及び蛍光体層を通過して得られる暗い光と、青色の出射光が吸収層及び蛍光体層以外の部分を通過した光即ち出射光と同じ色の光とにより表示を行うことから、例えば第2の光源からの出射光が赤色等の黒に対してコントラストがとれる色である場合には、コントラストがとれ、視認性が良好な表示を行うことが可能になる。即ち青色とこの第2の光源の出射光の色と2色に対して視認性が良好な表示を行うことが可能になる。
【0015】
本発明の表示装置は、光源と、光透過性の表示部とを有し、光源が、青色光を出射する第1の光源と、青色以外の色の光を出射する第2の光源とを有し、表示部の光源側に、青色光により励起されて黄色光を発光する蛍光体を含んで成る蛍光体層が、表示内容に対応した所定のパターンで形成され、蛍光体層の光源側に青色光以外の色の光を吸収する吸収層が表示内容に対応した所定のパターンで形成されているものである。
【0017】
上述の本発明の表示装置の構成によれば、光源からの青色光により蛍光体層の蛍光体が励起されて黄色光を発光し、この黄色光と光源からの青色光を合わせて白色光を得ることが可能になる。そして、蛍光体層が表示内容に対応した所定のパターンで形成されているため、このパターンが白く表示される。従って、光透過性の表示部のうち蛍光体層が形成されていない地の部分の青色に対して、パターンを視認性よく表示することが可能である。
【0018】
また、上述の本発明の表示装置の構成によれば、光源が、青色光を出射する第1の光源と、青色以外の色の光を出射する第2の光源とを有し、蛍光体層の光源側に青色光以外の色の光を吸収する吸収層が表示内容に対応した所定のパターンで形成されていることにより、第2の光源からの青色以外の色の光は吸収層で吸収される。このため、第2の光源を点灯したときの表示は、地の色が第2の光源からの出射光の色になり、パターンが黒っぽい色になる。一方、青色光は吸収層で吸収されないので、第1の光源を点灯したときの表示は、地の色が第1の光源からの出射光の青色になり、パターンが蛍光体層の発光の黄色と合わせて白色になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
【0020】
本発明は、表示内容に対応した所定のパターンの表示を行う表示方法であって、第1の光源からの青色の出射光により励起されて黄色光を発光させる蛍光体を含んで成り、かつ所定のパターンに対応して形成された蛍光体層を設け、第1の光源からの青色の出射光を透過させるが、第2の光源からの他の色の出射光を吸収する特性を有し、かつ所定のパターンに対応して形成された吸収層を、蛍光体層よりも第1の光源及び第2の光源側に配置し、第1の光源又は第2の光源からの出射光が吸収層及び蛍光体層を通過した光と、出射光が吸収層及び蛍光体層以外の部分を通過した光とにより、表示を行う表示方法である。
【0021】
また本発明は、上記表示方法において、第2の光源からの出射光が赤色であり、この出射光が吸収層及び蛍光体層を通過した光が緑色となるように吸収層の透過率の波長分布を選定する。
【0022】
本発明は、光源と、光透過性の表示部とを有し、光源が、青色光を出射する第1の光源と、青色以外の色の光を出射する第2の光源とを有し、表示部の光源側に、青色光により励起されて黄色光を発光する蛍光体を含んで成る蛍光体層が、表示内容に対応した所定のパターンで形成され、蛍光体層の光源側に青色光以外の色の光を吸収する吸収層が表示内容に対応した所定のパターンで形成されている表示装置である。
【0025】
また本発明は、上記表示装置において、さらに吸収層が青色系の塗料から成る構成とする。
【0026】
また本発明は、上記表示装置において、さらに光源は第1の光源として青色LEDを用い、第2の光源として他の発光色のLEDを用いている構成とする。
【0027】
また本発明は、上記表示装置において、さらに光源は第1の光源及び第2の光源として青色及び赤色の2色LEDを用いている構成とする。
【0028】
本発明の一実施の形態として、表示装置の概略構成図を図1Aに示す。
図1Aに示すように、表示部となりアクリル樹脂等から成る透明パネル21の裏面21Bに、蛍光材を含んで成る蛍光体層22が設けられ、この透明パネル21の裏面21B側に、光源23からの光が集光板24で集められて照射させるように構成されている。
【0029】
光源23は、例えば第1の光源として青色LED23Bと第2の光源として赤色LED23Rとを備えて成る。
【0030】
蛍光体層22は、第1の光源の青色LED23Bから出射した光により、励起されて発光する蛍光材料(蛍光体)、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体を含んで成る。
そして、透明パネル21の裏面21B側から見た図を図1Bに示すように、蛍光体層22は、表示内容に対応した任意の文字や記号(アイコンや意匠等)のパターン(図1BではアルファベットのA)となるように形成されている。このようなパターンは、例えば印刷により形成することが可能である。
【0031】
本実施の形態では、表示装置をこのような構成としていることにより、次のように所定のパターンの表示を行うことができる。
第1の光源の青色LED23Bを点灯すると、この青色LED23Bからの出射光(青色光)により蛍光体層22の蛍光材料のYAGが励起されて、黄色光を発光する。
そして、この蛍光材料から発光した黄色光と、蛍光体層22を透過した青色LED23Bからの青色光とにより、合わせて白色光が得られ、透明パネル21を透過してその表面21A側に出射される。
一方、蛍光体層22のない部分では、青色LED23Bからの青色光がそのまま透明パネル21を透過してその表面21A側に出射される。
【0032】
これにより、図2に示すように、透明パネル21の表面21A側において、青色の地1に対して白色で所定のパターン2が形成された表示が観察される。
青色の地1と、白色のパターン2とにおいて、明度と彩度の差から、コントラストをとれるので、パターン2の視認性が良好である。
【0033】
図2は、パターン2として文字(アルファベットのA)を使用した場合であるが、その他のパターンの形態として、記号(アイコン)を使用した場合を図3に示す。
図3に示すパターン3は、例えばメールに関する表示を示すアイコンを表示するものである。
【0034】
上述の本実施の形態の表示装置によれば、透明パネル21の光源23側に、第1の光源(青色LED)23Bからの青色の出射光により励起されて黄色光を発光するYAGを含んで成り所定のパターンに対応して形成された蛍光体層22が設けられていることにより、蛍光体層22を透過した青色の出射光(青色光)は、青色光とYAGから発光した黄色光とが合わさって、白色光となって、透明パネル21の表面21A側に透過する。一方、所定のパターン以外の地の部分は、蛍光体層22がなく、青色の出射光がそのまま透明パネル21をその表面21A側に透過する。
これにより、透明パネル21の表面21Aにおいて、青地に白色のパターンという、コントラストがあり見やすく(視認性が高く)所定のパターンの表示を行うことができる。
【0035】
尚、上述のように第2の光源23Rが赤色LEDである場合には、第2の光源23Rからの出射光が、蛍光体層22のYAGにより吸収され、パターンがくすんだ灰色で表示され、地の赤色に対して識別しにくくなってしまう。
この点を改善した実施の形態を次に示す。
【0036】
本発明の他の実施の形態として、表示装置の概略構成図を図4Aに示す。
図4Aに示すように、先の実施の形態の表示装置と同様に、表示部となりアクリル樹脂等から成る透明パネル31の裏面31Bに、蛍光材を含んで成る蛍光体層32が設けられ、この透明パネル31の裏面31B側に、光源34からの光が集光板35で集められて照射させるように構成されている。
【0037】
光源34は、例えば第1の光源として青色LED34Bと第2の光源として赤色LED34Rとを備えて成る。
【0038】
蛍光体層32は、第1の光源の青色LED34Bから出射した光により、励起されて発光する蛍光材料(蛍光体)、例えばYAGを含んで成る。この蛍光体層32は、表示内容に対応した任意の文字や記号(アイコンや意匠等)のパターンとなるように形成されている。
【0039】
本実施の形態の表示装置においては、特に蛍光体層32の上、即ち光源34側に、青色系の塗料が塗布されて、青色系塗料層33が形成されている。
この青色系塗料層33では、青色の光はそのまま通過するが、その他の色の光は吸収されて光量が少なくなる。
【0040】
そして、透明パネル31の裏面31B側から見た図を図4Bに示すように、青色系塗料層33は、蛍光体層32と同じく表示内容に対応した任意の文字や記号(アイコンや意匠等)のパターンとなるように形成されている。
【0041】
本実施の形態では、表示装置をこのような構成としていることにより、次のように所定のパターンの表示を行うことができる。
【0042】
第1の光源34Bの青色LEDが点灯したときには、第1の光源34Bから出射した青色光は、青色系塗料層33には吸収されずにそのまま通過し、蛍光体層32においてYAGを励起することにより、発光した黄色光と合わせて、白色光となる。青色系塗料層33及び蛍光体層32以外の部分、即ち所定のパターン以外の地の部分を通過した光は、そのまま青色となる。
これにより、青地の光に白いパターンが表示される。
【0043】
また、第2の光源34Rの赤色LEDが点灯したときには、第2の光源34Rから出射した赤色光は、青色系塗料層33により吸収され、また蛍光体層32のYAGを励起することなく、YAGによっても吸収されるため、透明パネル31に達する光量が大幅に少なくなって、黒くなる。青色系塗料層33及び蛍光体層32以外の部分、即ち所定のパターン以外の地の部分を通過した光は、そのまま赤色となる。
これにより、赤地の光に黒いパターンが表示される。
【0044】
即ち同じ透明パネル31で、共に見栄えのする、青地に白のパターンの表示と、赤地に黒のパターンの表示との両方を行える。
【0045】
尚、蛍光体層32のYAGの色が元々黄色であるため、青色系塗料の青色と重ね合わせて緑色のように見える。
従って、YAGを含む蛍光体層と、青色系塗料層の色調及び膜厚を調節することにより、第2の光源の赤色LED34Rを点灯したときに、パターンの部分を通過する光量を増やし、パターンの部分を緑色に表示して、地の部分を透過した赤色光に対する補色とすることも可能になる。
これにより、第2の光源の赤色LED34Rからの赤色光に対して、さらに良好な視認性を得ることが可能になる。
【0046】
また、蛍光体層のYAGを励起するためには、必ず波長の短い青色を出射する光源(第1の光源)が必要になるが、2色の光源を用いる場合には第2の光源の出射光は赤以外でもよく、例えばオレンジやアンバー(琥珀色)等の色も使用できる。
これら赤以外の光を出射する光源を使用した場合も、青色光を阻害しない程度に、青色系塗料の色調や膜厚を調整して色合いを調節し、光源の出射光の色に対して補色の関係になるようにすることによって、陰影を引き立たせることが可能である。
【0047】
さらに、本実施の形態において、第1の光源の青色LED34Bと第2の光源の赤色LED34Rとを同時に発光させて、紫色に発光させても良い。
このとき、透明パネル31の表面31Aでは、紫色の地に、白っぽい色のパターンの表示が観察される。紫色と白っぽい色において、明度と彩度に差があることにより、パターンが充分な視認性を有する。
【0048】
上述の本実施の形態の表示装置によれば、透明パネル31の光源34側に、第1の光源(青色LED)34Bからの青色の出射光により励起されて黄色光を発光するYAGを含んで成り所定のパターンに対応して形成された蛍光体層32が設けられ、さらに蛍光体層32の光源34側に青色以外の光を吸収する青色系塗料層33が設けられていることにより、蛍光体層32及び青色系塗料層33を透過した青色の出射光(青色光)は、青色系塗料層33をそのまま透過して蛍光体層32に達して、青色光と蛍光体層32のYAGから発光した黄色光とが合わさって、白色光となって、透明パネル31の表面31A側に透過する。一方、所定のパターン以外の地の部分は、蛍光体層32及び青色系塗料層33がなく、青色の出射光がそのまま透明パネル31をその表面31A側に透過する。
これにより、透明パネル31の表面31Aにおいて、青地に白色のパターンという、コントラストがあり見やすく(視認性が高く)所定のパターンの表示を行うことができる。
【0049】
一方、第2の光源(赤色LED)34Rからの赤色の出射光は、青色系塗料層33で吸収され、さらに蛍光体層32のYAGで吸収されるため、蛍光体層32及び青色系塗料層33のある所定のパターンの部分は、透明パネル31の表面31A側では暗く(例えば黒っぽく)表示される。一方、所定のパターン以外の地の部分は、蛍光体層32及び青色系塗料層33がなく、赤色の出射光がそのまま透明パネル31をその表面31Aに透過する。
これにより、透明パネル31の表面31Aにおいて、赤地に暗い色のパターンという、コントラストがあり見やすく(視認性が高く)所定のパターンの表示を行うことができる。
従って、本実施の形態によれば、同じ透明パネル31において、青色の光源34Bと、赤色の光源34Rとに対して、共にコントラストがあり見やすい(視認性が高い)所定のパターンの表示を行うことができる。
【0050】
本実施の形態では、吸収層として、青色系の塗料を塗布した青色系塗料層を設けた構成であったが、青色以外の光を吸収する構成であれば、その他の構成でもよい。例えば表示するパターンに対応した形状にした樹脂やフィルム等を配置して吸収層を構成することが考えられる。
【0051】
さらに、上述の各実施の形態では、透明パネル21,31の裏面21A,31Aに直接蛍光体層22,32が形成されている構成であったが、本発明においては、透明パネル等の光透過性の表示部に対して、蛍光体層が光源側に配置されている限りは、その他の構成としてもよい。
【0052】
例えば図5に示すように、透明パネル31の裏面31Aに反射防止膜41が形成され、この反射防止膜41を介して蛍光体層32が形成されている構成としてもよい。反射防止膜41は、光源(青色LED及び赤色LED)からの光は透過するが、透明パネル31の表面31A側からの外光を反射するような構成とし、例えば白色塗料などを用いることができる。これにより、表示の必要がないときにパターンが透けて見えないようにすることができる。
また、この図5の構成では、透明パネルの裏面31B側において、表示をさせない部分に、光源からの光を遮断する遮光膜42が形成されている。
【0053】
また、透明パネル(表示部)、蛍光体層、青色系塗料層(吸収層)、並びに光源が、この順序に形成されていれば、これら各層が互いに接触していなくてもよい。
即ちこれら各層の間に、上述の反射防止膜41のように光源からの光を透過すると共に他の機能を有する膜を設けてもよく、また空間を設けてもよい。
【0054】
本発明は、文字や記号、並びに絵等を表示する、様々な構成の装置に広く適用することが可能である。
【0055】
例えば衛星放送用のチューナーやビデオデッキ等、何らかの情報を本体に表示する必要がある製品において、表示ユニットの1つとして使用することが可能である。
例えばCS衛星放送用チューナーであれば、データ放送受信中、メール受信中、電話回線使用中、番組予約中等の表示について、所定のパターンのアイコン表示をすることが考えられ、このアイコン表示に本発明を適用することができる。
【0056】
このような製品においては、何らかの本体機能が働くとき、該当するアイコンに対して、青色の光源(青色LED)を点灯すると、蛍光体層のYAGにおいて黄色光が励起され、青色光と合わさって白色光となるため、青地の光に白いアイコンが表示される。即ち、青い光の中にアイコンを白く陰影をつけて浮かび上がらせるように光らせることができる。
【0057】
本発明をこのような製品に適用した場合の、装置の一形態を図6に示す。図6に示すように、装置10の前面11に、光透過性で円形の表示部12が複数設けられている。この円形の表示部12に沿って、光源からの地の色が表示されると共に、所定のパターン(図示せず)が地の色 (青色と例えば赤色)に対して浮かび上がるように表示される。
【0058】
本発明においては、可視光領域の単色光を出射させることが可能な光源であれば、LED以外の光源を使用することも可能である。例えば固体レーザやガスレーザを周波数変換(波長変換)して可視光線を出射させるように構成したレーザ等も使用可能である。
【0059】
また、光源にLEDを使用する場合には、ランプ型のLED以外にも、チップ型のLEDも使用することが可能である。
【0060】
さらに、光源は、上述の実施の形態のように2色の光源が一体化された構成に限定されず、第1の光源(例えば青色)と第2の光源(例えば赤色)とが別々に配置された構成としてもよい。
上述の実施の形態のように、2色LEDを光源に使用した場合には、他の構成の光源を用いる場合と比較して、設計が容易になると共に、装置の小型化を図ることができるという利点を有する。
【0061】
また、本発明において、光透過性の表示部の構成としては、上述の各実施の形態の透明パネル21,31に限らず、例えばガラスやスクリーン等も考えられる。
【0062】
ところで、本発明をさらに応用することにより、様々な色の光源について、地の色に対してパターンが良好な視認性を有する表示となるようにすることも考えられる。
光源が緑色、紫色等、比較的黒色との視認性が低い色の場合には、光源からの出射光で励起される蛍光材料を含む蛍光体層を構成することにより、光源からの出射光と励起による発光との組み合わせ、或いは励起による発光のみで、地の色となる光源からの出射光との視認性を高くすることが理論上は可能であると考えられる。
そして、条件を満たす蛍光材料が実際に存在すれば、このような色の光源に対しても視認性の高い表示を行うことができる。
尚、黄色やオレンジ色等、比較的明るい色の場合は、従来のように塗料層でパターンを形成することによっても視認性が得られるが、上述の図4に示した実施の形態と同様の、蛍光体層と吸収層との組み合わせでも視認性が得られる。
【0063】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0064】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、青色の地に対して、文字、記号や絵等の所定のパターンを白く表示して、コントラストがとれ、見やすく表示することが可能になる。
【0065】
また、さらに青色以外の光を吸収する吸収層を設けたときには、青色以外の色(例えば赤色等)の地に対して、所定のパターンを黒く表示することが可能になる。これにより、同じ表示部において、青色と、その他の色の複数の色に対して見やすい表示を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A 本発明の一実施の形態の表示装置の概略構成図である。
B 図1Aの透明パネルの裏面側から見た平面図である。
【図2】図1Aの透明パネルの表面側における表示の状態を示す図である。
【図3】パターンの他の形態を示す図である。
【図4】A 本発明の他の実施の形態の表示装置の概略構成図である。
B 図4Aの透明パネルの裏面側から見た平面図である。
【図5】図4Aの透明パネルにさらに反射防止膜等を形成した形態を示す図である。
【図6】本発明を適用する装置の一形態を示す図である。
【図7】A 表示装置の概略構成図である。
B 図7Aの透明パネルの裏面側から見た平面図である。
【符号の説明】
2,3 パターン、21,31 透明パネル、22,32 蛍光体層、23,34 光源、33 青色系塗料層(吸収層)、41 反射防止膜、42 遮光膜

Claims (6)

  1. 表示内容に対応した所定のパターンの表示を行う表示方法であって、
    第1の光源からの青色の出射光により励起されて黄色光を発光させる蛍光体を含んで成り、かつ上記所定のパターンに対応して形成された蛍光体層を設け、
    上記第1の光源からの青色の出射光を透過させるが、第2の光源からの他の色の出射光を吸収する特性を有し、かつ上記所定のパターンに対応して形成された吸収層を、上記蛍光体層よりも上記第1の光源及び上記第2の光源側に配置し、
    上記第1の光源又は上記第2の光源からの出射光が上記吸収層及び上記蛍光体層を通過した光と、上記出射光が上記吸収層及び上記蛍光体層以外の部分を通過した光とにより、上記表示を行う
    ことを特徴とする表示方法。
  2. 上記第2の光源からの出射光が赤色であり、該出射光が吸収層及び蛍光体層を通過した光が緑色となるように吸収層の透過率の波長分布が選定されていることを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  3. 光源と、光透過性の表示部とを有し、
    上記光源が、青色光を出射する第1の光源と、青色以外の色の光を出射する第2の光源とを有し、
    上記表示部の上記光源側に、上記青色光により励起されて黄色光を発光する蛍光体を含んで成る蛍光体層が、表示内容に対応した所定のパターンで形成され、
    上記蛍光体層の上記光源側に上記青色光以外の色の光を吸収する吸収層が表示内容に対応した所定のパターンで形成されている
    ことを特徴とする表示装置。
  4. 上記吸収層が青色系の塗料から成ることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 上記光源は、上記第1の光源として青色LEDを用い、上記第2の光源として他の発光色のLEDを用いていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  6. 上記光源は、上記第1の光源及び上記第2の光源として青色及び赤色の2色LEDを用いていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
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