JP2009104941A - 照明装置、及び、表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不要な波長の光のみをカットし、必要な波長の光を効率よく得られるような構成を容易に実現することを目的とする。
【解決手段】 特定波長光を選択反射するフィルター層を光源と導光体の間に設け、フィルター層で反射した光が蛍光体層で異なる波長の光に変換されて出光する構成とした。これにより、フィルター層で反射された光が、フィルター層を透過する光に変換されるため、輝度効率と色再現性の非常に高い照明装置が実現できる。また、この照明装置の出射面に表示素子を設けると、表示素子で吸収される光成分を蛍光体層で変換して表示素子を透過させることができ、輝度効率と色再現性の非常に高い表示装置が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 特定波長光を選択反射するフィルター層を光源と導光体の間に設け、フィルター層で反射した光が蛍光体層で異なる波長の光に変換されて出光する構成とした。これにより、フィルター層で反射された光が、フィルター層を透過する光に変換されるため、輝度効率と色再現性の非常に高い照明装置が実現できる。また、この照明装置の出射面に表示素子を設けると、表示素子で吸収される光成分を蛍光体層で変換して表示素子を透過させることができ、輝度効率と色再現性の非常に高い表示装置が可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯情報機器や携帯電話などに用いられる表示素子を照明する照明装置、及びこれを用いた表示装置、あるいは、照明装置に関する。
近年では携帯電話やモバイルコンピュータなどに用いられる表示装置として、高精彩カラー画像が少ない消費電力で得られる液晶表示装置が用いられている。液晶表示素子は、それ自体は発光しない非自発光型の表示素子であるため照明装置を必要する。この照明装置には、高輝度白色LEDを照明装置用光源として多用されている。
特に携帯電話では、開口が大きく明るい反射型液晶表示装置や、表裏両面から画像情報を表示することが可能な両面可視型液晶表示装置が用いられている。これらの表示装置には照明装置として、白色LEDを光源としたフロントライトやバックライトが用いられている。この白色LEDは、青色の光を発光する青色LEDを黄色蛍光体が分散された樹脂覆った構成であり、蛍光体から発する緑色光または黄色光と元の青色光とを混色させて補色関係で白色光を得ている(例えば、特許文献1を参照)。そして液晶表示装置では、この白色LEDから発光した光を液晶パネル中に備えられたRGBのカラーフィルターと、液晶素子のスイッチング機能により必要な色を選択し、表示している。
そして、導光体の出射面と表示パネルの間に、表示パネルを通過しない領域の光によって励起して、液晶パネルを通過する波長の光を発光する蛍光体を設けることにより、光源からの光の利用効率を向上する構成が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
また、一般照明用の光源として冷陰極管や白熱電球等が知られている。例えば冷陰極管は、電流が流れると蛍光管フィラメントから電子
が飛び出し、内部に封入されている気体の水銀
と衝突、紫外線
が発せられる。蛍光ガラス管の内側には蛍光体が塗布されており、紫外線
が当たると発光して、蛍光管外に可視光線
を放ち、これを照明に用いている。つまり、ガラス管内に塗布される蛍光体の特性と配合によって出光する光のスペクトラムが決定される。
特開平10−107325号公報
特開2006−338901号公報
が飛び出し、内部に封入されている気体の水銀
と衝突、紫外線
が発せられる。蛍光ガラス管の内側には蛍光体が塗布されており、紫外線
が当たると発光して、蛍光管外に可視光線
を放ち、これを照明に用いている。つまり、ガラス管内に塗布される蛍光体の特性と配合によって出光する光のスペクトラムが決定される。
液晶表示装置の照明装置に用いられている従来の白色LEDの波長分布は、青色の光と黄色または緑色の光による混色の白色光であるため、450nmと580nmをピークにブロードに広がっている。それに対して、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルターが選択する波長のピークは青が450nm、緑が530nm、赤が600nmである。つまり、白色光源からの光のうち、480nm〜510nm、570nm〜590nmの光は、カラーフィルターにより吸収されていた。そのため、光の利用効率が低く、輝度が低下していた。また、特許文献2に記載の構成では、液晶パネルに吸収される波長の全ての光が蛍光体にぶつかって色変換されるわけではないので、それほど利用効率を上げることができなかった。そこで、不要な波長の光を必要な波長の光に効率よく変換する必要がある。
一方、店舗照明等で、例えばりんごのように赤色成分を強調したいような被照体がある場合、緑色系成分は邪魔である。従来の照明用の光源には、不要な波長の光のみを排除し、かつ必要な波長の光をより強調するような機能はない。そのため、緑色系成分のみを排除し、赤色をより強調することは容易ではない。例えば、緑色系成分近辺をカットする顔料系の非常に濃度の濃いカラーフィルターを用いたり、複数の光源を用いたりすれば不可能ではない。しかし、消費電力や発熱やコストの問題があり、現実的ではない。
これらの共通する課題を解決するために、本発明は、不要な波長の光のみをカットし、必要な波長の光を効率よく得られるような構成を容易に実現することを目的とする。
そこで、本発明では、光源と光源からの光が入射する入光面と、入射した光を出射する出射面を備える導光体と、特定波長の光を選択的に反射するフィルター層と、特定波長の光で励起して発光する蛍光体を含んだ蛍光体層を備えるとともに、フィルター層が光源と入光面の間にあることを特徴とする照明装置とした。
前述の照明装置においては、光源は蛍光体層とフィルター層の間に位置する。
また、フィルター層については、入光面の全面にわたって設けることが可能で、フィルター層はベースフィルムの両面に形成されていることを特徴とする。
さらに、このような照明装置と、照明装置の出射面側に設けられた表示素子を備えた表示装置により、表示素子で吸収される特定波長の光成分をフィルター層で反射させて、特定波長の光成分を蛍光体層で表示素子を透過できる波長の光に変換することが可能になる。
前述の表示装置においては、発光部が、第一の波長にピークを持つ第一のピーク光と、第二の波長にピークを持つ第二のピーク光を発光する照明装置を用いた場合、フィルター層が反射する特定波長の光は、第一のピーク光と第二のピーク光の間の波長域の光になる。このような構成により、光源のピーク波長の谷間の波長の光成分を蛍光体で変換してシフトすることができる。
本発明によって、不要な波長の光のみをカットし、必要な波長の光を強調することが低消費電力かつ低コストで実現可能である。すなわち、カラーフィルターに吸収される光を、カラーフィルターを透過する光に変換する蛍光体を用いるため、輝度効率が高い照明装置や明るい表示装置が実現できる。
本発明の照明装置は、特定波長の光を選択的に反射するフィルター層と、特定波長の光で励起して発光する蛍光体を含んだ蛍光体層を備えている。これにより、フィルター層で反射された光が蛍光体層により異なる波長の光に変換され、フィルター層を透過するようになり、光源の発光のうち特定波長の光成分を反射させるとともに、特定波長の光成分を他の波長の光に変換して発光する照明装置になる。したがって、光源の光から特定波長の光成分を減少させ、他の波長の光成分を増やすことができる。また、光源の発光に含まれる量の少ない波長に変換する蛍光体を用いることにより、色再現性の非常に高い照明装置が実現できる。
さらに、発光部が、第一の波長にピークを持つ第一のピーク光と、第二の波長にピークを持つ第二のピーク光を発光する照明装置を用いて、前述のフィルター層を発光部より出光側に配置し、フィルター層が反射する特定波長の光が、第一のピーク光と第二のピーク光の間の波長域の光になるような構成とした。このような構成により、光源のピーク波長の谷間の波長の光成分を蛍光体で変換してシフトすることができる。
また、このような照明装置を表示装置に用いると、表示素子で吸収される特定波長の光成分を光学フィルムのフィルター層で反射させて、特定波長の光成分を蛍光体層で表示素子を透過できる波長の光に変換する。したがって、表示素子に吸収されて観測者に届かなかった光が蛍光体層によって届く光になるため、光の利用効率が向上する。
また、特定波長の光成分を照明装置の光源に含まれる量の少ない波長等に変換する蛍光体を用いることにより、照明装置の色調(発光波長特性)を制御することが可能になる。このように、光源光の波長変換に広く用いることができ、色光源の低消費電力化、色再現の向上を促進できる。
また、フィルター層を透明なベースフィルム上に設けた場合には、ベースフィルムが曲がりやすい性質であっても、フィルムの両面にフィルター層を形成することにより、湾曲を防止することができる。
また、表示素子にカラーフィルターが形成されている構成では、照明装置が発光する波長のうち、カラーフィルターを通過できない波長成分が存在する。したがって、この波長成分をほかの波長に変換することによって、カラーフィルターを通過する光の量を増やすことができ、明るさを向上することができる。
以下に波長制御フィルム、照明装置及び表示装置に関して、図面を用いて具体的に説明する。
本発明の表示装置の断面構成を図1に、また正面構成を図2に模式的に示す。光源3は、青色LEDに緑発光と赤発光の蛍光体を混合した樹脂をポッティングした構成の3波長発光タイプのLEDパッケ−ジである。導光体4は、光源から入射した光を導いて出光面から出射する。導光体4はポリカーボネート、アクリル、ゼオノアやアートン等の透明樹脂剤を射出成型によって作成したものである。導光体には、光源3と対向する部分に入光面が形成され、この入光面に、効率よく導光体4の内部に光が散乱するように微細なプリズム加工を施す場合がある。さらに、出光効率を高めるために、導光体4の出光面に拡散処理を施したり、プリズムをつけたりしてもよい。導光体の裏面、すなわち、出光面と反対側の導光体表面にはプリズム加工を光学設計に基づいて配置し、分布良く出光するような設計をしている。さらに、導光体4の裏面側に反射板5が配置されている。反射板5によって導光体4から一度漏れた光が再度導光体側に戻るため、光の利用効率が向上することとなる。ここで、反射板5には銀やアルミを蒸着したものや、白色PET等を用いることができる。一般的に、小型の製品には銀反射板を、大型の製品には白色PETを用いることが多い。導光体4から出光した光は、拡散シートやプリズムシート等の光学フィルム9により方向性を制御され、表示素子2に照射される。これらの構成部品は光漏れ防止と強度増加のためにフレーム8で覆われている。フレーム8には白色ポリカーボネート等の成形品やアルミニウム板等の金属フレーム等を用いることができる。
また、図示するように光源3と導光体4の間に波長選択フィルム1が配置されている。波長選択フィルム1の断面図を図3に示す。特定波長の光を反射するフィルター層10と11がベースフィルム18に設けられている。ここで、ベースフィルム18にはPETやPESやアクリル等の透明樹脂、透明なガラス板を用いることができる。フィルター層10、11には、SiO2 やTiO2 等の屈折率の異なる薄膜を交互に数十層に積層させた多層膜、もしくは200〜300nm程度のナノ粒子を構造的に印刷した層を用いることができる。本実施例においては、フィルター層10は480nm〜500nmの波長の光のみを選択反射する。フィルター層10の分光透過率を示した図が図5であり、480nm〜500nmの光のみ透過することがわかる。フィルター層11は570nm〜590nmの波長の光のみを選択反射する設計となっており、その分光透過率を図6に示す。波長選択フィルム1を光源3と導光体4の間に配置する事で、波長制御フィルムの使用面積を最低限に抑えることができる。波長制御フィルムは何十層にも及ぶ多層膜であるため、使用量を抑えることでコストダウン効果が期待できる。
光源3の出光面とは反対面に蛍光体層6を配置する。蛍光体層6はシリコンやアクリルやエポキシ等の透明樹脂に蛍光体7を分散している。本実施例では、蛍光体7は、400nm〜590nmの青〜緑色光で励起して赤色に発光する蛍光体である。この赤色蛍光体として、希土類元素としてEuを添加したSrSやCaSやCaAlSiN3や3,1,5組成系のシリケートが例示できる。透明なベースフィルムに赤色蛍光体を塗布した構成でもよい。図5及び図6に図示するように、本実施例の第一のフィルター層は480nm〜500nmの光を、第二のフィルター層は570nm〜590nmの波長を反射するように作製されている。光源3からの光のうち、480nm〜500nm及び570nm〜590nmの光はフィルター層で反射される。反射された光の一部は、蛍光体層6の赤色蛍光体にぶつかった光は赤色光に変換されることとなり、フィルター層10及び11を透過する。ぶつからなかった光はフィルター層10もしくは11に再度反射される。すなわち反射と色変換を繰り返すことにより、最終的には480nm〜500nm及び、570nm〜590nmの成分がほとんど存在しない光が出光する。かつ赤色光を強調することができる。
次に、表示素子2のカラーフィルターの特性を図4に示す。本図には、青色カラーフィルター特性12と緑色カラーフィルター特性13と赤色カラーフィルター特性14が記されている。本図から、もともと480nm〜500nm及び570nm〜590nmの光は、フィルターによる吸収領域(カット領域)15、16に含まれる光であり、たとえ存在していてもほとんどカットされてしまう成分であることがわかる。つまり、本実施例による波長制御フィルムを用いることで、本来カット領域にある波長の光を有効な波長に変換することが可能となることがわかる。
蛍光体層6を波長選択フィルム1上に形成することもできるが、その場合フィルムの透過率が低下し、光の利用効率低減につながる可能性があるため、本実施例のように、蛍光体層が波長選択フィルムとは別に存在するほうが好ましい。
前述のように、光源3は、緑発光と赤発光の蛍光体が混合された樹脂を青色LEDにポッティングした構成の3波長発光タイプのLEDパッケ−ジである。図7に、本実施例の光源3の分光特性を示す。このような分光特性の光が、波長選択フィルム1と蛍光体層6の作用により、図8に示すような分光特性に変化する。図8に示すように、二種類のフィルター層により480nm〜500nm、570nm〜590nmの波長の光がほとんどなくなっている。かわりに蛍光体層により530nmの緑色及び630nmの赤色成分が増加していることがわかる。
また、光源として3波長LEDを用いた場合を説明してきたが、CCFL(蛍光管)を用いても同様である。
また、例えば、光源として青色LEDに黄色の蛍光体をポッティングした擬似白色LEDを使用すると、もともと存在していなかった赤色成分を付加することができる。
また、光源として青色LEDに赤色蛍光体をポッティングした紫LEDを使用し、蛍光体層7に緑蛍光体を使用しても非常に輝度が高く、半値幅の狭いRGBのピークを持つ照明装置の提供が可能となる。
また、本実施例では波長選択フィルム1はベースフィルム18の両面にフィルター層10及び11が構成されている。両面に積層している理由のひとつとしては、反り防止である。片面積層の場合、フィルムに反りが発生しやすくなり、取り扱いが困難になってしまう。本実施例においては、片面は480nm〜500nmの波長をカットする第一のフィルター層10を配置し、もう片面には570nm〜590nmの波長をカットする第二のフィルター層11を配置しているが、例えば両面に同じ波長をカットするフィルター層11を配置しても良い。
1 波長選択フィルム
2 表示素子
3 光源
4 導光体
5 反射板
6 蛍光体層
7 蛍光体
8 フレーム
9 光学フィルム
10、11 フィルター層
12 青色カラーフィルター特性
13 緑色カラーフィルター特性
14 赤色カラーフィルター特性
15、16 カット領域
18 ベースフィルム
2 表示素子
3 光源
4 導光体
5 反射板
6 蛍光体層
7 蛍光体
8 フレーム
9 光学フィルム
10、11 フィルター層
12 青色カラーフィルター特性
13 緑色カラーフィルター特性
14 赤色カラーフィルター特性
15、16 カット領域
18 ベースフィルム
Claims (8)
- 光源と
前記光源からの光が入射する入光面と、入射した光を出射する出射面を備える導光体と、
特定波長の光を選択的に反射するフィルター層と、
前記特定波長の光で励起して発光する蛍光体を含んだ蛍光体層を備えるとともに、
前記フィルター層が前記光源と前記入光面の間にあることを特徴とする照明装置。 - 前記光源を前記蛍光体層と前記フィルター層との間に設けたことを特徴とした請求項1に記載の照明装置。
- 前記フィルター層が前記入光面の全面にわたって設けられている請求項1または2に記載の照明装置。
- 前記フィルター層はベースフィルムの両面に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
- 請求項1〜4のいずかに記載された構成の照明装置と、前記照明装置の出射面側に設けられた表示素子を備えること、とを特徴とする表示装置。
- 前記照明装置の発光部が、第一の波長にピークを持つ第一のピーク光と、第二の波長にピークを持つ第二のピーク光を発光するとともに、
前記特定波長が、前記第一のピーク光と前記第二のピーク光の間の波長域にあることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。 - 前記表示素子は第一着色体と第二着色体を有するカラーフィルターを備え、
前記特定波長が、前記第一着色体の透過波長域のピークと前記第二着色体の透過波長域の谷間の波長域を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。 - 前記カラーフィルターがRGBの着色層を持つカラーフィルターであり、
前記特定波長が480nm〜500nm、前記第二特定波長が570nm〜590nmであり、前記蛍光体層は前記特定波長と前記第二特定波長の光成分を赤色光に変換する赤蛍光体を含むことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
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JP2007276592A JP2009104941A (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 照明装置、及び、表示装置 |
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-
2007
- 2007-10-24 JP JP2007276592A patent/JP2009104941A/ja active Pending
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