JP4142288B2 - 端子用アダプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周辺機器から引き出された電線の端末部に圧着接続された端子と、車体の接地部とを接続する端子用アダプタの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、この種の端子用アダプタに関連する技術の一例として、特開平7−312248号公報に記載されたものである。
【0003】
図5に示された端子用アダプタ50は、電線59が接続されたアース端子65をボルト60及びナット61を用いて一括して接続するためのものである。端子用アダプタ50は、車両ボディの図示しないアースポイントに、図示しない締付ボルトを利用して取り付けられる。
【0004】
端子用アダプタ50は、導電性金属板の打ち抜き、折り曲げ加工によって一体的に形成されている。その下面には、車両ボディのアースポイントに取り付けられる舌片状の取付基部57を有している。
【0005】
端子用アダプタ50の取付基部57には、取付基部57に対して直角に立ち上がる一対の端子受部51が対向状態で設けられている。各端子受部51の側端からは、相手側の端子受部51に向かう側壁部52が中央部で突き当たるように形成されている。従って、一対の端子受部51と、端子受部51に連なる側壁部52とで角筒状の外壁面55が構成されている。
【0006】
端子受部51には、アース端子65を締結するボルト60を通すためのボルト孔51aが形成されている。また、側壁部52の上部には、切り起こし片53が収容空間56の内側に突出して形成されている。さらに、一方の側壁部52の先端部には、収容空間56側に突出する仕切片54が折り曲げ形成されている。
【0007】
端子受部51及び側壁部52によって囲まれた収容空間56は、仕切片54によって2つのナット収容室56a,56bに仕切られている。各ナット収容室56a,56bにボルト60に螺合するナット61が収納されるようになっている。各ナット収容室56a,56bに収容されたナット61は、切り起こし片53によって周り止め状態で保持されるようになっている。
【0008】
このような構成によれば、8枚のアース端子65を電線59と取付面との間の干渉を生ずることなく固定することができ、ナット61を回り止め状態で予め収容することができ、アース端子65を位置決めした状態で端子用アダプタ50に固定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の端子用アダプタでは、解決すべき以下の問題点がある。
【0010】
一つには、端子用アダプタ50とアース端子65との固定をボルト60とナット61により行わなければならず、端子用アダプタ50を構成する部品点数が多いという問題がある。従って、端子用アダプタ50とアース端子65との組み付けに時間がかかり、作業性が悪いという問題があった。
【0011】
また、一つには、端子用アダプタ50の収容空間56内に2つのナット61を収容しなければならず、端子用アダプタ50を小型化することに難がある。エンジンルームやインストルメントパネル廻りは、計器類やスイッチ類などの周辺機器の増加により開きスペースが狭小化の傾向にあるゆえ、自動車部品の小型化が要請されているが、係る端子用アダプタ50は空きスペースを占有して、他部品と干渉する心配がある。
【0012】
さらには、複数のアース端子65が、重なり合った状態で端子用アダプタ50に固定されるため、電線接続部66の形成された向きが異なる二種類のアース端子65を使用しても、片側の端子受部51に3枚以上のアース端子65を固定すると、各アース端子65の電線接続部66が干渉して、アース端子65が変形することがある。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、少ない部品点数及び狭いスペースで複数の板端子をアースポイントに一括して接続することができ、しかも本体固定部に連設部を介して続いて設けられたアダプタ本体には板端子を端子取付部の取付面に沿ってスライドさせるだけで、係止部と係合部とが噛み合い、ワンタッチにて板端子が端子取付部に係合し、端子の取付作業性を向上するとともに、固定にはボルトやナットを要せずに、端子用アダプタの構成部品を削減し、しかも、アダプタ本体に各階層毎に配置される板端子を個々に相互干渉することなく隙間なく重ね、上下方向の肥大化を防止する端子用アダプタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
接地部に締付ボルトを螺合することにより1の板端子が取付可能に固定される本体固定部と、
前記本体固定部に前記接地部に接続される前記1の板端子が挿入される略半分の差込スペースを前記1の板端子のスライド方向に有する段状の連設部を介して続いて設けられ、かつ、前記1の板端子と他の残りの複数の板端子を重ねた状態で接続されるアダプタ本体と、
を備え、
前記アダプタ本体には、前記板端子の基板面と面接触する取付面を有する端子取付部が複数設けられ、
前記板端子には、それらの板面方向両側に配されて対をなす一対の前記基板面と、それらの基板面の間に板厚方向に突出した係止部と、が設けられ、
前記端子取付部には、前記係止部の内側に摺動可能に入り込む係合部が設けられ、そして、
前記端子取付部が、板厚方向に上下反転して互い違いに配置されて階層形状に連ねられていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、端子用アダプタが、接地部に締付ボルトを螺合することにより1の端子を取付可能に固定される本体固定部と、該本体固定部に連設部を介して続いて設けられ、他の残りの複数の板端子を重ねた状態で接続するアダプタ本体とを備えているから、複数の板端子は、個々に相互干渉することなく、端子用アダプタの本体固定部とアダプタ本体とに個々に接続され、そして、車体の接地部に本体固定部を固定することにより、複数の板端子が接地部に一括して接続される。また、アダプタ本体には、端子取付部が階層形状に連なって形成されているから、複数の板端子は、各階層の端子取付部の取付面に面接触した状態で重なり合って接続する。
【0017】
上記請求項1記載の発明の構成によれば、1の板端子の係止部の内側に入り込む係合部が端子取付部に設けられているから、1の板端子を端子取付部の取付面に沿ってスライドさせるだけで、板端子の係止部と端子取付部の係合部とが噛み合い、ワンタッチで板端子が端子取付部に係合する。このため、手間を要さず、板端子の取付作業性が向上する。また、ボルトやナットを必要とすることなく、端子用アダプタの構成部品を削減することができ、コストの低減が図られる。また、アダプタ本体の各階層を構成する各端子取付部が、その板厚方向に互い違いに配置されているから、各階層毎に板端子を上下反転させて隙間無く重ねることができ、階層構造のアダプタ本体の上下方向の肥大化を防止することができる。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の端子用アダプタにおいて、前記係合部が、前記取付面の長手方向に一対設けられていることを特徴とする。上記構成によれば、係合部が一対設けられているから、板端子がスライドする方向であり、取付面の長手方向である前後2箇所の位置で、板端子が端子取付部に噛み合って、がたつくことなく確実に係合する。
【0019】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の端子用アダプタにおいて、同一形状の前記板端子を用いて、各端子取付部に階層毎に各板端子の前記基板面を上下反転して接続したことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、同一形状の1種類の板端子が用いられているから、板端子の部品管理が容易化するとともに、取扱性が向上して、アダプタ本体に対する板端子の組付性が向上する。また、板端子が、その基板面を上下反転して端子取付部の取付面に重ねた状態で接続されるから、同一形状の板端子の板厚方向に突出する電線接続部が交互に配置され、電線接続部が相互に干渉することが防止されて、アダプタ本体の階層間の収容スペースを狭く形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1、図3及び図4は、本発明に係る端子用アダプタ10の一実施形態を示すものである。図2は、アース端子(板端子)30を示す斜視図である。
【0022】
図2に示すように、端子用アダプタ10(図1)に接続されるアース端子30は、自動車用丸形板端子(LA端子)の類に属する板状の端子である。このアース端子30は、2つを重ね合わせて用いられるいわゆる組合せ端子の一方の端子に相当する。他方の端子は、後述する端子用アダプタ10の端子取付部20に相当する。従って、アース端子30は、端子用アダプタ10の端子取付部20に組み合わされて接続される。
【0023】
本実施の形態では、4つのアース端子30が端子用アダプタ10に一括して接続される場合を説明するものであるが、説明の都合上、4つのアース端子30を個々に区別して説明する必要のない場合は、アース端子30という用語を使用して説明し、各アース端子30を区別する必要のある場合には、第1の端子30a、第2の端子30b、第3の端子30c又は第4の端子30dという用語を使用して説明することとする。
【0024】
4つのアース端子30には、同形状である1種類のアース端子30が用いられている。各アース端子30は、中央部に略矩形状の挿通孔37を有する電気接触部35と、電気接触部35の長手方向に直交する方向に続く電線接続部43とを備えている。電気接触部35は、挿通孔37の両側に位置する一対の基板面36と、一対の基板面36の間でその板厚方向に突出する係止段部(係止部)38a,38bと、基板面36の端部に設けられた係止片45とを備えている。
【0025】
対向する一対の基板面36は、略平坦面に形成され、その長手方向は電線接続部43の長手方向に対して略直交している。従って、全体としてみれば、アース端子30はL字状又は略L字状を成している。基板面36は、相手側の後述する端子取付部20の取付面21と面接触状態で重なり合うようになっている。電線接続部43を電気接触部35の片側寄りに偏倚させたのは、アース端子30をアダプタ本体15(図3)に重ねた状態で接続させた際に、その電線接続部43が相互干渉しないようにするためである。
【0026】
係止段部38a,38bは、基板面36に対して下向きに突出している。アース端子30の表面31と裏面32の向きを反転(上下反転)させると、係止段部38a,38bは上向きに突出する。アース端子30の表と裏の区別は必ずしも必要ではないが、ここでは、本発明の説明の都合上、表面31を電線接続部43の突出する面とし、裏面32をその反対側の面と定めることとする。
【0027】
アース端子30は、表裏両面31,32を反転させて各端子取付部20,70(図1)に接続されるものであるゆえ、係止段部38a,38bの凹凸方向に特別の意味はなく、それよりむしろ、アース端子30が係合する相手側の係合段部22a,22bの突出する向きが重要であり、係止段部38a,38bの内側に端子取付部20の係合段部22a,22bが入り込み、相互に噛み合ってロックが行われることに技術的な意味がある。
【0028】
この係止段部38a,38bは、基板面36の長手方向の前後に一対設けられている。各係止段部38a,38bの先端部には、スリット40が形成されている。スライド方向に位置する前側の係止段部38aは、後側の係止段部38bより巾広に形成されている。このため、アース端子30は、端子取付部20にがたつきなく、強固に固定されるようになっている。なお、前側の係止段部38aを巾狭に形成し、後側の係止段部38bを巾広に形成してもよい。
【0029】
一対の基板面36のうち片方の基板面36に形成された係止片45は、片持ち梁状の弾性の係止片45である。係止片45は、付け根部から先端部にかけて基板面36の下側に漸次傾斜し、先端部が裏面32から突出している。この係止片45が、相手側である端子取付部20の係止孔23(図1)に係合することにより、アース端子30が端子取付部20(図1)に係止されるようになっている。
【0030】
ここで、本発明の説明の都合上、以下に上下方向Z、左右方向Y、前後方向Xについて定めることとする。上下方向Zは電気接触部35の板厚方向をいうものとする。左右方向Yは基板面36の長手方向、係止段部38a,38bの突出する方向、又はアース端子30のスライド方向をいうものとする。前後方向Xは電線接続部43の長手方向をいうものとする。
【0031】
傾斜壁41を介して電気接触部35に続く電線接続部43は、左右方向Yの一方の側に寄って形成されているが、向きを変えて他方の側に設けてもよい。電線接続部43の向きに合うように、端子用アダプタ10の端子取付部20が形成されている。電線接続部43の傾斜壁41寄りには、チューブストッパ42が形成されている。チューブストッパ42は、図示しない合成樹脂製の熱収縮チューブの前端を突き当てて前後方向Xの位置決めを行うためのものである。
【0032】
熱収縮チューブは、電線接続部43の露出を防ぐため、電線接続部43の周囲に覆設されるものである。熱収縮チューブの内側には、合成樹脂製の接着剤であるホットメルト(シール材)が塗布されており、ホットメルトを加熱することにより溶けたホットメルトが熱収縮チューブの前後の各開口を覆い、熱収縮チューブに水や塵埃等が浸入することが防止されている。ホットメルトの加熱には、ハンディタイプの加熱器やコンベヤ搬送式の加熱炉等が用いられる。
【0033】
電線接続部43は、前側の一対の導体圧着片43aと後側の一対の被覆圧着片43bとで構成されている。導体圧着片43aには電線47の芯線部47aが圧着され、被覆圧着片43bには電線47の被覆部47bが圧着されるようになっている。
【0034】
導体圧着片43aと芯線部47aおよび被覆圧着片43bと被覆部47bの圧着は、いわゆるB型圧着方式にて行われている。図示しないが、端子圧着機に備わる押圧側のクリンパと台座側のアンビルとの間にアース端子30と電線47とを挟みこみ、駆動部にシャンクを介して繋がるラムを降下させることにより、クリンパとアンビルとが接近し、ガイド部の内側に形成された一対のアーチ部に導体圧着片43aと被覆圧着片43bとを倣わせながら中央部に向かって湾曲させることにより、B型状に圧着が行われるようになっている。
【0035】
上記のB型圧着方式によれば、導体圧着片43aと芯線部47aおよび被覆圧着片43bと被覆部47bの圧着が隙間を生ずることなく緊密に行われて、接続不良を生ずることが防止される。また、電線47に引張力が作用した場合であっても、電線47の後抜けが防止されて接続信頼性が維持される。
【0036】
なお、必ずしもB型圧着方式に限定するものではなく、電線47の周囲に圧着片を巻回するようにして圧着するラップアラウンド圧着方式を適用することもできる。ラップアラウンド圧着方式は、被覆圧着片43bと被覆部47bとの圧着に好適し、電線47サイズの異なる場合であっても電線47の周囲を緊密に加締めることができる利益がある。
【0037】
図1等に示すように、端子用アダプタ10は、図示しない車両ボディに対する本体固定部11と、本体固定部11に続く連設部12と、連設部12に続く階層構造のアダプタ本体15とを備えている。本体固定部11は、車両ボディのアースポイント(接地部)46(図3)に締付ボルト48(図3)を螺合することによりアダプタ本体15を固定する部分である。
【0038】
この本体固定部11は、1枚のアース端子30(第4の端子30d)を接続することができるようになっており、端子取付部70でもある。アース端子30をいわゆる組合せ端子の一方の端子とすれば、端子取付部70は、組合せ端子の他方の端子に相当する形状に形成されている。従って、本体固定部11は、端子用アダプタ10をアースポイント46に接続する機能に加えて、アース端子30に対する取付部としての機能を併せ有している。本体固定部11にアース端子30を接続することで、アースポイント46に一括して接続されるアース端子30の数を増加させることができる。
【0039】
なお、本体固定部11は、階層構造にはなっていないが、複数のアース端子30を接続できるように、階層構造にしてもよい。また逆に、この本体固定部11にアース端子30を接続しなくてもよく、アース端子30を接続しない場合は、アース端子30と噛み合う形状に形成する必要はなく、単に表裏両面が平坦な孔付き板形状に形成すればよい。
【0040】
連設部12は、本体固定部11の片側端部に繋がり直角に立ち上がり、同じくアダプタ本体15の片側端部に繋がっている。連設部12は、他の半分のスペースを残して本体固定部11とアダプタ本体15とを繋げている。略半分の残りのスペースは、第4の端子30dに対する差込スペース27となり、この差込スペース27に第4の端子30dがスライド挿入して、本体固定部11の端子取付部70に接続され、他の第1、第2、第3の端子30a,30b,30cとの相互干渉が回避されるようになっている。
【0041】
連設部12を形成せずに、本体固定部11の片側端部に直接にアダプタ本体15を繋げてもよいが、この場合は、本体固定部11とアダプタ本体15との間に、差込スペース27が形成されず、本体固定部11に第4の端子30dを接続することはできなくなる。従って、連設部12を設け、本体固定部11とアダプタ本体15とを段状に形成することで、本体固定部11に第4の端子30dを接続することができ、端子用アダプタ10に4つのアース端子30を一括して接続することができるようになる。
【0042】
アダプタ本体15は階層構造をなしており、板状の端子取付部20が階層形状に一体的に連なっている。図示するアダプタ本体15は3階層に形成されているが、4階層又はそれ以上の階層に形成することもできる。
【0043】
本実施の形態では、3つのアース端子30に対応する端子取付部20が示されている。説明の都合上、各端子取付部20を個々に区別する必要のない場合には、端子取付部20の用語を使用して説明し、各端子取付部20を個々に区別する必要のある場合には、第1の取付部20a、第2の取付部20b又は第3の取付部20cの用語を使用して説明することとする。
【0044】
端子取付部20は、アース端子30に対する相手方の組合せ端子の形状に形成されている。この端子取付部20は、アース端子30の電気接触部35と噛み合う形状に形成されており、中央部の挿通孔25の両側に対向して位置する一対の取付面21と、一対の取付面21を繋ぐ左右両側の係合段部22a,22bと、片側の取付面21に凹設され、アース端子30の係止片45と係合する係止孔23とからなっている。
【0045】
係合段部22a,22bは、取付面21の板厚方向に突出して形成されており、アース端子30の電気接触部35に形成された係止段部38a,38bの内側に入り込んで噛み合うことができるように形成されている。係合段部22a,22bの先端部の両側には、スリット26が形成されている。
【0046】
このような一体形成された端子用アダプタ10は、導電性金属板を打ち抜き、上下の金型に挟まれてプレスされ、折り曲げ加工を経て一体形成される。上下の金型は、それぞれ雄型と雌型になっており、端子取付部20をアース端子30に噛み合う形状にプレス成形する。
【0047】
各階層を構成する端子取付部20の間には、アース端子30を収容するための収容スペース28が形成されている。収容スペース28の左右両側及び後側は開口形成されている。アース端子30は、左右両側の開口から収容スペース28内に押されてスライドするようになっている。後側の開口からは、アース端子30の電線接続部43に圧着された電線47が後方に引き出されるようになっている。
【0048】
アダプタ本体15は、上段15a、中段15b及び下段15cの三段で構成されているが、それ以上の多段に構成することができることはもちろんである。各階層の端子取付部20は表面と裏面とが反転(上下反転)している。上段15aの第1の取付部20aには、表面31を下側に向けた裏返しの第1の端子30aが接続し、中段15bの第2の取付部20bには表面31を上側に向けた第2の端子30bが接続し、下段15cの第3の取付部20cには表面31を下側に向けた第3の端子30cが接続するようになっている。
【0049】
次に、上記構成の作用について説明する。
図3及び図4に示すように、表向きと裏向きの計4枚の電線47付きアース端子30は、係止段部38a,38b(図4)の突出する方向である左右方向にスライドさせられて、端子用アダプタ10にそれぞれ接続される。4枚のアース端子30の内、3枚のアース端子30は、階層構造であるアダプタ本体15の端子取付部20に重ね合わされて互い違いに接続され、残りの1枚のアース端子30は本体固定部11の端子取付部70に接続される。
【0050】
上段15a・下段15cの第1、第3の端子30a、30cは、裏面32を上側に向け、第1の取付部20a、第3の取付部20cの下側に配置され、一対の係止段部38a,38bを第1、第3の取付部20a、20cの係合段部22a,22b(第3の取付部の係合段部は示さず)の上に噛み合うように重ね、双方の基板面36と取付面21とが面接触した状態で組み付けられる。組付状態では、第1、第3の端子30a、30cの電気接触部35の先端部に形成された係止片45が、第1、第3の取付部20a、20cの係止孔23(図4に片方しか図示せず)に係合して、第1、第3の端子30a、30cが係止されるようになっている。
【0051】
中段15bの第2の端子30bは、表面31を上側に向け、第2の取付部20bの上側に配置され、一対の係止段部38a,38bを第2の取付部20bの係合段部22a,22b(図示せず)の下に噛み合うように重ね、双方の基板面36と取付面21とが面接触した状態で組み付けられる。組付状態では、上段15a・下段15cの第1、第3の端子30a,30cと第1、第3の取付部20a、20cの組付状態と同様にして、第2の端子30bの係止片45が、第2の取付部20bの係止孔23(図示せず)に係合して、第2の端子30bが係止されるようになっている。
【0052】
第4の端子30dは、表面31を上側に向け、本体固定部11である端子取付部70の上側に配置され、一対の係止段部38a,38bを係合段部72a,72bの下に噛み合わせ、双方の基板面36と取付面71とが面接触した状態で組み付けられる。組付状態では、第4の端子30dのスリット26と端子取付部70のスリット76(図1)とが互いに噛み合い、上記中段15bの第2の端子30bと同様にして、第4の端子30dが係止されるようになっている。
【0053】
4つのアース端子30が端子用アダプタ10に一括して接続された後に、本体固定部11の取付孔11a(図1)と車両ボディに形成されたアースポイント46の取付孔46aとが同軸になるように重ね合わされ、締付ボルト48を双方の取付孔11a,46aに螺合させることにより、端子用アダプタ10がアースポイント46に固定されるようになっている。
【0054】
なお、先に、端子用アダプタ10をアースポイント46に固定した後に、第4の端子30dを除く他の端子30a,30b,30cをアダプタ本体15に接続してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、接地部に締付ボルトを螺合することにより1の板端子が取付可能に固定される本体固定部と、前記本体固定部に前記接地部に接続される前記1の板端子が挿入される略半分の差込スペースを前記1の板端子のスライド方向に有する段状の連設部を介して続いて設けられ、かつ、前記1の板端子と他の残りの複数の板端子を重ねた状態で接続されるアダプタ本体と、を備え、前記アダプタ本体には、前記板端子の基板面と面接触する取付面を有する端子取付部が複数設けられ、前記板端子には、それらの板面方向両側に配されて対をなす一対の前記基板面と、それらの基板面の間に板厚方向に突出した係止部と、が設けられ、前記端子取付部には、前記係止部の内側に摺動可能に入り込む係合部が設けられ、そして、
前記端子取付部が、板厚方向に上下反転して互い違いに配置されて階層形状に連ねられているので、車体の接地部に締付ボルトを螺合することにより取付けられる本体固定部には複数の板端子が接地部に一括して接続され、該本体固定部に連設部を介して続いて設けられたアダプタ本体には複数の板端子が個々に相互干渉することなく重なり合って接続される。また、複数の板端子は、各階層の端子取付面に面接触した状態で重なり合って接続する。
【0056】
従って、ボルト及びナットを要することなく複数の板端子を接地部に一括して接続することができ、アース端子の組付作業性が向上する。また、部品点数の削減によるコスト低減を図ることができる。
【0057】
また、請求項1記載の発明によれば、板端子を端子取付部の取付面に沿ってスライドさせるだけで、板端子の係止部と端子取付部の係合部とが噛み合い、ワンタッチで板端子が端子取付部に係合する。また、各階層毎に板端子を上下反転させて隙間無く重ねることができ、上下方向の肥大化を防止できる。
【0058】
従って、手間を要さず板端子の組付作業性が向上し、しかも階層構造のアダプタ本体の上下方向の肥大化を防止することができ、少ないスペースで複数のアース端子を一括して接続することができる。
【0059】
また、請求項2記載の発明によれば、板端子がスライドする方向であり、取付面の長手方向である前後2箇所の位置で、板端子が端子取付部に噛み合って係合する。従って、より一層強固に板端子を係止することができ、係止の確実性を向上することができる。
【0060】
また、請求項3記載の発明によれば、板端子の部品管理が容易化し、取扱性が向上する。また、同一形状の板端子の板厚方向に突出する電線接続部が交互に配置され、電線接続部が相互に干渉することが防止される。
【0061】
従って、端子用アダプタに対する板端子の組付性が向上する。また、アダプタ本体の階層間の収容スペースを狭く形成することができ、小型の端子用アダプタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端子用アダプタに係る一実施形態を示す斜視図である。
【図2】アース端子を示した斜視図である。
【図3】図1に示す端子用アダプタにアース端子が一括して接続した状態の斜視図である。
【図4】図3に示す端子用アダプタとアース端子の分解斜視図である。
【図5】従来の端子用アダプタの一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 端子用アダプタ
11 本体固定部
15 アダプタ本体
20,70 端子取付部
21,71 取付面
22a,22b 係合段部(係合部)
30 アース端子(板端子)
35 電気接触部
36 基板面
38a,38b 係止段部(係止部)
46 ア−スポイント(接地部)
Claims (3)
- 接地部に締付ボルトを螺合することにより1の板端子が取付可能に固定される本体固定部と、
前記本体固定部に前記接地部に接続される前記1の板端子が挿入される略半分の差込スペースを前記1の板端子のスライド方向に有する段状の連設部を介して続いて設けられ、かつ、前記1の板端子と他の残りの複数の板端子を重ねた状態で接続されるアダプタ本体と、
を備え、
前記アダプタ本体には、前記板端子の基板面と面接触する取付面を有する端子取付部が複数設けられ、
前記板端子には、それらの板面方向両側に配されて対をなす一対の前記基板面と、それらの基板面の間に板厚方向に突出した係止部と、が設けられ、
前記端子取付部には、前記係止部の内側に摺動可能に入り込む係合部が設けられ、そして、
前記端子取付部が、板厚方向に上下反転して互い違いに配置されて階層形状に連ねられている
ことを特徴とする端子用アダプタ。 - 前記係合部が、前記取付面の長手方向に一対設けられていることを特徴とする請求項1記載の端子用アダプタ。
- 同一形状の前記板端子を用いて、各端子取付部に階層毎に各板端子の前記基板面を上下反転して接続したことを特徴とする請求項1または2に記載の端子用アダプタ。
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