JP4141785B2 - パターン幅測長装置、パターン幅測長方法、及び電子ビーム露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン幅測長装置、パターン幅測長方法、及び電子ビーム露光装置に関する。特に本発明は、電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長するパターン幅測長装置、パターン幅測長方法、及び電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体デバイスの微細化に伴い、半導体デバイスの製造工程におけるパターン幅の正確な測定の重要性が高まっている。そのため、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて、パターンを電子ビームで走査し、電子ビームが照射されることによって発生する二次電子の電子量の変化からパターンのエッジを求め、パターン幅を測長する方法が提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
古屋 寿宏、外6名、FEB測長装置 S−6000、「日本学術振興会 荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会 第93回研究会資料」、昭和60年11月8日、p.1−5
【非特許文献2】
三好 元介、外1名、線幅計測における走査電子顕微鏡の形状コントラスト、「日本学術振興会 荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会 第93回研究会資料」、昭和60年11月8日、p.109−114
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体デバイスの微細化に伴うパターンの微細化が進み、従来のパターン幅の測長方法では、微細パターンのエッジを正確に特定することが困難である。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるパターン幅測長装置、パターン幅測長方法、及び電子ビーム露光装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長するパターン幅測長装置であって、電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、電子ビームを偏向してパターン上を走査させる偏向器と、電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第1エッジの位置を検出する第1エッジ検出器と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第2エッジの位置を検出する第2エッジ検出器と、第1エッジ検出器及び第2エッジ検出器がそれぞれ検出した第1エッジの位置及び第2エッジの位置に基づいて、パターンのパターン幅を算出するパターン幅算出部とを備える。
【0007】
第1エッジ検出器は、第1二次電子検出器から第2エッジより離れた位置に形成された第1エッジの位置を検出し、第2エッジ検出器は、第2二次電子検出器から第1エッジより離れた位置に形成された第2エッジの位置を検出してもよい。
【0008】
第1エッジ検出器は、第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置を第1エッジの位置として検出し、第2エッジ検出器は、第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置を第2エッジの位置として検出してもよい。
【0009】
第1エッジ検出器は、第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置を第1エッジの下端であるボトムエッジとして検出し、第2エッジ検出器は、第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極大であるときの電子ビームの照射位置を第1エッジの上端であるトップエッジとして検出し、パターン幅算出部は、第1エッジ検出器及び第2エッジ検出器がそれぞれ検出したボトムエッジの位置及びトップエッジの位置に基づいて、第1エッジの水平方向の長さをさらに算出してもよい。
【0010】
第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量と、第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和に基づいて、第1エッジ及び第2エッジの位置を検出する第3エッジ検出器をさらに備え、パターン幅算出部は、パターンの形状に基づいて、第1エッジ検出器及び第2エッジ検出器がそれぞれ検出した第1エッジの位置及び第2エッジの位置、又は第3エッジ検出器が検出した第1エッジの位置及び第2エッジの位置のいずれかを選択してパターンのパターン幅を算出してもよい。
【0011】
第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量と、第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和の変化が極大であるときの電子ビームの照射位置を第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第3エッジ検出器をさらに備え、第1エッジ検出器は、第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置を第1エッジの下端であるボトムエッジとして検出し、パターン幅算出部は、第1エッジ検出器が検出したボトムエッジの位置、及び第3エッジ検出器が検出したトップエッジの位置に基づいて、第1エッジの水平方向の長さをさらに算出してもよい。
【0012】
電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第3二次電子検出器をさらに備え、第1エッジ検出器は、第1エッジの向きに基づいて、第1二次電子検出器及び第3二次電子検出器のいずれかを選択し、選択した第1二次電子検出器又は第3二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第1エッジの位置を検出してもよい。
【0013】
電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第3二次電子検出器及び第4二次電子検出器をさらに備え、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器は、電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、第3二次電子検出器及び第4二次電子検出器は、第1二次電子検出器から第2二次電子検出器への方向と略垂直な方向に沿って、電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、第1エッジから第2エッジの方向と第1二次電子検出器から第2二次電子検出器の方向とがなす角度が、第1エッジから第2エッジの方向と第3二次電子検出器から第4二次電子検出器の方向とがなす角度より大きい場合、第1エッジ検出器は、第1二次電子検出器に代えて、第3二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第1エッジの位置を検出し、第2エッジ検出器は、第2二次電子検出器に代えて、第4二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第2エッジの位置を検出してもよい。
【0014】
偏向器が偏向した電子ビームを集束してウェハに又はパターンに照射させる対物レンズをさらに備え、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器は、対物レンズの上方に設けられ、電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を対物レンズを介して検出してもよい。対物レンズは、静電レンズであってもよい。第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器は、電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられてもよい。
【0015】
本発明の第2の形態によると、電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長するパターン幅測長方法であって、電子ビームを発生する電子ビーム発生段階と、電子ビームを偏向してパターン上を走査させる偏向段階と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器により、電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する二次電子検出段階と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第1エッジの位置を検出する第1エッジ検出段階と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第2エッジの位置を検出する第2エッジ検出段階と、第1エッジ検出段階及び第2エッジ検出段階においてそれぞれ検出した第1エッジの位置及び第2エッジの位置に基づいて、パターンのパターン幅を算出するパターン幅算出段階とを備える。
【0016】
本発明の第3の形態によると、電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長する電子ビーム露光装置であって、電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、電子ビームを偏向してパターン上を走査させる偏向器と、電子ビームがウェハ又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第1エッジの位置を検出する第1エッジ検出器と、第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器のうちの第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、パターンの第2エッジの位置を検出する第2エッジ検出器と、第1エッジ検出器及び第2エッジ検出器がそれぞれ検出した第1エッジの位置及び第2エッジの位置に基づいて、パターンのパターン幅を算出するパターン幅算出部とを備える。
【0017】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成の一例を示す。電子ビーム露光装置100は、電子ビームによりウェハ64に所定の露光処理を施すための露光部150と、露光部150の各構成の動作を制御する制御系140とを備える。
【0020】
露光部150は、筐体10内部に、所定の電子ビームを照射する電子ビーム照射系110と、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームを偏向するとともにマスク30近傍における電子ビームの結像位置を調整するマスク用投影系112と、電子ビームのウェハ64近傍における結像位置を調整する焦点調整レンズ系114と、マスク30を通過した電子ビームをウェハステージ62に載置されたウェハ64の所定の領域に偏向するとともにウェハ64に照射されるパターンの像の向き及びサイズを調整するウェハ用投影系116とを含む電子光学系を備える。
【0021】
また、露光部150は、ウェハ64に露光すべきパターンがそれぞれ形成された複数のブロックを有するマスク30を載置するマスクステージ72と、マスクステージ72を駆動するマスクステージ駆動部68と、パターンを露光すべきウェハ64を載置するウェハステージ62と、ウェハステージ62を駆動するウェハステージ駆動部70とを含むステージ系を備える。さらに、露光部150は、電子光学系の調整のために、ウェハ64側から飛散する二次電子及び反射電子を検出して、検出した電子量に相当する電気信号を出力する複数の二次電子検出器60とを有する。
【0022】
電子ビーム照射系110は、電子ビームを発生する電子ビーム発生部の一例である電子銃12と、電子ビームの焦点位置を定める第1電子レンズ14と、電子ビームを通過させる矩形形状の開口が形成された第1スリット部16とを有する。図1において、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームが、電子光学系により偏向されない場合の電子ビームの光軸を、一点鎖線Aで表現する。
【0023】
マスク用投影系112は、電子ビームを偏向するマスク用偏向系としての第1偏向器22及び第2偏向器26と、電子ビームの焦点を調整するマスク用焦点系としての第2電子レンズ20とを有する。第1偏向器22及び第2偏向器26は、電子ビームをマスク30上の所定の領域に照射する偏向を行う。例えば、所定の領域は、ウェハ64に転写するパターンを有するブロックである。電子ビームがパターンを通過することにより、電子ビームの断面形状は、ブロックに形成されたパターンと同一の形状になる。第2電子レンズ20は、第1スリット部16の開口の像を、マスクステージ72上に載置されるマスク30上に結像させる機能を有する。
【0024】
焦点調整レンズ系114は、第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32を有する。ウェハ用投影系116は、第5電子レンズ40、第6電子レンズ46、第7電子レンズ50、対物レンズ52、第3偏向器34、第4偏向器38、主偏向器56、副偏向器58、ブランキング電極36、及びラウンドアパーチャ部48を有する。
【0025】
第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32は、電子ビームのウェハ64に対する焦点を合わせる。第5電子レンズ40は、電子ビームがウェハ64上に所望の向きで照射されるように、電子ビームの回転を調整する。第6電子レンズ46及び第7電子レンズ50は、マスク30に形成されたパターンに対するウェハ64に照射されるパターン像の縮小率を調整する。第3偏向器34は、電子ビームの進行方向に対するマスク30の下流において、電子ビームを光軸Aの方向に偏向する。第4偏向器38は、電子ビームを光軸Aに略平行になるように偏向する。主偏向器56及び副偏向器58は、ウェハ64上の所定の領域に電子ビームが照射されるように電子ビームを偏向する。本実施形態では、主偏向器56は、1ショットの電子ビームで照射可能な領域(ショット領域)を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向するために用いられ、副偏向器58は、サブフィールドにおけるショット領域間の偏向のために用いられる。
【0026】
ラウンドアパーチャ部48は、円形の開口(ラウンドアパーチャ)を有する。ラウンドアパーチャ部48は、ラウンドアパーチャの内側に照射された電子ビームを通過させ、ラウンドアパーチャの外側に照射された電子ビームを遮蔽する。ブランキング電極36は、電子ビームをラウンドアパーチャの外側に当たるように偏向する。従って、ブランキング電極36は、電子ビームを偏向することにより、ラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行することを防ぐことができる。
【0027】
制御系140は、統括制御部130及び個別制御部120を備える。個別制御部120は、偏向制御部82、マスクステージ制御部84、ブランキング電極制御部86、電子レンズ制御部88、二次電子処理部90、及びウェハステージ制御部92を有する。統括制御部130は、例えばワークステーションであって、個別制御部120に含まれる各制御部を統括的に制御する。偏向制御部82は、偏向量を示す偏向データを、第1偏向器22、第2偏向器26、第3偏向器34、第4偏向器38、主偏向器56、及び副偏向器58に供給し、第1偏向器22、第2偏向器26、第3偏向器34、第4偏向器38、主偏向器56、及び副偏向器58による偏向量を制御する。マスクステージ制御部84は、マスクステージ駆動部68を制御してマスクステージ72を移動させる。
【0028】
ブランキング電極制御部86は、ウェハ64に転写するパターンを変更するとき、又はパターンを露光するウェハ64の領域を変更するときに、ブランキング電極36を制御して、ラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行しないように電子ビームを偏向する。これにより、電子ビームがウェハ64に照射されることを防ぐ。電子レンズ制御部88は、第1電子レンズ14、第2電子レンズ20、第3電子レンズ28、第4電子レンズ32、第5電子レンズ40、第6電子レンズ46、第7電子レンズ50、及び対物レンズ52に供給する電流又は電圧を制御する。二次電子処理部90は、二次電子検出器60により検出された二次電子及び反射電子の量を示すデータを出力する。ウェハステージ制御部92は、ウェハステージ駆動部70を制御してウェハステージ62を所定の位置に移動させる。
【0029】
なお、電子ビーム露光装置100は、電子ビームを用いてウェハ64上に形成されたパターンのパターン幅を測長する、本発明のパターン幅測長装置の一例である。主偏向器56又は副偏向器58は、ウェハ64に形成されたパターン上で電子ビームを走査させる。そして、二次電子検出器60は、電子ビームがウェハ64又はパターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する。そして、二次電子処理部90は、二次電子検出器60により検出された二次電子及び反射電子の量を示すデータを出力し、統括制御部130に供給する。統括制御部130は、二次電子処理部90から供給されたデータに基づいて、パターンのエッジの位置を検出し、パターン幅、即ちパターンの線幅、パターン間幅を算出する。
【0030】
また、電子ビーム露光装置100は、可変矩形ビームにより、ウェハ64にパターンを露光する可変矩形露光装置であってもよい。また、複数の電子ビームにより、ウェハ64にパターンを露光するマルチビーム露光装置であってもよい。
【0031】
図2は、電子ビーム露光装置100が備えるパターン幅測長手段の構成の一例を示す。パターン幅測長手段は、電子ビームを発生する電子銃12、電子ビームを偏向してパターン200上を走査させる主偏向器56及び副偏向器58と、電子ビームがウェハ64又はパターン200に照射されることによって発生する二次電子を検出する二次電子検出器60a及び二次電子検出器60bと、主偏向器56又は副偏向器58が偏向した電子ビームをウェハ64に対して集束してウェハ64又はパターン200に照射させる対物レンズ52と、二次電子検出器60a及び二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示すデータを出力する二次電子処理部90と、二次電子処理部90が出力するデータに基づいてパターン200のパターン幅を算出する統括制御部130とを備える。
【0032】
二次電子検出器60a及び60bは、対物レンズ52の上方、即ち対物レンズ52から電子銃12の方向に設けられ、電子ビームがウェハ64又はパターン200に照射されることによって発生する二次電子を対物レンズ52を介して検出する。また、二次電子検出器60a及び60bは、電子ビームの光軸Aに対して対向する位置に設けられることが好ましい。対物レンズ52は、電磁レンズであってもよいが、電磁レンズである場合、ウェハ64又はパターン200から発生した二次電子が磁力により光軸Aを中心として回転してしまうため、ウェハ64又はパターン200における二次電子の発生位置を特定することが困難である。したがって、対物レンズ52は、静電レンズであることが好ましい。
【0033】
また、統括制御部130は、二次電子検出器60a及び60bのうちの二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200aの位置を検出するエッジ検出器202aと、二次電子検出器60a及び60bのうちの二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200bの位置を検出するエッジ検出器202bと、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量を示すデータと二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示すデータとを加算する加算器204と、加算器204の出力、即ち二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量と二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量との和に基づいて、パターン200のエッジ200a及び200bの位置を検出するエッジ検出器202cと、エッジ検出器202a、202b、及び202cのうちのいずれかが検出したエッジ200a及び200bの位置に基づいて、パターン200のパターン幅を算出するパターン幅算出部206と、二次電子処理部90が出力するデータやパターン幅算出部206が算出したパターン幅を表示する表示部208とを有する。
【0034】
パターン幅算出部206は、パターン200の形状に基づいて、エッジ検出器202a及び202bが検出したエッジ200aの位置及びエッジ200bの位置、又はエッジ検出器202cが検出したエッジ200aの位置及びエッジ200bの位置のいずれかを選択してパターンのパターン幅を算出してもよい。例えば、パターン幅算出部206は、パターン200の厚さに基づいて選択してもよいし、パターン200の上面と側面(エッジ面)とがなす角度に基づいて選択してもよい。具体的には、エッジ200a及び200bの近傍のウェハ64に電子ビームが照射される場合、ウェハ64から発生した二次電子がパターン200に衝突し、二次電子検出器60a及び60bが検出する二次電子の電子量が減少するので、パターン算出部206は、パターン200の厚さが所定厚さより大きい場合、又はパターン200の上面と側面とがなす角度が所定角度より大きい場合は、エッジ検出器202a及び202bが検出したエッジ200aの位置及びエッジ200bの位置に基づいて、パターン200のパターン幅を算出してもよい。また、パターン算出部206は、パターン200の厚さが所定厚さより小さい場合、又はパターン200の上面と側面とがなす角度が所定角度より小さい場合は、ウェハ64から発生した二次電子がパターン200に衝突して二次電子検出器60a及び60bが検出する二次電子の電子量が減少する現象が現れ難くなるので、エッジ検出器202cが検出したエッジ200aの位置及びエッジ200bの位置に基づいて、パターン200のパターン幅を算出してもよい。
【0035】
エッジ検出器202a、202b、及び202cがそれぞれ検出するパターン200のエッジ200a及び200bの位置を、パターン200の形状に基づいて選択的に特定することにより、様々な形状のパターン200のパターン幅を正確に算出することができる。
【0036】
図3(a)は、ウェハ64上に形成されたパターン200の断面図である。図3(b)は、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量を示す。図3(c)は、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示す。図3(d)は、二次電子検出器60a及び60bにより検出された二次電子の電子量を示す。
【0037】
図3(b)に示した二次電子検出器60aにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Dをエッジ200aの位置として検出する。エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aからエッジ200bより離れた位置に形成されたエッジ200aの位置を検出する。
【0038】
図3(c)に示した二次電子検出器60bにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Aをエッジ200bの位置として検出する。エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bからエッジ200aより離れた位置に形成されたエッジ200bの位置を検出する。
【0039】
また、図3(b)に示した二次電子検出器60aにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Dをエッジ200aの下端であるボトムエッジとして検出し、極大であるときの電子ビーム照射位置Bをエッジ200bの上端であるトップエッジとして検出してもよい。また、図3(c)に示した二次電子検出器60bにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Aをエッジ200bの下端であるボトムエッジとして検出し、極大であるときの電子ビーム照射位置Cをエッジ200aの上端であるトップエッジとして検出してもよい。
【0040】
パターン幅算出部206は、エッジ検出器202aが検出したエッジ200aのボトムエッジの位置Dと、エッジ検出器202bが検出したエッジ200bのボトムエッジの位置Aとに基づいて、パターン200のパターン幅を算出する。また、パターン幅算出部206は、エッジ検出器202a及び202bがそれぞれ検出したエッジ200aのボトムエッジの位置D及びトップエッジの位置C、又はエッジ200bのボトムエッジの位置A及びトップエッジの位置Bに基づいて、エッジ200a又は200bの水平方向の長さを算出する。水平方向とは、ウェハ64の面内方向で、パターン200に略垂直な方向である。
【0041】
また、図3(d)に示した二次電子検出器60a及び60bにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202cは、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量と二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量との和が極小であるときの電子ビームの照射位置A及びDをエッジ200bのボトムエッジ及びエッジ200aのボトムエッジとして検出し、極大であるときの電子ビームの照射位置B及びCをエッジ200bのトップエッジ及びエッジ200aのトップエッジとして検出する。パターン200の厚さが所定厚さより小さい場合、パターン200の上面と側面とがなす角度が所定角度より小さい場合等には、パターン幅算出206は、エッジ検出器202cが検出したボトムエッジの位置A及び位置Dに基づいて、パターン200のパターン幅を算出してもよい。また、パターン幅算出部206は、エッジ検出器202cが検出したボトムエッジの位置A及びトップエッジの位置B、又はトップエッジの位置C及びボトムエッジの位置Dに基づいて、エッジ200a又は200bの水平方向の長さを算出してもよい。
【0042】
図4(a)は、ウェハ64上に形成されたパターン200の断面図である。図4(b)は、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量を示す。図4(c)は、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示す。図4(d)は、二次電子検出器60a及び60bにより検出された二次電子の電子量を示す。
【0043】
図4(a)に示すようにパターン200のエッジ200a及び200bの角の曲率が大きい場合、図3(b)又は(c)に示したような、二次電子検出器60a又は60bにより検出された二次電子の電子量が極値であるときの電子ビームの照射位置を特定し難く、エッジ200a及び200bを正確に検出できない場合がある。このような場合には、次のようにエッジ200a及び200bを検出してパターン200のパターン幅を算出する。
【0044】
図4(b)に示した二次電子検出器60aにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Dをエッジ200aのボトムエッジの位置として検出する。エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aからエッジ200bより離れた位置に形成されたエッジ200aの位置を検出する。
【0045】
図4(c)に示した二次電子検出器60bにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量が極小であるときの電子ビームの照射位置Aをエッジ200bのボトムエッジの位置として検出する。エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bからエッジ200aより離れた位置に形成されたエッジ200bの位置を検出する。
【0046】
また、図4(d)に示した二次電子検出器60a及び60bにより検出された電子量に基づいて、エッジ検出器202cは、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量と二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量との和の変化が極大であるときの電子ビームの照射位置B及びCをエッジ200bのトップエッジ及びエッジ200aのトップエッジとして検出する。
【0047】
パターン幅算出部206は、エッジ検出器202aが検出したエッジ200aボトムエッジの位置Dと、エッジ検出器202bが検出したエッジ200bのボトムエッジの位置Aとに基づいて、パターン200のパターン幅を算出する。また、パターン幅算出部206は、エッジ検出器202aが検出したエッジ200aのボトムエッジの位置Dと、エッジ検出器202cが検出したエッジ200aのトップエッジの位置Cとに基づいて、エッジ200aの水平長さを算出する。また、パターン幅算出部206は、エッジ検出器202bが検出したエッジ200bのボトムエッジの位置Aと、エッジ検出器202cが検出したエッジ200bのトップエッジの位置Bとに基づいて、エッジ200bの水平長さを算出する。水平方向とは、ウェハ64の面内方向で、パターン200に略垂直な方向である。
【0048】
図5は、電子ビーム露光装置100が備えるパターン幅測長手段の構成の他の例を示す。本例の各構成要素の動作及び構成は、以下に説明する部分を除き、図1から図4に説明した動作及び構成と同一である。
【0049】
パターン幅測長手段は、電子ビームがウェハ64又はパターン200に照射されることによって発生する二次電子を検出する二次電子検出器60c及び二次電子検出器60dをさらに備える。二次電子処理部90は、二次電子検出器60c及び二次電子検出器60dにより検出された二次電子の電子量を示すデータを出力し、統括制御部130に供給する。また、統括制御部130は、二次電子検出器60cにより検出された二次電子の電子量を示すデータと二次電子検出器60dにより検出された二次電子の電子量を示すデータとを加算する加算器205をさらに有する。
【0050】
二次電子検出器60c及び60dは、対物レンズ52の上方、即ち対物レンズ52から電子銃12の方向に設けられ、電子ビームがウェハ64又はパターン200に照射されることによって発生する二次電子を対物レンズ52を介して検出する。また、二次電子検出器60c及び60dは、二次電子検出器60aから二次電子検出器60bへの方向と略垂直な方向に沿って、電子ビームの光軸Aに対して対向する位置に設けられることが好ましい。
【0051】
エッジ検出器202aは、二次電子検出器60c及び60dのうちの二次電子検出器60cにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200cの位置を検出する。エッジ検出器202bは、二次電子検出器60c及び60dのうちの二次電子検出器60dにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200dの位置を検出する。エッジ検出器202cは、加算器205の出力、即ち二次電子検出器60cにより検出された二次電子の電子量と二次電子検出器60dにより検出された二次電子の電子量との和に基づいて、パターン200のエッジ200c及び200dの位置を検出する。
【0052】
エッジ200cからエッジ200dの方向と二次電子検出器60aから二次電子検出器60bへの方向とがなす角度が、エッジ200cからエッジ200dの方向と二次電子検出器60cから二次電子検出器60dへの方向とがなす角より大きい場合、エッジ検出器202aは、二次電子検出器60aに代えて、二次電子検出器60cにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200cの位置を検出し、エッジ検出器202bは、二次電子検出器60bに代えて、二次電子検出器60dにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200dの位置を検出する。
【0053】
換言すると、エッジ検出器202a及び202bは、二次電子検出器60cから二次電子検出器60dへの方向に沿って形成されたパターン200のエッジ200aの位置及び200bの位置をそれぞれ検出する。また、エッジ検出器202c及び202dは、二次電子検出器60aから二次電子検出器60bへの方向に沿って形成されたパターン200のエッジ200cの位置及び200dの位置をそれぞれ検出する。
【0054】
即ち、パターン幅算出手段は、二次電子検出器60a及び60bとは異なる位置に設けられた二次電子検出器60c又は60dを備え、エッジ検出器202aは、パターン200のエッジの向きに基づいて、二次電子検出器60a及び60cのいずれかを選択し、選択した二次電子検出器60a又は60cにより検出された二次電子の電子量に基づいて、エッジ200a又は200cの位置を検出し、エッジ検出器202bは、パターン200のエッジの向きに基づいて、二次電子検出器60b及び60dのいずれかを選択し、選択した二次電子検出器60b又は60dにより検出された二次電子の電子量に基づいて、エッジ200b又は200dの位置を検出する。
【0055】
したがって、エッジ検出器202a、202b、及び202cは、ウェハ64におけるパターン200の配線方向、又はエッジの長手方向に基づいて、二次電子検出器60a、60b、60c、及び60dを選択することにより、パターン200のエッジを精度良く検出することができる。そのため、パターン幅算出部206は、エッジ検出器202a、202b、又は202cが検出したパターン200のエッジの位置に基づいて、パターン200のパターン幅を精度良く算出することをできる。
【0056】
図6は、パターン幅測長方法のフローの一例を示す。まず、電子銃12は、電子ビームを発生し(S100)、主偏向器56又は副偏向器58は、ウェハ64に形成されたパターン200上で電子ビームを走査させる(S102)。次に、二次電子検出器60a及び60bは、電子ビームがウェハ64又はパターン200に照射されることによって発生する二次電子を検出する(S104)。次に、エッジ検出器202aは、二次電子検出器60a及び60bのうちの二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200aの位置を検出し、エッジ検出器202bは、二次電子検出器60a及び60bのうちの二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量に基づいて、パターン200のエッジ200bの位置を検出する(S106)。次に、パターン幅算出部206は、エッジ検出部202a及び202bがそれぞれ検出したエッジ200aの位置及びエッジ200bの位置に基づいて、パターン200のパターン幅を算出する(S108)。
【0057】
なお、電子ビーム露光装置100は、ウェハ64に露光処理を施してパターン200を形成した後、形成したパターン200のパターン幅を上述したパターン幅測長方法によって測長してもよい。また、電子ビーム露光装置100は、上述したパターン幅測長方法によってパターン200のパターン幅を測長した後、測長結果に基づいて電子光学系を調整し、他のウェハに露光処理を施してもよい。電子ビーム露光装置100は、パターン200のパターン幅を精度良く測長できるので、測長結果に基づいて露光処理を行うことによりウェハにパターンを精度良く露光することができる。
【0058】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0059】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を精度よく測長するパターン幅測長装置、パターン幅測長方法、及び電子ビーム露光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビーム露光装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】パターン幅測長手段の構成の一例を示す図である。
【図3】(a)は、ウェハ64上に形成されたパターン200の断面図である。
(b)は、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
(c)は、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
(d)は、二次電子検出器60a及び60bにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
【図4】(a)は、ウェハ64上に形成されたパターン200の断面図である。
(b)は、二次電子検出器60aにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
(c)は、二次電子検出器60bにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
(d)は、二次電子検出器60a及び60bにより検出された二次電子の電子量を示す図である。
【図5】パターン幅測長手段の構成の他の例を示す図である。
【図6】パターン幅測長方法のフローの一例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・筐体、12・・・電子銃、14・・・第1電子レンズ、16・・・第1スリット部、20・・・第2電子レンズ、22・・・第1偏向器、26・・・第2偏向器、28・・・第3電子レンズ、30・・・マスク、32・・・第4電子レンズ、34・・・第3偏向器、36・・・ブランキング電極、38・・・第4偏向器、40・・・第5電子レンズ、46・・・第6電子レンズ、48・・・ラウンドアパーチャ部、50・・・第7電子レンズ、52・・・対物レンズ、56・・・主偏向器、58・・・副偏向器、60・・・二次電子検出器、62・・・ウェハステージ、64・・・ウェハ、68・・・マスクステージ駆動部、70・・・ウェハステージ駆動部、72・・・マスクステージ、82・・・偏向制御部、84・・・マスクステージ制御部、86・・・ブランキング電極制御部、88・・・電子レンズ制御部、90・・・二次電子処理部、92・・・ウェハステージ制御部、100・・・電子ビーム露光装置、110・・・電子ビーム照射系、112・・・マスク用投影系、114・・・焦点調整レンズ系、116・・・ウェハ用投影系、120・・・個別制御部、130・・・統括制御部、140・・・制御系、150・・・露光部、200・・・パターン、200a・・・エッジ、200b・・・エッジ、202a・・・エッジ検出器、202b・・・エッジ検出器、202c・・・エッジ検出器、204・・・加算器、206・・・パターン幅算出部、208・・・表示部
Claims (18)
- 電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長するパターン幅測長装置であって、
前記電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、
前記電子ビームを偏向して前記パターン上を走査させる偏向器と、
前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第1二次電子検出器から第2エッジより離れた位置に形成された第1エッジの下端であるボトムエッジとして検出する第1エッジ検出器と、
前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第2二次電子検出器から前記第1エッジより離れた位置に形成された前記第2エッジの下端であるボトムエッジとして検出するとともに、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第2エッジ検出器と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量と、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和の変化が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第3エッジ検出器と
前記第1エッジ検出器及び前記第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンのパターン幅を算出するとともに、前記第1エッジ検出器および前記第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置および前記第1エッジのトップエッジの位置に基づいて前記第1エッジの水平方向の長さを算出するパターン幅算出部と、
を備え、
前記パターン幅算出部は、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量から前記第1エッジのトップエッジの位置を十分正確に検出できない場合、前記第1エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第3エッジ検出器が検出した前記第1エッジのトップエッジの位置に基づいて、前記第1エッジの水平方向の長さを算出することを特徴とするパターン幅測長装置。 - 前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第3二次電子検出器及び第4二次電子検出器をさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第3二次電子検出器及び前記第4二次電子検出器は、前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器への方向と略垂直な方向に沿って、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器の方向とがなす角度が、前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第3二次電子検出器から前記第4二次電子検出器の方向とがなす角度より大きい場合、前記第1エッジ検出器は、前記第1二次電子検出器に代えて、前記第3二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記パターンの前記第1エッジのボトムエッジの位置を検出し、前記第2エッジ検出器は、前記第2二次電子検出器に代えて、前記第4二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記第2エッジのボトムエッジの位置を検出するとともに、前記パターンの前記第1エッジのトップエッジを検出することを特徴とする請求項1に記載のパターン幅測長装置。 - 前記偏向器が偏向した前記電子ビームを集束して前記ウェハに又は前記パターンに照射させる対物レンズをさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記対物レンズの上方に設けられ、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を前記対物レンズを介して検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン幅測長装置。 - 前記対物レンズは、静電レンズであることを特徴とする請求項3に記載のパターン幅測長装置。
- 前記パターン幅算出部は、前記パターンの厚さが所定厚さより大きい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より大きい場合は、前記第1エッジ検出器及び前記第2エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項1に記載のパターン幅測長装置。
- 前記第3エッジ検出器は、前記第1二次電子検出器により検出された電子量と第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和が極小であるときの前記電子ビームの2つの照射位置を、それぞれ前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置として検出し、
前記パターン幅算出部は、前記パターンの厚さが所定厚さより小さい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より小さい場合は、前記第3エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項1に記載のパターン幅測長装置。 - 電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長するパターン幅測長方法であって、
前記電子ビームを発生する電子ビーム発生段階と、
前記電子ビームを偏向して前記パターン上を走査させる偏向段階と、
前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられる第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器により、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する二次電子検出段階と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第1二次電子検出器から第2エッジより離れた位置に形成された第1エッジの下端であるボトムエッジとして検出する第1エッジ検出段階と、
前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第2二次電子検出器から前記第1エッジより離れた位置に形成された前記第2エッジの下端であるボトムエッジとして検出するとともに、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第2エッジ検出段階と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量と、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和の変化が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第3エッジ検出段階と
第1エッジ検出器及び第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンのパターン幅を算出するとともに、前記第1エッジ検出器および前記第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置およびトップエッジの位置に基づいて前記第1エッジの水平方向の長さを算出するパターン幅算出段階と、
を備え、
前記パターン幅算出段階は、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量から前記第1エッジのトップエッジの位置を十分正確に検出できない場合、前記第1エッジ検出段階において検出された前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第3エッジ検出段階において検出された前記第1エッジのトップエッジの位置に基づいて、前記第1エッジの水平方向の長さを算出することを特徴とするパターン幅測長方法。 - 第3二次電子検出器及び第4二次電子検出器により、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第3二次電子検出段階及び第4二次電子検出段階をさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第3二次電子検出器及び前記第4二次電子検出器は、前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器への方向と略垂直な方向に沿って、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器の方向とがなす角度が、前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第3二次電子検出器から前記第4二次電子検出器の方向とがなす角度より大きい場合、前記第1エッジ検出段階は、前記第1二次電子検出器に代えて、前記第3二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記パターンの前記第1エッジのボトムエッジの位置を検出し、前記第2エッジ検出段階は、前記第2二次電子検出器に代えて、前記第4二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記パターンの前記第2エッジのボトムエッジの位置を検出するとともに、前記パターンの前記第1エッジのトップエッジを検出することを特徴とする請求項7に記載のパターン幅測長方法。 - 対物レンズにより、前記偏向段階において偏向された前記電子ビームを集束して前記ウェハに又は前記パターンに照射させる照射段階をさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記対物レンズの上方に設けられ、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を前記対物レンズを介して検出することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のパターン幅測長方法。 - 前記対物レンズは、静電レンズであることを特徴とする請求項9に記載のパターン幅測長方法。
- 前記パターン幅算出段階は、前記パターンの厚さが所定厚さより大きい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より大きい場合は、前記第1エッジ検出段階及び前記第2エッジ検出段階において検出された前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項7に記載のパターン幅測長方法。
- 前記第3エッジ検出段階は、前記第1二次電子検出器により検出された電子量と第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和が極小であるときの前記電子ビームの2つの照射位置を、それぞれ前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置として検出し、
前記パターン幅算出段階は、前記パターンの厚さが所定厚さより小さい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より小さい場合は、前記第3エッジ検出段階において検出された前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項7に記載のパターン幅測長方法。 - 電子ビームを用いてウェハ上に形成されたパターンのパターン幅を測長する電子ビーム露光装置であって、
前記電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、
前記電子ビームを偏向して前記パターン上を走査させる偏向器と、
前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第1二次電子検出器及び第2二次電子検出器と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第1二次電子検出器から第2エッジより離れた位置に形成された第1エッジの下端であるボトムエッジとして検出する第1エッジ検出器と、
前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極小であるときの前記電子ビームの照射位置を、前記第2二次電子検出器から前記第1エッジより離れた位置に形成された前記第2エッジの下端であるボトムエッジとして検出するとともに、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第2エッジ検出器と、
前記第1二次電子検出器により検出された二次電子の電子量と、前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和の変化が極大であるときの前記電子ビームの照射位置を前記第1エッジの上端であるトップエッジとして検出する第3エッジ検出器と
前記第1エッジ検出器及び前記第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンのパターン幅を算出するとともに、前記第1エッジ検出器および前記第2エッジ検出器がそれぞれ検出した前記第1エッジの前記ボトムエッジの位置および前記トップエッジの位置に基づいて前記第1エッジの水平方向の長さを算出するパターン幅算出部と、
を備え、
前記パターン幅算出部は前記第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量から前記第1エッジのトップエッジの位置を十分正確に検出できない場合、前記第1エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第3エッジ検出器が検出した前記第1エッジのトップエッジの位置に基づいて、前記第1エッジの水平方向の長さを算出することを特徴とする電子ビーム露光装置。 - 前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を検出する第3二次電子検出器及び第4二次電子検出器をさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第3二次電子検出器及び前記第4二次電子検出器は、前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器への方向と略垂直な方向に沿って、前記電子ビームの光軸に対して対向する位置に設けられ、
前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第1二次電子検出器から前記第2二次電子検出器の方向とがなす角度が、前記第1エッジから前記第2エッジの方向と前記第3二次電子検出器から前記第4二次電子検出器の方向とがなす角度より大きい場合、前記第1エッジ検出器は、前記第1二次電子検出器に代えて、前記第3二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記パターンの前記第1エッジのボトムエッジの位置を検出し、前記第2エッジ検出器は、前記第2二次電子検出器に代えて、前記第4二次電子検出器により検出された二次電子の電子量に基づいて、前記パターンの前記第2エッジのボトムエッジの位置を検出するとともに、前記パターンの前記第1エッジのトップエッジを検出することを特徴とする請求項13に記載の電子ビーム露光装置。 - 前記偏向器が偏向した前記電子ビームを集束して前記ウェハに又は前記パターンに照射させる対物レンズをさらに備え、
前記第1二次電子検出器及び前記第2二次電子検出器は、前記対物レンズの上方に設けられ、前記電子ビームが前記ウェハ又は前記パターンに照射されることによって発生する二次電子を前記対物レンズを介して検出することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の電子ビーム露光装置。 - 前記対物レンズは、静電レンズであることを特徴とする請求項15に記載の電子ビーム露光装置。
- 前記パターン幅算出部は、前記パターンの厚さが所定厚さより大きい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より大きい場合は、前記第1エッジ検出器及び前記第2エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項13に記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第3エッジ検出器は、前記第1二次電子検出器により検出された電子量と第2二次電子検出器により検出された二次電子の電子量との和が極小であるときの前記電子ビームの2つの照射位置を、それぞれ前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置として検出し、
前記パターン幅算出部は、前記パターンの厚さが所定厚さより小さい場合、又は前記パターンの上面と側面とがなす角度が所定角度より小さい場合は、前記第3エッジ検出器が検出した前記第1エッジのボトムエッジの位置及び前記第2エッジのボトムエッジの位置に基づいて、前記パターンの前記パターン幅を算出する請求項13に記載の電子ビーム露光装置。
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