JP4141728B2 - 光源変換装置、点光源、線状光源装置、演色性制御方法、そのプログラムおよび電子機器に関する。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学素子のバックライトに用いて好適な光源変換装置、点光源、線状光源装置、演色性制御方法、そのプログラムおよび電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
透過型の液晶表示素子等の電気光学素子においては、画像を表示する際に背面からバックライトを照射する必要がある。小型の液晶表示素子においては、このバックライトとして、白色LEDが多用されている。すなわち、点光源である白色LEDを、複数個直線状に配列し、これらLEDから放射される線光源状の光を導光板の一側面から入射すると、導光板の正面からほぼ一様な輝度の光が放射され、この光が液晶表示素子等によって変調されることによって画像が表示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数の白色LEDを用いて線光源状の光を生成しようとすると、白色LEDの数が多くなり、コストアップにつながる。また、白色LEDの数を減らして1個あたりの輝度を高くすると、各LEDの中間部分が暗くなり、画像に輝度ムラが生じるという問題がある。また、白色LEDから放射される光は様々な偏光方向の光を合成して成るものであり、実際に液晶表示素子等を透過できる光はある偏光方向を有する成分のみであるから、消費電力に対する最終的な発光効率が悪くなるという問題があった。
また、白色LEDは青色発光LEDに、黄色に発光する蛍光物質を塗り、白色化している。一方、透過型の液晶表示パネルはRGBの各色フィルタを画素ごとに用いてカラー表示している。したがって、色フィルタの分光特性とLEDの発光スペクトルが異なり、特に赤色の発光量が少なく、赤色の発色不足による色の再現性に問題点があった。
さらに、半透過型の液晶表示パネルにおいては、バックライトによる発光の他に外光も反射して表示に用いられる。太陽光か蛍光灯等による照明かによって、この外光の波長成分が異なり、それにより同じ明るさの外光であっても、表示に用いられる液晶パネルの反射する光は、外光に依存するため色相が変化する。このため、外光によって色の見え方が異なる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、少ない数の点光源を用いて、偏光方向の揃った線光源状の光を生成できる光源変換装置を提供することを第1の目的としている。さらには、電気光学素子全体としての色相の変化(色むら)を解消することを第2の目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の線状光源装置は、対向して配置される表示パネルを出光面から出射する光によって照明する導光板の一端面に沿って配置される線状光源装置であって、一端面に向い合う線状の出光面を有する棒状の伝搬部材と、伝搬部材の長手方向の端面に対向して配置された点光源と、を備え、伝搬部の内部には、点光源から放射される光の光軸に対して傾斜して設けられ、所定の偏光方向を有する第1の成分を透過させるとともに、該第1の成分に対して偏光方向が直交する第2の成分を反射させる偏光分離板と、透過した第 1 の成分の偏光方向または反射された第2の成分の偏光方向を90°回転させる半波長板と、偏光分離板を透過した第1の成分と、半波長板を介して放射された第2の成分とが平行に放射されるように、これら第1および第2の成分のうち少なくとも一方を反射する反射板とからなる光源変換部が形成されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の線状光源装置は、対向して配置される表示パネルを出光面から出射する光によって照明する導光板の一端面に沿って配置される線状光源装置であって、一端面に向い合う線状の出光面を有する棒状の伝搬部材と、伝搬部材における出光面の反対側の面に向い合って配置された複数の点光源と、を備え、伝搬部の内部には、点光源から放射される光の光軸に対して傾斜して設けられ、所定の偏光方向を有する第1の成分を透過させるとともに、該第1の成分に対して偏光方向が直交する第2の成分を反射させる偏光分離板と、透過した第 1 の成分の偏光方向または反射された第2の成分の偏光方向を90°回転させる半波長板と、偏光分離板を透過した第1の成分と、半波長板を介して放射された第2の成分とが平行に放射されるように、これら第1および第2の成分のうち少なくとも一方を反射する反射板とからなる光源変換部が形成されていることを特徴とする。
また、光源変換部を複数有し、光源変換部の各々から放射される第1および第2の成分が出光面に沿って直線状に配列されるように各光源変換部を配置したことが好ましい。
また、光源変換部が点光源から離れるほど、偏光分離板、半波長板および反射板の面積を広くしたことが好ましい。
また、伝搬部材における出光面の反対側の面には、光源が出射した光の一部を光源変換部側に反射する複数のプリズムが形成されていることが好ましい。
また、点光源は、白色発光素子と、白色発光素子と同様の配光特性を有し同時に点灯される単色あるいは複数色の有色発光素子とからなることが好ましい。
また、有色発光素子は、赤色発光素子、緑色発光素子あるいは青色発光素子から構成されることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、前記記載の線状光源装置と、導光板と、表示パネルとを備えた電子機器であって、表示パネルの表示面と隣り合って配置された光センサと、光センサが検出した外光の強度および該外光の色成分強度と、白色発光素子および有色発光素子の照射強度との相関関係を規定した補正テーブルとを、さらに有し、光センサの検出結果に応じて、補正テーブルを参照し、白色発光素子および有色発光素子の照射強度を調整することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
1. 第一実施形態
(1)第一実施形態の構成
次に、本発明による一実施形態である光源変換装置の全体構成を図1および図2を参照し説明する。
図1において、10は点光源であり、代表的には白色LEDが用いられ、それはインコヒーレント光源であるのでランダムな偏光成分を有する。20は導光板であり、その四方の側面は略長方形状にされ、他の二方の側面は台形形状にされている。導光板20は一側面20aから入射した線状の光を液晶表示素子30に対向する面から面状に出射する。液晶表示素子は、略直方体形状をしており、導光板20の側面近傍に配置されている。その液晶表示素子30は、導光板20から放射された光を変調し、これによって画像を表示する。40は伝搬部材であり、略直方体形状をしている。その伝搬部材40は導光板20の側面20aの近傍に配置されており、伝搬部材40の片端40aに点光源10が設けられている。
【0006】
次に、伝搬部材40の内部構成を図2(a)を参照して説明する。
図において、点光源10は集光レンズ10aを有しており、放射された光はここで集光されあるいは平行光にされる。41、42、43、44は光源変換部であり、それぞれ大きさが異なり、集光レンズ10の光軸方向に、点光源10から離れるほど大きな光源変換部が配置されている。それぞれの光源変換部は以下の光学素子で構成される。41a、42a、43a、44aは偏光分離板であり、入射軸に対して45度傾斜して設けられている。それらの偏光分離板は3M社 「DUAL BRIGHTNESS ENHANCED FILM(DBEF、商品名)」や、誘電体多層膜を用いた偏光ビームスプリッタなどが用いられる。41b、42b、43b、44bは半波長板(λ/2板)であり、光の偏波面を90度回転させる機能を有する。41c、42c、43c、44cは反射板であり、光軸方向より45度傾斜して配置されている。
【0007】
(2)第一実施形態の動作
集光レンズ10aによって集光された点光源10からの可視光が、伝搬部材40に入射され、その一部が光源変換部41に入射され、他の一部の光が光源変換部42に入射され、他の一部の光が光源変換部43に入射され、残りの光が光源変換部44に入射される。ここで、各光源変換部41から44に入射される光の光量は導光板20に対する放射面積に比例するように設定すると好適である。これにより、各部の輝度を均一にすることができる。
【0008】
ここで、光源変換部41の動作を図2(b)を用いて説明する。点光源10からの光はランダムな偏光成分を持つところ、互いに直角な偏光成分(P波、S波)に分解して考察することが出来る。ここで、光が媒体の境界面に入射するとき、入射光線と入射点における境界面の法線とを含む面を入射面といい、その入射面に平行な成分をP偏光の光(P波)、その入射面に垂直な成分をS偏光の光(S波)という。
【0009】
白色LEDからの入射光軸に対して45度傾斜された偏光分離板41aは、S偏光の光のみ透過し、P偏光の光を反射する機能を有する。それ故、P偏光およびS偏光の光の双方を含んだ点光源10からの光は、偏光分離板41aを透過するS偏光のみの光と、偏光分離板に反射される光はP偏光のみの光とに分離される。
【0010】
偏光分離板41aを透過したS偏光の光は、半波長板41bに入射される。入射された光は偏波面が90度回転され出射されるため、P偏光の光に変換される。そのP偏光の光は反射板41cにより反射され、光源変換部41から出射される。なお、偏光分離板41aにおいて反射されたP偏光の光は、直接的に光源変換部41から出射される。P偏光のみとなるため、偏光成分のそろった光となる。
【0011】
光源変換部42、43、44の動作も同様であり、それぞれの光源変換部に入射された点光源10からの光が出射され、線光源として合成された後に、伝搬部材40の近傍に配置された導光板20に入射される。液晶は、通常偏光板によって、1偏光成分の光を変調することによって、画像を表示する。この液晶に用いられるバックライトの偏光成分がそろうことによって、通常捨てられていたもう一つの偏光成分も液晶表示素子30によって使用されるため、原理的には2倍の利用効率になる。DBEFを液晶表示素子30の下に平行に敷く場合には、どちらかの偏光しか通さないように構成する場合には、複数の反射が行われ、1.5倍程度の利用効率しか得られない。この場合に比べ、高効率に光を利用できる利点がある。また、さらに点光源である白色LEDを面光源に拡張する過程において、偏光変換素子を効果的に配置することによって、発光むらが少なく、小型のバックライトを提供することができる。DBEFは、誘電体多層膜によって作られるフィルム素材であるが、高価であり、液晶表示素子30の下に全面にわたって敷き詰める場合よりも、本発明のように、線光源に変換する過程において使用する場合の方が、圧倒的に小さな面積で済むため、低価格に性能のよいバックライトを提供できるメリットがある。
【0012】
2. 第二実施形態
(1)第二実施形態の構成
第一実施形態は点光源10を伝搬部材40の片端に配置したが、伝搬部材の両端に点光源を配置することも可能である。以下、本発明の第二実施形態である光源変換装置の構成を図3を参照し説明する。
図において、11は点光源であり、50は伝搬部材であり、51、52、53、54は光源変換部である。点光源10および点光源11は伝搬部材50の両端に配置され、光源変換部51、52の入射側(偏光分離板側)が点光源10に向けられ、光源変換部53、54の入射側(偏光分離板側)が点光源11に向けられる。光源変換部51および光源変換部53は同一形状にされ、光源変換部52および光源変換部54も同一形状にされているが、光源変換部52、54の方が、光源変換部51、53よりも大きくなるように構成されている。
【0013】
さらに、51a、52a、53a、54aは偏光分離板であり、51b、52b、53b、54bは半波長板であり、51c、52c、53c、54cは反射板である。それ故、光源変換部51、52、53、54は先に示した光源変換部41の機能と同様の機能を有する。
【0014】
(2)第二実施形態の動作
点光源10からの集光された光は、光源変換部51および光源変換部52に入射され、P偏光の光のみが、点光源10に対する光軸に対して直角方向に出射されて、導光板20の側面20aに入射される。一方、点光源11からの集光された光は光源変換部53および光源変換部54に入射され、P偏光の光のみが、光軸に対して直角方向に出射されて、導光板20の側面20aに入射される。
【0015】
したがって、第一実施形態のように点光源10のみの光を用いて導光板20に入射されるよりも、2倍の光量が得られる。また、点光源および光源変換部が左右対称に配置されているので、より均一な線光源が得られる。
【0016】
3. 第三実施形態
(1)第三実施形態の構成
第一実施形態は点光源10を伝搬部材40の片端に、第二実施形態は点光源10および点光源11を伝搬部材50の両端に配置したが、点光源をさらに多数用いて、線状に配置することも可能である。以下、本発明の第三実施形態である光源変換装置の構成を図4(a)を参照し説明する。
図において、12は点光源であり、60は伝搬部材であり、61、62、63は光源変換部である。点光源10、11、12は伝搬部材60の出射側と反対側の側面に配置されている。
【0017】
ここで、光源変換部61の構造を図4(b)を参照して説明する。
図において、61aは偏光分離板であり、61bは半波長板であり、61cは反射板である。偏光分離板61aは点光源10の光軸に対して45度傾斜して設けられている。反射板61cは偏光分離板61aに対して平行に、かつ、偏光分離板61aの入射光を遮光しないように設けられている。半波長板61bは、光軸に対して垂直に、かつ、偏光分離板61aからの出射光を遮光しないように設けられている。なお、光源変換部62、63も同様な構造を有している。
【0018】
(2)第三実施形態の動作
点光源10からの光が、光源変換部61に、点光源11からの光が光源変換部62に、点光源12からの光が光源変換部63にそれぞれ集光されて入射される。
ここで、光源変換部61における動作を図4(b)を参照して説明する。
光源変換部61に入射されたP偏光およびS偏光の光を含んだランダムな光のうち、偏光分離板61aによりP偏光の光のみが透過され、S偏光の光のみが反射される。その反射されたS偏光の光は反射板61cにより点光源10の光軸に対して平行に反射される。その反射されたS偏光の光は半波長板61bを透過することにより偏波面が90度回転し、P偏光の光に変換される。なお、偏光分離板61aにより透過したP偏光の光はそのまま出射される。
【0019】
各々の光源変換部61、62、63から出射されたP偏光の光が集合することにより、伝搬部材60から線光源状の光が放射され、その光は、近傍に配置された導光板20に入射される。
【0020】
この実施形態では第二の実施形態よりも、多数の点光源を用いることが出来るので、より大きな光強度が得られ、あるいはより長い線光源が得られる。また、高い密度で点光源および光源変換部を設けることによりより均一な線光源が得られる。また、同一形状の光源変換部を用いることが出来るので、製造工程がより簡易になる。
【0021】
4. 第四実施形態
(1)第四実施形態の構成
第三実施形態では、一個の点光源10に対して一個の光源変換部61を設けたが、一個の点光源に対して複数の光源変換部を設けることも可能である。以下、本発明の第四実施形態である光源変換装置の構成を図5(a)を参照し説明する。
図において、13、14、15は点光源である。70は伝搬部材であり、一側面に線状の微少プリズム70a,70a,…が多数形成され、さらに点光源13、14、15の外形に適合したスペース部70b、70c、70dが形成されている。微少プリズム70aは入射した光を所定角度で反射する機能を有する。また、71、72、73等は光源変換部である。
【0022】
ここで、光源変換部71の構成を図5(b)を参照して説明する。71aは偏光分離板であり、71bは半波長板であり、71cおよび71dは反射板である。偏光分離板71aは入射軸に対して45度に傾斜しており、反射板71cは偏光分離板71aに対して平行に、かつ、偏光分離板71aへの入射光を遮光しないように設けられている。半波長板71bは入射軸に対して垂直に、かつ、偏光分離板71aの透過光を遮光しないように設けられている。反射板71dは、入射軸に対して垂直に、かつ、偏光分離板71aの入射光と、その透過光と、半波長板71bの透過光とを遮光しないように設けられている。なお、光源変換部72、73も同様な構成を有している。
【0023】
(2)第四実施形態の動作
点光源13、14,15からの出射光の一部は各光源変換部71,72,73,…の反射板71d,72d,73d,…によって反射され、さらに微少プリズム70aによって反射され、光源変換部71、72、73、…に入射される。また、出射光の他の一部は微少プリズムによって直接反射され、光源変換部71、72、73に入射される。また、反射板71dにおいて反射されず、微少プリズム70a,70a,…によっても反射されなかった点光源13からの出射光は直接光源変換部71、72、73、…に入射される。その結果、光源変換部71、72、73からの出射光はP偏光のみの光に変換され、導光板20の側面20aに入射される。なお、光源変換部71、72、73の動作は前述した光源変換部41の動作と同様である。
【0024】
ここで、微少プリズム70aの動作原理を図5(c)を参照して説明する。点光源13からの出射光は任意の放射角を有しているので、反射板71dを反射する際にも多くの反射角を有している。微少プリズム70aの角度は、その反射光が光源変換部71、72、73、…の入射光軸に平行になるように設けられている。したがって、微少プリズム70aを多数設けることにより、均一かつ平行な光線が得られる。
【0025】
この実施形態では第三の実施形態と同様に、多数の点光源を用いることが出来るので、より大きな光強度が得られ、あるいはより長い線光源が得られる。また、高い密度で点光源および光源変換部を設けることによりより均一な線光源が得られる。また、同一形状の光源変換部を用いることが出来るので、製造工程がより簡易になる。
【0026】
5. 第五実施形態
(1)第五実施形態の構成
上述した実施の形態は光源変換部を複数用いたが、光源変換部を一つのみで構成することも可能である。この場合の実施の形態の構成を図6を参照して説明する。
図において、80は長尺状の伝搬部材であり、80aは微少プリズムである。また、81は偏光分離板であり、82は半波長板であり、83および84は反射板である。81、82、83の位置関係は第三実施形態の図4(b)の位置関係と同様である。
【0027】
(2)第五実施形態の動作
点光源10からの集光された光が、偏光分離板81に入射され、P偏光のみにされた透過光が伝搬部材80に入射される。一方、偏光分離板81を反射したS偏光のみの光は、半波長板82を通過することによりP偏光にされ、反射板83において反射され、伝搬部材80に入射される。
【0028】
ここで、点光源10からの光は集光しているので、偏光分離板81および反射板83からの光は多くの出射角の光を有している。一方、微少プリズム80a,80a,…の反射光が導光板20に直角に入射するように、微少プリズム80a,80a,…の各々のプリズムの角度が設けられている。したがって、微少プリズム80a,80a,…を多数設けることにより、均一な線光源が得られる。その結果、導光板20には、P偏光のみの線状の光が端面に垂直に入射される。また、微少プリズム80a,80a,…によって反射されなかった光は反射板84によって反射される。
【0029】
6. 第六実施形態
(1)第六実施形態の構成
上記実施形態は、点光源からの光を偏光分離板に入射し、その後線光源に変換していたが、点光源からの光を線光源に変換してから、その線光源を偏光分離板に入射して偏波面を揃えることも可能である。本実施の形態の構成を図7(a)を参照して説明する。図において、20は導光板であり、95は光源変換部である。また、90は長尺状の伝搬部材であり、その上面には微少プリズム90aが形成されている。
【0030】
図7(a)のA−A’断面図を図7(b)に示し、これを参照して光源変換部95の構成を説明する。92は略長方形状の半波長板であり、伝搬部材90の長手方向に対して平行に設けられている。91は略長方形状の偏光分離板であり、半波長板92に対して45度に傾斜して設けられている。93は略長方形状の反射板であり、偏光分離板91に対して平行に設けられている。
【0031】
(2)第六実施形態の動作
点光源10からの集光した光が伝搬部材90に入射されると、微少プリズム90a.90a,…によって、線光源に変換される。その線光源の光が偏光分離板91に入射するとP偏光の光のみが透過され、導光板20に入射される。一方、偏光分離板91によって反射されたS偏光の光は半波長板92によってP偏光の光に変換され、反射板93により反射され、導光板20に入射される。
【0032】
7. 第七実施形態
(1)第七実施形態の構成
第六実施形態は、点光源10を伝搬部材90の片端に設けていたが、点光源を伝搬部材の両端に設けることも可能である。本実施形態の構成図を図8に示す。図において、100は伝搬部材であり、微少プリズム100a,100a,…を設けている。105は光源変換部であり、第六実施形態の光源変換部95と同様の構成である。20は導光板であり、線光源を面光源に変換する。
【0033】
(2)第七実施形態の動作
点光源10、11からの光は伝搬部材100の両側面から入射し、微少プリズム100a,100a,…によって、線光源に変換される。そして、光源変換部105により、P偏光のみの光にされ、導光板20に入射される。
【0034】
8. 第八実施形態
(1)第八実施形態の構成
第1実施形態から第七実施形態までは白色LEDのみを用いていたが、白色LEDおよび赤色LEDを用いても構成することが可能である。本実施形態の構成図を図9に示す。
図において、210は白色発光素子であり、白色LEDが用いられ、楕円形状の集光レンズを内蔵している。220は、赤色発光素子であり、白色発光素子210と同様の配光特性を有している。また、導光板20の厚さ方向が楕円の短軸方向に一致するように、白色発光素子210と近接配置されている。35は液晶表示素子であり、半透過型液晶表示素子が用いられる。ここで、半透過型液晶表示素子は、透過型液晶表示素子の下層部に半透過反射板を設け透過光と外光の反射光とを変調して画像を表示するものである。なお、20は導光板であり、40は伝搬部材であり、41,42,43,44は光源変換部であり、それらの機能は前述したとおりである。
【0035】
(2)第八実施形態の動作原理
白色LEDは青色発光LEDに黄色に発光する蛍光物質を塗り、白色化している。それ故、白色LEDの放射光は赤の色成分が少ない傾向にあるので、赤色LEDを適切な発光強度にして赤の波長成分を補強することで、彩色性の優れたバックライトを提供することができる。白色光および赤色光は、伝搬部材40に平行して入射され、それらの入射光がP偏光のみの光に変換される。そして、そのP偏光のみの白色光および赤色光は平行して導光板20に入射される。ここで、白色発光素子210と赤色発光素子220とは、楕円状の配光特性を有し、白色発光素子の中心と赤色発光素子の中心とを結んだ軸が、線状の出射光および光源変換部41、42、43、44による出射光軸に対して垂直になるように構成されている(図9)。その結果、導光板20の厚さ方向に平行に白色光および赤色光が入射される。それにより、白色光と赤色光とは液晶表示素子35に重畳して入射されるため赤の色むらが液晶表示素子35の表面に現われない。つまり、点光源を面発光のバックライトに変換しているが、点光源時に、赤色を補充しているため、点光源から線光源へ、線光源から面光源として光を拡張する過程において、光むらを均一にすることができる。このため、赤色LEDを追加しても、液晶表示素子30には、均一に赤色光が拡散される。
【0036】
9.第九実施形態
(1)第九実施形態の構成
第八実施形態は、白色発光素子210および赤色発光素子220の発光強度を一定にしていたが、白色発光素子210および赤色発光素子220の光強度を光センサを用いて調整することも可能である。本実施形態の発光強度制御回路の構成図を図10に示す。
図10(a)において、250は光センサであり、複数のフォトダイオードが用いられる。単独でのフォトダイオードにより外光の光強度が検出され、赤色、青色、緑色のカラーフィルタを併用して、各色成分強度が検出される。260はCPU回路であり、後述するフローチャートに従って各部が制御される。270は、白色発光素子駆動回路、280は赤色発光素子駆動回路であり、各発光素子の発光強度を可変する機能を有する。ここで、図10(b)は白色発光素子駆動回路270を示す図である。275はスイッチ素子であり、FETが用いられる。そのFETはゲート、ドレイン、ソースの三端子を有し、ドレイン電圧のON−OFFに従ってドレイン電流がON−OFFする機能を有する。スイッチ素子のソース端は接地され、ドレイン端は白色発光素子210のカソード端に接続される。白色発光素子210のアノード端は抵抗276を介して電源電圧VDDに接続される。なお、赤色発光素子駆動回路280も同様の構成である。
【0037】
(2)第九実施形態の動作
半透過型液晶表示素子においては、半透過反射板の上部に有色蛍光体が画素ごとに形成される。外光の波長分布によって、その蛍光体の発光強度が変化する現象を補償するために、外光の光強度および各色成分強度が光センサ250を用いて検出され、白色発光素子210および赤色発光素子220の光強度がそれぞれ調節される。そのための動作を図11のフローチャートを参照して説明する。このフローは所定時間ごとに起動され、一定の時間間隔で光強度が調節される。また、これらの時間平均をとることにより外光のノイズ変動を除去することが可能となる。ステップSP101においては、光センサ250を用いて外光の光強度および各色成分強度が測定され、ステップSP102に進む。
【0038】
ステップSP102においては、光強度が強いか否かの判定が行われる。光強度が強ければ「YES」と判定されステップSP103に進む。ステップSP103において、白色発光素子210および赤色発光素子220の発光強度が上昇され、ステップSP105に進む。ここで、各発光素子の発光強度は、パルス幅変調によって輝度調節され、発光素子に流れる電流のデューティ比を可変することによって行われる。すなわち、図10(b)において、発光素子210の最大電流値を抵抗276によって制限し、スイッチ素子275に印加される矩形波状のゲート電圧のデューティ比を可変し、発光素子に流れる電流値のデューティ比を可変することによって行われる。一方、光強度が弱ければ「NO」と判定され、白色発光素子210および赤色発光素子220の発光強度が低下され、ステップSP105に進む。ステップSP105においては、光バランスが悪いか否かが判定される。光バランスは光センサ250の色強度測定値を用いて判定され、特に外光が白熱電球のときは赤色強度が強く光バランスが悪くなる傾向にある。光バランスが良ければ、「NO」と判定され処理が終了する。一方、光バランスが悪ければ、「YES」と判定され、ステップSP106に進む。ステップSP106においては、赤色発光素子220の発光強度が調節され、処理が終了する。ここで、赤色発光素子の発光強度の補正量は、外光の色強度および白色発光素子の光強度によって換算された補正テーブルによって定められる。
【0039】
10.第十実施形態
第九実施形態は、光センサに複数のフォトダイオードを用い、単独のフォトダイオードにより外光の光強度を検出し、赤色、青色、緑色のカラーフィルタを併用して、各色成分強度を検出したが、撮像素子(CCD、CMOS等)を用いてこれらを検出することも可能である。これは、外光を計測するために特別なセンサを用いず、TV電話用などの撮像のために用いられている撮像素子を表示の補正にも使用することで、装置の部品点数を減らし、低価格に本機能を提供することができる。
本実施形態の演色性制御方法およびそのプログラムを用いた電子機器(携帯電話)の外観図を図12に示す。図の携帯電話の撮像素子は、TV電話用に用いるため液晶表示素子35に入射する光と平行な光が、その撮像素子に入射するように取り付けられている。また、撮像素子が任意の方向に向くことが出来るように構成されている場合においては、液晶表示素子に入射する光と平行な光が、その撮像素子に入射するときに、図11のフローが所定時間ごとに起動される。なお、図12の電子機器は、常に撮像素子250が液晶表示素子35に入射する光と平行な光が、その撮像素子250に入射するので、常に、図11のフローが所定時間ごとに起動される。
【0040】
また、CCDのダイナミックレンジは狭いため、絞り、シャッタースピード等で入射光量の自動調整を行われる。この自動調整のための信号と、撮像した信号とを光強度信号として用いることにより、白色発光素子の発光強度制御が行われる。このため、新たにCCDの駆動制御を追加せずに、本発明の機能を動作させることが可能である。
【0041】
11.第十一実施形態
第八実施形態は白色発光素子および赤色発光素子を用いて構成したが、白色発光素子と、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子を単色あるいは複数色組み合わせた有色発光素子とを用いて構成することも可能である。半透過型液晶素子に用いられる蛍光体の特性により、必要な有色光の補強をすることが可能になる。また、第八実施形態においては、楕円形状の集光レンズを有する白色発光素子および赤色発光素子を用いて実現したが、円形の集光レンズを用いても、白色発光素子と有色発光素子とが同様な配光特性を有していれば実現可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、点光源から放射された光を偏光分離板によって第1および第2の成分に分離し、半波長板によってこれら成分の偏光方向を揃え、反射板によってこれら成分を平行に放射させる構成によれば、少ない数の点光源によって、偏光方向が揃った線光源状の光を生成できる。
さらに、白色発光素子のみならず有色発光素子を用いている構成によれば、各有色発光素子の光強度を調整することにより、液晶表示素子の演色性を向上させることが出来る。
さらに、外光の強度および色成分強度を測定し、各発光素子の光強度を上昇あるいは低下させる構成によれば、外光の波長分布に偏りが生じていても演色性を向上させることが出来る。
さらに、白色発光素子の中心と有色発光素子の中心とを結んだ軸が、線状の出射光および前記各光源変換部による出射光軸に対して垂直になるように構成された光源変換装置によれば、線光源を面光源に変換する導光板を用いることにより均一な面光源を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態である光源変換装置を用いた液晶表示装置の斜視図である。
【図2】 本発明の第一実施形態の伝搬部材の構成および光源変換部の動作原理を示す図である。
【図3】 本発明の第二実施形態の伝搬部材の構成を示す図である。
【図4】 本発明の第三実施形態の伝搬部材の構成およびその動作原理を示す図である。
【図5】 本発明の第四実施形態の伝搬部材の構成およびその動作原理および微少プリズムの動作原理を示す図である。
【図6】 本発明の第五実施形態の伝搬部材の構成を示す図である。
【図7】 本発明の第六実施形態の伝搬部材および光源変換部の構成およびその動作原理を示す図である。
【図8】 本発明の第七実施形態である光源変換装置の全体図を示す図である。
【図9】 本発明の第八実施形態である光源変換装置の全体図を示す図である。
【図10】 本発明の第九実施形態である発光強度制御回路の構成図および駆動回路を示す図である。
【図11】 演色性を制御するためのフローチャートを示す図である。
【図12】 本発明の一実施形態である電子機器(携帯電話)の外観図である。
【符号の説明】
10,11,12,13,14,15…点光源、10a…集光レンズ、20…導光板、30…液晶表示素子、35…液晶表示素子(半透過型液晶表示素子)、41a,2a,43a,44a,51a,52a,53a,54a,61a,71a,72a、81…偏光分離板 、41b,42b,43b,44b,51b,52b,53b,54b,61b,71b、82…半波長板、41c,42c,43c,44c,51c,52c,53c,54c,61c,71c…反射板、71d、83、84…反射板、41,42,43,44,51,52,53,64,61,62,63,71,72,73,95,105…光源変換部、70a、80a、90a、100a…微少プリズム、40,50,60,70,80,90,100…伝搬部材、210…白色発光素子、220…赤色発光素子、250…光センサ(CCD)、260…CPU、270…白色発光素子駆動回路、280…赤色発光素子駆動回路、275…スイッチ素子(FET)、276…抵抗
Claims (8)
- 対向して配置される表示パネルを出光面から出射する光によって照明する導光板の一端面に沿って配置される線状光源装置であって、
前記一端面に向い合う線状の出光面を有する棒状の伝搬部材と、
前記伝搬部材の長手方向の端面に対向して配置された点光源と、を備え、
前記伝搬部の内部には、前記点光源から放射される光の光軸に対して傾斜して設けられ、所定の偏光方向を有する第1の成分を透過させるとともに、該第1の成分に対して偏光方向が直交する第2の成分を反射させる偏光分離板と、
前記透過した第1の成分の偏光方向または前記反射された第2の成分の偏光方向を90°回転させる半波長板と、
前記偏光分離板を透過した第1の成分と、前記半波長板を介して放射された第2の成分とが平行に放射されるように、これら第1および第2の成分のうち少なくとも一方を反射する反射板とからなる光源変換部が形成されていることを特徴とする線状光源装置。 - 対向して配置される表示パネルを出光面から出射する光によって照明する導光板の一端面に沿って配置される線状光源装置であって、
前記一端面に向い合う線状の出光面を有する棒状の伝搬部材と、
前記伝搬部材における前記出光面の反対側の面に向い合って配置された複数の点光源と、を備え、
前記伝搬部の内部には、前記点光源から放射される光の光軸に対して傾斜して設けられ、所定の偏光方向を有する第1の成分を透過させるとともに、該第1の成分に対して偏光方向が直交する第2の成分を反射させる偏光分離板と、
前記透過した第1の成分の偏光方向または前記反射された第2の成分の偏光方向を90°回転させる半波長板と、
前記偏光分離板を透過した第1の成分と、前記半波長板を介して放射された第2の成分とが平行に放射されるように、これら第1および第2の成分のうち少なくとも一方を反射する反射板とからなる光源変換部が形成されていることを特徴とする線状光源装置。 - 前記光源変換部を複数有し、
前記光源変換部の各々から放射される前記第1および第2の成分が前記出光面に沿って直線状に配列されるように前記各光源変換部を配置したことを特徴とする請求項1または2記載の線状光源装置。 - 前記光源変換部が前記点光源から離れるほど、前記偏光分離板、前記半波長板および前記反射板の面積を広くしたことを特徴とする請求項1または3に記載の線状光源装置。
- 前記伝搬部材における前記出光面の反対側の面には、前記光源が出射した光の一部を前記光源変換部側に反射する複数のプリズムが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の線状光源装置。
- 前記点光源は、白色発光素子と、前記白色発光素子と同様の配光特性を有し同時に点灯される単色あるいは複数色の有色発光素子とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の線状光源装置。
- 前記有色発光素子は、赤色発光素子、緑色発光素子あるいは青色発光素子から構成される事を特徴とする請求項6記載の線状光源装置。
- 請求項6に記載の線状光源装置と、前記導光板と、前記表示パネルとを備えた電子機器であって、
前記表示パネルの表示面と隣り合って配置された光センサと、
前記光センサが検出した外光の強度および該外光の色成分強度と、前記白色発光素子および前記有色発光素子の照射強度との相関関係を規定した補正テーブルとを、さらに有し、
前記光センサの検出結果に応じて、前記補正テーブルを参照し、前記白色発光素子および前記有色発光素子の照射強度を調整することを特徴とする電子機器。
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