JP4141378B2 - ハイドレート再ガス化方法及びハイドレート再ガス化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス状のハイドレート形成物質がハイドレート化して形成されたハイドレートを効率的に再ガス化するハイドレート再ガス化方法及びハイドレート再ガス化装置に関する。
ハイドレートは、水分子で構成されるクラスター内にガス状のハイドレート形成物質(例えば天然ガス、メタン、エタン、二酸化炭素など。以下、天然ガスを例に挙げて説明する。)が包接された構造の水和物である。このハイドレートは、1m中に約165Nmもの天然ガスを包蔵することができるなど高いガス包蔵性を有するとともに、大きな生成熱・解離熱、生成・解離差圧、高い反応選択性等の性質を有するため、例えば天然ガスの輸送・貯蔵システムや蓄熱システム、アクチュエータ、混合ガスの分離・精製システムなどの多様な用途での利用が注目されており、現在盛んに研究されている。
ハイドレートに含まれる天然ガスを使用するには、ハイドレートを分解して再ガス化する必要がある。再ガス化した天然ガスは高圧状態である方がガス供給などの観点から好ましく、例えばハイドレートを再ガス化して得られる天然ガスを都市ガスとして利用する場合には、およそ3.5MPaに調整する必要がある。
ハイドレートは通常大気圧程度の圧力下で保存されており、この状態のハイドレートを分解して得られる天然ガスを高圧状態とする手段としては、大気圧下でハイドレートを分解してガス化し、得られた天然ガスを圧縮して高圧状態とすることが考えられる。しかし、この方法ではガス圧縮に要するエネルギーが大き過ぎ、実用的ではない。また、特許文献1には、水和物化した天然ガスを分解してガス化する天然ガス水和物の分解装置について記載されているが、ガス化した後の天然ガスの圧力等については、記載も示唆もなされていない。
そのため、ハイドレートを高圧下で分解して再ガス化する手段が採用されている。従来の高圧下での再ガス化は、図3に示すハイドレート再ガス化装置200により実施されていた。このハイドレート再ガス化装置200は、大気圧下にあるハイドレートを高圧下とする充填槽82と、高圧下でハイドレートを分解して再ガス化する再ガス化槽83を備えている。
このハイドレート再ガス化装置200でハイドレートを再ガス化する際には、まずバルブ91を開き、バルブ92で再ガス化槽83と区切られた大気圧相当の充填槽82にハイドレートを導入した後、バルブ91を閉め、バルブ93を開いて充填槽82の圧力を再ガス化槽83内の天然ガスを利用して再ガス化槽83と同等の圧力となるまで昇圧させる。充填槽82の昇圧後、バルブ92を開いて充填槽82と再ガス化槽83とを連通させ、充填槽82内のハイドレートを再ガス化槽83に移送させて、ハイドレートを再ガス化するように構成されている。
次のハイドレートを充填槽82に導入するためには、当該充填層82が高圧下であることから、バルブ92、93を閉じて充填槽82と再ガス化槽83とを区切り、ガス排出経路84を介して充填槽82の圧力が大気圧相当となるまで天然ガスを放出させる必要がある。すなわち、1回のハイドレートの再ガス化にあたり、充填槽82の圧力を再ガス化槽83と同等まで昇圧するのに要する量と同程度の量の天然ガスが大気圧相当まで脱圧されてしまっていた。脱圧された天然ガスは大気圧相当の圧力であるため、そのままでは利用価値が低く、昇圧ポンプ89などによって昇圧する必要があり、多くのエネルギーを消費するという問題があった。
また、再ガス化槽83にはハイドレートの分解に伴い水が蓄積されるため、これを適宜抜き出す必要があった。なお、1mの天然ガスハイドレートが分解すると、約0.8mの水が生成される。
また、充填槽82を昇圧させる際に、槽内温度が上昇してハイドレートの一部が分解し、それが分解時の吸熱反応によって再び凍結することにより、充填槽82が閉塞する問題があった。
さらに、ハイドレートは比重が水より小さいために再ガス化槽83内で水面に浮いてしまい、充分に熱を伝達することが困難である問題がある。また、分解時の吸熱反応によって水面に浮くハイドレートが氷塊となり、分解が抑制されてしまう問題があった。
特開2001−279281号公報
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、その課題は、ハイドレートを効率的に分解、ガス化してガスを回収可能なハイドレート再ガス化方法及びハイドレート再ガス化装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るハイドレート再ガス化方法の発明は、水貯留部にハイドレートを導入し、前記ハイドレートを前記水貯留部を浮上させながら分解させてガス化させることを特徴とする。
この特徴によれば、水貯留部を浮上させながらハイドレートを分解させてガス化させるため、簡易かつ確実にハイドレートを再ガス化させることができる。また、ハイドレートは周囲を水で覆われた状態で浮上するため、熱効率が高く、ハイドレートを効率的に分解させることが可能である。
また、本発明の第2の態様に係るハイドレート再ガス化装置の発明は、ハイドレートを浮上させながら分解する水貯留部と、前記水貯留部にハイドレートを供給するハイドレート供給手段と、ハイドレートの分解により生成したガスを回収するガス回収手段と、を備えていることを特徴とする。
この特徴によれば、ハイドレートを浮上させながら分解する水貯留部を備えているため、簡易かつ確実にハイドレートを再ガス化させることができる。ハイドレートの分解によって生成したガスはガス回収手段によって回収することができる。
また、本発明の第3の態様に係るハイドレート再ガス化装置の発明は、前記第2の態様において、前記ハイドレート供給手段が前記水貯留部の下方に配設されていることを特徴とする。
ハイドレート供給手段が水貯留部の下方に配設されていることにより、ハイドレートを水貯留部の水中に確実に供給することができる。これにより、ハイドレートを、水貯留部を浮上させつつ効率的に分解させることができる。
また、本発明の第4の態様に係るハイドレート再ガス化装置の発明は、前記第2の態様または前記第3の態様において、前記水貯留部が鉛直線に沿って配置された管路から構成されていることを特徴とする。
水貯留部が鉛直線に沿って配置された管路から構成されていることにより、水とハイドレートとの比重の違いにより、ハイドレートを確実に浮上させることができる。
本発明によれば、ハイドレートを効率的に分解、再ガス化することができ、当該ガスを確実に回収することができる。また、装置構成を簡易にすることができる。
本発明に係るハイドレート再ガス化方法は、水貯留部にハイドレートを導入し、このハイドレートを前記水貯留部を浮上させながら分解させてガス化させることを特徴とするものである。
ハイドレートは水分子で構成されるクラスター内にガス状のハイドレート形成物質(例えば、天然ガス、メタン、エタン、二酸化炭素など)が包接された構造の水和物である。ここでは、ハイドレート形成物質として、都市ガスに利用可能な天然ガスを例に挙げて説明する。
天然ガスハイドレートは、所定温度、所定圧力の条件下において天然ガスと水とを接触させることにより得ることができる。このハイドレートは保存性、ハンドリング性などの観点から粉末状、ペレット状、顆粒状、圧密ブロック状などに形成される。
ハイドレートを分解、再ガス化して得られる天然ガスを都市ガスとして利用する場合には、通例の都市ガスの設定圧である3.5MPa程度の高圧系下でハイドレートを分解し、高圧状態の天然ガス(製品ガス)として得る構成が好ましい。
以下ではハイドレートを前記都市ガスの設定圧である3.5MPa相当の高圧系下で分解し、高圧状態の天然ガスを得るのに好適な実施形態を例に挙げて説明するが、本発明は高圧系での実施に限定されるものではなく、大気圧相当の圧力下においても実施可能である。なお、本発明において「高圧系」とは、大気圧相当の圧力より高い圧力に調整された領域を示すものである。
図1は本発明の第1実施形態に係るハイドレート再ガス化装置101の説明に供する概略構成図である。
このハイドレート再ガス化装置101は、主要な構成として、ハイドレート41を貯蔵したハイドレートタンク11と、水貯留部12と、水貯留部12にハイドレート41を供給するハイドレート供給手段20と、ガス回収手段としてのラインL3を備えている。本実施形態に係るハイドレート再ガス化装置101は、図1に示す如く水貯留部12の下方にハイドレート供給手段20が配置された構成となっている。
ハイドレート41はハイドレートタンク11において大気圧程度の圧力下、天然ガス雰囲気、所定温度で貯蔵される。ハイドレートタンク11とハイドレート供給手段20とは、ラインL1を介して繋がっており、ハイドレート41を自重または図示しない駆動源を利用してハイドレート供給手段20に導入することができるようになっている。
ハイドレート供給手段20はハイドレートを充填する充填部21と、この充填部21にハイドレート41を導入する導入手段としてのラインL1と、水を排出する水排出手段としてのラインL2を備えている。充填部21はチューブ形状またはパイプ形状の管路から構成することができ、所定の耐圧性を有するものが好ましい。
充填部21の上部にはバルブ33、下部にはバルブ34が設けられており、バルブ33は充填部21と水貯留部12との間に設けられ、開閉によって充填部21と水貯留部12とを連通/遮断できるように構成されている。バルブ34は充填部21内の水をラインL2を介して系外に排出させる場合に開けられる。
本実施形態の水貯留部12は鉛直線に沿って配置されたチューブ形状またはパイプ形状の管路から構成することができ、所定の耐圧性を有するものが好ましい。水貯留部12には所定量の水が注入されており、液相領域と気相領域が形成されている。また、水貯留部12は水中をハイドレート41が浮上しながら分解するハイドレート分解部として機能する。
また、水貯留部12にはハイドレート41を分解させるのに要する熱を供給する熱供給手段13を設けることが好ましい。熱供給手段13はハイドレート41を分解させることができる熱量を水貯留部12に供給することができる構成であれば特に限定されるものではなく、例えば管路の外側に熱源が設けられた形態の熱供給装置や管路の内側に熱源が設けられた形態の熱供給装置などを利用可能であり、具体的には管路の外側に加熱用媒体を充満させた熱供給装置が好ましい。
水貯留部12の長さ、太さ(断面積)は、液面に到達するまでの間にハイドレート41を分解させることができる範囲で設定することができ、具体的には熱供給手段13からの熱供給量、水温、圧力、ハイドレートの粒径などによって適宜調整することができる。水貯留部12の断面形状は伝熱性、耐圧性の観点から円形状であることが好ましい。
また、水貯留部12には仕切りをつくる図示しない邪魔板(バッフルプレート)を設けることができる。邪魔板を設けることにより、水貯留部12を浮上するハイドレート41の水との接触時間を長くすることができ、それに伴ってより多くの熱量をハイドレート41に供給して効率的に分解させることができる。また、水貯留部12の長さを短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。邪魔板の構成は特に限定されないが、例えば水貯留部12の長手方向に対して所定の間隔で垂直方向に突出した板や、らせん板により構成することができる。
ハイドレート41は水貯留部12の水相中に供給されるため、その周囲を水で覆われた状態で水貯留部12を上昇する。そのため、水との接触面積が大きくハイドレート41に対して効率的に熱を供給することができ、もって分解を促進させることができる。
ハイドレート41の分解により生成した天然ガスは水中を浮上し、水貯留部12の上部に達する。水貯留部12の上部にはラインL3が設けられており、このラインL3を介して天然ガスが回収される。ラインL3には天然ガスの温度を調整する熱交換器18、天然ガスの圧力を調整する調圧バルブ37及び天然ガスを乾燥する脱湿機19が設けられている。脱湿機19を通過した天然ガスは高圧力状態の製品ガスとして利用、貯蔵される。なお、熱供給手段13を水貯留部12における気相領域(水面より上側の領域)まで設ける構成とすることにより、熱交換器18での温度調整に先立って天然ガスを予熱することが可能である。
また、水貯留部12には水補充手段としてのラインL4が設けられており、水貯留部12の水が少なくなった場合にバルブ35を開くことで補水できるように構成されている。
また、充填部21に残留した水はラインL2を介して系外に排出される。この際、充填部21は大気圧程度まで脱圧されるとともに、天然ガスによって満たされる。このような構成により充填部21などに空気が混入する虞がなく、製品ガスの汚染を回避することができる。そして、次のハイドレート41を導入させることができる状態となる。このように、ハイドレート41は充填部21が気体である天然ガスによって満たされている状態で導入される。
次に、ハイドレート再ガス化装置101を使用してハイドレートを再ガス化する際の動作について図1に沿って説明する。
バルブ32、33、34を閉じた状態でバルブ31を開いて、ハイドレートタンク11と充填部21とを同程度の圧力に調整する。このとき充填部21は天然ガスで満たされている。
バルブ32を開き、ラインL1を介して所定量のハイドレート41を充填部21に導入する。ハイドレート41を充填した後、バルブ31、32を閉じ、バルブ33を開いて充填部21と水貯留部12とを連通させ、水貯留部12から充填部21に水を導入する。これにより水貯留部12と充填部21によって、水で満たされた一体のハイドレート浮上経路が構成される。そして、ハイドレート41の分解が開始されるとともに、ハイドレート41が浮力によって水中を上昇し始め、浮上しつつ完全に分解して天然ガスと水とを生成する。
天然ガスは水中を浮上して水貯留部12の上部に達し、ラインL3を介して回収される。そして、熱交換器18において所定の温度に調整され、調圧バルブ37において所定の圧力に調整され、さらに脱湿機19において乾燥させられ、高圧状態の製品ガスとして回収される。
充填部21中のハイドレート41が浮上して水貯留部12に移行した後にバルブ33を閉め、バルブ34を開いて水を系外に放出させて充填部21を大気圧程度まで脱圧させる。さらに、バルブ31を開いて充填部21をハイドレートタンク11内のガス(ボイルオフガス。ハイドレート41の分解により生成したガスであり、ここでは天然ガスである。)で置換する。
ラインL2を介して充填部21から排出される水は、当該充填部21に導入されたハイドレート41の分解により生成される水量とほぼ同量である。従って、ハイドレート41の分解ガス化の度に水が水貯留部12に蓄積されることがほとんど無く、水貯留部12の水量(水位)をほぼ一定に保つことができる。
次に、図2に基づいて本発明の第2実施形態に係るハイドレート再ガス化装置102について説明する。図2はハイドレート再ガス化装置102の説明に供する概略構成図である。なお、第1実施形態に係るハイドレート再ガス化装置101と同じ構成については同一の符合を付して説明を省略する。
このハイドレート再ガス化装置102は、ハイドレート41を水貯留部120に供給するハイドレート供給手段20a、20b及びこれらのハイドレート供給手段20a、20bにハイドレート41を導入するラインL1a、L1bが、図2に示す如く2連式に構成されたものである。このような構成により、それぞれのハイドレート供給手段20a、20bを交互に駆動させてハイドレート41を水貯留部120に供給することにより、準連続的にハイドレート41の分解、再ガス化を実施することができる。なお、これらの構成については、前記した第1実施形態に係るハイドレート再ガス化装置101と同様であるので説明を省略する。
本実施形態における水貯留部120は、ハイドレート供給手段20a、20bの上方に配置されており、複数の管路24より構成されるシェルアンドチューブ型の構造となっている。各管路24はチューブ形状またはパイプ形状のものから構成することができ、所定の耐圧性を有するものが好ましい。管路24の本数は処理するハイドレートの量などにより適宜設定することが可能である。なお、水貯留部120には所定量の水が注入されており、液相領域と気相領域が形成される。
管路群の周囲には熱供給手段13としての加熱用媒体が充満しており、ハイドレート41の分解に要する熱を供給する。水貯留部120は水中をハイドレート41が浮上しながら分解するハイドレート分解部として機能する。
管路24の長さ、太さ(断面積)は、液面に到達するまでの間にハイドレート41を分解させることができる範囲で設定することができ、具体的には熱供給手段13からの熱供給量、水温、圧力、ハイドレートの粒径などによって適宜調整することができる。管路24の断面形状は伝熱性、耐圧性の観点から円形状であることが好ましい。
また、管路24には仕切りをつくる図示しない邪魔板(バッフルプレート)を設けることができる。邪魔板を設けることにより、管路24を浮上するハイドレート41と水との接触時間を長くすることができ、それに伴ってより多くの熱量をハイドレート41に供給して効率的に分解させることができる。また、水貯留部120の長さを短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。邪魔板の構成は特に限定されないが、例えば管路24の長手方向に対して所定の間隔で垂直方向に突出した板や、らせん板により構成することができる。
水貯留部120の下部には各管路24に連通した下部空間部121が構成されており、水で充満した下部空間部121にハイドレート供給手段20a、20bからハイドレート41が導入される。下部空間部121に導入されたハイドレート41は複数の管路24の全部または一部の中を浮上しつつ分解され、ガス化される。下部空間部121には導入されたハイドレート41が局在しないように各管路24に分散させる分散手段(図示せず)を設けることができる。
ハイドレート41は水貯留部120の水相中に供給されるため、その周囲を水で覆われた状態で水貯留部120を上昇する。そのため、水との接触面積が大きくハイドレート41に対して効率的に熱を供給することができ、もって分解を促進させることができる。
ハイドレート41の分解により生成した天然ガスは水中を浮上し、水貯留部120の上部空間部122に達する。上部空間部122にはラインL3が設けられており、このラインL3を介して天然ガスが回収される。
また、ハイドレート再ガス化装置102は、下部空間部121にある低温水を上部空間部122に循環させる水循環ラインL5を備えており、水貯留部120の温度勾配を緩和させている。なお、水循環ラインL5には循環ポンプP1が配置されており、水を送出させて循環させる。
また、水循環ラインL5からはラインL6が分枝しており、このラインL6には水位制御バルブ38が配設されている。水位制御バルブ38は水位検知手段39に連動して水貯留部120の水位を一定に保つように機能する。
次に、ハイドレート再ガス化装置102を使用してハイドレートを再ガス化する際の動作について図2に沿って説明する。なお、ここでは2連式のハイドレート供給手段20a、20bのうち、一方のハイドレート供給手段20aの動作についてのみ説明する。他方のハイドレート供給手段20bは、一方のハイドレート供給手段20aに対して所定時間遅らせて駆動させることができる。
バルブ32a、33a、34aを閉じた状態でバルブ31aを開いて、ハイドレートタンク11と充填部21aとを同程度の圧力に調整する。このとき充填部21aは天然ガスで満たされている。
三方バルブ30を介してハイドレートタンク11とラインL1aを繋ぎ、バルブ32aを開いて所定量のハイドレート41を充填部21aに導入する。ハイドレート41を充填した後、バルブ31a、32aを閉じ、バルブ33aを開いて充填部21aと水貯留部120とを連通させ、水貯留部120から充填部21aに水を導入する。これにより水貯留部120と充填部21aによって、水で満たされた一体のハイドレート浮上経路が構成される。そして、ハイドレート41の分解が開始されるとともに、ハイドレート41が浮力によって水中を上昇し始め、浮上しつつ完全に分解して天然ガスと水とを生成する。
天然ガスは水中を浮上して水貯留部120の上部空間部122に達し、ラインL3を介して回収される。そして、熱交換器18において所定の温度に調整され、調圧バルブ37において所定の圧力に調整され、さらに脱湿機19において乾燥させられ、高圧状態の製品ガスとして回収される。
充填部21a中のハイドレート41が水貯留部120に移行した後にバルブ33aを閉め、バルブ34aを開いて水を系外に放出させて充填部21aを大気圧程度まで脱圧させる。さらに、バルブ31aを開いて充填部21aをハイドレートタンク11内の天然ガスで置換する。
ラインL2を介して充填部21aから排出される水は、当該充填部21aに導入されたハイドレート41の分解により生成される水量とほぼ同量である。従って、ハイドレート41の分解ガス化の度に水が水貯留部120に蓄積されることがほとんど無く、水貯留部120の水量(水位)をほぼ一定に保つことができる。
本発明は天然ガスなどのハイドレート形成物質を包接したハイドレートを分解してガス化し、当該ガスを回収するハイドレート再ガス化装置に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係るハイドレート再ガス化装置を示す概略構成図である。
本発明の第2実施形態に係るハイドレート再ガス化装置を示す概略構成図である。
従来技術に係るハイドレート再ガス化装置を示す概略構成図である。
符号の説明
11 ハイドレートタンク
12、120 水貯留部
13 熱供給手段
18 熱交換器
19 脱湿機
20、20a、20b ハイドレート供給手段
21、21a、21b 充填部
24 管路
41 ハイドレート
101、102 ハイドレート再ガス化装置
121 下部空間部
122 上部空間部

Claims (4)

  1. 水貯留部にハイドレートを導入し、前記ハイドレートを前記水貯留部を浮上させながら分解させてガス化させることを特徴とする、ハイドレート再ガス化方法。
  2. ハイドレートを浮上させながら分解する水貯留部と、
    前記水貯留部にハイドレートを供給するハイドレート供給手段と、
    ハイドレートの分解により生成したガスを回収するガス回収手段と、を備えていることを特徴とする、ハイドレート再ガス化装置。
  3. 請求項2において、前記ハイドレート供給手段が前記水貯留部の下方に配設されていることを特徴とする、ハイドレート再ガス化装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記水貯留部が鉛直線に沿って配置された管路から構成されていることを特徴とする、ハイドレート再ガス化装置。
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