JP4634231B2 - 低温液化ガス貯蔵装置、これを有する動力発生装置及び移動体 - Google Patents

低温液化ガス貯蔵装置、これを有する動力発生装置及び移動体 Download PDF

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本発明は、天然ガス、プロパンガス、水素ガス等のガスを低温の液化ガスとして貯蔵する低温液化ガス貯蔵装置と、低温液化ガス貯蔵装置から取り出した燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置及び移動体に関するものである。
ガスを貯蔵する装置としては、ガスを冷却して液化した状態で貯蔵する、低温液化ガス貯蔵装置がある。
ガスは液化することによってその体積が著しく小さくなるので、低温液化ガス貯蔵装置では、同量のガスを気体のままで貯蔵するガス貯蔵装置に比べて小型で済む。
このため、低温液化ガス貯蔵装置は、ガスを運搬するタンカーの貯蔵タンクや、内燃機関や蒸気タービン、燃料電池等の動力発生装置の燃料貯蔵装置や、タンカーや自動車等の移動体の燃料貯蔵装置として好適に用いられる。
低温液化ガス貯蔵装置では、低温液化ガスを長期間貯蔵していると、貯蔵している低温液化ガスの一部が装置外部から流入した熱を受けて気化するため、内圧が次第に上昇する(この気化したガスを一般的にボイルオフガスと呼ぶ)。
このため、低温液化ガス貯蔵装置では、その内圧が適正範囲内に保たれるよう、余剰のボイルオフガスを装置外に排出するか、再液化装置によって再び低温液化ガスに変換して再び装置内に貯蔵するようにしている。
この余剰のボイルオフガスを大気中に放出した場合には、純粋にガスの損失となる。また、再液化装置を用いて余剰のボイルオフガスを再液化する場合には、設備が大型化し、運用コストが増大する。
ここで、燃料ガスを運搬するタンカー等では、余剰のボイルオフガスを動力源の燃料として利用することもできる。しかし、ボイルオフガスの単位時間当たりの発生量はほぼ一定であるのに対して、タンカーの動力源の燃料ガスの消費量は、タンカーの運行状態によって大きく変動するので、余剰ボイルオフガスの需要と供給とが乖離しやすく、余剰ボイルオフガスを適正に処理することは困難であった。
そこで、後記の特許文献1記載の液化天然ガス貯蔵装置では、天然ガスを吸着する吸着材を設けて、この吸着材に余剰のボイルオフガスを吸着させて回収している。
特開平11−351498号公報
しかし、吸着材は、自身の重量の数%程度しかガスを吸着することができない。このため、全ての余剰ボイルオフガスを吸着するためには大量の吸着材を用いる必要があり、装置が大型化して、コストが増大してしまう。
また、一般的に、低温液化ガスは、低温のまま利用されるのではなく、常温程度まで加熱されたのちに使用される。例えば、燃料電池では、内部で発生する水分が凍ると装置が損傷するため、ヒータ等によって水分の凍結が生じない程度の温度まで燃料ガスが加熱される。このため、燃料ガスを液化させるために燃料ガスに付与された冷熱が有効利用されずにそのまま捨てられてしまい、エネルギー効率が悪い。
また、燃料ガスを運搬するタンカーでは、液化燃料ガスの陸揚げ時には、貯蔵タンクからの液化燃料ガスを取り出すことによる内圧の減少によって貯蔵タンクが内外の圧力差によって潰れてしまうことがないよう、液化燃料ガスと入れ替えに、内圧保持用のガスを陸揚げ先からもらう必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、低コストでボイルオフガスを有効利用することが可能な液化燃料ガス貯蔵装置、これを有する動力発生装置及び移動体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、低温液化ガスを貯蔵する貯蔵容器と、該貯蔵容器内とその周囲との間を断熱する断熱構造と、前記貯蔵容器内または前記断熱構造内に設けられて内部に前記貯蔵容器内の空間とは隔離された空間を形成する吸着材収納容器と、前記吸着材収納容器内に設けられた炭素系吸着材と、前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間でのガスの流通を制御するガス流通制御装置と、を備え、前記貯蔵容器内から前記低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、前記吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して前記炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を前記炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたことを特徴とする低温液化ガス貯蔵装置を提供する。
一般に、ガスの吸着に用いられる吸着材は、周辺雰囲気の圧力が高いほど、ガスの吸着量が多くなることが知られている。
本件発明者らは、実験の結果、活性炭やCNT(カーボンナノチューブ)等の炭素系吸着材は、上記の性質に加えて、温度変化に対するガスの吸着量(ガスの保持量)の変化が大きく、温度が低くなるにつれてより多くのガスを吸着する性質を有しており、特に、吸着材として一般的に利用される温度範囲(常温付近)よりも低温の状態では、ガスの吸着量が、従来の吸着材の吸着量をはるかに上回る、ということを発見した。このことは、言い換えれば、炭素系吸着材は、温度が上昇するにつれてガスの吸着量が急激に減少し、吸着していたガスを速やかに放出する性質を有しているということでもある。本発明は、このような新規な発見に基づいてなされたものである。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器内または断熱構造内に設けられた吸着材収納容器内に炭素系吸着材が設けられている。すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材は、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスが貯蔵される空間とは隔離されている。なお、吸着材収納容器を貯蔵容器内に設置する場合には、貯蔵容器内での吸着材収納容器の設置位置は任意であって、アレッジ部に限らず、低温液化ガスが貯蔵される領域に設置してもよい。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスが有する冷熱が、熱伝達装置によって炭素系吸着材に伝達されるようになっている。このため、貯蔵容器内に低温液化ガスが貯蔵されている状態では、炭素系吸着材は極低温に保たれて、炭素系吸着材のガスの吸着能力が増大する。
ここで、熱伝達装置は、例えば、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスと炭素系吸着材との間で熱交換を行う熱交換器によって構成することができる。また、吸着材収納容器を貯蔵容器内に設置する場合には、吸着材収納容器を熱伝導体によって構成することで、この吸着材収納容器自体を熱伝達装置とすることができる。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器内に低温液化ガスを貯蔵するにあたって、ガス流通制御装置によって貯蔵容器内と吸着材収納容器内との間でのガスの流通を規制した状態で、貯蔵容器に低温液化ガスを供給する。これにより、吸着材収納容器内の炭素系吸着材は、貯蔵容器内に供給されたガスを吸着していない状態のまま、熱伝達装置によって貯蔵容器内の冷熱(低温液化ガスやボイルオフガスの冷熱)が伝達されて、極低温に保たれる。すなわち、この状態では、炭素系吸着材は、ガスの吸着可能量が最大限確保されている。
この状態で、貯蔵容器内のボイルオフガスが増加して貯蔵容器の内圧が上昇した場合には、ガス流通制御装置によって貯蔵容器内から吸着材収納容器内へのボイルオフガスの流通を許容することで、余剰ボイルオフガスが炭素系吸着材に吸着されて、貯蔵容器の内圧上昇が防止される。この低温液化ガス貯蔵装置では、前記のように、余剰ボイルオフガスの吸着を開始した時点では炭素系吸着材のガス吸着可能量が最大限確保されているので、貯蔵容器の内圧抑制能力が高い。
ここで、ガス流通制御装置は、例えば、吸着材収納容器内と貯蔵容器内とを接続する接続配管と、この接続配管を通じた気体の流通を制御する自動弁と、この自動弁の動作を制御する制御装置とを有する構成とすることができる。
一方、貯蔵容器内から低温液化ガスまたはボイルオフガスが取り出されると、貯蔵容器の内圧が低下する。このときにガス流通制御装置によって吸着材収納容器と貯蔵容器との間でのガスの流通を許容することで、貯蔵容器の内圧が低下すると、吸着材収納容器内のボイルオフガスが貯蔵容器内に流入し、貯蔵容器の内圧低下が抑制される。
この状態からさらに低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しが行われて、貯蔵容器及び吸着材収納容器の内圧が低下すると、炭素系吸着材のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材からガスが放出されるので、貯蔵容器及び吸着材収納容器の内圧低下が抑制される。すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置では、低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しの際に、内圧維持のために貯蔵容器内にガスを供給する必要がないか、もしくはガスの供給量がわずかで済む。
また、低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しが進行するにつれて、炭素系吸着材が吸着したガスが放出されるので、貯蔵容器内に供給したガスを有効利用することができる。
このように、この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器の内圧変化に伴って炭素系吸着材によるガスの吸着や放出が行われる。そして、この低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材によるガスの吸着量及び放出量が大きいので、装置全体を大型化することなく、貯蔵容器の内圧を適正に保つことができる。
また、この低温液化ガス貯蔵装置では、断熱構造を有する貯蔵容器内、もしくは断熱構造内に炭素系吸着材が設けられているので、炭素系吸着材を極低温に保つための断熱構造を新たに設ける必要がないので、装置全体を小型とすることができる。
特に、吸着材収納容器を貯蔵容器内に設けた場合には、貯蔵容器内の空間を有効利用することができ、装置全体をより小型とすることができる。
さらに、貯蔵容器から低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、前記吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたため、貯蔵容器から取り出される低温液化ガスまたはボイルオフガスの冷熱(すなわち貯蔵容器の後段で捨てられる冷熱)を利用して炭素系吸着材の冷却が行われるので、低温液化ガスまたはボイルオフガスの冷熱を有効利用することができる。
また、本発明は、低温液化ガスを貯蔵する貯蔵容器と、該貯蔵容器内とその周囲との間を断熱する断熱構造と、前記貯蔵容器外に設けられた断熱容器と、前記断熱容器内に設けられた炭素系吸着材と、前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を制御するガス流通制御装置と、を備え、前記貯蔵容器内から前記低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、前記吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して前記炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を前記炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたことを特徴とする低温液化ガス貯蔵装置を提供する。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器とは独立した断熱容器内に炭素系吸着材が設けられている。すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材は、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスが貯蔵される空間とは隔離されている。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスが有する冷熱が、熱伝達装置によって炭素系吸着材に伝達されるようになっている。このため、貯蔵容器内に低温液化ガスが貯蔵されている状態では、炭素系吸着材は極低温に保たれて、炭素系吸着材のガスの吸着能力が増大する。
ここで、熱伝達装置は、例えば、貯蔵容器内の低温液化ガスやボイルオフガスと炭素系吸着材との間で熱交換を行う熱交換器によって構成することができる。
この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器内に低温液化ガスを貯蔵するにあたって、ガス流通制御装置によって貯蔵容器内と断熱容器内との間でのガスの流通を規制した状態で、貯蔵容器に低温液化ガスを供給する。これにより、断熱容器内の炭素系吸着材は、貯蔵容器内に供給されたガスを吸着していない状態のまま、熱伝達装置によって貯蔵容器内の冷熱(低温液化ガスやボイルオフガスの冷熱)が伝達されて、極低温に保たれる。すなわち、この状態では、炭素系吸着材は、ガスの吸着可能量が最大限確保されている。
この状態で、貯蔵容器内のボイルオフガスが増加して貯蔵容器の内圧が上昇した場合には、ガス流通制御装置によって貯蔵容器内から断熱容器内へのボイルオフガスの流通を許容することで、余剰ボイルオフガスが炭素系吸着材に吸着されて、貯蔵容器の内圧上昇が防止される。この低温液化ガス貯蔵装置では、前記のように、余剰ボイルオフガスの吸着を開始した時点では炭素系吸着材のガス吸着可能量が最大限確保されているので、貯蔵容器の内圧抑制能力が高い。
ここで、ガス流通制御装置は、例えば、断熱容器内と貯蔵容器内とを接続する接続配管と、この接続配管を通じた気体の流通を制御する自動弁と、この自動弁の動作を制御する制御装置とを有する構成とすることができる。
一方、貯蔵容器内から低温液化ガスまたはボイルオフガスが取り出されると、貯蔵容器の内圧が低下する。このときにガス流通制御装置によって断熱容器と貯蔵容器との間でのガスの流通を許容することで、貯蔵容器の内圧が低下すると、断熱容器内のボイルオフガスが貯蔵容器内に流入し、貯蔵容器の内圧低下が抑制される。
この状態からさらに低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しが行われて、貯蔵容器及び断熱容器の内圧が低下すると、炭素系吸着材のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材からガスが放出されるので、貯蔵容器及び断熱容器の内圧低下が抑制される。すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置では、低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しの際に、内圧維持のために貯蔵容器内にガスを供給する必要がないか、もしくはガスの供給量がわずかで済む。
また、低温液化ガスまたはボイルオフガスの取り出しが進行するにつれて、炭素系吸着材が吸着したガスが放出されるので、貯蔵容器内に供給したガスを有効利用することができる。
このように、この低温液化ガス貯蔵装置では、貯蔵容器の内圧変化に伴って炭素系吸着材によるガスの吸着や放出が行われる。そして、この低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材によるガスの吸着量及び放出量が大きいので、装置全体を大型化することなく、貯蔵容器の内圧を適正に保つことができる。
さらに、貯蔵容器から低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたため、貯蔵容器から取り出される低温液化ガスまたはボイルオフガスの冷熱(すなわち貯蔵容器の後段で捨てられる冷熱)を利用して炭素系吸着材の冷却が行われるので、低温液化ガスまたはボイルオフガスの冷熱を有効利用することができる。
上記の各低温液化ガス貯蔵装置は、前記炭素系吸着材を加熱する加熱装置を有していてもよい。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置では、加熱装置によって炭素系吸着材を加熱することで、炭素系吸着材のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材からガスが放出される。すなわち、この構成では、貯蔵容器や吸着材収納容器の内圧や雰囲気温度によらずに、炭素系吸着材のガス吸着能力を自在に調整することができるので、ボイルオフガスの効率的な利用や、貯蔵容器、または貯蔵容器及び吸着材収納容器の内圧制御が容易である。
このように加熱装置を設けた構成の低温液化ガス貯蔵装置において、前記炭素系吸着材が複数設けられ、前記加熱装置が、前記各炭素系吸着材を個別に加熱可能な構成とされていてもよい。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置では、複数の炭素系吸着材の一部についてのみ、加熱装置による加熱を行うことができる。
このため、この低温液化ガス貯蔵装置では、一部の炭素系吸着材からのみガスを放出させることができ、炭素吸着材によるガスの吸着量の制御をより細かく行うことができる。
これら各炭素系吸着材に、大きさの異なる炭素系吸着材が含まれていてもよい。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材として、大きさの異なる炭素系吸着材が用いられている。
大型の炭素系吸着材は、体積が大きいためにガスの吸着量が多く、また熱容量が大きくて温度変化が生じにくいので、安定したガス吸着性能を発揮する。
一方、小型の炭素系吸着材は、熱容量が小さくて温度変化が生じやすいので、加熱を開始すると速やかに温度が上昇してガスを放出し、加熱を停止すると速やかに冷却されてガス吸着能力が速やかに回復する。
すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置では、小型の炭素系吸着材の加熱または加熱停止を行うことで、余剰ボイルオフガスの出し入れを速やかに行うことができ、貯蔵容器の内圧やボイルオフガスの供給量を速やかに制御することができる。
上記各低温液化ガス貯蔵装置において、前記炭素系吸着材に接触または近接して蓄冷材が配置されていてもよい。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置では、炭素系吸着材と蓄冷材との間で熱のやり取りが行われるので、炭素系吸着材に温度変化が生じにくくなる。
このため、炭素系吸着材が一旦冷却されると、炭素系吸着材の温度が低温に維持されるので、炭素系吸着材の吸着能力が高水準に維持される。
この蓄冷材としては、炭素系吸着材の冷却を効果的に行うことができるよう、炭素系吸着材の使用温度範囲、例えば常温から低温液化ガスの温度までの温度範囲内での蓄冷能力に優れた材質(例えば鉛等)を用いることが好ましい。
また、蓄冷材の配置は任意であって、例えば炭素系吸着材中に分散させたり、炭素系吸着材と交互に積層してもよい。
ここで、蓄冷材の熱容量は、低温液化ガス貯蔵装置の用途に応じて適切に設定される。
例えば、炭素系吸着材のガス吸着能力を高水準で安定させたい場合には、炭素系吸着材の温度変化が極力抑えられるよう、蓄冷材の熱容量を大きく設定する。また、炭素系吸着材の保冷効果を一定程度確保しつつ吸着量の細かい制御を行いたい場合には、炭素系吸着材の温度変化が比較的生じやすくなるよう、蓄冷材の熱容量を小さく設定する。
本発明は、燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置であって、前記燃料ガスを貯蔵する装置として、請求項1からのいずれかに記載の低温液化ガス貯蔵装置を用いた動力発生装置を提供する。
このように構成される動力発生装置では、装置全体を大型化することなく、貯蔵容器の内圧を適正に保つことができる。
本発明は、燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置を有する移動体であって、前記燃料ガスを貯蔵する装置として、請求項1からのいずれかに記載の低温液化ガス貯蔵装置を用いた移動体を提供する。
このように構成される移動体では、装置全体を大型化することなく、貯蔵容器の内圧を適正に保つことができる。
本発明は、燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置を有する移動体であって、請求項またはに記載の低温液化ガス貯蔵装置と、該低温液化ガス貯蔵装置の前記吸着材収納容器内または前記断熱容器内の燃料ガスを前記動力発生装置に供給するボイルオフガス供給装置とを有しており、前記低温液化ガス貯蔵装置の前記ガス流通制御装置が、前記移動体の動作時には、前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間、または前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を規制し、前記移動体の停止時には、前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間、または前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を許容する構成とされた移動体を提供する。
このように構成される移動体では、移動体の動作時には、ガス流通制御装置が貯蔵容器内と吸着材収納容器内との間(もしくは貯蔵容器内と断熱容器内との間)でのガスの流通を規制する。
これにより、移動体の動作時には、炭素系吸着材による燃料ガスの吸着が行われずに、燃料ガスが動力発生装置に十分に供給されるので、動力発生装置の性能を十分に発揮することができる。このとき、炭素系吸着材は、熱伝達装置によって燃料ガスの冷熱を供給されて極低温に保たれるので、炭素系吸着材のガスの吸着可能量が最大限に確保される。
なお、移動体の動作時には、必要に応じて、ボイルオフガス供給装置を動作させて、低温液化ガス貯蔵装置の吸着材収納容器内または断熱容器内の燃料ガスを動力発生装置に供給してもよい。
そして、移動体の停止時には、ガス流通制御装置が貯蔵容器内と吸着材収納容器内との間(もしくは貯蔵容器内と断熱容器内との間)でのガスの流通を許容する。
これにより、移動体の停止中に発生したボイルオフガスが炭素系吸着材に効果的に吸収され、貯蔵容器の内圧が適正範囲内に保たれる。前記のように、炭素系吸着材は、移動体の動作時に十分に冷却されてガスの吸着可能量が最大限に確保されているので、ボイルオフガスの吸着を良好に行うことができる。
そして、再び移動体を動作させた際には、ガス流通制御装置が貯蔵容器内と吸着材収納容器内との間(もしくは貯蔵容器内と断熱容器内との間)でのガスの流通を規制する。
この状態で、ボイルオフガス供給装置を動作させて、低温液化ガス貯蔵装置の吸着材収納容器内または断熱容器内の燃料ガスを動力発生装置に供給することで、移動体の停止中に発生したボイルオフガスを有効利用することができる。
本発明に係る低温液化ガス貯蔵装置、動力発生装置、及び移動体によれば、低コストでボイルオフガスを有効利用することが可能である。
以下に、本発明に係る変形例および実施形態について、図面を参照して説明する。
第一変形例
まず、本発明の第一変形例について、図1及び図2を用いて説明する。
変形例では、本発明を、LNG(液化天然ガス)、LNG(液化天然ガス)、LH2(液体水素)等の低温液化ガスを貯蔵する、低温液化ガス貯蔵装置に適用した例を説明する。このような低温液化ガス貯蔵装置は、低温液化ガスを運搬するタンカー等のガス貯蔵装置や、燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置や移動体(自動車やタンカー等)の燃料タンクとして用いられる。
図1に示すように、本変形例に係る低温液化ガス貯蔵装置10は、低温液化ガスを貯蔵する貯蔵容器11と、貯蔵容器11内とその周囲との間を断熱する断熱構造12と、貯蔵容器11内のアレッジ部11a(貯蔵容器11上部のボイルオフガスが貯蔵される領域)に設けられた炭素系吸着材13とを有している。
貯蔵容器11には、その内部の底面近傍部分から貯蔵容器11外まで引き出される主配管16と、アレッジ部11aから貯蔵容器11外まで引き出されるガス供給配管17とが設けられている。
主配管16及びガス供給管17の後段には、例えば動力発生装置が設けられており、貯蔵容器11内からこれら配管を通じてそれぞれ低温液化ガスF、ボイルオフガスGが供給されるようになっている。また、ガス供給配管17には、ガス供給配管17内での気体の流通を制御するバルブ18が設けられており、必要なときのみ、ガス供給管17の後段に接続される装置にボイルオフガスGの供給の制御を行うことができるようになっている。
断熱構造12としては、例えば、外殻と内殻(本実施形態では貯蔵容器11に相当)との間を真空にした真空断熱構造や、断熱材を貯蔵容器11の周囲に張り巡らした構造等を採用することができる。
炭素系吸着材13としては、例えば、活性炭やCNTを用いることができる。
炭素系吸着材13は、一般な吸着材と同様に、周辺雰囲気の圧力が高いほど、ガスの吸着量が多くなるという性質を有している。
さらに、本件発明者らは、実験の結果、炭素系吸着材13は、上記の性質に加えて、図2のグラフに示すように、温度変化に対するガスの吸着量の変化が大きく、温度が低くなるにつれてより多くのガスを吸着する性質を有していることを発見した。特に、吸着材として一般的に利用される温度範囲(常温付近)よりも低温の状態では、炭素系吸着材13は、ガスの吸着量が、従来の吸着材の吸着量をはるかに上回る、10重量%程度に達するということが分かった。
言い換えれば、炭素系吸着材13は、温度が上昇するにつれてガスの吸着量が急激に減少し、吸着していたガスを速やかに放出する性質を有しているということでもある。
この低温液化ガス貯蔵装置10では、貯蔵容器11のアレッジ部11aに炭素系吸着材13が設置されている。このため、貯蔵容器11内に低温液化ガスFが貯蔵されている状態では、炭素系吸着材13が極低温のボイルオフガスGによって冷却されて、極低温に保たれることになり、炭素系吸着材13が大量のボイルオフガスGを吸着する。
この状態で、貯蔵容器11内のボイルオフガスGが増加して貯蔵容器11の内圧が上昇すると、炭素系吸着材13がさらに多くのボイルオフガスGを吸着するので、貯蔵容器11内の内圧の上昇が抑制される。
一方、貯蔵容器11内から低温液化ガスFまたはボイルオフガスGが取り出されると、貯蔵容器11の内圧が低下する。このように貯蔵容器11の内圧が低下すると、炭素系吸着材13のガス吸着能力が低下して、貯蔵容器11内にボイルオフガスGが放出されるので、炭素系吸着材11の吸着したボイルオフガスGを取り出して有効利用することができる。
また、このように貯蔵容器11の内圧の低下に伴って炭素系吸着材13がボイルオフガスGを放出するので、貯蔵容器11内の内圧低下が抑制されることとなり、内圧維持のために貯蔵容器11内にガスを供給する必要がないか、もしくはガスの供給量がわずかで済む。
このように、この低温液化ガス貯蔵装置10では、貯蔵容器11の内圧変化に伴って炭素系吸着材13によるボイルオフガスGの吸着や放出が行われる。そして、この低温液化ガス貯蔵装置10では、炭素系吸着材13によるボイルオフガスGの吸着量及び放出量が大きいので、炭素系吸着材13の使用量を低減することができ、低コストであるとともに、装置全体を大型化することなく、貯蔵容器11の内圧を適正に保つことができる。
また、この低温液化ガス貯蔵装置10では、断熱構造12を有する貯蔵容器11内に炭素系吸着材13が設けられているので、貯蔵容器11内の空間を有効利用することができるとともに、炭素系吸着材13を極低温に保つための断熱構造を新たに設ける必要がないので、装置全体を小型とすることができる。
第二変形例
次に、本発明の第二変形例について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、本変形例に係る低温液化ガス貯蔵装置20は、前記第一変形例で示した低温液化ガス貯蔵装置10において、貯蔵容器11内に吸着材収納容器21を設置し、この吸着材収納容器21内に炭素系吸着材13を設置し、貯蔵容器11内と吸着材収納容器21内との間でのガスの流通を制御するガス流通制御装置22を設け、貯蔵容器11内の冷熱を炭素系吸着材13に伝達する熱伝達装置を設けたことを主たる特徴とするものである。また、この低温液化ガス貯蔵装置20には、炭素系吸着材13を加熱する加熱装置23が設けられている。
以下、前記第一変形例に示す低温液化ガス貯蔵装置10と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
吸着材収納容器21は、貯蔵容器11内の空間とは隔離された空間を形成するものであり、内部に収納された炭素系吸着材13を、貯蔵容器11内の低温液化ガスFやボイルオフガスGと隔離するものである。
変形例では、吸着材収納容器21は、金属等の熱伝導体によって構成されており、吸着材収納容器21自体が、貯蔵容器11内の冷熱を炭素系吸着材13に伝達する熱伝達装置を兼ねている。
また、吸着材収納容器21は、アレッジ部11aに設けられており、ボイルオフガスGの有する冷熱によって炭素系吸着材13が冷却されるようになっている。
ここで、貯蔵容器11内での吸着材収納容器21の設置位置は任意であって、低温液化ガスFが貯蔵される領域に設置して、低温液化ガスFの有する冷熱によって炭素系吸着材13が冷却されるようにしてもよい。
ガス流通制御装置22は、吸着材収納容器21内と貯蔵容器11内とを接続する接続配管26と、この接続配管26を通じた気体の流通を制御する自動弁27と、この自動弁27の動作を制御する制御装置28とを有している。
また、貯蔵容器11には、アレッジ部11aからボイルオフガスGを貯蔵容器11外に取り出すガス供給配管17aが設けられている。このガス供給配管17aには、アレッジ部11aからボイルオフガスGを取り込んで加圧するポンプ29が設けられており、これによってガス供給配管17aの後段には、高圧のボイルオフガスGが供給されるようになっている。本実施形態では、ガス供給配管17aは、ガス供給配管17においてバルブ18よりも後段側の部位に接続されており、これによって、貯蔵容器11内のボイルオフガスGの圧力が低い場合にも、後段の装置(例えば動力発生装置)に十分な供給圧力でボイルオフガスGを供給することができるようになっている。
加熱装置23は、例えばコイルヒータや、低温液化ガス貯蔵装置20の周辺雰囲気や周辺装置と吸着材収納容器21内の雰囲気または炭素系吸着材13との間での熱交換を行う熱交換器等によって構成することができる。本実施形態では、加熱装置23は、制御装置28によって動作を制御されるようになっている。
この低温液化ガス貯蔵装置20では、貯蔵容器11内に低温液化ガスGを貯蔵するにあたって、ガス流通制御装置22によって貯蔵容器11内と吸着材収納容器21内との間でのボイルオフガスGの流通を規制した状態で、貯蔵容器11内に低温液化ガスGを供給する。これにより、吸着材収納容器21内の炭素系吸着材13は、貯蔵容器11内に供給されたガスを吸着していない状態のまま、吸着材収納容器21を介して貯蔵容器11内の冷熱(低温液化ガスFやボイルオフガスGの冷熱)が伝達されて、極低温に保たれる。すなわち、この状態では、炭素系吸着材13は、ガスの吸着可能量が最大限確保されている。
この状態で、貯蔵容器11内のボイルオフガスGが増加して貯蔵容器11の内圧が上昇した場合には、ガス流通制御装置22によって貯蔵容器11内から吸着材収納容器21内へのボイルオフガスGの流通を許容することで、余剰ボイルオフガスGが炭素系吸着材13に吸着されて、貯蔵容器11の内圧上昇が防止される。
この低温液化ガス貯蔵装置20では、前記のように、余剰ボイルオフガスGの吸着を開始した時点では炭素系吸着材13のガス吸着可能量が最大限確保されているので、貯蔵容器11の内圧抑制能力が高い。
一方、貯蔵容器11内から低温液化ガスFまたはボイルオフガスGが取り出されると、貯蔵容器11の内圧が低下する。このときにガス流通制御装置22によって吸着材収納容器21と貯蔵容器11との間でのガスの流通を許容することで、貯蔵容器11の内圧が低下すると、吸着材収納容器21内のボイルオフガスGが貯蔵容器内に流入し、貯蔵容器11の内圧低下が抑制される。
この状態からさらに低温液化ガスFまたはボイルオフガスGの取り出しが行われて、貯蔵容器11及び吸着材収納容器21の内圧が低下すると、炭素系吸着材13のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材13からボイルオフガスGが放出されるので、貯蔵容器11及び吸着材収納容器21の内圧低下が抑制される。
すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置20では、低温液化ガスFまたはボイルオフガスGの取り出しの際に、内圧維持のために貯蔵容器11内にガスを供給する必要がないか、もしくはガスの供給量がわずかで済む。
また、低温液化ガスFまたはボイルオフガスGの取り出しが進行するにつれて、炭素系吸着材13が吸着したガスが放出されるので、貯蔵容器11内に供給したガスを有効利用することができる。
さらに、この低温液化ガス貯蔵装置20には、炭素系吸着材13を加熱する加熱装置23が設けられており、この加熱装置23によって炭素系吸着材13を加熱することで、炭素系吸着材13のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材13からガスが放出される。
すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置20では、貯蔵容器11や吸着材収納容器21の内圧や雰囲気温度によらずに、炭素系吸着材13のガス吸着能力を自在に調整することができるので、ボイルオフガスGの効率的な利用や、貯蔵容器11、または貯蔵容器11及び吸着材収納容器21の内圧制御が容易である。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置30は、第二変形例で示した低温液化ガス貯蔵装置20において、貯蔵容器11の底面近傍部分から低温液化ガスFを貯蔵容器11外に取り出す主配管16の一部を吸着材収納容器21内に挿通して、炭素系吸着材13に接触または近接させたことを主たる特徴とするものである。
なお、吸着材収納容器21の壁面において主配管16が挿通される部位では、壁面と主配管16の外周面とが密着させられており、これによって吸着材収納容器21の気密が保たれている。
以下、第二変形例に示す低温液化ガス貯蔵装置20と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
この低温液化ガス貯蔵装置30では、主配管16が、貯蔵容器11内から取り出される低温液化ガスFの冷熱を炭素系吸着材13に伝達する熱伝達装置として機能するようになっている。本実施形態では、主配管16において吸着材収納容器21内に挿通される部位は蛇行させられており、これによって吸着材収納容器21内の雰囲気との接触面積が十分確保されていて、冷熱の伝達を十分に行うことができるようになっている。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置30では、主配管16を通じて貯蔵容器11から取り出される低温液化ガスGの冷熱(すなわち貯蔵容器11の後段で捨てられる冷熱)を利用して炭素系吸着材13の冷却が行われるので、低温液化ガスGの冷熱を有効利用することができる。
なお、本実施形態において、主配管16において吸着材収納容器21内に挿通される部位を蛇行させる代わりに、この部位に主配管16の内外との間での熱交換を行う熱交換器を設けてもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図5を用いて説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置40は、第実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置30において、吸着材収納容器21を、貯蔵容器11内ではなく、断熱構造12内に設けたことを主たる特徴とするものである。
このような低温液化ガス貯蔵装置40においても、第実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置30と同様の効果を得ることができる。
ここで、本実施の形態の特徴的な構成は、第実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置30に限らず、第二変形例で示した低温液化ガス貯蔵装置20に適用してもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図6を用いて説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置50は、第実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置30において、吸着材収納容器21の代わりに、貯蔵容器11外に設けられた断熱容器51を用いたことを主たる特徴とするものである。
すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置50は、貯蔵容器11外に設けられて内部が周辺雰囲気とは断熱された断熱容器51内に炭素系吸着材13が設置され、ガス流通制御装置22の接続配管26が断熱容器51内と貯蔵容器11内とを接続する構成とされ、断熱容器51内に熱伝達装置を兼ねる主配管16が挿通されている。
さらに、断熱容器51には、断熱容器51内とガス供給配管17においてバルブ18よりも後段の部位とを接続するガス供給配管57が設けられており、このガス供給配管57には、ガス供給配管57を通じたガスの流通を制御するバルブ58が設けられている。
このバルブ58の動作は、ガス流通制御装置22の制御装置28によって制御されるようになっている。
この低温液化ガス貯蔵装置50においても、貯蔵容器11内の低温液化ガスFが有する冷熱が、主配管16が構成する熱伝達装置によって炭素系吸着材13に伝達されるようになっている。このため、貯蔵容器11内に低温液化ガスFが貯蔵されている状態では、炭素系吸着材13は極低温に保たれて、炭素系吸着材13のガスの吸着能力が増大する。
この低温液化ガス貯蔵装置50では、貯蔵容器11内に低温液化ガスFを貯蔵するにあたって、ガス流通制御装置22によって貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を規制した状態で、貯蔵容器11に低温液化ガスFを供給する。これにより、断熱容器51内の炭素系吸着材13は、貯蔵容器11内に供給されたガスを吸着していない状態のまま、熱伝達装置を構成する主配管16を介して貯蔵容器11内の冷熱(低温液化ガスFの冷熱)が伝達されて、極低温に保たれる。すなわち、この状態では、炭素系吸着材13は、ガスの吸着可能量が最大限確保されている。
この状態で、貯蔵容器11内のボイルオフガスGが増加して貯蔵容器11の内圧が上昇した場合には、ガス流通制御装置22によって貯蔵容器11内から断熱容器51内へのボイルオフガスGの流通を許容することで、余剰ボイルオフガスGが炭素系吸着材13に吸着されて、貯蔵容器11の内圧上昇が防止される。この低温液化ガス貯蔵装置50では、前記のように、余剰ボイルオフガスGの吸着を開始した時点では炭素系吸着材13のガス吸着可能量が最大限確保されているので、貯蔵容器11の内圧抑制能力が高い。
一方、貯蔵容器11内から低温液化ガスFまたはボイルオフガスGが取り出されると、貯蔵容器11の内圧が低下する。このときにガス流通制御装置22によって断熱容器51と貯蔵容器11との間でのガスの流通を許容することで、貯蔵容器11の内圧が低下すると、断熱容器51内のボイルオフガスGが貯蔵容器内に流入し、貯蔵容器11の内圧低下が抑制される。
この状態からさらに低温液化ガスFまたはボイルオフガスGの取り出しが行われて、貯蔵容器11及び断熱容器51の内圧が低下すると、炭素系吸着材13のガス吸着能力が低下して、炭素系吸着材13からガスが放出されるので、貯蔵容器11及び断熱容器51の内圧低下が抑制される。
また、低温液化ガスFまたはボイルオフガスGの取り出しが進行するにつれて、炭素系吸着材13が吸着したガスが放出されるので、貯蔵容器11内に供給したガスを有効利用することができる。
また、この低温液化ガス貯蔵装置50では、自動弁27を閉塞して断熱容器51内と貯蔵容器11内との間でのガスの流通を規制し、バルブ58を開放した状態で、炭素系吸着材13からボイルオフガスGを放出させることで、炭素系吸着材13から動力発生装置に直接ボイルオフガスGを供給することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置60は、上記各変形例および実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置において、炭素系吸着材13を、複数の炭素系吸着材によって構成し、加熱装置を、これら炭素系吸着材を個別に加熱可能な構成としたことを主たる特徴とするものである。
本実施形態では、炭素系吸着材として、それぞれ大きさの異なる炭素系吸着材13a,13b,13c,…によって構成し、加熱装置として、各炭素系吸着材に接触または近接させて、ヒータ61a,61b,61c,…を設けている。これらヒータは、それぞれ制御装置28によって個別に動作が制御されるようになっている。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置60では、複数の炭素系吸着材13の一部についてのみ、加熱装置による加熱を行うことができる。
このため、この低温液化ガス貯蔵装置60では、一部の炭素系吸着材13からのみガスを放出させることができ、炭素吸着材13によるガスの吸着量の制御をより細かく行うことができる。
例えば、大型の炭素系吸着材13は、体積が大きいためにガスの吸着量が多く、また熱容量が大きくて温度変化が生じにくいので、安定したガス吸着性能を発揮する。
一方、小型の炭素系吸着材13は、熱容量が小さくて温度変化が生じやすいので、加熱を開始すると速やかに温度が上昇してガスを放出し、加熱を停止すると速やかに冷却されてガス吸着能力が速やかに回復する。
すなわち、この低温液化ガス貯蔵装置60では、小型の炭素系吸着材13の加熱または加熱停止を行うことで、余剰ボイルオフガスGの出し入れを速やかに行うことができ、貯蔵容器11の内圧やボイルオフガスGの供給量を速やかに制御することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置70は、上記各変形例および実施形態で示した低温液化ガス貯蔵装置において、炭素系吸着材13に接触または近接させて蓄冷材71を配置したことを主たる特徴とするものである。
本実施形態では、図8に示すように、炭素系吸着材13内に、粒状の蓄冷材71を多数配置している。
このように構成される低温液化ガス貯蔵装置70では、炭素系吸着材13と蓄冷材71との間で熱のやり取りが行われるので、炭素系吸着材13に温度変化が生じにくくなる。
このため、炭素系吸着材13が一旦冷却されると、炭素系吸着材13の温度が低温に維持されるので、炭素系吸着材13の吸着能力が高水準に維持される。
この蓄冷材71としては、炭素系吸着材13の冷却を効果的に行うことができるよう、炭素系吸着材13の使用温度範囲、例えば常温から低温液化ガスFの温度までの温度範囲内での蓄冷能力に優れた材質(例えば鉛等)を用いることが好ましい。
ここで、蓄冷材71の熱容量は、低温液化ガス貯蔵装置70の用途に応じて適切に設定される。
例えば、炭素系吸着材13のガス吸着能力を高水準で安定させたい場合には、炭素系吸着材13の温度変化が極力抑えられるよう、蓄冷材71の熱容量を大きく設定する。また、炭素系吸着材13の保冷効果を一定程度確保しつつ吸着量の細かい制御を行いたい場合には、炭素系吸着材13の温度変化が比較的生じやすくなるよう、蓄冷材の熱容量を小さく設定する。
また、蓄冷材71の配置は任意であって、例えば図9に示す低温液化ガス貯蔵装置73のように、複数層の炭素系吸着材13の各層間に蓄冷材71の層を設けてもよい。
また、図10に示す低温液化ガス貯蔵装置75のように、炭素系吸着材13のブロックに当接させて蓄冷材71のブロックを配置してもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態では、本発明を、本発明の低温液化ガス貯蔵装置を燃料ガス貯蔵装置として用いるタンカーに適用した例を示している。
本実施形態に示すタンカー80は、低温液化ガス貯蔵装置として、貯蔵容器11と、断熱構造12と、貯蔵容器11外に設けられた断熱容器51と、断熱容器51内に設けられた炭素系吸着材13と、この炭素系吸着材13を加熱する加熱装置23とを有する低温液化ガス貯蔵装置81を用いたものである。
貯蔵容器11には、貯蔵容器11の底部近傍から貯蔵容器11外まで引き出される主配管86と、貯蔵容器11のアレッジ部11aから貯蔵容器11外まで引き出されるガス供給配管87とが設けられている。
主配管86の入口にはスプレーポンプ86aが設けられており、これによって貯蔵容器11内の低温液化ガスFが主配管86内に送出されるようになっている。
ガス供給配管87には、貯蔵容器11内で発生したボイルオフガスGが貯蔵容器11の内圧によって供給されるようになっている。
主配管86の貯蔵容器11外に位置する部分には、ガス供給配管87が挿通されるチャンバ86bが設けられている。このチャンバ86b内には、主配管86内に供給された低温液化ガスFをガス供給管87に向けて吹き付けるスプレーノズル86cが設けられており、これによって低温液化ガスFが膨張させられて、より低温の気体となるとともに、この低温の気体の冷熱が、ガス供給配管87内を流通するボイルオフガスGの冷却に利用される。
主配管86の終端には、チャンバ86bを通過したガスを圧縮して高圧のガスとして後段に送出するコンプレッサ88が設けられており、このコンプレッサ88の後段には、コンプレッサ88と陸上の貯蔵設備とを接続する接続管路89が設けられている。
ガス供給配管87の貯蔵容器11外に位置する部分は、前記のチャンバ86bに挿通されており、その後段の部分は、断熱容器51に挿通されているので、ガス供給管87に供給されたボイルオフガスが、炭素系吸着材13との間で効率よく熱交換を行いながら炭素系吸着材13を冷却し、その後断熱容器51内に噴出する。噴出したボイルオフガスは、冷却され吸着効率が向上された炭素系吸着材13に吸着される。
接続配管26には、制御装置28(図示せず)によって動作を制御される自動弁27が設けられている。すなわち、ガス供給配管87には、前記のガス流通制御装置22が設けられている。
本実施形態では、加熱装置23は、一部が断熱容器51内に挿通されて炭素系吸着材13に近接または接触させられる配管90と、この配管90内にタンカー80の周辺の海水を供給するポンプ91とを有している。すなわち、この加熱装置23は、タンカー80の周辺の海水の熱を利用して、炭素系吸着材13の加熱を行う構成とされており、これによってランニングコストが抑えられている。
このように構成されるタンカー80では、低温液化ガス貯蔵装置81が、前記の各低温液化ガス貯蔵装置と同様にして、余剰ボイルオフガスGを炭素系吸着材13に吸着させて、貯蔵容器11内の内圧を適正範囲内に保つ。
そして、タンカー80が目的地に到着して低温液化ガスFを陸上の貯蔵設備に荷揚げしたのちは、前記の各液化ガス貯蔵装置と同様に、加熱装置23によって炭素系吸着材13を加熱することで、炭素系吸着材13が吸着したボイルオフガスGを放出させて、このボイルオフガスGも陸上の貯蔵設備に送出するか、もしくは貯蔵容器11内に戻して、外部からのガスの供給を受けることなしに、貯蔵容器11内の内圧を確保する。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図12を用いて説明する。
本実施形態に示すタンカー100は、本発明の第実施形態で示すタンカーにおいて、低温液化ガス貯蔵装置81の代わりに、低温液化ガス貯蔵装置101を用いたことを主たる特徴とするものである。また、このタンカー100は、動力発生装置102として、ガスタービンエンジンや、蒸気タービン等、燃料ガスを利用可能な構成のものを用いている。
低温液化ガス貯蔵装置101は、低温液化ガス貯蔵装置81において、主配管86のチャンバ86b及びスプレーノズル86cをなくし、その代わりに、主配管86の一部を断熱容器51に挿通したことを主たる特徴とするものである。
また、低温液化ガス貯蔵装置101は、断熱容器51内とコンプレッサ88の後段とを接続するガス供給配管57を有しており、これによって断熱容器51内のボイルオフガスGがコンプレッサ88の後段に送り込まれるようになっている。
本実施形態では、ガス供給配管57には、コンプレッサ88の後段から断熱容器51内へのガスの逆流を防止するとともに断熱容器51内の内圧がコンプレッサ88の吐出圧を上回った場合にのみ、後段へのガスの通過を許容するチェックバルブ57aが設けられており、これによってボイルオフガスGが所定量以上発生した場合には、自動的にコンプレッサ88の後段に送り込まれるようになっている。
本実施形態では、コンプレッサ88の後段には、タンカー100の動力発生装置102が接続されている。すなわち、ガス供給配管57は、断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置102に供給するボイルオフガス供給装置を構成している。
これによって、このタンカー100では、余剰ボイルオフガスGが動力発生装置101の燃料として無駄なく利用されるようになっている。
このタンカー100の移動時には、ガス流通制御装置22が、貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を規制する。
これにより、タンカー100の移動時には、炭素系吸着材13によるボイルオフガスGの吸着が行われずに、ボイルオフガスGが動力発生装置102に十分に供給されるので、動力発生装置102の性能を十分に発揮することができる。
このとき、炭素系吸着材13は、ボイルオフガスGの冷熱を継続的に供給されていて、極低温に保たれるので、炭素系吸着材13のガスの吸着可能量が最大限に確保される。
なお、必要に応じて、加熱装置23及びボイルオフガス供給装置を動作させて、断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置102に供給してもよい。
また、このタンカー100の停止時には、ガス流通制御装置22が、貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を許容する。
これにより、タンカー100の停止中に発生したボイルオフガスGが炭素系吸着材13に効果的に吸収され、貯蔵容器11の内圧が適正範囲内に保たれる。前記のように、炭素系吸着材13は、タンカー100の移動時に十分に冷却されてガスの吸着可能量が最大限に確保されているので、ボイルオフガスGの吸着を良好に行うことができる。
そして、再びタンカー100を移動させた際には、ガス流通制御装置22が貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を規制する。
この状態で、ボイルオフガス供給装置を動作させて、低温液化ガス貯蔵装置101の断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置102に供給することで、タンカー100の停止中に発生したボイルオフガスGを有効利用することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図13を用いて説明する。
本実施形態では、本発明を、自動車110に適用した例を示している。
この自動車110は、ガスエンジンや燃料電池等の、燃料ガスを利用して動力を発生させる動力発生装置112を有している。
また、この自動車110は、上記第実施形態に示す低温液化ガス貯蔵装置50を有しており、この低温液化ガス貯蔵装置50によって動力発生装置112で使用する燃料ガスを低温液化ガスとして貯蔵する構成とされている。本実施形態では、低温液化ガス貯蔵装置50のガス供給管57が、断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置112に供給するボイルオフガス供給装置を構成している。
この自動車110の移動時には、ガス流通制御装置22が、貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を規制する。
これにより、自動車110の移動時には、炭素系吸着材13によるボイルオフガスGの吸着が行われずに、ボイルオフガスGが動力発生装置112に十分に供給されるので、動力発生装置112の性能を十分に発揮することができる。
このとき、炭素系吸着材13は、ボイルオフガスGの冷熱を継続的に供給されていて、極低温に保たれるので、炭素系吸着材13のガスの吸着可能量が最大限に確保される。
なお、必要に応じて、加熱装置23及びボイルオフガス供給装置を動作させて、断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置112に供給してもよい。
また、この自動車110の停止時には、ガス流通制御装置22が、貯蔵容器11内と貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を許容する。
これにより、自動車110の停止中に発生したボイルオフガスGが炭素系吸着材13に効果的に吸収され、貯蔵容器11の内圧が適正範囲内に保たれる。前記のように、炭素系吸着材13は、自動車110の移動時に十分に冷却されてガスの吸着可能量が最大限に確保されているので、ボイルオフガスGの吸着を良好に行うことができる。
そして、再び自動車110を移動させた際には、ガス流通制御装置22が貯蔵容器11内と断熱容器51内との間でのガスの流通を規制する。
この状態で、ボイルオフガス供給装置を動作させて、低温液化ガス貯蔵装置50の断熱容器51内のボイルオフガスGを動力発生装置112に供給することで、自動車110の停止中に発生したボイルオフガスGを有効利用することができる。
本発明の第一変形例に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明者らが発見した、炭素系吸着材のガス吸着量の温度特性を示すグラフである。 本発明の第二変形例実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置の他の形態例を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス貯蔵装置の他の形態例を示す側断面図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス運搬タンカーの構成を示す図である。 本発明の第実施形態に係る低温液化ガス運搬タンカーの構成を示す図である。 本発明の第実施形態に係る自動車の構成を示す図である。
符号の説明
11 貯蔵容器
11a アレッジ部
12 断熱構造
13 炭素系吸着材
16 主配管(熱伝達装置としての管路)
21 吸着材収納容器
22 ガス流通制御装置
23 加熱装置
30 低温液化ガス貯蔵装置
31 熱伝達装置
40 低温液化ガス貯蔵装置
50 低温液化ガス貯蔵装置
51 断熱容器
57 ガス供給配管(ボイルオフガス供給装置)
60 低温液化ガス貯蔵装置
70 低温液化ガス貯蔵装置
71 蓄冷材
80 タンカー(移動体)
81 低温液化ガス貯蔵装置
100 タンカー(移動体)
101 低温液化ガス貯蔵装置
102 動力発生装置
110 自動車
112 動力発生装置

Claims (9)

  1. 低温液化ガスを貯蔵する貯蔵容器と、
    該貯蔵容器内とその周囲との間を断熱する断熱構造と、
    前記貯蔵容器内または前記断熱構造内に設けられて内部に前記貯蔵容器内の空間とは隔離された空間を形成する吸着材収納容器と、
    前記吸着材収納容器内に設けられた炭素系吸着材と、
    前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間でのガスの流通を制御するガス流通制御装置と、を備え、
    前記貯蔵容器内から前記低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、前記吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して前記炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を前記炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたことを特徴とする低温液化ガス貯蔵装置。
  2. 低温液化ガスを貯蔵する貯蔵容器と、
    該貯蔵容器内とその周囲との間を断熱する断熱構造と、
    前記貯蔵容器外に設けられた断熱容器と、
    前記断熱容器内に設けられた炭素系吸着材と、
    前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を制御するガス流通制御装置と、を備え、
    前記貯蔵容器内から前記低温液化ガスまたはボイルオフガスを外部に取り出す管路を、前記吸着材収納容器内にて蛇行するように挿通して前記炭素系吸着材に接触または近接させることにより、該管路を、貯蔵容器内から管路を経て取り出される低温液化ガスの冷熱を前記炭素系吸着材に伝達する熱伝達装置として機能させたことを特徴とする低温液化ガス貯蔵装置。
  3. 前記炭素系吸着材を加熱する加熱装置を有している請求項1または2に記載の低温液化ガス貯蔵装置。
  4. 前記炭素系吸着材が複数設けられ、
    前記加熱装置が、前記各炭素系吸着材を個別に加熱可能な構成とされている請求項3記載の低温液化ガス貯蔵装置。
  5. 前記各炭素系吸着材に、大きさの異なる炭素系吸着材が含まれている請求項4記載の低温液化ガス貯蔵装置。
  6. 前記炭素系吸着材に接触または近接して蓄冷材が配置されている請求項1から5のいずれかに記載の低温液化ガス貯蔵装置。
  7. 燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置であって、
    前記燃料ガスを貯蔵する装置として、請求項1から6のいずれかに記載の低温液化ガス貯蔵装置を用いた動力発生装置。
  8. 燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置を有する移動体であって、
    前記燃料ガスを貯蔵する装置として、請求項1から6のいずれかに記載の低温液化ガス貯蔵装置を用いた移動体。
  9. 燃料ガスを用いて動力を発生させる動力発生装置を有する移動体であって、
    請求項1または2に記載の低温液化ガス貯蔵装置と、
    該低温液化ガス貯蔵装置の前記吸着材収納容器内または前記断熱容器内の燃料ガスを前記動力発生装置に供給するボイルオフガス供給装置とを有しており、
    前記低温液化ガス貯蔵装置の前記ガス流通制御装置が、前記移動体の動作時には、前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間、または前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を規制し、
    前記移動体の停止時には、前記貯蔵容器内と前記吸着材収納容器内との間、または前記貯蔵容器内と前記断熱容器内との間でのガスの流通を許容する構成とされた移動体。
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