JP4140562B2 - 冷却システムおよびハイブリッド自動車 - Google Patents

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Description

この発明は、冷却システムおよびハイブリッド自動車に関し、特に、負荷駆動装置の冷却システムおよびその冷却システムを搭載したハイブリッド自動車に関する。
近年ますます高まりつつある省エネ・環境問題を背景に、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きく注目されている。そして、ハイブリッド自動車は、既に実用化されている。
ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。すなわち、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換された交流電圧によりモータを回転させることによってさらに動力源を得るものである。
このようなハイブリッド自動車においては、エンジンのほか、パワー素子を含むインバータなどの負荷駆動装置の冷却も行なわれる。そして、従来、ハイブリッド自動車における冷却システムにおいては、負荷駆動装置の冷却系統は、エンジンの冷却系統と独立して設けられていた(たとえば、特許文献1参照)。
一方、特開2000−297641号公報では、エンジンと、モータジェネレータと、モータジェネレータに対して電気的入出力を制御するインバータとを備えた車両駆動システムにおいて、エンジン、モータジェネレータおよびインバータの冷却系統が共通化された冷却装置の構成が開示されている(特許文献2参照)。
特開2002−223505号公報 特開2000−297641号公報 特開2002−227644号公報
ハイブリッド自動車においては、特に装置の小型化および低コスト化が要求され、エンジンの冷却系統とインバータなどの負荷駆動装置の冷却系統とを共通化できれば、冷却システムの小型化および低コスト化を図ることができる。
特開2000−297641号公報では、少なくともエンジンおよびインバータが共通の冷却系統によって冷却される構成が開示されているが、どのようにしてこれらの冷却系統を共通化できたのかが開示されていない。
すなわち、インバータを冷却する際の冷却水の温度は、パワー素子の熱損失、およびパワー素子と冷却水との間の熱抵抗を主要因として決定されるところ、動作温度上限が150℃程度のシリコン(Si)系のパワー素子が銅やアルミなどからなる伝熱性材料上に搭載される従来の一般的な装置構成の場合、冷却水の温度をたとえば65℃程度までに抑える必要がある。
しかしながら、内燃機関であるエンジンの発熱量は大きく、エンジン用の冷却系統における冷却水の温度は110℃程度まで上昇するため、従来のSi系パワー素子の耐熱性を考慮すると、単純にインバータの冷却にエンジン用の冷却水を用いることはできず、上述した特開2000−297641号公報は、このような課題に対する解決手段を開示していない。
一方、エンジンは、低温状態では、オイル粘度の上昇によってクランキングの動力抵抗が大きくなり、クランキング速度が低下するため、その始動性が悪化する。そこで、極寒冷地では、ブロックヒータなどを用いてエンジン始動前にエンジンを暖めることによってエンジンの始動性を確保している。
ここで、上記のように、インバータとエンジンとの冷却系が共通化される場合には、逆にインバータからの発熱を利用してエンジンを始動前に暖めることができれば、ブロックヒータなどを別途設けることなく、エンジンの始動性を向上させることができる。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、負荷駆動装置の冷却にエンジンの冷却水を用いた冷却システムを提供することである。
また、この発明の別の目的は、低温時におけるエンジンの始動性を向上させる冷却システムを提供することである。
また、この発明の別の目的は、負荷駆動装置の冷却にエンジンの冷却水を用いたハイブリッド自動車を提供することである。
また、この発明の別の目的は、低温時におけるエンジンの始動性を向上させるハイブリッド自動車を提供することである。
この発明によれば、冷却システムは、電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、エンジンを冷却する冷媒を用いて負荷駆動装置を冷却する冷却装置とを備え、負荷駆動装置は、エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、冷却装置は、冷媒を通流する冷媒路と、冷媒路に配設され、冷媒を冷却するラジエータと、冷媒路に冷媒を循環させるポンプとを含み、負荷駆動装置は、冷媒路においてエンジンと直列に配設される。
好ましくは、負荷駆動装置は、ラジエータからみてエンジンの上流側に配設される。
好ましくは、負荷駆動装置は、少なくとも1つのパワー素子よりも耐熱性の低いコンデンサをさらに含み、コンデンサは、ラジエータからみて少なくとも1つのパワー素子のさらに上流側に配設される。
また、この発明によれば、冷却システムは、電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、エンジンを冷却する冷媒を用いて負荷駆動装置を冷却する冷却装置とを備え、負荷駆動装置は、エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、冷却装置は、冷媒を通流する冷媒路と、冷媒路に配設され、冷媒を冷却するラジエータと、冷媒路に冷媒を循環させるポンプとを含み、負荷駆動装置は、冷媒路においてエンジンと並列に配設される。
好ましくは、冷却装置は、負荷駆動装置を経由する第1の分岐路と、エンジンを経由する第2の分岐路とをさらに含み、第1および第2の分岐路における圧力損失と負荷駆動装置およびエンジンの発熱量とに基づいて、第1および第2の分岐路に流される冷媒の流量比が決定される。
好ましくは、少なくとも1つのパワー素子の各々は、シリコンカーバイドからなるパワー素子である。
好ましくは、少なくとも1つのパワー素子の各々は、窒化ガリウム系のパワー素子である。
好ましくは、少なくとも1つのパワー素子の各々は、ダイヤモンド系のパワー素子である。
好ましくは、冷却システムは、負荷駆動装置および冷却装置の動作を制御する制御装置をさらに備え、制御装置は、エンジンの始動前に負荷駆動装置および冷却装置を動作させる始動前制御を実行する。
好ましくは、電気負荷は、回転電機であり、制御装置は、始動前制御の実行時、負荷駆動装置から回転電機への出力電圧が回転電機に対してd軸電流のみを発生させる電圧パターンとなるように負荷駆動装置を制御する。
好ましくは、冷却システムは、制御装置に所定のタイミングを通知するタイマをさらに備え、制御装置は、エンジンの始動前にタイマから通知を受けたとき、始動前制御を実行する。
好ましくは、冷却システムは、外気温度を検出する温度センサをさらに備え、制御装置は、タイマから通知を受け、かつ、温度センサによって検出された外気温度が所定の温度以下であるとき、始動前制御を実行する。
好ましくは、冷却システムは、エンジンの温度を検出する温度センサをさらに備え、制御装置は、タイマから通知を受け、かつ、温度センサによって検出されるエンジン温度が所定の温度以下であるとき、始動前制御を実行する。
好ましくは、冷却システムは、冷媒の温度を検出する温度センサをさらに備え、制御装置は、タイマから通知を受け、かつ、温度センサによって検出される冷媒温度が所定の温度以下であるとき、始動前制御を実行する。
好ましくは、冷却システムは、外部無線装置からの無線信号を受信する受信部をさらに備え、制御装置は、外部無線装置から受信部を介して受信する無線信号に応じて始動前制御を実行する。
好ましくは、制御装置は、始動前制御の実行時、少なくとも1つのパワー素子のスイッチング周波数が通常制御時よりも高くなるように負荷駆動装置を制御する。
好ましくは、制御装置は、始動前制御の実行時、少なくとも1つのパワー素子のターンオン時間およびターンオフ時間が通常制御時よりも長くなるように負荷駆動装置を制御する。
好ましくは、制御装置は、始動前制御の実行時、少なくとも1つのパワー素子のオン電圧が通常制御時よりも高くなるように負荷駆動装置を制御する。
好ましくは、冷却装置は、ラジエータのバイパス路と、ラジエータおよびバイパス路のいずれかに冷媒を通流させるための切替弁とをさらに含み、制御装置は、始動前制御の実行時、冷媒がバイパスを通流するように切替弁の動作を制御する。
好ましくは、冷却システムは、車室内を空調するエアコンに対応して設けられ、負荷駆動装置とともに冷却装置によって冷却されるもう1つの負荷駆動装置をさらに備え、もう1つの負荷駆動装置は、エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのもう1つのパワー素子を含み、制御装置は、始動前制御の実行時、もう1つの負荷駆動装置をさらに動作させる。
好ましくは、冷却システムは、負荷駆動装置に電力を供給する直流電源をさらに備え、制御装置は、直流電源の容量が所定量以下であるとき、始動前制御の実行を中止する。
好ましくは、冷却システムは、負荷駆動装置に電力を供給する直流電源と、制御装置を動作させるための電力を供給する補機電源と、直流電源と補機電源との間に設けられ、直流電源からの第1の電圧を第2の電圧に変換して補機電源を充電する電圧変換装置とをさらに備え、制御装置は、始動前制御の実行時、電圧変換装置をさらに動作させる。
好ましくは、冷却システムは、外部から受ける第1の電力を第2の電力に変換して負荷駆動装置に供給可能な電力変換装置をさらに備え、制御装置は、始動前制御の実行時、電力変換装置をさらに動作させる。
好ましくは、第1の電力は、商用交流電力である。
また、この発明によれば、ハイブリッド自動車は、上述したいずれかの冷却システムを備える。
この発明による冷却システムにおいては、エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有するパワー素子を負荷駆動装置に用いることによって、負荷駆動装置の冷却にエンジン冷却水が用いられ、冷媒路において負荷駆動装置がエンジンと直列に配設される。
したがって、この発明によれば、負荷駆動装置の冷却系統をエンジンの冷却系統と共通化することができ、冷却システムの小型化およびトータルでの低コスト化が図られる。また、負荷駆動装置において高耐熱性のパワー素子が用いられることによって、負荷駆動装置が搭載されるシステムの信頼性が向上する。さらに、冷却フィンの小型化や冷媒水路の小径化などにより負荷駆動装置自体を小型化でき、冷却系統の共通化によりラジエータ自体もトータルで小型化できるため、負荷駆動装置やラジエータのレイアウト設計の自由度が向上し、設計自由度の向上による低コスト化も実現できる。また、さらに、高耐熱性のパワー素子を用いることによりエンジンおよび負荷駆動装置の冷却系統が共通化されるので、冷却システムが軽量化される。
また、この発明による冷却システムにおいては、ラジエータからみて負荷駆動装置をエンジンの上流側に配設することによって、発熱量が大きいエンジンの冷却前に負荷駆動装置が冷却される。
したがって、この発明によれば、負荷駆動装置の動作信頼性をより高めることができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、ラジエータからみて負荷駆動装置のコンデンサをパワー素子のさらに上流側に配設することによって、パワー素子よりも耐熱性の低いコンデンサが優先して冷却される。
したがって、この発明によれば、コンデンサを含む負荷駆動装置の動作信頼性をより高めることができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有するパワー素子を負荷駆動装置に用いることによって、負荷駆動装置の冷却にエンジン冷却水が用いられ、冷媒路において負荷駆動装置とエンジンとが並設されることによって、負荷駆動装置およびエンジンのいずれも他方の下流側に配設されない。
したがって、この発明によれば、負荷駆動装置の冷却系統をエンジンの冷却系統と共通化することができ、冷却システムの小型化および低コスト化が図られるうえ、負荷駆動装置およびエンジンをより効率的に冷却することができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、第1および第2の分岐路における圧力損失と負荷駆動装置およびエンジンの発熱量とに基づいて第1および第2の分岐路に流される冷媒の流量比を決定することによって、第1および第2の分岐路に適切な流量の冷媒が供給される。
したがって、この発明によれば、負荷駆動装置およびエンジンをさらに効率的に冷却することができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、制御装置は、エンジンの始動前に負荷駆動装置および冷却装置を動作させる始動前制御を実行するので、動作することにより発熱した負荷駆動装置と熱交換を行なった冷媒によって、負荷駆動装置と冷却系統を共有するエンジンが暖められる。
したがって、この発明によれば、エンジンの始動性が悪化する低温環境下においてもエンジンの始動性を確保することができる。また、負荷駆動装置に電力を供給する直流電源も自己発熱により暖まるので、低温時に発生する直流電源の容量低下が回復し、エンジンの始動性が向上する。
また、この発明による冷却システムにおいては、制御装置は、始動前制御の実行時、回転電機に対してd軸電流のみを発生させる電圧パターンとなるように負荷駆動装置を制御するので、始動前制御の実行時に回転電機に回転トルクは発生しない。
したがって、この発明によれば、安全性に配慮した冷却システムが実現される。
また、この発明による冷却システムにおいては、制御装置は、タイマから通知を受け、かつ、温度センサによって検出された外気温度、エンジン温度あるいは冷媒温度が所定の温度以下であるとき、始動前制御を実行するので、不必要な始動前制御の実行が防止される。
したがって、この発明によれば、始動前制御による無駄な電力消費が防止される。
また、この発明による冷却システムにおいては、車室内を空調するエアコンに対応して設けられ、かつ、負荷駆動装置とともに冷却装置によって冷却されるもう1つの負荷駆動装置をさらに備え、制御装置は、始動前制御の実行時、もう1つの負荷駆動装置をさらに動作させるので、もう1つの負荷駆動装置からの熱によってより効果的にエンジンが暖められるほか、エンジン始動前に車室内も暖められる。
したがって、この発明によれば、エンジンの始動性が向上するほか、車室内の快適性も向上する。
また、この発明による冷却システムにおいては、制御装置は、直流電源の容量が所定量以下であるとき、始動前制御の実行を中止するので、始動前制御の実行による直流電源の著しい容量低下が防止される。
したがって、この発明によれば、始動前制御の実行によってエンジンの始動が不可能になるという事態を回避することができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、制御装置は、始動前制御の実行時、直流電源と補機電源との間に設けられ、かつ、直流電源からの第1の電圧を第2の電圧に変換して補機電源を充電する電圧変換装置をさらに動作させるので、始動前制御の実行による補機電源の著しい容量低下が防止される。
したがって、この発明によれば、始動前制御の実行によって補機類が動作しなくなるという事態を回避することができる。
また、この発明による冷却システムにおいては、始動前制御の実行時、外部から受ける第1の電力を第2の電力に変換して負荷駆動装置に供給可能な電力変換装置をさらに動作させるので、始動前制御は、外部電源を用いて実行される。
したがって、この発明によれば、始動前制御の実行による直流電源の容量低下を防止できる。
また、この発明によるハイブリッド自動車は、上述した冷却システムを備える。
したがって、この発明によれば、負荷駆動装置の冷却系統をエンジンの冷却系統と共通化することができ、ハイブリッド自動車における冷却システムの小型化およびトータルでの低コスト化が図られる。また、負荷駆動装置において高耐熱性のパワー素子が用いられることによって、ハイブリッド自動車の信頼性が向上する。さらに、冷却フィンの小型化や冷媒水路の小径化などにより負荷駆動装置自体を小型化でき、冷却系統の共通化によりラジエータ自体もトータルで小型化できるため、ハイブリッド自動車における負荷駆動装置やラジエータのレイアウト設計の自由度が向上し、設計自由度の向上によるハイブリッド自動車の低コスト化も実現できる。また、さらに、高耐熱性のパワー素子を用いることによりエンジンおよび負荷駆動装置の冷却系統が共通化されるので、冷却システムが軽量化され、これによってハイブリッド自動車が軽量化され、その結果、ハイブリッド自動車の燃費が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明による冷却システムが搭載されたハイブリッド自動車の構成を示す概略ブロック図である。なお、図1では、ハイブリッド自動車における動力出力機構の部分が代表的に示されている。
図1を参照して、ハイブリッド自動車100は、動力伝達ギア102と、ディファレンシャルギア104と、駆動輪106R,106Lと、プラネタリギア108と、動力取出ギア110と、チェーンベルト112と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン114と、レゾルバ116〜118と、ダンパ120と、バッテリ122と、インバータ124,126と、制御装置128とを備える。
エンジン114のクランクシャフト115は、ダンパ120を介してプラネタリギア108およびモータジェネレータMG1に接続される。なお、ダンパ120は、クランクシャフト115のねじり振動の振幅を抑制する。
動力取出ギア110は、チェーンベルト112を介して動力伝達ギア102に接続される。そして、動力取出ギア110は、プラネタリギア108のリングギア134と結合され、リングギア134から受ける動力をチェーンベルト112を介して動力伝達ギア102に伝達する。動力伝達ギア102は、ディファレンシャルギア104を介して駆動輪106R,106Lに動力を伝達する。
プラネタリギア108は、クランクシャフト115と同軸のキャリア軸144に軸中心を貫通された中空のサンギア軸140に結合されたサンギア132と、キャリア軸144と同軸のリングギア軸142に結合されたリングギア134と、サンギア132とリングギア134との間に配置され、サンギア132の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギア136と、キャリア軸144の端部に結合され、各プラネタリピニオンギア136の回転軸を軸支するプラネタリキャリア138とから構成される。
このプラネタリギア108では、サンギア132、リングギア134およびプラネタリキャリア138にそれぞれ結合されたサンギア軸140、リングギア軸142およびキャリア軸144の3軸が動力の入出力軸とされ、3軸のいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、残りの1軸に入出力される動力は、決定された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流同期電動発電機であり、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する3相コイルが回巻されたステータとを含む。モータジェネレータMG1のロータは、サンギア軸140に結合され、モータジェネレータMG2のロータは、リングギア軸142に結合されている。この各モータジェネレータMG1,MG2は、永久磁石による磁界と3相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータを回転駆動する電動機として動作するとともに、永久磁石による磁界とロータの回転との相互作用により3相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機として動作する。
バッテリ122は、たとえば、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池からなり、直流電圧をインバータ124,126へ供給するとともに、インバータ124,126からの直流電圧によって充電される。
インバータ124,126は、バッテリ122から直流電圧を受け、その受けた直流電圧を交流電圧に変換してそれぞれモータジェネレータMG1,MG2へ出力する。また、インバータ124,126は、モータジェネレータMG1,MG2によって発電された交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ122を充電する。インバータ124,126は、後述するように、高耐熱性のSiC(シリコンカーバイド)系パワー素子によって構成され、制御装置128から受ける制御信号に基づいてパワートランジスタがスイッチング動作することにより上述した電圧変換を行なう。
制御装置128は、レゾルバ116〜118からそれぞれキャリア軸144、サンギア軸140およびリングギア軸142の回転角度の検出値を受け、図示されない電流センサからモータジェネレータMG1,MG2のモータ電流の検出値を受ける。そして、制御装置128は、アクセルペダルの開度等と上記各検出値に基づいて、インバータ124,126における各パワートランジスタをオン/オフする制御信号を生成し、その生成した制御信号をインバータ124,126へ出力する。
図2は、図1に示されるハイブリッド自動車100における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図2を参照して、ハイブリッド自動車100は、モータジェネレータMG1,MG2と、インバータ装置150と、バッテリ122と、制御装置128とを備える。インバータ装置150は、インバータ124,126と、コンデンサCと、電源ラインL1と、接地ラインL2とを含む。そして、インバータ124は、SiCトランジスタQ11〜Q16と、SiCダイオードD11〜D16とを含み、インバータ126は、SiCトランジスタQ21〜Q26と、SiCダイオードD21〜D26とを含む。
インバータ124を構成するSiCトランジスタQ11〜Q16およびSiCダイオードD11〜D16、ならびにインバータ126を構成するSiCトランジスタQ21〜Q26およびSiCダイオードD21〜D26は、高耐熱性のパワー素子であって、たとえば、シリコンカーバイド(SiC)からなるSiCパワー素子である。SiCパワー素子は、近年注目を浴びているパワー半導体素子であって、従来のSi系パワー素子と比較して禁制帯幅や熱伝導度が大きく、高耐電圧、高耐熱性、低損失、低オン抵抗などの特性を備えており、自動車エレクトロニクスに要求される多くの特性を備えている。後述するように、この発明においては、SiCパワー素子が有する諸特性のうち、その高耐熱性に着目している。
インバータ124において、SiCトランジスタQ11,Q12は、U相アーム152を構成し、SiCトランジスタQ13,Q14は、V相アーム154を構成し、SiCトランジスタQ15,Q16は、W相アーム156を構成し、U相アーム152、V相アーム154およびW相アーム156は、電源ラインL1と接地ラインL2との間に並列に接続される。また、各SiCトランジスタQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すSiCダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。
そして、各相アームにおける各SiCトランジスタの接続点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、SiCトランジスタQ11,Q12の接続点にU相コイルの他端が接続され、SiCトランジスタQ13,Q14の接続点にV相コイルの他端が接続され、SiCトランジスタQ15,Q16の接続点にW相コイルの他端が接続されている。
インバータ126においても同様に、SiCトランジスタQ21,Q22は、U相アーム162を構成し、SiCトランジスタQ23,Q24は、V相アーム164を構成し、SiCトランジスタQ25,Q26は、W相アーム166を構成し、U相アーム162、V相アーム164およびW相アーム166は、電源ラインL1と接地ラインL2との間に並列に接続される。また、各SiCトランジスタQ21〜Q26のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すSiCダイオードD21〜D26がそれぞれ接続されている。
そして、インバータ126においても、各相アームにおける各SiCトランジスタの接続点は、モータジェネレータMG2の各相コイルの各相端に接続されている。
コンデンサCは、電源ラインL1と接地ラインL2との間に接続され、電圧変動に起因するインバータ124,126に対しての影響を低減する。
制御装置128は、インバータ124におけるSiCトランジスタQ11〜Q16のスイッチング動作を制御し、バッテリ122から供給される電力に基づいてモータトルク指令に応じたトルクをモータジェネレータMG1に発生させるため、または、モータジェネレータMG1によって発生された交流電力を直流電力に変換してバッテリ122を充電するため、インバータ124を制御する。また、制御装置128は、インバータ126におけるSiCトランジスタQ21〜Q26のスイッチング動作を制御し、バッテリ122から供給される電力に基づいてモータトルク指令に応じたトルクをモータジェネレータMG2に発生させるため、または、モータジェネレータMG2によって発生された交流電力を直流電力に変換してバッテリ122を充電するため、インバータ126を制御する。
なお、上記において、インバータ124,126およびコンデンサCを含むインバータ装置150は、「負荷駆動装置」を構成する。
このハイブリッド自動車100においては、インバータ124,126は、バッテリ122から電源ラインL1および接地ラインL2を介して直流電力を受け、その受けた直流電力を交流電力に変換してそれぞれモータジェネレータMG1,MG2へ出力する。また、インバータ124,126は、それぞれモータジェネレータMG1,MG2によって発電された交流電力を直流電力に変換し、電源ラインL1および接地ラインL2を介してバッテリ122を充電する。
このように、ハイブリッド自動車100は、バッテリ122からの直流電力に基づいてモータジェネレータMG1,MG2を駆動するとともに、モータジェネレータMG1,MG2によって発電された電力をバッテリ122へ供給する。
ここで、この発明による実施の形態1においては、上述したSiCパワー素子が有する諸特性のうち、その高耐熱性に着目する。すなわち、背景技術において述べたように、従来のSi系パワー素子は、その動作温度上限が150℃程度であったところ、SiCパワー素子は、400℃程度まで動作可能である。そこで、このハイブリッド自動車100においては、インバータ装置150の冷却にエンジン114(図示せず)の冷却水を利用する。
図3は、図1に示されるハイブリッド自動車100の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図3を参照して、この実施の形態1によるハイブリッド自動車100は、インバータ装置150と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン114と、ラジエータ170と、ウォータポンプ172と、冷媒路174〜182とを備える。
ラジエータ170の第1のポートとインバータ装置150との間に冷媒路174が設けられ、インバータ装置150とモータジェネレータMG1,MG2との間に冷媒路176が設けられる。また、モータジェネレータMG1,MG2とエンジン114との間に冷媒路178が設けられ、エンジン114とポンプ172との間に冷媒路180が設けられる。そして、さらに、ポンプ172とラジエータ170の第2のポートとの間に冷媒路182が設けられる。すなわち、インバータ装置150、モータジェネレータMG1,MG2、エンジン114およびウォータポンプ172は、冷媒路174〜182によって直列に接続される。
ウォーターポンプ172は、不凍液などの冷却水を循環させるためのポンプであって、図に示される矢印の方向に冷却水を循環させる。ラジエータ170は、インバータ装置150、モータジェネレータMG1,MG2およびエンジン114を循環してきた冷却水を冷却する。
内燃機関であるエンジン114は、発熱量が大きく、エンジン114を冷却する際の冷却水温度は、110℃程度まで上昇し得る。そして、従来のSi系パワー素子は、動作温度上限が150℃程度であり、たとえば冷却水の温度を65℃程度に抑える必要があったため、インバータ装置の冷却にエンジンの冷却水を用いることはできず、個別に冷却系統が設けられていた。
しかしながら、このハイブリッド自動車100においては、上述したように動作温度上限が400℃程度の高温動作可能なSiCパワー素子がインバータ装置150に用いられるので、インバータ装置150を冷却する際の冷却水の温度上限がエンジン冷却水の温度よりも高い温度まで緩和される。したがって、従来不可能であったエンジン冷却水のインバータ装置への利用が可能となり、このハイブリッド自動車100においては、インバータ装置150、モータジェネレータMG1,MG2およびエンジン114が単一の冷却系統によって冷却される。
なお、上記においては、ラジエータ170からみて上流側からインバータ装置150、モータジェネレータMG1,MG2、エンジン114およびウォータポンプ172の順に配置されるものとしたが、各装置の配置順は、上記の順に限定されるものではない。しかしながら、エンジンの発熱量は非常に大きく、エンジン114の下流側では、冷却水の温度が予想以上に高く可能性があることを考慮して、図に示したように、インバータ装置150をエンジン114の上流側に配設する方が好ましい。
以上のように、この発明による実施の形態1によれば、動作温度上限が400℃程度の高耐熱性のSiCパワー素子をインバータ装置150に用いたので、インバータ装置150の冷却にエンジン114の冷却水を用いることができる。したがって、インバータ装置150の冷却系統をエンジン114の冷却系統と共通化することができ、ハイブリッド自動車100における冷却システムの小型化およびトータルでの低コスト化が図られる。
また、ハイブリッド自動車100のような車両システムにおいては、小型化および低コスト化のほか、さらに、高信頼性および低燃費も要求されるところ、このインバータ装置150においては、高耐熱性のSiCパワー素子が用いられることによって、ハイブリッド自動車100のトータルの信頼性が向上する。
また、高耐熱性のSiCパワー素子を用いることによりエンジン114およびインバータ装置150の冷却系統が共通化されるので、冷却システムが軽量化され、これによってハイブリッド自動車100が軽量化され、その結果、ハイブリッド自動車100の燃費が向上する。
さらに、冷却フィンの小型化や冷媒水路の小径化などによりインバータ装置150自体を小型化でき、冷却系統の共通化によりラジエータ170自体もトータルで小型化できるため、ハイブリッド自動車100におけるインバータ装置150やラジエータ170のレイアウト設計の自由度が向上し、設計自由度の向上によるハイブリッド自動車100の低コスト化も実現できる。
また、この発明による実施の形態1によれば、ラジエータ170からみてインバータ装置150をエンジン114の上流側に配設したので、発熱量が大きいエンジン114の冷却前にインバータ装置150が冷却される。したがって、インバータ装置150の動作信頼性をより高めることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2によるハイブリッド自動車の構成および電気回路の構成は、実施の形態1によるハイブリッド自動車100と同じであり、インバータ装置150には、高耐熱性のSiCパワー素子が用いられる。
図4は、この発明の実施の形態2によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図4を参照して、実施の形態2によるハイブリッド自動車100Aにおいては、図3に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の冷却構造において、さらに、インバータ装置150に含まれるコンデンサCがインバータ124,126の上流側に配置される。すなわち、インバータ装置150に含まれるコンデンサCは、インバータ装置150の構成部品として最も熱的に弱いため、ラジエータ170からみてコンデンサCが最上流に配置される。なお、インバータ124,126と冷媒路との間には、冷却効率向上のための放熱フィン184が設けられている。
したがって、この発明による実施の形態2によれば、ラジエータ170からみてインバータ装置150のコンデンサCをインバータ124,126のさらに上流側に配設したので、SiCパワー素子よりも耐熱性の低いコンデンサCが優先して冷却される。したがって、コンデンサCを含むインバータ装置150の動作信頼性をより高めることができる。
なお、この実施の形態2においても、モータジェネレータMG1,MG2およびエンジン114の配置順は、上記の順に限定されるものではない。また、ウォータポンプ172も、上記の配置場所に限定されるものではない。
[実施の形態3]
実施の形態3によるハイブリッド自動車の構成および電気回路の構成も、実施の形態1によるハイブリッド自動車100と同じであり、インバータ装置150には、高耐熱性のSiCパワー素子が用いられる。
図5は、この発明の実施の形態3によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図5を参照して、この実施の形態3によるハイブリッド自動車100Bは、インバータ装置150と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン114と、ラジエータ170と、ウォータポンプ172と、冷媒路192〜198とを備える。
冷媒路192は、途中で分岐しており、ラジエータ170の第1のポートとインバータ装置150およびエンジン114との間に冷媒路192が設けられる。インバータ装置150とモータジェネレータMG1,MG2との間には冷媒路194が設けられる。冷媒路196は、途中で合流しており、モータジェネレータMG1,MG2およびエンジン114とウォータポンプ172との間に冷媒路196が設けられる。そして、ポンプ172とラジエータ170の第2のポートとの間に冷媒路198が設けられる。
すなわち、インバータ装置150およびモータジェネレータMG1,MG2が直列に設けられ、インバータ装置150およびモータジェネレータMG1,MG2とエンジン114とは、冷却系統において並列に設けられる。
この実施の形態3においては、インバータ装置150およびモータジェネレータMG1,MG2を冷却水が経由する流路における圧力損失、エンジン114を冷却水が経由する流路における圧力損失、インバータ装置150およびモータジェネレータMG1,MG2における発熱量、ならびにエンジン114における発熱量などを考慮して各流路の流量比を適切に設定することによって、より効率的に各装置が冷却される。
なお、この実施の形態3においても、インバータ装置150およびモータジェネレータMG1,MG2の配置順は、上記の順に限定されるものではないが、熱的に弱いコンデンサCを含むインバータ装置150をモータジェネレータMG1,MG2の上流側に配置するのが好ましい。
以上のように、この発明による実施の形態3によれば、冷媒路においてインバータ装置150とエンジン114とを並設したので、インバータ装置150およびエンジン114のいずれも他方の下流側に配設されることはない。したがって、インバータ装置150およびエンジン114をより効率的に冷却することができる。
また、この発明による実施の形態3によれば、インバータ装置150側およびエンジン114側の各流路における圧力損失とインバータ装置150およびエンジン114の発熱量とに基づいて各流路の流量比を決定するようにしたので、各流路に適切な流量の冷却水が供給される。したがって、インバータ装置150およびエンジン114をさらに効率的に冷却することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4以下では、エンジン114の冷却水とインバータ装置150の冷却水とが共有されることを利用して、低温環境下におけるエンジン114の始動性が改善される。すなわち、インバータ装置150から発生する熱を冷却水を用いてエンジン114へ輸送し、その熱を用いてエンジン114を始動前に暖めることにより、低温環境下におけるエンジン114の始動性が確保される。
図6は、この発明の実施の形態4によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図6を参照して、この実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cは、図3に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の構成において、タイマスイッチ200と、ECU(Electronic Control Unit)202とをさらに備える。
タイマスイッチ200は、利用者によって設定された所定時刻になると、ECU202へ通知を出力する。ECU202は、図2に示した制御装置128を含む電子制御装置であって、インバータ装置150の動作を制御するとともに、冷却水を循環させるためのウォーターポンプ172を駆動制御する。そして、ECU202は、ハイブリッド自動車100Cの始動前すなわちエンジン114の始動前にタイマスイッチ200から通知を受けると、インバータ装置150からの発熱を利用してエンジン114を事前に暖めるため、インバータ装置150およびウォーターポンプ172を動作させる。
ここで、インバータ装置150は、エンジン114を暖めるために動作するのであって、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するために動作するのではないので、ECU202は、インバータ装置150をゼロトルクで制御する。具体的には、ECU202は、図示されない回転位置センサから受けるモータジェネレータMG1,MG2の電気角を用いて、モータジェネレータMG1,MG2に対してd軸電流(回転トルクに寄与しない電流成分)のみを発生させる電圧パターンが生成されるように、インバータ装置150を制御する。
このハイブリッド自動車100Cにおいては、たとえば、明朝ハイブリッド自動車100Cを使用する前の所定時刻にタイマスイッチ200が利用者によって設定される。そして、その所定時刻になると、タイマスイッチ200がECU202へ通知を出力し、ECU202は、タイマスイッチ200からの通知に応じてインバータ装置150およびウォーターポンプ172を動作させる(以下では、エンジン始動前にECU202がインバータ装置150およびウォーターポンプ172を動作させるこの制御を「始動前制御」とも称する。)。
そうすると、インバータ装置150がその動作によって発熱し、インバータ装置150と熱交換を行なった冷却水をウォーターポンプ172が循環させるので、インバータ装置150からの熱によって暖められた冷却水がエンジン114に供給されることによってエンジン114が暖められる。したがって、低温環境下においても、エンジン114の始動性が確保される。
また、低温環境下では、バッテリ122も低温に晒されるところ、バッテリの容量は、一般に温度の低下とともに低下する。
図7は、バッテリ容量と温度の関係を示す図である。
図7を参照して、縦軸は、バッテリ容量を示し、横軸は、温度を示す。図に示されるように、バッテリ容量は、温度の低下とともに低下し、低温になるほど容量の低下の程度が大きくなる。このため、低温時にエンジンの始動性が悪化するのは、オイル粘度の上昇によるクランキングの動力抵抗の上昇に加え、低温によるバッテリ容量の低下によるクランキング速度の低下も大きな要因となる。
しかしながら、このハイブリッド自動車100Cにおいては、エンジン114の始動前にバッテリ122からインバータ装置150へ電力の供給がなされるため、エンジン114の始動前にバッテリ122の温度が自己発熱によって上昇する。したがって、この温度上昇によりバッテリ122の容量が回復し、エンジン114の始動性は、さらに改善される。
以上のように、この実施の形態4によれば、タイマスイッチ200からの通知に応じて、エンジン114の始動前の設定時刻にインバータ装置150およびウォーターポンプ172を事前に動作させ、インバータ装置150からの発熱を冷却水を用いてエンジン114に輸送することによってエンジン114を始動前に暖めることができるので、低温環境下においても、エンジン114の始動性を確保することができる。
また、インバータ装置150の動作に伴ない、バッテリ122も自己発熱によりエンジン始動前に暖まるので、バッテリ容量が回復し、エンジン114の始動性をさらに改善することができる。
[実施の形態5]
実施の形態5では、実際に低温環境下にあるときにのみ、ECU202による始動前制御が実行される。
図8は、この発明の実施の形態5によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図8を参照して、この実施の形態5によるハイブリッド自動車100Dは、図6に示した実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cの構成において、温度センサ204をさらに備える。温度センサ204は、外気温度を検出する外気温センサである。ECU202は、温度センサ204から温度検出値を受け、エンジン114の始動前にタイマスイッチ200から通知を受けたときに温度センサ204からの温度検出値が所定の温度以下であれば、インバータ装置150およびウォーターポンプ172の始動前制御を実行する。
なお、上記においては、温度センサ204は、外気温センサとしたが、温度センサ204に代えて、エンジン114の温度を検出する温度センサ204Aや、冷却水の温度を検出する温度センサ204Bを用いてもよい。
以上のように、この実施の形態5によれば、温度センサ204(204A,204B)を備え、実際に低温環境下である場合にのみ、インバータ装置150およびウォーターポンプ172の始動前制御を実行するようにしたので、インバータ装置150およびウォーターポンプ172が不必要に動作することはなく、無駄な電力消費を防止できる。
[実施の形態6]
実施の形態6では、無線装置を用いて、ECU202による始動前制御の実行開始を外部から指示することができる。
図9は、この発明の実施の形態6によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図9を参照して、この実施の形態6によるハイブリッド自動車100Eは、図6に示した実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cの構成において、タイマスイッチ200に代えて受信部206を備える。受信部206は、外部の無線装置208からの無線信号を受信し、その受信した信号をECU202へ出力する。無線装置208は、ハイブリッド自動車100Eの外部から始動前制御の実行開始を指示するための遠隔装置である。そして、ECU202は、無線装置208からの無線信号を受信部206から受けると、インバータ装置150およびウォーターポンプ172の始動前制御を実行する。
以上のように、この実施の形態6によれば、無線装置208を用いて始動前制御の実行開始の指示を遠隔操作できるようにしたので、ハイブリッド自動車の利便性が向上する。
[実施の形態7]
実施の形態7では、ECU202による始動前制御の実行時、インバータ装置150からの発熱量の増加が図られる。
この実施の形態7によるハイブリッド自動車の冷却構造は、図6に示した実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cと同じである。
図10は、図6に示した実施の形態4における始動前制御時のインバータ装置150のスイッチング動作を説明するための図である。なお、この図10から以下の図17までにおいては、インバータ装置150のインバータ124におけるパワートランジスタQ11について代表的に説明するが、インバータ装置150におけるその他のパワートランジスタについても同様である。
図10を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11における電圧V、電流I、およびスイッチング動作時の損失Plossを示し、横軸は、時間を示す。時刻t1において、パワートランジスタQ11のターンオン動作が開始され、時刻t2において、その動作が終了する。また、時刻t3において、パワートランジスタQ11のターンオフ動作が開始され、時刻t4において、その動作が終了する。
時間ta1は、パワートランジスタQ11のスイッチング周期を表し、時間tb1は、パワートランジスタQ11のターンオン時間またはターンオフ時間を表す。すなわち、時間ta1は、パワートランジスタQ11のスイッチング周波数を示すものであり、時間tb1は、パワートランジスタQ11のスイッチング速度を示すものである。また、電圧Von1は、パワートランジスタQ11のオン電圧を表す。
パワートランジスタQ11の損失Plossは、パワートランジスタQ11における電圧Vと電流Iとの積で決まるので、図に示されるように、パワートランジスタQ11がターンオンまたはターンオフするときに大きな損失Plossが発生する。また、パワートランジスタQ11がオンしている間も、オン電圧Von1が0でない以上、損失Plossが発生している。
図11は、この発明の実施の形態7における始動前制御時のインバータ装置150のスイッチング動作を説明するための図である。
図11を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11における電圧V、電流I、およびスイッチング動作時の損失Plossを示し、横軸は、時間を示す。時刻t1,t2において、パワートランジスタQ11がそれぞれターンオン,ターンオフする。また、時刻t3,t4において、パワートランジスタQ11がそれぞれターンオン,ターンオフする。
時間ta2は、この実施の形態7におけるパワートランジスタQ11のスイッチング周期を表す。この実施の形態7では、この時間ta2が図10に示した実施の形態4におけるスイッチング周期ta1よりも短くなるように、ECU202がインバータ装置150のスイッチング動作を制御する。したがって、この実施の形態7におけるインバータ装置150は、パワートランジスタQ11のスイッチング周期が短くなった分、すなわちパワートランジスタQ11のスイッチング周波数が高くなった分、実施の形態4と比べて損失Plossが大きい。その結果、インバータ装置150からの発熱量が増加し、より効果的にエンジン114が暖められる。
以上のように、この実施の形態7によれば、ECU202による始動前制御時にインバータ装置150のスイッチング周波数を高くするようにしたので、インバータ装置150からの発熱量が増加することによって効果的にエンジン114を暖めることができ、その結果、エンジンの始動性がさらに改善される。
[実施の形態7の変形例1]
図12は、この発明の実施の形態7の変形例1における始動前制御時のインバータ装置150のスイッチング動作を説明するための図である。
図12を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11における電圧V、電流I、およびスイッチング動作時の損失Plossを示し、横軸は、時間を示す。時刻t1において、パワートランジスタQ11のターンオン動作が開始され、時刻t2において、その動作が終了する。また、時刻t3において、パワートランジスタQ11のターンオフ動作が開始され、時刻t4において、その動作が終了する。
時間tb2は、この実施の形態7の変形例1におけるパワートランジスタQ11のターンオン時間またはターンオフ時間を表す。この実施の形態7の変形例1では、この時間tb2が図10に示した実施の形態4における時間tb1よりも長くなるように、ECU202がインバータ装置150のスイッチング動作を制御する。したがって、この実施の形態7の変形例1におけるインバータ装置150は、パワートランジスタQ11のターンオン時間およびターンオフ時間が長くなった分、実施の形態4と比べて損失Plossが大きい。その結果、インバータ装置150からの発熱量が増加し、より効果的にエンジン114が暖められる。
図13は、インバータ装置150におけるパワートランジスタのターンオン時間およびターンオフ時間を可変にする回路の一例を示す電気回路図である。
図13を参照して、この回路は、抵抗RG1〜RG3と、スイッチング素子Q1〜Q3と、電流供給ラインBLとを含む。抵抗RG1〜RG3は、パワートランジスタQ11のベースに一端が接続され、スイッチング素子Q1〜Q3のエミッタにそれぞれ他端が接続される。スイッチング素子Q1〜Q3は、電流供給ラインBLにコレクタが接続され、抵抗RG1〜RG3にそれぞれエミッタが接続され、ECU202(図示せず、以下同じ。)からの制御信号をそれぞれベースに受ける。
抵抗RG1〜RG3については、抵抗RG1の抵抗値が最も小さく、抵抗RG3の抵抗値が最も大きい。そして、パワートランジスタQ11のターンオン時間およびターンオフ時間は、これらの抵抗RG1〜RG3の抵抗値に依存し、スイッチング素子Q1〜Q3を選択的にオンさせることによってパワートランジスタQ11のターンオン時間およびターンオフ時間を可変にすることができる。
図14は、図13に示したパワートランジスタQ11のベースに接続される抵抗値とパワートランジスタQ11のターンオン時間(ターンオフ時間)との関係を示す図である。
図14を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11のターンオン時間(ターンオフ時間)を示し、横軸は、パワートランジスタQ11のベースに接続される抵抗の大きさを示す。図に示されるように、パワートランジスタQ11のベースに接続される抵抗の値が大きいほど、パワートランジスタQ11のターンオン時間(ターンオフ時間)は長くなる。すなわち、図13において、抵抗値R1の抵抗RG1が選択されると、ターンオン時間(ターンオフ時間)は最も短いΔt1となり、抵抗値R3の抵抗RG3が選択されると、ターンオン時間(ターンオフ時間)は最も長いΔt3となる。
したがって、インバータ装置150からの発熱量を増加させたいときは、抵抗値の大きい抵抗RG3を選択することにより、インバータ装置150におけるパワートランジスタのターンオン時間およびターンオフ時間を長くし、パワートランジスタにおける損失Plossを増加させればよい。これによって、エンジン114をより効果的に暖めることが可能となる。
以上のように、この実施の形態7の変形例1によれば、インバータ装置150のターンオン時間およびターンオフ時間を可変としたので、ECU202による始動前制御時にインバータ装置150のターンオン時間およびターンオフ時間を遅くすることによってインバータ装置150からの発熱量を増加させ、より効果的にエンジン114を暖めることができる。
なお、図13に示される回路は、インバータ装置150内に組込んでもよいし、ECU202内に組込んでもよい。
[実施の形態7の変形例2]
図15は、この発明の実施の形態7の変形例2における始動前制御時のインバータ装置150のスイッチング動作を説明するための図である。
図15を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11における電圧V、電流I、およびスイッチング動作時の損失Plossを示し、横軸は、時間を示す。時刻t1において、パワートランジスタQ11のターンオン動作が開始され、時刻t2において、その動作が終了する。また、時刻t3において、パワートランジスタQ11のターンオフ動作が開始され、時刻t4において、その動作が終了する。
電圧Von2は、この実施の形態7の変形例2におけるパワートランジスタQ11のオン電圧を表す。この実施の形態7の変形例2では、このオン電圧Von2が図10に示した実施の形態4におけるオン電圧Von1よりも高くなるように、ECU202がインバータ装置150のスイッチング動作を制御する。したがって、この実施の形態7の変形例2におけるインバータ装置150は、パワートランジスタQ11のオン電圧が高くなった分、実施の形態4と比べて損失Plossが大きい。その結果、インバータ装置150からの発熱量が増加し、より効果的にエンジン114が暖められる。
図16は、インバータ装置150におけるパワートランジスタのオン電圧を可変にする回路の一例を示す電気回路図である。
図16を参照して、この回路は、スイッチング素子Q4,Q5と、電圧Vbが印加される電源ノード222と、接地電圧GNDが印加される接地ノード224と、抵抗RGとを含む。スイッチング素子Q4は、コレクタおよびエミッタがそれぞれ電源ノード222およびスイッチング素子Q5のコレクタに接続され、ECU202(図示せず、以下同じ。)からの制御信号をベースに受ける。スイッチング素子Q5は、コレクタおよびエミッタがそれぞれスイッチング素子Q4のエミッタおよび接地ノード224に接続され、ECU202からの制御信号をベースに受ける。抵抗RGは、スイッチング素子Q4,Q5の接続点に一端が接続され、パワートランジスタQ11のベースに他端が接続される。
ECU202は、パワートランジスタQ11をターンオンさせるとき、スイッチング素子Q4,Q5をそれぞれオン,オフする。そうすると、電源ノード222から電圧Vbに応じたベース電流が抵抗RGを介してパワートランジスタQ11のベースに流れ、パワートランジスタQ11がターンオンする。一方、ECU202は、パワートランジスタQ11をターンオフさせるとき、スイッチング素子Q4,Q5をそれぞれオフ,オンする。そうすると、パワートランジスタQ11のベースにはベース電流が供給されず、パワートランジスタQ11がターンオフする。
ここで、ECU202は、電源ノード222に印加される電圧Vbを変化させることによって、パワートランジスタQ11のオン電圧を変化させる。
図17は、図16に示した電源ノード222に印加される電圧VbとパワートランジスタQ11のオン電圧との関係を示す図である。
図17を参照して、縦軸は、パワートランジスタQ11のオン電圧を示し、横軸は、電源ノード222に印加される電圧Vbを示す。図に示されるように、電圧Vbが小さいほどパワートランジスタQ11のオン電圧を高くすることができる。そして、通常制御時は、損失Plossを小さくするために電源ノード222には電圧Vb1が印加され、パワートランジスタQ11のオン電圧はVon1であるところ、始動前制御時は、電源ノード222に電圧Vb2が印加され、パワートランジスタQ11のオン電圧は、通常制御時のオン電圧Von1よりも大きいオン電圧Von2となる。これにより、インバータ装置150における損失Plossを大きくすることができ、その結果、インバータ装置150からの発熱を増加させることができる。
以上のように、この実施の形態7の変形例2によれば、ECU202による始動前制御時にインバータ装置150におけるパワートランジスタのオン電圧を高くするようにしたので、始動前制御時にインバータ装置150からの発熱量を増加させることができ、より効果的にエンジン114を暖めることができる。
なお、図16に示される回路は、インバータ装置150内に組込んでもよいし、ECU202内に組込んでもよい。
[実施の形態8]
実施の形態8では、ECU202による始動前制御の実行時、インバータ装置150によって暖められた冷却水がラジエータ170によって冷却されてしまわないように、ラジエータ170のバイパスが設けられる。
図18は、この発明の実施の形態8によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図18を参照して、この実施の形態8によるハイブリッド自動車100Fは、図3に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の構成において、切替弁212と、バイパス路214と、ECU202とをさらに備える。
切替弁212は、冷媒路182に設けられ、ECU202からの指令に応じて、ウォーターポンプ172から供給される冷却水の出力先をラジエータ170およびバイパス路214のいずれかに切替える。バイパス路214は、ラジエータ170のバイパスであって、冷媒路174と切替弁212との間に設けられる。ECU202は、始動前制御でない通常制御時、冷媒路182からの冷却水がラジエータ170へ出力されるように切替弁212の動作を制御する。一方、ECU202は、始動前制御の実行時、冷媒路182からの冷却水がバイパス路214へ出力されるように切替弁212の動作を制御する。
このハイブリッド自動車100Fにおいては、始動前制御の実行時、冷却水は、ラジエータ170を介することなく循環するので、インバータ装置150の発熱によって暖められた冷却水がラジエータ170によって冷却されることが防止される。その結果、より効率的にエンジン114が暖められる。
以上のように、この実施の形態8によれば、始動前制御に冷却水をバイパス路214へ流す切替弁212を備えるので、エンジン114を暖めるためにインバータ装置150によって暖められた冷却水がラジエータ170によって冷却されることがなく、始動前制御の実行時におけるエネルギー利用効率が向上する。
[実施の形態9]
実施の形態9では、始動前制御の実行時、インバータ装置150だけでなく、インバータ装置150と冷却系統を共有する車室内エアコン用のインバータも動作させる。これによって、エンジン114がより効果的に暖められるとともに、車室内エアコンによって車室内も事前に暖められ、ハイブリッド自動車の車室内快適性が向上する。
図19は、この発明の実施の形態9によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図19を参照して、このハイブリッド自動車100Gは、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の構成において、エアコンインバータ232と、コンプレッサモータ234とをさらに備える。
エアコンインバータ232は、バッテリ122ならびに電源ラインL1および接地ラインL2に接続され、制御装置128からの制御信号に基づいて、バッテリ122または電源ラインL1および接地ラインL2から受ける直流電力を交流電力に変換してコンプレッサモータ234へ出力する。ここで、エアコンインバータ232は、高耐熱性を有するSiCパワー素子によって構成される。そこで、後述するように、エアコンインバータ232は、インバータ装置150と冷却系を共有し、インバータ装置150とともにエンジン114(図示せず)の冷却水を利用して冷却される。
コンプレッサモータ234は、車室内エアコンのコンプレッサを駆動するための交流モータであって、エアコンインバータ232から交流電力の供給を受けて動作する。制御装置128は、インバータ装置150におけるインバータ124,126の動作を制御するほか、エアコンインバータ232の動作も制御する。
なお、上記において、エアコンインバータ232は、「もう1つの負荷駆動装置」を構成する。
このハイブリッド自動車100Gにおいては、エアコンインバータ232は、始動前制御でない通常制御時、モータジェネレータMG1もしくはモータジェネレータMG2からの発電電力またはバッテリ122からの出力電力を所定の交流電力に変換してコンプレッサモータ234へ出力する。また、エアコンインバータ232は、制御装置128からの動作指令に応じて始動前制御時にも動作し、バッテリ122からの出力電力を所定の交流電力に変換してコンプレッサモータ234へ出力する。
なお、ハイブリッド自動車100Gにおける電気システムのその他の動作は、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の電気システムと同じである。
図20は、この発明の実施の形態9によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図20を参照して、このハイブリッド自動車100Gは、図6に示した実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cの構成において、冷媒路174,176の間にインバータ装置150に加えてエアコンインバータ232をさらに備える。ハイブリッド自動車100Gの冷却構造のその他の構成は、ハイブリッド自動車100Cと同じである。
このハイブリッド自動車100Gにおいては、ECU202は、タイマスイッチ200からの通知を受けると、インバータ装置150およびエアコンインバータ232ならびにウォーターポンプ172を動作させる。
そうすると、インバータ装置150およびエアコンインバータ232がその動作によって発熱し、インバータ装置150およびエアコンインバータ232と熱交換を行なった冷却水をウォーターポンプ172が循環させるので、インバータ装置150およびエアコンインバータ232からの熱が冷却水によってエンジン114に輸送され、エンジン114が暖められる。
また、この始動前制御の実行時、エアコンインバータ232は、コンプレッサモータ234を回転駆動する。したがって、エンジン114の始動前に車室内エアコンを作動させ、ハイブリッド自動車100Gの使用前に車室内を暖めておくことができる。
以上のように、この実施の形態9によれば、始動前制御の実行時にエアコンインバータ232も動作させるようにしたので、始動前制御の実行時におけるトータルの発熱量が増加し、エンジン114をより効果的に暖めることができる。また、エアコンインバータ232をエンジン始動前に事前に動作させることによって、ハイブリッド自動車100Gの使用前に車室内エアコンによって車室内を暖めておくことができ、ハイブリッド自動車100Gにおける車室内の快適性が向上する。
[実施の形態10]
実施の形態10では、エンジン114の始動性向上を目的としてインバータ装置150を動作させたためにバッテリ122の容量が低下してエンジン114を始動できなくなるという事態にならないように、バッテリ122の状態が監視される。
図21は、この発明の実施の形態10によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。
図21を参照して、この実施の形態10によるハイブリッド自動車100Hは、図6に示した実施の形態4によるハイブリッド自動車100Cの構成と基本的に同じであり、ECU202によってバッテリ122の状態が監視される。
ECU202は、始動前制御の実行時、インバータ装置150およびウォーターポンプ172の動作を制御するとともに、バッテリ122のSOC(State of Charge)を監視する。そして、ECU202は、エンジン114の始動に必要な所定値をバッテリ122のSOCが下回ると、インバータ装置150およびウォーターポンプ172を停止させ、始動前制御の実行を中止する。
以上のように、この実施の形態10によれば、始動前制御の実行時にバッテリ122のSOCを監視するようにしたので、始動前制御を行なったためにバッテリ122のSOCが低下してエンジン114を駆動できなくなるという事態が回避される。
[実施の形態11]
実施の形態11では、外部からの給電機能が備えられ、外部から供給される電力を用いて始動前制御が実行される。
図22は、この発明の実施の形態11によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図22を参照して、このハイブリッド自動車100Iは、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の構成において、AC/DC変換装置242と、外部コンセント244とをさらに備える。
AC/DC変換装置242は、電源ラインL1および接地ラインL2に接続される。AC/DC変換装置242は、ECU202からの指令に基づいて、外部の商用電源から外部コンセント244を介して受ける商用交流電力をバッテリ122の出力電圧と同等レベルの直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインL1および接地ラインL2へ出力する。外部コンセント244は、外部の商用電源をAC/DC変換装置242に供給するための電源プラグである。
なお、AC/DC変換装置242は、「電力変換装置」を構成する。また、ハイブリッド自動車100Iにおける電気システムのその他の構成および動作は、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の電気システムと同じである。
このハイブリッド自動車100Iにおいては、AC/DC変換装置242は、ECU202からの指令に応じて始動前制御時に動作し、外部の商用電源から外部コンセント244を介して受ける商用交流電力をバッテリ電圧からなる直流電圧に変換して電源ラインL1および接地ラインL2へ出力する。そして、インバータ装置150は、始動前制御時は、AC/DC変換装置242から供給される電力を受けてスイッチング動作し、そのスイッチング動作によって発熱する。
以上のように、この実施の形態11によれば、始動前制御時は、外部の商用電源から電力が供給されるので、始動前制御の実行によるバッテリ122の容量低下が防止される。
[実施の形態12]
始動前制御の実行時は、インバータ装置150およびウォーターポンプ172の動作を制御するECU202(上述のように、ECU202には制御装置128が含まれる。)自体にも電力の供給が必要である。そこで、この実施の形態12では、始動前制御の実行時、ECU202に電力を供給する補機バッテリについて、その容量低下の防止が図られる。
図23は、この発明の実施の形態12によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図23を参照して、このハイブリッド自動車100Jは、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の構成において、DC/DCコンバータ252と、補機バッテリ254とをさらに備える。
DC/DCコンバータ252は、バッテリ122ならびに電源ラインL1および接地ラインL2に接続される。DC/DCコンバータ252は、制御装置128(ECU202)からの指令に基づいて、バッテリ122からの直流電圧を補機バッテリ254の電圧レベルに降圧して補機バッテリ254を充電する。補機バッテリ254は、制御装置128(ECU202)や、ランプ、小型モータなどの補機類に電力を供給するための低圧バッテリである。
なお、このDC/DCコンバータ252は、「電圧変換装置」を構成する。また、ハイブリッド自動車100Jにおける電気システムのその他の構成および動作は、図2に示した実施の形態1によるハイブリッド自動車100の電気システムと同じである。
このハイブリッド自動車100Jにおいては、DC/DCコンバータ252は、制御装置128からの指令に応じて始動前制御の実行時に動作し、バッテリ122から受ける直流電圧を降圧して補機バッテリ254を充電する。そして、始動前制御の実行時、制御装置128は、補機バッテリ254から電力の供給を受けて動作し、インバータ装置150を駆動制御する。
なお、始動前制御の実行時、補機バッテリ254のSOCを制御装置128(ECU202)が監視し、補機バッテリ254のSOCが所定値を下回ったときに制御装置128(ECU202)からDC/DCコンバータ252へ動作指令を出力するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態12によれば、始動前制御時にDC/DCコンバータ252を動作させるようにしたので、始動前制御実行時のECU202の動作による補機バッテリ254の容量低下が防止される。
なお、上記の各実施の形態においては、SiCパワー素子がインバータに用いられる場合について代表的に説明したが、この発明の適用範囲は、インバータに用いられるパワー素子にSiCパワー素子を用いる場合に限定されるものではなく、たとえば、所定電圧の直流電源を供給するバッテリとインバータとの間に設けられるコンバータがインバータ装置(負荷駆動装置)に含まれる場合に、このコンバータにおけるパワー素子にSiCパワー素子を用い、インバータ装置の冷却にエンジン冷却水を用いる構成であってもよい。あるいは、冷却水による強制冷却が必要なその他の負荷駆動装置におけるパワー素子にSiCパワー素子を用い、その負荷駆動装置の冷却にエンジン冷却水を用いる構成であってもよい。
また、上記の実施の形態4〜12においては、ハイブリッド自動車における冷却構造として、図3に示した実施の形態1における冷却構造をベースに説明したが、エンジン114の始動前に実行される上記の始動前制御は、特に図示しないが、実施の形態2または実施の形態3における冷却構造の場合にも同様に適用することができる。
また、上記の各実施の形態においては、インバータ124,126に用いるパワー素子として高耐熱性を有するSiCパワー素子を用いる場合を代表的に説明したが、その他の高耐熱性のパワー素子、たとえば、窒化ガリウム(GaN)からなるGaN系のパワー素子や、ダイヤモンド系のパワー素子であってもよい。これらのパワー素子もエンジンを冷却する際の冷却水温度に対して耐熱性を有するので、インバータ装置の冷却にエンジンの冷却水を用いることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明による冷却システムが搭載されたハイブリッド自動車の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示されるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。 図1に示されるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態2によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態4によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 バッテリ容量と温度の関係を示す図である。 この発明の実施の形態5によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態6によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 図6に示す実施の形態4における始動前制御時のインバータ装置のスイッチング動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態7における始動前制御時のインバータ装置のスイッチング動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態7の変形例1における始動前制御時のインバータ装置のスイッチング動作を説明するための図である。 インバータ装置におけるパワートランジスタのターンオン時間およびターンオフ時間を可変にする回路の一例を示す電気回路図である。 図13に示すパワートランジスタQ11のベースに接続される抵抗値とパワートランジスタQ11のターンオン時間(ターンオフ時間)との関係を示す図である。 この発明の実施の形態7の変形例2における始動前制御時のインバータ装置のスイッチング動作を説明するための図である。 インバータ装置におけるパワートランジスタのオン電圧を可変にする回路の一例を示す電気回路図である。 図16に示す電源ノードに印加される電圧とパワートランジスタのオン電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態8によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態9によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。 この発明の実施の形態9によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態10によるハイブリッド自動車の冷却構造を概念的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態11によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。 この発明の実施の形態12によるハイブリッド自動車における電気システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
符号の説明
100,100A〜100J ハイブリッド自動車、102 動力伝達ギア、104 ディファレンシャルギア、106R,106L 駆動輪、108 プラネタリギア、110 動力取出ギア、112 チェーンベルト、114 エンジン、115 クランクシャフト、116〜118 レゾルバ、120 ダンパ、122 バッテリ、124,126 インバータ、128 制御装置、132 サンギア、134 リングギア、136 プラネタリピニオンギア、138 プラネタリキャリア、140 サンギア軸、142 リングギア軸、144 キャリア軸、150 インバータ装置、152,162 U相アーム、154,164 V相アーム、156,166 W相アーム、170 ラジエータ、172 ウォータポンプ、174〜182,192〜198 冷媒路、184 放熱フィン、200 タイマスイッチ、204,204A,204B 温度センサ、206 受信部、208 無線装置、212 切替弁、214 バイパス路、222 電源ノード、224 接地ノード、232 エアコンインバータ、234 コンプレッサモータ、242 AC/DC変換装置、244 外部コンセント、252 DC/DCコンバータ、254 補機バッテリ、MG1,MG2 モータジェネレータ、Q11〜Q16,Q21〜Q26 SiCトランジスタ、D11〜D16,D21〜D26 SiCダイオード、C コンデンサ、L1 電源ライン、L2 接地ライン、RG,RG1〜RG3 抵抗、Q1〜Q5 スイッチング素子、BL 電流供給ライン。

Claims (22)

  1. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置と、
    前記制御装置に所定のタイミングを通知するタイマとを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記タイマから前記通知を受けたとき、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行する、冷却システム。
  2. 外気温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記タイマから前記通知を受け、かつ、前記温度センサによって検出された前記外気温度が所定の温度以下であるとき、前記始動前制御を実行する、請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記エンジンの温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記タイマから前記通知を受け、かつ、前記温度センサによって検出される前記エンジン温度が所定の温度以下であるとき、前記始動前制御を実行する、請求項1に記載の冷却システム。
  4. 前記冷媒の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記タイマから前記通知を受け、かつ、前記温度センサによって検出される前記冷媒温度が所定の温度以下であるとき、前記始動前制御を実行する、請求項1に記載の冷却システム。
  5. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置と、
    外部無線装置からの無線信号を受信する受信部とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記外部無線装置から前記受信部を介して受信する前記無線信号に応じて、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行する、冷却システム。
  6. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、前記始動前制御の実行時、前記少なくとも1つのパワー素子のスイッチング周波数が通常制御時よりも高くなるように前記負荷駆動装置を制御する、冷却システム。
  7. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、前記始動前制御の実行時、前記少なくとも1つのパワー素子のターンオン時間およびターンオフ時間が通常制御時よりも長くなるように前記負荷駆動装置を制御する、冷却システム。
  8. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、前記始動前制御の実行時、前記少なくとも1つのパワー素子のオン電圧が通常制御時よりも高くなるように前記負荷駆動装置を制御する、冷却システム。
  9. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、
    前記冷却装置は、
    前記ラジエータのバイパス路と、
    前記ラジエータおよび前記バイパス路のいずれかに前記冷媒を通流させるための切替弁とをさらに含み、
    前記制御装置は、前記始動前制御の実行時、前記冷媒が前記バイパスを通流するように前記切替弁の動作を制御する、冷却システム。
  10. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、
    車室内を空調するエアコンに対応して設けられ、前記負荷駆動装置とともに前記冷却装置によって冷却されるもう1つの負荷駆動装置をさらに備え、
    前記もう1つの負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の前記冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのもう1つのパワー素子を含み、
    前記制御装置は、前記始動前制御の実行時、前記もう1つの負荷駆動装置をさらに動作させる、冷却システム。
  11. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、
    前記負荷駆動装置に電力を供給する直流電源をさらに備え、
    前記制御装置は、前記直流電源の容量が所定量以下であるとき、前記始動前制御の実行を中止する、冷却システム。
  12. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、
    前記負荷駆動装置に電力を供給する直流電源と、
    前記制御装置を動作させるための電力を供給する補機電源と、
    前記直流電源と前記補機電源との間に設けられ、前記直流電源からの第1の電圧を第2の電圧に変換して前記補機電源を充電する電圧変換装置とをさらに備え、
    前記制御装置は、前記始動前制御の実行時、前記電圧変換装置をさらに動作させる、冷却システム。
  13. 電気負荷に対応して設けられる負荷駆動装置と、
    エンジンを冷却する冷媒を用いて前記負荷駆動装置を冷却する冷却装置と、
    前記負荷駆動装置および前記冷却装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記負荷駆動装置は、前記エンジンを冷却する際の冷媒温度に対して耐熱性を有する少なくとも1つのパワー素子を含み、
    前記冷却装置は、
    前記冷媒を通流する冷媒路と、
    前記冷媒路に配設され、前記冷媒を冷却するラジエータと、
    前記冷媒路に前記冷媒を循環させるポンプとを含み、
    前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと直列または並列に配設され、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動前に前記負荷駆動装置および前記冷却装置を動作させる始動前制御を実行し、
    外部から受ける第1の電力を第2の電力に変換して前記負荷駆動装置に供給可能な電力変換装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記始動前制御の実行時、前記電力変換装置をさらに動作させる、冷却システム。
  14. 前記第1の電力は、商用交流電力である、請求項13に記載の冷却システム。
  15. 前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において、前記ラジエータからみて前記エンジンの上流側に前記エンジンと直列に配設される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の冷却システム。
  16. 前記負荷駆動装置は、前記少なくとも1つのパワー素子よりも耐熱性の低いコンデンサをさらに含み、
    前記コンデンサは、前記ラジエータからみて前記少なくとも1つのパワー素子のさらに上流側に配設される、請求項15に記載の冷却システム。
  17. 前記負荷駆動装置は、前記冷媒路において前記エンジンと並列に配設され、
    前記冷却装置は、
    前記負荷駆動装置を経由する第1の分岐路と、
    前記エンジンを経由する第2の分岐路とをさらに含み、
    前記第1および第2の分岐路における圧力損失と前記負荷駆動装置および前記エンジンの発熱量とに基づいて、前記第1および第2の分岐路に流される冷媒の流量比が決定される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の冷却システム。
  18. 前記少なくとも1つのパワー素子の各々は、シリコンカーバイドからなるパワー素子である、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の冷却システム。
  19. 前記少なくとも1つのパワー素子の各々は、窒化ガリウム系のパワー素子である、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の冷却システム。
  20. 前記少なくとも1つのパワー素子の各々は、ダイヤモンド系のパワー素子である、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の冷却システム。
  21. 前記電気負荷は、回転電機であり、
    前記制御装置は、前記始動前制御の実行時、前記負荷駆動装置から前記回転電機への出力電圧が前記回転電機に対してd軸電流のみを発生させる電圧パターンとなるように前記負荷駆動装置を制御する、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の冷却システム。
  22. 請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の冷却システムを備えるハイブリッド自動車。
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