JP4140436B2 - スプレー表皮材を用いた内装材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮材の合わせ目部分における見切り溝がなく優れた意匠性を発揮する2トーンのスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−351351号公報
【0003】
従来から、例えば自動車用ドアトリム等の内装材として、基材表面に塩化ビニルからなる装飾用の表皮材を貼着一体化したものが広く利用されていた。しかし、塩化ビニルからなる表皮材は、外観品質に劣りまた色彩等の選択幅が少ないことから意匠の自由度が低いという問題点があった。更には、環境問題から脱塩ビ傾向にあり、塩化ビニルに代わる新たな表皮材の使用が要望されていた。
そこで、特許文献1に示されるように、塩化ビニルに代わり意匠の自由度が高く、しかも環境にも優しいウレタン樹脂を用いたスプレー表皮材が開発され実用に供されている。
【0004】
しかしながら、2トーンの色彩よりなるスプレー表皮材を用いたものでは、図9に示されるように、表皮材の合わせ目部分に見切り溝が残ってしまい外観品質を低下させるという問題点があった。
即ち、第1色の表皮材31aとそれとは異なる第2色の表皮材31bからなるスプレー表皮材31は、鮮明な見切り線を出すためにスプレー成形する際、断面U字状の見切り溝32が形成される。そして、この見切り溝32は蛇行防止のため成形型20に突設された凸部20aに係合した状態でセットされ、次いで、成形型21との間に形成されたキャビティ内に樹脂が射出されて表皮一体の成形品が製造される。なお、図中24は半硬質ポリウレタン層22とインサート基材23よりなる内装基材である。この結果、得られた内装材の意匠面には第1色の表皮材31aと第2色の表皮材31bとの間に見切り溝32が残存することとなり、外観品質の低下を免れないという問題が生じていた。
【0005】
一方、前記見切り溝32の問題を解消する方法として、図10に示されるように、別々に成形した第1色の表皮材31aと第2色の表皮材31bを見切り溝を設けることなく成形型20、21内にセットして射出成形する方法も提案されている。しかし、この場合には成形型への表皮材のセットが面倒なうえに、射出した樹脂が貼り合わせ部からしみ出すため、それを防止するのにラップ代31cを形成する等のシール対策が必要となり、生産性および生産コストの点で劣るという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、2トーン以上の表皮材の合わせ目部分における見切り溝がなく優れた意匠性を発揮することができ、また成形工程も簡単で優れた生産性および生産コストの低廉化を図ることができるスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法を提供することを目的して完成されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明のスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法は、スプレー表皮材を第1色の表皮材とそれとは異なる第2色の表皮材からなる2トーンのものとして、その合わせ目部分に断面U字状の見切り溝を形成しておき、該見切り溝の第1色の表皮材に変形表皮部を設け、この変形表皮部を第2色の表皮材側の溝開口部コーナに接するように変形させることにより、見切り溝を閉鎖するようにしたスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法であって、変形表皮部を設けた第1色の表皮材側の溝開口部コーナの曲率半径を、第2色の表皮材側の溝開口部コーナの曲率半径よりも大きなものとし、かつ第2色の表皮材側の溝開口部コーナの肉厚を他の部分よりも厚肉として、樹脂の射出圧によって変形表皮部を第2色の表皮材側の溝開口部コーナに接するように変形させることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい形態を示す。
図1は、スプレー表皮材の裏面側に樹脂を射出して表皮一体の内装材とするスプレー表皮材を用いた内装材の製造工程の説明図であり、図中20、21は一対の成形型、1は第1色の表皮材1aとそれとは異なる第2色の表皮材1bからなる2トーンのスプレー表皮材である。また、図中24は基材となる半硬質ポリウレタン層22と必要に応じて追加されるインサート基材23よりなる内装基材である。なお、図8にインサート基材23のない内装基材24を用いた場合の説明図を示す。
【0009】
前記スプレー表皮材1には、第1色の表皮材1aと第2色の表皮材1bの合わせ目部分に断面U字状の見切り溝2が形成されている点は、従来の2トーンからなるスプレー表皮材と基本的には同様である。
そして、本発明のスプレー表皮材1では、見切り溝2の第1色の表皮材1aに変形表皮部3が設けられて、この変形表皮部3を第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bに接するように変形させることにより、見切り溝2を閉鎖するように構成されている。
【0010】
即ち、図6に示されるように、断面U字状の見切り溝2(一点鎖線で表示)は、成形型内に樹脂が射出されるとその射出圧によって押されることとなるが、第1色の表皮材1aには変形表皮部3が設けられており、該変形表皮部3が図示のように変形することで見切り溝2は完全に閉鎖されることとなる。しかも、射出圧によって変形表皮部3が変形するだけであり表皮材が伸ばされることもなく、従って表皮材の位置ずれは発生せず所望通りの見切り線が形成されることとなる。
【0011】
この場合、図3に示されるように、変形表皮部3を設けた第1色の表皮材側の溝開口部コーナ2aの曲率半径を、第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bの曲率半径よりも大きなものとしておくことで、溝開口部コーナ2bの変形を起こりにくくし、樹脂の射出圧によって変形表皮部3が確実に変形して第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bに接するようにしておくことが好ましい。
また、第2色の表皮材の溝開口部コーナ2bの肉厚を他の部分よりも厚肉として強度を持たせることで、この部分の樹脂の射出圧による変形を防止し変形表皮部3が確実に変形するようにすることもできる。なお、4はこのようにして成形された厚肉部である。
【0012】
更には、図4に示されるように、見切り溝を第2色の表皮材側へ傾斜させたものとしておくことにより、変形表皮部3が確実に変形するようにすることもできる。なお、この場合は第2色の表皮材の溝開口部コーナ2bがスプレー成形の際に自然に厚肉部4となるため、変形表皮部3がより変形しやすくなる。
【0013】
その他、前記変形表皮部3としては、図5に示されるように、第1色の表皮材の溝開口部コーナ2aに、断面V字状に表面側へ突出する変形表皮部3を設けたものとすることもできる。
この場合は、図2および図7に示されるように、スプレー表皮材1を成形型20にセットした時、V字状に突出した変形表皮部3(図7の一点鎖線で表示)は型面に添うようにしてフラットに変形させられるとともに、その先端部を第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bに接するように変形させられることとなり、自然に見切り溝2は閉鎖されることとなる。
【0014】
このように、本発明はスプレー表皮材の裏面側に樹脂を射出して表皮一体の内装材とするスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法において、前記スプレー表皮材1を第1色の表皮材1aとそれとは異なる第2色の表皮材1bからなる2トーンのものとして、その合わせ目部分に断面U字状の見切り溝2を形成しておき、該見切り溝2の第1色の表皮材1aに変形表皮部3を設け、この変形表皮部3を第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bに接するように変形させたうえ、更には、変形表皮部3を設けた第1色の表皮材側の溝開口部コーナ2aの曲率半径を、第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bの曲率半径よりも大きなものとし、かつ第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bの肉厚を他の部分よりも厚肉として、樹脂の射出圧によって変形表皮部3を第2色の表皮材側の溝開口部コーナ2bに接するように変形させることにより、見切り溝2を閉鎖するようにしたので、2トーン以上の表皮材の合わせ目部分における見切り溝がなく優れた外観品質を呈することとなる。しかも、成形型内で2つの表皮材を位置合わせする必要もなく少ない工程数で簡単に生産可能となり、また、樹脂しみ出し防止用のシール対策も必要がなく安価に生産可能となる等の利点もある。更には、従来のように成形型20に蛇行防止用の凸部20aを突設する必要もなく、型代を安価にできるという利点もある。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は2トーン以上の表皮材の合わせ目部分における見切り溝がなく優れた意匠性を発揮することができ、また成形工程も簡単で優れた生産性および生産コストの低廉化を図ることができるものである。
よって、本発明は従来の問題点を一掃したスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す工程説明図である。
【図2】その他の実施の形態を示す工程説明図である。
【図3】2トーンのスプレー表皮材を示す断面図である。
【図4】その他の2トーンのスプレー表皮材を示す断面図である。
【図5】その他の2トーンのスプレー表皮材を示す断面図である。
【図6】スプレー表皮材の変形工程を示す説明図である。
【図7】その他のスプレー表皮材の変形工程を示す説明図である。
【図8】その他の実施の形態を示す工程説明図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】その他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スプレー表皮材
1a 第1色の表皮材
1b 第2色の表皮材
2 見切り溝
2a 第1色の表皮材側の溝開口部コーナ
2b 第2色の表皮材側の溝開口部コーナ
3 変形表皮部
4 厚肉部
20 成形型
21 成形型
22 半硬質ポリウレタン層
23 インサート基材
24 内装基材
Claims (2)
- スプレー表皮材を第1色の表皮材とそれとは異なる第2色の表皮材からなる2トーンのものとして、その合わせ目部分に断面U字状の見切り溝を形成しておき、該見切り溝の第1色の表皮材に変形表皮部を設け、この変形表皮部を第2色の表皮材側の溝開口部コーナに接するように変形させることにより、見切り溝を閉鎖するようにしたスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法であって、変形表皮部を設けた第1色の表皮材側の溝開口部コーナの曲率半径を、第2色の表皮材側の溝開口部コーナの曲率半径よりも大きなものとし、かつ第2色の表皮材側の溝開口部コーナの肉厚を他の部分よりも厚肉として、樹脂の射出圧によって変形表皮部を第2色の表皮材側の溝開口部コーナに接するように変形させることを特徴とするスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法。
- 見切り溝を第2色の表皮材側へ傾斜させたものとしておく請求項1に記載のスプレー表皮材を用いた内装材の製造方法。
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