JP4140362B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビットマップ画像の処理に関し、例えば補間処理のように、出力画像の画素の値を入力画像の複数の参照画素から求める変換処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、公衆回線を用いたファクシミリ通信に加え、公衆回線やLANなどのネットワークを用いた画像通信が盛んに行なわれている。画像データを送受する機器もファクシミリのほか、パーソナルコンピュータや複合ディジタル複写機、ネットワークプリンタなど、各種の機器が用いられている。また最近はこれらの機器のカラー化も進み、カラーFAXやカラープリンタも主流になりつつある。
【0003】
ネットワークを介して画像データをやりとりする場合、通常は入力した原稿画像のタイプを判別して、原稿に適した画像処理を画像全体に施して出力側の機器へ送信する。このように原稿画像全体を一括して扱った場合、原稿画像が文字のみ、あるいは写真のみといった1種類の属性の画像データだけで構成されるのであれば特に問題はない。しかし、文字と写真が混在しているような複数の属性の画像データから構成されている場合には不都合が生じる。例えば文字と写真が混在している画像データを圧縮しようとした場合、文字部分にも写真部分にも同様に圧縮処理を施すので、適用する圧縮手法によっては文字部あるいは写真部のいずれかの圧縮率が低下したり、あるいはいずれかの画質が劣化してしまう。
【0004】
このような問題を解決するため、近年標準化されたITU−T勧告T.44に規定されるMRC(Mixed Raster Content)では、文字・線画と写真等の連続階調の絵柄とが混在する画像データを、背景プレーン、前景プレーン、及びそれら両者のどちらを選択するかを示すマスクプレーン、の合計3層のプレーンに分離し、それぞれのプレーンを個別に圧縮符号化する方式を規定している。このITU−T勧告T.44に従うと、文字・線画部分と絵柄部分とを、それぞれ別のプレーンに分離し、各プレーンを、各々に含まれる画像データの特徴に適合する圧縮符号化方式で圧縮符号化することができる。例えば絵柄部分のプレーンはITU−T勧告T.81に示されたJPEG方式のような非可逆圧縮方式で圧縮符号化し、文字・線画部分のプレーンはITU−T勧告T.6に示されたMMR方式のような可逆圧縮方式で圧縮符号化するなどである(特許文献1〜4参照)。特許文献3,4ではプレーン分離の具体的な手法を提案している。
【0005】
このように、文字・線画と絵柄とが混在する画像データをその局所的な特性に応じて3層の画像データプレーンに分離し、プレーン毎に圧縮符号化方式を選択的に切り替える技術は、JPEG方式単独で文字写真混在画像データを圧縮する場合に比して圧縮効率を稼ぎつつ圧縮画像品質を高く保つことができるという利点がある。
【0006】
また、そのようにして分離した各プレーンの解像度を落とすことで、データ圧縮率を更に高めることも行われ、更に特許文献1、2には、プレーンごとに、そのプレーンの特性に応じた解像度変換を行う点が開示されている。
【0007】
すなわち、これら従来技術では、図16に示すように、(a)送信側では、まず送信対象のオリジナル画像1000を、マスク1010、前景1012,背景1014の3つのプレーンに分離する。ここでオリジナル画像1010は、色つきの文字部分1002と連続階調カラーの絵柄部分1004を含んでいる。これから生成されるマスク1010は、文字部分1002の領域を1,その他の領域を0とする2値画像である。また、前景1012は、該文字部分1002の色パレットとして用いられるものであり、その文字部分1002を内包する領域がその文字部分の1002の色に設定された画像として生成される。なお前景1012では、色パレットの領域以外の画素は、受信側での画像再生の際に参照しない(ドント・ケア(don't care))ので、適当な画素値がセットされる。図示の例では、色パレットの領域として当該文字部分1002の領域そのものが用いられている。背景1014は、絵柄部分1004を保持するプレーンであり、背景1014中の文字部分1002の画素は画像再生の際に参照しないので適当な値がセットされる。(b)送信側は、これら3プレーンのうち前景1012及び背景1014を、最近傍法縮小や4点補間縮小、投影法縮小などの所定の縮小処理で低解像度化し、この結果できた縮小前景1022及び縮小背景1024と、解像度変換しないマスク1010をそれぞれ所定の圧縮方式で圧縮した上で受信側に送る。(c)受信側では、それら各プレーンの圧縮データをそれぞれ対応する圧縮方式に従って伸長する。そして、縮小前景1022及び縮小背景1024はそれぞれ元の解像度になるまで拡大し、この結果できた前景1032と背景1034をマスク1010に従って合成することで、再生画像1030を生成している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−122479号公報
【特許文献2】
特開平11−150654号公報
【特許文献3】
特開2000−101302公報
【特許文献4】
特開2000−175051公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにMRCの各プレーンの画像を低解像度に変換した上で伝送し、受信側で元の解像度に戻す方式を用いた場合、画像の特に前景や背景の輪郭近傍に濁りが生じてしまう場合があった。すなわち、送信時の縮小や受信時の拡大の際の補間処理では、文字部分や絵柄部分の輪郭部分の画素の値は、元画像(縮小前又は拡大前の画像)の文字部分や絵柄部分の画素だけでなく、その近傍のドント・ケア領域の画素も参照して計算されるため、元々の画素値とは異なる値となってしまう(具体的な補間手法については特許文献1の0025〜0030段落を参照)。特に、図16のように前景1012の色パレット領域を文字部分1002と全く同じ形状・サイズとして作成する処理系では、受信側で再生した前景1032の文字部分の輪郭近傍の画素は、その周囲のドント・ケア画素の値も反映した値となるため色が濁り、これを文字部分の形状を持つマスク1010でマスクしても、文字輪郭の色濁り部分が再生画像1030に現れる。文字・線画の場合、このような輪郭近傍の色濁りは、再生画像1030の見栄えを悪くする。特に細線部分を含む文字・線画の場合、細線部分が太線部分と異なった色になってしまい、一連の文字・線画が途中で分離したように見えるなどの問題が生じる。
【0010】
この問題は、文字部分1002より十分大きい領域を前景1012の色パレット領域として作成するシステムでは起こらないが、文字部分自体を切り出して前景1012を作成する方式は計算が容易(マスク1010を作成すれば、ほぼ即座に作成できる)なため、この方式を実装するシステムも少なくない。
【0011】
以上、MRCの解像度変換による文字等の輪郭の色濁りの問題を説明したが、補間処理など、出力画像の画素の値を入力画像の複数の参照画素の値から計算する変換処理一般を行う場合にも、このような輪郭部分の色濁りの問題が生じる可能性がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、変換処理の際の輪郭部分の色濁りを防止又は低減できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明に係る画像処理装置は、入力デジタル画像から出力デジタル画像を生成するために、入力デジタル画像の各画素が注目領域に属するか否かの情報を含む第1の領域分け情報を参照して、出力デジタル画像の出力画素ごとに、その出力画素が入力デジタル画像の所定の注目領域に対応するものであるか否かを判別する判別手段と、出力デジタル画像の出力画素の値を、その出力画素に対応する入力デジタル画像の1以上の参照画素の値から求める所定の計算処理により、入力デジタル画像から出力デジタル画像を生成する変換手段であって、前記出力画像のうち前記注目領域に対応する出力画素については、その出力画素に対応する参照画素のうち前記注目領域に属する参照画素の値が、その注目領域に属さない参照画素よりも強く出力画素の値に影響する計算処理を用いて、参照画素の値からその出力画素の値を算出する変換手段と、を備える。
【0014】
この装置では、注目領域に対応する出力画素の値は、注目領域に属さない参照画素よりも注目領域に属する参照画素の方の影響をより強く受けた値となる。したがって、この装置では、対応する参照画素群の中に注目領域に属する画素と属さない画素とが混在するような出力画素の値を求める場合、出力画素の値は注目領域に属する参照画素の値に近くなるので、注目領域の輪郭部分の画素値の変換による変化を防止又は緩和できる。なお、例えばMRCの前景プレーンを解像度変換する例を考えると、前景プレーンで意味ある値を持つ画素の集まりが「注目領域」に該当する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る画像伝送システムの一例を示す機能ブロック図である。このシステムは、ITU−T勧告T.44に規定されるMRC(Mixed Raster Content)方式を用いたものである。
【0017】
図1のシステムは、大きく分けて送信側装置100と受信側装置150から構成される。送信側装置100と受信側装置150とは、公衆回線やLAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信回線を介し、所定のネットワークプロトコルに従って接続されている。送信側装置100及び受信側装置150は、例えば、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、ディジタル複写機、デジタル複合機、ネットワークプリンタなど、画像データを送信したり、受信したりする機能を有する装置である。図1では、送信側装置100については画像送信のための構成要素群を示し、受信側装置150についての画像受信のための構成要素群を示しているが、送信側装置100及び受信側装置150は、図示した構成要素群以外にも各種の要素を含み得る。
【0018】
まず送信側装置100について説明する。送信側装置100は、画像入力部102,マスク生成部104,前景背景分離部106,前景縮小部108,背景縮小部110,前景圧縮部112,背景圧縮部114,マスク圧縮部116,フォーマット部118,送信部120を備えている。
【0019】
画像入力部102は、送信対象のビットマップ画像を入力する機能モジュールである。マスク生成部104は、入力されたビットマップ画像から、MRCのマスクプレーンを生成する機能モジュールである。生成されるマスク(Mask)プレーンは、例えばビットマップ画像内の文字・線画部分に該当する画素を値“1”とし、その他の部分に該当する画素を値“0”とする2値画像である。前景背景分離部106は、入力されたビットマップ画像から、マスク生成部104で生成されたマスクプレーンに基づき、MRCの前景(Foreground)プレーンと背景(Background)プレーンを生成する機能モジュールである。生成される前景プレーンは、元のビットマップ画像中の文字・線画部分に該当する画素が該ビットマップ画像中の当該画素自身の値を持ち、その他の部分の画素(ドント・ケア画素)が所定の画素値を持つカラー画像である。また生成される背景プレーンは、元のビットマップ画像における文字・線画部分以外の部分に該当する画素が該ビットマップ画像中の当該画素の値を持ち、他の部分(すなわち文字・線画部分)の画素(ドント・ケア画素)が所定の画素値を持つカラー画像である。マスクプレーンや前景プレーン、背景プレーンの生成処理自体は公知技術であり、特許文献1〜4にもいくつかの生成手法が開示されている。マスク生成部104、前景背景分離部106は、これら公知技術を用いてそれら各プレーンの画像を生成することができる。
【0020】
このような層分離を用いた場合、受信側の層合成では、マスクプレーン1040の値“1”の画素については前景プレーン1042の画素値を採用し、マスクプレーン1040の値“0”の画素については背景プレーン1044の画素値を採用する)図5参照)。したがって、マスクプレーン1040の値“1”の画素は前景プレーン1042に属し、値“0”の画素は背景プレーン1044に属するととらえることができる。
【0021】
前景縮小部108は前景プレーンの画像を縮小する機能モジュールであり、背景縮小部110は背景プレーンの画像を縮小する機能モジュールである。この縮小処理は、画像の解像度を低下させるためものである。前景縮小部108及び背景縮小部110でそれぞれ縮小された前景プレーン及び背景プレーンを、以下では縮小前景プレーン及び縮小背景プレーンとそれぞれ呼ぶこととする。本実施形態の前景縮小部108と背景縮小部110は、画像の縮小(すなわち低解像度化)の際に、マスク生成部104で生成されたマスクプレーンを参照する。この縮小処理の詳細については後で説明する。
【0022】
前景圧縮部112は縮小前景プレーンの画像をデータ圧縮する機能モジュールである。この前景圧縮には、例えば2値画像や、カラー画像の非可逆圧縮に適したJBIG(Joint Bi-level Image Coding Expert Group)などの符号化方式を用いることができる。また、背景圧縮部114は、縮小背景プレーンの画像をデータ圧縮する機能モジュールである。この背景圧縮には、連続調画像の圧縮に適したJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの符号化方式を用いることができる。マスク圧縮部116は、マスクプレーンの画像をデータ圧縮する機能モジュールである。このマスク圧縮には、2値画像の圧縮に適したMMR、JBIGなどの圧縮方式を用いることができる。これら前景圧縮、背景圧縮、及びマスク圧縮の処理自体は公知技術であり、上に例示した以外にも様々な従来技術を利用することができる。
【0023】
フォーマット部118は、縮小前景プレーン、縮小背景プレーン及びマスクプレーンの各々の圧縮データを、MRCのフォーマットに従ってパッケージ化する機能モジュールである。送信部120は、フォーマット部118で作成されたMRCデータを、受信側装置150に対して送信する。
【0024】
次に受信側装置150について説明する。受信側装置150は、受信部152,フォーマット解凍部154,マスク伸長部156,マスク縮小部158,前景伸長部160,背景伸長部162,前景拡大部164,背景拡大部166,一層合成部168,画像出力部170を備える。
【0025】
受信部152は、送信側装置100から送信されたMRCデータを受信する機能モジュールである。フォーマット解凍部154は、そのMRCデータをマスクプレーン、前景プレーン及び背景プレーン(全て圧縮データ)に分解する。マスク伸長部156は、フォーマット解凍部154から与えられるマスクプレーンの圧縮データを、対応する符号化方式に従ってデータ伸長し、元のマスクプレーンを再生する。前景伸長部160及び背景伸長部162は、フォーマット解凍部154から与えられる圧縮された前景プレーン及び背景プレーンを、それぞれ対応する符号化方式に従ってデータ伸長する。このデータ伸長により、縮小前景プレーン及び縮小背景プレーンが得られる。
【0026】
マスク縮小部158は、マスク伸長部156で求められたマスクプレーン(高解像度)を縮小し、低解像度の縮小マスクプレーンを作成する。この縮小マスクプレーンは、縮小前景プレーン用と、縮小背景プレーン用とにそれぞれ作成する。縮小前景プレーン用の縮小マスクプレーンは、元のマスクプレーンに対して前景縮小部108と同じ縮小処理を施すことにより作成する。これにより、縮小前景プレーンと同じ解像度で、文字・線画部分が値“1”となり、他の部分が“0”となる縮小前景プレーン用の縮小マスクが作成される。縮小背景プレーン用の縮小マスクプレーンは、元のマスクプレーンに対して背景縮小部110と同じ縮小処理を施すことにより(縮小前景プレーン用縮小マスクの作成手順と同様に)、作成する。
【0027】
前景拡大部164は、前景伸長部160で得られた縮小前景プレーンを、縮小前の前景プレーンと同じ解像度になるまで拡大することにより、前景プレーンを再生する。ここで、前景拡大部164は、マスク縮小部158で作成された縮小前景プレーン用の縮小マスクプレーンを参照しつつ、この拡大処理を実行する。背景拡大部166は、背景伸長部162で得られた縮小背景プレーンを、縮小前の背景プレーンと同じ解像度になるまで拡大することにより、背景プレーンを再生する。ここで背景拡大部166は、マスク縮小部158で作成された縮小背景プレーン用の縮小マスクプレーンを参照しつつ、この拡大処理を実行する。なお、前景拡大部164及び背景拡大部166による拡大処理の詳細は、後で説明する。
【0028】
一層合成部168は、各拡大部164及び166で求められた前景プレーン及び背景プレーンを、マスク伸長部156で求められたマスクプレーンを用いて合成することにより、元の画像を再生する。この合成では、マスクプレーン上で値が“1”の画素は前景プレーンの画素値を採用し、マスクプレーン上で値が“0”の画素は背景プレーンの画素値を採用することにより、画像を構成する。
【0029】
画像出力部170は、このようにして再生された画像を、その画像を処理する所定の装置やアプリケーションソフトウエアに供給する。
【0030】
以上、本実施形態のシステム構成の一例を説明した。次に、前景縮小部108,背景縮小部110,前景拡大部164,及び背景拡大部166で行われる、ビットマップ画像の縮小及び拡大処理について説明する。前述のように、この縮小及び拡大は解像度変換処理と言い換えることができる。解像度変換では、特許文献1の0025〜0030段落に例示されるように、画素値を補間により求めることが一般的である。図2は、解像度変換の考え方を説明するための図であり、入力画像2000から、解像度変換処理によってより低解像度の出力画像2100を生成する場合を示している。入力画像2000内に整列した黒い丸印は、該画像2000の個々の画素(入力画素2010と呼ぶ)の位置を示し、出力画像2100内に整列した白抜きの丸印は、該画像2100の画素(出力画素2110と呼ぶ)の位置を示している。出力画像2100の方が同じ画像を入力画像2000よりも少ない画素数で表現することになる。画素ピッチが固定の表示系では、このような低解像度化は画像縮小と等価である。この低解像度化で、出力画像2100の各画素2110の値を求める場合、出力画像2100を入力画像2000に合わせて拡大することにより、各出力画素2110を入力画像2000にマッピングする。これにより得られるマッピング結果2200では、一般に出力画素2110は入力画素2010に重ならないので、出力画素2100の値を周囲の入力画素2010の値から求めることとなり、この際に4点線形補間や投影法などの補間処理が用いられる。例えば4点線形補間の場合は、出力画素Tの値は、周囲の4つの入力画素R1〜R4の画素値から求められる。
【0031】
図2では縮小(低解像度化)の場合を説明したが、拡大(高解像度化)の場合も同様に、出力画像(拡大結果)の各画素の位置を入力画像(拡大前)の座標系にマッピングし、そのマッピングした出力画素位置を基準に、利用する補間方式に応じた参照画素群が入力画像から選択されることになる。
【0032】
図3は、前景縮小部108及び前景拡大部164で実行される補間処理の概略的な流れを示すフローチャートである。前景プレーンの縮小又は拡大処理では、補間処理で求めたい出力画像2100を入力画像2000の座標系にマッピングしたのち、図3の処理を実行する。
【0033】
すなわち、まずマッピング結果から出力画素2110を1個取り出し(S10)、この出力画素2110に対応する参照画素を入力画素2010群から特定する。参照画素の選び方は、補間方式による。例えば4点線形補間(バイリニア補間とも呼ばれる)の場合は、図2のマッピング結果2200の領域2250に示したように注目する出力画素2110の周囲最近傍の4つ入力画素が参照画素に選択され、16点補間の場合は、その4入力画素の1つ外側の12個の入力画素も含んだ合計16個が参照画素に選択される。そして、そのようにして特定した参照画素がそれぞれ前景又は背景のいずれに属するかをマスクプレーンに基づいて判定し、さらにその判定結果に基づき、参照画素すべてが前景に属するか、又は参照画素すべてが背景に属する、かのいずれかが満足されるか否かを判別する(S12)。この判定結果が肯定(Y)ならば、従来通りの通常の補間処理を実行する(S14)。
【0034】
ステップS12の判定結果が否定(N)の場合、出力画素に対応する参照がその中に前景画素と背景画素が混在することになる。この場合、前景プレーンの縮小又は拡大を行う本プロセスでは、それら参照画素のうち前景に属する画素の値のみを用いて補間処理を行う(S16)。
【0035】
すなわち、図3の手順では、出力画素に対応する参照画素の中に1つでも前景プレーンの画素があれば、その出力画素が前景であるものとして取り扱い、それら参照画素のうち前景に属するもののみを用いて補間計算を行っている(逆に言えば背景に属するものは、補間計算の際に参照しない)。
【0036】
このような補間処理(S14又はS16)により、注目する出力画素の値が決まる。以上のステップS10〜S16の処理を、マッピングした出力画素のすべてについて繰り返す(S18)ことにより、出力画像(すなわち縮小結果又は拡大結果)が形成される。
【0037】
図4は、背景縮小部110及び背景拡大部166で実行される補間処理の概略的な手順を示すフローチャートである。背景プレーンの縮小又は拡大処理では、補間処理で求めたい出力画像2100を入力画像2000の座標系にマッピングしたのち、図4の処理を実行する。
【0038】
すなわち、まずマッピング結果から出力画素2110を1個取り出し(S20)、この出力画素2110に対応する参照画素を入力画素2010群から特定する。参照画素の選び方は、補間方式による。そして、そのようにして特定した参照画素がそれぞれ前景又は背景のいずれに属するかをマスクプレーンに基づいて判定し、さらにその判定結果に基づき、参照画素すべてが前景に属するか、又は参照画素すべてが背景に属する、かのいずれかが満足されるか否かを判別する(S22)。この判定結果が肯定(Y)ならば、従来通りの通常の補間処理を実行する(S24)。
【0039】
ステップS22の判定結果が否定(N)の場合、出力画素に対応する参照画素の中に前景画素と背景画素が混在することになる。この場合、背景プレーンの縮小又は拡大を行う本プロセスでは、それら参照画素のうち背景に属する画素の値のみを用いて補間処理を行う(S26)。
【0040】
すなわち、図4の手順では、出力画素に対応する参照画素の中に1つでも背景プレーンの画素があれば、その出力画素が背景であるものとして取り扱い、それら参照画素のうち背景に属するもののみを用いて補間計算を行っている(逆に言えば前景に属するものは、補間計算の際に参照しない)。
【0041】
このような補間処理(S24又はS26)により、注目する出力画素の値が決まる。以上のステップS20〜S26の処理を、マッピングした出力画素のすべてについて繰り返す(S28)ことにより、出力画像(すなわち縮小結果又は拡大結果)が形成される。
【0042】
図5は、図1のシステム構成における処理の一例を、画像データの変遷により示した図である。以下、この図を参照して、この処理例について説明する。
【0043】
(a)に示すように、送信側装置100の画像入力部102から入力される処理対象の画像データ(オリジナル画像1000)は、色つきの文字1002及び1006と連続調カラー画像1004とを含んでいる。文字1002と1006とは異なる色であるが、図面では色が表現できないため同色で示した。また文字1006はカラー画像1004の上に重なっている。
【0044】
このようなオリジナル画像1000を、マスク生成部104及び前景背景分離部106によりMRCの3層画像に分離すると、マスクプレーン1040,前景プレーン1042及び背景プレーン1044が生成される。
【0045】
このうち前景プレーン1042の画像は、前景縮小部108により、例えば4点線形補間を用いて縮小(低解像度化)され、縮小前景プレーン1052となる。前景縮小部108は、この縮小の際、マスクプレーン1040を参照して補間処理を行う。
【0046】
このマスクプレーン1040を参照した4点線形補間処理を図6を参照して説明する。
【0047】
この補間処理では、マッピングされた出力画素Tに最も近い4つの入力画素を参照画素R1〜R4とし、まずそれら各参照画素が前景、背景のいずれに属するかをマスクプレーン1040に基づき判定する。参照画素の画素位置に対応するマスク1040の画素の値が“1”であれば、その参照画素は前景に属し、“0”であればその参照画素は背景に属する。
【0048】
この判定の結果、(1)それら4つの参照画素R1〜R4がすべて前景であるか、又はすべて背景である場合は、出力画素Tの値は、それら4つの参照画素R1〜R4の値を周知の4点線形補間の計算式に代入することにより計算する。すなわち、この場合の補間演算は従来の4点線形補間と変わるところはない。
【0049】
また、(2)参照画素R1〜R4のうち2つ又は3つの画素が前景の場合は、背景に属する1つ又は2つの参照画素の値を、出力画素Tに最も近い前景の参照画素の値に置換した上で、それら4つの参照画素の値を4点線形補間の計算式に代入することで、出力画素Tの値を求める。出力画素Tに最も近い前景の参照画素は、図示のように、参照画素R1〜R4を四隅とする矩形を、出力画素Tを通りその矩形の各辺に平行な直線で4分割した場合の各部分A,B,C,Dのうち、前景の参照画素を含む最小面積の部分に対応する参照画素を選択する。図示の例では参照画素R1がこれに該当する。
【0050】
そして、(3)参照画素R1〜R4のうち1つの画素のみが前景に属する場合は、その画素の値を残りの3つの背景参照画素に当てはめた上で、それら4つの参照画素の画素値を4点線形補間の計算式に代入し、出力画素Tの値を計算する。
【0051】
このように、図6に示す方法では、出力画素Tに対応する参照画素群に前景の画素と背景の画素が混在している場合は、背景の画素の値を前景の画素の値に置き換えることで、前景の参照画素の値のみに基づいて出力画素Tの値を計算する。
【0052】
図5の説明に戻り、オリジナル画像1000から分離されてできた背景プレーン1044の画像は、背景縮小部110により、例えば投影法補間を用いて縮小(低解像度化)され、縮小背景プレーン1054となる。背景縮小部110は、この縮小の際、マスクプレーン1040を参照して補間処理を行う。
【0053】
このマスクプレーン1040を参照した投影法補間処理を図7を参照して説明する。
【0054】
投影法では、図7の(1)に示すように、投影法は画素を点ではなく面としてとらえ、入力画像にマッピングした出力画素Tが覆う入力画像の各参照画素R1〜R9の値を、その各々が覆われる部分の面積比率に応じて加重平均することにより、出力画素Tの値を計算する。投影法は、計算処理量が多いものの、高画質が得られる補間法として知られている。投影法自体は周知の手法なので、これ以上の詳細な説明は省略する。なお、図7の例は、出力画素Tが参照画素R1に比べて大きいため、同じ面積では出力画像の方が画素数が少なくなるので、縮小すなわち低解像度化に該当する。
【0055】
背景縮小部110での補間処理では、出力画素Tに覆われる各参照画素がすべて前景であるか、すべて背景である場合は、それら各参照画素の値を投影法の計算式に代入することで出力画素Tの値を計算する。
【0056】
一方、(2)に示すように出力画素Tに覆われる参照画素に前景の画素と背景の画素が混在する場合は、背景に属する参照画素のみで、投影法の計算を行うことで出力画素Tの値を求める。ここで、投影法計算における各画素の面積比率は、背景に属する各参照画素同士の間での比率を用いる。
【0057】
このようにして作成された縮小前景プレーン1052及び縮小背景プレーン1054はそれぞれデータ圧縮され、同じく圧縮されたマスクプレーン1040と共に、伝送路を介して受信側装置150に送信される。
【0058】
受信側装置150では、マスク縮小部158が、マスクプレーン1040を縮小して、縮小前景プレーン1052及び縮小背景プレーン1054の解像度に適合した縮小マスク1053及び1054をそれぞれ作成する。縮小マスク1053は、縮小前景プレーン1052を作成する場合と同様、マスクプレーン1040を参照した4点線形補間を用いて作成する。縮小マスク1055は、縮小背景プレーン1054を作成する場合と同様、マスクプレーン1040を参照した投影法補間を用いて作成する。
【0059】
前景拡大部164は、縮小マスク1053を参照して4点線形補間を行うことにより、縮小前景プレーン1052を高解像度化し、前景プレーン1062を再生する。この処理では、まず、求めたい高解像度の前景プレーン1062の各画素(出力画素)を縮小前景プレーン1052の座標系にマッピングする。次に、出力画素ごとに、縮小前景プレーン1052から最近傍の4個の参照画素を求め、これら各参照画素が前景、背景のどちらであるかを、縮小マスク1053を参照して判定する。そして、前景プレーン1042の縮小の場合と同様、図6に示したように、出力画素Tに対応する縮小前景プレーン1052の参照画素すべてが前景又は背景の一方に属する場合は単に4点線形補間演算で出力画素Tの値を求め、参照画素に前景と背景の画素が混在する場合は、前景の参照画素の値を背景の参照画素に当てはめた上で4点線形補間演算を行い、出力画素Tの値を計算する。
【0060】
背景拡大部166は、縮小マスク1055を参照して、16点補間を行うことにより、縮小背景プレーン1054を高解像度化し、背景プレーン1064を再生する。この処理では、まず、求めたい高解像度の背景プレーン1064の各画素(出力画素)を縮小背景プレーン1054の座標系にマッピングする。次に、出力画素Tごとに、縮小背景プレーン1054からその画素Tの最近傍の16個の参照画素を特定し、それら各参照画素が前景、背景の何れであるかを、縮小マスク1055を参照して判定する。そして、出力画素Tに対応する各参照画素すべてが前景又は背景の一方に属する場合は、単にそれら各参照画素の値を周知の16点補間の計算式に代入することで出力画素Tの値を求める。一方、16個の参照画素の中に前景と背景の画素が混在する場合は、前景の参照画素の値を背景の参照画素に当てはめた上で16点線形補間の計算を行い、出力画素Tの値を計算する。
【0061】
図8には、このマスク参照16点補間において、参照画素に前景と背景の画素が混在する場合に、前景に属する参照画素に背景に属する参照画素の値を当てはめる方法を例示している。図において、FGは前景に属する参照画素を、BGは背景に属する参照画素を、Tはこれら参照画素に基づき値を求める出力画素を、それぞれ示している。(a)に示す方法は、4点線形補間と同様の考え方で、16点の参照画素のうち、出力画素Tに最も近い前景の参照画素の値を、背景の参照画素に当てはめるという方法である。一方、(b)に示す方法では、背景の参照画素に、出力画素Tを中心としてほぼ点対称の位置にある前景の参照画素の値を当てはめるというものである。(b)の方法では、背景の参照画素の点対称位置の参照画素も背景の画素である可能性があるが、このような場合は、点対象位置の参照画素に最も近い前景の参照画素の値を当てはめるなどの処理を行えばよい。
【0062】
このような拡大処理により、前景プレーン1062及び背景プレーン1064が再生されると、一層合成部168が、マスクプレーン1040の値が“1”である画素については前景プレーン1062の画素値を採用し、マスクプレーン1040の値が“0”の画素については背景プレーン1064の画素値を採用することで、オリジナル画像1000に対応する再生画像1070を合成する。
【0063】
以上、図1のシステムにおける画像伝送の流れを説明した。この画像伝送処理では、送信側での前景プレーン1042の低解像度化と、受信側での縮小前景プレーン1052の高解像度化の際、図6に示した処理により、前景と背景の境界部分にマッピングされた出力画素Tは、前景の参照画素のみの値を用いて計算されるので、前景すなわち文字・線画部分の画素値を持つことになる。従来の単純な補間方式では、前景と背景との境界部分は、文字・線画部分の色と前景プレーンのドントケア値との中間的な画素値になったのに対し、本実施形態の方式では前景の値を持つことになる。したがって、本実施形態によれば、前景の文字・線画部分の輪郭部分の色の濁りを防止できる。また、上述の処理では、前景と背景の境界に位置する出力画素は前景の画素値を持つことになるので、再生された前景プレーン1062では、前景の文字・線画部分の画素領域がオリジナル画像の前景プレーン1042よりも若干広がることになる。しかし、マスクプレーン1040は正しい文字・線画部分の形状情報を有しているので、このマスクプレーン1040で前景プレーン1062の文字・線画部分を切り出すことで、形状及び色が正しい文字・線画部分を持つ再生画像1070を得ることができる。
【0064】
また同様に、本実施形態の画像伝送処理では、送信側での背景プレーン1044の低解像度化と、受信側での縮小背景プレーン1054の高解像度化の際、図7及び図8に示した処理により、前景と背景の境界部分にマッピングされた出力画素Tは、背景の参照画素のみの値を用いて計算され、背景部分すなわち「文字・線画以外の部分」の画素値を持つことになる。従来の単純な補間方式では、前景と背景との境界部分は、背景部分の画素値と背景プレーンのドントケア値との中間的な画素値になったのに対し、本実施形態の方式では背景の値を持つことになる。このように、本実施形態によれば、背景と前景の境界の色の濁りを防止できる。また、上述の処理では、前景と背景の境界に位置する出力画素は背景の画素値を持つことになるので、再生された背景プレーン1064では、背景部分の画素領域がオリジナル画像の背景プレーン1044の場合よりも若干広がることになる。しかし、マスクプレーン1040は背景部分の正しいの形状情報を有しているので、このマスクプレーン1040で背景プレーン1064の背景部分を切り出すことで、形状及び`色が正しい背景部分を持つ再生画像1070を得ることができる。
【0065】
以上説明したように、図1に示したシステムによれば、MRCの前景及び背景を低解像度化して伝送することにより伝送データ量を削減する場合に、受信側で再生した画像において、文字・線画部分とその背景との境界近傍の色が元の画像の対応部分の色からずれてしまうのを防止することができる。
【0066】
以上の説明では、前景プレーンの低解像度化及び高解像度化には4点線形補間を用い、背景プレーンの低解像度化には投影法補間、高解像度化には16点補間を用いた。しかし、これはあくまで一例にすぎない。本発明の手法は、各プレーンをどのような補間手法により解像度変換を行う場合にも適用可能である。
【0067】
また以上の説明では、受信側装置150の前景拡大部164は、出力画素Tに対応する参照画素群の中に前景の画素が1つでもあれば、その出力画素Tが前景に属すると判別し、背景の参照画素に対して前景の参照画素の値を当てはめて補間演算を行った。しかし、図1のシステムでは、受信側装置150は、送信側装置100からマスクプレーン1040を取得しているので、このマスクプレーン140上で出力画素Tに対応する画素の値を調べることで、その出力画素Tが前景か背景かを判別することもできる。
【0068】
さらにいえば、本発明の手法は、最近傍法(Nearest Neighbor method)など、補間演算を伴わない解像度変換にも適用可能である。すなわち、補間を行わない解像度変換では、解像度変換後の画素Tに対応する画素Rを解像度変換前の画像から1つ選び、その画素Rの値を画素Tの値に当てはめるが、このような変換処理でも、例えば次のようにして本発明を適用することができる。
【0069】
最近傍法の場合、変換前の画像の画素のうち変換後の画素Tにもっとも近い画素Rを選ぶ。このような解像度変換に本発明の手法を適用するには、変換後の画像の画素Tに対応する変換前の画像の画素Rを選択する際、変換対象が前景プレーンであるか背景プレーンであるかに応じて、画素Rを選択する際の選択範囲を制御すればよい。すなわち、この処理では、変換後の画像の各画素を図2で説明したごとく変換前の画像にマッピングした上で、変換前の画像からその変換後の画像の画素Tに近い順に4つの画素を参照画素として抽出する。そして、前景プレーンを解像度変換する場合は、変換後の画素Tに対応するそれら4つの参照画素の中に1つでも前景の画素があれば、参照画素のうちの前景の画素の中から、最も近い画素を画素Rとして選択する。参照画素がすべて背景の画素であれば、通常通りもっとも近い参照画素を画素Rとして選択する。背景プレーンの場合も同様に、参照画素の中に背景に属するものがあれば、それら背景に属する参照画素の中から最も近い画素を画素Rとして選択する。
【0070】
以上、最近傍法の場合を説明したが、他の方法を用いる場合でも、同様の考え方で処理可能である。例えば、変換後の画素Tに対して複数の参照画素を選択する選択規則を規定しておき、その選択規則に従って選択した参照画素の中に、変換の際に色濁りしてほしくない領域(前景プレーンの変換の場合は、その中の文字・線画部分)に属するものがあれば、その中から画素Rを選択するという手順をとればよい。
【0071】
また、以上の説明では、受信側装置150でマスクプレーン1040を縮小前景プレーンや縮小背景プレーンの解像度に合わせて縮小したが、このマスク縮小処理を送信側装置100で行い、この結果生成された縮小マスクのデータを画像の符号化データとともに受信側装置150に送信してもよい。
【0072】
また、以上の説明では、受信側装置150は低解像度化していないマスクプレーン1040を送信側装置100から受け取ってプレーン合成に用いたが、送信側装置100から受信側装置150に対しある程度低解像度化したマスクプレーンを提供し、受信側装置150がその低解像度のマスクプレーンから元の解像度のマスクプレーンを再生するようなシステムにも、本発明は本発明の手法は適用可能である。
【0073】
また、以上の説明では、解像度変換の際、出力画素Tに対応する参照画素群の中に前景の画素と背景の画素が混在する場合は、それら参照画素群のうち変換対象のプレーンにおいて意味を持つ画素の値のみを用いて補間演算を行った。しかしながら、これはあくまで一例である。この代わりに、参照画素に前景画素と背景画素が混在する場合、それら参照画素のうち変換対象のプレーンにおいて意味を持つ画素の値が、そのプレーンで意味を持たない画素(ドント・ケア画素)の値よりも大きい重み付けとなる補間演算を行う方式も可能である。図9はこの方式による前景プレーンの解像度変換処理の概略手順を示す図である。図9において、図3の手順と同じ処理を行うステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。図9の手順では、ステップS12で参照画素群に前景と背景の画素が混在すると判定した場合、前景の参照画素の値が背景の参照画素よりも強く出力画素値に反映される補間演算アルゴリズムを用いて、補間を行う。背景プレーンの解像度変換も、これと同様の考え方で行えばよい。このような方式でも、前景と背景の境界部分の出力画素Tは、前景プレーンの場合は前景の参照画素に近い値になり、背景プレーンの場合は背景の参照画素に近い値となるため、解像度変換時の色濁りが緩和される。このような補間演算としては、例えば、参照画素群に前景と背景の画素が混在しない場合に用いるのと同じ補間計算式に対し、変換対象のプレーンで意味のある参照画素の値には大きい重みを乗じて代入し、意味のない参照画素の値にはそれよりも小さい重みを乗じて代入する、という演算処理を用いることができる。また、別の方法として、参照画素群に前景と背景の画素が混在しない場合には従来と同様の補間計算式を用い、混在する場合には、変換対象プレーンで意味のある画素の値が意味のない画素の値よりも、出力画素Tの値に強く反映する別の補間計算式を用いる、という方法も可能である。
【0074】
次に、MRCを用いない一般的な画像の圧縮伝送に本発明を適用したシステムの例を、図10〜図12を参照して説明する。
【0075】
このシステムは、画像を低解像度化して伝送する場合において、その画像に含まれる所定の特徴部分の色濁りを防止するためのものである。特徴部分としては、例えば画像のエッジ(輪郭)部分や、画像に含まれる文字・線画部分などをあげることができる。
【0076】
このシステムの送信側装置200は、画像入力部202,画像特徴抽出部204,縮小処理部206,画像特徴圧縮部208,画像圧縮部210,フォーマット部212,送信部214を備える。この装置200において、画像特徴抽出部204は、画像入力部202から入力されたオリジナルのビットマップ画像から、所定の特徴部分を抽出する。所定の特徴部分として画像のエッジ部分を抽出する場合、画像特徴抽出部204は、例えば公知のエッジ検出オペレータを用いることで、エッジに該当する画素を求める(オペレータを用いる方式以外の公知のエッジ検出処理を用いてももちろんよい)。これにより、オリジナル画像の各画素が、エッジ上の画素(エッジ画素と呼ぶ)か、それ以外の画素(非エッジ画素と呼ぶ)かを示す情報が得られる。この情報は、例えばエッジ画素は値“1”を持ち、非エッジ画素は値“0”を持つ2値画像として表すことができる。また、特徴部分として文字・線画部分を抽出する場合は、MRCのマスク作成と同様の手法を用いればよい。
【0077】
縮小処理部206は、オリジナル画像を指定された解像度まで縮小する手段であり、この縮小処理の際、画像特徴抽出部204で求められた特徴部分の情報を参照して縮小結果の画素値を計算する。この計算処理については後で説明する。
【0078】
画像特徴圧縮部208は、画像特徴抽出部204で抽出された特徴部分の情報を所定の方式でデータ圧縮する。画像圧縮部210は、縮小処理部206で縮小された画像を圧縮する。圧縮された特徴部分の情報と、圧縮された縮小画像とは、フォーマット部212によって所定の伝送フォーマットにまとめられ、送信部214から出力される。
【0079】
受信側装置250は、受信部252、フォーマット解凍部254、特徴部分伸長部256、画像特徴縮小部258、画像伸長部260、拡大処理部262,及び画像出力部264を備える。受信部252により送信側装置200から受信された伝送情報から、特徴部分の情報と画像の圧縮データをそれぞれ取り出す。特徴部分伸長部256は、その特徴部分の情報の圧縮データを伸長する。画像特徴縮小部258は、伸長処理により復元された特徴部分の情報を、縮小画像の解像度に適合するように低解像度化する。すなわち、特徴部分の情報は縮小前の元の画像の各画素が所定の特徴部分であるか否かを示す情報であったが、画像特徴縮小部258は、この情報から、縮小画像の各画素が所定の特徴部分に該当するか否かを示す情報を作成する。この低解像度化は、縮小処理部206と同様の処理で実現できる。画像伸長部260は、圧縮された縮小画像をデータ伸長する。拡大処理部262は、復元された縮小画像を元の画像の解像度まで拡大する。この拡大処理の際、拡大処理部262は、画像特徴縮小部258で低解像度化された特徴部分の情報を参照する。この拡大の計算処理については、後で説明する。画像出力部264は、このようにして元の解像度まで拡大された画像を出力する。
【0080】
次に図11を参照して、送信側装置200の縮小処理部206、及び受信側装置250の拡大処理部262が実行する補間処理の手順を説明する。図11の手順は、画像の特徴部分としてエッジ部分を採用した場合の例である。図11の手順も図3と同様、縮小または拡大の結果である出力画像を、縮小又は拡大の前の入力画像にマッピングした後の手順を示している。
【0081】
この手順では、マッピングした出力画像から出力画素を1つ取りだし(S30)、入力画像中でその出力画素に最も距離が小さい画素(最近傍画素と呼ぶ)を特定し、その最近傍画素がエッジ画素であるかどうかを、特徴部分の情報を参照して判定する(S32)。この判定で、最近傍画素がエッジ画素と判定された場合は、その出力画素に対応する入力画像の参照画素のうち、エッジ画素である参照画素の値のみを用いて補間演算を行うことで、その出力画素の値を求める(S34)。また、ステップS32の判定で最近傍画素が非エッジ画素であると判定された場合では、参照画素のうち非エッジ画素である参照画素の値のみを用いて補間演算を行うことで、その出力画素の値を求める(S36)。
【0082】
これらステップS34及びS36では、参照画素がすべてエッジ画素か、すべて非エッジ画素である場合は、それら参照画素の値をそのまま補間計算式に代入して従来通りの計算を行う。また、参照画素の中にエッジ画素と非エッジ画素が混在する場合は、出力画素に最近傍の参照画素がエッジ画素である場合は、その出力画素がエッジ画素であると見なし、エッジ画素である参照画素のみに基づいて補間を行い、最近傍の参照画素が非エッジ画素である場合は、非エッジの参照画素のみに基づいて補間を行う。エッジ、非エッジが混在する場合の補間処理は、図6〜図8に例示した手法などを用いればよい。
【0083】
以上の処理において、ステップS32の判定は、出力画素がエッジ画素なのか非エッジ画素なのかを判定する処理と考えることができる。そして、図11の手順では、出力画素がエッジ画素なら、ステップS34でエッジ画素である参照画素のみを用いて出力画素値を計算し、出力画素が非エッジ画素なら、非エッジ画素である参照画素のみを用いて出力画素値を計算する。
【0084】
このようなステップS30〜S36の処理を全出力画素について繰り返すことにより、縮小又は拡大結果の画像を求めることができる。
【0085】
図11の手順は、出力画素に最も近い参照画素がエッジ画素か否かに応じて出力画素がエッジ部分に属するか否かを判定したが、これは一例にすぎない。図12に、参照画素におけるエッジ画素と非エッジ画素の比率を考慮した別の手順の例を示す。図12の手順は、出力画素の周囲最近傍の4つの入力画素を参照画素に用いる補間演算を行う場合の例である。
【0086】
図12の手順では、画素値演算対象の出力画素を1つ選択し(S40)、その出力画素に対応する4つの参照画素各がエッジ画素か否かを、特徴部分の情報を参照して判定する。次に、それら4つの参照画素のうちエッジ画素が3以上か否かを判定する(S42)。エッジ画素が3以上であれば、出力画素がエッジ部分に属すると判断し、エッジ画素に該当する参照画素のみの値を用いて補間演算を行うことで出力画素の画素値を計算する(S44)。ステップS42で参照画素のうちのエッジ画素が3未満と判定された場合、それら参照画素のうち非エッジ画素が3以上か否かを判定する(S46)。この判定で参照画素のうちの3以上が非エッジ画素と判定された場合は、出力画素がエッジ部分に属さないと判断し、非エッジ画素の参照画素のみの値を用いて補間演算を行い、出力画素の画素値を計算する(S48)。ステップS46で参照画素のうち非エッジ画素が3未満と判定された場合、4つの参照画素のうち2つがエッジ画素で残りの2つが非エッジ画素である。この場合は、出力画素に最も近い参照画素がエッジ画素か非エッジ画素かを判定する(S50)。そして、この判定で最も近い参照画素がエッジ画素であると判定された場合は、出力画素がエッジに属すると判断してステップS44の補間処理を行う。また、ステップS50で出力画素に最も近い参照画素が非エッジ画素と判定された場合は、出力画素がエッジに属さないと判断してステップS48の補間処理を行う。以上のステップS40〜S50の処理をすべての出力画素に対して繰り返すことで(S52)、画像の解像度変換が行われる。
【0087】
図11及び図12では、画像の特徴部分としてエッジを用いた場合の処理手順を示したが、他の特徴部分(例えば文字・線画部分)を用いる場合も同様の手順でよい。
【0088】
以上説明したように、図10のシステム構成によれば、画像を縮小すなわち低解像度化する際に画像の特徴部分の情報を参照し、出力画素がその特徴部分に属するか否かを判定する。そして、特徴部分に属すると判定した場合は、その特徴部分に属する参照画素の値のみを用いて(すなわち特徴部分に属さない参照画素は用いずに)補間演算を行う。この処理によれば、補間の際、特徴部分に属する出力画素に対して、特徴部分に属さない参照画素の値が影響しない。したがって、解像度変換を行っても特徴部分の色を元の色に近い色に保つことができる。また、図10のシステムでは、出力画素が特徴部分に属さないと判定した場合、参照画素のうち特徴部分に属さないもののみの値を用いて補間処理を行うので、画像の非特徴部分に特徴部分の色が影響することを防止できる。
【0089】
以上では、出力画素が画像の特徴部分に属する場合には、同じく特徴部分に属する参照画素のみを用いて補間を行ったが、この代わりに、特徴部分に属する参照画素が、特徴部分に属さない参照画素よりも大きい重み付けとなる補間演算を行う方式も好適である。
【0090】
以上、画像の解像度変換を伴う画像伝送システムに本発明を適用したシステム構成例を説明した。しかし、本発明の適用はこのような場合に限られず、変換後の画像の画素の値を、その画素に対応する変換前の画像の1以上の参照画素の値から計算する変換処理一般に適用可能である。
【0091】
例えば図13は、画像の幾何学的変換処理に本発明を適用した装置構成例を示している。幾何学的変換には、例えば画像の回転や平行移動、拡大、縮小、あるいはより一般的なアフィン変換などが含まれる。前述の解像度変換(縮小及び拡大)も幾何学的変換の一種である。このような幾何学的変換の場合も、前述の解像度変換の場合と同様、変換後の画像の画素(出力画素と呼ぶ)を、その変換に応じて変換前の画像にマッピングし、変換前の画像においてその出力画素の近傍にある参照画素群から、その出力画素の値を補間する。したがって、幾何学的変換処理に対しても、本発明の手法を適用することで、画像の特徴部分と非特徴部分の境界に位置する出力画素の色濁りを防止又は緩和できる。
【0092】
図13の画像処理装置300の画像特徴抽出部304は、画像入力部302から入力されたビットマップ画像から、図10の送信側装置200の画像特徴抽出部204と同様にして、所定の特徴部分を抽出する。幾何学的変換部306は、そのビットマップ画像に対し、所定の幾何学変換を施す。この変換の際、幾何学的変換部306は、画像特徴抽出部304で生成された特徴部分の情報を参照することで出力画素がその特徴部分に属するか否かを判定し、特徴部分に属すると判定した場合は、入力画像においてその出力画素に対応する参照画素のうち、その特徴部分に属する参照画素の値のみを用いて補間演算を行う。また、非特徴部分に属する出力画素の値を、非特徴部分に属する参照画素のみから求めるようにすることも好適である。この補間処理の詳細は、図10のシステムにおける縮小処理部206や拡大処理部262で行われる補間処理と同様でよい。この補間演算により、幾何学的変換後の画像が求められると、これが画像出力部308から出力される。
【0093】
この図13の装置でも、画像の特徴部分の画素の値は、その特徴部分に属する参照画素の値のみから求められるので、特徴部分の色が非特徴部分の色と混ざって濁ってしまうことを防止できる。
【0094】
なお、幾何学的変換部306の処理の別の例としては、特徴部分に属する参照画素が、特徴部分に属さない参照画素よりも大きい重み付けとなる補間演算を行う方式があり、この方式でも特徴部分の色濁りを緩和できる。
【0095】
図14に示す画像処理装置250は、局所オペレータを用いた画像のフィルタ処理に対して本発明の手法を適用した装置構成である。局所オペレータを用いたフィルタ処理では、画像の注目画素に対して複数の参照画素(一般に注目画素の近傍の画素群)が規定され、それら参照画素の値をそのオペレータに代入することで注目画素の画素値を決定する。これは、これまで説明してきた補間演算と似ており、本発明の手法が適用可能である。フィルタ処理の好適な例としては、例えば平均値フィルタやメディアンフィルタなどによる平滑化処理が挙げられる。
【0096】
図14の画像処理装置350の画像特徴抽出部354は、画像入力部352から入力されたビットマップ画像から、図10の送信側装置200の画像特徴抽出部204と同様にして、所定の特徴部分を抽出する。フィルタ処理部356は、そのビットマップ画像に対し、所定のフィルタ処理を施す。このフィルタ処理の際、フィルタ処理部356は、画像特徴抽出部354で生成された特徴部分の情報を参照することで、出力画素がその特徴部分に属するか否かを判定し、特徴部分に属すると判定した場合は、入力画像においてその出力画素に対応する参照画素のうちその特徴部分に属する参照画素の値のみを用いてフィルタ演算を行う。この演算において、参照画素群の中に特徴部分の画素と非特徴部分の画素が混在する場合、出力画素が特徴部分の画素であれば、例えば、特徴部分に属する参照画素の値を、図6に示したのと同様の方法で非特徴部分に属する参照画素の値にコピーしたあと、これら各参照画素の値を当該フィルタ処理を表すオペレータに入力すればよい。また同様に、非特徴部分に属する出力画素の値を、非特徴部分に属する参照画素のみから求めるようにすることも好適である。フィルタ処理部356により処理された画像は、画像出力部358から出力される。
【0097】
このように図14の装置によれば、画像の特徴部分の画素は、対応する参照画素のうち特徴部分に属するもののみに基づき処理されるので、特徴部分の色濁りを防止できる。例えば文字・線画部分を含む画像を平滑化する場合、従来の一般的な平滑化処理では、文字・線画部分の輪郭の画素の値が背景の画素の値の影響を受けるため、輪郭のぼけを引き起こしていた。これに対し、図14の装置では、文字・線画部分を特徴部分とすれば、その文字・線画部分の画素のフィルタ結果の値は、文字・線画以外の部分に属する参照画素の値の影響を受けないので、文字・線画部分のぼけを防止できる。
【0098】
なお、フィルタ処理部356の処理の別の例として、特徴部分に属する参照画素が、特徴部分に属さない参照画素よりも大きい重み付けとなるフィルタ演算を行う方式があり、この方式でも特徴部分の輪郭の色濁りやぼけを緩和できる。
【0099】
図15は、JPEGを用いた画像伝送システムに本発明の手法を適用したシステム構成例を示す。
【0100】
周知のように、JPEG画像圧縮では、画像を輝度成分と色差成分に分離し、色の変化に鈍感な人間の視覚の特徴を利用して、輝度成分を色差成分よりも低い割合でサブサンプリングする。このサブサンプリングでは、例えば、隣接する2画素や2×2=4画素で色差成分の値を平均化することで、色差成分のデータ量を1/2又は1/4に低減している。このサブサンプリングは、上述の実施例における低解像度化に近い処理といえる。図15のシステムでは、この色差成分のサブサンプリングに本発明の手法を適用している。
【0101】
このシステムの送信側装置400では、画像入力部402に入力されたビットマップ画像は、画像特徴抽出部404に供給される。画像特徴抽出部404は、この入力画像から、図10のシステムにおける画像特徴抽出部204と同様の処理にて、所定の特徴部分を抽出し、その特徴部分を示す情報を生成する。また、入力されたビットマップ画像は、輝度データL*と2つの色差データa*、b*とに分離され、輝度データL*はJPEG圧縮部410へ、色差データa*、b*は色差サブサンプリング部406及び408をそれぞれ介してJPEG圧縮部410へ入力される。
【0102】
色差サブサンプリング部406及び408では、色差データa*、b*の画素の値を、あらかじめ設定されたサンプリングレートでサブサンプリングする。ここで各サブサンプリング部406及び408は、画像特徴抽出部404で求められた特徴部分の情報を参照し、例えば、平均化する隣接2画素又は隣接4画素の中に1つでも特徴部分に属する画素があれば、それら特徴部分の画素のみの平均値をそれら隣接画素群に対応するサブサンプリング結果とする。
【0103】
この処理では、平均化する隣接画素群に1つでも特徴部分の画素があれば、サブサンプリング結果の画素を特徴部分として取り扱っているが、これはあくまで一例である。このほかにも、例えば、平均化する隣接画素群の中での特徴部分の画素の割合に基づき、サブサンプリング結果の画素が特徴部分に属するか否かを判定することもできる。すなわち例えば、平均化対象の隣接画素のうち、半数以上が特徴部分に属する場合にはサブサンプリング結果の画素が特徴部分に属すると判定するなどである。
【0104】
また、サンプリング結果の画素が特徴部分に属すると判定した場合、上述の処理では平均化対象の画素のうち特徴部分の画素のみを平均したが、この代わりに、特徴部分の画素に非特徴部分よりも大きい重み付けを行って加重平均してもよい。
【0105】
JPEG圧縮部410は、このようにして生成された色差データa*、b*のサブサンプリング結果と、輝度データL*とをJPEGの圧縮アルゴリズムにしたがって圧縮する。このようにして圧縮されたJPEGファイルが、送信部412から受信側装置450へと送信される。
【0106】
このJPEGファイルは受信側装置450の受信部452で受信される。JPEG解凍部454は、そのJPEGファイルをデータ伸長し、色差データa*、b*及び輝度データL*に分離する。このうち、色差データa*、b*は、色差アップサンプリング部456及び458により、元の画像の解像度までアップサンプリングされる。画像出力部460は、このようにアップサンプリングされた色差データa*、b*と、輝度データL*とから、カラー画像を構成して出力する。
【0107】
このシステムによれば、色差成分のサブサンプリングの際に、特徴部分の色が特徴部分以外の色と混じって濁ってしまうことを防止できる。
【0108】
なお、このシステムにおいて、画像特徴抽出部404で抽出された画像の特徴部分の情報を送信部412によりJPEGファイルと対応づけて受信側装置450に送信することも好適である。この場合、受信側装置450では、アップサンプリング部456及び458がこの特徴部分の情報を参照してアップサンプリングを行うことで、アップサンプリング時の色濁りを低減できる。
【0109】
以上に説明した例は、いずれも画像を二分するものであった(文字・線画部分とそれ以外、又は特徴部分とそれ以外)。しかしながら、本発明は、画像を3以上の領域に分割する場合にも適用可能である。すなわち、3つ以上の領域に分割した場合でも、出力画素がどの領域に属するかを領域分けの情報から判別し、その出力画素が属する領域の参照画素がその領域以外の参照画素よりも強く影響する変換演算を用いて出力画素の値を計算することで、領域同士の境界部分の画素の色濁りを低減できる。
【0110】
以上に説明した送信側装置、受信側装置、及び画像処理装置は、例えば上記各機能モジュールの機能を示すプログラムをコンピュータに実行させることによって実現することができるし、1つのハードウエアロジック回路、または複数のハードウエアロジック回路の組み合わせにより実現することもできる。また、それら機能モジュールうちの一部をハードウエア回路で実現し、残りをソフトウエアにより実現する装置構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MRCを用いる画像伝送システムに本発明を適用したシステム構成の一例を示す図である。
【図2】 解像度変換を説明するための図である。
【図3】 前景縮小部及び前景拡大部で実行される補間処理の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図4】 背景縮小部及び背景拡大部で実行される補間処理の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図5】 図1のシステム構成における処理内容を、画像データの変遷により示した図である。
【図6】 マスクプレーンを参照する4点線形補間処理を説明するための図である。
【図7】 マスクプレーンを参照する投影法補間処理を説明するための図である。
【図8】 マスクプレーンを参照する16点補間処理を説明するための図である。
【図9】 前景縮小部及び前景拡大部で実行される補間処理の別の例を示すフローチャートである。
【図10】 MRCを用いない画像の圧縮伝送に本発明を適用したシステムの構成例を示す図である。
【図11】 図10のシステムの縮小処理部及び拡大処理部で行われる補間処理の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図12】 図10のシステムの縮小処理部及び拡大処理部で行われる補間処理の別の例を示すフローチャートである。
【図13】 本発明に係る画像処理装置の一例を示す図である。
【図14】 本発明に係る画像処理装置の別の例を示す図である。
【図15】 JPEG画像伝送システムに本発明を適用したシステム構成例を示す図である。
【図16】 MRCを用いた画像伝送を説明するための図である。
【符号の説明】
100 送信側装置、102 画像入力部、104 マスク生成部、106 前景背景分離部、108 前景縮小部、110 背景縮小部、112 前景圧縮部、114 背景圧縮部、116 マスク圧縮部、118 フォーマット部、120 送信部、150 受信側装置、152 受信部、154 フォーマット解凍部、156 マスク伸長部、158 マスク縮小部、160 前景伸長部、162 背景伸長部、164 前景拡大部、166 背景拡大部、168 一層合成部、170 画像出力部、1000 オリジナル画像、1002,1006 色つき文字、1004 連続調カラー画像、1040 マスクプレーン、1042 (縮小前の)前景プレーン、1044 (縮小後の)背景プレーン、1052 縮小前景プレーン、1053,1055 縮小マスク、1054 縮小背景プレーン、1062 (再生した)前景プレーン、1064 (再生した)背景プレーン、1070 再生画像。

Claims (2)

  1. 入力デジタル画像からMRC(ミクスト・ラスター・コンテント)のマスク画像を生成するセグメンタと、
    セグメンタで生成されたマスク画像に基づき、入力デジタル画像からMRCの前景画像及び背景画像を生成する前景背景生成手段と、
    前景画像を低解像度化して低解像度前景画像を生成する手段であって、低解像度前景画像の画素の値を求める際に参照する前景画像の各参照画素が前景画像において意味ある値を持つ画素か否かをマスク画像に基づき判定し、この判定の結果それら参照画素の中に前景画像において意味ある値を持つ画素とそうでない画素とが混在する場合には、前景画像において意味ある値を持つ参照画素の値がそうでない参照画素よりも、求めるべき低解像度前景画像の画素の値に対し強く影響する計算処理を用いて、それら参照画素の値からその低解像度前景画像の画素値を算出する前景低解像度化手段と、
    背景画像を低解像度化して、低解像度背景画像を生成する背景低解像度化手段と、
    マスク画像と低解像度前景画像と低解像度背景画像とをMRCのファイルフォーマットに従ったファイルにまとめるフォーマット手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. MRCフォーマットのファイルから、マスク画像、低解像度前景画像、低解像度背景画像を取り出す手段と、
    低解像度前景画像を所定の解像度まで高解像度化して前景画像を生成する手段であって、前景画像の画素の値を求める際に参照する低解像度前景画像の各参照画素が低解像度前景画像において意味ある値を持つ画素か否かをマスク画像に基づき判定し、この判定の結果それら参照画素の中に低解像度前景画像において意味ある値を持つ画素とそうでない画素とが混在する場合には、低解像度前景画像において意味ある値を持つ参照画素の値がそうでない参照画素よりも、求めるべき前景画像の画素の値に対し強く影響する計算処理を用いて、それら参照画素の値からその前景画像の画素値を算出する前景高解像度化手段と、
    低解像度背景画像を前記所定の解像度まで高解像度化して背景画像を生成する背景高解像度化手段と、
    前景高解像度化手段で生成された前景画像と、背景高解像度化手段で生成された背景画像とを、マスク画像を参照して1層の画像に合成する画像合成手段と、
    を備える画像処理装置。
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