JP4140052B2 - 作物の生育診断方法における画像の補正方法 - Google Patents

作物の生育診断方法における画像の補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場内の作物の生育や収量に現われる、面的な不均一を把握し、作物管理を的確に行うための作物の生育診断方法における画像の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、農作物の品質・収量の安定化を図る方法として、生育環境や生育状態の圃場内変異を数値化して把握し、変異に対応した栽培管理を行うシステムが有効と考えられている。生育環境や生育状態を知るためには、多様な情報を大量に含む画像情報の解析が効率的である。画像情報は、可視及び可視以外の波長領域から得られる面的な情報である。
【0003】
画像情報の取得には、人工衛星による撮影、航空機・飛行船などでの空撮、地上での撮影の各レベルが存在するが、人工衛星による撮影ではデータ処理、解析に非常に長時間かかるのが現状である。一方、地上撮影では、カメラと被写体との距離が近く、解像度が大きく、植物の個体レベルの生育情報まで得ることができる長所がある。しかし、カメラを鉛直下向きにした場合は、一枚の画像に取り込める面積は限られるので、圃場全体の平面画像を得るためには何枚もの画像を人間がコンピュータ上で貼り合わせなければならない。大区画圃場であれば、膨大な作業量になり、非効率的である。
【0004】
地上において、圃場面を斜め上方から撮影し、圃場全体を収めることは可能であるが、この場合は、被写体の遠近により撮像の大きさが異なるので、歪みを修正する必要があり(例えば、特開2001-45867、同2001-45868参照)、この画像をもとに生育状態等の解析を行う上で誤差の原因となる。
【0005】
そこで、無人飛行を含む航空撮影(空撮)が、大区画圃場を1枚の画像に収めるのに効率的な画像情報収集手法と思われる。この空撮は、撮影者が空撮システムから送信されるビデオ映像を見て、撮影範囲の確認や指示を行いながら高度数10mから150mの上空から1フレームに10a〜1ha規模の圃場を順次撮影するのである。
【0006】
この空撮写真により、欠株の発生状況や直播での苗立の疎密、葉色や熟色の変異、倒伏等の栽培管理者が直観している生育状況を面的に把握することができるものである。さらに、空撮写真をイメージスキャナに取り込むことにより、地上分解能が5cm程度のデジタル画像が得られ、この画像をRGB階調値で演算処理することにより、地上調査では困難な散播直播圃場全面の苗立状況の変異や植被率等を数量的に評価することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空撮により大区画圃場を1枚の画像に収める方法にあっては、1.風と光により撮影可能条件が限定される、2.操縦に熟練を要する、などの問題点がある。さらに、3.生育初期の撮影時は、カメラの視野によっては俯角が大きな箇所と俯角が小さな箇所とが生じ、角度によって葉や株のみが見える箇所と、葉や株の間から土や水面が透けて見える箇所とが生じてしまう欠点があった。このような画像により生育状態等の解析を行うと正確さに欠ける問題点がある。
【0008】
本発明は上記問題点にかんがみ、空撮により大区画圃場を1枚の画像に収める方法であって、カメラの視野による俯角の大小を補正して地上撮影と同様な正確な画像を取得し、生育状態等の解析を正確に行うことのできる作物の生育診断方法における画像の補正方法を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、地上の作物を上空から撮像する画像取得工程と、該画像取得工程によって得られた画像情報を解析する画像解析工程と、該画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報に基づいて作物の生育状態を任意の区画毎に診断する作物生育診断工程と、を備えた作物の生育診断方法において、
前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の俯角の異なる画像情報を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正する補正工程設ける、という技術的手段を講じた。
【0010】
これにより、前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の俯角の異なる画像情報を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正するので、地上からの撮影では比較的俯角範囲が小さいが、同一範囲を撮影対象とした場合、上空からの撮影は俯角範囲が広くなるが、このとき、見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化が補正されるので、地上撮影と同様に正確な画像を取得し、生育状態等の解析を正確に行うことが可能となる。
【0011】
また、前記画像取得工程は、見かけ繁茂度が概略一定と見なせる俯角範囲の画像を連続的に複数取得し、前記画像解析手段は、該見かけ繁茂度が一定の複数画像情報から、作物の生育関連情報を任意の区画毎に算出することもできるから、俯角範囲が小さい画像を連続的に取得し、これらを結合した一枚の画像から生育状態等の解析を正確に行うことも可能である。
【0012】
さらに、前記取得画像の少なくとも1つに、グランド・トゥルースを取得する区画を判別可能に写し込むものであるから、画像情報に基づいて作物の生育状態を、例えば、窒素含有率などで数値化して瞬時に把握することができる。
【0013】
そして、前記画像取得工程は、複数の圃場が写し込まれた画像を取得し、同一品種、又は/及び同一生育段階毎に予め分類された圃場グループのそれぞれに、少なくとも1ヵ所にグランド・トゥルース取得区画を判別可能に写し込むものであるから、大区画圃場であっても、例えば、作物が同一品種・同一生育段階ごとに、画像情報に基づいて作物の生育状態を数値化して瞬時に把握することができる。
【0014】
また、前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報と、前記グランド・トゥルース取得区画の作物を実測して得られた真の生育情報と、から、得られた画像全ての範囲の生育関連情報を真の生育情報に変換することで、画像情報に基づいて正確な作物の生育状態を把握することができる。
【0015】
なお、前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報が、取得画像から得られる特定波長の分光画像情報から予め決められた計算式により算出された作物体の窒素含有率関連情報とすれば、画像情報に基づく作物の生育状態が窒素含有率関連情報として特定されて、生育状態を瞬時に把握することができる。
【0016】
さらに、前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の画像情報を比較解析し、オーバーラップする画像の撮像時の環境変化を補正するものであるから、例えば、気象条件、撮影時の雲による日照条件、リファレンス光などの環境変化を考慮して画像の解析が行われるから、より正確な作物の生育診断が可能となる。
【0017】
そして、前記画像取得工程は、太陽の方角との関係から撮影方向を制御したり、太陽の高度との関係から撮影俯角を制御するので、逆光撮影など太陽光の照射方向に起因する情報への外乱を除去した正確な画像を取得することが可能となる。
【0018】
前記画像取得工程は、ラジコン無人飛行機に撮像カメラを搭載したもの、又は予め設定されたプログラムにより決定される飛行コース、飛行高度及び飛行高度を維持して自動飛行する無人飛行機に撮像カメラを搭載したものであればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は無人ラジコンヘリによる空撮システムの概略構成図である。図1において、ラジコンヘリコプター1は、機体2にエンジンなどの駆動源と連動するメインシャフト3を軸支し、該メインシャフト3の上端にメインロータ4やスタビライザーを装架し、機体1の後部には、テールパイプ5を突設して、該テールパイプ5に水平尾翼6、垂直尾翼7、駆動源と連動するテールロータ8等を装架する。そして、地上のラジコン送信器9により無線誘導飛行する様に構成している。なお、このようなラジコン送信器9により無線誘導飛行を行なわず、予め設定されたプログラムにより決定される飛行コース、飛行高度を維持して自動飛行できるように無人飛行とすることも可能である。
【0021】
このようなラジコンヘリコプター1において、動画像を撮影するためのテレビカメラ、ビデオカメラ10などを機体2底面位置で、かつ、該カメラ10のレンズを機体2の正面に向けた適当なアングルとなして取り付ける。そして、映像増幅器、変調送信器、送信アンテナ等より成る送信装置(いずれも図示せず)をカメラ10と接続して、地上へ動画像を送信できる構成にしておく。また、カメラ10の後方には、収容枠11を付設し、該収容枠11内に静止画像を撮影するためのスチールカメラ、デジタルカメラ12などを機体2の下方に向けた適当なアングルとなして収容する。
【0022】
図2は、地上において圃場面を斜め上方から撮影する際の原理を示す概略図である。図2において、A−B間は圃場を撮影する際の地上面であって、地上から1〜2mの位置に固定したカメラ12により、A地点からB地点までを視野に入れて撮影するのである。このとき、A地点の俯角θ1とB地点の俯角θ2との差は小さく(図2では、約35°)、俯角による補正は不要であることが分かる。
【0023】
図3は無人ラジコンヘリを利用した空撮の様子を示す概略図である。図3において、A−B間は大区画圃場を空撮する際の地上面であって、A地点から上方へ数10〜150m程度離れた上空に、ラジコンヘリコプター1に搭載されたカメラ12Aが位置する。このカメラ12Aの位置からは、俯角θ nでの視野が空撮され、カメラ12Cの位置からは、俯角θCnでの視野が空撮される。このとき、A地点の俯角θとB地点の俯角θとの差は図2の地上撮影よりも大きくなり、俯角による補正が必要となることが分かる。
【0024】
この俯角による補正は、例えば、カメラ12が、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、画像解析手段により、オーバーラップした部分(図3ではA−C間)の同一地点の俯角の異なる画像情報(図3ではA点からC点の間の任意の点G(複数)の画像情報)を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正するとよい。例えば、ラジコンヘリコプター1の移動に伴い、カメラが符号12Aから符号12Cの位置に移転して画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、符号12A地点の俯角θと符号12C地点の俯角θとの差から、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正する。
【0025】
図4は、地上撮影と空撮とで俯角による色の変化量を比較した図である。俯角の差による色の違いは、俯角が小さい場合は小さく、俯角が大きい場合は大きくなるので、俯角による補正式が必要となるのである。
【0026】
上記補正式の概略を図5を参照して述べる。いま、基準俯角θsにおけるカメラへの入射光量をIsとすると、任意の俯角での入射光量Iは
【数1】
Figure 0004140052
となる。よって、Isは
【数2】
Figure 0004140052
と表すことができる。
【0027】
このように、俯角の差による色の違いを任意の関数として実験や理論により予め求めておけば、俯角による補正式により地上撮影と同様な色の正確な画像を取得することができるのである。
【0028】
また、図6及び図7は取得画像情報から俯角補正値を求める別の実施形態である。取得画像情報から俯角補正値を求めるには、ラップした画像上の任意の点G,G,…,GにおけるカメラA,Bのそれぞれへの入射光量(IA1,IB ),(IA ,IB ),…,(IA ,IB )と、俯角情報(θA1,θB ),(θA ,θB ),…,(θA ,θB )を得るので、
【数3】
Figure 0004140052
表すことができる。
【0029】
そして、多変量解析により、
【数4】
Figure 0004140052
をモデリングし、基準となる俯角をθとすると、上式より、θへの補正値はθ=θとおいて、
【数5】
Figure 0004140052
として、Bカメラの画像全体を基準俯角θで撮像したものに変換できる。
【0030】
図8は、空撮により圃場を撮影する際に葉や株のみが見える箇所と、葉や株の間から土や水面が透けて見える箇所とを模式的に表した概略図である。一般的に葉や株の間から土や水面が透けて見える箇所は、株間の距離などの栽植密度や移植後の日数による繁茂状態や、品種などの影響が考えられるが、俯角θが大きい(90°に近づく)箇所とも考えられる。つまり、カメラ12Aの位置から空撮する際は、A地点が最も土や水面が透けて見える箇所となり、カメラ12Cの位置から空撮する際は、C地点が最も土や水面が透けて見える箇所となるのである。この空撮時の俯角と色との違いの関係は図9のように表すことができる。
【0031】
そして、図9を参照して以下のような俯角による補正式を導入することができる。いま、俯角θにおける撮影画像の輝度をCとすると、Cは俯角θ、移植後日数(時間)tの関数で表すことができる。
【数6】
Figure 0004140052
θ<θのとき、圃場の土、水が透けて見えないとすれば、
C=C0と一定となる。
(1)式を書き換えると以下のようになる。
【数7】
Figure 0004140052
よってC0は
【数8】
Figure 0004140052
により求めることができる。
そして、(3)式を用いて撮影輝度をθ<θsのC0に補正することができる。
【0032】
図10は大区画圃場を空撮した際の圃場を複数コマ(A−1〜B−4)に分割して撮影した模式図を示すものである。
【0033】
図10においては、例えば、1枚の圃場(田んぼ)の面積が5〜50a(アール)であって、この圃場が畝によりA〜Hの8枚に区画されているような大区画圃場を想定している。そして、圃場A、D、Fにはコシヒカリを5月10日に移植(田植)してあり、圃場B、Eにはヒノヒカリを5月15日に移植してあり、圃場Cにはコシヒカリを5月15日に移植してあり、圃場Gにはあきたこまちを5月10日に移植してあり、圃場Hにはあきたこまちを5月5日に移植してある。
【0034】
図11は図10から窒素含有率の絶対分布を求める工程を示すフローチャートである。以下、図1、図10及び図11を参照して窒素含有率の絶対分布を求める工程を説明する。
【0035】
図1のようなカメラ12が搭載されたラジコンヘリコプター1を飛ばし、約数10〜150m上空から図10に示すような大区画圃場の空撮を開始する(図11のステップ1)。大区画圃場は畝により複数の圃場(A〜H)に分割されており(図10)、空撮の際は、畝を越えて隣り合う圃場をオーバーラップして撮影するのが好ましく、例えば、圃場Aの空撮を行う際は、圃場Bの一部をラップするような静止画像(図10のA−1)を取得し、圃場Bの空撮を行う際は、圃場Aの一部及び圃場Cの一部をラップするような静止画像(図10のA−2)を取得するのがよい(図11のステップ2)。
【0036】
本実施例では、コシヒカリを5月10日に移植した圃場A、D、Fを選択する(図11のステップ5)。そして、この選択された圃場A、D、Fの画像RGB値から以下の数式9により窒素相対分布を求める(図11のステップ6)。これは、同一品種、同一移植日の圃場であれば、窒素相対分布はほぼ近似した値になると推定されるからである。
【数9】
Figure 0004140052
ただし、Nrは窒素相対分布であり、RはRedの輝度値であり、GはGreenの輝度値であり、BはBlueの輝度値であり、a,b,cは係数である。
【0037】
同一品種、同一移植日の圃場での窒素相対分布が求まると、グランド・トゥルースを取得するために、選択された圃場A、D、F内のいずれかの作物をハンドヘルド型(携帯型)の接触式葉身窒素測定センサにて窒素量を実測する(図11のステップ7)。そして、窒素量の実測値と窒素相対分布との差を用いて窒素含有率の絶対分布を求める(図11のステップ8)。この窒素含有率の絶対分布は圃場A、D、Fに適用されるのである。
【0038】
そして、図11のステップ4で得られた1枚の合成画像上で全ての圃場が選択したか否かが判別される(図11のステップ9)。YESの場合、圃場A〜Hの全てで窒素含有率の絶対分布が算出されて処理が終了する(図11のステップ10)。NOの場合、ステップ5に戻り、再度、同一品種、同一移植日の圃場を選択する。本実施例では、圃場A、D、F以外の、ヒノヒカリを5月15日に移植した圃場B、Eを選択する。そして、上記同様にステップ6からステップ8の処理を行なって、窒素含有率の絶対分布を求めるのである。さらに、順次、圃場C、圃場G及び圃場Hの窒素含有率の絶対分布を求めると、大区画圃場全体の窒素含有率の絶対分布を算出することができる。
【0039】
以上のように、大区画圃場を空撮して同一品種、同一移植日の圃場での窒素相対分布を求め、この窒素相対分布を求めた圃場内の作物の窒素量を実測し、大区画圃場全体の窒素含有率の絶対分布を算出するので、地上調査では困難な散播直播圃場全面の苗立状況の変異や植被率等を数量的に評価し、生育状態等の解析を正確に行うことができる。
【0040】
なお、前記画像取得手段は、太陽の方角との関係から撮影方向を制御したり、太陽の高度との関係から撮影俯角を制御するので、太陽光による画像解析上の外乱を除去して正確な画像を取得することが可能となるものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明は、地上の作物を上空から撮像する画像取得工程と、該画像取得工程によって得られた画像情報を解析する画像解析工程と、該画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報に基づいて作物の生育状態を任意の区画毎に診断する作物生育診断手段と、を備えた作物の生育診断方法において、前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の俯角の異なる画像情報を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正する補正工程設ける、という技術的手段を講じた。
【0042】
これにより、前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の俯角の異なる画像情報を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正するので、地上からの撮影では比較的俯角範囲が小さいが、同一範囲を撮影対象とした場合、上空からの撮影は俯角範囲が広くなるが、このとき、見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化が補正されるので、地上撮影と同様に正確な画像を取得し、生育状態等の解析を正確に行うことが可能となる。
【0043】
また、前記画像取得工程は、見かけ繁茂度が概略一定と見なせる俯角範囲の画像を連続的に複数取得し、前記画像解析工程は、該見かけ繁茂度が一定の複数画像情報から、作物の生育関連情報を任意の区画毎に算出することもできるから、俯角範囲が小さい画像を連続的に取得し、これらを結合した一枚の画像から生育状態等の解析を正確に行うことも可能である。
【0044】
さらに、前記取得画像の少なくとも1つに、グランド・トゥルースを取得する区画を判別可能に写し込むものであるから、画像情報に基づいて作物の生育状態を、例えば、窒素含有率などで数値化して瞬時に把握することができる。
【0045】
そして、前記画像取得工程は、複数の圃場が写し込まれた画像を取得し、同一品種、又は/及び同一生育段階毎に予め分類された圃場グループのそれぞれに、少なくとも1ヵ所にグランド・トゥルース取得区画を判別可能に写し込むものであるから、大区画圃場であっても、例えば、作物が同一品種・同一生育段階ごとに、画像情報に基づいて作物の生育状態を数値化して瞬時に把握することができる。
【0046】
また、前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報と、前記グランド・トゥルース取得区画の作物を実測して得られた真の生育情報と、から、得られた画像全ての範囲の生育関連情報を真の生育情報に変換することで、画像情報に基づいて正確な作物の生育状態を把握することができる。
【0047】
なお、前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報が、取得画像から得られる特定波長の分光画像情報から予め決められた計算式により算出された作物体の窒素含有率関連情報とすれば、画像情報に基づく作物の生育状態が窒素含有率関連情報として特定されて、生育状態を瞬時に把握することができる。
【0048】
さらに、前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の画像情報を比較解析し、オーバーラップする画像の撮像時の環境変化を補正するものであるから、例えば、気象条件、撮影時の雲による日照条件、リファレンス光などの環境変化を考慮して画像の解析が行われるから、より正確な作物の生育診断が可能となる。
【0049】
そして、前記画像取得工程は、太陽の方角との関係から撮影方向を制御したり、太陽の高度との関係から撮影俯角を制御するので、逆光撮影など太陽光の照射方向に起因する画像情報への外乱を除去した正確な画像を取得することが可能となる。
【0050】
前記画像取得工程は、ラジコン無人飛行機に撮像カメラを搭載したもの、又は予め設定されたプログラムにより決定される飛行コース、飛行高度及び飛行高度を維持して自動飛行する無人飛行機に撮像カメラを搭載したものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 無人ラジコンヘリによる空撮システムの概略構成図である。
【図2】 地上において圃場面を斜め上方から撮影する際の原理を示す概略図である。
【図3】 無人ラジコンヘリを利用した空撮の様子を示す概略図である。
【図4】 地上撮影と空撮とで俯角の差による色の違いを示す図である。
【図5】 補正式を算出する際の概略説明図である。
【図6】 取得画像情報から俯角補正値を求める別の概略説明図である。
【図7】 取得画像情報から俯角補正値を求める別の概略説明図である。
【図8】 空撮により圃場を撮影する際に葉や株のみが見える箇所と、葉や株の間から土や水面が透けて見える箇所とを模式的に表した概略図である。
【図9】 空撮時の俯角と色との違いの関係を示す図である。
【図10】 大区画圃場を空撮した際の圃場を複数に分割して撮影した模式図である。
【図11】 窒素含有率の絶対分布を求める工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ラジコンヘリコプター
2 機体
3 メインシャフト
4 メインロータ
5 テールパイプ
6 水平尾翼
7 垂直尾翼
8 テールロータ
9 ラジコン送信器
10 カメラ
11 収容枠
12 デジタルカメラ

Claims (10)

  1. 地上の作物を上空から撮像する画像取得工程と、該画像取得工程によって得られた画像情報を解析する画像解析工程と、該画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報に基づいて作物の生育状態を任意の区画毎に診断する作物生育診断工程と、を備えた作物の診断方法において、
    前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析工程は、前記オーバーラップした部分の同一地点の俯角の異なる画像情報を比較解析し、俯角で変化する見かけ繁茂度に起因する画像情報の変化を補正する補正工程設けたことを特徴とする作物の生育診断方法における画像の補正方法
  2. 前記画像取得工程は、見かけ繁茂度が概略一定と見なせる俯角範囲の画像を連続的に複数取得し、前記画像解析工程は、該見かけ繁茂度が一定の複数画像情報から、作物の生育関連情報を任意の区画毎に算出する請求項1記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  3. 前記取得画像の少なくとも1つに、グランド・トゥルースを取得する区画を判別可能に写し込んでなる請求項1又は2記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法。
  4. 前記画像取得工程は、複数の圃場が写し込まれた画像を取得し、同一品種、又は/及び同一生育段階毎に予め分類された圃場グループのそれぞれに、少なくとも1ヵ所にグランド・トゥルース取得区画を判別可能に写し込んでなる請求項1、2又は3記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  5. 前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報と、前記グランド・トゥルース取得区画の作物を実測して得られた真の生育情報と、から、得られた画像全ての範囲の生育関連情報を真の生育情報に変換してなる請求項1から4のいずれかに記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  6. 前記画像解析工程によって得られた作物の生育関連情報が、取得画像から得られる特定波長の分光画像情報から予め決められた計算式により作物体の窒素含有率関連情報である請求項1から5のいずれかに記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  7. 前記画像取得工程は、画像フレームをオーバーラップして複数の画像を取得し、前記画像解析手段は、前記オーバーラップした部分の同一地点の画像情報を比較解析し、オーバーラップする画像の撮像時の環境変化を補正してなる請求項1記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  8. 前記画像取得工程は、太陽の方角との関係から撮影方向を制御してなる請求項1から7のいずれかに記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  9. 前記画像取得工程は、太陽の高度との関係から撮影俯角を制御してなる請求項1から8のいずれかに記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
  10. 前記画像取得工程は、ラジコン無人飛行機に撮像カメラを搭載したもの、又は予め設定されたプログラムにより決定される飛行コース、飛行高度及び飛行高度を維持して自動飛行する無人飛行機に撮像カメラを搭載したものである請求項1から9のいずれかに記載の作物の生育診断方法における画像の補正方法
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