JP4140024B2 - メラニン生成抑制剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラニン生成抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
皮膚のメラニン沈着は、メラニン産生細胞であるメラノサイト内にメラニンが沈着すること、およびメラノサイトの樹状突起からメラニンが表皮角化細胞に移行することによることが知られている[ アメリカン・サイエンティスツ(American Scientists )、第70巻、第136ページ、1982年] 。また、一般にシミ、ソバカス、日焼け等における皮膚の色素沈着は、皮膚内に存在するメラニン色素産生細胞がメラニン色素を過剰に産生することに起因するとされている。
【0003】
従来から、メラニン色素の沈着を予防または治療する美白剤の開発を目的としたメラニン色素の産生を抑制する物質の検索が広く実施されている。
【0004】
メラニン産生細胞のメラニンの産生を抑制する物質としては、ハイドロキノン、コウジ酸、アルブチン[ フレグランス・ジャーナル(Fragrance Journal )、臨時増刊、第14号、第127ページ、1995年] 、パントラクトン(特開平7−126148)、L-アスコルビン酸−2硫酸[ フレグランス・ジャーナル(Fragrance Journal) 、9月号、第30ページ、1997年] 、4−ノナノリド、4−ヘプタノリド(特開平9−169625号公報)等が知られている。
【0005】
また、メラニンの生成経路にチロシナーゼが関与することが知られており、チロシナーゼの活性を阻害する物質の探索も行なわれている。このようなチロシナーゼ活性阻害剤としては、例えば、ビタミンC(三島豊等、基礎皮膚化学、第258ページ、朝倉書店、昭和48年)、コウジ酸(日経産業新聞、昭和63年5月24日)、アルブチン(富田健一、第20回FJセミナー予稿集、第21ページ、フレグランス・ジャーナル社、平成2年3月14日)、ルシノール(日刊工業新聞、平成10年10月9日)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これら従来の美白成分は、処方系中での安定性が悪く、分解や化学変化に起因する着色や異臭等の安定性の問題、また、ハイドロキノンについては、強い美白作用を有する一方、非可逆的白斑かぶれを引き起こす等安全性面で問題がある。
【0007】
このように、従来から用いられている美白成分は、効果、安定性、安全性のいずれかの点において、真に実用的に満足できるものではく、さらに十分な安定性をもったメラニン生成抑制剤の開発が望まれていた。
【0008】
本発明者等は、前記課題を解決するため、従来から様々な形態の化粧品中に安定して用いられ、自身が好ましい香気を持ち、それらの基材の悪臭をマスキングする効果も持ち、さらには皮膚および頭皮に対してもなんら副作用などの報告がされていない香料物質を用い、それらが極めて高いメラニン産生抑制作用を示すことを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
本発明の目的は、好ましい香気を持ち、用いられる基材の悪臭をマスキングするとともに、皮膚および頭皮に対しても副作用などがなく、極めて高いメラニン産生抑制作用を示すメラニン生成抑制剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のメラニン生成抑制剤は、5−メチル−2(3H)−フラノン、2−ブテン−4−オリド、2−ヒドロキシメチルフラン、2−ホルミルフラン、メチルα−フリルケトン、フルフリルアセテート、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オン、テトロン酸あるいは2,3−ペンタンジオンの少なくとも1つを含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤である。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0017】
本発明で用いられる化合物は、中には香料として使用できることは報告されている化合物もあるが、これらがメラニン生成抑制作用を有することについては全く知られていなかった。
【0021】
本発明のメラニン生成抑制剤に含有される化合物としては、5−メチル−2(3H)−フラノン、2−ブテン−4−オリド、2−ヒドロキシメチルフラン、2−ホルミルフラン、メチルα−フリルケトン、フルフリルアセテート、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オン、テトロン酸および2,3−ペンタンジオンが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
これらの化合物は市販品を購入して用いることもできるが、公知の方法に準じて合成することもできる。
【0023】
本発明で用いられる化合物は、後述のごとく、優れたメラニン生成抑制効果を示す。
【0024】
本発明のメラニン生成抑制剤は、上記の化合物を有効成分として含有するものであり、これらの化合物の配合割合は、0.00001%〜10重量%(以下単に「%」で示す)とすることが好ましく、0.0001〜5%とすることが更に好ましい。
【0025】
さらに、本発明のメラニン生成抑制剤には、上記の化合物の他、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分、例えば油脂類、界面活性剤、アルコール類、脂肪酸類、防腐剤、殺菌剤、増粘剤、酸化防止剤、色素、香料、水溶性高分子、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、緩衝剤、精製水等の他の成分を適宜配合することもできる。
【0026】
さらに、種々の紫外線吸収物質を添加することにより、日焼け防止効果も向上させることができる。
【0027】
また、本発明のメラニン生成抑制剤は、前記有効成分や必要に応じて他の成分を、各種目的に応じて配合することによって、医薬品、医薬部外品または、化粧品として調整することができる。具体的には、ローション、乳液、クリーム、パック剤、皮膚洗浄剤、ハップ剤、プラスター剤、ペースト剤、軟膏、エッセンス、ゲル剤、シャンプー、リンス、パウダー、ファンデーション、化粧水、洗顔料、ヘアートニック、養毛剤、浴用剤等に調製することができる。この際他の成分は、前述の成分の他に、このような各用途に従来使用されている成分を適宜選択して配合することができる。
【0028】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
(実施例1、比較例)
(試験方法)0.01 M リン酸バッファー(リン酸二水素カリウム:関東化学株式会社製、リン酸カリウム:和光純薬工業株式会社製)1.5 ml、1.5 mM チロシン(東京化成工業株式会社製)0.3 ml、活性剤 0.5 ml を加え攪拌し、表1に示す各香料物質(試料)をエタノールで5倍に希釈したものを 0.2 ml 加えた。液が透明になるまで攪拌し、0.3 mg/ml マッシュルームチロシナーゼ(Sigma社製) 0.3 mlを加えた後、すばやく攪拌後、振盪恒温漕にて37℃で1時間インキュベートした。1時間後、UV分光光度計(日本分光:UVIDEC-610C )を用いて波長640 nmにおける吸光度を測定することにより、生成したメラニン量を求めた。チロシナーゼの代わりにバッファーを0.3 ml 加えたものを各サンプルごとに測定しブランクとし、対照として、上記試料液の代わりにエタノールを加え同様に測定し、コントロールとした。
【0030】
(計算式)
メラニン抑制効果(%)=(A −(C−B))/A×100
(但し、A:コントロールの吸光度、B:ブランクの吸光度、C:サンプルの吸光度)結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
また、表1に示した本発明の香料物質の代わりに、比較例として表2示す各化合物(試料)についても同様に実施した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の香料物質を添加した溶液においてメラニンの生成が抑制された。さらに表2に示すとおり、その抑制効果は公知のメラニン生成抑制剤より高かった。
【0033】
(実施例2)
(試験方法)0.01Mリン酸バッファー(リン酸二水素カリウム:関東化学株式会社製、リン酸カリウム:和光純薬工業株式会社製)1.5ml、1.5mMチロシン(東京化成工業株式会社製)0.3ml、活性剤0.5mlを加え攪拌し、5−メチル−2(3H)−フラノンをエタノールで希釈したものを0.2ml加え、5−メチル−2(3H)−フラノンの濃度を変えたものを調整した。これらを液が透明になるまで攪拌し、0.3mg/mlマッシュルームチロシナーゼ(Sigma社製)0.3mlを加えた後、すばやく攪拌後、振盪恒温漕にて37℃で1時間インキュベートした。1時間後、UV分光光度計(日本分光:UVIDEC−610C)を用いて波長640nmにおける吸光度を測定した。チロシナーゼの代わりにバッファー0.3mlを加えたものを測定しブランクとし、対照として、上記試料液の代わりにエタノールを加え同様に測定し、コントロールとした。また、参考例として、同様の操作を、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−チオフェノンについても行なった。公知のメラニン生成抑制剤であるコウジ酸も比較として測定を行なった。
【0034】
(計算式)
メラニン抑制効果(%)=(A −(C−B))/A×100
(但し A:コントロールの吸光度、B:ブランクの吸光度、C:サンプルの吸光度)結果を図1(縦軸にメラニン生成抑制率を、横軸にサンプルのモル濃度を対数プロットした)に示す。
【0035】
図1より、メラニン生成を50%阻害する濃度( 以後、IC50と表す。)を求めると、表3のようになる。
【0036】
【表3】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の化合物を添加した溶液においてメラニンの生成が抑制された。さらにその抑制効果は、表2に示すとおり、従来用いられている物質より高かった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、好ましい香気を持ち、用いられる基材の悪臭をマスキングするとともに、皮膚および頭皮に対しても副作用などがなく、極めて高いメラニン産生抑制作用を示すメラニン生成抑制剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メラニン生成抑制率を示す図(縦軸にメラニン生成抑制率を、横軸にサンプルのモル濃度を対数プロットした)。
Claims (1)
- 5−メチル−2(3H)−フラノン、2−ブテン−4−オリド、2−ヒドロキシメチルフラン、2−ホルミルフラン、メチルα−フリルケトン、フルフリルアセテート、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オン、テトロン酸あるいは2,3−ペンタンジオンの少なくとも1つを含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
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