JP4139981B2 - グリオキザール樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば繊維の加工等に使用されるグリオキザール樹脂の製造方法に関するものであり、より詳しくは、白衣又は形態安定型の白のカッターシャツ等の加工剤として有用なグリオキザール樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
グリオキザール樹脂の製造方法としては、尿素又はその誘導体とグリオキザールを反応させ、次いで、該反応混合物にホルムアルデヒドを反応させる方法、尿素又はその誘導体とグリオキザールとホルムアルデヒドを反応させる方法、及び、これらの方法で得た樹脂を更にアルコールと反応させる方法等が公知である。
しかしながら、原料化合物としてグリオキザールを用いる繊維加工用グリオキザール樹脂では、樹脂が黄色から褐色に着色するため、白色繊維の加工には不適であった。
【0003】
この問題点を解決したものとして、水溶液中の樹脂成分に対して過硫酸アルカリを3%弱添加する方法が公知である。(ドイツ特許公開第3241446号明細書)しかしながら、該公知の方法では、樹脂中の過硫酸アルカリが還元された硫酸アルカリが生成するため、加工した繊維に該硫酸アルカリが比較的多く残存するという問題点があった。更に、樹脂に添加する過硫酸アルカリの量を減らすと、やはり樹脂が着色してしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、樹脂に添加する過硫酸アルカリ等の酸化剤の量を減らした場合であっても、着色が僅少であるグリオキザール樹脂の製造方法を鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(イ)水性媒体の存在下に、(a)尿素又はその誘導体とグリオキザールを反応容器中で反応させる工程、(b)次いで、該反応混合物にホルムアルデヒドを反応させる工程からなるグリオキザール樹脂の製造方法であって、少なくとも、前記(a)の工程において酸化剤を存在させ、且つ、反応容器中の液相部又は気相部に圧縮空気又は酸素ガスを導入することを特徴とするグリオキザール樹脂の製造方法、(ロ)水性媒体及び酸化剤の存在下に、尿素又はその誘導体とグリオキザールとホルムアルデヒドとを反応容器中で反応させてグリオキザール樹脂を製造する方法であって、反応容器中の液相部又は気相部に圧縮空気又は酸素ガスを導入することを特徴とするグリオキザール樹脂の製造方法、並びに、(ハ)上記(イ)又は(ロ)記載の方法で得られるグリオキザール樹脂にメタノールを反応させることを特徴とする樹脂の製造方法を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の(イ)及び(ロ)の方法で用いられる水性媒体としては、水、或いは、水とメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール又はn−ブタノール等のアルコールとの混合物があげられるが、水がより好ましい。
本発明の(イ)及び(ロ)の方法で用いられる酸化剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸アルカリ、過硫酸カルシウム、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げられ、より好ましいものとしては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムが例示される。これらの酸化剤の使用量は、グリオキザール樹脂(固形分)に対して、好ましくは0.4重量%未満、より好ましくはおおよそ0.01〜0.2重量%である。
本発明の(イ)及び(ロ)の方法は、反応容器中の液相部又は気相部に圧縮空気又は酸素ガスを導入することを特徴とするものであるが、この導入の目的は、グリオキザールの着色を防ぐことが目的であるので、上記(イ)の方法においては、少なくとも尿素又はその誘導体とグリオキザールを反応させる工程において圧縮空気又は酸素ガスの導入が必要である。同様に、酸化剤は、少なくとも尿素又はその誘導体とグリオキザールを反応させる工程において存在していることが必須である。
即ち、上記(イ)及び(ロ)の方法において、反応系にグリオキザールが残存しているときは、圧縮空気又は酸素ガスの導入と、酸化剤の存在が必須である。
【0007】
本発明の(イ)及び(ロ)の方法で用いられる尿素誘導体としては、例えば、モノ置換誘導体、ジ置換誘導体、トリ置換誘導体、テトラ置換誘導体及び尿素の塩酸塩等があげられる。好ましい尿素誘導体は、モノ置換誘導体、ジ置換誘導体またはこれらの混合物であり、置換基としては、例えば、アセチル基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ等があげられる。
ホルムアルデヒドとしては、例えばホルマリン、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン等があげられる。
本発明の(イ)及び(ロ)の方法で用いられる尿素又は尿素誘導体、グリオキザール及びホルムアルデヒドの使用割合は、好ましくは、モル比で、尿素誘導体の場合は尿素に換算して、1:0.5:0.5〜1:1.5:3の範囲である。
【0008】
上記(イ)の方法において、尿素又はその誘導体とグリオキザールの反応は、酸性乃至弱アルカリ性で行われ、好ましいpHは4〜8の範囲である。反応温度は好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃の範囲である。又、該反応で得られた樹脂溶液とホルムアルデヒドの反応は、酸性乃至弱アルカリ性で行われ、好ましいpHは4〜8の範囲である。反応温度は好ましくは30〜80℃、より好ましくは50〜70℃の範囲である。
上記(ロ)の方法において、尿素又はその誘導体とグリオキザールとホルムアルデヒドの反応は、酸性乃至弱アルカリ性で行われ、好ましいpHは4〜8の範囲である。反応温度は好ましくは30〜80℃、より好ましくは50〜70℃の範囲である。
【0009】
本発明の(ハ)で用いられる脂肪族低級アルコールとしては、より好ましくはメタノールが挙げられる。上記(ハ)の方法において、反応は樹脂濃度が高い状態で行われる方がよく、上記(イ)及び(ロ)で得られる樹脂溶液中の固形分濃度が低いときは、適宜、濃縮後、アルコールと反応させることが好ましい。上記(ハ)の反応は、酸性で行われ、好ましいpHは1〜5の範囲である。反応温度は好ましくは20〜70℃、より好ましくは30〜50℃の範囲である。反応終了後、グリオキザール樹脂の溶液は、必要に応じて、苛性ソーダ等で中和し、その後アルコールを留去し、所望の固形分濃度に調整される。
【0010】
【発明の効果】
本発明の方法(イ)〜(ハ)によれば、着色の僅少なグリオキザール樹脂が得られ、過硫酸アルカリ等の酸化剤の添加量の削減が可能であり、グリオキザール樹脂を繊維加工用として用いる場合であっても、硫酸のアルカリ金属塩、硫安等の副生量が少ないという利点を有する。
【0011】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明する。例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%である。
【0012】
実施例1−2
攪拌機付の反応容器に40%グリオキザール284部、尿素118部及び37%ホルマリン300部を仕込み、次に28%苛性ソーダを用いてpHを7に調整した。次いで、過硫酸アンモニウムをグリオキザール樹脂中の固形分に対して0.1%又は0.05%量添加すると同時に、反応容器中の気相部に酸素ガスを導入した。
次に、反応容器内の混合物を約63〜65℃に保ち、苛性ソーダ水溶液を用いてpHを6.8〜7.2に調整しながら、3時間反応させた。その後、反応混合物を冷却し、40〜55℃、減圧条件で水を一部留去させた。次いで、メタノールを247部仕込み、71%硫酸を用いてpHを1.5〜2に調整し、更に約39〜41℃で1時間反応させた。その後、40〜60℃、減圧条件で未反応のメタノール及び水を留去させた。濃縮終了後、水で希釈して、固形分濃度約42%のグリオキザール樹脂を得た。得られた樹脂の色数を下記の表1に示した。
【0013】
比較例1−2
過硫酸アンモニウムを添加しない以外は、実施例1と同様にしてグリオキザール樹脂を得た。又、反応容器中の気相部に酸素ガスに代えて窒素ガスを導入する以外は、実施例1と同様にしてグリオキザール樹脂を得た。
【0014】
【表1】
例番号 過硫酸アンモニウム量 導入ガス 色数( APHA ) 固形分濃度
実施例1 0.1% 酸素 20 42%
実施例2 0.05% 酸素 40 42%
比較例1 無添加 酸素 120 42%
比較例2 0.1 % 窒素 100 42 %
Claims (4)
- 水性媒体の存在下に、(a)尿素又はその誘導体とグリオキザールを反応容器中で反応させる工程、(b)次いで、該反応混合物にホルムアルデヒドを反応させる工程からなるグリオキザール樹脂の製造方法であって、すくなくとも、前記(a)の工程において酸化剤を存在させ、且つ、反応容器中の液相部又は気相部に圧縮空気又は酸素ガスを導入することを特徴とするグリオキザール樹脂の製造方法。
- 水性媒体及び酸化剤の存在下に、尿素又はその誘導体とグリオキザールとホルムアルデヒドとを反応容器中で反応させてグリオキザール樹脂を製造する方法であって、反応容器中の液相部又は気相部に圧縮空気又は酸素ガスを導入することを特徴とするグリオキザール樹脂の製造方法。
- 請求項1又は2記載の方法で得られるグリオキザール樹脂にメタノールを反応させることを特徴とする樹脂の製造方法。
- 酸化剤が、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム又は過硫酸アンモニウムである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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