JP4139532B2 - ガス吸着体及びガス清浄器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は油性物質ガス用吸着体及びガス清浄器に関し、更に詳しくは、空気などの気体中に混在している油性物質を効率良く除去することのできる油性物質ガス用吸着体及びこの油性物質ガス用吸着体を利用したガス清浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】
油性物質を含有するガス混合物系において、油性物質ガスを選択的に除去する従来からの分離手段の一つとして、活性炭が知られている。例えば、活性炭を充填してなる浄化装置がある。吸着材が活性炭である場合、活性炭の細孔分布に応じて被吸着物が実質的に決定されるという特性がある。つまり、活性炭の平均細孔径が大きいと、前記活性炭の平均細孔径よりも小さな物質は活性炭で効率良く除去することができないので、除去しようとする物質の大きさに応じて活性炭の種類を選択しなければならないと言う制約が活性炭にある。
【0003】
又、活性炭を充填した分離装置においては、逆洗をするのに長時間を要するという問題点、及び固形物の濾別をすることができないと言う問題点がある。要するに活性炭は、被吸着物の粒子径に依存していて、粒子の油溶性、あるいは水溶性という性質に依存していなかった。さらに活性炭はその粉炭が発生するので、活性炭を採用する浄化装置には、浄化気側にこの粉炭を除くフィルターがさらに必要になるという問題点がある。
【0004】
【0005】
ポリエーテルスルホンとポリアリレートとを含有するポリマーアロイからなる浄化膜が、その細孔を通過する水溶液エンドトキシンを吸着除去することができるということは公知である(特開平8−243366号公報)。エンドトキシンは多糖類であり、親水性物質である。したがって、このような浄化膜によって親水性物質を吸着除去することが知られているだけであり、前記浄化膜がガス中の特定成分を吸着除去可能かどうかは知られていない。
【0006】
塗装工場、クリーニング工場、及び半導体製造工場等からは、油性物質ガスとしてハロゲン化炭化水素等を含有する廃液及び排気ガス等が大量に発生する。
【0007】
近年、気体状のハロゲン化炭化水素の排出についても規制が厳しくなってきた故に、前記工場においては、前記廃液及び排気ガス等からハロゲン化炭化水素を除去する処理をしてから排出していた。
【0008】
しかし、従来は、ハロゲン化炭化水素を除去するのに活性炭を用いていた。活性炭を用いることの問題点は既に指摘したとおりである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、気体中に混在する微量の油性物質を効率良く除去することのできる油性物質ガス用吸着体、及びこの油性物質ガス用吸着体を利用したガス清浄器を提供することにある。
【0010】
この発明の他の目的は、分離材の頻繁な交換及び再生の何れも必要ない油性物質ガス用吸着体及びこれを使用するガス清浄器を提供することにある。
【0011】
この発明の目的は、更に、油性物質が混在している気体から油性物質を除去することのできる油性物質ガス用吸着体及びこれを使用するガス清浄器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためのこの発明は、ポリエーテルスルホンとポリアリレートとで形成され、水に対する接触角が60度以上であるポリマーアロイをガス中の脂肪族系含ハロゲン有機化合物を吸着する吸着材とすることを特徴とするガス吸着体であり、
この発明の好適な態様では、前記脂肪族系含ハロゲン有機化合物トリクロロエチレンであり
この発明はまた、前記ガス吸着体を有することを特徴とするガス清浄器に関する。
【0013】
【発明の実施の態様】
(A)油性物質ガス用吸着体
この油性物質ガス用吸着体は、水に対する接触角が60度以上であるポリマーを油性物質ガスの吸着材とする。
【0014】
前記接触角は、固体、液体、および気体を接触させたとき、三相の接触点で液体に引いた接線と固体面とのなす角のうち液体を含む側の角度を言う。接触角を測定する装置としては、特に制限がないのであるが、通常、共和界面科学株式会社製の接触角計(CA−A型)が好適に使用される。
【0015】
この発明におけるポリマーは水に対する接触角が60度以上であることが重要である。また好ましい接触角は70度以上であり、更に好ましくは110度を越えない。ここで、水は通常の蒸留水を言う。
【0016】
ポリマーの水に対する接触角が60度以上であると、そのポリマーは油性物質ガスを吸着する。このような接触角を有するポリマーは疎水性物質である。この疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ポリスチレン−ポリブタジエンブロックポリマー、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を挙げることができる。この発明におけるポリマーはこれらの一種単独で使用されても良く、又併用されても良い。
【0017】
これらの中でも好ましいのはポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリアリレートよりなる群から選択される少なくとも一種であり、中でも、ポリアリレートとポリスルホンとを組み合わせたポリマーアロイ、及びポリアリレートとポリエーテルスルホンとを組み合わせたポリマーアロイを好適例として挙げることができる。
【0018】
前記ポリアリレートは、以下の化1に示す繰り返し単位を有するポリマーを好適に採用することができる。
【0019】
【化1】
Figure 0004139532
【0020】
ただし、式中、R1及びR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基である。R1及びR2は互いに同一であっても良く、あるいは相違していても良い。R1及びR2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。この発明においては、R1及びR2がメチル基であるのが好ましい。
【0021】
このポリアリレートは、その分子量が20,000〜50,000程度であるのが良い。
【0022】
この発明においては、前記ポリアリレートとしては、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とを重縮合することにより適宜に合成したポリアリレートを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商標名「Uポリマー」として販売されているユニチカ(株)による製品、商標名「APE」として販売されているバイエル社による製品、商標名「DUREL」として販売されているセラニーズ社による製品、商標名「Arylon」として販売されているデュポン社による製品等を挙げることができる。
【0023】
前記ポリスルホンとしては、以下の化2に示す繰り返し単位を有するポリマーを好適に採用することができる。
【0024】
【化2】
Figure 0004139532
【0025】
ただし、式中、R3及びR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基である。R3及びR4は互いに同一であっても良く、あるいは相違していても良い。R3及びR4としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。この発明においては、R3及びR4がメチル基であるのが好ましい。前記化2で示される繰り返し単位を有するポリスルホンは、その分子量が20,000〜40,000程度であるのが好ましい。
【0026】
このポリスルホンとしては、適宜に合成したポリスルホンを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商品名「P−3500」として販売されているユニオンカーバイド社製の製品を挙げることができる。
【0027】
前記ポリエーテルスルホンとしては、次の化3で示される繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
【0028】
【化3】
Figure 0004139532
【0029】
このポリエーテルスルホンは、前記化3で示される繰り返し単位を主たる繰り返し単位とする限り特に制限がないが、その分子量が20,000〜40,000程度であるのが好ましい。
【0030】
また、このポリエーテルスルホンとしては、適宜に合成したポリエーテルスルホンを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商標名「スミカエクセルPES」として販売されている住友化学工業(株)による製品等を挙げることができる。
【0031】
ポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとを組み合わせる場合、ポリアリレート(A)とポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホン(B)との混合重量比(A/B)は、0.1〜10、好ましくは0.3〜4であるのが望ましい。
【0032】
なお、上記ポリマーであっても、その表面を改質するために何らかの処理が行われた結果、水に対する接触角が60度未満になっているポリマー、及び、重合時に微量の親水性モノマーを共重合させ、又は重合時に立体異性を制御して結晶性を低下させて、水に対する接触角が60度未満になっているポリマーは、この発明における「水に対する接触角が60度以上であるポリマー」から除外される。
【0033】
この発明におけるポリマーは、その形態として、例えば、シート状、ひも状、短冊状等のような長尺状の形態、顆粒状、粒状、粉末状等のような粒子状の形態、及び繊維形態等を挙げることができる。また、別の観点よりすると、このポリマーは、チューブ状、スポンジ状、ブロック状、スパイラル状等の様々の形状を取り得る。
【0034】
また、この発明におけるポリマーは、その形態が、平膜状、粒状、棒状、ラシヒリング状、及びフレーク状の何れかであってもよく、また中空糸膜の形態であっても良い。いずれにしても、比表面積の大きな形態のポリマーが好ましい。
【0035】
この発明における吸着材としてのポリマーが前記ポリマーアロイであるときには、前記二種以上の疎水性ポリマーを有機溶媒に溶解してポリマー原液を調製し、このポリマー原液を紡糸口金又は押し出しダイスから押しだして凝固液中に導入すると、条件を選択することにより、紐状体もしくは糸状体が形成される。この紐状体の直径が小さい場合に、この紐状体を所定長さに切断すると繊維形態の有機物質吸着体が形成され、この紐状体の直径がある程度の大きさを有するときには、この紐状体を所定長さに切断すると、ペレット状、軸状の有機物質吸着体が得られる。
【0036】
また、紡糸口金又は押し出しダイスから押し出して得られる前記紐状体の断面は、見かけ上単純な円形であるよりも中空状、星形状等の、表面積が大きくなる異形であるのが望ましい。
【0037】
このような顆粒状、粒子状、ペレット状、繊維状等の吸着材としてのポリマーを形成するには、前記ポリマーアロイを有機極性溶媒に溶解してなるポリマー原液を紡糸口金又は押し出しダイスから押し出すのがよい。
【0038】
前記有機極性溶媒としては、例えばテトラヒドラフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
【0039】
前記ポリマー原液を調製する際に、二種のポリマーの濃度、特にポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとの濃度は、通常10〜25重量%、好ましくは12〜20重量%である。このポリマー原液は、紡糸口金から吐出することにより繊維を形成する目的で調製される場合、前記ポリマー濃度が10重量%よりも低いときには、紡糸口金により紡糸しても強度のある糸に紡糸することができないことがあり、また25重量%よりも濃度が高いと、多孔質の糸に紡糸することができず、またポリマー原液がゲル化し易くなって取り扱いに困ることがある。
【0040】
前記有機極性溶媒に二種のポリマー特にポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとを溶解する際の温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。
【0041】
なお、吸着材であるポリマーは、この発明の目的を阻害しない限りにおいて、各種の添加剤を含有していても良い。
【0042】
この発明に係る吸着材としてのポリマーが吸着する被吸着体は、油性物質ガスであり、分子量1,000以下の化合物である。
【0043】
この油性物質としては、水に対して難溶性又は微溶性である有機化合物を挙げることができる。例えば、ヘキサンに易溶性であり、かつ水に対する溶解性が1g/水100g以下であるとき、この油性物質は水に対して微溶性又は難溶性であると言える。
【0044】
油性物質の具体例としては、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、及びブロモホルム等のトリハロメタン類、DDT、ダイオキシン、及びPCB等の芳香族系含ハロゲン有機化合物、トリクロロエタン、トリブロモエタン、及びモノクロロジブロモエタン等のトリハロエタン類、並びにトリクロロエチレンを含むトリハロエチレン、その他にテトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、及び四塩化炭素等の脂肪族系含ハロゲン有機化合物等を挙げることができる。この吸着材であるポリマーは、前記油性物質ガスの一種又は二種以上を同時に吸着しても良い。
【0045】
油性物質の他の例としては、ベンゼン、アンスラセン、及びヘキサン等の炭化水素を挙げることができる。
前記油性物質が混在する気体としては、例えば、前記油性物質を含有する排ガス等を挙げることができ、具体的には、例えば、塗装工場、クリーニング店、クリーニング工場、及び半導体工場等からの、前記油性物質を含有する排ガスを挙げることができる。更に、前記油性物質を含有する排ガスとしては、前記油性物質が溶解している水系溶液又は油性物質が高濃度で含浸されている土壌に高温の水蒸気又は高温空気又は通常の空気等を吹き込むことにより発生する、前記油性物質を含有する空気も挙げることができる。
【0046】
この発明における油性物質ガス用吸着体としては、水に対する接触角が60度以上であるポリマーを適宜の容器に収容し、前記水溶液と接触することができるように形成されてなる構造を挙げることができる。
【0047】
例えば、この発明におけるポリマーの形態が平膜状であるときには、平膜状のポリマーを空隙の多いセパレータを介して積層した積層体、及びこの積層体を渦巻き状に巻回してなる巻回物を例えば円筒ケースに装填してなる構造をとることができる。又、このポリマーが浄化膜状であるときには、膜の両側それぞれに気密な被処理気体室と処理気体室とが形成されるようにチャンバー内にポリマー浄化膜が介装されてなる構造をとることができる。このポリマーが粒状、棒状、ラシヒリング状、及びフレーク状等の形態をとるときには、これら形態のポリマーを充填カラムに装填してなる構造等を挙げることができる。更に、このポリマーが中空糸膜状であるときには、この多数本の中空糸膜を管状のケースに装填し、中空糸の一端開口部から中空糸の周側面へと気体が通過することができるように形成されてなる構造等を挙げることができる。
【0048】
この発明に係るガス清浄器においては、この発明に係る油性物質ガス用吸着体が使用される。ガス清浄器としては、例えば、この発明におけるポリマーを浄化膜状に形成し、モジュール化してなるガス清浄器を挙げることができる。
【0049】
このようなガス清浄器の一例につき図面を参照して説明する。
【0050】
図1に示されたガス清浄器においては、両端が開口した、この発明におけるポリマーで形成された中空糸吸着膜1が、略円筒状の中空糸吸着膜ケース2の内部に、充填されている。前記中空糸吸着膜ケース2の側面における両端部のそれぞれには、枝管21及び22が設けられている。
【0051】
前記中空糸吸着膜1は、中空糸吸着膜ケース2の両端部においてポッティングされ、これにより、前記中空糸吸着膜の両端部にポッティング部23及び24が形成されている。前記ポッティング部23及び24は、いずれも、中空糸吸着膜ケース2の端面に沿って切断され、末端開口部11及び12が形成されている。
前記中空糸吸着膜ケース2における、末端開口部11が形成された方の端部には、底部を有する略円筒状の被処理ガス供給キャップ31が被せられ、前記中空糸吸着膜ケース2における、末端開口部12が形成された方の端部には、前記被処理ガス供給キャップ31と同様の形状を有するドレン排出キャップ32が被せられている。被処理ガス供給キャップ31の底面における中央部からは、被処理ガスを供給する被処理ガス供給管31aが、末端開口部11から遠ざかる方向に向かって伸びている。一方、ドレン排出キャップ32の底面における中央部には、被処理ガス中の水分が凝結して生成するドレンを排出するドレン排出管32aが、前記末端開口部12から遠ざかる方向に向かって伸びている。前記ドレン排出管32aには、開閉弁であるドレン弁32bが設けられている。尚、中空糸吸着膜ケース2と被処理ガス供給キャップ31との間、及び中空糸吸着膜ケース2とドレン排出キャップ32との間には、それぞれOリング41及び42が嵌装されている。
【0052】
前記中空糸吸着膜1としては、例えば、前記ポリマーを適宜の溶媒に溶解させた紡糸原液を紡糸口金から凝固浴中に押し出して凝固させる湿式紡糸法により得られる中空糸吸着膜を挙げることができる。
【0053】
図1に示されたガス清浄器において、中空糸吸着膜1は、この発明のガス清浄器における油性物質ガス吸着体に相当する。
【0054】
図1に示されたガス清浄器において被処理ガスを清浄化する時(以下「浄化時」という。)には、被処理ガス供給管31aを通して末端開口部11に被処理ガスを供給する。このとき、ドレン弁32bは閉めておく。
【0055】
前記被処理ガスは、末端開口部11から中空糸吸着膜1の内部に流入する。中空糸吸着膜1の内部に流入した被処理ガスは、中空糸吸着膜1の外側に向かって透過することにより浄化される。中空糸吸着膜1で浄化された浄化ガスは、枝管21及び/又は22を通って前記ガス清浄器の外部に流出する。
【0056】
前記ガス清浄器を逆洗するとき(以下「逆洗時」という。)には、枝管21及び/又は22から洗浄水を供給する。このときは、ドレン弁32bを開いておく。
【0057】
前記洗浄水は、中空糸吸着膜1の外側から内側に向かって透過し、末端開口部11及び/又は12から中空糸吸着膜ケース2の外部に流出する。これによって、浄化時に中空糸吸着膜1に蓄積した汚れ及び吸着された油性物質等が除去される。
【0058】
浄化膜状に形成したポリマーをこのようにモジュール化してなるガス清浄器は、逆洗が容易であり、被処理ガス中に微小固形物等を含有するときには、これらをも除去することができる。
【0059】
この発明に係るガス清浄器の他の例について以下に説明する。
【0060】
前記ガス清浄器においては、図1に示されたガス清浄器と類似の構造を有するガス清浄器を挙げることができ、このようなガス清浄器としては、図2に示される構造を有するガス清浄器を挙げることができる。図2のガス清浄器においては、両端が開口した、この発明におけるポリマーで形成された中空糸吸着膜1が、略円筒状の中空糸吸着膜ケース2の内部に充填されている。前記中空糸吸着膜ケース2の側面における両端部には枝管21及び枝管22が設けられている。
【0061】
前記中空糸吸着膜としては、前記湿式紡糸法によって得られた中空糸吸着膜を適宜の方法によって乾燥した中空糸吸着膜等を挙げることができる。前記乾燥方法としては、例えば、湿式紡糸後の中空糸吸着膜をエタノール、メタノール、及びイソプロパノール等の低級アルコール等に浸漬して、前記中空糸吸着膜が含有する凝固液及び水等を前記低級アルコールによって置換した後、自然乾燥させる方法、及び湿式紡糸により得られた中空糸吸着膜を水洗後乾燥する方法等を挙げることができる。
【0062】
前記中空糸吸着膜1は、中空糸吸着膜ケース2の両端部においてポッティングされ、これにより、前記中空糸吸着膜1の両端部にポッティング部23及び24が形成されている。前記ポッティング部23及び24は、いずれも、中空糸吸着膜ケース2の端面に沿って切断され、第1末端開口部11及び第2の末端開口部12が形成されている。
【0063】
前記中空糸吸着膜ケース2における、第1の末端開口部11が形成された方の端部には、底部を有する略円筒状の被処理ガス供給キャップ33が被せられ、前記中空糸吸着膜ケース2における、第2の末端開口部が形成された方の端部には、前記被処理ガス供給キャップ33と同様の形状を有する末端キャップ34が被せられている。被処理ガス供給キャップ33の底面における中央部からは、前記油性物質を含有する被処理ガスを供給する被処理ガス供給管33aが、第1の末端開口部11から遠ざかる方向に向かって伸びている。尚、中空糸吸着膜ケース2と被処理ガス供給キャップ33との間、及び中空糸吸着膜ケース2と末端キャップ34との間には、それぞれOリングが嵌装されている。
【0064】
図2に示されたガス清浄器において、中空糸吸着膜1は、この発明のガス清浄器における油性物質ガス吸着体に相当する。
【0065】
前記ガス清浄器において被処理ガスを浄化する時(以下「浄化時」という。)には、被処理ガス供給管33aを通して第1の末端開口部11に被処理ガスを供給する。
【0066】
前記被処理ガスは、第1の末端開口部11から中空糸吸着膜1の内部に流入する。中空糸吸着膜1の内部に流入した被処理ガスが、中空糸吸着膜1の内側を通過しているときにはその中空糸吸着膜1の内壁に吸着され、中空糸吸着膜1の内側から外側に向かって通過することにより前記被処理ガス中の油性物質が前記中空糸吸着膜1における内壁及び膜厚内に吸着され、中空糸吸着膜1の外側に出た被処理ガス中の油性物質は中空糸吸着膜1の外壁に吸着され、最終的に油性物質が吸着除去される。中空糸吸着膜1で油性物質ガスを除去された被処理ガスは、枝管を通って前記ガス清浄器の外部に流出する。
【0067】
なお、油性物質の吸着除去の効率を向上させるためには、被処理ガスを冷却処理し、これによって除去すべき対象成分を液化してこれを濾別し、濾別処理後のガスを本発明に係るガス清浄器で処理するのが良い。またこのガス清浄器で処理する際に処理温度を低下させておくのも、油性物質の吸着除去の効率を向上させることができる。
【0068】
さらに中空糸吸着膜で被処理ガスから油性物質を除去するには、上述したように中空糸吸着膜の内側から外側に被処理ガスを通過させるのみならず、中空糸吸着膜の外側から内側へと被処理ガスを通過させても良い。
【0069】
前記ガス清浄器において吸着された油性物質ガスを脱着するとき(以下「脱着時」という。)には、前記油性物質を含有しない気体を、浄化時とは逆方向に前記枝管21及び/又は22からガス清浄器内に供給する。
【0070】
前記気体は、中空糸吸着膜1の外側から内側に向かって透過し、末端開口部11から中空糸吸着膜ケース2の外部に流出する。これによって、浄化時に中空糸吸着膜1に吸着された油性物質ガスが脱着される。
【0071】
なお、脱着時に、前記油性物質を含有しない気体をガス清浄器内に通過させる際の処理温度を高めるのも、脱着効率の向上に、都合が良い。
【0072】
【実施例】
(実施例1)
<ガス清浄器の作成>
ガス清浄器の作成
前記式(I)においてR1及びR2がいずれもメチル基であるポリアリレート樹脂((株)ユニチカ製、商品名;Uポリマー「U−100」、接触角:74.1度、以下「PA」と略する。)と、前記式(III)で示されるポリエーテルスルホン樹脂(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカエクセルPES、接触角:66.4度、以下「PES」と略する。)とをN−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略する。)に加え、60℃に加熱しながら溶解して紡糸原液を調製した。前記紡糸原液におけるPAとPESとを合計した樹脂濃度は17重量%であり、PAとPESとの混合重量比は、1:1であった。この比率で混合されたポリマーの接触角は、70.6度であった。
【0073】
二重管紡糸口金の内側から、芯液として、NMP50容量%及び水50容量%の混合液を吐出し、前記二重管紡糸口金の外側から前記紡糸原液を吐出し、空気中を20〜50mm通過させた後、NMP60容量%及び水40容量%の混合液である凝固浴中に導いて凝固させ、中空糸吸着膜を得た。二重管紡糸口金の温度は7〜8℃に設定した。
【0074】
得られた中空糸を水洗し、次いで乾燥して、有効膜面積1.2m2である、図2に示すようなガス清浄器を作成した。
<トリクロロエチレン除去試験>
a) 試験装置の構成
前記ガス清浄器を図3に示す構成を有する試験装置に接続して、トリクロロエチレンの除去性能を調べた。
【0075】
前記試験装置は、図3に示されるように、流量計Aの入口側に、窒素ガスボンベ及び流量制御装置(いずれも図示せず。)が接続されている。
【0076】
流量計Aの出口側には、内部にトリクロロエチレンを入れた第1三角フラスコに接続されている。
【0077】
前記第1三角フラスコBは、前記窒素ボンベからの窒素ガスに所定濃度のトリクロロエチレンを含有させて供給ガスを調製する機能を有する。この第1三角フラスコBは、温度調節装置J、例えば水浴槽が取り付けられていて、前記トリクロロエチレンが所定温度に加熱又は冷却されるようになっている。第1三角フラスコBの開口部には、シリコンゴム栓が装着され、前記シリコンゴム栓には、前記流量計Aの出口側に接続され、窒素ガスが導入される入口側ガラス管B1、及び前記第1三角フラスコBの内部を通過し、所定濃度のトリクロロエチレンを含有する窒素ガスである供給ガスが流出する出口側ガラス管B2が装着されている。
【0078】
前記第1三角フラスコBにおける出口側ガラス管B2は、第1三角フラスコBと同様の形状を有する空の三角フラスコである第2三角フラスコCに接続されている。前記第2三角フラスコCは、前記第1三角フラスコBにおいて流入側ガラス管B1からの窒素ガスによってトリクロロエチレンの飛沫が生じたときに、前記飛沫が、後述するガス清浄器Dの内部に飛び込むのを防ぐ機能を有する。
【0079】
前記第1三角フラスコBと同様に、第2三角フラスコCにおいても開口部には、シリコンゴム栓が装着され、前記シリコンゴム栓には、前記第1三角フラスコBからの窒素ガスが導入される入口側ガラス管C1、及び前記窒素ガスが流出する出口側ガラス管C2が装着されている。尚、入口側ガラス管C1の先端は前記第2の三角フラスコBの底部近傍まで延在している。
【0080】
前記第2三角フラスコCにおける出口側ガラス管C2は、図2に示された構造を有するガス清浄器Dにおける被処理ガス供給管33aに接続されている。
【0081】
前記ガス清浄器Dの備える中空糸吸着膜1を透過した透過ガスは、枝管22から外部に流出する。なお、枝管21は閉鎖されている。
【0082】
前記出口側ガラス管C2と被処理ガス供給管33aとを接続する管路Eからは分岐管路Fが分岐している。分岐管路Fには弁Hが設けられている。前記管路Eにおける前記分岐管路Eと被処理ガス供給管33aとの間にも、開閉弁Gが介装されている。
b) 試験条件
前記トリクロロエチレン除去試験は、以下の条件によって行った。
【0083】
・トリクロロエチレン濃度:表5に示す。
・キャリアガス:窒素
・キャリアガス流量:2.5リットル/分
・温度:室温(25℃)
・供給ガス中のトリクロロエチレン濃度:弁Hを切り替えて管路Eと分岐管路Fとが繋がるようにし、管路Eを流れる供給ガスを分岐管路Fから採取し、ガスクロマトグラフィによってトリクロロエチレン濃度を求めた。
【0084】
・透過ガス中のトリクロロエチレン濃度:枝管22から透過ガスを採取し、ガスクロマトグラフィによってトリクロロエチレン濃度を求めた。
c) 結果
前記トリクロロエチレン除去試験の結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
Figure 0004139532
【0086】
表1に示された結果から明らかなように、有効膜面積1.2m2の前記ガス清浄器において、150分間で約313mgものトリクロロエチレンが除去された。
【0087】
供給ガスの流通を開始してから60分後の時点でトリクロロエチレンの吸着量は235mgであった。前記吸着量は、150分間の全トリクロロエチレン吸着量の75%に当たる。
【0088】
一方、供給ガスの流通を開始してから60分後の時点までに供給ガスによりガス清浄器に持ち込まれたトリクロロエチレンの量は、おおよそ
[(1.65+1.79)/2](mg/L)×2.5(L/min)×60(min)=258(mg)
である。
【0089】
よって、前記ガス清浄器は、供給ガスの流通を開始してから60分後の時点までに供給ガスによりガス清浄器に持ち込まれたトリクロロエチレンの量の
235(mg)/258(mg)=91.1%
が除去されたことが判る。
【0090】
【発明の効果】
本発明によると、
(1) 細孔分布によらずにガス中の油性物質を吸着除去することができ、したがって、活性炭を用いたガス清浄器とは異なり、被吸着物質の種類に応じて細孔分布の適正な吸着体を選択するという煩雑さがなく、
(2) 吸着した油性物質の脱着操作が極めて容易であり、前記脱着操作によって吸着された油性物質を前記脱着操作によって回収しつつ再生することが容易にでき、
(3) 活性炭で被吸着物質を吸着除去するときに生じるような、活性炭の接触により生じる微細活性炭による汚染がない、
という優れた効果を奏するガス清浄器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るガス清浄器の一例を示す縦断面図である。
【図2】図2は、本発明に係るガス清浄器の他の例を示す縦断面図である。
【図3】図3は、図2に示されたガス清浄器についてトリクロロエチレン除去試験を行ったときに使用した試験装置の構成の概略を示す概略図である。
【符号の説明】
1…中空糸吸着膜、11、12…末端開口部;
2…中空糸吸着膜ケース、21、22…枝管、23、24…ポッティング部、
31…被処理ガス供給キャップ、32…ドレン排出キャップ、31a…被処理ガス供給管、32a…ドレン排出管、32b…ドレン弁、33・・・被処理ガス供給キャップ、34・・・末端キャップ;41、42…Oリング、A・・・流量計、B・・・第1三角フラスコ、B1・・・入口側ガラス管、B2・・・出口側ガラス管、C・・・第2三角フラスコ、C1・・・入口側ガラス管、C2・・・出口側ガラス管、D・・・ガス清浄器、E・・・管路、F・・・分岐管路、G・・・開閉弁、H・・・三方弁、J・・・温度制御装置。

Claims (3)

  1. ポリエーテルスルホンとポリアリレートとで形成され、水に対する接触角が60度以上であるポリマーアロイをガス中の脂肪族系含ハロゲン有機化合物を吸着する吸着材とすることを特徴とするガス吸着体。
  2. 前記脂肪族系含ハロゲン有機化合物が、トリクロロエチレンである請求項1に記載のガス吸着体。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載のガス吸着体を有することを特徴とするガス清浄器。
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