JP4139362B2 - マニキュア組成物の有機相用増粘剤としての修飾セルロース誘導体類の使用 - Google Patents

マニキュア組成物の有機相用増粘剤としての修飾セルロース誘導体類の使用 Download PDF

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Description

本発明は、特に有機相がエステル溶媒である場合の、マニキュア組成物の有機相の増粘剤としての新規セルロース誘導体類の使用に関する。
本発明は、これらのセルロース誘導体類のいくつかを含むマニキュア組成物にも関する。
増粘剤は通常マニキュア組成物中に使用されており、これらの組成物の有機相の粘度増強を目的としている。有機相の粘度増強は、特に有機相中に存在する二酸化チタン顔料等の顔料の懸濁を促進し、保存中の顔料の沈殿を予防する。有機相の粘度増強により、その容器からの組成物の取り出し、および前記組成物の処置部分への分配も容易になる。
ベントン類等のクレーが通常、マニキュア組成物の粘度増強に使用される。ベントン類はクレー粒子であり、さらに詳しくはヘクトライト粒子であり、第4級アルキルアンモニウムクロリドにより表面が修飾されている。しかしながら、ベントン類はそれらが組み込まれている組成物に対する十分な剪断流動化特性および十分なチキソトロピー挙動を提供するにもかかわらず、使用が難しく、特に分散段階を必要とする。この分散段階では、不連続性が最小で均質なゲルを得るために、ベントン粒子を湿潤させて塊を分解させる大量の物理的エネルギーを必要とする。さらに、マニキュア等の被膜形成組成物中にベントン類が存在することが、この組成物の塗布後に得られる被膜の特性を変化させ、被膜の衝撃強度の低下と前記被膜の剥がれ落ちの促進の一因となる。最終的に、ベントン類がミクロンオーダーのサイズを有する粒子の形で提供されるという事実は、形成された被膜の光沢を消す作用をもたらし、結果的にこの被膜の光沢を著しく損なう。
「Advanced Organic Chemistry」、J.March、John Wiley & Son、1992 Edition
したがって、上記の欠点がなく、特に光沢の低下と形成された被膜の強度の低下を促進させることのない新規の増粘剤が使用できることが望ましい。
このようにして、著者らは驚くべきことにマニキュア組成物にある特別なセルロース誘導体類を組み入れることにより、次のような組成物が得られることを発見した。すなわち、卓越した剪断流動化特性とチキソトロピー特性を示し、剪断が存在しない場合、粘性を示し、この組成物中に存在する沈降物の沈降を十分に強力に予防し、増粘剤としてクレーを含む組成物に由来する被膜に固有のつやの鈍さをもはや示すことのない被膜が、塗布後に得られる。
したがって、本発明の主題は、マニキュア組成物の有機相用の増粘剤としての、ニトロセルロース類およびセルロースエステル類から選択したセルロース誘導体の使用である。前記誘導体類は、全部または一部が式-OYRの基により置換された遊離ヒドロキシル官能基を含み、
上式中、Rは次から選択した基を表し、
a)直鎖状もしくは分枝状または飽和もしくは不飽和環式炭化水素基を含む飽和または不飽和炭化水素基であって、前記基がその鎖に1つまたは複数の芳香族基および/またはO、N、P、SiもしくはSから選ばれた1つまたは複数のヘテロ原子を含むことが可能である基、
b)フルオロまたはパーフルオロアルキル基、
c)ポリオレフィン類、ポリジエン類または重縮合物から選択した重合性の基、
d)オルガノシロキサンまたはポリオルガノシロキサン基、
e)メソジェニック基、
前記定義a)、b)、c)、d)またはe)に対応する前記基は、水素結合を確立可能な少なくとも1つの基を含むことが可能であり、
Yは単結合または2価結合基を表す。
本発明のもう1つの主題は、少なくとも1つの有機溶媒をベースとする有機相を含み、全部または一部が式-OYRの基により置換されたヒドロキシル官能基を含む少なくとも1種のセルロース誘導体を含むマニキュア組成物である。上式中、Rは次から選択した基を表し、
a)直鎖状もしくは分枝状または飽和もしくは不飽和環式炭化水素基を含む飽和または不飽和炭化水素基であり、前記基がその鎖に1つまたは複数の芳香族基および/またはO、N、P、SiもしくはSから選ばれた1つまたは複数のヘテロ原子を含むことが可能である基、
b)フルオロまたはパーフルオロアルキル基、
c)ポリオレフィン類、ポリジエン類または重縮合物から選択した重合性の基、
d)オルガノシロキサンまたはポリオルガノシロキサン基、
e)メソジェニック基、
前記定義a)、b)、c)、d)またはe)に対応する前記基が、水素結合を確立可能な基を少なくとも1つ含むことが可能であり、
Yは単結合または2価結合基を表し、
前記セルロース誘導体は、Rが前記定義a)、c)およびd)に対応する場合はセルロースエステルであり、Rが前記定義b)、e)に対応する場合はセルロースエステルまたはニトロセルロースである。
本発明の組成物に関して、セルロース誘導体がセルロースエステルである場合、前記定義a)、b)、c)およびe)に対応する基からRを選択することが好ましい。
本明細書全体を通して、用語「単結合」は、酸素とR基間でブリッジを形成する単共有結合を意味すると理解されていることを明記する。この場合、-OYR基は-OR基に対応する。
本明細書全体を通して、用語「2価結合基」は、酸素原子とR基間ブリッジを形成する有機スペーサー基を意味すると理解されていることを明記し、前記結合基は-(C=O)-、-(C=O)O-、-SO2-、-CO-NH-、-CO-NR'-または-Si(R3)2-基から選択することが可能であり、同一もしくは異なるR3基は、1から500個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状の炭化水素基または3から500個の炭素原子を含む環式炭化水素基であり、前記基は飽和もしくたは不飽和であり、O、N、S、Siおよび/またはPから選択した1つまたは複数のヘテロ原子を含むことが可能であり、R'はC1からC4のアルキル基を示す。R3は1から10個の炭素原子を含むアルキル基を表すことが好ましい。
本明細書全体を通して、用語「ニトロセルロース」は、セルロースの遊離ヒドロキシル官能基の一部をエステル化することにより得られる部分的にニトロ化されたアンヒドログルコース環のα-(1→4)配列からなるポリマーを意味すると理解されていることを明記し、このニトロ化は例えば、硫酸存在下での硝酸の作用による。
本明細書全体を通して、用語「セルロースエステル」は、部分的にエステル化されたアンヒドログルコース環のα-(1→4)配列からなるポリマーを意味すると理解されていることを明記するが、このエステル化はカルボン酸またはカルボン酸誘導体(酸塩化物、酸無水物)と前記環の遊離ヒドロキシル官能基の一部の反応により達成される。セルロースエステルは、セルロースアセテート類、プロピオネート類、ブチレート類、イソブチレート類、フタル酸塩類、アセタトブチレート類またはアセタトプロピオネート類であり得ることは有益である。
本発明に記載のマニキュア組成物の有機相は、少なくとも1種のエステル溶媒を含むことが好ましく、3から8個の炭素原子を含むエステル溶媒、特に酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、n-酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチルおよびその混合物等の短鎖エステル類(合計で3から8個の炭素原子を有する)を含むことが好ましい。
本発明に関連して使用されるセルロース誘導体類の長所は、セルロース誘導体がマニキュア組成物の先に定義した有機相に対して優れた溶解性を示すという事実(ニトロ基またはエステル基の存在のため)、および上記R基のために、これらが前記マニキュア組成物の前記有機相の増粘をもたらし、したがって、本発明のマニキュア組成物中に存在する顔料の沈殿を予防するという事実にある。さらに、このような誘導体は、ケラチン性基質に塗布後に、特に剥がれ落ちにくい光沢があり耐久性のある被膜を形成する。
本発明によると、R基は上記の定義a)に対応する基であり得る。すなわち、1から50個の炭素原子、好ましくは8から50個の炭素原子を含むことが可能で、さらにその鎖に1つまたは複数の芳香族基および/または1つまたは複数のO、N、P、SiもしくはSから選択したヘテロ原子を含み得る直鎖状もしくは分枝状を含む飽和もしくは不飽和炭化水素基であるか、または3から50個の炭素原子を含み得る飽和もしくは不飽和の環式炭化水素基であり得る。これらの基は本質的に非重合性であり、すなわち、1つまたは複数のモノマーの重合または重縮合に由来するものではないことを明記する。
この定義に対応する特に有益である適切な基は、1から50個の炭素原子、好ましくは8から50個の炭素原子を含み、O、N、P、SiもしくはSから選択した1つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である可能性がある。
適切な基はまた、3から50個の炭素原子を含むシクロアルキル基(例えば、単環または多環)でもあり得る。
本発明によると、R基はフルオロまたはパーフルオロアルキル基であり得(定義b))、すなわち、水素原子のすべてまたは一部(基がパーフルオロの場合すべて)がフッ素原子で置換されているアルキル基である。これらのフルオロまたはパーフルオロアルキル基が6から50個の炭素原子を含むことが好ましい。
本発明によると、R基は、ポリオレフィン類、ポリジエン類または重縮合物(定義c))から選択した重合性の基でもあり得る。
適切なポリオレフィン類は、好都合に10から500個の-CH2-ユニットを含むポリエチレンまたは次のコポリマー類から選択したコポリマーであり得る。
- (エチレン/プロピレン)コポリマー類、
- (エチレン/ブテン)コポリマー類、
- (エチレン/ヘキセン)コポリマー類、
- (エチレン/オクテン)コポリマー類。
ポリジエン類の例はポリブタジエン類またはポリイソプレンであり、これらは水素添加されていることが好ましい。
本発明によると、重縮合物は、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリエステルアミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリウレア類、(尿素/ウレタン)コポリマー類またはポリエーテル類であり得る。
ポリエステル類の例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、フランジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびこれらの混合物、およびポリカルボン酸類、特にジカルボン酸、およびそのC1からC4エステル誘導体、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸またはこれらのジメチルエステル類、無水フタル酸またはジメチルテレフタレート、または例えばカプロラクトン等のラクトン類のようなジオール間のポリエステル化に由来する化合物について言及する。
ポリエステルアミド類の例として、上記のもの等のポリエステル化混合物に、エタノールアミン等のアミノアルコール類を加えることにより得たものについて言及する。
ポリカーボネート類の例として、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,8-ヘキサンジオール、ジエチレングリコールもしくはテトラエチレングリコール等のジオール類とジアリール、ジアシルもしくは例えば炭酸ジフェニル等の脂肪族炭酸塩類、またはホスゲンを反応させて得たものについて言及する。
ポリアミド類の例として、脂肪族、環式脂肪族または芳香族C3からC50ジカルボン酸(またはC1からC4エステル誘導体類)と直鎖状または分枝状脂肪族、環式脂肪族または芳香族C2からC50ジアミン間の縮合により得たものについて言及する。2塩基酸は上記2塩基酸とさらに2量体脂肪酸(不飽和脂肪1酸類の2分子間の縮合に由来)から選ぶことが可能であり、ジアミン類は、エチレンジアミン類、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、1,6-ジアミノヘキサン、1,10-ジアミノデカン、イソホロンジアミン、アダマンタンジアミンまたは2,6-ジアミノピリジンから選ぶことが可能である。
ポリウレタン類、ポリウレア類、ポリウレア類-ウレタン類の例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族C4からC100、好ましくはC4からC30のジイソシアネート類と、前記に定義したもの等のジオール類または上記に定義したもの等のジアミン類またはジオール類/ジアミン類混合物との重付加により得たものについて言及する。
ポリエーテル類の例として、オキシエチレンとオキシプロピレンのコポリマー類について、またはポリテトラメチレンオキシドについて言及する。
本発明の組成物に関して、セルロース誘導体がセルロースエステルである場合およびYが式-CO-基を表す場合、したがって、前記定義a)またはc)に対応するR基は、式-OYRの基によりヒドロキシル基の全部または一部が置換される前にセルロースエステルにすでに存在していたものと異なることが好ましい(例えば、セルロースエステル等の炭化水素基であるこれらの既存の基は、先に定義したR基のグラフト以前は、セルロースアセテート、プロピオネート、ブチレート、イソブチレート、フタレート、アセテートブチレートまたはアセテートプロピオネートである)。
R基はオルガノシロキサンまたはポリオルガノシロキサン基(定義d))でもあり得る。このような基は次の式に対応し得る、
-[Si(Ra,Rb)-O-]P-Si(Ra,Rb,Rc)
上式中の
同一または異なるRa、RbおよびRcは、1から20個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル鎖、フェニルまたは3から20個の炭素原子を含むパーフルオロアルキル鎖を表し、pは0から500の範囲の整数である。
最終的に、前記R基は中間性を有する相、すなわち、液晶相を提供可能な基であり得る。
結果的にゲル化をもたらす液晶相を提供できる上記の定義に対応するメソジェニック基のなかで、アルキルアリール基、アルキルシクロアルキル基、アルコキシアリール基またはアルコキシシクロアルキル基について言及する。
上記の定義に対応するこのような基が、次の式に対応できることは有利である、
Figure 0004139362
qは1から10の範囲の整数を表す。
上記の定義に対応する適切となり得るメソジェニック基のなかで、次の一般式で表される基について言及することは有利である、
-E-F-E-G、
上式中
- 同一または異なるE基は、次のような2価の芳香族基であり、
Figure 0004139362
qは1から10の範囲の整数を表し、
- Fは-C=C-、-N=N-、-CH=N-、-CO-O-等の2価の不飽和基および非環式基または単結合であり、
- Gは次の式の末端基を表し、
-O-Ru、-CO-Ru、-CN、-COOH、-(CH2)q-Ru
Ruは、1から10個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、qは1から10の範囲の整数を表す。
この定義に対応する特定の基は、次の式の基である。
Figure 0004139362
適切であり得るメソジェニック基のなかで、次の式の1つに対応するパラヒドロキシ安息香酸誘導体類についても言及し、
Figure 0004139362
qの定義は上記の定義と同じである。
最終的に、有益なメソジェニック基として、次の式で表されるもののようなコレステロールに由来する基について言及し、
Figure 0004139362
YまたはOとの結合(Yが単結合である場合)は、括弧が遮断する結合場所で起こる。
前記定義a)、b)、c)、d)およびe)に対応する基が、水素結合を確立可能な基を1つまたは複数保持できることは有益である。
用語「水素結合を確立可能な基」は、電気陰性原子に結合した水素原子1つまたは電気陰性原子1つを含む基である。基が電気陰性原子に結合した水素原子1つを含む場合、この水素原子は、例えば、爪のケラチンのような別の分子が保持する別の電気陰性原子との相互作用が可能であり、水素結合を形成する。基が電気陰性原子を含む場合、この電気陰性原子は、例えば爪のケラチン等の別の分子が保持する電気陰性原子に結合した水素原子との相互作用が可能であり、水素結合を形成する。
水素結合を確立可能なこれらの基は、次の基から選択した基であり得ることは有利であり、
- ヒドロキシル基-OH、
- カルボン酸基-COOH、
- R1とR2が同一または異なるアミノ基-NR1R2
- 次の式のピリジン基pyridino、
Figure 0004139362
- 次の式のピリミジン基pyrimidino、
Figure 0004139362
- 次の式の1つに対応するオキサゾリン基oxazolino
Figure 0004139362
- 次の式のアミド基-NH-CO-R'または-CO-NH-R1
- 次の式の1つに対応するピロリドン基pyrrolidono、
Figure 0004139362
- 次の式のカルバモイル基carbamoyl-O-CO-NH-R'または-NH-CO-O-R'、
- 次の式のチオカルバモイル基thiocarbamoyl-O-CS-NHR1または-NH-CS-O-R'、
- carbonato-O-CO-O-R'、
- R1基が同一または異なるureyl基-NR1-CO-N(R1)2
- R1基が同一または異なるthioureyl基-NR1-CS-N(R1)2
- R1基が同一または異なるオキサミド基oxamido-NR1-CO-CO-N(R1)2
- R1基が同一または異なるグアニジノ基guanidino-NH-C(=NH)-N(R1)2
- R1基が同一または異なるビグアニジノ基biguanidino-NH-C(=NH)-NH-C(=NH)-N(R1)2
- sulphonamido-NH1-S(=O)2-R'、
R1およびR2は、Hまたは1から4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、R'は1から4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
これらの基をR鎖が有し、その位置は鎖に関して、鎖の末端または側鎖部分のいずれかであると理解されている。
水素結合を確立可能な基を少なくとも1つ有する誘導体類は、これらの基を含むマニキュア組成物に対して、例えば爪のケラチンと水素結合を確立するこれらの基の能力により非常に優れた付着特性を提供するために、特に有利である。
好ましいことに、前記定義a)b)c)d)またはe)に対応するR基は荷電していない。すなわちアニオン、カチオン、両性(すなわち、マイナス1価の電荷とプラス1価の電荷の両方を有する)またはベタインのいずれでもない。
上記のように、セルロース誘導体類のヒドロキシル官能基にグラフトされたR基は、特にこれらの誘導体類が1種類の有機相を含むマニキュア組成物中に組み込まれており、特に有機相のベースがエステル溶媒(類)である場合、誘導体類に増粘性を与える。
増粘作用を担うメカニズムは、セルロース誘導体類にグラフトされたR基の性質に応じて変化する。
したがって、第1のメカニズムは、R基とセルロース誘導体類の主鎖の相分離からなり得る。相分離は、エステルまたは硝酸基(むしろ極性)を有するセルロース誘導体類の主鎖と側鎖R基(オルガノシロキサン類の場合、正に非極性)間非相溶性(不溶性)に由来するものである(グラフトされた側鎖基はセルロース誘導体類と溶媒の両方と非相溶性である)。メカニズムは、Rが式-[Si(Ra,Rb)-O-]p-Si(Ra,Rb,Rc)のオルガノシロキサン基またはポリオルガノシロキサン基を表す場合に遭遇する。
上式中、同一または異なるRa、RbおよびRc基は、1から20個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル鎖、3から20個の炭素原子を含むフェニルまたはパーフルオロアルキル鎖を表し、pは0から500の範囲の整数である。
セルロース誘導体類の増粘性を担う第2のメカニズムは、例えば、マニキュア組成物の有機相のエステル溶媒の存在下で、Rが有する基の結晶化からなり得る。
適切なメカニズムは次の場合である。すなわち、
- ポリエチレンまたは(エチレン/プロピレン)、(エチレン/ブテン)、(エチレン/ヘキセン)もしくは(エチレン/オクテン)コポリマー類等のポリオレフィンのグラフトの場合、
- 6から30個の炭素原子を含む直鎖状パーフルオロアルキル基の場合、
- 脂肪族ポリエステル類等のポリエステルのグラフトの場合、例えば、式-[(CH2)5-C(=O)-O-]r-Rdのポリカプロラクトンで、rが10から500の整数を表し、Rdが1から20個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状アルキル基、または3から20個の炭素原子を含む環式基を表しているか、
または次の式のポリ(エチレンテレフタレート)およびポリ(ブチレンテレフタレート)等の場合であって、
Figure 0004139362
Rdは上記と同じ定義に対応する。
セルロース誘導体類の増粘作用を担うもう1つのメカニズムは、Rが有する基の間の水素相互作用の発生に依存している。相互作用は同じ分子内(「分子内」相互作用)または異なる分子間(「分子内」相互作用)で起こることが可能である。または同様に、ルイスの意味での酸ベースの相互作用の発生に依存する。このようなメカニズムが、水素結合を確立可能な基を有するR基の例であり、またポリアミド類、ポリウレタン類およびポリウレア類等の重合性R基の例である。
最終的に、セルロース誘導体類の増粘作用を担うメカニズムは、適切にグラフトしたR基の「液晶」型の組織中に存在し得る。これは正に、R基が中間性を示す基、さらに詳しくはスメクチックまたはネマチック型の屈熱性の中間性を示す基を表す。すなわち、これらはそれ自体が層状(「スメクチック」)または紐状(「ネマチック」)に変性する。これはセルロース分子間にブリッジを形成し、マニキュア組成物の有機相の溶媒、特にエステル類を3次元ネットワーク中に閉じ込めることになる。
適切なR基は一般式-E-F-E-Gの基であり得る。
上式中、
同一または異なるE基は次の2価芳香族基であり、
Figure 0004139362
qは1から10の範囲の整数を表し、
Fは次の2価不飽和および非環式基、
-C=C-、-N=N-、-CH=N-、-CO-O-、
または単結合であり、
Gは次の式の末端基を表し、
-O-Ru、-CO-Ru、-CN、-COOH、-(CH2)q-Ru、
Ruは1から10個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し、qは1から10の範囲の整数を表す。
この定義に対応する特定の基は次の式の基である。
Figure 0004139362
このタイプのメカニズムが関係するR基はまた、次の式の1つに対応するパラヒドロキシ安息香酸から誘導した基でもあり得、
Figure 0004139362
このタイプのメカニズムが関係するR基はまた、次の式の基等のコレステロール誘導体類でもあり得、
Figure 0004139362
最終的に、このタイプのメカニズムが関係するR基は、次の式に対応する基であり得、
Figure 0004139362
qは1から10の範囲の整数である。
上記のように、上記の修飾セルロース誘導体類は、特に有機相がエステル溶媒を含む場合、マニキュア組成物の有機相用の増粘剤である。これらの誘導体類はまた、その増粘作用に加えて、その組み込まれているマニキュア組成物に被膜形成の役割をもたらす。上記誘導体類に増粘の役割に加えて被膜形成の役割を意図すると、さらに多くの量を組み入れることになると理解されている。
本発明の組成物は熱的、化学的、光化学的架橋を要せずに、被膜形成が可能な組成物であることが好ましく、架橋剤および光重合開始剤等の開始剤が不要であると好都合である。言い換えれば、本発明の組成物は、基体にこの組成物を塗布するのみで非架橋性被膜を形成することが可能であり、その後に溶媒(類)が揮発する。被膜は、例えばマニキュア組成物の分野で使用されている伝統的な除去剤で除去される。
本発明に記載の修飾セルロース誘導体または誘導体類は、マニキュア組成物の総重量に対して、重量で0.1から60%、好ましくは0.5から40%、さらに好ましくは1から30%であり得る。
好ましくは、修飾セルロース誘導体類が増粘剤および被膜剤の両方として使用される場合、マニキュア組成物中の誘導体類の含有率は、組成物の総重量に対して、10から40%、好ましくは20から35%の範囲である。
好ましくは、修飾セルロース誘導体類が増粘剤としてのみ使用された場合、マニキュア組成物中の誘導体類の含有率は、組成物の総重量に対して、重量で0.1から20%、好ましくは1から10%の範囲である。
上記セルロース誘導体類が組み込まれているマニキュア組成物は、マニキュアのベースとして、爪をメーキャップする製品として、トップコートとしても知られている仕上げ用組成物として使用することができ、爪をメーキャップする製品に使用される。または爪化粧用の製品としても使用されている。これらの組成物はヒトの爪、または偽爪に対して塗布することができる。
本発明のセルロース誘導体類が組み込まれているマニキュア組成物は、エステル溶媒の他に次から選択した1つまたは複数の溶媒を含むことができる。
- メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンまたはアセトン等の周囲温度で液体であるケトン類、
- エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2-ブトキシエタノールまたはシクロヘキサノール等の周囲温度で液体であるアルコール類、
- エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコールまたはグリセロール等の周囲温度で液体であるグリコール類、
- プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはジプロピレングリコールモノ(n-ブチル)エーテル等の周囲温度で液体であるプロピレングリコールエーテル類、
- 酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチルまたは酢酸イソペンチル等の短鎖エステル(合計3から8個の炭素原子を有する)、
- ジエチルエーテル、ジメチルエーテルまたはジクロロジエチルエーテル等の周囲温度で液体であるエーテル類、
- デカン、ヘプタン、ドデカンまたはシクロヘキサン等の周囲温度で液体であるアルカン類、
- トルエン、キシレンおよびその混合物類等の周囲温度で液体である環式芳香族化合物。
マニキュア組成物中の有機溶媒(類)(エステル溶媒および/または追加溶媒)の含有率は、組成物の総重量に対して、重量で20から90%の範囲であり得、好ましくは30から80%、さらに好ましくは40から70%である。
有機相を含む組成物はそのうえに、特に、この組成物の総重量に対して重量で0.1から10%の含有率で水を含むことができる。水の含有率は重量で2%未満であることが好ましい。
組成物は、被膜形成剤、可塑剤、顔料等の着色料、真珠光沢剤、グリッター、上記セルロース誘導体類以外の増粘剤、展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、保存料、紫外線遮蔽剤、有効成分、界面活性剤、ワックス、保湿剤、芳香剤、中和剤、安定剤または抗酸化剤から選択した1つまたは複数の添加物を含むことができる。
したがって、組成物はそのうえに、元来天然のニトロセルロース類、セルロースエステル類、基ポリマー類、重合縮合物類およびポリマー類ならびにそのブレンド類から選択可能な被膜形成ポリマー含むことができる。
追加の被膜形成ポリマーは、ビニルポリマー類、ポリウレタン類、ポリエステル類、アルキド樹脂類、エポキシエステル樹脂類、ニトロセルロース類、セルロースアセテート類等のセルロースエステル類、プロピオネート類、ブチレート類、イソブチレート類、アセテート/プロピオネート類またはアセテート/ブチレート類、ホルムアルデヒドとアリルスルホンアミドとの縮合に由来する樹脂およびこれらのブレンド類で形成される基から特に選択可能である。
追加の被膜形成ポリマーは、組成物の総重量に対して重量で0.1%から40%の含有率、好ましくは重量で1%から35%の含有率で存在し得る。
組成物はそのうえに少なくとも1種の可塑剤を含み得る。特に、単独または混合物としての次の従来の可塑剤を挙げることができる。
- グリコール類およびジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルもしくはジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルまたはエチレングリコールヘキシルエーテル等のその誘導体類、
- グリセロールエステル類、
- プロピレングリコール誘導体類および特にプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルおよびジエチレングリコールメチルエーテル、またはプロピレングリコールブチルエーテル、
- 酸類のエステル類、特に、クエン酸エステル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、炭酸エステル類、酒石酸エステル類、リン酸エステルまたはセバシン酸エステル等のカルボン酸類のエステル類、
- オキシエチレン化油類等のオキシエチレン化誘導体類、特にひまし油等の植物油、
- これらの混合物類。
可塑剤の量は、化粧用に受け入れられる特性を有する1つの組成物の入手等の当業者の一般的知識に基づき当業者が選択することができる。可塑剤の含有率は例えば、組成物の総重量に対して、重量で0.1%から15%の範囲であり、好ましくは重量で0.5%から10%である。
組成物は、組成物の溶剤に可溶性の粉末化合物および/または染料から選択可能な着色料を含むことができる。着色料は、組成物の総重量に対して重量で0.001%から10%の含有率で存在し得る。粉末化合物は、マニキュアに通常使用される顔料および/または真珠光沢剤および/またはグリッターから選択可能である。
顔料は白色または着色され、無機物および/または有機物であり得る。無機顔料のなかで二酸化チタン、任意に表面処理された酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、フェリックブルー(ferric blue)またはアルミニウムもしくは銅等の金属色素について言及する。有機顔料のなかでカーボンブラック、D & C型の顔料、バリウム、ストロンチウム、コチニール(カルミン酸)をベースとしたカルシウムおよびアルミニウムレーキ、またはグアニンについて言及する。
真珠光沢顔料は、酸化チタニウムまたはオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母等の白色真珠光沢剤、酸化鉄と組み合わせた酸化チタニウムコーティング雲母、特にフェリックブルーもしくは酸化クロムと組み合わせた酸化チタニウムコーティング雲母、または上記の型の有機顔料と組み合わせた酸化チタニウムコーティング雲母等の着色真珠光沢顔料、およびオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢顔料から選択し得る。
グリッターは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエステル樹脂もしくはアクリル樹脂製、またはアルミニウム製のものから選択し得る。
染料は例えば、スダンレッド、DC赤色17号、DC緑色6号、β-カロチン、大豆油、スダンブラウン、DC黄色11号、DC紫色2号、DC橙色5号またはキノリンイエローである。
本発明に記載の組成物は、このような組成物に組み入れが可能であるとして同業者に既知であるあらゆる添加物、すなわち増粘剤、展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、保存料、紫外線遮蔽剤、有効成分、界面活性剤、ワックス、保湿剤、芳香剤、中和剤、安定剤または抗酸化剤を含み得る。もちろん、同業者は、このもしくはこれらの任意の追加化合物および/またはその量を、本発明に記載の使用において組成物の有利な特性が想定した添加により影響を受けないか、実質的に不利益に影響を受けないように注意して選択することとなる。
本発明に従って増粘剤として使用されるセルロース誘導体類は、市販されている入手可能な誘導体類であるが、同業者の及ぶ範囲内での種々の工程および特に次の2つの合成経路に従って調製も可能である、
- 開始物質は、ニトロ基またはエステル基ですでに修飾済みのセルロース類であり、このように修飾されているこれらのセルロース類を、グラフトに適しており上記に定義した式-Y-Rの「増粘」基である遊離ヒドロキシル官能基に対する反応物と反応させる(本説明では以後A経路とする)、
- または、開始物質は、先に定義した-O-Y-R基ですでに修飾されたセルロース類であり、このように修飾されているこれらのセルロース類を、遊離ヒドロキシル官能基の少なくとも一部のニトロ化またはエステル化に適した反応物と反応させる(B経路と呼ぶ)。
本発明のセルロース誘導体類のより好ましい合成経路はA経路である。この経路のみが、本適用における詳細な説明の実体となる。
この合成経路に従うと、出発セルロース類は、特定の数の遊離OH官能基を含むニトロセルロース類またはセルロースエステル類であり得、適切な反応物がこの遊離OH官能基と反応して-O-Y-R基を与えることとなる。
先に定義したR基の導入に使用される出発セルロース誘導体類は通常、インク、塗料およびマニキュア製品に使用される被膜形成ニトロセルロース類であり得る。ニトロセルロース類は、硝酸および硫酸の混合物によるセルロースのエステル化により工業的に生産される。硫酸は脱水剤として作用し、エステル化平衡を変化させる。したがって、これらが硝酸セルロースを形成し、通常はニトロセルロースの名称で示される。
好ましいことには、開始ニトロセルロース類は、窒素の重量パーセンテージが10%から13.5%である(完全にニトロ化されたセルロースの窒素のパーセンテージは14.14%)。これは、当初ニトロ化に使用可能なアンヒドログルコース環の3個の遊離-OH基のうちアンヒドログルコース環当たり1.7から2.5個のエステル化ヒドロキシル基のニトロ化レベルに本質的に相当する。言い換えれば、ニトロセルロースのアンヒドログルコース環当たり0.75個から1個の遊離-OH基が、R基のグラフティング用に残存している。
開始ニトロセルロース類の分子量に関しては、分子量は一般的に、特定のポリマー%の溶媒混合物でのポリマー溶液の粘度の測定値(ボール落下による)で表される。ポリマーの前記パーセンテージは一般的に12から25%である。一般的に、特徴を明らかにするために使用される溶媒の混合物は、25%変性95%エタノール、20%酢酸エチルおよび55%トルエンで構成され、そのパーセンテージは溶媒混合物に関して重量で表される。
好ましくは、本発明に従って修飾されたニトロセルロース類の調製に使用する開始ニトロセルロース類のボール落下粘度は、上記の溶剤混合物でポリマー濃度12.2%では1/16から1000秒であり、1/4から200秒が好ましい。
包装の観点から、開始ニトロセルロース類は、その引火性および爆発力のために、一般的に次のいずれかの状態で提供される、
- 例えば、アルコール(エタノール、イソプロパノール)が35%存在することによる湿潤状態、
- または、不安定な水素を含まない溶媒中の溶液、
- または、薄片状態、すなわち、例えばポリマー80%およびフタル酸ジブチル等の可塑剤20%を含む混合物の状態。
出発物質ニトロセルロース類の取り扱い上の危険性を考慮し、本発明に従って修飾されたニトロセルロース類を調製するプロセスは、緩和な条件下で実施する。すなわち、
- 0から80℃、好ましくは20から60℃の反応温度で操作する、
- ニトロセルロースと酸化剤の接触による爆発のあらゆるリスクを避けるために、好ましくは酸素不在下で操作する、例えば、アルゴン等の不活性ガス下で操作する。
先に定義したR基のグラフトに使用した出発セルロースエステル類は、特に、マニキュアの有機相が1種類または複数のエステル溶媒を含む場合に、結果的に得られた誘導体類について、この有機相での溶解性を提供するのに十分なある程度のエステル化を示すセルロース誘導体類である。
先に定義したニトロセルロース類またはセルロースエステル類のどちらをベース反応物として使用しても、先に定義した-Y-R基をグラフトする反応は、Rがポリマー由来であるか否かにより異なる。
Rがポリマー由来ではない基である場合(すなわち、Rが先の定義a)、b)、d)およびe)に対応する場合)、グラフティング反応は、次の反応から選択した反応により、不活性な溶媒中で行うことができる。すなわち、エーテル化、カルボン酸またはその誘導体類によるエステル化、エステルまたは炭酸エステルによるエステル交換反応、スルホン酸またはその誘導体類によるエステル化、イソシアネートとの反応、またはアルコキシシランとの反応である。
以下の、本発明に従い修飾したセルロース誘導体類(ニトロセルロースまたはセルロースエステル)の調製方法の説明では、下記の略号を使用する。
- 未修飾の出発セルロース誘導体(ニトロセルロースまたはセルロースエステル)に対してCell-OHを使用し、明確な説明のために1個のOHを考慮に入れている。
- ニトロセルロースにグラフトされる基に対してRを使用し、Rは上記定義に対応している。
これ以降、ポリマー由来ではない(すなわち、定義a)、b)、d)およびe)に対応する)R基のグラフティングに使用され得る種々の反応について説明する。
1)エーテル化
エーテル化について次の反応を想定することができる。すなわち、これはR基とニトロセルロース間の連結を形成するY基が単結合である反応となる。
- 塩基性媒質中(例えば、水性水酸化ナトリウム溶液の存在下)のハロゲン化アルキルR-X(Xはハロゲンを表す)との反応、
Cell-OH+R-X→Cell-OR+HX
(Xは塩素、臭素またはヨウ素から選択したハロゲンである)、
- エポキシドとの反応
Figure 0004139362
(R4は先の定義のR基の構成に加わる基を表し、ここではR基は-CH2-(CHOH)-R4基で表されている。適切なエポキシド反応物は1,2-エポキシオクタン、1,3-エポキシノナン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシネオデカン、1,2-エポキシシクロデカン、1,2-エポキシ-シクロドデカン、1,2-エポキシシクロヘキサン、または1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパンであり得る);
- 還元媒質中(例えば、白金の存在下でのトリエチルシラン)のアルデヒドとの反応:
Figure 0004139362
(R5はR基の構成に加わる基を表し、ここではR基は-CH2-R5基で表されている)。
代替形態によると、この反応は2段階で起こり得る。第1段階では、環式アセタールを形成する、アルデヒドとグリコール等のジオールの予備反応が起こる。
Figure 0004139362
続いて環式アセタールとニトロセルロースの反応が起こる
Figure 0004139362
(R6はR基の構成に加わっている基を表し、ここではR基は-CH-(CH2-CH2-OH)-R6基で表される)、
- 酸性媒質中でのエーテルR-O-R'混合物との反応(R'はC1からC4アルキル基を示す)、
Cell-OH+R'-O-R→Cell-O-R+R'-OH
- PdCl2およびHgCl2の存在下で、グラフトされる基が有する二重結合、例えば末端二重結合へのニトロセルロースまたはセルロースエステルの遊離-OH基の付加反応、
Cell-OH+CH2=CH-R7→Cell-O-CH2-CH2-R7
または、
Cell-OH+Ra-CH=CH-Rb→Cell-O-CHRa-CH2-Rb
(R7はR基の構成に加わる基を表し、ここでは-CH2-CH2-R7基で表す。RaおよびRbはR基の構成に加わる基を表し、ここでは-CHRa-CH2-Rb基で表す)。
他のエーテル化反応が想定できる。特に研究論文「Advanced Organic Chemistry」、J.March、John Wiley & Son、1992 Editionに記載の反応がそうである。
2)エステル化
エスエル化反応の例として、Yが2価結合基-CO-を表す次の反応について言及する。
- カルボン酸R-CO2Hとの反応、
Cell-OH+R-CO2H→Cell-O-CO-R+H2O
- 下記の反応などの、酸塩化物R-COClとの反応またはエステルR-COOR'によるエステル交換反応、
Cell-OH+R-COCl→Cell-O-CO-R+HCl
Cell-OH+R-COO-R'→Cell-O-CO-R+R'-OH
- 酸無水物による反応、例えば、
Figure 0004139362
(R8、R9およびR10は-(CHR8)-CR9R10-CO2HがRを表す通りのものである)。
適切なエステル化反応物は、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、イソノナン酸、パルミチン酸、オクタデカン酸、ベヘン酸、およびこれらの酸塩化物または酸無水物誘導体類であり得る。
3)炭酸エステルによるエステル交換反応
炭酸塩R'-O-CO-O-Rによる次の反応(Yが-CO-O-連結基を表す反応)が想定できる。
Cell-OH+R'-O-CO-O-R→Cell-O-CO-O-R+R'-OH
4)塩化スルホニルとのエステル化
スルホン酸または塩化スルホニルによるエステル化反応を例とする、次の反応(Yが2価結合基-SO2-を表す反応である)が想定できる。
Cell-OH+Cl-SO2-R→Cell-O-SO2-R+HCl
5)イソシアネートとの反応
カルバメート結合を形成する反応の例として、イソシアネートOCN-Rによる次の反応(Yが2価結合基-CO-NH-を表す反応である)が想定できる。
Cell-OH+OCN-R→Cell-O-CO-NHR
適切なイソシアネート反応物は、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、またはフェニルイソシアネートであり得る。
6)アルコキシシランとの反応
アルコキシシランとの反応例として次の反応(Yが2価結合基-Si(R12)2-を表す反応である)が想定される。
Figure 0004139362
(同一または異なるR12基が、1から500個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状炭化水素基、または3から500個の炭素原子を含む環式炭化水素基であり得る。基は飽和または不飽和であり、O、N、S、Siおよび/またはPから選択した1つまたは複数のヘテロ原子を含み得る。したがって、R12は先に定義したR3と同じ定義を有する)。
Rがポリマー由来の基である場合、グラフティング反応は次のスキームに従って行われ得る。
Cell-OH+X1-POL→Cell-O-Y-POL
(POLはポリマーを表し、その配列は上記(定義c)のR基の定義に対応しており、X1はポリマーが有する官能基を表す。官能基は出発セルロース誘導体(ニトロセルロースまたはセルロースエステル)のヒドロキシル基に関して反応性であり、Yは上記の定義と同じ定義に対応し、-OHとX1の反応に由来している)。
非重合性のR基のグラフティングについても同様に、出発セルロース誘導体の遊離ヒドロキシル官能基に関して反応性である官能基X1が、エポキシド、アルデヒド、アセタール、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素)、エチレン、カルボン酸または誘導体(塩化物、無水物、C1からC4アルキルエステル)、炭酸塩、スルホン酸もしくは塩化スルホニル、イソシアネートまたはモノアルコキシシラン官能基から選択可能である。
しかしながら、先に述べたように、ニトロセルロースの取り扱い上の危険性の観点で、グラフティング反応に使用されるポリマー類の反応性官能基X1は、塩化カルボン酸、無水カルボン酸、カルボン酸(DCCI型のカップリング試薬の存在下で)、モノイソシアネート、モノアルコキシシラン、モノエポキシド、ハロゲン(Cl、Br、I)、C1からC4アルキルモノエーテルまたはビニル二重結合官能基から適切に選択されることが好ましい。
開始POL-X1ポリマー類は、X1がビニル型反応性二重結合であるポリマー類は別にして、合成されなければならないが、その多くは市販されている。POL-X1ポリマー類は、例えばX1とは異なる反応性官能基を1つ含んでいるポリマーから合成できる。この反応性官能基は適切で通常の反応によりX1に変換される。
例として次の反応について言及する。
Figure 0004139362
もう1つの方法によると、グラフィティング反応には、出発セルロース誘導体(ニトロセルロースまたはセルロースエステル)のヒドロキシル官能基の全部または一部を反応性官能基に変換させる第1段階と、この反応性官能基とR基を含むポリマーの適切な反応性末端とを反応させる第2段階がある。
例として次の反応について言及する。
Figure 0004139362
Cell-OCOCH2CH2-CO2HとCell-OHとの反応は起こり得るが、本反応が最小となるように条件を選択する(架橋を予防する)。
本発明によれば、ポリマーグラフト類は次のものであり得る。
- ポリオレフィン類(ホモポリマー類またはコポリマー類)、好ましくは半結晶ポリオレフィン類、
- ポリジエン類、好ましくは水素添加ポリジエン類、
- 重縮合物
- ポリカプロラクトン等の半結晶脂肪族ポリマー類、またはポリ(エチレングリコールテレフタレート)もしくはポリ(ブチレングリコールテレフタレート)等の半結晶芳香族ポリエステル類、
- ポリアミド類、
- ポリウレタン類、ポリウレア類または(尿素/ウレタン)コポリマー類、
- ポリオルガノシロキサン類。
ポリオレフィン類の例として、次から選択したモノマー類の単独重合か共重合により得られるポリマー類について言及する。
- α-オレフィン類、例えばC2からC20のα-オレフィン類、特にそのモノマー類は結晶状ホモポリマーを提供するα-オレフィンコポリマー類、および分枝状α-オレフィン類のホモポリマー類またはコポリマー類。特にイソブチレンホモポリマーならびにエチレン(またはプロピレン)およびブテン、ヘキセン、オクテン、デセンまたはドデセン等のさらに長鎖のα-オレフィン類のコポリマーにつき言及する。これらのα-オレフィン類について、シクロオレフィン類とのその非結晶状コポリマー類、特にエチレン(またはプロピレン)とノルボルネンもしくはノルボルネン誘導体類の間のコポリマー類についても言及する。
- ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン等のC4からC20のジエン類を例とするジエン類。これらはおよび上記のα-オレフィン類等の他のビニルモノマー類およびさらにスチレンまたは置換されたスチレン類とコポリマー類を形成する。
上に示したように、ポリオレフィンまたはポリジエン鎖は、特にポリオレフィングラフトが結晶性でない場合、水素相互作用を確立可能な基を有する。水素結合を確立可能な基が適切なモノマー類、特に(メタ)アクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸もしくはマレイン酸、イタコン酸または無水イタコン酸等の-CO2H基を有するモノマー類と共重合することによりグラフトに導入される。
半結晶ポリエステル類の例として、ジオール類と2価酸類との間のポリエステル化に由来するもの等の半結晶状ポリエステル類につき言及する。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、フランジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびこれらとポリカルボン酸類、特にジカルボン酸との混合物、およびこれらのC1からC4エステル誘導体類、例えばコハク酸、グルタル酸およびアジピン酸またはこれらのジメチルエステル、無水フタル酸またはジメチルテレフタレート、またはラクトン類を伴い例えばカプロラクトン、またはポリラクチド類もしくはポリグリコリド類等の環式ダイマー類を伴う、
- アミノアルコールの混在物から得られるポリエステルアミド類、例えばポリエステル化混合物におけるエタノールアミン等。
ポリアミド類の実施例として、脂肪族、環式脂肪族もしくは芳香族C3からC50ジカルボン酸(またはC1からC4エステル誘導体)と直鎖状もしくは分枝状脂肪族、環式または芳香族C2からC50ジアミン間の縮合により得られたポリアミド類について言及する。2価酸は、上記2価酸、さらに2量体脂肪酸類(2分子の不飽和脂肪1酸の縮合に由来)から選択し得る。ジアミン類は、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、1,6-ジアミノヘキサン、1,10-ジアミノデカン、イソホロンジアミン、アダマンタンジアミンまたは2,6-ジアミノピリジンから選択し得る。
ポリウレタン類およびポリウレア類の例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族C4からC100、好ましくはC4からC30のジイソシアネート類と、上記に定義したもの等のジオール類または上記に定義したもの等のジアミン類またはジオール類/ジアミン類混合物との重付加により得たポリウレタン類、ポリウレア類およびポリウレア類-ウレタン類について言及する。
X1反応性末端を含む重縮合物に関して、特にポリエステル類およびポリアミド類に関して、その調製は、反応基の導入のための特定の調整を必要としない。後者がすでに鎖末端に存在する場合に限ってこれは言える。
例えば、一般的にポリエステルは、調製終了までに反応性-CO2H末端および-OH末端を含んでいる。不安定水素を持たない不活性基が、出発セルロース誘導体(ニトロセルロースまたはセルロースエステル)とのグラフティング反応を妨害しないために、このOH末端を好ましくブロックすることになることは特筆するべきことである。
同様の説明がポリアミドに関してもあてはまる。ポリアミドは反応性-CO2H末端およびNH2末端を呈示し、これらは出発セルロース誘導体とのグラフティング反応に関して不活性な基により保護されることになる。
反応基X1の重縮合物への導入は、X1基を有する反応物を重縮合中の反応溶剤へ導入することにより可能である。この反応物は、選択した重縮合の型および重縮合に加わることのできる1個の基について不活性であるか、重縮合の実験条件下で不活性でなければならない。したがって、この反応物は重縮合に関して単官能基であり、したがって鎖に限定した作用物質として作用する。
重縮合に関して単官能基であり、かつ出発セルロース誘導体のヒドロキシル官能基に関して反応を示す基を有するこの反応物が、ポリマーの鎖が1個の反応基X1により終結されるように重縮合中に導入されることは好ましい。
ポリオルガノシロキサン鎖のグラフティングに関して、その主鎖がポリオルガノシロキサンである反応末端を含むポリマーを使用することは可能である。このようなポリマーは、Shin-Etu社製ポリジメチルシロキサン類などの市販ポリマー類でもあり得る。ポリマー類は次のユニットの配列、
Figure 0004139362
および-OH、エポキシドまたはエチレン型の1個の反応末端を含む。
次の実施例に関して、実例を用いて黙示制限なく本発明を説明することにする。
次の実施例は、本発明に記載のセルロース誘導体類の調製およびこのようなセルロース誘導体類を含む製品例につき説明する。
この実施例は、オクタデシルカルバメート側鎖基を含むセルロースアセタトブチレートの調製につき説明する。
次の反応物を使用する
- 遊離ヒドロキシ基を4.8重量%含むEastmanのセルロースアセタトブチレートCAB 553-0.4 100g
- オクタデシルモノイソシアネート 10.4g
- 酢酸エチル 1000g
- 2-エチルヘキサノエート錫 1g。
手順は次の通りである。
酢酸エチル900gと次いで100gのEastmanのセルロースアセタトブチレートCAB 553-0.4を少しずつ、中央スターラー、温度計、還流冷却器、窒素スパージ用システムおよび滴下漏斗を装備した反応器に注ぎ込む。その後、攪拌と還流を行いながら酢酸エチルの添加を行い、次にすべてのセルロースアセテート/ブチレートが溶解したら、反応溶剤の温度を25℃に戻す。前もって酢酸エチル100g中に溶解させたオクタデシルイソシアネートを漏斗に加え、触媒2-エチルヘキサノエート錫をポリマー溶液に添加する。次に、攪拌と窒素スパージを続けながら周囲温度で、イソシアネート溶液を反応器に滴下添加する。その後、攪拌と窒素スパージ下で、この混合物を55℃で加熱する。この条件を8時間維持する。
次に、得られた溶液の温度を周囲温度に戻す。ヘプタン10mlからの溶液の沈殿により精製を行う。形成された沈殿を真空下で乾燥する。このようにオクタデシルカルバメート側鎖基を含むセルロースアセテート/ブチレート105gを得る。
次の組成の着色マニキュアを調製する。
- 実施例1のセルロース誘導体 3g
- 可塑剤 7g
- イソプロピルアルコール 5g
- 被膜形成ポリマー類 28g
- 顔料 1g
- 酢酸エチル/酢酸ブチル 全量を100gにするための十分量
被膜形成ポリマー類はニトロセルロースとコレジン(coresins)のブレンドからなる。
マニキュア組成物を塗布して乾燥した後に、滑らかで均質で光沢のある被膜が得られる。

Claims (2)

  1. 式-OYR
    [式中、Rは、8から50の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し、
    Yは2価結合基を表し、
    2価結合基Yが-(C=O)-、-(C=O)O-、-SO2-、-CO-NH-、または-CO-NR'-基から選択され、R’は1から4個の炭素原子を含むアルキル基を示す]
    の基により全部または一部が置換された遊離ヒドロキシル官能基を含むセルロースエステル類を含む、マニキュア組成物の有機相用の増粘剤。
  2. 前記マニキュア組成物の有機相が少なくとも1種のエステル溶媒を含む、請求項1に記載の増粘剤。
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