JP4139096B2 - トランジスタ及びそれを用いた表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタに関し、特に半導体層が有機高分子を含むトランジスタおよびそれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜トランジスタ(TFT)に代表されるアクティブ素子を用いたアクティブマトリクス液晶表示装置は、CRTと同等以上の高画質を有し、且つ、CRTよりも低消費電力で省スペースといった利点を有することから、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、ワークステーション等のモニターや液晶テレビ等としても使用されている。しかし、アクティブマトリクス液晶表示装置は、CRTと比較して、価格が高く、更に普及していく為には、一層の低価格化が求められている。
【0003】
また、最近では有機エレクトロルミネッセンス(有機EL、OLED)の発光素子についてもアクティブ素子を用いて駆動させるアクティブマトリクス有機ELの開発も盛んであり、有機ELのアクティブ素子についても低価格化が求められている。
【0004】
低価格化の手法の一つとして、比較的簡便な方法で作製できるという利点を有する有機薄膜半導体を用いた電界効果型トランジスタ(有機FET、有機TFT)をアクティブ素子に適用することが考えられている。
【0005】
現行のアモルファスシリコンやポリシリコンTFTの絶縁層や半導体層を作製するプラズマ化学気相成長(CVD)装置や、電極形成に使用するスパッタ装置は高額である。また、CVD法は230〜350度と高く、また、クリーニング等の保守を頻繁に行なう必要があり、スルートップが低い。一方、有機FET等を作製する塗布装置、インクジェット装置等はCVD装置やスパッタ装置と比較して安価であり、成膜温度が低く、メンテナンスが簡単である。従って、液晶表示装置や有機EL等の表示装置に有機FETを適用した場合は、大幅な低コスト化が期待できる。
【0006】
一般的な有機TFTは、ガラス等の透明基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、ドレイン電極、ソース電極、および有機半導体膜の構成からなる。ゲート電圧を変化させることで、ゲート絶縁層と有機半導体膜の界面の電荷量を過剰、或いは不足にし、ドレイン電極とソース電極との間を流れるドレイン電流の大きさを変化させ、スイッチングを行なう。
【0007】
特開昭63−076378号公報は、有機半導体膜としてポリチオフェンやポリチオフェン誘導体の膜を用いて有機TFTを作製することを開示している。また、Yen−Yi Lin,David J.Gundlach,ShelbyF.Nelson,and Thomas N.Jackson,IEEE Transaction on Electron Device,Vol.44,No.8 p.1325(1997)には、ペンタセンを用いて有機TFTを作製することが開示されている。
【0008】
上記ペンタセンを用いた場合、蒸着法を用いなければならず、特性を向上するのに高結晶化等の課題がある。また、加工性を向上する為にペンタセン誘導体を用いて、可溶性にしたものも検討させているが、充分な特性は得られていない。
【0009】
また、ポリチオフェンやポリチオフェン誘導体、チオフェンオリゴマーを用いた有機半導体は、電解重合法や溶液塗布法等で、容易に薄膜を形成できるなど成形性に優れることから、応用開発が進められているが、未だ充分な特性は得られていない。
【0010】
近年、デンドリマーやハイパーブランチポリマーといった超分岐高分子が注目されている。デンドリマーやハイパーブランチポリマーは非晶質であり、有機溶媒に可溶であり、機能性基を導入可能な末端が多く存在する等の特徴がある。そこで、L.L.Millerら;J.Am.Chem.Soc.,1997,119,1005には、4級ピリジニウム塩を結合した1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド残基を分岐末端に有するポリアミドアミンデンドリマーが、等方的な電子伝導性を有し、この導電性は分岐末端構造の空間的な重なり合いによるπ電子相互作用によることが示されている。また、特開2000−336171号公報には、分岐末端にホール(正孔)伝導性構造を有し、カルボニル基とベンゼン環を含むπ電子共役系を含まないデンドロンを用いたデンドリマーとそれを用いた光電変換デバイスについて開示されている。
【0011】
以下、共役系高分子に代表され、超分岐高分子を含まない導電性高分子を「従来の導電性高分子」と呼ぶことにする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の導電性高分子を用いた機能素子については、高い電荷伝導性は分子鎖の配向方向にあり、高分子の構造の影響を受ける。
【0013】
さらに、従来の導電性高分子は、一般に、剛直で、不溶不融性のものが多い。そこで、溶融性や溶解性の付与または向上のために側鎖を導入したポリマー誘導体やオリゴマーが用いられている(例えば、特開平4−133351号公報、特開昭63−76378号公報および特開平5−110069号公報参照)。しかしながら、側鎖を導入すると高分子鎖の柔軟性が高くなり、使用温度範囲にガラス転移点が発現し、その結果、ミクロブラウン運動によるサーモクロミズムが生じ、π電子の共役長が短くなり、温度に対する特性の安定性が低下するという問題が発生する。
【0014】
また、オリゴマーを用いると、信頼性が低下するなど問題が生じる。また、オリゴマ−を利用した系では充分な移動度が得られておらず、重合度を上げるか、あるいは、特開平7−206599号報等に記載されている様に配向膜を用いて導電性有機化合物の配向性を高める等の対策が必要である。さらに、共役系高分子は、酸素や水分の影響を受け易く、劣化し易いという問題がある。
【0015】
上述したように、従来の有機FET素子は、十分な電気特性が得られておらず、安定性に乏しく、且つ、寿命が短いという課題がある。
【0016】
本発明は、上記の諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電性高分子を用いたトランジスタの特性および/または信頼性を改善すること、およびそのようなトランジスタを用いた表示装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトランジスタは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層に電界を印加するための第3電極とを備え、前記半導体層は、超分岐高分子を含み、且つ、前記超分岐高分子を介した非共有結合的相互作用による自己組織化構造を有し、そのことによって上記目的が達成される。
【0018】
前記半導体層は等方的な導電性を有することが好ましい。
【0019】
前記超分岐高分子は、球状または円盤状の立体構造を有することが好ましい。
【0020】
前記超分岐高分子は、デンドリマーであることが好ましい。
【0021】
好ましい実施形態において、本発明によるトランジスタは、前記第3電極によって印加された電界に対する前記半導体層の電界効果を利用する電界効果型トランジスタである。
【0022】
本発明による表示装置は、複数の画素と、それぞれが前記複数の画素に対応して設けられた複数のアクティブ素子とを有し、前記複数のアクティブ素子のそれぞれが前記トランジスタであることを特徴とし、そのことのよって上記目的が達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
本明細書における超分岐高分子とは、任意の形状の分岐構造を持つ超分岐構造単位を少なくとも一つ有する高分子である。ここで言う「超分岐構造単位」は、図1に模式的に示すように、デンドリマー構造単位やハイパーブランチポリマー構造単位を含む。デンドリマーやハイパーブランチポリマーについては、例えば、柿本雅明,化学,50巻,608頁(1995)、高分子,Vol.47,p.804(1998)に記載されている。
【0025】
超分岐構造単位12は、1つの樹木状分岐の開始点13aを有する。超分岐構造単位12が有する分岐点13の数に制限は無く、樹木状分岐の開始点13aのみを分岐点13とした構造であってもよい。超分岐構造単位12は、デンドリマー構造単位のように、規則的な繰り返し分岐構造を有してもよいし、ハイパーブランチポリマー構造単位のように、不規則な繰り返し分岐構造を有していも良い。
【0026】
本明細書における超分岐高分子は、図1に示した超分岐構造単位12を少なくとも1つ有せば良いが、図2に示す超分岐高分子10のように、中心構造(コア)14に結合した複数の超分岐構造単位12(12a〜12c)を有することが好ましい。特に、超分岐高分子10および超分岐高分子10の自己組織化構造が等方的な特性を示すように、超分岐高分子10の分子構造の対称性が高いことが好ましく、超分岐構造単位12の数は、3個または4個が好ましい。複数の超分岐構造単位12は互いに異なるものであっても良いが、構造の対称性の観点から、同じものであることが好ましい。
【0027】
図2に示した超分岐高分子10は、3つの超分岐構造単位12a、12bおよび12cの樹木状分岐開始点13aが、中心構造14としての3官能性原子団に結合した構造を有している。中心構造14と超分岐構造単位12との結合は、典型的には共有結合であるが、水素結合や配位結合などの非共有結合であってもよい。
【0028】
超分岐構造単位12a、12bおよび12cは、互いに異なってもよいし、同じであっても良い。超分子高分子10が等方的な特性を有するように、3つの超分岐構造単位12a、12bおよび12cは同じものであることが好ましい。以下、中心構造14としての多官能原子団も参照符号14で示すことにする。
【0029】
なお、本発明で用いられる超分岐高分子10は、その分子表面にホール伝導性や電子伝導性、またはイオン伝導性を有するものであってよく、分子表面と内部との間にエネルギー相互作用を有するものや、デンドロン(超分岐構造単位中の繰り返し単位)にキャリアー伝導性を有するものでもよい。分子の表面にキャリア伝導性を有する超分岐高分子10は、キャリア伝導性を有する末端基間のホッピングによってキャリアが移動する。デンドロンがπ共役鎖などπ電子を有する構造を備える場合など、デンドロンがキャリア伝導性を有する場合には、キャリアは中心構造14と超分岐構造単位12との間をも移動することができるので、中心構造14が有する機能を引き出すことができる。
【0030】
超分岐高分子10の中心構造14とは、任意の数の樹木状分岐開始点13aと結合し、樹木状分岐開始点13a以降の超分岐構造単位12を除いた部分の構造を指す。本発明に好適に用いられる超分岐高分子10は、典型的には、中心構造14の回りに複数の超分岐構造単位12を有し、対称性の高い立体構造を有するので、中心構造14は超分岐高分子10の立体構造の中心に位置する。
【0031】
中心構造14を構成する多官能原子団14として、(1)炭素数が1〜20であって、O、NH、N(CH3)、S、SO2等のヘテロ原子が介在しても良い非置換または水酸基、カルボキシル基、アシル基またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン置換のアルキレン基、(2)炭素数が6〜20のアリーレン基、(3)これらのアルキレン基とアリーレン基が結合した基、(4)上記(1)〜(3)の各基の炭素原子に結合した水素原子が脱離した多価の基、(5)多価のヘテロ環基、(6)多価のヘテロ環基と上記(1)〜(4)の炭化水素基とが結合した基、(7)ポルフィリンやポルフィリン錯体が挙げられる。
【0032】
本発明に用いられる超分岐高分子10のデンドロンは、芳香族であっても、脂肪族であってもよい。具体的には、芳香族または脂肪族ポリエーテル構造、芳香族ポリエステル構造、ポリシロキサン構造、ポリカルボシラン構造、ポリエーテルアミド構造、ポリアミドアミン構造、ポリプロピレンイミン構造等の高分子構造や、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンエチニレン等の共役系高分子構造が挙げられ、ポリチオフェンやポリチエニレンビニレンやポリピロールやポリシロール等のヘテロ環基等を含んでもよい。
【0033】
デンドロンにキャリヤ伝導性を付与するために、デンドロンにπ共役系構造に持たせてもよいし、ホール伝導構造として、ジアルキルフェニルアミン残基を有する構造、トリフェニルアミン残基を有する構造、フェナントロリン残基、イミダゾール残基等を持たせてもよい。また、電子伝導構造として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド残基等を持たせてもよい。また、イオン伝導構造として、カルボキシレートやスルホネート官能基等のアニオンとアルカリ金属やアルカリ土類金属等のカチオンとで構成された塩をを持たせてもよい。
【0034】
本発明で用いる超分岐高分子10は、上述したように、超分岐構造単位12を有する限り、その分岐構造に制限は無いが、分子構造の対称性の観点からデンドリマーであることが好ましい。超分岐高分子10がデンドリマーの場合、その世代数に特に制限はないが、中心構造14が大きいものや長いものを含めると、典型的な世代数は1〜10であり、末端基(超分岐構造単位12の末端部、超分岐高分子10の表面を構成する末端部)の密集性と合成の容易性から、世代数は2〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜7であり、最も好ましいのは、3〜5である。なお、デンドリマーの世代とは、図3に示すように、規則的な分岐の次数を示すものである。
【0035】
本発明によるトランジスタが有する半導体層は、超分岐高分子を含み、且つ、超分岐高分子を介した非共有結合的相互作用による自己組織化構造を有する。自己組織化構造は、同種の超分岐高分子間に形成されたものでもよいし、異種の超分岐高分子間に形成されたものでもよい。また、半導体層が従来の鎖状高分子を含む場合には、超分岐高分子と従来の鎖状高分子との間に形成された自己組織化構造であってもよい。超分岐高分子を用いる場合、最小の自己組織化構造は、2つの超分岐高分子(2分子)によって形成され得る。
【0036】
なお、非共有結合的相互作用には、ファンデアワールス力、水素結合、静電相互作用、π電子相互作用、電荷移動相互作用等が含まれる。
【0037】
ここで、図4(a)および(b)を参照しながら、本発明の高分子構造体が有する自己組織化構造について説明する。
【0038】
本発明に用いられる超分岐高分子の立体構造は、等方的な導電性を発現させるために、図4(a)に示したような円盤状(ディスク状)および図4(b)に示したような球状であることが好ましい。なお、このような立体構造を有する超分岐高分子は、上述したように、中心構造およびデンドロンの構造ならびに世代数を適宜調整することによって得られる。
【0039】
円盤状の超分岐高分子10aは、図4(a)に示したように、その分子間に働く非共有結合的相互作用によって、自己組織化構造20aを形成する。また、球状の超分岐高分子10bは、図4(b)に示したように、その分子間に働く非共有結合的相互作用によって、自己組織化構造20bを形成する。図4(b)には、1層目の4つの超分岐高分子10bの中央に2層目の超分岐高分子10bが位置するような自己組織化構造20bを例示しているが、これに限られず、1層目と2層目の超分岐高分子10bが互いに重なるような自己組織化構造が形成されてもよい。
【0040】
図4(a)および(b)において、互いに積層されている超分岐高分子10aおよび10bは、それぞれ同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。すなわち、同種の超分岐高分子からなる複数の層で半導体層を構成してもよいし、超分岐高分子の単分子層で1つの半導体層を構成してもよい。
【0041】
このように、非共有結合的相互作用による自己組織化構造を形成させることにより、半導体層内におけるエネルギーの移動やキャリアの移動が、非共有結合的相互作用の強い部分を介してスムーズに起こり、移動速度を速くすることが可能となる。
【0042】
また、3次元的な広がりをもつ超分岐高分子および/またはその自己組織化構造が導電性を担っているので、1次元の共役鎖が機能を担う従来の導電性高分子のように特性が温度に依存しやすいという問題の発生が抑制される。
【0043】
超分岐高分子を用いて半導体層を形成する方法には、公知の成膜方法を広く適用することができる。超分岐高分子は、従来の共役系の導電性高分子などに比べて溶媒に対する溶解性に優れるので、種々の溶媒を用いて溶液を調製することができる。この溶液をスピンコーティング法、ディップコーティング法、キャスティング法、印刷法およびインクジェット法等の方法により基板(支持体)21上に塗布または印刷し、乾燥後、必要に応じて加熱処理することにより、超分岐高分子の膜を形成することができる。
【0044】
例えば、超分岐高分子の単分子膜は、所定の濃度の溶液に、基板21を所定の時間だけ浸漬することによって形成できる。基板表面に超分岐高分子と非共有結合的相互作用を示す層を予め形成しておけば、自己組織化構造を形成しながら単分子層が形成される。
【0045】
このように、基板21上に、超分岐高分子の膜を形成することによって、本発明のトランジスタに用いられる半導体層を形成することができる。
【0046】
次に、超分岐高分子の自己組織化構造を有する半導体層を備えるトランジスタの構成を説明する。以下では、アクティブ駆動型の表示装置のアクティブ素子として好適に用いられる電界効果型トランジスタ(以下、FETという。)を例示するが、本発明はFETに限られず、他のトランジスタにも適用される。
【0047】
本発明によるFET10の模式な断面図を図5に示す。FET10は、ボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁性基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2を覆うように形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上に形成されたソース電極4およびドレイン電極5と、ソース電極4とドレイン電極5との間に設けられた半導体層6をと有している。また、半導体層6は、ソース電極4およびドレイン電極5のそれぞれの一部を覆うように形成されている。
【0048】
トランジスタ10は、例えば、以下のようにして製造される。
【0049】
まず、絶縁性基板1上にゲート電極2を形成する。ゲート電極2の材料としては、Cr、Al、Ta、Mo、Nb、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、In、Ni、Ndやこれらの合金、ポリシリコン、非晶質シリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO;Indiumu Tin Oxide)等の無機材料や、ドープされた導電性高分子(例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸ナトリウムとの混合物等)等の有機材料が挙げられる。また、2層以上の膜を積層しても良い。蒸着法やスパッタリング法、塗布法または印刷法など材料に応じた公知の成膜方法を用いて導電性の膜を堆積した後、フォトリソグラフィー工程およびエッチング工程によって、この導電性膜をゲート電極2の所定の形状に加工する。
【0050】
次に、ゲート電極2を覆うように、ゲート絶縁層3を形成する。ゲート絶縁層3の材料としては、SiO2、SiN、Al23、等の無機材料や、ポリクロロピレンポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリオルガノシロキサンなどの高分子材料が挙げられる。また、2層以上の膜を積層しても良い。ゲート絶縁層3も公知の成膜方法で堆積され、必要に応じてパターニングされる。
【0051】
ゲート絶縁層3上にソース電極4およびドレイン電極5を形成する。ソース電極4およびドレイン電極5の材料としては、ゲート電極2と同様の材料を用いて、同様の方法で形成され得る。もちろん、ゲート電極2の材料とソース電極4およびドレイン電極5の材料とは異なっても良いし、同じでも良い。2層以上の膜を積層しても良い。
【0052】
次いで、超分岐高分子を含む有機半導体層を形成する。例えば、超分岐高分子からなる半導体層は、上述したように、超分岐高分子の溶液を調製し、この溶液を種々の塗布方法および印刷法を用いて形成することができる。乾燥後、必要に応じて加熱処理することにより、超分岐高分子の膜を形成することができる。
【0053】
以上の工程により、本発明によるFET10を製造することができる。本発明によるFETの構造は、上記の例に限られず、トップゲート型であってもよく、さらに、ドレイン電極/ゲート電極/ソース電極が同じ層に並んで配置された、積層型以外の構造でも構わない。
【0054】
本発明による有機FETが有する半導体層は、上述したように、超分岐高分子を有し、且つ、超分岐高分子を介した非共有結合的相互作用による自己組織化構造を有するので、高いキャリヤー移動度を有する。さらに、空気中の酸素や水分の影響を受け難いので安定性が高く、高信頼性、高耐久性を有する。また、円盤状や球状(楕円球状も含む)の立体構造を有する超分岐高分子を用いると、導電性が等方的で且つさらに導電性が高い半導体層を得ることができる。
【0055】
また、この半導体層は、単に超分岐高分子を含む溶液を塗布または印刷するだけで形成することができるとともに、膜厚、分子配向まで、ナノスケールの分子レベルの制御が可能である。半導体膜の形成に高い温度を必要としないので、プラスチック基板上にも容易に形成できる。
【0056】
また、例えば不純物のドープ量を多くすることによって、電極として利用可能なレベルの導電性を有する膜を形成することもできるので、ゲート電極2、ソース電極4およびドレイン電極5を全て、超分岐高分子を含む膜で形成することもできる。このとき、例えば、ソース電極4およびドレイン電極5を構成する超分岐高分子と半導体層6を構成する超分岐高分子との間の非共有結合的相互作用によって自己組織化構造が形成されるように材料を選択すると、更に、FETの特性を向上することができる。ソース電極4およびドレイン電極5に従来の導電性高分子を用いる場合にも、これらの電極を構成する導電性高分子と、半導体層6を構成する超分岐高分子との間の非共有結合的相互作用によって自己組織化構造が形成させることによって、FETの特性を向上することもできる。
【0057】
電極材料として用いられる超分岐高分子以外の導電性高分子としては、例えば、ポリスチレン鎖、ポリシロキサン鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリアミド鎖やポリイミド鎖等の主鎖に、フタロシアニン系誘導体、アゾ化合物系誘導体、ペリレン系誘導体、キナクリドン系誘導体、多環キノン系誘導体、シアニン系誘導体、フラーレン誘導体、インドール、カルバゾール等の含窒素環式化合物誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、多環芳香族化合物誘導体等の側鎖が導入されたものが挙げられる。さらに、共役系高分子鎖である、ポリパラフェニレン等の芳香族系共役系高分子、ポリアセチレン等の脂肪族系共役系高分子、ポリピロールやポリチオフェン等の複素環式共役系高分子、ポリアニリン類やポリフェニレンサルファイド等の含ヘテロ原子共役系高分子、ポリ(フェニレンビニレン)やポリ(アリーレンビニレン)や、ポリ(チエニレンビニレン)等の上記共役系高分子の構成単位が交互に結合した構造を有する複合型共役系高分子等の炭素型共役系高分子や、ポリシラン類や、ジシラニレンポリマー類、ジシラニレンー炭素系共役性ポリマー構造などが挙げられる。
【0058】
さらに、超分岐高分子中に様々な機能基を導入による機能の複合化や、非共有結合的相互作用による自己組織化構造による機能の複合化および新規機能の発現を持った従来に無い機能を有する有機FETおよび素子構造を提供することができる。これは従来のポリマー材料やポリマーアロイ系等では形成することが不可能な構造である。
【0059】
本発明によるFETは、液晶表示装置や有機EL表示装置に好適に用いられる。例えば、表示装置を作製する際には、FET10のドレイン電極5に接続された画素電極を形成する必要がある。画素電極は、透過型液晶表示装置の場合、錫酸化物、酸化インジウム、ITO等の透明導電膜を用いて形成される。反射型液晶表示装置の場合、AlやAg等の金属膜を用いて形成される。また、有機EL表示装置を作製する際には、Mg、Ca、Al、Au等の金属膜を用いる。画素電極にドレイン電極やソース電極と同じ材料を用いると、画素電極をドレイン電極やソース電極と同じ工程で形成することができる。また、異なる材料を用いる場合は、ドレイン電極やソース電極を形成する前あるいは後に画素電極を形成する。
【0060】
本発明によるFETを用いることによって、液晶表示装置や有機EL表示装置などのアクティブ駆動型の表示装置を安価に製造することができる。勿論、本発明によるトランジスタは、他の種々の電子機器に用いることができる。
【0061】
以下、本発明によるトランジスタの半導体層に好適に用いられる超分岐高分子の合成例を示す。
【0062】
ポリプロピレンイミン系のものとして、まず化学式1の第1アミン化合物を水−トルエン中で酢酸触媒によりアクリロニトリルとシアノエチル化反応させることで、化学式2の化合物を生成する。
【0063】
【化1】
Figure 0004139096
【0064】
【化2】
Figure 0004139096
【0065】
次いで、上記化学式2の化合物に対してコバルト触媒(ラネー触媒)により水素添加反応させることで、化学式3の化合物を生成する。
【0066】
【化3】
Figure 0004139096
【0067】
すなわち、1つのアミノ基(化学式1)から、分岐した2つのアミノ基(化学式2)が得られ、上記反応を繰り返すことによって、化学式4から化学式6の化合物が容易に得られる。
【0068】
【化4】
Figure 0004139096
【0069】
【化5】
Figure 0004139096
【0070】
【化6】
Figure 0004139096
【0071】
また、超分岐高分子を分子の中心から外側に向かって合成するダイバージェント法や外側から中心に向かって合成するコンバージェント法により、化学式7等のデンドリマーを合成することができる。
【0072】
【化7】
Figure 0004139096
【0073】
また、市販のポリプロピレンイミンデンドリマー(Aldrich社カタログDAB−Am−4,8,16,32,64)を用いてもよい。そこに、4−(N,N−ジエチルアミノ)安息香酸エチル、または4−(1,8−ナフタルジイミジル安息香酸)メチル等をN,N−ジメチルホルムアルデヒドに溶解し、減圧下60℃で加熱攪拌しながら生成するエタノールを留去し、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、該デンドリマーやハイパーブランチポリマーの分岐末端のアミノ基が4−ジエチルアミノ安息香酸のアミド、または4−(1,8−ナフタルイミジル)安息香酸のアミド等に変換された物質が得られる。
【0074】
ポリベンジルエーテル系のものとして4−ブロモメチレン安息香酸メチル(化8)等と1,3,5−トリハイドロキシベンゼン(化9)を用い、Hawker,C.J.et al.;J.Am.Chem.Soc.,112.p.7638(1990)と同様に無水炭酸カリウムと18−クラウン−6エーテルを使用するエーテル化反応により、超分岐高分子化合物(化10)等の、ポリベンジルエーテル系のデンドリマーやハイパーブランチポリマーを得ることが可能であり、4−ブロモメチレン安息香酸メチルの場合、末端のメチルエステル基をカルボキシル基やカリウム塩等に変換することも可能である。
【0075】
【化8】
Figure 0004139096
【0076】
【化9】
Figure 0004139096
【0077】
【化10】
Figure 0004139096
【0078】
ポリフェニレンビニレン系のものとして、Shirshendu K.Debet al.;J.Am.Chem.Soc,119,p.9079(1997)を用いて、3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒド(化11)と、5−ブロモ−m−キシレンからArbuzov反応の生成物(化12)とを水素化ナトリウムをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で反応させ、生成物(化13)を合成する。さらに1,3,5−トリブロモベンゼンの2つの臭素をStillカップリング反応によりビニルに変換し、生成物(化14)を生成する。これらを繰り返すことにより、生成物(化15)等のポリフェニレンビニレン系のデンドロンを生成する。これにベンゾトリフォスフェイト(化16)等の中心構造となり得るものと反応させて、超分岐高分子化合物(化17)等の、ポリフェニレンビニレン系のデンドリマーやハイパーブランチポリマーを生成することができる。
【0079】
【化11】
Figure 0004139096
【0080】
【化12】
Figure 0004139096
【0081】
【化13】
Figure 0004139096
【0082】
【化14】
Figure 0004139096
【0083】
【化15】
Figure 0004139096
【0084】
【化16】
Figure 0004139096
【0085】
【化17】
Figure 0004139096
【0086】
上記の例では、中心構造と超分岐構造とが共有結合を介して結合された超分岐高分子を例示したが、本発明に用いられる超分岐高分子はこれに限られず、中心構造と超分岐構造とが非共有結合を介して結合したものであってもよい。
【0087】
例えば、下記の(化18)で示される分子Aは、水素結合によって6個が互いに結合し、(化19)で示されるようなデンドリマーを形成する。
【0088】
【化18】
Figure 0004139096
【0089】
【化19】
Figure 0004139096
【0090】
以上詳述したように、本発明によれば、超分岐高分子による自己組織化構造を有する従来にない半導体層を用いることによって、トランジスタの性能を向上させることが可能であり、また、この様なトランジスタおよびそれを用いたアクティブ駆動型の表示装置を簡便に作製することが可能となり、工業的価値は非常に大きい。
【0091】
【実施例】
次に、本実施の形態における機能素子の実施例を、比較例と共に以下に説明する。ただし、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0092】
(実施例1)
実施例1では、図1に示した逆スタガー構造の有機薄膜トランジスタ10を作製した。ゲート電極2はTaを、ソース電極4およびドレイン電極5はアルミニウムを用いて形成した。有機半導体層6は、(化7)で表されるポリプロピレンイミン系の球状型デンドリマーを用い、ここでは、5世代デンドリマーを用いた。
【0093】
実施例1のトランジスタ10は、以下の手順で作製した。
【0094】
(1)マスクを用いた蒸着法でTaを基板1上に堆積することによって、ゲート電極2を形成する。
【0095】
(2)ゲート電極2の表面を酸化することによって、ゲート絶縁層3を形成する。
【0096】
(3)マスクを用いた蒸着法でアルミニウムを堆積することによって、ソース電極4およびドレイン電極5を形成する。このとき、チャネル長が12μmとなるように、ソース電極4とドレイン電極5との間隔を設定した。
【0097】
(4)(化7)に示したデンドリマーをインクジェット法により所定の位置に付与することによって、有機半導体層6を形成する。
【0098】
得られた有機薄膜FET10のキャリア移動度をタイムオブフライト法により測定したところ、0.3cm2-1-1であった。また、電流―電圧特性評価より得られたオン/オフ電流比はおよそ7桁であった。移動度、オン/オフ電流比の両結果は共に現行のa−Siの性能に匹敵するものである。
【0099】
(実施例2)
球状の立体構造を有するデンドリマーであるポリベンジルエーテル系デンドリマー(化10)を用いて有機半導体層6を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のFET10を作製した。
【0100】
得られたFET10のキャリア移動度は0.8cm2-1-1であり、オン/オフ電流比はおよそ7桁程度であった。
【0101】
このように、球状デンドリマーを用いることによって、移動度は更に向上し、a−Siと同程度かもしくはそれ以上の移動度が得られた。
【0102】
(実施例3)
π共役相互作用により自己組織化構造を形成するポリフェニレンビニレン系の円盤状デンドリマー(化17)を用いて有機半導体層6を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のFET10を作製した。このデンドリマーのデンドロンであるポリフェニレンビニレンは、デンドリマー間のπ共役相互作用により安定な自己組織化構造を形成する。
【0103】
得られたFET10のキャリア移動度は25cm2-1-1であり、オン/オフ電流比はおよそ7桁程度であった。
【0104】
このように、π共役系のデンドロンを用いると、デンドロン間のπ共役相互作用によって自己組織化構造が安定化するとともに、移動度が飛躍的に向上し、低温p−Siと同程度の特性が得られた。
【0105】
(比較例1)
従来の導電性高分子であるオリゴチオフェンを用いて有機半導体層6を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のFETを作製した。FETの構成は図5に示したFET10と同じである。
【0106】
得られたFETのキャリア移動度は8.5x10-5cm2-1-1であり、またオン/オフ電流比はおよそ3桁程度であった。
【0107】
以上の結果から、有機半導体層6に種々のタイプのデンドリマーを用いることにより、有機薄膜FETの性能を飛躍的に向上することができた。
【0108】
(実施例4)
本実施例の液晶表示装置100の模式的な断面図を図6に示す。この液晶表示装置100は典型的なTNモードのTFT型液晶表示装置であり、TFTとして実施例3のFET10を用いた点以外は公知の構成を有しており、公知の方法で製造できる。
【0109】
ガラス基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、ソース電極14、ドレイン電極15および有機半導体層16を有するFET10が形成されている。FET10のドレイン電極15には、ITOから形成された画素電極17が接続されている。対向基板のガラス基板11には、ITOから形成された対向電極19が設けられている。一対の基板11の液晶層20側の表面は、配向膜18を全面に設けられている。液晶層20の液晶分子は、配向膜18によってTN配向されている。液晶材料として正の誘電率異方性を持つネマティック液晶を用い、プレチルト角が約2°のポリイミド配向膜を用いた。
【0110】
この液晶表示装置100を4Vで駆動し、視野角特性評価を行ったところ、コントラスト10を維持する角度が上下、左右ともに80°以上であった。
【0111】
このように、本発明によるFET10は、液晶表示装置のTFTとして好適に用いられることがわかった。本発明によるFETは、例示した液晶表示装置に限られず、種々のタイプの液晶表示装置に用いることができる。
【0112】
(実施例5)
本実施例の有機EL表示装置200の模式的な断面図を図7に示す。この有機EL表示装置200は典型的なTFT型有機EL表示装置であり、TFTとして実施例3のFET10を用いた点以外は公知の構成を有しており、公知の方法で製造できる。
【0113】
有機EL表示装置200は、透明電極(ITO)107が被覆された透明基板101上に有機薄膜からなる電界発光層111および正孔輸送層112が積層され、その上にマトリックス状に分離された画素電極113が形成されており、各画素電極113上には、ドレイン電極105を介してFET10が配置されている。
【0114】
この有機EL表示装置200は、発光面をFET10の大きさに依存せずに配置することができるのでの発光面の開口率が高い。また、層間絶縁層114は平坦化層として機能するので、フルカラー表示装置を構成する場合、各画素のFET10は平坦な層の上に構成することができる。
【0115】
有機EL表示装置200は、ソース電圧5V、ゲート電圧5Vで、7000Cd/m2の発光輝度が得られた。また、動画表示も可能である。
【0116】
さらに、電界発光層111として、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層をストライプ状に並べて形成することによってカラー表示装置を構成した。このカラー表示装置をソース電圧5V、ゲート電圧5Vで、動画表示したところ、発光輝度3000Cd/m2と明るく、応答速度も0.5msecであった。
【0117】
このように、本発明によるFET10は、有機EL表示装置のTFTとして好適に用いられることがわかった。本発明によるFETは、例示した有機EL表示装置に限られず、種々のタイプの有機EL表示装置に用いることができる。
【0118】
尚、上記の実施例では、逆スタガ型のFET10を用いた例を説明したが、プレーナ型のFETを用いることもできる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によると、従来の導電性高分子を用いたトランジスタよりも特性および/または信頼性が改善された有機トランジスタが提供される。本発明によるトランジスタは、アクティブ駆動型表示装置のアクティブ素子として好適に用いられ、従来のa−SiTFTと同程度の特性を有しつつ、安価に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】超分岐高分子の構造と分類とを模式的に示す概念図である。
【図2】本発明に用いられる超分岐高分子の構造を模式的に示す図である。
【図3】デンドリマーの世代数の概念を示す模式図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明による超分岐高分子によって形成された自己組織化構造の例を示す模式図である。
【図5】本発明による実施形態の電界効果型トランジスタ10の模式的な断面図である。
【図6】本発明の実施形態の液晶表示装置100の模式的な断面図である。
【図7】本発明の実施形態の有機EL表示装置200の模式的な断面図である。
【符号の説明】
1、11、101 絶縁性基板、ガラス基板、透明性基板
2、12、102 ゲート電極
3、13、103 ゲート絶縁層
4、14、104 ソース電極
5、15、105 ドレイン電極
6、16、106 有機半導体層

Claims (8)

  1. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層に電界を印加するための第3電極とを備え、前記半導体層は、複数の超分岐高分子を含み、且つ、前記複数の超分岐高分子の間に働く非共有結合的相互作用による自己組織化構造を有する、トランジスタ。
  2. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層に電界を印加するための第3電極とを備え、前記第1電極および前記第2電極は導電性高分子から形成され、
    前記半導体層は、超分岐高分子を含み、且つ、前記第1電極および前記第2電極の前記導電性高分子と前記超分岐高分子の間に働く非共有結合的相互作用による自己組織化構造を有する、トランジスタ。
  3. 前記半導体層は等方的な導電性を有する、請求項1または2に記載のトランジスタ。
  4. 前記超分岐高分子は、球状の立体構造を有する、請求項1から3のいずれかに記載のトランジスタ。
  5. 前記超分岐高分子は、円盤状の立体構造を有する、請求項1から3のいずれかに記載のトランジスタ。
  6. 前記超分岐高分子は、デンドリマーである、請求項1からのいずれかに記載のトランジスタ。
  7. 前記第3電極によって印加された電界に対する前記半導体層の電界効果を利用する電界効果型トランジスタである、請求項1からのいずれかに記載のトランジスタ。
  8. 複数の画素と、それぞれが前記複数の画素に対応して設けられた複数のアクティブ素子とを有し、前記複数のアクティブ素子のそれぞれが、請求項に記載のトランジスタである、表示装置。
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