JP4138430B2 - インバータシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数相のモータコイルを2つ有し、これらモータコイルに2つのインバータから独立してモータ電流を供給するとともに、2つのモータコイルの中性点間に第1の直流電源(例えば電池)を配置し、2つのインバータの正負母線間に第2の直流電源(例えばコンデンサ)を配置し、モータコイルに所望のモータ駆動電流を供給するとともに、2つの直流電源間で所望の電流のやりとりを行うインバータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電池などの直流電源(電池)からの直流電力をインバータにより所望の3相交流電流に変換してモータコイルに供給し、交流モータを駆動するシステムが広く利用されている。特に、モータの出力を逐次変更するとともに、回生制動を行う場合には、特に適しており電気自動車や、ハイブリッド自動車などの駆動システムとして広く採用されている。
【0003】
一方、このようなシステムにおいて、モータに大出力を得るためには、インバータの正負母線に接続される電池の電圧を大きなものにする必要がある。例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などでは、電池として300V程度の電圧のものを用意している。しかし、電池は、1セルの出力電圧は1V程度であり、大電圧出力を得るためには、電池セルをその分だけ積層しなければならず大型第重量化が避けられない。
【0004】
そこで、モータコイルの中性点(スター結線のモータコイルにおける中点)に電池を接続し、インバータの正負母線間にはコンデンサを接続システムが提案されている(例えば、特開平10−337047号公報(特許文献1)や特開平11−178114号公報(特許文献2)など)。この装置では、通常のモータ駆動の他に、電動機の各相のコイルとインバータ回路のスイッチング素子からなる回路を電池の電圧を昇圧してコンデンサを充電する昇圧チョッパ回路として機能させることができる。従って、電池電圧の2倍以上の電圧をコンデンサ電圧としてモータ駆動を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−337047号公報
【特許文献2】
特開平11−178114号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシステムでは、インバータの入力電圧、即ちコンデンサの端子間電圧は、電池電圧の2倍が基本であり、モータの駆動を維持しつつ昇圧を行わなければならないことを考慮すると、電池電圧の3倍程度の電圧までの範囲内に制御する必要がある。
【0007】
(関連出願)
そこで、本出願人は、特願2000−346967号において、2つのモータコイルの中性点間にバッテリを配置し、2つのモータコイルへそれぞれ接続されている2つのインバータの電源電位(コンデンサ電圧)を制御することを提案した。
【0008】
この構成によれば、2つのインバータを独立して制御して、それぞれの中性点電位を決定することができる。そして、インバータの制御によって、電池電圧とコンデンサ電圧の比を決定できる。そこで、電池電圧とコンデンサ電圧の比を比較的自由に選択することができる。
【0009】
しかし、この特願2000−346967号のシステムにおいて、次のような課題があった。
【0010】
(i)中性点において出入りする零相電流の変動が大きくなると、トルク脈動が発生したり、コンデンサ電圧が振動したり、さらに電池の発熱を生じやすい。そこで、このような不具合を効果的に防止する。
【0011】
(ii)故障により、コンデンサ電圧が上昇する場合に、これを適切に検出できないので、これを効果的に検出する。
【0012】
(iii)コンデンサ電圧を必要以上に上昇させることで、システムにおける損失が大きくなってしまう場合がある。このコンデンサ電圧の不要な上昇を防止する。
【0013】
(iv)起動時において、コンデンサ電圧が0または0に近い値であると、突入電流が生じるため、これを防止しなければならない。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、2つのインバータを備えたインバータシステムにおいて、効果的な動作を達成することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数相のモータコイルを2つ有し、これらモータコイルに2つのインバータから独立してモータ電流を供給するとともに、2つのモータコイルの中性点間に電池を配置し、2つのインバータの正負母線間にコンデンサを配置するインバータシステムにおいて、各モータコイルに必要な印加電圧を求め、これらのうち高い方の電圧を前記コンデンサの目標電圧としてインバータを制御することを特徴とする。
【0020】
これによって、目標電圧を必要最低限のものとして、効率的な運転ができる。
【0021】
また、前記各モータコイルに必要な印加電圧は、逆起電圧、電池コンデンサ間でやりとりされる電流による電圧変動分、モータ出力に必要な電流によって生じる電圧変動分の総和に基づいて、決定することが好適である。
【0022】
また、本発明は、複数相のモータコイルを2つ有し、これらモータコイルに2つのインバータから独立してモータ電流を供給するとともに、2つのモータコイルの中性点間に電池を配置し、2つのインバータの正負母線間にコンデンサを配置するインバータシステムにおいて、システムの起動時には、電池の正極側に接続されるインバータにおいて、モータ電流の吐き出し期間をほぼ100%、モータ電流の吸い込み期間をほぼ0%とし、電池の負極側に接続されるインバータにおいて、モータ電流の吐き出し期間をほぼ0%、モータ電流の吸い込み期間をほぼ100%とし、コンデンサ電圧を電池電圧とほぼ同一にまで充電することを特徴とする。
【0023】
これによって、起動時において、最初にコンデンサ電圧を電池電圧と同一の状態としてインバータを駆動することができ、その後のコンデンサ電圧の制御をスムーズに行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
「基本形態」
次に、本発明の実施の形態の基本となる構成(基本形態)を説明する。図1は、本発明の一基本形態であるインバータシステム20の構成の概略を示す構成図である。基本形態のインバータシステム20は、Y結線された二つの三相コイル24,26を有する二重巻線モータ(以下、2Yモータという)22と、二つの三相コイル24,26に各々接続され正極母線34と負極母線36を共用する二つのインバータ回路30,32と、正極母線34と負極母線36とに接続されたコンデンサ38と、2Yモータ22の二つの三相コイル24,26の中性点間に設けられた直流電源40と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット50とを備える。
【0025】
図2は、2Yモータ22の二つの三相コイル24,26の関係を例示する説明図である。2Yモータ22は、例えば外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと、図2に例示するように二つの三相コイル24,26を回転方向に角度αだけずらして巻回されたステータとから構成されており、二つの三相コイル24,26が巻回されている点を除いて通常の発電可能な同期発電電動機と同様の構成をしている。三相コイル24,26は回転方向に角度αだけずれているから、2Yモータ22は六相のモータと考えることもできる。こうした2Yモータ22を駆動するには、インバータ回路30により三相コイル24に印加される三相交流に対して巻線ずれ角αだけ位相差をもった三相交流が三相コイル26に印加されるようインバータ回路32を制御すればよい。なお、2Yモータ22の回転軸は基本形態のインバータシステム20の出力軸となっており、この回転軸から動力が出力される。基本形態の2Yモータ22は前述したように発電電動機として構成されているから、2Yモータ22の回転軸に動力を入力すれば、2Yモータ22により発電できるようになっている。
【0026】
インバータ回路30,32は、共に6個のトランジスタT11〜T16,T21〜T26と6個のダイオードD11〜D16,D21〜D26とにより構成されている。6個のトランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれ正極母線34と負極母線36とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に2Yモータ22の三相コイル24,26(UVW)の各々が接続されている。したがって、正極母線34と負極母線36とに電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を巻線ずれ角αの位相差をもって制御すれば、2Yモータ22の三相コイル24,26により回転磁界を形成し、2Yモータ22を回転駆動することができる。
【0027】
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット50には、2Yモータ22の三相コイル24,26のuvwの各相に取り付けられた電流センサ61〜66からの各相電流Iu1,Iv1,Iw1,Iu2,Iv2,Iw2や2Yモータ22の中性点に取り付けられた電流センサ67からの中性点電流Io,2Yモータ22の回転軸に取り付けられた回転角センサ68からの2Yモータ22の回転子の回転角θ,直流電源40の電圧を検出する電圧センサ69,コンデンサ38に取り付けられた電圧センサ70からのコンデンサ38の端子間電圧Vc,2Yモータ22の駆動に関する指令値などが入力ポートを介して入力されている。ここで、電流センサ61〜63および電流センサ64〜66のうちの各々いずれか一つは省略可能であり、いずれか一つを異常検出専用のセンサとして用いるものとしてもよい。また、電子制御ユニット50からは、インバータ回路30,32のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうための制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0028】
次に、こうして構成された基本形態のインバータシステム20の動作原理について説明する。図3は、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点と電位差V012が直流電源40の電圧Vbより小さい状態における電流の流れを2Yモータ22の三相コイル24,26のu相の漏れインダクタンスに着目して説明する説明図である。いま、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより小さい状態でインバータ回路30のトランジスタT12がオンの状態かインバータ回路32のトランジスタT21がオンの状態を考える。この場合、図3(a)か図3(b)中に実線矢印で示す短絡回路が形成され、2Yモータ22の三相コイル24,26のu相はリアクトルとして機能する。この状態からインバータ回路30のトランジスタT12をオフすると共にインバータ回路32のトランジスタT21をオフすると、リアクトルとして機能している三相コイルのu相に蓄えられたエネルギは、図3(c)中実線矢印で示す充電回路によりコンデンサ38に蓄えられる。したがって、この回路は、直流電源40のエネルギをコンデンサ38に蓄えるコンデンサ充電回路とみなすことができる。このコンデンサ充電回路は、昇圧チョッパ回路と同様の構成となっているから、コンデンサ38の端子間電圧Vcを直流電源40の電圧Vbより高く自由に操作することができる。2Yモータ22の三相コイル24,26のvw相も、u相と同様にコンデンサ充電回路とみなすことができるから、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより小さい状態とすると共にインバータ回路30のトランジスタT12,T14,T16やインバータ回路32のトランジスタT21,T23,T25をオンオフすることにより、直流電源40によりコンデンサ38を充電することができる。
【0029】
図4は、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより大きい状態における電流の流れを2Yモータ22の三相コイル24,26のu相の漏れインダクタンスに着目して説明する説明図である。今度は、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより大きい状態でインバータ回路30のトランジスタT11がオンでトランジスタT12がオフおよびインバータ回路32のトランジスタT21がオフでトランジスタT22がオンの状態を考える。この場合、図4(a)中に実線矢印で示す充電回路が形成され、コンデンサ38の端子間電圧Vcを用いて直流電源40を充電する。このとき、2Yモータ22の三相コイル24,26のu相は前述と同様にリアクトルとして機能する。この状態からインバータ回路30のトランジスタT11をオフするかインバータ回路32のトランジスタT22をオフすると、リアクトルとして機能している三相コイルのu相に蓄えられたエネルギは、図4(b)または図4(c)中実線矢印で示す充電回路により直流電源40を充電する。したがって、この回路はコンデンサ38のエネルギを直流電源40に蓄える直流電源充電回路とみなすことができる。2Yモータ22の三相コイル24,26のvw相も、u相と同様に直流電源充電回路とみなすことができるから、三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより大きい状態とすると共にインバータ回路30のトランジスタT11〜T16やインバータ回路32のトランジスタT21〜T26をオンオフすることにより、コンデンサ38により直流電源40を充電することができる。
【0030】
このように、基本形態のインバータシステム20では、直流電源40によりコンデンサ38を充電したり、逆にコンデンサ38により直流電源40を充電することができるから、コンデンサ38の端子間電圧Vcを所望の値に制御することができる。コンデンサ38の端子間に電位差を生じさせると、インバータ回路30,32の正極母線34と負極母線36にはコンデンサ38による直流電源が接続された状態となり、コンデンサ38の端子間電圧Vcがインバータ入力電圧Viとして作用するから、インバータ回路30,32のトランジスタT11〜T16,T21〜T26をスイッチング制御することにより、2Yモータ22を駆動制御することができる。このとき、三相コイル24に印加する三相交流の各相の電位Vu1,Vv1,Vw1はインバータ回路30のトランジスタT11〜T16のスイッチング制御によりインバータ入力電圧Viの範囲内で自由に設定できると共に三相コイル26に印加する三相交流の各相の電位Vu2,Vv2,Vw2もインバータ回路32のトランジスタT21〜T26のスイッチング制御によりインバータ入力電圧Viの範囲内で自由に設定できるから、2Yモータ22の三相コイル24の中性点の電位V01や三相コイル26の中性点の電位V02を自由に操作することができる。図5に三相コイル24の中性点の電位V01と三相コイル26の中性点の電位V02との差が直流電源40の電圧Vbとなるよう操作したときの三相コイル24の各相の電位Vu1,Vv1,Vw1の波形(図5(a))と、三相コイル26の各相の電位Vu2,Vv2,Vw2の波形(図5(b))の一例を示す。図中、αは前述した巻線ずれ角に基づく位相差であり、Vxはインバータ入力電圧Viの中央値(Vi/2)である。したがって、2Yモータ22の三相コイル24,26の中性点間の電位差V012が直流電源40の電圧Vbより低くなるように操作してコンデンサ38を充電したり、逆に三相コイル24,26の中性点間の電位差V012が直流電源40の電圧Vbより高くなるように操作して直流電源40を充電することができる。コンデンサ38の充電電流や直流電源40の充電電流は、三相コイル24,26の中性点間の電位差V012を昇降することにより制御することができる。
【0031】
次に、基本形態のインバータシステム20の駆動制御について説明する。図6は、基本形態のインバータシステム20の電子制御ユニット50で実行される駆動制御を制御ブロックとして示すブロック図である。図示するように、電流センサ61〜63,64〜66により検出されたモータ線電流Iu1,Iv1,Iw1,Iu2,Iv2,Iw2を回転角センサ68により検出される2Yモータ22の回転子の回転角θを用いて三相二相変換する電流変換部M1と、2Yモータ22の駆動に関する指令値の一つとして入力される電流指令値Id*,Iq*から電流変換部M1により三相二相変換された電流Id,Iqとの偏差ΔId,ΔIqを演算する減算器M2と、偏差ΔId,ΔIqに対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の操作量を演算するPI制御部M3と、回転角センサ68により検出される2Yモータ22の回転子の回転角θを用いて回転速度演算部M4により演算された回転速度に基づいて速度起電力の予測値を演算する速度起電力予測演算部M5と、この速度起電力予測演算部M5により演算された速度起電力の予測値とPI制御部M3で演算されたモータ電流調整用の操作量を加算して電圧操作量Vd,Vqを演算する加算器M6と、電圧操作量Vd,Vqを回転子の回転角θを用いて二相三相変換する二相三相変換部M7と、2Yモータ22の駆動に関する指令値の一つとして入力されるコンデンサ電圧指令値Vc*と電圧センサ70により検出されたコンデンサ38の端子間電圧Vcとの偏差ΔVcを演算する減算器M8と、偏差ΔVcに対してPIゲインを用いてコンデンサ電圧調整用の電池電流操作量を演算するPI制御部M9と、回転速度演算部M4により演算された回転速度と電流指令値Id*,Iq*に基づいて電池電流の予測値を演算する電池電流予測演算部M10と、この電池電流予測演算部M10により演算された電池電流の予測値とPI制御部M9により演算された電池電流操作量とを加算すると共にこの加算したものから電流センサ67により検出される電池電流Ibを減算する加減算器M11と、加減算器M11からの出力にPIゲインを用いて電池電流を調整するための三相コイル24,26の中性点間の電位差V012を設定するPI制御部M12と、この中性点間の電位差V012と二相三相変換部M7により得られる各相電位Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2とを加算して変調信号を得る加算器M13と、変調信号を搬送波を用いてPWM信号を演算するPWM演算部M14とを備える。なお、制御ブロックでは、三相コイル24に対するブロックと三相コイル26に対するブロックとを同一のブロックとして記載した。電流変換部M1から二相三相変換部M7および電流変換部M14は、中性点間の電位差V012を加算する点および三相コイル24と三相コイル26とに対して巻線ずれ角αに相当する位相差をもって各々処理する点を除いて通常のモータ制御と同様である。二相三相変換部M7により得られた各相電位Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に減算器M8からPI制御部M12により演算される中性点間の電位差V012を加算してPWM信号を演算することにより、直流電源40に電流を流してインバータ入力電圧Viとしてのコンデンサ38の電圧Vcが指令値Vc*に保持されるよう三相コイル24,26に印加される三相交流を図5に例示するように中央値Vxからオフセットした波形とすることができる。
【0032】
「第1実施形態」
本実施形態の構成は、基本的に上述の図1に示したとおりである。この構成において、2つの三相コイル24、26の中性点電位(零相電圧)は、それぞれV01またはV02となるはずである。ところが、実際の運転においては、インバータのデッドタイム(インバータのトランジスタがすべてオフの期間)により電気周期中に3回零相電圧が振動する。そして、この零相電位の振動により零相電流が振動する。
【0033】
すなわち、図7の上図に示すように、三相コイル(Y1)24における相電流Iu1,iv2,iw1のうち2つが正の場合、零相電圧は、その中央値Vx1に比べ所定電圧だけ低くなり、三相電流のうち2つが負の場合には、所定電圧だけ高くなる。また、図7の中図に示すように、三相コイル(Y2)26における相電流Iu2,iv2,iw2のうち2つが正の場合、零相電圧は、その中央値Vx2に比べ所定電圧だけ高くなり、三相電流のうち2つが負の場合には、所定電圧だけ低くなる。
【0034】
以上のように、図7の上図の零相電圧と図7の下図の零相電圧は変動し、そして図7の上図の零相電圧と図7の中央の図の零相電圧より決まる零相電流i0も、図7の下図のように大きく振動することとなる。
【0035】
ここで、零相電流変動がデッドタイムにより生じる機構を説明する。なお、この説明では、トランジスタやダイオードの抵抗分は小さいため、無視する。
【0036】
まず、デッドタイムの影響は、モータの相電流の流れる向きに依存する。
【0037】
i)相電流がモータコイルの端子から中性点へ向かって流れている場合
この場合、インバータにおいて、スイッチングを行うと、デッドタイムの影響で一時的にインバータのトランジスタはすべてオフになる。しかし、モータ(三相コイル)のインダクタンス成分(慣性)により、この期間もインバータアームの「下側」のダイオードを通して電流が流れ続ける。このため、モータ(三相コイル)端子電圧はインバータに供給される直流電圧の下側電位(負側母線)に等しくなる。
【0038】
ii)相電流がモータコイルの中性点から端子へ向かって流れている場合
この場合に、インバータにおいて、スイッチングを行うと、デッドタイムの影響で、一時的にインバータのトランジスタはすべてオフになる。しかし、モータ(三相コイル)のインダクタンス成分(慣性)により、この期間もインバータアームの「上側」のダイオードを通して電流が流れ続ける。このため、モータ(三相コイル)端子電圧はインバータに供給される直流電圧の「上側電位」(正側母線)に等しくなる。
【0039】
iii)モータの1回転中(電気角)の端子電位へのデッドタイムの影響
上記i)ii)に示したように、デッドタイムによりトランジスタがすべてオフの時には、相電流の向きによりコイルの端子側の電位が、インバータの正側か、負側の電位に決まる。モータの相電流は、一般にロータの回転数(電気角)と同じ周期の正弦波でほぼ近似されるので、電気角1回転中に1回ずつ正と負の相電流が流れる。
【0040】
以下、制御周期(インバータのキャリア周期)Tsとデッドタイム時間Td、インバータ負側電位を0、正側電位をVe、コントローラ指令値(三角波比較を行う電位)をVcontとして説明する。
【0041】
デッドタイムがなければ、正の電流(端子から中性点へ向かう電流)が流れている期間は、端子電位がインバータの正側と同電位になる時間Tsは、
Tu=(Vcont/Ve)*Ts
であり、
負側と同電位になる期間Tlは、
Tl=(Ve−Vcont)/Ve*Ts
である。
【0042】
しかし、デッドタイムがあると、
Tu=(Vcont/Ve)*Ts−2Td
Tl=(Ve−Vcont)/Ve*Ts−2Td
となり、コントローラ指令値と端子電位が負側にシフトする。
【0043】
一方、負の電流(中性点から端子へ向かう電流)が流れる時には、同様の理由により正側に端子電位がシフトする。
【0044】
iv)本システムで、コンデンサ電圧を制御(零相電流を制御)するのは、図5に示すように、端子電位の平均値である。しかし、上記iii)に示したように、デッドタイムの影響で相電流が正側の期間と負側の期間とで、平均値に差異がでる。これによって、零相電流変動が生じる。そして、零相電流が2つのスター結線の三相コイルの間を流れるため、片側のスター結線三相コイルでUVWの三相分の平均値変動(1電気角で3回)により、1電気角で3周期の零相電流の変動が現れる。
【0045】
そこで、本実施形態では、図8の上図に示すように、三相コイル(Y1)24には、三相電流のうち2つが正の場合、所定電圧だけ高く、三相電流のうち2つが負の場合には、所定電圧だけ低くなる補正電圧ΔVを印加する。一方、三相コイル(Y2)26には、図8に中図に示すように、三相電流のうち2つが正の場合、所定電圧だけ低く、三相電流のうち2つが負の場合には、所定電圧だけ高くなる補正電圧ΔVを印加する。
【0046】
これによって、図8の下図に示すように、三相コイル(Y1,Y2)24,26の零相電位の振動は抑制され、零相電流i0も一定になる。
【0047】
従って、零相電流の変動を抑制して、トルクの脈動、コンデンサ電圧の振動、直流電源の発熱の抑制が可能となる。
【0048】
図9に、補正電圧加算のための構成を示す。この図においては、一方のインバータ回路30、32の1つへのPWM制御信号の生成のための構成を示している。すなわち、インバータ回路30のための構成であれば、電流iu1,iv1,iw1について、判定を行い、インバータ回路30のための制御信号に補正電圧ΔVを加算または減算する。
【0049】
電流センサ61〜66で検出した三相コイル24,26の電流iu,iv,iwは、補正電圧加算/減算判定部102に入力される。この補正電圧加算/減算判定部102は、上述のようにして、補正電圧ΔVを作成し、これを加算器104に供給する。ここで、補正電圧ΔVおよびこの補正電圧ΔVを加算するか減算するかは、上述の論理で決定する。
【0050】
また、モータ電流は、3相→dq変換部106に供給され、ここで励磁電流id,トルク電流iqに変換され、これが加算器108に供給され、ここでdq電圧指令から減算される。これによって、指令値との偏差が加算器108から出力され、これがPI制御部110において、電圧制御値vd,vqに変換される。PI制御部110の出力は、dq→3相変換部112において三相電圧制御値に変換され、加算器104に供給される。さらに、この加算器104には、コンデンサ電圧制御部114からのコンデンサ電圧についての電圧制御値も供給される。
【0051】
従って、加算器104の出力において、モータ出力制御についての電圧制御値と、コンデンサ電圧制御値が加算されるとともに、これに補正電圧ΔVが加算または減算される。
【0052】
そして、補正電圧ΔVが加算または減算された制御指令値がPWM制御の指令値として用いられるため、インバータ回路30、32におけるデューティーが補正電圧ΔVによって変更され、三相コイル24、26の零相電圧が制御される。
【0053】
また、図10には、本実施形態の他の構成例が示されている。この例では、電流センサ67で検出した零相電流i0をハイパスフィルタ120に入力する。これによって、零相電流のリップルにより、補正電圧加算/減算判定部102において、判定が可能になる。
【0054】
また、零相電流リップルの平均値をローパスフィルタによって求め、この零相電流の平均値と零相電流値の差から三相電流の2つが正か、負かの状態を検出することもできる。
【0055】
このようにして、零相電流リップルが正の場合には、補正電圧ΔVを零相電圧指令値に減算し、零相電流リップルが負の場合には、補正電圧ΔVを零相電圧指令に加算する。
【0056】
上述の説明において、所定電圧とした補正電圧ΔVの大きさは、次式によって求めることができる。
ΔV=(td/ts)Vc
【0057】
ここで、tdは、デッドタイム(上側トランジスタおよび下側トランジスタの両方がオフする時間)、Tsは制御周期(インバータのキャリア周期)、Vcはコンデンサ38の電圧である。
【0058】
このように、本実施形態では、コンデンサ電圧制御とモータ出力電圧を加算した電圧指令値に、三相電流のうち2つが正の場合に、補正電圧ΔVを零相電圧に3相ともに加算、2つの負の場合に補正電圧ΔVを零相電圧に3相ともに減算する補正を加える。これによって、零相電流の変動を抑制して、トルクの脈動、コンデンサ電圧の振動、直流電源の発熱の抑制が可能となる。
【0059】
「実施形態2」
また、上述の図1の装置において、2つのインバータ回路30、32間の変調率(3相電圧指令値の平均値)の差を減少させると直流電源40からコンデンサ38に電流が流れ、コンデンサ38の電圧が上昇する。一方、2つのインバータ間の変調率差を増大させるとコンデンサ38から直流電源40へ電流が流れ、コンデンサ38の電圧が低下する。
【0060】
そこで、本実施形態では、システムに過大な電流が流れる際に、2つのインバータ間の変調率差を大きくし、コンデンサが許容値を超えることを防止し、コンデンサ38の電圧の異常上昇を抑制する。
【0061】
また、システムにおいて、主要なエネルギー源は直流電源40であるので、システムからエネルギーを取り出している負荷が既知という条件で、直流電源40から流れ出す電流の大きさを計測すれば過大な電流が流れているか否かを判定できる。
【0062】
本実施形態においては、電子制御ユニット50において、図11に示すような処理を行う。
【0063】
すなわち、電流センサ67によって測定した、直流電源40に流れる電流を取り込む(S101)。そして、取り込んだ測定結果が既定値以下かを判定する(S102)。この既定値は、システムによって異なるが、コンデンサ38の容量によって決定される。そして、この判定でYES(電流値が既定値以下)であれば、2Yモータ22の通常運転を続ける。
【0064】
一方、S102の判定でNO(電流値が既定値を超える)であれば、コンデンサ38の電圧を低下させる(S103)。すなわち、電子制御ユニット50は、インバータ回路30、32の変調率の差を大きくする。これによって、直流電源40からの電流出力は抑制される方向となり、コンデンサ38への充電電流が制限され、コンデンサ38の過充電が防止される。
【0065】
なお、三相コイル24、26からなる2Yモータ22は、所定のエネルギーを消費する負荷であるが、このエネルギー消費量は、出力トルク指令などから推定できる。そこで、S102においては、この消費エネルギー分の電流量を直流電源40からの出力電流から減算し、その残りの電流量が既定値以上であるか否かを判定することが好適である。
【0066】
以上のようにして、本実施形態によれば、直流電源40の電流量に応じて、コンデンサ38への電流の異常を判定する。2Yモータ22の相電流により、異常を判定した場合、三相コイル24、26のそれぞれのコイルがインダクタンスとして働き、その判定が十分行えない場合があるが、本実施形態により好適な異常検出が行える。
【0067】
なお、上記説明では、基本的にコンデンサ38側に向けて流れる電流について説明したが、反対の向きに流れる電流についても同様の異常を検出することができる。
【0068】
「実施形態3」
本実施形態のシステムにおいては、2つの三相コイル24、26を有しており、これをそれぞれに対応するインバータ回路30、32によって駆動する。そして、両インバータ回路30、32に電圧を供給するコンデンサ38の電圧を昇圧するには、直流電源40から電流を流す必要がある。ここで、必要以上に電流を流すことは、コイルやインバータのトランジスタで損失を招きシステム全体の効率を下げることになる。
【0069】
本実施形態では、2つの三相コイル24、26のいずれか高い方の三相コイルにおいて必要な電圧を選びそれに必要な電圧を供給できるところまでしかコンデンサ電圧を上げないことにした。これによって、上記損失を最小限度に抑えることができる。
【0070】
各三相コイル24、26において、磁束の干渉がない場合は、1つの三相コイルが必要とする電圧は、次式で示される。この式は、簡単のためd−q軸間で特性の異ならない三相コイル24、26で示している。但し、d−q軸で特性の異なるモータにおいても同様にして記載することができる。
【数1】
【0071】
ここで、itu,itv,itwはトルクもしくは磁場を作るために必要な電流の各相成分、icu,icv,icwは直流電源40とコンデンサ38間でやりとりされる電流の各相成分、eu,ev,ewは、逆起電力の各相成分、Rは抵抗、L,Mは自己インダクタンスと相互インダクタンス、Vu,Vv,Vwは各相の制御に必要な電圧である。
【0072】
この式より、この三相コイル24、26が必要とするコンデンサ電圧Vは、V=αmax(|Vu|,|Vv|,|Vw|)となる。ここで、αはインバータ回路30、32内部の損失による電圧低下分を補正する値である。
【0073】
各三相コイル24、26についてVを求め、それらのうちで高い方をコンデンサ38の目標電圧とする。
【0074】
すなわち、電子制御ユニット50は、コンデンサ38の目標電圧を上述のようにして計算したVとして、インバータ回路30、32のスイッチングを制御する。
【0075】
なお、各三相コイル24、26間で磁束の干渉がある場合には、干渉による増減分を見積もって前出のVを決定すればよい。
【0076】
また、逆起電圧、直流電源40とコンデンサ38との間でやりとりされる電流により生じる電圧変動分、トルクもしくは磁場を作るために必要な電流などが時々刻々変動する場合には、予め最大逆起電圧や、最大電流を設定し、その値を用いてコンデンサ電圧を決めればよい。
【0077】
「実施形態4」
次に、実施形態4は、始動時の制御に関する。本実施形態の概略構成を図12に示す。この図においては、インバータ回路30、32及び三相コイル24、26をそれぞれ1相で表現している。また、この図においては、直流電源40の両側にリレー110、112を配している。
【0078】
そして、リレー110、112の両方をオンすることで、直流電源40は、インバータ回路30、32に接続される。これによって、図12に示すような充電電流がダイオードを介して流れる。これによって、コンデンサ38の電圧は、直流電源40と同一の電圧になる。
【0079】
次に、電子制御ユニット50(図12には図示せず)により、インバータ回路30、32のトランジスタを制御して、直流電源40の正側に接続されているインバータ回路30の零相変調率(3相の電圧指令値の平均値)をデューティー100%(3相共にインバータアームの上側トランジスタを全オン)し、直流電源40の負側に接続されるインバータ回路32の零相変調率をデューティー0%(3相共に下側トランジスタを全オン)とする。これによって、上述の直流電源40と、コンデンサ38の電圧が同一であるという状態が維持され、ここからインバータ回路30、32の変調率を徐々に変更することで、スムーズに所望の変調比による運転に移行することができる。
【0080】
また、システム停止時は、起動時と逆に目標電圧になる零相電圧変調率から、電池性側のインバータ回路30の零相電圧変調率をデューティー100%、直流電源40の負側のインバータ26の零相電圧変調率をデューティー0%までゆっくり変化させて、直流電源40の両端のリレーを切ることが好ましい。
【0081】
このようにして、本基本形態によれば、コンデンサ38の電圧を最初に直流電源40の電圧に一致させ、その後徐々に2つのインバータ26、28の変調率を変更し所望のコンデンサ38の電圧を得る。従って、コンデンサ38、インバータ回路30、32を構成するトランジスタのストレスを低減することができる。
【0082】
ここで、通常の運転時の各相電流及びインバータ回路30、32の零相変調率をPWM制御におけるキャリアとともに図13に示す。このように、キャリアの振幅がコンデンサ38の電圧Vcとなり、2つのインバータ回路30、32(図において、INV1、INV2と示す)の変調率の差が直流電源40の電圧Vbに対応する。ここで、変調率とは、3相電圧指令値の平均値であり、インバータ制御のためのキャリアの振幅を100%とし、上側トランジスタのオン期間の比率になる。
【0083】
そして、従来の中性点とインバータの正負母線間の負側母線間に直流電源を設置し中性点に正側を接続したインバータシステムにおいては、一般にデューティー50%で起動していた。これによって、インバータの正負母線間に配置されたコンデンサの電圧は直流電源の2倍の電圧に向けて充電される。
【0084】
しかし、本実施形態の2Yモータシステムにおいては、2つのインバータ回路30、32について、両方ともデューティー50%で駆動すると、図14の上図に示すように、Vbが0となって、コンデンサ38の電圧VCが無限大になる運転になる。従って、コンデンサ電圧が耐電圧を超えて過大になってしまうおそれがある。なお、図において、インバータ回路30、32をINV1、INV2と表している。
【0085】
なお、実際の運転では、デューティー50%の運転を行った場合において、図14の下図のインバータ回路30、32における上アームトランジスタ及び下アームトランジスタの両方をオフするデッドタイムが存在する。すなわち、上アームがオンする期間Aと、下アームがオンする期間Cの間には、両アームがオフするデッドタイムBが存在する。そして、図15に示すように、Aの期間では、上アームのトランジスタ及びダイオードを介し直流電源40に短絡電流が流れ、Cの期間では、下アームのトランジスタ及びダイオードを介し直流電源40に短絡電流が流れる。従って、A,Cの期間が長いほど短絡電流が大きくなる。また、2Yモータ22のリアクタンス成分が小さい程この電流は過大になる。この電流は、di=Vb/tで表される。
【0086】
次にBの期間(デッドタイム(短絡防止期間))では、図15に示されるように、ダイオードを介し電流が流れ、コンデンサ38に充電される。従って、このAの期間とBの期間の比率によって、直流電源40の電圧に対するコンデンサ38の電圧が決定される。つまり、Aに対するBの期間が短いほどコンデンサ電圧は大きくなりコンデンサ38が過電圧になってしまう。本実施形態によれば、このような欠点を解消することができる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について基本形態を用いて説明したが、本発明はこうした基本形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本形態であるインバータシステム20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 2Yモータ22の三相コイル24と三相コイル26との関係を説明する説明図である。
【図3】 三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより小さい状態における電流の流れを2Yモータ22の三相コイル24,26のu相の漏れインダクタンスに着目して説明する説明図である。
【図4】 三相コイル24の中性点と三相コイル26の中性点との電位差V012が直流電源40の電圧Vbより大きい状態における電流の流れを2Yモータ22の三相コイル24,26のu相の漏れインダクタンスに着目して説明する説明図である。
【図5】 三相コイル24の中性点の電位V01と三相コイル26の中性点の電位V02との差が直流電源40の電圧Vbとなるよう操作したときの三相コイル24,26の各相の電位Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2の波形の一例を示す説明図である。
【図6】 基本形態のインバータシステム20の電子制御ユニット50で実行される駆動制御を制御ブロックとして示すブロック図である。
【図7】 第1実施形態における零相電圧振動の状態を示す波形図である。
【図8】 同実施形態における補正電圧を示す波形図である。
【図9】 同実施形態における補正電圧加算のための構成の一例を示すブロック図である。
【図10】 同実施形態における補正電圧加算のための構成の他の一例を示すブロック図である。
【図11】 第2実施形態における電子制御ユニット50の処理を示すフローチャートである。
【図12】 第4実施形態における充電電流の流れを示す図である。
【図13】 同実施形態におけるキャリアと零相変調率を示す波形図である。
【図14】 インバータの上アーム及び下アームのスイッチングのタイミングを示す図である。
【図15】 システムの切換状態を示す図である。
【符号の説明】
20,20B インバータシステム、22 2Yモータ、24,26 三相コイル、30,32 インバータ回路、34 正極母線、36 負極母線、38 コンデンサ、40 直流電源、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、61〜67 電流センサ、68 回転角センサ、T11〜T16,T21〜T26 トランジスタ、D11〜D16,D21〜D26 ダイオード。
Claims (3)
- 複数相のモータコイルを2つ有し、これらモータコイルに2つのインバータから独立してモータ電流を供給するとともに、2つのモータコイルの中性点間に電池を配置し、2つのインバータの正負母線間にコンデンサを配置するインバータシステムにおいて、
各モータコイルに必要な印加電圧を求め、これらのうち高い方の電圧を前記コンデンサの目標電圧としてインバータを制御するインバータシステム。 - 請求項1に記載のインバータシステムにおいて、
前記各モータコイルに必要な印加電圧は、逆起電圧、電池コンデンサ間でやりとりされる電流による電圧変動分、モータ出力に必要な電流によって生じる電圧変動分の総和に基づいて、決定するインバータシステム。 - 複数相のモータコイルを2つ有し、これらモータコイルに2つのインバータから独立してモータ電流を供給するとともに、2つのモータコイルの中性点間に電池を配置し、2つのインバータの正負母線間にコンデンサを配置するインバータシステムにおいて、
システムの起動時には、電池の正極側に接続されるインバータにおいて、モータ電流の吐き出し期間をほぼ100%、モータ電流の吸い込み期間をほぼ0%とし、電池の負極側に接続されるインバータにおいて、モータ電流の吐き出し期間をほぼ0%、モータ電流の吸い込み期間をほぼ100%とし、
コンデンサ電圧を電池電圧とほぼ同一にまで充電するインバータシステム。
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