JP2003309903A - インバータ一体型駆動装置 - Google Patents

インバータ一体型駆動装置

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JP2003309903A
JP2003309903A JP2002110504A JP2002110504A JP2003309903A JP 2003309903 A JP2003309903 A JP 2003309903A JP 2002110504 A JP2002110504 A JP 2002110504A JP 2002110504 A JP2002110504 A JP 2002110504A JP 2003309903 A JP2003309903 A JP 2003309903A
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俊史 荒川
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和高 立松
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータを利用した駆動装置をコンパクト
にする。 【解決手段】 電池をステータコイル150の中性点に
接続し、ステータコイル150に出力端が接続されるイ
ンバータ110の入力側にコンデンサを接続する。これ
によって、ステータコイル150を昇圧コンバータとし
て利用する。そして、この構成におけるインバータ11
0とモータを1つの筐体100内に収容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータと、コ
イルを内蔵するとともに、昇圧機能を有するインバータ
一体型駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、直流電力をインバータによっ
て交流に変換し、交流モータを駆動するシステムが普及
している。このシステムでは、インバータの制御によっ
て、交流モータに対する電流供給を広範囲で容易に制御
することができ、各種の用途で広く利用されている。例
えば、電気自動車やハイブリッド自動車においては、搭
載した電池からの直流電力をインバータにより所望の
(出力トルク指令に応じた)交流電流に変換して駆動モ
ータに供給している。なお、このシステムでは、回生電
力を電池の充電に利用することもでき、非常に有利であ
る。
【0003】ここで、インバータとモータの間には、大
きな電流が流れる配線が必要であり、なるべく近くに配
置することが求められる。特に、車両に搭載するモータ
の場合には、コンパクトにまとめられていることが要求
される。
【0004】そこで、インバータとモータを1つの筐体
に収容したインバータ一体型モータが従来から知られて
いる。この構成によれば、配線の引き回しも容易とな
り、全体としてコンパクトに構成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、インバータに
は、電池からの直流電圧が供給され、インバータはこれ
を交流に変換する。車両用のモータでは、発進時などに
大きなトルクを発生する必要があり、モータの出力が非
常に大きくなる。このような場合、電池電圧が低いと、
その出力を得るための電流値が非常に大きくなってしま
い、エネルギーロスが大きくなる。そこで、電池電圧を
十分高くしたい。電池容量を十分大きくすれば、電池電
圧の変動を抑制することはできるが、電池容量を非常に
大きくすることは困難であり、電池電圧が変動すること
は避けられない。
【0006】一方、電池電圧を比較的低電圧にしてお
き、昇圧コンバータを用いて、高電圧にするシステムも
知られている。このシステムによれば、電池電圧を比較
的低電圧にでき、インバータ入力電圧およびモータ入力
電圧を高電圧に維持することができる。
【0007】しかし、昇圧コンバータは、スイッチング
トランジスタの他にコイルを要する。そこで、このよう
な昇圧コンバータをモータと一体化することは、かえっ
て場所をとり、その設置が困難になるという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、昇圧機能を有しつつ、コンパクトに形成できるイ
ンバータ一体型駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スター結線の
コイルと、このコイルの中性点に接続され、電池に接続
するための電池用端子と、前記コイルの端部に出力側が
接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換してコイ
ルに供給するインバータと、このインバータの入力側に
接続され、インバータに直流電力を供給するコンデンサ
に接続するためのコンデンサ用端子と、を含み、これら
を1つの筐体内に収容し、電池の電力をコイル、インバ
ータを介し前記コンデンサに輸送することが可能である
ことを特徴とする。
【0010】このように、コイルの中性点に電池を接続
することで、電池の電力をコンデンサに輸送して昇圧す
ることができる。そして、このような昇圧機能を有する
にも拘わらず、別体の昇圧コンバータは不要であり、イ
ンバータ一体型駆動装置を得ることができる。
【0011】また、本発明は、スター結線の第1コイル
と、スター結線の第2コイルと、この第1および第2コ
イルの中性点にそれぞれ接続され、一対の中性点間に電
池を接続するための一対の電池用端子と、前記第1コイ
ルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相
交流に変換して第1コイルに供給する第1インバータ
と、前記第2コイルの端部に出力側が接続され、入力側
の直流電力を多相交流に変換して第2コイルに供給する
第2インバータと、この第1および第2インバータの共
通接続された入力側に接続され、コンデンサに接続する
ための第2端子と、を含み、これらを1つの筐体内に収
容し、電池の電力を第1および第2コイル、第1および
第2インバータを介し前記コンデンサに輸送することが
可能であることを特徴とする。
【0012】このように、一対のスター結線コイルの中
性点間に電池を接続する装置では、2つのスター結線コ
イルの中性点間の電位差が規定されるだけであって、そ
れぞれのスター結線コイルの平均電位(中性点電位)自
体は任意に設定することができる。そこで、コンデンサ
電圧(インバータ入力電圧)について、幅広い制御を行
うことができる。
【0013】また、前記第1コイルおよび第2コイルに
近接して、1つのロータを配置し、前記第1および第2
コイルによって、1つのロータを回転駆動することが好
適である。
【0014】また、第1および第2のスター結線のコイ
ルのうちの一方のコイルに供給する電流の最大振幅値を
減少させ、その減少分に対応する電流を他方のコイルに
供給する電流に加算することが好適である。
【0015】この構成により、最大電流を低減すること
ができ、インバータやコイルも小さくすることができ、
好適な一体型駆動装置を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明に係るインバータ一体型モ
ータを含むシステム全体の回路構成を示す図である。こ
の構成は、特願2001−331175号において提案
したものと同一である。
【0018】すなわち、図に示した動力出力装置20
は、Y結線(スター結線)された二つの三相コイル2
4,26を有する2コイルモータ(以下、2Yモータと
いう)22と、二つの三相コイル24,26に各々接続
され正極母線34と負極母線36を共用する二つのイン
バータ回路30,32と、正極母線34と負極母線36
とに接続されたコンデンサ38と、2Yモータ22の二
つの三相コイル24,26の中性点間に設けられた直流
電源40と、装置全体をコントロールする電子制御ユニ
ット50とを備える。
【0019】図2は、2Yモータ22の二つの三相コイ
ル24,26の関係を例示する説明図である。2Yモー
タ22は、例えば外表面に永久磁石が貼り付けられたロ
ータと、図2に例示するように二つの三相コイル24,
26を回転方向に角度αだけずらして巻回されたステー
タとから構成されており、二つの三相コイル24,26
が巻回されている点を除いて通常の発電可能な同期発電
電動機と同様の構成をしている。三相コイル24,26
は回転方向に角度αだけずれているから、2Yモータ2
2は六相のモータと考えることもできる。こうした2Y
モータ22を駆動するには、インバータ回路30により
三相コイル24に印加される三相交流に対してコイルず
れ角αだけ位相差をもった三相交流が三相コイル26に
印加されるようインバータ回路32を制御すればよい。
なお、2Yモータ22の回転軸は実施例の動力出力装置
20の出力軸となっており、この回転軸から動力が出力
される。実施例の2Yモータ22は前述したように発電
電動機として構成されているから、2Yモータ22の回
転軸に動力を入力すれば、2Yモータ22により発電で
きるようになっている。
【0020】インバータ回路30,32は、共に6個の
トランジスタT11〜T16,T21〜T26と6個の
ダイオードD11〜D16,D21〜D26とにより構
成されている。6個のトランジスタT11〜T16,T
21〜T26は、それぞれ正極母線34と負極母線36
とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペア
で配置され、その接続点に2Yモータ22の三相コイル
24,26(UVW)の各々が接続されている。したが
って、正極母線34と負極母線36とに電圧が作用して
いる状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T2
1〜T26のオン時間の割合をコイルずれ角αの位相差
をもって制御すれば、2Yモータ22の三相コイル2
4,26により回転磁界を形成し、2Yモータ22を回
転駆動することができる。
【0021】また、本実施形態において、2つの三相コ
イル24,26を別々に配置し、それぞれに対応するロ
ータを設け、2つの全く別のモータとして構成してもよ
い。
【0022】電子制御ユニット50は、CPU52を中
心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処
理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータ
を記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)と
を備える。この電子制御ユニット50には、2Yモータ
22の三相コイル24,26のuvwの各相に取り付け
られた電流センサ61〜66からの各相電流Iu1,I
v1,Iw1,Iu2,Iv2,Iw2や2Yモータ2
2の中性点に取り付けられた電流センサ67からの中性
点電流Io,2Yモータ22の回転軸に取り付けられた
回転角センサ68からの2Yモータ22の回転子の回転
角θ,コンデンサ38に取り付けられた電圧センサ70
からのコンデンサ38の端子間電圧Vc,2Yモータ2
2の駆動に関する指令値などが入力ポートを介して入力
されている。ここで、電流センサ61〜63および電流
センサ64〜66のうちの各々いずれか一つは省略可能
であり、いずれか一つを異常検出専用のセンサとして用
いるものとしてもよい。また、電子制御ユニット50か
らは、インバータ回路30,32のトランジスタT11
〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なう
ための制御信号などが出力ポートを介して出力されてい
る。
【0023】「2YDCにおけるコンデンサ電圧制御」
上述のように、本実施形態では、2つの多相コイルの中
性点間に直流電源を配置し、2つの多相コイルへの電力
供給を制御するインバータ回路30,32のスイッチン
グを制御することで、2つのインバータ回路30,32
の電源であるコンデンサ38の電圧を制御した。
【0024】ここで、本実施形態の2YDCシステムを
インバータの内部を省略して書き直すと図3のように表
すことができる。
【0025】すなわち、コンデンサCの一端は一定電圧
の電源(例えば、アース)に接続されている。そして、
このコンデンサCの両端がインバータINV1、インバ
ータINV2にそれぞれ接続されている。すなわち、コ
ンデンサCの出力が電源としてインバータINV1、I
NV2に入力されている。
【0026】インバータINV1は、3相の出力U1,
V1,W1を有し、ここにモータコイルM1のU,V,
Wの3相のコイルがそれぞれ接続されている。また、イ
ンバータINV2は、3相の出力U2,V2,W2を有
し、ここにモータコイルM2のU,V,Wの3相のコイ
ルがそれぞれ接続されている。
【0027】ここで、モータコイルM1、M2は、別々
に示しているが、上述のように1つのモータのコイルで
あり、通常の場合モータに所定角度だけ異なるように配
置され、その所定角度だけ異なる位相の電流が供給され
る。これによって、両モータコイルM1,M2に供給す
る電流の両方がモータ駆動電流として機能する。
【0028】モータコイルM1、M2の各相モータコイ
ルは中性点で共通接続されており、モータコイルM1、
M2の中性点同士がバッテリBを介し接続されている。
この例では、モータコイルM1の中性点にバッテリBの
正極が接続され、モータコイルM2の中性点にバッテリ
Bの負極が接続されている。
【0029】なお、図示は省略したが、インバータIN
V1、INV2は、それぞれ第1電源pと第2電源m間
(図示の例では第1電源pがアース)に配置された2つ
のスイッチングトランジスタの直列接続からなるアーム
を3つ有しており、これらアームの中点が各相コイル端
に接続されている。
【0030】従って、インバータINV1、INV2内
のスイッチングトランジスタのオンオフを制御すること
によって、コンデンサCから所望の電流をモータコイル
M1、M2に供給し、これらを駆動することができる。
さらに、インバータINV1、INV2における上側ト
ランジスタのオン期間と、下側トランジスタのオン期間
の長さに差を付けることによって、モータコイルM1、
M2における中性点から出入りするモータ駆動用の相電
流以外の電流(零相電流)が制御される。
【0031】ここで、本実施形態では、1つのコンデン
サCの両端電圧(出力電圧)Vcを電源としてインバー
タINV1、INV2が駆動される。そして、バッテリ
Bの両端電圧(出力電圧)Eは基本的に変動しない。そ
こで、零相電流を制御することで、モータコイルM1、
M2の中点電位をバッテリBの電圧分だけの差を維持し
つつ、任意に設定することができる。
【0032】なお、図3に示すように、第1電源pの電
圧はVp、第2電源mの電圧はVm、コンデンサCの出
力電流はic、コンデンサCの両端電圧はVc(=|V
m−Vp|)、インバータINV1の第1電源pからの
電流はip1、インバータINV1の第2電源mからの
電流はim1、インバータINV2の第1電源pからの
電流はip2、インバータINV2の第2電源mからの
電流はim2である。また、モータコイルM1につい
て、u相電流iu1,v相電流iv1、w相電流iw
1、u相端電圧Vu1、v相端電圧Vv1、w相端電圧
Vw1、モータコイルM2について、u相電流iu2、
v相電流iv2、w相電流iw2、u相端電圧Vu2,
v相端電圧Vv2、w相端電圧Vw2である。モータコ
イルM1の中性点電圧はVz1、モータコイルM2の中
性点電圧はVz2、バッテリB電圧はE、零相電流はi
eである。
【0033】特に、本システムでは、モータコイルM
1、M2の中性点電位Vz1,Vz2と、インバータI
NV1、INV2の電源電圧、すなわちコンデンサCの
出力電圧Vcの関係は、インバータINV1、INV2
における上側トランジスタと、下側トランジスタのオン
期間の比で定まり、2つのモータコイルM1、M2の中
性点間の電位差は、バッテリB電圧E(=|Vz1−V
z2|)である。従って、インバータINV1、INV
2の上側トランジスタと、下側トランジスタのオン期間
の比(変調率)によって、コンデンサCの両端電圧が決
定されることになる。
【0034】また、インバータINV1、INV2は、
内部のスイッチングトランジスタをPWM制御すること
によって、モータコイルM1、M2の中性点電位Vz
1,Vz2を制御する。ここで、上側トランジスタのオ
ン期間と下側トランジスタのオン期間の比(変調率)
は、図4(a)、4(b)に示すように、三角波である
搬送波の一周期に対する電圧指令値の振幅の割合であ
る。すなわち、電圧指令値を高くすると、それだけ三角
波が指令値を上回る期間が少なくなる。そして、三角波
が指令値を上回る期間を各相の上側トランジスタのオン
期間、下側トランジスタのオフ期間とすることで、上下
トランジスタのオン期間の比(すなわち変調率)が決定
される。図4(a)には、インバータINV1の変調率
d1が示されており、図4(b)には、インバータIN
V2の変調率d2が示されている。
【0035】このように、変調率によって、中性点電位
が決定され、この中性点電位とコンデンサ電圧の比は、
変調率で決定される。さらに、2つの中性点電位の電位
差は、バッテリBの電圧Eである。従って、変調率と、
コンデンサ電圧Vcの間には、次の関係がある。
【0036】Vc=E/(d1−d2) そこで、両インバータINV1、INV2の変調率を制
御することで、コンデンサ電圧Vcを決定することがで
きる。
【0037】なお、上述の例では、インバータの搬送波
周期Tsに対し、デッドタイムをおかずにスイッチング
トランジスタをオンオフした。すなわち、デューティー
比50%の場合には、上下トランジスタとも50%の期
間オンするようにした。しかし、スイッチング期間にお
ける貫通電流を完全になくすために、上下トランジスタ
を両方ともオフするデッドタイムTdを設ける場合も多
い。この場合には、上述の式は、次のように書き換えて
適用される。
【0038】Vc=E/{(d1−Td/Ts)−(d
2+Td/Ts)} このように、デッドタイムを設ける場合においても、変
調率d1,d2を制御することでコンデンサ電圧Vcを
決定することができる。
【0039】さらに、図5には、さらに他の変形例を示
してる。この例では、モータコイルとして、M1,M
2,M3の3つを有している。そして、モータコイルM
1,M2の中性点間がバッテリB1で接続され、モータ
コイルM2,M3の中性点間がバッテリB2で接続され
ている。また、モータコイルM1には、インバータIN
V1の出力が接続され、モータコイルM2には、インバ
ータINV2の出力が接続され、モータコイルM3に
は、インバータINV3の出力が接続されている。そし
て、インバータINV1,INV2,INV3の入力に
は、コンデンサCの両端が接続されている。
【0040】このようなシステムにおいて、コンデンサ
Cの出力電圧をVc、バッテリB1の出力電圧をE1、
バッテリB2の出力電圧をE2、インバータINV1の
変調率をd1、インバータINV2の変調率をd2、イ
ンバータINV3の変調率をd3とすると、これらには
次の関係がある。
【0041】Vc=E1/(d1−d2)=E2/(d
2−d3) 従って、この式を満足するようにして変調率d1,d
2,d3を制御することで、所望のコンデンサ電圧Vc
を得ることができる。また、E1/(d1−d2)と、
E2/(d2−d3)の値を異ならせることで、バッテ
リB1,B2間における電荷を輸送することができる。
【0042】なお、モータコイルM1,M2,M3の3
つとしたが、4以上としても同様の制御を行うことがで
きる。また、複数のモータコイルは、1つの電動機を構
成しても、複数の電動機を構成してもよい。
【0043】「振幅最大値の抑制」次に、本システムに
おける電流振幅最大値の抑制について説明する。これ
は、2つのモータコイルM1,M2への電流の分配を変
更することで達成する。
【0044】「実施形態の効果」実施形態に係る制御の
具体例を説明する前に、モータ出力と相電流との関係を
シミュレーションで示し、本発明の電流低減効果を示
す。
【0045】このシミュレーションは以下の手順で行っ
た。最初に、1つの相(ここでは、u相)の相電流iu
1を、一回転での平均値(直流成分)idcとそれ以外
の成分(交流成分)iacとに分ける。さらに、交流成
分iacについては、その振幅Iacで規格化した関数
g(θ)を導入する。
【0046】すなわち、
【数1】 とする。
【0047】つづいて、本システムの電池電圧Eとコン
デンサ電圧Vcの関係から電圧Vwを定義する。これ
は、相電流の振幅Iacは、コンデンサ電圧Vcから電
池電圧Eを減算した電圧が最大値になるからである。ま
た、同時に各コイルに印加される電圧vvは上述の電流
iacと一定の位相差(力率cosφ)で推移すると仮
定する。
【0048】すなわち、
【数2】Vw=Vc−E (6) vv=Vwg(θ+φ) (7) とする。
【0049】また、モータ出力Woと各コイルがする仕
事との関係は、コイルが6本あるので、次式のように整
理できる。
【0050】
【数3】 また、モータ出力は損失が十分に小さいとしてWo=i
eEと近似できる。この関係より次式を得る。
【0051】
【数4】ie=Wo/E (13) 以上より、各相コイルを流れる電流は式(12)、(1
3)で求められるIac,ieを利用し次式で求められ
る。ただし、ieのリップル分は考慮していない。
【0052】
【数5】 次に、解析に用いる条件を示す。電池電圧E=42V
または105V、コンデンサ電圧Vc=210V(昇圧
率Vc/E=5,または2)、力率cosθ=0.8
で、モータ出力Woに対する交流電流振幅の大きさの最
大値の通電方法による違いを示す。
【0053】この結果を、図6〜図8に示す。これらの
図は、昇圧率の違いによる相電流最大値の違いを示して
おり、横軸がモータ出力、縦軸が相電流最大値(ima
x)、実線が相電流最大値、波線が相電流最大値のうち
の直流成分(ie/3)を示している。
【0054】図6は従来の通電時の相電流最大値、図7
は零相リップル非許容条件での最大抑制通電時の相電流
最大値、図8は零相リップル許容条件での最大抑制通電
方法(4.2.2 節)時の、相電流最大値を示してい
る。
【0055】これらの図より以下のことがわかる。
【0056】・いずれの場合にも、相電流の大きさは昇
圧率により大きく変化し、昇圧率が高いほうが相電流に
占める直流成分の比率が大きい。
【0057】・また、通電法の違いによる相電流の大き
さの抑制効果が確認できる。
【0058】・Wo=40kW、昇圧比5倍で相電圧の
最大値(交流成分、直流成分)を比較すると、図6の従
来通電では、最大値477A(159,317A)、図
7では、454A(136,317A)、図8では、4
02A(85,317A)である。
【0059】「本発明の基本となる従来の通電方法の説
明」図6に示す2YDC可変型インバータの従来の通電
方法について、説明する。図3に示す2YDC可変型イ
ンバータに、通常流される相電流iu1,iv1,iw
1,iu2,iv2,iw2は、零相電流をie、交流
電流振幅をA、ロータ回転数、回転角をそれぞれω,θ
(θ=ωt)とすれば、次式で表される。
【0060】
【数6】 ここで、A=1(A),ie=3(A)とすると、式
(15)〜(20)は、図9の関係が有る。ただし、図
9は上段から、iu1,iu2各々の電流が1段目、i
u1とiuとの電流の和が2段目、相電流をdq軸変換
した後のd軸電流id1,id2が3段目、q軸電流i
q1,iq2が4段目、最終段が零相電流ieの3分の
1(1相分)を示してある。
【0061】ここで、リラクタンストルクを考えなけれ
ばiq1+iq2がモータトルクに寄与する電流成分
(今回のケースでは、磁石位置を解析に入れていないの
で、iu1+iu2がモータトルクに寄与する電流成分
ともいえる)、ieが電池とコンデンサ間を流れる電流
である。そして、この時の相電流の大きさの最大値は
2.00(A)である。図9の関係のうち、モータ駆動
トルクを発生するための電流と電池・コンデンサ間の電
流の条件は、式(21)で書くことができる。
【0062】
【数7】 さらに、式(22)、(23)を導入することにより、
式(21)は以下のようにも書きかえられる。なお、式
(24)において、id,iqは、dq軸で表される電
流成分で、ここではコンスタントとなる。
【0063】
【数8】 モータのコイル間に位相差がある場合(あるスター結線
のコイル位置と、他のスター結線のコイル位置とが角度
ξでずれている場合)には、通電される電流は式(2
5)〜(30)の様に書きかえられ、式(24)は式
(31)となる。
【0064】
【数9】 A=1(A)、ie=3(A)、ξ=30°とすると、
式(25)〜(30)は、図10の関係が有る。このよ
うに、コイルの位相差を考慮した場合にも図9と同様の
関係があることが分かる。
【0065】「実施形態の2YDC可変型インバータの
説明」図7の実施形態では、零相電流におけるリップル
の発生を許容せずに相電流の最大値を抑制する。
【0066】すなわち、本実施形態では、図3の2YD
C可変型インバータにおいて、相電流iu1,iv1,
iw1に対し所定の関数を加算することで、最大振幅を
抑制する。そして、加算した関数を相電流iu2,iv
2,iw2から減算することで、モータの出力トルクを
変動させることなく、電流の最大振幅を抑制する。ま
た、本実施形態では、零相電流のリップルを許容しな
い。
【0067】モータ出力トルクおよび零相電流の大きさ
を変えずに、電流振幅を減少させるためには、相電流i
u1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2は、式
(21)の関係を満足する必要がある。すなわち、次式
(32)を満足する必要がある。この式は、各スター結
線の対応する相の電流の和が正弦波であり、かつ各スタ
ー結線内の各相の電流の総和が零相電流の値、若しくは
零相電流の値の符号を変えたものに等しいことを意味し
ている。
【0068】
【数10】 ここで式(32)の左辺の行列のランクが4だから、2
つのフリーパラメータfu(θ),fv(θ)を導入
し、式(32)を満足するように、以下のような十分条
件に書きかえることができる。
【0069】
【数11】 ここで、fu(θ),fv(θ),fw(θ)が、設計
に利用できるパラメータ(自由度は2)である。
【0070】従って、式(33)〜(42)を満たすf
u(θ),fv(θ),fw(θ)(自由度は2)を与
えることで、出力トルクおよび零相電流を変動させるこ
となく、相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv
2,iw2を変動させることができる。そして、fu
(θ),fv(θ),fw(θ)を相電流iu1,iv
1,iw1,iu2,iv2,iw2の最大振幅を減少
するように選択することで、所期の目的を達成すること
ができる。
【0071】図8の実施形態では、条件を緩和し、零相
電流におけるリップルの発生を許容して、相電流の最大
値を抑制する。この場合には、式(39)の条件をはず
すことができる。従って、fu(θ),fv(θ),f
w(θ)を選択する場合の自由度が広がる。そして、相
電流の最大値をより小さくすることが可能となる。
【0072】また、上述の説明では、2つのモータコイ
ルM1,M2間に位相差がないことを前提とした。実際
には、コイル間に位相差を持たせて配置する場合も多
い。この場合には、コイル電流に対応した位相差を持た
せることで、位相差を持たせたことの影響を排除する。
【0073】このような各スター結線のコイル間に位相
差ξを持つ場合には、式(31)が、式(21)に変わ
る条件となる。すなわち、モータ発生トルクや零相電流
の大きさを変えずに電流振幅を減少するためには、相電
流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2
が、式(43)を満足する必要がある。この式は、各ス
ター結線の対応するdq軸電流の和が一定であり、かつ
各スター結線内の各相の電流の総和が零相電流の値、若
しくは零相電流の値の符号を変えたものに等しいことを
意味している。
【0074】
【数12】 ここで、式(43)を満たす解の1つとして、前述の場
合と同様に以下の結果が導かれる。
【0075】
【数13】 ここで、fu(θ),fv(θ),fw(θ),hu
(θ),hv(θ),hw(θ)が、設計に利用できる
パラメータである。さらに、ξ=0°の時、式(3
3)、(42)の関数は、式(44)、(59)を満た
す。
【0076】そして、式(44)〜(59)を満たすf
u(θ),fv(θ),fw(θ),hu(θ),hv
(θ),hw(θ)を与えることで、出力トルクおよび
零相電流を変動させることなく、相電流iu1,iv
1,iw1,iu2,iv2,iw2を変動させること
ができる。さらに、fu(θ),fv(θ),fw
(θ),hu(θ),hv(θ),hw(θ)を相電流
iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2の最
大値を抑制できる形にすることで、所期の目的を達成す
ることができる。
【0077】また、条件を緩和し、零相電流にリップル
電流を許せば、式(50)、(51)の条件に代り、f
u+fv+fw+hu+hv+hw=0が条件となる。
【0078】「零相電流にリップルを許さない場合の具
体例」コイル間位相差ξ=0°で、上述の条件を満足す
る通電方法は、fu(θ),fv(θ),fw(θ)を
式(60)〜(62)のように設定することにより得ら
れる。なお、式のg1は、式(40)〜(42)の条件
を満たすために入れた定数で、この場合はg1=0.8
67である。
【0079】
【数14】 A=1(A),ie=3(A)の場合について、fu
(θ)の波形をiu1と比較し、図11、図12に示
す。図11は、fu(θ)の図とiu1の図の縦軸のス
ケールをあわせたもの、図12は、fu(θ)の波形を
見やすくするために拡大したものである。図より、fu
(θ)の波形は正弦波のピーク部分を60度幅で切り出
し、それを正側負側正側の順にならべ、負側の大きさを
正側の2倍に設定した波形となっている。すなわち、i
u1の最大ピークのところを最も抑制する波形となって
いる。
【0080】従って、このような形のfu(θ),fv
(θ),fw(θ)をサインカーブに加算することによ
って相電流を最大電流を抑制することができ、かつこれ
に基づく出力トルクの変化はない。さらに、この例で
は、零相電流を発生しないという条件も満たしている。
【0081】さらに、式(60)〜(62)の条件を用
いた結果を図13に示す。図より、以下のことがわか
る。
【0082】・零相電流 零相電流はie=3(A)であり、リップル成分は含ま
れない。
【0083】・トルク モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9
と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0084】・相電流の大きさ 相電流の大きさの最大値は、1.866(A)である。
大きさの内訳は、交流による成分が0.866A、直流
による成分が1Aである。
【0085】このように、式(60)〜(62)に示す
fu(θ),fv(θ),fw(θ)を利用することに
よって、零相電流、モータ出力トルクに影響を与えるこ
となく、相電流の最大値を抑制することができる。
【0086】また、ξ=0°で、零相電流にリップルを
許さない場合の他の例として、3倍の高調波で交流振幅
を変調する場合を示す。
【0087】すなわち、A=1(A),ie=3(A)
の場合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、
図14に示す。この波形は、元々の交流波形の振幅を3
倍の周波数を持つ正弦波で、次式のように変調した波形
になっている。
【0088】
【数15】 さらに、式(63)と(64)はつぎのように整理でき
る。
【0089】
【数16】 ここで、fu(θ)=αsin(3θ)Asin(θ)
とおけば、式(33)〜(42)の条件を満足する。す
なわち、fu(θ)=αsin(3θ)Asin(θ)
に設定することで、下記のような結果が得られる。
【0090】図14は、このfu(θ)を示したもので
ある。さらに、このfu(θ)を用いた結果を図15に
示す。図より、以下のことがわかる。
【0091】・零相電流 零相電流は平均値はie=3(A)である。その大きさ
は、加えたfu(θ)の3倍の振幅である。
【0092】・トルク モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9
と同等であり、意図どおりのトルクを発生している。
【0093】・相電流の大きさ 相電流の大きさの最大値は1.872(A)である。大
きさの内訳は、交流による成分が0.872A、直流に
よる成分が1Aである。
【0094】次に、各スター結線間のコイル位置に位相
差が30°ずれた場合(ξ=30°)の結果を図16に
示す。この図より、以下のことがわかる。
【0095】・零相電流 零相電流は、ie=3(A)であり、リップル成分は含
まれない。
【0096】・トルク モータトルクを発生する電流(idとiq)は図9と同
等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0097】・相電流の大きさ 相電流の大きさの最大値は、1.866(A)である。
大きさの内訳は、交流による成分が0.866A、直流
による成分が1Aである。
【0098】・相電流の波形 ここで用いた指令値は、電流の大きさを抑制するため
に、急峻に変化する波形である。しかし、実際の場合に
は、これをフィルタリングし高周波成分を除くことによ
り実現する。ただし、その場合は若干電流の抑制効果は
悪くなる。
【0099】「零相電流にリップルを許す場合の具体
例」ξ=0°で、零相電流リップルを許す条件で、相電
流の大きさを抑制できる通電方法の1つは、fu
(θ)、fv(θ),fw(θ)を式(67)〜(6
9)のように流すことである。なお、式のg2は、式
(40)〜(42)の条件を満たすために入れた定数
で、この場合はg2=−0.637である。
【0100】
【数17】 A=1(A)、ie=3(A)の場合について、fu
(θ)の波形をiu1と比較し、図17に示す。さら
に、式(67)〜(69)の条件を用いた結果を図18
に示す。図より、以下のことがわかる。
【0101】・零相電流 零相電流の平均値はie=3(A)であるが、リップル
成分が含まれその大きさは0.46Aである。
【0102】・トルク モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9
と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0103】・相電流の大きさ 相電流の大きさの最大値は、1.63(A)である。大
きさの内訳は、交流による成分が0.63A、直流によ
る成分が1Aである。
【0104】次に、ξ=0°で、零相電流にリップルを
許す場合のその他の方法の一例として、6倍の高調波を
加える場合を示す。A=1(A)、ie=3(A)の場
合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、図1
9に示す。なお高調波の振幅は、相電流が最小になるよ
うに最適化した値を用いている。
【0105】さらに、このfu(θ)を用いた結果を図
20に示す。図より、以下のことがわかる。
【0106】・零相電流 零相電流は平均値はie=3(A)であるが、リップル
成分が含まれる。その大きさは、加えたfu(θ)の3
倍の振幅である。
【0107】・トルク モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9
と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0108】・相電流の大きさ 相電流の大きさの最大値は1.96(A)である。大き
さの内訳は、交流による成分が0.96A、直流による
成分が1Aである。
【0109】このように、上記実施形態にによれば、ト
ルクの増減を伴うことなく、相電流の最大電流値を抑制
することができ、モータとしての機能を損なうことな
く、デバイスの電流容量を下げられるので,同等性能を
保ちつつ、システムの低コスト化を実現できる。トルク
リップルを抑制することで、モータの機能を十分なもの
にできる。
【0110】また、電流抑制には、高周波成分が電流に
重畳する必要がある。このため、高周波域まで電流を制
御することが必要になる。しかし、回転数により制御を
切り替えることにより、より効果的な制御が可能にな
る。
【0111】すなわち、電流値が大きい低回転域で振幅
最大値抑制を行うため、元々の制御周波数帯域が低いの
で,高調波を重畳しても制御が極端に難しくはならな
い。一方、高回転域では従来法を用いるため前述の高周
波重畳時の制御問題は発生しない。さらに、中回転領域
において、零相電流のリップルを抑制することで、適切
な制御が行える。
【0112】このような制御の切り替えにより、電流抑
制による制御上の問題を回避しつつ,電流抑制を実現で
きる。
【0113】「一体型駆動装置」上述のように、本実施
形態によれば、2つの三相コイル24、26を有し、こ
れによって1つのモータを構成するシステムが示されて
いる。そして、このようなモータをインバータと一体形
成することが好適である。
【0114】図21には、全体的な構成が示されてい
る。筐体100内の一方側には、インバータ110が配
置される。例えば、このインバータ110は、2つのイ
ンバータ回路30、32を含んでおり、1つの基板11
2上に形成される。インバータ110は、複数パワート
ランジスタなどの素子114から構成され、このインバ
ータ110と、ステータ(ステータコイル)150が配
線116で接続されている。なお、図においては、配線
116を1つだけ示したが、インバータ110の出力端
のそれぞれがステータ150の各入力端に接続されてい
る。また、仕切り120と基板112の間には、内部に
冷却水路を含む冷却板118が配置されており、これに
よって素子114を冷却している。
【0115】筐体100の仕切り120には、その中心
部に軸受け(ベアリング)122が設けられ、ここにシ
ャフト130が軸支される。筐体100のインバータ1
10の反対側には、シャフト130が貫通される位置に
軸受け(ベアリング)124が設けられ、この軸受け1
24を介し、シャフト130が筐体100から突出され
ている。
【0116】シャフト130の筐体内の中間部には、ロ
ータ140が配置され、このロータ140を取り囲むよ
うに、ステータ150が配置されている。このロータ1
40とステータ150は、図21の右図に示すように、
円筒形のロータ140を同心状に中空円筒状のステータ
150が取り囲む形になっている。
【0117】この例では、ステータ150は、周方向に
4つの部分ステータp1,p2,p3,p4に分割され
ており、4極対(ポール)のモータである。そして、こ
の部分ステータp1,p2,p3,p4は、それぞれが
三相コイル24、26を含んでいる。従って、部分ステ
ータp1において、2つの三相コイル24、26が設け
られている。そして、部分ステータは4つあるため、2
つの三相コイル24、26は、各相のコイルがそれぞれ
直列接続され、全体として6相のコイルとなっている。
【0118】そして、この2つの三相コイル24、26
の6つのコイル端部にインバータ回路30、32の出力
端がそれぞれ接続される。この接続は、筐体100内で
行われる。一方、直流電源40は、外付けであり、筐体
100に設けられた一対の電池用端子(それぞれが三相
コイル24、26の中性点に接続されている)に接続さ
れる。
【0119】また、この例では、コンデンサ38も外付
けで形成されている。そこで、インバータ回路30、3
2の正極母線34と、負極母線36に接続される一対の
端子が筐体100に設けられ、ここに外付けのコンデン
サ38が接続される。なお、コンデンサ38を、筐体1
00内に収容することも好適である。これによって、外
部配線をさらに減少することができる。
【0120】また、すべての部分ステータp1〜p4
に、それぞれ三相コイル24、26の両方を配置する必
要はない。例えば、部分ステータp1、p3に三相コイ
ル24を配置し、部分ステータp2、p4に三相コイル
26を配置してもよい。この場合、部分ステータp1、
p3の各相コイルがそれぞれ直列接続され、部分ステー
タP2、p4の各相コイルがそれぞれ直列接続される。
【0121】この構成であっても、三相コイル24、2
6の端部は6つであり、三相コイル24の3つの端部に
インバータ回路30の3つの出力端が接続され、三相コ
イル26の3つの出力端にインバータ回路32の3つの
出力端が接続される。
【0122】さらに、図22には、他の例が示されてい
る。この例では、三相コイル(ステータコイル)24、
26をロータ140のシャフト130方向において、分
割して形成されている。図において、左側が三相コイル
24、右側が三相コイル26である。4極対のモータで
あれば、各三相コイル24、26共、4つの部分ステー
タに分割され、各部分ステータの各相のコイルが直列接
続される。従って、3相のコイルがシャフト130の長
さ方向に2つ配置されることになる。この構成において
も、三相コイル24、26のコイル端は3つずつであ
り、インバータ回路30、32との接続に変更はない。
【0123】なお、上述の例では、4極対のモータにつ
いて説明したが、2極対以上であれば、何極対でもよ
い。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コイルの中性点に電池を接続することで、電池の電力を
コンデンサに輸送して昇圧することができる。そして、
このような昇圧機能を有するにも拘わらず、別体の昇圧
コンバータは不要であり、インバータ一体型駆動装置を
得ることができる。
【0125】また、本発明よれば、一対のスター結線コ
イルの中性点間に電池を接続する装置では、2つのスタ
ー結線コイルの中性点間の電位差が規定されるだけであ
って、それぞれのスター結線コイルの平均電位(中性点
電位)自体は任意に設定することができる。そこで、コ
ンデンサ電圧(インバータ入力電圧)について、幅広い
制御を行うことができる。
【0126】また、第1および第2のスター結線のコイ
ルのうちの一方のコイルに供給する電流の最大振幅値を
減少させ、その減少分に対応する電流を他方のコイルに
供給する電流に加算することで、最大電流を低減するこ
とができ、インバータやコイルも小さくすることがで
き、好適な一体型駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である動力出力装置20の
構成の概略を示す構成図である。
【図2】 2Yモータ22の三相コイル24と三相コイ
ル26との関係を説明する説明図である。
【図3】 2YDCの装置構成を示す図である。
【図4】 電圧指令値と、インバータ搬送波の関係を示
す図である。
【図5】 モータコイルを3つとした例を示す図であ
る。
【図6】 従来の通電方法における電流最大振幅値を示
す図である。
【図7】 零相リップル非許容時における電流低減の場
合の電流最大振幅値を示す図である。
【図8】 零相リップル許容時における電流低減の場合
の電流最大振幅値を示す図である。
【図9】 従来の相電流と零相電流などを示す図であ
る。
【図10】 従来の相電流と零相電流など(コイル間位
相差作がある場合)を示す図である。
【図11】 リップル電流を抑制する場合における相電
流と関数fを示す図である。
【図12】 図11の拡大図である。
【図13】 リップル電流を抑制する場合における相電
流などを示す図である。
【図14】 3倍の高調波で交流振幅を変調する場合に
おける相電流およびその振幅最大値を示す図である。
【図15】 3倍の高調波で交流振幅を変調する場合に
おける相電流などを示す図である。
【図16】 リップルを抑制する場合(位相差あり)に
おける相電流などを示す図である。
【図17】 リップル電流を許容する場合における相電
流および関数fを示す図である。
【図18】 リップル電流を許容する場合における相電
流などを示す図である。
【図19】 6倍の高調波で変調する場合における相電
流およびその振幅最大値を示す図である。
【図20】 6倍の高調波で交流振幅を変調する場合に
おける相電流などを示す図である。
【図21】 一体型駆動装置の概略図である。
【図22】 一体型駆動装置の他の例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
20 動力出力装置、22 2Yモータ、24,26
三相コイル、30,32 インバータ回路、34 正極
母線、36 負極母線、38 コンデンサ、40 直流
電源、50 電子制御ユニット、52 CPU、54
ROM、56RAM、61〜67 電流センサ、68
回転角センサ、T11〜T16,T21〜T26 トラ
ンジスタ、D11〜D16,D21〜D26 ダイオー
ド、Bバッテリ、C コンデンサ、INV1,INV2
インバータ、M1,M2モータコイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 英雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 荒川 俊史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 夫馬 弘雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 立松 和高 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 誠志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H115 PA11 PG04 PI16 PU01 PU21 PV02 PV23 SE10 TZ05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スター結線のコイルと、 このコイルの中性点に接続され、電池に接続するための
    電池用端子と、 前記コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電
    力を多相交流に変換してコイルに供給するインバータ
    と、 このインバータの入力側に接続され、インバータに直流
    電力を供給するコンデンサに接続するためのコンデンサ
    用端子と、 を含み、 これらを1つの筐体内に収容し、電池の電力をコイル、
    インバータを介し前記コンデンサに輸送することが可能
    なインバータ一体型駆動装置。
  2. 【請求項2】 スター結線の第1コイルと、 スター結線の第2コイルと、 この第1および第2コイルの中性点にそれぞれ接続さ
    れ、一対の中性点間に電池を接続するための一対の電池
    用端子と、 前記第1コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直
    流電力を多相交流に変換して第1コイルに供給する第1
    インバータと、 前記第2コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直
    流電力を多相交流に変換して第2コイルに供給する第2
    インバータと、 この第1および第2インバータの共通接続された入力側
    に接続され、コンデンサに接続するための第2端子と、 を含み、 これらを1つの筐体内に収容し、電池の電力を第1およ
    び第2コイル、第1および第2インバータを介し前記コ
    ンデンサに輸送することが可能なインバータ一体型駆動
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 前記第1コイルおよび第2コイルに近接して、1つのロ
    ータを配置し、前記第1および第2コイルによって、1
    つのロータを回転駆動するインバータ一体型駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の装置におい
    て、 第1および第2のスター結線のコイルのうちの一方のコ
    イルに供給する電流の最大振幅値を減少させ、その減少
    分に対応する電流を他方のコイルに供給する電流に加算
    するインバータ一体型駆動装置。
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