JP4138362B2 - 炭素繊維の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維の前駆体である繊維を耐炎化処理した後、炭素化処理する炭素繊維の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、通常、炭素繊維の前駆体である繊維を耐炎化処理した後、炭素化処理することによって製造される。
【0003】
炭素繊維の前工程の耐炎化処理において、前駆体繊維は通常束ねて撚られた糸条(ストランド)として耐炎化炉に投入される。この耐炎化炉内は酸化雰囲気にされており、この耐炎化炉内に上記前駆体ストランドを走行させて熱処理(耐炎化処理)することにより耐炎化ストランドを得る。
【0004】
この耐炎化処理は長時間を必要とするため、前駆体ストランドの耐炎化炉内における滞留時間を長くする必要がある。そのためには、耐炎化炉内を走行している前駆体ストランドの長さを長くすれば良い。
【0005】
また、炭素繊維の生産量を上げる場合、即ち耐炎化ストランドの生産量を上げる場合も、耐炎化炉内を走行している前駆体ストランドの長さを長くしてストランドの走行量を多くすれば良い。
【0006】
耐炎化炉内を走行している前駆体ストランドの長さを長くするには、前駆体ストランドは一旦耐炎化炉の外部に出た後、耐炎化炉の外部に配設された折返しローラーによって折り返されて耐炎化炉に繰り返し通過させる方法が通常採られる。
【0007】
耐炎化処理後のストランドは、後工程の炭素化炉に搬送される。この炭素化炉内は不活性ガス雰囲気にされており、この炭素化炉内に上記耐炎化ストランドを走行させて熱処理(炭素化処理)することにより炭素化ストランド(炭素繊維)を得る。
【0008】
上記の耐炎化炉におけると同様に、炭素化炉においても炭素繊維の生産量を上げる場合は、炭素化炉内を走行している耐炎化ストランドの量を多くすれば良い。
【0009】
しかし、炭素化炉においては大量の分解物が発生するので、耐炎化ストランドを炭素化炉に繰り返し通過させると上記分解物でストランドが汚染されて炭素繊維の品質が低下する問題を生ずる。
【0010】
炭素化炉内を走行している耐炎化ストランドの量を多くするのに、炉長を長くするのには限界がある。なお、耐炎化ストランドの生産量を上げて大量に生成した耐炎化ストランドを横1列に配置して炭素化炉に投入することは、炭素化炉の耐炎化ストランドの投入口が扁平な形状になって水平方向に広がり過ぎるため熱効率が悪くなる問題を生ずる。
【0011】
また、特開平7−70828号公報には、耐炎化炉から出た多数の耐炎化ストランドを複数のストランド群に分割し、各ストランド群は水平方向には幅寄せがされ、鉛直方向にはストランド群毎に段を形成されることにより、炭素化炉の耐炎化ストランドの投入口を扁平な形状にすることなく熱効率を上げる方法が開示されている。
【0012】
しかし、この方法は水平方向にストランドの幅寄せがされるため、ストランドに無理な力が掛かりケバが発生して炭素繊維の品質が低下する問題を生ずる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、解決すべき上記問題について鋭意検討した結果、炭素繊維の製造装置を、鉛直方向に二段以上配置された耐炎化炉と、前記耐炎化炉の下流側に炭素化炉とを有してなる装置であって、前記炭素化炉が前記各段の耐炎化炉から搬出された耐炎化ストランドの投入口を具備してなる装置とすることにより、炭素繊維の生産量を上げるに際し、分解物でストランドが汚染されることなく、ストランドにケバが発生することなく、炭素化炉の耐炎化ストランドの投入口が扁平な形状になって水平方向に広がり過ぎることなく、熱効率良く、良品質の炭素繊維を製造できることを知得し、本発明を完成するに至った。
【0014】
従って、本発明の目的とするところは、上記問題を解決した炭素繊維の製造装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0016】
〔1〕 上流側に耐炎化炉、下流側に炭素化炉を有してなる炭素繊維の製造装置であって、前記耐炎化炉が鉛直方向に複数台配置され、前記複数台の耐炎化炉から各搬出される耐炎化ストランドを鉛直方向に幅寄せする幅寄せ手段を耐炎化炉と炭素化炉との間に配設してなる炭素繊維の製造装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一形態を示す炭素繊維の製造装置の構造を表した概略側面図である。
【0019】
図1中、2は上段耐炎化炉であり、4は下段耐炎化炉であり、これら独立した耐炎化炉2及び4は鉛直方向に二台配置されている。耐炎化炉2及び4の上部側には、それぞれ前駆体ストランド6及び8が投入される。
【0020】
これら前駆体ストランド6及び8は、それぞれ酸化雰囲気にされた耐炎化炉2及び4内を耐炎化処理されつつ走行した後、一旦耐炎化炉2及び4の外部に出、次いで耐炎化炉2及び4の外部に配設された折返しローラー10a及び12aによって折り返されて耐炎化炉2及び4内を再び通過して耐炎化処理される。
【0021】
以後、前駆体ストランド6及び8は、それぞれ耐炎化炉2及び4内の走行、並びに、折返しローラー10b、10c、10d及び12b、12c、12dによる折返しを繰り返し耐炎化処理される。
【0022】
耐炎化炉2及び4において、それぞれ耐炎化処理され耐炎化炉2及び4の下部側から搬出された耐炎化ストランド14及び16は、ストランド搬送用ローラー18a、18b及び20a、20bからなる幅寄せ手段を経ることにより鉛直方向に幅寄せされた後、炭素化炉22の前段の予備炭素化炉24に具備されたストランド投入口26及び28から予備炭素化炉24に投入される。
【0023】
予備炭素化炉24内は不活性ガス雰囲気にされている。耐炎化ストランド14及び16は、炭素化炉24内を炭素化処理(予備炭素化処理)されつつ走行した後、予備炭素化炉24を出て、炭素化炉22の後段の本炭素化炉30に投入される。
【0024】
本炭素化炉30内も予備炭素化炉24内と同様に不活性ガス雰囲気にされている。予備炭素化処理されたストランド32及び34は、本炭素化炉30内を炭素化処理されつつ走行した後、炭素繊維36及び38として本炭素化炉30から搬出される。
【0025】
図1において、40a、40b及び42a、42bは、それぞれ炭素繊維36及び38の搬送用ローラーである。
【0026】
上記例においては、耐炎化炉を鉛直方向に二台積重したが、これに限られず任意の台数の耐炎化炉を積重し、各耐炎化炉から取出される耐炎化ストランドを鉛直方向に幅寄せして、その後の工程に送ることができる。また、幅寄せ手段もローラーに限られずガイド棒等適宜選択できる。
【0027】
更に、予備炭素化炉を省略しても良く、その他本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形しても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明の炭素繊維の製造装置では、耐炎化炉を鉛直方向(高さ方向)に配置する段数が複数段であるため、耐炎化ストランド及び炭素繊維の生産量を容易に多くすることができる。
【0029】
また、本発明の炭素繊維の製造装置では、各段の耐炎化炉から搬出された耐炎化ストランドを、水平方向(幅方向)に幅寄せすることなく搬送して炭素化炉に投入できるので、ストランドに無理な力が掛からずケバが発生することなく、更に炭素化炉の耐炎化ストランドの投入口が扁平な形状になって水平方向に広がり過ぎることなく、熱効率良く、良品質の炭素繊維を製造できる。
【0030】
更にまた、本発明の炭素繊維の製造装置は、幅方向にコンパクトな設備である。そのため、耐炎化炉の機台を増設していく場合、高さ方向に高くしていけば良く(P炉)、設置面積を拡げる必要がないので有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態を示す炭素繊維の製造装置の構造を表した概略側面図である。
【符号の説明】
2 上段耐炎化炉
4 下段耐炎化炉
6、8 前駆体ストランド
8ab 側壁
10a、10b、10c、10d、12a、12b、12c、12d 折返しローラー
14、16 耐炎化ストランド
18a、18b、20a、20b ストランド搬送用ローラー
22 炭素化炉
24 予備炭素化炉
26、28 ストランド投入口
30 本炭素化炉
32、34 予備炭素化処理されたストランド
36、38 炭素繊維
40a、40b、42a、42b 炭素繊維の搬送用ローラー
Claims (1)
- 上流側に耐炎化炉、下流側に炭素化炉を有してなる炭素繊維の製造装置であって、前記耐炎化炉の外部には、炉内に投入された後、炉内を走行している前駆体ストランドが一旦耐炎化炉の外部に出た後、折り返されて耐炎化炉に繰り返し通過させるための折返しローラーを配設し、前記耐炎化炉が鉛直方向に複数台配置され、前記複数台の耐炎化炉から各搬出される耐炎化ストランドを鉛直方向に幅寄せする幅寄せ手段を耐炎化炉と炭素化炉との間に配設し、前記炭素化炉の炭素繊維搬出側の外部には、炭素繊維の搬送用ローラーを配設してなる炭素繊維の製造装置。
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