JP4138223B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4138223B2
JP4138223B2 JP2000303906A JP2000303906A JP4138223B2 JP 4138223 B2 JP4138223 B2 JP 4138223B2 JP 2000303906 A JP2000303906 A JP 2000303906A JP 2000303906 A JP2000303906 A JP 2000303906A JP 4138223 B2 JP4138223 B2 JP 4138223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tire
low air
sheet
ply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000303906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002103906A (ja
Inventor
康弘 楢原
拓士 楠本
雅之 坂本
篤 山蔭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2000303906A priority Critical patent/JP4138223B2/ja
Priority to US09/968,542 priority patent/US6814118B2/en
Priority to EP01308434A priority patent/EP1195270A3/en
Publication of JP2002103906A publication Critical patent/JP2002103906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4138223B2 publication Critical patent/JP4138223B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気圧保持力を最内側のカーカスプライに持たせることにより従来的なインナーライナを実質的に排除し、耐久性を維持しつつ軽量化を達成した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
チューブレスの空気入りタイヤでは、通常、内圧空気を気密に保持するために、カーカスの内側に低空気透過性ゴム組成物からなるインナーライナが内貼りされている。しかし、このようなタイヤにあっても、近年の強い低燃費化等の要望に伴って、さらなる軽量化が望まれている。
【0003】
そのために、例えば特開平6−156007号公報、及び特開平8−113007号公報等に示す如く、最内側のカーカスプライのトッピングゴムを前記低空気透過性ゴム組成物で形成し、このカーカスプライに空気保持力を持たせることにより前記インナーライナを排除したインナーライナレス構造のタイヤが提案されている。
【0004】
他方、カーカスプライaは、従来、図10(A)に示すように、カーカスコードが長手方向に平行に引き揃えられたコード配列体bをトッピングゴムcにより被覆してなる長尺の1次プライdを原反として形成される。詳しくは、この1次プライdを、長さ方向に対して所望の角度α(例えばラジアルタイヤでは75〜90゜程度)でかつカーカスプライaの巾相当の長さLaで切断片d1・・・ に切断する一方、各切断片d1の非切断側の端部de、de間を順次連結(1次継ぎj1)することにより、カーカスコードが長手方向に対して前記角度αで配列する長尺な継ぎシートhを2次プライfとして形成する。そして、図10(B)に示すように、この2次プライfを1周長さで切断しその周方向の両端部fe、fe間を連結(2次継ぎj2)することによって、前記カーカスプライaを形成している。
【0005】
このとき、前記1次継ぎj1、及び2次継ぎj2には、通常、図11(A)に示すように、端部de、de間、及び端部fe、fe間を重ね合わせて圧着することにより重ね継ぎ部gが形成される。従って、前述のインナーライナレス構造のタイヤでは、この複数の重ね継ぎ部gの接合ラインg1がタイヤ内腔面で露出することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、空気入りタイヤでは、加硫成形する際、タイヤ内腔面をブラダにより押圧することによって生タイヤを金型面に押付け、加硫成形しており、このときブラダと生タイヤとの間の架橋を防ぐため、タイヤ内腔面には予め離型剤が塗付される。この離型剤(所謂インサイドペイント)は、溶剤により溶解或いは分散されたペイント状をなし、通常、スプレーガン等を用いて吹付け塗付される。
【0007】
従って、インナーライナレス構造の如く、タイヤ内腔面に複数の接合ラインg1が露出する場合には、この接合ラインg1で離型剤が噛み込みやすくなる。その結果、該接合ラインg1を起点としてクラックが発生し易くなり、空気圧保持性や耐久性を著しく低下させるという問題がある。
【0008】
そこで本発明者は、図11(B)に示すように、前記2次プライfとして、前記継ぎシートhの1面にカバーゴムシートiを貼設し、1次継ぎによる重ね継ぎ部gを予め被覆保護したものを使用する、或いは成形ドラムに予めカバーゴムシートiを巻回し、その上に継ぎシートhを貼設し1次継ぎおよび2次継ぎによる重ね継ぎ部gを被覆保護することを提案した。しかし係る場合においても、カーカスコードへの被覆厚さが薄い場合には、加硫時のゴム流れによって離型剤を噛み込んでしまい、同様に、クラックが発生する恐れがあることが判明した。
【0009】
そこで本発明は、タイヤ内腔面側に離型剤を塗布することなく加硫することを基本として、離型剤の噛み込みに起因するクラック等の発生を効果的に抑制でき、従来的なインナーライナレス構造に匹敵する軽量化を達成しつつ、優れた耐久性や空気圧保持力を確保しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の空気入りタイヤの発明は、カーカスコードが平行に引き揃えられたコード配列体をトッピングゴムにより被覆した1次プライを斜め切りしかつ1次継ぎしてなる継ぎシートにより若しくはこの継ぎシートの1面にカバーゴムシートを貼設することにより形成される2次プライを1周長さとししかも周方向の両端部で2次継ぎすることにより、
又は前記継ぎシートを1周長さとししかも成形ドラムに予め巻回したカバーゴムシート上に貼設しつつ周方向の両端部で2次継ぎすることにより、
タイヤ内腔を囲んでビードコア間に架け渡される1枚以上のカーカスプライを形成し、
しかも最内側のカーカスプライは、タイヤ内腔側に向けた前記トッピングゴムの内側部分又は前記カバーゴムシートによりタイヤ内腔面を形成するとともに、
前記最内側のカーカスプライのトッピングゴムの前記内側部分は、ジエン系ゴムの50〜90重量%と、ハロゲン化ブチルゴム若しくはイソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物である低空気透過性ゴムの10〜50重量%とを含むとともに、粘着添加剤が添加され、かつ可塑剤を排除した低空気透過性ゴム組成物からなる。
【0011】
又請求項1の空気入りタイヤは、前記カバーゴムシートが、前記内側部分の低空気透過性ゴム組成物、若しくは前記低空気透過性ゴムの配合量を高めた良低空気透過性ゴム組成物からなるとともに
前記内側部分と反対の外側部分は非低空気透過性ゴム組成物を用い、
かつ前記最内側のカーカスプライは、カーカスコードの内縁からタイヤ内腔面までのゴム 厚さを0.2〜0.7mmとするとともに
タイヤ内腔面側に離型剤を塗布することなく加硫したことを特徴としている。
【0012】
また請求項2の発明では、前記1次継ぎ、2次継ぎされることにより生じる接合ラインを覆って、前記ビードコア間方向にのびるゴムストリップ層を添設したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤが乗用車用タイヤである場合の子午断面を示している。
【0014】
図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびるサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置しかつビードコア5を埋設したビード部4とを具える。又タイヤ1には、前記ビードコア5、5間にカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方には強靱なベルト層7が配される。
【0015】
前記ベルト層7は、高弾性のベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10゜〜35゜の角度で傾斜配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される場合を例示する。このベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差するように向きを違えて配され、これによるコードのトライアングル構造によってベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して補強する。
【0016】
又前記カーカス6は、図2に示すように、カーカスコード10をタイヤ周方向に対して例えば75〜90度の角度αで配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ9から形成される。このカーカスプライ9は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るプライ本体部6Aと、本例では、このプライ本体部6Aに連なりかつ前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向外側から内側に折返されるプライ折返し部6Bとを有する、所謂1−0構造を具えている。なお要求により、2枚のカーカスプライ9、9を用いた所謂2−0構造、或いは所謂1−1構造のものも好適に採用しうる。
【0017】
ここで、前記カーカスプライ9は、図3の如く、カーカスコード10が長手方向に沿って平行に引き揃えられたコード配列体11をトッピングゴム12により被覆してなる長尺の1次プライDを原反として形成される。この1次プライDは、長さ方向に対して前記角度αでかつカーカスプライ9の巾相当の長さLaで切断片D1・・・ に切断され、しかる後、各切断片D1の非切断側の端部De、De間を順次連結(1次継ぎJ1)することによって切断片D1の継ぎシート16を形成する。
【0018】
そして、本実施例においては、図4(A)、(B)に示すように、前記継ぎシート16のみによって2次プライFを形成し、この2次プライFを1周長さで切断した後、その周方向の両端部Fe、Fe間を連結(2次継ぎJ2)することによって、最内側のカーカスプライ9Aを形成した場合を例示している。
【0019】
又本発明のタイヤ1では、図5(A)、(B)に示すように、前記最内側のカーカスプライ9Aに空気圧保持力を付与することにより、従来的なインナーライナを実質的に排除している。即ち、最内側のカーカスプライ9Aは、タイヤ内腔H側に向けた前記トッピングゴム12の内側部分12iによりタイヤ内腔面HSを形成している。
【0020】
又前記空気圧保持力を付与するために、そのトッピングゴム12の前記内側部分12iを、低空気透過性ゴム組成物13で形成している。
【0021】
なお本例では、前記外側部分12oに、ゴム基材としてジエン系ゴムを90重量%より多く使用した非低空気透過性ゴム組成物14を用いた場合を例示しており、このジエン系ゴムとして、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどを、単独或いは組み合わせて使用できる。
【0022】
又前記低空気透過性ゴム組成物13は、ゴム基材として、前記ジエン系ゴムの50〜90重量%と、ハロゲン化ブチルゴム若しくはイソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物の10〜50重量%とを含んだものを使用している。これによって、低空気透過性と、他のゴム部材やカーカスコード10との接着性との両立を図っている(以下に、ハロゲン化ブチルゴム及びイソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を、低空気透過性ゴムという場合がある。)。なお接着性の観点から、前記範囲内において、前記ジエン系ゴムの含有量を65重量%以上とし、又低空気透過性ゴムの含有量を35重量%以下とするのが好ましい。
【0023】
前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、及び臭素化ブチルゴムが使用できる。
【0024】
又前記イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物としては、特に制限はないが、接着性の観点から、イソブチレン含有量が、89〜97重量%、好ましくは89〜95重量%、とくに好ましくは89〜93重量%であるのがよい。なお市販のイソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物としては、例えばエクソン化学社製のEXXPRO90−10、EXXPRO 89−4、EXXPRO93−5などがある。
【0025】
お、前記低空気透過性ゴム組成物13における接着性をより高く確保するために、粘着付与剤を添加するとともに、可塑剤の使用を排除している。この粘着付与剤として、例えばクマロン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体などがあり、ゴム基材100重量%に対して、1〜10重量部、さらには3〜10重量%、さらには3〜8重量%を配合することが接着性の観点から好ましい。又前記可塑剤としては、ミネラルオイル、アロマオイルなどの鉱物油系軟化剤、植物系軟化剤、フタル酸誘導体などが知られており、通常、ゴムの加工性や柔軟性の向上のために添加させるが、本例では、接着性を減じる傾向があるため使用していない。
【0026】
又前記最内側のカーカスプライ9Aでは、カーカスコード10の内縁からタイヤ内腔面HSまでのゴム厚さT2を0.2〜0.7mmとすることが必要であり、0.2mm未満では、耐エアリーク性能の低下が大きく必要な空気圧保持力を確保することができなくなる。又0.7mmをこえると、重量が不必要に増加し、インナーライナレス構造による軽量化のメリットが損なわれる。
【0027】
次に、前記1次継ぎJ1、及び2次継ぎJ2は、前記図5(B)に示すように、端部De、De間、及び端部Fe、Fe間を互いに重ね合わせて圧着することにより行われ、これによって重ね継ぎ部20、21が形成される。
【0028】
この重ね継ぎ部20、21では、その接合ライン20A、21Aがタイヤ内腔面HSで露出し、従って、離型剤がタイヤ内腔面HSにスプレーガン等で塗付される時には、その一部が露出部分から浸入するなど離型剤の噛み込みが生じ、クラックの起点となりやすい。
【0029】
そこで、本発明では、タイヤ内腔面HS側に離型剤を塗布することなく加硫成形することによりタイヤ1を形成している。
【0030】
このとき、タイヤ内腔面HSとブラダとの間の架橋を防ぐため、本例では、ブラダ側に離型剤を塗布している。このブラダ用離型剤として、本願では特に規制されないが、例えばアミド化合物及びシリコンをガソリン等の有機溶剤で溶解した組成物が使用でき、この組成物をブラダ表面に塗布した後、防爆室内で自然乾燥(ガソリンを揮発)させることにより離型用被膜を形成する。なおブラダ用離型剤としては、例えば、特開昭59−106948号公報、特開平6−134769号公報、特開平8−323773号公報などで提案されている種々の組成物が好適に使用できる。
【0031】
次に、最内側のカーカスプライ9Aの他の例を図6(A)、(B)に示す。本例では、前記継ぎシート16と、その一面に貼設される薄いカバーゴムシート17とによって2次プライFを形成した場合を例示している。即ち、最内側のカーカスプライ9Aは、タイヤ内腔H側に向けた前記カバーゴムシート17によりタイヤ内腔面HSを形成している。
【0032】
係る構造では、図7(A)の如く、前記継ぎシート16に生じる接合ライン20Aの露出部分を、前記カバーゴムシート17によって被覆、保護できるため、露出部分からの離型剤の噛み込み抑制が期待できる。
【0033】
しかしながら、前記カバーゴムシート17による重量増加を抑えるためには、その厚さ相当分だけ、前記内側部分12iを薄く形成し、カーカスコード10の内縁からタイヤ内腔面HSまでの前記ゴム厚さT2を、前述と同様の0.2〜0.7mmの範囲に維持することが重要となる。その結果、この被覆構造においても、前記ゴム厚さT2を0.2〜0.7mmの範囲に低く規制した場合には、加硫時のゴム流れに起因して離型剤の新たな噛み込みを誘発する恐れが発生する。
【0034】
従って、本例においても、タイヤ内腔面HS側に離型剤を塗布することなく加硫成形することが必要となる。
【0035】
なお前記内側部分12iの薄肉化においても充分な耐エアリーク性を確保するため、前記カバーゴムシート17として、前記低空気透過性ゴム組成物13と同じ、或いはそれよりも低空気透過性ゴムの配合量を高めた良低空気透過性ゴム組成物を使用することが好ましい。
【0036】
なお同一組成の場合には、カバーゴムシート17と内側部分12iとは、境界線Pが実質的に生じることなく完全に一体化され、優れた接合強度を保持できる。このことは、逆にカバーゴムシート17が貼着されているかどうかを不明瞭なものとするが、前記重ね継ぎ部20、21の各厚さTA、TBを比較することによりカバーゴムシート17の有無は判断できる。又、良低空気透過性ゴム組成物の場合には、境界線Pによって、さらには前記厚さTA、TBの比較によってカバーゴムシート17の有無は判断できる。
【0037】
なお前記カバーゴムシート17は、重ね継ぎ部21にあっては、図7(B)の如く、この重ね継ぎ部21におけるゴムボリュームを増加せしめ、加硫時のゴム流れを促す。その結果、接合ライン21Aにおける接合強度が高まり、2次継ぎに起因するクラックの発生を抑制しうる。しかし、このクラックの発生抑制をより確実とするために、前記タイヤ内腔面HSに、前記接合ライン21Aを覆って、前記ビードコア5、5間方向にのびるゴムストリップ層22を添設するのが好ましい。
【0038】
このゴムストリップ層22は、本例では、厚さT1が0.1〜0.5mm、かつ巾W1が5〜80mmの薄い帯状をなし、前記接合ライン21Aの露出部分を被覆、保護することにより、クラックの発生を抑制する。なお厚さT1が0.1mm未満、及び巾W1が5mm未満では、抑制効果が低下し、逆に厚さT1が0.5mmより大、及び巾W1が80mmより大では、重量が不必要に増加し、インナーライナレス構造による軽量化のメリットが損なわれるだけでなく、タイヤのユニフォミティーにも悪影響を及ぼす。このため巾W1は25〜50mm程度がより好ましい。
【0039】
このゴムストリップ層22は、耐エアリーク性能の観点から低空気透過性ゴム組成物で形成するのが好ましく、このとき、前記内側部分12iと同じ、若しくは同種組成の低空気透過性ゴム組成物、或いは異種組成の低空気透過性ゴム組成物とすることができる。ここで、前記「同種組成」とは、ゴム基材を構成するゴムの種類が同じでその配合割合が異なるものを意味し、又「異種組成」とは、ゴム基材を構成するゴムの種類自体が相違するものを意味する。なお前記ゴムストリップ層22を、非低空気透過性ゴム組成物で形成することもできる。
【0040】
又前述のごとく、前記外側部分12oに、非低空気透過性ゴム組成物14を用いている。
【0041】
なお前記外側部分12oが非低空気透過性ゴム組成物14で形成されているので、前記内側部分12iと外側部分12oとの境界線Kは、本例の如くカーカスコード10の内縁よりも外側に位置させることが、軽量化と耐エアリーク性能との観点から好ましい。
【0042】
又前記1次継ぎJ1では、例えば図8に示すように、端部De、De間を端面を付き合わせてジッパー状に接合する場合もあるが、係る場合にも、継ぎシート16の1面にカバーゴムシート17を貼設し、この継ぎ部24を被覆するのが好ましい。
【0043】
次に、最内側のカーカスプライ9Aのさらに他の例を図9に示す。本例では、先にカバーゴムシート17を成形ドラムに巻回し、その外周面上に1周長さ分の前記継ぎシート16を貼設しつつその両端部を2次継ぎすることによりカーカスプライ9Aを形成している。
【0044】
この構造では、前記カバーゴムシート17により、タイヤ内腔面HSが形成されるとともに接合ライン20A、21Aの双方が被覆、保護される。
【0045】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0046】
【実施例】
図1に示す構造をなすタイヤサイズが195/65R15のタイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ重量、耐エアリーク性能(空気圧保持性)、耐久性をそれぞれ測定するとともに、従来タイヤと比較しその結果を表1に記載する。なお表1に用いたゴム組成物の組成を表2に記載する。
【0047】
(1)タイヤ重量:
タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来タイヤを100とする指数で表示している。値が小さい方が軽量である。
【0048】
(2)耐エアリーク性能(空気圧保持性):
試供タイヤを、リム(15×6JJ)に装着し、かつ内圧(300kPa)を充填した後、90日間自然放置したときの内圧低下率を従来タイヤを100とする指数で表示している。値が小さい方が良好である。
【0049】
(3)耐久性
試供タイヤを、リム(15×6JJ)に装着し、かつ内圧(190kPa)を充填して、ドラム上で荷重(6.96kN)、速度(70km/h)で走行させ、タイヤ外表面に損傷が発生するまでの走行距離を、従来タイヤを100とした 時の指数で表示した。指数は大きい方が良好である。
【0050】
【表1】
Figure 0004138223
【0051】
【表2】
Figure 0004138223
【0052】
表1に示すように、実施例のタイヤでは、インナーライナレス構造において、そのメリットを生かしながら、耐久性を大巾に向上できるのが確認できる。
【0053】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は構成しているため、離型剤の噛み込みに起因するクラック等の発生を効果的に抑制でき、従来的なインナーライナレス構造に匹敵する軽量化を達成しつつ、優れた耐久性や空気圧保持力を確保しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】そのカーカスプライの2次継ぎを示す斜視図である。
【図3】1次プライと継ぎシートとを説明する線図である。
【図4】(A)、(B)は、2次プライの一例、及びそれによって形成されるカーカスプライを説明する線図である。
【図5】(A)、(B)は、前記カーカスプライにおける1次継ぎ及び2次継ぎを拡大して示す断面図である。
【図6】(A)、(B)は、カーカスプライの他の例を説明する線図である。
【図7】(A)、(B)は、前記カーカスプライにおける1次継ぎ及び2次継ぎを拡大して示す断面図である
【図8】1次継ぎの他の例を示す断面図である。
【図9】カーカスプライのさらに他の例を説明する線図である。
【図10】(A)、(B)は、カーカスプライの形成過程を説明する線図である。
【図11】(A)、(B)は、従来の問題点を説明するカーカスプライの重ね継ぎ部の断面図である。
【符号の説明】
5 ビードコア
9 カーカスプライ
9A 最内側のカーカスプライ
10 カーカスコード
11 コード配列体
12 トッピングゴム
12i 内側部分
12o 外側部分
13 低空気透過性ゴム組成物
16 継ぎシート
17 カバーゴムシート
20、21 重ね継ぎ部
D 1次プライ
F 2次プライ
J1 1次継ぎ
J2 2次継ぎ
H タイヤ内腔
HS タイヤ内腔面

Claims (2)

  1. カーカスコードが平行に引き揃えられたコード配列体をトッピングゴムにより被覆した1次プライを斜め切りしかつ1次継ぎしてなる継ぎシートにより若しくはこの継ぎシートの1面にカバーゴムシートを貼設することにより形成される2次プライを1周長さとししかも周方向の両端部で2次継ぎすることにより、
    又は前記継ぎシートを1周長さとししかも成形ドラムに予め巻回したカバーゴムシート上に貼設しつつ周方向の両端部で2次継ぎすることにより、
    タイヤ内腔を囲んでビードコア間に架け渡される1枚以上のカーカスプライを形成し、
    しかも最内側のカーカスプライは、タイヤ内腔側に向けた前記トッピングゴムの内側部分又は前記カバーゴムシートによりタイヤ内腔面を形成するとともに、
    前記最内側のカーカスプライのトッピングゴムの前記内側部分は、ジエン系ゴムの50〜90重量%と、ハロゲン化ブチルゴム若しくはイソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物である低空気透過性ゴムの10〜50重量%とを含むとともに、粘着添加剤が添加され、かつ可塑剤を排除した低空気透過性ゴム組成物からなり、
    前記カバーゴムシートは、前記内側部分の低空気透過性ゴム組成物、若しくは前記低空気透過性ゴムの配合量を高めた良低空気透過性ゴム組成物からなるとともに、
    前記内側部分と反対の外側部分は非低空気透過性ゴム組成物を用い、
    かつ前記最内側のカーカスプライは、カーカスコードの内縁からタイヤ内腔面までのゴム厚さを0.2〜0.7mmとするとともに、
    タイヤ内腔面側に離型剤を塗布することなく加硫したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記1次継ぎ、2次継ぎされることにより生じる接合ラインを覆って、前記ビードコア間方向にのびるゴムストリップ層を添設したことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
JP2000303906A 2000-10-03 2000-10-03 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4138223B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000303906A JP4138223B2 (ja) 2000-10-03 2000-10-03 空気入りタイヤ
US09/968,542 US6814118B2 (en) 2000-10-03 2001-10-02 Pneumatic tire with specified airtight layer on inner surface
EP01308434A EP1195270A3 (en) 2000-10-03 2001-10-02 Pneumatic tyre

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000303906A JP4138223B2 (ja) 2000-10-03 2000-10-03 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002103906A JP2002103906A (ja) 2002-04-09
JP4138223B2 true JP4138223B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=18785035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000303906A Expired - Fee Related JP4138223B2 (ja) 2000-10-03 2000-10-03 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4138223B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7403305B2 (ja) * 2019-12-13 2023-12-22 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002103906A (ja) 2002-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2962658B2 (ja) 空気入りチューブレスタイヤ
US20060042740A1 (en) Pneumatic tire and manufacturing method of the same
CN104114379B (zh) 充气轮胎
JP3825884B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
KR101948514B1 (ko) 필름 인너라이너층을 갖는 공기입 타이어 및 제조 방법
JP2005238759A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2009083537A (ja) タイヤ用のカーカスプライ材料、及びそれを用いた空気入りタイヤ
EP2045106B1 (en) Heavy-duty pneumatic tire
JP3568334B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP4138223B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3588319B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3441720B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4477755B2 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JP3667017B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3917416B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP3681246B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3393853B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3393852B2 (ja) 空気入りタイヤ及びそれに用いるプライ
JP2002103907A (ja) 空気入りタイヤ
JP2004345414A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
EP3315321B1 (en) Pneumatic tire
JP2004066980A (ja) 空気入りタイヤ
JP3708676B2 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ及びその製造方法
JP3252098B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6965686B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees