JP4137626B2 - コンクリート埋設物の固定具 - Google Patents
コンクリート埋設物の固定具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4137626B2 JP4137626B2 JP2002369937A JP2002369937A JP4137626B2 JP 4137626 B2 JP4137626 B2 JP 4137626B2 JP 2002369937 A JP2002369937 A JP 2002369937A JP 2002369937 A JP2002369937 A JP 2002369937A JP 4137626 B2 JP4137626 B2 JP 4137626B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- opening
- fixture
- box
- buried object
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
- Connection Or Junction Boxes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート壁等に埋設される配線ボックス等を型枠に固定するためのコンクリート埋設物の固定具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の壁や床または天井(スラブ)等をコンクリートにより形成する場合において、そのコンクリート壁等に配線ボックス等を埋設する場合、型枠の内面に固定治具を固定し、その固定治具に配線ボックス等を固定した状態で、コンクリートを打設する。例えば、プレキャストコンクリート(PC)工法により製造するPC壁では、PC壁内に配線ボックス等を埋設する場合、PC型枠の内面に固定治具を固定し、その固定治具に配線ボックス等を固定した状態で、コンクリートを打設する。かかる固定治具として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【特許文献1】
特開平9−9455号公報
【0003】
特許文献1に記載の技術は、電気配線ボックスを固定治具に外嵌させることにより、電気配線ボックスの側壁を押し拡げ、電気配線ボックスの側壁の内面に形成した凹凸を固定治具の対応する凹凸に嵌め合わせて固定する。そして、特許文献1に記載の技術は、コンクリート打設後にPC型枠を除去するときに、プラスチック材料からなる電気配線ボックス自体の弾性を利用して、電気配線ボックスの側壁を外方に押し拡げ、固定治具を電気配線ボックスから強制的に引き抜く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このとき、電気配線ボックスは固化したコンクリートに埋設された状態にあり、電気配線ボックスの側壁が外方に変形することは実際上不可能である。よって、固定治具を電気配線ボックスから強制的に引き抜くときに、電気配線ボックスの側壁(開口部)が変形、破損等するおそれがある。電気配線ボックスの開口部が変形、破損等すると、後に電気配線ボックスに配線器具等を固定する際に、その配線器具の確実な固定等が妨げられることがある。例えば、電気スイッチ等の固定状態を不安定にしたり、コンセント等にかかる負荷を不安定にしたりするという問題を生じる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、ボックス等をPC型枠等の型枠に簡単かつ確実に固定することができると共に、型枠除去の際も、ボックス等を変形、破損等することがなく、ボックス等から確実に取り外すことができるコンクリート埋設物の固定具の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るコンクリート埋設物の固定具は、型枠にボックスまたはボックスカバーからなるコンクリート埋設物を固定すべく、前記型枠の内面に固着手段により固着されるコンクリート埋設物の固定具であって、前記コンクリート埋設物を外嵌することにより、前記コンクリート埋設物の開口部から前記コンクリート埋設物の内部に挿入される挿入部を備え、前記挿入部には、前記コンクリート埋設物に挿入された状態で、前記コンクリート埋設物が前記型枠の内面に沿って位置ずれするのを防止する位置ずれ防止部と、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して前記挿入部の挿入を許容すると共に、前記挿入部の挿入後は前記屈撓状態からの弾性的な自己復帰により前記コンクリート埋設物と係合して、前記コンクリート埋設物が前記型枠から離間するのを防止する弾性係合爪部とを形成してなり、前記挿入部は、前記位置ずれ防止部を基端側に形成すると共に、前記弾性係合爪部を前記位置ずれ防止部から突設して先端側に形成してなり、前記弾性係合爪部は、その先端に先端爪部を形成すると共に、前記コンクリート埋設物との係合後、当該コンクリート埋設物を前記挿入部から取外す方向に引張力を加えたときに、前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して当該開口部の前記挿入部からの離脱を許容するよう、前記先端爪部を断面略三角形状とし、前記挿入部は、更に、前記弾性係合爪部の先端爪部より高く突出し、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、前記弾性係合爪部に先立って前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に沿って内部に挿入され、前記開口部への前記挿入を案内すると共に、前記開口部の内方への前記弾性係合爪部の後退移動を円滑化する案内部を形成してなり、前記案内部は、前記コンクリート埋設物の開口部の対向する位置に対をなすよう設けられ、前記挿入部に前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、前記対をなす案内部が前記弾性係合爪部の先端爪部の当接に先立って前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に均等に当接して内部に挿入され、この位置決め状態で、前記開口部の内周縁が前記弾性係合爪部の先端爪部に当接するようにしてなる。
【0007】
請求項2に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1の構成において、前記弾性係合爪部が、前記ボックスカバーの開口部から挿入され、前記先端爪部を前記ボックスカバーの背面側に当接して掛止することにより、前記ボックスカバーを固定する。
【0008】
請求項3に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1の構成において、前記コンクリート埋設物が開口部を有するボックスであり、前記ボックスは前記開口部の内面にボス部を突設したものであり、前記弾性係合爪部は、前記ボックスの開口部から挿入され、前記先端爪部を前記ボックスのボス部の背面側に当接して掛止することにより、前記ボックスを固定する。
【0009】
請求項4に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、更に、前記挿入部の基端側に形成され、前記型枠の内面に密接して配置自在な固定座と、前記固定座に一体的に設けられ、前記固定座を前記型枠の内面に固着する固着手段とを備える。
【0010】
請求項5に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、前記型枠がプレキャストコンクリート型枠である。
【0011】
請求項6に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記型枠が強磁性体材料からなると共に、前記固着手段は磁石を有し、前記磁石を前記型枠の内面に磁力で圧着することにより、前記固定座を前記型枠の内面の所定位置に固着すると共に、前記磁石による固着力を、前記コンクリート埋設物を前記挿入部から取外す方向に引張力を加えたときの当該引張力より大きくなるよう設定した。
【0012】
請求項7に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記型枠が金属製であると共に、前記固着手段は金属製の固定台座を有し、前記固定台座を前記型枠の内面に溶接することにより、前記固定座を前記型枠の内面の所定位置に固着する。
【0013】
請求項8に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項4の構成において、更に、前記固定座の外周縁には、前記型枠の墨出し線に合致させることにより前記コンクリート埋設物を前記型枠の定位置に固着させる小突起を一体形成した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0015】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具を示す平面図である。図2は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具を示す底面図である。図3は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の側面を示す半断面図である。図4は図1のA−A線断面図である。図5は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の本体を平面側から見て示す斜視図である。図6は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の本体を平面側から見て示す斜視図である。
【0016】
実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具は、型枠にコンクリート埋設物を固定すべく、前記型枠の内面に取り付けられる。図1〜図4に示すように、固定具は、本体10と、固定磁石51と、皿ねじ52と、板ナット53とを備える。図5および図6に示すように、本体10は、固定具の全体形状を規定するものであり、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料等より、挿入部20と固定座40とを一体形成してなる。挿入部20は、コンクリート埋設物を外嵌することにより、コンクリート埋設物の開口部からコンクリート埋設物の内部に挿入される部分であり、本体10の主要部分を占める。詳細には、挿入部20は、位置ずれ防止部21と、弾性係合爪部22とを有する。位置ずれ防止部21は、略長方形環状(略小判環状)の側壁状をなし、左右一対の直線部21aと、四隅に存在するコーナ部21b,21cとを有している。なお、位置ずれ防止部21aの上下一対の凹部21dは、それぞれ、コーナ部21b及びコーナ部21c間で内方に窪んだ形状をなしている。なお、上下一対の凹部21dは対称形状となっている。
【0017】
前記挿入部20は、位置ずれ防止部21を基端側に形成すると共に、弾性係合爪部22を位置ずれ防止部21から突設して先端側に形成してなる。即ち、前記弾性係合爪部22は、前記直線部21aの先端(図3および図4中の上端)から上方に突出するよう一体形成されている。具体的には、各直線部21aの長さ方向に、一対の弾性係合爪部22が所定間隔をおいて並設して設けられている。各弾性係合爪部22は、図4に示すように、直線部21aと同一肉厚で上方に延びる弾性変形部22aと、弾性変形部22aの先端側に一体形成された先端爪部22bとを有している。先端爪部22bは、弾性変形部22aの外側面より外側に突出する断面略三角形状をなし、上端から下方外側に向けて傾斜する傾斜面22cを有している。
【0018】
前記挿入部20には、更に、案内部23が一体形成されている。詳細には、案内部23は、各直線部21aにおける中央位置、即ち、弾性係合爪部22の間に立設して形成されている。各案内部23は、挿入部20の下端から上方に向かって延びる断面略コ字状の長板状をなしている。案内部23は、その凹部側を外側にして配置されている。案内部23の凹部側の端面(外側端面)は、直線部21a及び弾性係合爪部22の外側端面と面一となっている。また、案内部23の凹部側と反対側の端面(内側端面)は、直線部21a及び弾性係合爪部22の内側端面より若干内方に位置している。更に、案内部23は、弾性係合爪部22から更に上方に高く突出する高さとなっている。なお、弾性係合爪部22と案内部23及び弾性係合爪部22とコーナ部21b,21cとの間には、それぞれ、スリット24が形成されている。ここで、位置ずれ防止部21の高さは、直線部22aで最も低く(弾性係合爪部22の下端の高さ位置)、コーナ部21bで中間程度(弾性係合爪部22の先端爪部22bより若干下方の高さ位置)となり、コーナ部21c及び凹部21dで最も高く(弾性係合爪部22の先端爪部22bの高さ位置)なっている。
【0019】
前記位置ずれ防止部21の内側には、前記直線部21aの高さ位置に、位置ずれ防止部21の内周形状と略同一形状の平板状の支持板25が一体形成されている。詳細には、支持板25は、コーナ部21b、コーナ部21c、凹部21d及び案内部23を連結する平板状であり、各弾性係合爪部22の内側面に対応する部分には、スリット26が貫通形成されている。スリット26は、弾性係合爪部22の内方への湾曲変形や後退移動をより効果的に行う等の機能を有する。また、スリット26の存在により、直線部21aもまた、弾性係合爪部22の内方への湾曲変形や後退移動に伴い、内方へ湾曲変形または後退移動することを許容される。これにより、直線部21aも、弾性係合爪部22の下端側において同様の機能を発揮することになる。図5に示すように、支持板25の上面には、上側半分の中央及び下側半分の中央に、それぞれ、小円筒状のボス部27が上方に延びるよう一体形成されている。ボス部27の上端は、コーナ部21c及び凹部21dの上端と同一高さ位置に配置されている。なお、両ボス部27間には、更に小径の円筒状をなす小ボス部28が上方に延びるよう一体形成されている。支持板25の上面には、前記ボス部27及び小ボス部28の各中心を結ぶよう、補強等の目的で長板状のリブ29が前後方向(図5の上下方向)に延びるよう一体形成されている。また、支持板25の上面には、前記ボス部27及び小ボス部28の各中心からそれぞれ左右に延びるよう、補強等の目的で三角板状のリブ30が一体形成されている。
【0020】
一方、前記固定座40は、挿入部20の外周縁下端から外側に張出し形成されている。具体的には、固定座40は、短辺を円弧状とした略長方形(略小判形)のリング板状をなし、その下面が型枠の内面に密接して配置される。固定座40の四辺の中央には、それぞれ、小突起41が同一肉厚で一体形成されている。一対の短辺の小突起41または一対の長辺の小突起41を型枠の墨出し位置(墨出し線)に合致させることにより、固定具を型枠の内面の定位置に正確に固着することができる。図6に示すように、前記支持板25の下面には、上側半分の中央及び下側半分の中央に、それぞれ、大円筒状の支持収容部31が下方に延びるよう一体形成されている。支持収容部31は、それぞれ、前記ボス部27と同心状に設けられている。また、支持収容部31の下端は、固定座40の下端と同一位置に配置されている。なお、両支持収容部31間には、更に小径の円筒状をなす小ボス部32が下方に延びるよう一体形成されている。小ボス部32は、前記小ボス部28と同一径及び同心状に配置される。支持板25の下面には、前記支持収容部31及び小ボス部32の各中心からそれぞれ左右に延びるよう、補強等の目的で長板状のリブ33が一体形成されている。なお、支持収容部31から左右に延びるリブ33はスリット26で終端となっている。
【0021】
前記固定磁石51は、固着手段を構成し、各支持収容部31内に収容される。各固定磁石51は中心に貫通孔(図示略)を有し、皿ねじ52がその貫通孔に挿入されている。一方、板ナット53は、ボス部27の上面に掛け渡して載置され、その両端付近の一対の雌螺子部53aに皿ねじ52の先端をそれぞれ螺入することにより、固定磁石51を支持収容部31内に収容保持して本体10に一体化している。
【0022】
図7は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス及びそのボックスカバーを示す分解側面図である。図8は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの底面図である。図9は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの平面図である。図10は本発明の実施の形態1に係る固定具によりコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーを固定した状態を示す側面図である。
【0023】
実施の形態1では、コンクリート埋設物として、図7〜図10に示すように、八角コンクリートボックス70及びそのボックスカバー80を想定している。八角コンクリートボックス70は、上下両端を開口した略正八角形筒状をなし、下端にボックスカバー80を凹凸の関係により弾性的に係合して装着する。また、その上端にはバックプレート(図示略)をネジ止め等して装着する。なお、かかる構成自体は公知であり、本発明の特徴を構成するものではないため、その詳細な説明は省略する。ボックスカバー80は、閉塞部81と固着部82とを備える。閉塞部81は、八角コンクリートボックス70の下端外周に外嵌及び圧入して装着される。
【0024】
固着部82は、略長方形環状(略小判環状)の側壁状をなし、同様の略長方形環状(略小判環状)をなす開口部83を有している。即ち、実施の形態1に係る固定具の位置ずれ防止部21は、かかるボックスカバー80の固着部82の内周面形状(開口部83の形状)に対応して、略長方形環状(略小判環状)の側壁状に形成されている。詳細には、位置ずれ防止部21は、固着部82の内形寸法(開口部83の寸法)に対応する外形寸法を有し、位置ずれ防止部21が固着部82の開口部83内に接触状態で挿入されるようになっている。また、位置ずれ防止部21は、ボックスカバー80の開口部83の直線部83a、コーナ部83b及びコーナ部83cに対応して、同様の形状の前記直線部21a、コーナ部21b及びコーナ部21cを形成している。更に、位置ずれ防止部21は、開口部83のネジ孔用や釘内孔用等のボス85に対応して、前記凹部21dを形成している。そして、固定具の挿入部22をボックス80の開口部83に完全に挿入した状態では、前記位置ずれ防止部21の直線部21aが開口部83の直線部83aの全面に、コーナ部21bがコーナ部83bのほぼ全面に、コーナ部21cがコーナ部83cのほぼ全面に、凹部21dがボス85外周面の一部に、それぞれ密接する。
【0025】
次に、実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具を使用して、一体化したコンクリートボックス70及びボックスカバー80を型枠に固定する作業について説明する。
実施の形態1では、コンクリートボックス70を埋設するコンクリート体として、PC工法によるPC壁を想定している。まず、固定具の固定座40側をPC型枠(鋼板等の金属板製)の内面の所定位置に載置する。このとき、固定磁石51がPC型枠に磁力により強固に固着し、固定具をPC型枠の所定位置に位置決めして固着することができる。また、このとき、固定座40の小突起41をPC型枠の墨出し位置(墨出し線)に合致させることにより、固定具をPC型枠の内面の所定位置に正確に位置決めして固着することができる。これにより、図10に示すように、固定座40がPC型枠Fの内面に固着し、挿入部20が上方に突出状態で配置される。
【0026】
次に、ボックスカバー80の固着部82の開口部83を、固定具の挿入部20に上方から対応させて外嵌する。このとき、まず、固定具において最も高さの高い左右一対の案内部23の上端に、ボックスカバー80の開口部83の直線部83aの中央付近が接触し、左右の2点でボックスカバー80を固定具に対して位置決めする。即ち、このとき、案内部23が、弾性係合爪部22に先立ってボックスカバー80の開口部83の周縁に沿って内部に挿入され、開口部83への挿入部22の挿入を案内すると共に、開口部83の内方への弾性係合爪部22の後退移動を円滑化する。また、このとき、案内部23は、ボックスカバー80の開口部83の対向する位置に対をなすよう設けられるため、挿入部22にボックスカバー80を外嵌する際に、開口部83の周縁に均等に当接して内部に挿入される。そして、この位置決め状態で、固着部82の下端内周縁が、挿入部20の弾性係合爪部22の傾斜面22c上端付近に当接する。また、このとき、開口部83のコーナ部83c下端とボス部85下端とが、位置ずれ防止部21のコーナ部21c上端と凹部21d上端とにそれぞれ接触する。そして、この状態で、ボックスカバー80を更に押し下げて、開口部83を固定具の挿入部20に外嵌していくと、弾性係合爪部23が、開口部83の直線部83aによって押圧され、開口部83の内方へ屈撓状態で後退して、開口部83内への挿入部22の挿入を許容する。このとき、ボックスカバー80の左右においては、左右一対の案内部23による位置決めに加え、左右で対をなす弾性係合爪部22の傾斜面22c自体も、挿入部22の左右両辺において線的にボックスカバー80を固定具に対して位置決めする。このため、ボックスカバー80を安定して簡単かつ確実に固定具の挿入部22に外嵌して装着することができる。
【0027】
ボックスカバー80の挿入部83の下端内周縁が固定具の弾性係合爪部22の傾斜面22cを乗り越えると、図10に示すように、弾性係合爪部22が前記屈撓状態からの弾性的な自己復帰によりボックスカバー80の開口部83の上端内周縁と係合する。具体的には、弾性係合爪部22の先端爪部22bの下面がボックスカバー80の開口部83の背面側(内底面側)の上端内周縁部を掛止する。すると、固定具の挿入部22がボックスカバー80の開口部83に完全に挿入される。これにより、ボックスカバー80を固定具の弾性係合爪部22の先端爪部22bにより固定して、コンクリートボックス80がPC型枠Fから離間するのを確実に防止することができる。したがって、PC型枠FにPC壁用のコンクリートを打設する際の流体圧や振動等によっても、コンクリートボックス70及びそのボックスカバー80がPC型枠Fから離間することを確実に防止することができる。
【0028】
また、このとき、ボックスカバー80がPC型枠Fの内面に沿って位置ずれするのを位置ずれ防止部21により確実に防止することができる。具体的には、固定具の直線部21aが開口部83の直線部83aを、コーナ部21bがコーナ部83bを、コーナ部21cがコーナ部83cを、凹部21dがボス部85をそれぞれ当接支持する。即ち、固定磁石51を介してPC型枠Fに強固に固着する固定具が、ボックスカバー80を左右、四隅コーナ及び上下の6箇所において移動規制し、ボックスカバー80がPC型枠Fの面方向に移動することを阻止する。その結果、コンクリートボックス70及びそのボックスカバー80をPC壁内に高品質かつ高信頼度で埋設することができる。
【0029】
一方、コンクリート固化後にPC型枠FをPC壁から取外すと、ボックスカバー80の開口部83の内底面の周縁部が、固定具の弾性係合爪部22の先端爪部22bの掛止力を克服して先端爪部22bを乗り越え、固定具の弾性係合爪部2によるボックスカバー80の固定が解除される。詳細には、(ボックスカバー80を一体化した)PC壁を(固定具を一体化した)PC型枠Fから引き離す力(引張力)が、前記弾性係合部22によるボックスカバー80の掛止力を超えた時点で、弾性係合爪部22が開口部83の内方へ屈撓状態で後退して、開口部83の挿入部22からの離脱を許容する。なお、固定磁石51による固定具のPC型枠Fへの固着力は、上記引張力より充分大きく、このときに固定具がPC型枠Fから離脱することはない。また、このとき、弾性係合爪部22の内面側に形成したスリット26により、弾性係合爪部22の後退が円滑化される。
【0030】
上記のようにして、実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具は、ボックスカバー80を含むコンクリートボックス70等の配線ボックス等をPC型枠等の型枠に簡単かつ確実に固定することができると共に、型枠除去の際も、配線ボックス等を変形、破損等することがなく、配線ボックス等から確実に取り外すことができる。
【0031】
実施の形態2
図11は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す平面図である。図12は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す底面図である。図13は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の側面を示す半断面図である。図14は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の固定台座を示す底面図である。図15は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の固定台座を示す側面図である。図16は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す正面図である。
【0032】
実施の形態2に係る固定具は、PC型枠Fに固着するための固着手段の構成において、実施の形態1の固定具と異なる。具体的には、図11〜図13に示すように、実施の形態2に係る固定具は、本体110と、固定台座151と、六角ナット152とを備えている。本体110の挿入部120は、実施の形態1の位置ずれ防止部21と、弾性係合爪122と、中間部123とを備える。弾性係合爪122は、実施の形態1の弾性係合爪22よりも(先端爪部の)爪の奥行きを小さく設定されている。また、実施の形態2では、挿入部120の左右においてそれぞれ対をなす弾性係合爪122のそれぞれの間には、実施の形態1のような案内部23は形成されず、弾性係合爪部122と同一高さの中間部123が形成されている。更に、位置ずれ防止部21の内側には、実施の形態1の支持板25と同様、直線部21aの高さ位置に、位置ずれ防止部21の内周形状と略同一形状の平板状の支持板125が一体形成されている。しかし、支持板125において各弾性係合爪部122の内側面に対応する部分には、実施の形態1のようなスリット26は形成されていない。
【0033】
一方、前記固定台座151は、実施の形態2の固着手段を構成し、挿入部120の底面側の中央に埋め込んで配置される。詳細には、固定台座151は、図14及び図15に示すように、長方八角形板状をなし、挿入部120の長さ方向に沿って配置される。また、固定台座151の下面がリブ33の下端面と面一となるよう、リブ33の中央部分(固定台座151対応部分)は、固定台座151の肉厚分だけ切欠き形成されている。一方、固定台座151の上面には、一対の雄ネジ152が直角に立設固定されている。雄ネジ152は、前記一対のボス27に整合する位置に配置されている。そして、雄ネジ151を挿入部120の底面側から貫通してボス27に挿入すると共に、雄ネジ151の先端部をボス27の上面側に突出させ、ナット153を螺合する。これにより、固定台座151を本体110に一体化して固定することができる。
【0034】
上記のように構成した実施の形態2に係る固定具は、実施の形態1の固定具と同様にして、ボックスカバー80をPC型枠Fに固定することができると共に、コンクリート打設時に、ボックスカバー80のPC型枠Fからの離間を防止することができる。また、コンクリート固化後は、実施の形態1の固定具と同様にして、ボックスカバー80をPC型枠Fから簡単に取外すことができる。このように、実施の形態2に係る固定具は、実施の形態1に係る固定具と同様の作用及び効果を発揮する。
【0035】
実施の形態3
図17は本発明の実施の形態3に係るコンクリート埋設物の固定具を平面側から見て示す斜視図である。図18は本発明の実施の形態3に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの底面図である。図19は図18のB−B線断面図である。
【0036】
実施の形態3では、コンクリート埋設物として、図18及び図19に示すように、四角コンクリートボックス270を想定している。四角コンクリートボックス270は、上端を閉塞し下端を開口した略正方形筒状をなしている。なお、かかる構成自体は公知であり、本発明の特徴を構成するものではないため、その詳細な説明は省略する。四角コンクリートボックス270は、内側面の4箇所に四角ブロック状のネジ止め用ボス部271を一体形成している。各ネジ止め用ボス部271は、その背面側(上面側)に凹部272を形成している。
【0037】
実施の形態3に係る固定具は、四角コンクリートボックス270の開口部の四角形状に対応して、略四角板状の全体形状を有している。詳細には、固定具は、本体210としての挿入部220と固定座240とを備える。挿入部220は、第1の位置ずれ防止部221aと、第2の位置ずれ防止部221bとを備える。第1の位置ずれ防止部221aは、挿入部220の一方の縁辺方向に連続的に延びる側壁状をなす。また、第2の位置ずれ防止部221bは、挿入部220の他方の縁辺方向に連続的に延びる側壁状をなすと共に、その長さ方向両端付近にそれぞれ内方に窪んだ凹部221cを形成している。合計4つの凹部221cは、前記四角コンクリートボックス270のネジ止め用ボス部271にそれぞれ対応する位置に配置されると共に、各凹部221cは、ネジ止め用ボス部271の外形に対応する内面形状を有している。また、各凹部221cの内側(奥側)には、上下方向に延びる弾性係合爪部222が一体形成されている。弾性係合爪部222は、前記四角コンクリートボックス270のネジ止め用ボス部271の凹部272に対応する位置に配置され、先端爪部により前記凹部272を掛止自在となっている。一方、第1の位置ずれ防止部221aの中央上端には、細板状の案内部223が上方に突出するよう一体形成されている。
【0038】
前記固定座240は挿入部の外延から四方に張り出し形成されると共に、挿入部220の第1及び第2の位置ずれ防止部221a,221bの内側を閉塞する略正方形板状をなす。また、挿入部220の第1及び第2の位置ずれ防止部221a,221bの内側には、補強等の目的でリブ230が一体形成されている。なお、図示はしないが、固定座240には、実施の形態1の固定磁石51や実施の形態2の固定台座151と同様の固着手段が一体的に設けられ、固着手段を介して、実施の形態3の固定具をPC型枠Fに固着自在となっている。
【0039】
このように構成した実施の形態3に係るコンクリート埋設物の固定具は、四角コンクリートボックス270のネジ止め用ボス部271を固定具の凹部222に対応させ、実施の形態1と同様にして、四角コンクリートボックス270の開口部を固定具の挿入部220に上方から外嵌することにより、弾性係合爪部222が前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して前記挿入部220の挿入を許容すると。また、前記開口部への挿入部222の挿入後は、弾性係合爪部222が前記屈撓状態からの弾性的な自己復帰により四角コンクリートボックス270の凹部272を掛止して、四角コンクリートボックス270がPC型枠Fから離間するのを防止する。
【0040】
一方、コンクリート固化後にPC型枠FをPC壁から取外すと、実施の形態1で述べたと同様にして、四角コンクリートボックス270のネジ止め用ボス部271の凹部272が、固定具の弾性係合爪部222の先端爪部の掛止力を克服して先端爪部を乗り越え、固定具の弾性係合爪部222による四角コンクリートボックス270の固定が解除される。
【0041】
ところで、上記各実施の形態は、PC工法によるPC壁にコンクリート埋設物を埋設する場合の固定具について説明したが、本発明は、例えば、通常のコンクリート壁等、その他のコンクリート壁にコンクリート埋設物を埋設する場合の固定具に適用することもできる。この場合、型枠としては通常のコンクリート型枠を想定する。また、コンクリート壁以外の、コンクリート床やコンクリート天井(スラブ)等に適用することも可能である。
【0042】
更に、上記実施の形態では、コンクリート埋設物として、八角コンクリートボックス70及びボックスカバー80と、四角コンクリートボックス270とを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の形状のボックス類やボックスカバー等、コンクリート壁等に埋設される各種のコンクリート埋設物に適用することができる。即ち、本発明の固定具は、弾性係合爪部により、コンクリート埋設部の背面(内底面)やコンクリート埋設物のボス部等の内部突出部の背面を係合する限りにおいて、任意のコンクリート埋設物に適用することができる。更にまた、本発明の固定具は、上記各実施の形態のように、固定磁石51や固定台座151により型枠に固着する以外に、例えば釘打ちにより固定する等、その他の固着手段を採用することができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に係るコンクリート埋設物の固定具は、上記のように構成したため、前記コンクリート埋設物を外嵌することにより、挿入部が前記コンクリート埋設物の開口部から前記コンクリート埋設物の内部に挿入され、前記挿入部が前記コンクリート埋設物に挿入された状態では、位置ずれ防止部が、前記コンクリート埋設物が前記型枠の内面に沿って位置ずれするのを防止する。また、弾性係合爪部が、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して前記挿入部の挿入を許容すると共に、前記挿入部の挿入後は前記屈撓状態からの弾性的な自己復帰により前記コンクリート埋設物と係合して、前記コンクリート埋設物が前記型枠から離間するのを防止する。その結果、請求項1に係るコンクリート埋設物の固定具は、ボックス等をPC型枠等の型枠に簡単かつ確実に固定することができると共に、型枠除去の際も、ボックス等を変形、破損等することがなく、ボックス等から確実に取り外すことができる。また、コンクリート埋設物の外嵌時に、先端側の弾性係合爪部がより円滑に屈撓して後退する。更に、基端側の位置ずれ防止部がより効果的にコンクリート埋設物の位置ずれ防止を行う。また、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、案内部が、前記弾性係合爪部に先立って前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に沿って内部に挿入され、前記開口部への前記挿入を案内すると共に、前記開口部の内方への前記弾性係合爪部の後退移動を円滑化する。更に、前記挿入部に前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、対をなす案内部が前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に均等に当接して内部に挿入される。その結果、コンクリート埋設物の開口部への挿入部の挿入をより円滑に行うことができる。
【0044】
請求項2に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1の効果に加え、前記弾性係合爪部の先端爪部がボックスカバーの背面側に当接して掛止するため、前記ボックスカバーを効果的に固定することができる。
【0045】
請求項3に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1の効果に加え、弾性係合爪部の先端爪部がボックスのボス部の背面側に当接して掛止するため、前記ボックスを効果的に固定することができる。
【0046】
請求項4に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至3のいずれかの効果に加え、一体化した固定座及び固着手段により、型枠の内面に確実に固定することができる。
【0047】
請求項5に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至4のいずれかの効果に加え、PC型枠に固定して、PC壁等のPC製品用のコンクリート埋設物に適用することができる。
【0048】
請求項6に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至5のいずれかの効果に加えて、固着手段としての磁石により、型枠の定位置に簡単に固定することができる。また、型枠の外側面からボルト締めする等の面倒かつ複雑な構造を必要としない。更に、型枠を取り外すときに固定具が型枠から離脱することがない。
【0049】
請求項7に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項1乃至5のいずれかの効果に加え、固着手段としての金属製の固定台座により、型枠に間単に溶接して強固に固定することができる。また、型枠の外側面からボルト締めする等の面倒かつ複雑な構造を必要としない。
【0050】
請求項8に係るコンクリート埋設物の固定具は、請求項4の効果に加え、固定具を型枠の内面の所定位置に正確に位置決めして固着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具を示す平面図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具を示す底面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の側面を示す半断面図である。
【図4】 図4は図1のA−A線断面図である。
【図5】 図5は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の本体を平面側から見て示す斜視図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態1に係るコンクリート埋設物の固定具の本体を平面側から見て示す斜視図である。
【図7】 図7は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス及びそのボックスカバーを示す分解側面図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの底面図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態1に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの平面図である。
【図10】 図10は本発明の実施の形態1に係る固定具によりコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーを固定した状態を示す側面図である。
【図11】 図11は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す平面図である。
【図12】 図12は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す底面図である。
【図13】 図13は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の側面を示す半断面図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の固定台座を示す底面図である。
【図15】 図15は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具の固定台座を示す側面図である。
【図16】 図16は本発明の実施の形態2に係るコンクリート埋設物の固定具を示す正面図である。
【図17】 図17は本発明の実施の形態3に係るコンクリート埋設物の固定具を平面側から見て示す斜視図である。
【図18】 図18は本発明の実施の形態3に係る固定具により固定するコンクリート埋設物としての八角コンクリートボックス用ボックスカバーの底面図である。
【図19】 図19は図18のB−B線断面図である。
【符号の説明】
21:位置ずれ防止部、22:弾性係合爪部、22c:先端爪部
23:案内部、40:固定座、51:固定磁石(固着手段)
70:八角コンクリートボックス(コンクリート埋設物)
80:ボックスカバー(コンクリート埋設物)、83:開口部
151:固定台座(固着手段)
240:固定座、221a:第1の位置ずれ防止部
221b:第2の位置ずれ防止部、222:弾性係合爪部、223:案内部
270:四角コンクリートボックス(コンクリート埋設物)
F:PC型枠
Claims (8)
- 型枠にボックスまたはボックスカバーからなるコンクリート埋設物を固定すべく、前記型枠の内面に固着手段により固着されるコンクリート埋設物の固定具であって、
前記コンクリート埋設物を外嵌することにより、前記コンクリート埋設物の開口部から前記コンクリート埋設物の内部に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部には、前記コンクリート埋設物に挿入された状態で、前記コンクリート埋設物が前記型枠の内面に沿って位置ずれするのを防止する位置ずれ防止部と、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して前記挿入部の挿入を許容すると共に、前記挿入部の挿入後は前記屈撓状態からの弾性的な自己復帰により前記コンクリート埋設物と係合して、前記コンクリート埋設物が前記型枠から離間するのを防止する弾性係合爪部とを形成してなり、
前記挿入部は、前記位置ずれ防止部を基端側に形成すると共に、前記弾性係合爪部を前記位置ずれ防止部から突設して先端側に形成してなり、
前記弾性係合爪部は、その先端に先端爪部を形成すると共に、前記コンクリート埋設物との係合後、当該コンクリート埋設物を前記挿入部から取外す方向に引張力を加えたときに、前記開口部の内方へ屈撓状態で後退して当該開口部の前記挿入部からの離脱を許容するよう、前記先端爪部を断面略三角形状とし、
前記挿入部は、更に、前記弾性係合爪部の先端爪部より高く突出し、前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、前記弾性係合爪部に先立って前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に沿って内部に挿入され、前記開口部への前記挿入を案内すると共に、前記開口部の内方への前記弾性係合爪部の後退移動を円滑化する案内部を形成してなり、
前記案内部は、前記コンクリート埋設物の開口部の対向する位置に対をなすよう設けられ、前記挿入部に前記コンクリート埋設物を外嵌する際に、前記対をなす案内部が前記弾性係合爪部の先端爪部の当接に先立って前記コンクリート埋設物の開口部の周縁に均等に当接して内部に挿入され、この位置決め状態で、前記開口部の内周縁が前記弾性係合爪部の先端爪部に当接するようにしたことを特徴とするコンクリート埋設物の固定具。 - 前記コンクリート埋設物は開口部を有するボックスカバーであり、
前記弾性係合爪部は、前記ボックスカバーの開口部から挿入され、前記先端爪部を前記ボックスカバーの背面側に当接して掛止することにより、前記ボックスカバーを固定することを特徴とする請求項1記載のコンクリート埋設物の固定具。 - 前記コンクリート埋設物は開口部を有するボックスであり、前記ボックスは前記開口部の内面にボス部を突設したものであり、
前記弾性係合爪部は、前記ボックスの開口部から挿入され、前記先端爪部を前記ボックスのボス部の背面側に当接して掛止することにより、前記ボックスを固定することを特徴とする請求項1記載のコンクリート埋設物の固定具。 - 更に、前記挿入部の基端側に形成され、前記型枠の内面に密接して配置自在な固定座と、
前記固定座に一体的に設けられ、前記固定座を前記型枠の内面に固着する固着手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコンクリート埋設物の固定具。 - 前記型枠はプレキャストコンクリート型枠であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンクリート埋設物の固定具。
- 前記型枠は強磁性体材料からなると共に、前記固着手段は磁石を有し、前記磁石を前記型枠の内面に磁力で圧着することにより、前記固定座を前記型枠の内面の所定位置に固着すると共に、前記磁石による固着力を、前記コンクリート埋設物を前記挿入部から取外す方向に引張力を加えたときの当該引張力より大きくなるよう設定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のコンクリート埋設物の固定具。
- 前記型枠は金属製であると共に、前記固着手段は金属製の固定台座を有し、前記固定台座を前記型枠の内面に溶接することにより、前記固定座を前記型枠の内面の所定位置に固着することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のコンクリート埋設物の固定具。
- 更に、前記固定座の外周縁には、前記型枠の墨出し線に合致させることにより前記コンクリート埋設物を前記型枠の定位置に固着させる小突起を一体形成したことを特徴とする請求項4記載のコンクリート埋設物の固定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002369937A JP4137626B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | コンクリート埋設物の固定具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002369937A JP4137626B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | コンクリート埋設物の固定具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201464A JP2004201464A (ja) | 2004-07-15 |
JP4137626B2 true JP4137626B2 (ja) | 2008-08-20 |
Family
ID=32766018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002369937A Expired - Fee Related JP4137626B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | コンクリート埋設物の固定具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4137626B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200453505Y1 (ko) | 2008-11-18 | 2011-05-06 | 세홍산업 주식회사 | 벽 매설형 콘센트 박스의 프리커버 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369937A patent/JP4137626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004201464A (ja) | 2004-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN111140574A (zh) | 紧固件反馈特征 | |
KR20060128106A (ko) | 플라스틱 파스너 | |
CA2446492A1 (en) | Retention structure for a fastener | |
US20170294768A1 (en) | Electrical box support | |
JP4137626B2 (ja) | コンクリート埋設物の固定具 | |
JP2006046536A (ja) | 留め具 | |
JP3890536B2 (ja) | 管体が接続可能なボックス | |
KR200444216Y1 (ko) | 후크결합장치 | |
KR200442526Y1 (ko) | 커넥터하우징 | |
US7736082B1 (en) | Fastening system for assembling plastic units and rib clip therefor | |
JP2000229636A (ja) | パレット用滑り止め部材 | |
JP2593677Y2 (ja) | 電気接続箱のナット保持機構 | |
JPH0430412Y2 (ja) | ||
US6683257B1 (en) | Attachment clip | |
KR200417340Y1 (ko) | 커튼봉 고정구 | |
JPH0741935Y2 (ja) | ボルト差込式クリップ | |
JPH1182429A (ja) | 取外可能なハーネスクリップ | |
JPH08230515A (ja) | クラスタの取付け構造 | |
JP4245153B2 (ja) | 配線用ボックス装置 | |
JPH0615128Y2 (ja) | ボルト用係止具 | |
JPS5935959Y2 (ja) | 埋め込み金具 | |
JPH0143531Y2 (ja) | ||
JP2002205721A (ja) | プラスチックボトルの取手及び取手付ボトル | |
JP3024269U (ja) | 断熱材付き型枠用コーン | |
JPH0336440Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070418 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080603 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080604 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4137626 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |