JP4137609B2 - 柑橘類の防黴用ネット状物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柑橘類の防黴用シート状物に関する。特に前記シート状物がネット状である柑橘類の防黴用ネット状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
柑橘類は、収穫後、保管中に、青カビなどの黴が発生するので、黴の発生を防止するため、従来より、一般には、収穫前の木に果実が生っている状態で、果実の表面に柑橘類用の防黴剤溶液を噴霧している。
【0003】
尚、これらに関連する技術が掲載された文献については、本発明者らは特に文献調査していないので知らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように収穫前の木に果実が生っている状態で、果実の表面に柑橘類用の防黴剤溶液を噴霧した場合には、果実の全表面に噴霧できたかどうか、確認しがたく、部分的に防黴剤が付着していない部分があると、収穫後、果実の箱詰め品の様に保管中に、防黴剤が付着していない部分から黴が発生すると言う問題がある。また、仮に防黴剤溶液を果実の全表面に噴霧できたとしても、その後、雨などで部分的に防黴剤が流れ落ちることがあり、どの部分の防黴剤が流れ落ちているか、目視で確認することは不可能であり、従って、このような、部分的に防黴剤が付着していない果実が、保管箱中に混入されていると、黴が発生し、更に隣りに接している果実も、やがて黴が生えてしまうなどの問題がある。また、意外にも、鳥類のくちばしでつつかれると、孔が開くような傷が柑橘類の表皮についていなくとも、その部分から黴が生え易いと言うことも分かってきている。また、防黴剤溶液の噴霧作業は、作業者の健康にも悪影響がある。また、この噴霧作業は、かなりの労働力を有し、大変である。更に、柑橘類の果実の表面に防黴剤が付着していることは、果実の皮をむいて食べるとしても、それを食べる者にとっても、健康上、あまり好ましいことではない。
【0005】
本発明は、防黴剤溶液を柑橘類の果実に噴霧する場合に比べて、上記のような問題点を解決し、果実表面の防黴剤の付着していない部分の有無などが問題にならず、防黴剤溶液の噴霧などによる作業者の健康への悪影響を配慮する必要がなく、また、柑橘類を食べる者にとっても、柑橘類に直接防黴剤が付着していないので健康上の問題の少ない、しかも、簡単に使用できる柑橘類の防黴用ネット状物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、以下に示すような、柑橘類の防黴用ネット状物を提供するものである。
【0007】
(1)マイクロカプセルを構成する壁膜が、マイクロカプセルの芯物質として含有する液体は通過しないが、その蒸気は透過する複数の微孔を有しており、芯物質として柑橘類の防黴剤溶液を含有したマイクロカプセル、及び/又は、柑橘類の防黴剤溶液を吸着した多孔質微粒子が、プラスチックネット状物からなる基材表面にポリ乳酸からなるバインダーによって付着されてなる柑橘類の防黴用ネット状物。
【0008】
(2)また、本発明の柑橘類の防黴用ネット状物においては、柑橘類の防黴用ネット状物が、収穫された柑橘類の収納容器中に入れて用いられる柑橘類の防黴用ネット状物であることが好ましい。
【0009】
(3)また、本発明の柑橘類の防黴用ネット状物においては、プラスチックネット状物からなる基材の素材が、生分解性樹脂からなる素材であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の柑橘類の防黴用ネット状物は、特に限定するものではないが、柑橘類の果実を収穫後、箱詰めされる場合など、箱や袋、その他の収納容器に保管される場合、例えば、容器の中に、1枚、防黴用ネット状物を敷いてから、柑橘類の果実を容器に詰めていくだけでよい。これは、マイクロカプセル中の、及び/又は、柑橘類の防黴剤溶液を吸着した多孔質微粒子中の、防黴剤溶液が徐々に適量ずつ蒸発ないし揮発して放散され、防黴作用を発揮するからである。このように、徐々にマイクロカプセル中の芯物質がマイクロカプセルの壁膜の微孔から徐々に外に蒸発ないし揮発して芯物質である防黴剤の作用を及ぼす、いわゆる持続放出性マイクロカプセルないしは除放出性マイクロカプセル、又は、同様の機能を発揮する防黴剤溶液を吸着した持続放出性多孔質微粒子ないしは除放出性多孔質微粒子を用いたものである。このような多孔質微粒子も当業界においてはマイクロカプセルと呼ばれることも多く、広義の意味のマイクロカプセルに分類される。
【0011】
また、箱詰めなど柑橘類の保管容器に収納される場合の防黴用ネット状物の使用枚数は、1枚に限られるわけではなく、例えば防黴用ネット状物1枚を収納容器に入れて果実を収納し、必要に応じてある程度果実が容器に収納された段階で、その上に防黴用ネット状物を更に挿入して、次いでその上に果実を更に収納していくやり方など、1つの保管容器中に複数枚の防黴用ネット状物を用いてもよいし、場合によっては、保管容器の底面積よりもやや小さい、あるいはその半分の面積などの防黴用ネット状物を用いてもよい。
【0012】
本発明の防黴用ネット状物に用いられる基材は、特にコストが安く、軽く、比表面積が比較的大きく、取り扱いが比較的容易で、果実がつぶれて一部の果実から果汁がでても、果汁を吸い込んでそれを保持するような細菌や微生物の繁殖の温床を作りにくいなどの観点から、特に、プラスチックネット状物が用いられる。尚、プラスチックネット状物の意味は、合成繊維から作られたネット状物も当然含む意味である。
【0013】
プラスチック素材からなるネット状基材を用いる場合には、ネット状基材を構成するプラスチック素材としては、マイクロカプセルをバインダーの存在下で付着できるプラスチック素材であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;それらの共重合体であるポリオレフィン系エラストマー樹脂;ポリスチレン樹脂(PST);AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂);ABS樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂(PVC);メタアクリル樹脂(PMMA);ポリエチレンテレフタレート(PET)ないしポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC);エチレンビニルアルコール共重合樹脂(E/VAL);ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド樹脂(PA);ポリアセタール樹脂(POM);ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリエチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸などの生分解性樹脂などが挙げられ、生分解性樹脂を用いると、廃棄や焼却の際に環境汚染が少なく好ましい。
【0014】
プラスチックネット状物の素材としては、上記の中でも、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などが、コストも安く、強度も大きく、プラスチックネット状物として量産もされており、容易に入手もできることから好ましい。
【0015】
マイクロカプセルの壁膜を構成する樹脂については、芯物質として柑橘類の防黴剤溶液を保持できマイクロカプセル中の、防黴剤溶液がマイクロカプセルの壁膜の微孔から徐々に外に蒸発ないし揮発し得るものであれば特に限定はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂等が挙げられる。
【0016】
マイクロカプセルの壁膜を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂(PST樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂など)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(アルキルアクリレート重合体、アルキルメタクリレート重合体など)、ポリアクリロニトリル、熱可塑性ポリエステル樹脂(PET、PBTなど)、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられ、また熱硬化樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂および尿素樹脂等が挙げられる。ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル系樹脂、これらの共重合体、および塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
【0017】
マイクロカプセルの大きさも特に限定はなく、通常の大きさの5μm〜500μm程度の大きさのものが用いられる。
【0018】
マイクロカプセルの壁膜の微孔の大きさも、マイクロカプセルの芯物質としての液状の柑橘類の防黴剤溶液は通過しないが、その蒸気は透過するに必要な微孔を多数有し、防黴剤溶液が徐々に適量ずつ蒸発ないし揮発して放散されるものであればよく、特に限定するものではなく、例えば、2×10-7mm〜2×10-5mmなどのものも使用できる。
【0019】
また、柑橘類の防黴剤溶液を吸着した多孔質微粒子を用いる場合には、その大きさも特に限定はなく、5μm〜500μm程度の大きさのものが好ましく用いられるが、この範囲に限定されるものではない。
【0020】
多孔質微粒子としては、防黴剤溶液を多量に吸着して徐々に放散させる性質をもつものであればよいので、セラミック系、火山灰系、その他の無機系またはカーボン系その他任意の多孔質微粒子を使用できるが、無機系の多孔質微粒子が好ましい。石油コークスやヤシ殻等の原料から製造される半径が10-6〜10-5mmの細孔を無数に有し、細孔容積が例えば約0.5〜2ml/gと大きく比表面積も例えば約2000〜3000m2/gと非常に大きな微細な連続気孔を有するカーボン系多孔質微粒子も含めて、何れも高圧静電界における静電気を利用してネット基材表面に付着させることが容易なので好ましく用いられる。火山灰系の多孔質微粒子は、火山の爆発により火山灰が空中に噴出された際の高熱で、溶融状態の火山灰中から揮発性成分が放出され、温度低下により固化することにより、揮発性成分が放出された放出路が、微多孔となったものとされており、いわゆる軽石の生成とほぼ同様の原理で微多孔質となったものである。かかる火山灰は、粒径が大きいものも含まれるので、粒度を調整したものが、多孔質微粒子として用いられている。
【0021】
また、用いられる柑橘類の防黴剤としては、柑橘類の防黴剤として用いられている防黴剤であれば特に限定はなく、少数の具体例を例示すれば、例えば、トリメチルラウリルアンモニウム2,4,5−トリクロロフェノキシド、ジフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、エニルコナゾールなどが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではなく柑橘類の防黴剤として防黴効果が発揮できるものであればよい。通常、これらの防黴剤は、適宜の溶媒に溶解して用いる。通常、防黴剤の濃度は、防黴剤の種類によっても異なるが、15〜35重量%の範囲が好適である。溶媒としては、特に限定されないが、メチルアルコール、エチルアルコールなどが好適である。
【0022】
防黴剤溶液を含有したマイクロカプセルをネット状基材表面に付着させるには、通常、ネット状基材表面にバインダーを付着させておき、バインダーが乾かないうちに、防黴剤溶液を含有したマイクロカプセルをネット状基材表面に散布して付着させる。特に、静電気を帯びさせて、静電塗装や電気植毛と同様の原理によりバインダーが付着されているネット状基材表面に静電吸着により付着させると、比較的均一にマイクロカプセルをネット状基材表面に付着させることができ好ましい。多孔質微粒子の場合も同様であるが、静電吸着ができないものは、機械的に散布して付着させればよい。
【0023】
マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子をネット状基材表面に付着させる際に用いるバインダーとしてはポリ乳酸を用いるポリ乳酸のような生分解性樹脂系の接着性バインダーを用いると、廃棄や焼却の際に環境汚染が少なく好ましい。その上、ポリ乳酸系の生分解性樹脂を用いた場合には、抗菌性を有するので、より黴の発生も押さえられ好ましい。接着性バインダーとしては、ポリ乳酸のエマルジョンタイプや、粉末なども用い得る。
【0024】
ネット状基材表面に付着させる防黴剤溶液入りのマイクロカプセル、及び/又は、防黴剤溶液入りの多孔質微粒子の量も、本発明の目的が達成される限り特に限定はなく、用いる防黴剤の種類、ネット状基材の種類や、果実保管容器の大きさとネット状基材の大きさとの関係によって適宜実験により決めればよい。
【0025】
防黴剤溶液入りのマイクロカプセル、及び/又は、防黴剤溶液入りの多孔質微粒子のネット状基材への付着量は、比較的少量でよく、例えば、合成繊維からなるプラスチックネット状物の様に、基材の面積が比較的小さいものでも、ネット状基材と付着したバインダーとの合計重量に基づいて、0.1〜3重量%程度でよい。バインダーの重量と防黴剤溶液入りのマイクロカプセル、及び/又は、防黴剤溶液入りの多孔質微粒子の量の割合は、特に限定するものではないが、バインダー固形分85〜98重量%に対し、防黴剤溶液入りのマイクロカプセル、及び/又は、防黴剤溶液入りの多孔質微粒子15〜2重量%程度の範囲が好ましい。
【0026】
実施の形態例
プラスチックネット状基材として、太さ220dtex(デシテックス)のポリエステル繊維からなるネットをポリ乳酸系のエマルジョンからなるバインダー中に含浸してネット全体にバインダーを付与し、前記バインダーが乾燥しない内に、柑橘類の防黴剤溶液としてエニルコナゾール(大和化学工業株式会社製“アモルデンMP−100”)25重量%濃度のメチルアルコール溶液を含浸させた複数の微孔を有する市販の多孔質火山灰からなる無機系の多孔質微粒子を上記シート状基材に静電吸着により付着させて、柑橘類の防黴用ネット状物を得た。防黴剤溶液入りの前記多孔質微粒子の付着量はバインダー固形分とネットの重量に対し、1.25重量%とした。
【0027】
この防黴用ネット状物を、JIS Z−2911の黴抵抗試験方法に準じて防黴効果の有無について試験した。 すなわち、供試した黴菌として、ペニシリウム シトリニウム FERM S-5(Penicillium citrinum FERM S-5)、クラドスポリウム クラドポリオイド FERM S-8 (Cladosporium cladosporioides FERM S-8)、オルタナリア オルタネート IFO 31188(Alternaria alternate IFO 31188)、アスペルギス ニガー FERM S-1(Aspergillus niger FERM S-1)の4種類を用いること以外は、JIS Z−2911の黴抵抗試験方法に従ってテストした。
【0028】
その結果、上記黴菌の前三者に対しては、防黴用ネット状物の存在する部分には、菌糸の発育が認められず、アスペルギス ニガー FERM S-1については菌糸の発育部分は全面積の1/3を超えず、従って、JIS Z−2911の黴抵抗試験方法に準じてJIS規格に合格するレベルの結果が得られた。
【0029】
【発明の効果】
(1)本発明の柑橘類の防黴用ネット状物は、柑橘類の防黴剤溶液を含有したマイクロカプセル、及び/又は、柑橘類の防黴剤溶液を吸着した多孔質微粒子が、プラスチックネット状基材表面にポリ乳酸からなるバインダーによって付着されており、本発明の防黴用ネット状物を柑橘類の果実を収穫後、その収納容器に挿入しておくことにより、マイクロカプセルの壁膜を通して、あるいは、多孔質微粒子の微多孔から、防黴剤溶液が徐々に適量ずつ蒸発ないし揮発して放散されるため、柑橘類の保管中における黴の発生を防止することができる。
【0030】
しかも、防黴剤は、果実の表面に直接噴霧により付着させたものではないので、柑橘類を食べる者にとっても、健康への悪影響を心配する必要がない。しかも、防黴剤溶液の蒸気は気体状であるので、保管容器内の柑橘類の表面は、余すところなく防黴剤溶液の蒸気に包まれており、防黴剤溶液を果実の表面に直接噴霧した場合に比べて、噴霧のムラなどが生じないので、防黴剤溶液が噴霧されていない部分から、黴が発生するなどの問題もない。また防黴剤溶液を柑橘類の果実に噴霧する場合に比べて、防黴剤溶液の噴霧などによる作業者の健康への悪影響を配慮する必要がないし、収穫前の木に果実が生っている状態で、果実の表面に柑橘類用の液状の防黴剤溶液を噴霧する場合に比べて、柑橘類の保管の際に、保管容器に本発明の柑橘類の防黴用ネット状物を挿入するだけでよいので、作業が極めて簡単になり、労力、防黴剤溶液の噴霧コストの削減ができる。また、収穫前の木に果実が生っている状態で、果実の表面に柑橘類用の液状の防黴剤溶液を噴霧する場合に比べて、噴霧後、収穫前に雨が降った場合に、噴霧した防黴剤が流れ落ちてしまうと言うようなこともなく、天候を心配せずに作業ができ効率的である。
【0031】
しかも、本発明の防黴用ネット状物は、前述したように、マイクロカプセルの壁膜を通して、あるいは、多孔質微粒子の微多孔から、防黴剤溶液が徐々に蒸発ないし揮発するため、かなりの長期間にわたって、防黴作用があるので、消費者が、柑橘類を食べてしまったあと、防黴用ネット状物を捨てずに、家庭の冷蔵庫などに入れて、適宜、防黴ネットとして使用することもできる。
【0032】
た、本発明の柑橘類の防黴用ネット状物は、基材が、プラスチックネット状物であるので、コストが安く、軽く、比表面積が比較的大きく、取り扱いが比較的容易で、果実がつぶれて一部の果実から果汁がでても、果汁を吸い込んでそれを保持するような細菌や微生物の繁殖の温床を作りにくいなどの点で、好ましい。
【0033】
また、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子をネット状基材表面に付着させる際にバインダーとしてポリ乳酸を用いているので、ポリ乳酸は抗菌性を有し、より黴の発生も押さえられ好ましい。
【0034】
)また、本発明の柑橘類の防黴用ネット状物において、柑橘類の防黴用ネット状物が、収穫された柑橘類の収納容器中に入れて用いられる柑橘類の防黴用ネット状物である本発明の好ましい態様とすることにより、直接、柑橘類に防黴剤溶液を噴霧する場合に比べて、保管容器に本発明の柑橘類の防黴用ネット状物を挿入するだけでよいので、作業が極めて簡単になり、防黴剤溶液の噴霧などによる作業者の健康への悪影響を配慮する必要がないし、労力、防黴剤溶液の噴霧のコストの削減ができる。また、収穫前の木に果実が生っている状態で、果実の表面に柑橘類用の液状の防黴剤溶液を噴霧する場合に比べて、噴霧後、収穫前に雨が降った場合に、噴霧した防黴剤が流れ落ちてしまうと言うようなこともなく、天候を心配せずに作業ができ効率的である。
【0035】
しかも、本発明の防黴用ネット状物は、前述したように、マイクロカプセルの壁膜を通して防黴剤溶液が徐々に蒸発ないし揮発するため、かなりの長期間にわたって、防黴作用があるので、消費者が、柑橘類を食べてしまったあと、防黴用ネット状物を捨てずに、家庭の冷蔵庫などに入れて、適宜、防黴シートとして使用することもできる。
【0036】
)また、本発明の柑橘類の防黴用ネット状物においては、ネット状基材の素材が、生分解性樹脂からなる素材である好ましい態様とすることにより、廃棄や焼却の際に環境汚染が少なく好ましい。

Claims (3)

  1. マイクロカプセルを構成する壁膜が、マイクロカプセルの芯物質として含有する液体は通過しないが、その蒸気は透過する複数の微孔を有しており、芯物質として柑橘類の防黴剤溶液を含有したマイクロカプセル、及び/又は、柑橘類の防黴剤溶液を吸着した多孔質微粒子が、プラスチックネット状物からなる基材表面にポリ乳酸からなるバインダーによって付着されてなる柑橘類の防黴用ネット状物。
  2. 柑橘類の防黴用ネット状物が、収穫された柑橘類の収納容器中に入れて用いられる柑橘類の防黴用ネット状物である請求項1に記載の柑橘類の防黴用ネット状物。
  3. プラスチックネット状物からなる基材の素材が、生分解性樹脂からなる素材である請求項1〜のいずれかに記載の柑橘類の防黴用ネット状物。
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