JP4137304B2 - パケット通信網の障害検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット通信網における通信の障害の発生の有無を検出するためのパケット通信網の障害検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パケット通信網を利用して各種の警備情報を機械警備端末と警備監視センタとの間で送受信するように構成された機械警備システムが公知である。ところで、この種の機械警備システムにあっては、その性質上、機械警備端末と警備監視センタとの間においては常に通信リンクが確立できることが必要である。このため、パケット通信網を利用した従来の機械警備システムにあっては、パケット通信方式の一つである端末多重化サービスを利用することにより、警備用端末装置と警備監視センタとの間で常に論理上の通信リンクを確立しておき、パケット通信網において障害が発生したときには、パケット通信網側からの障害信号を警備監視センタで受信することにより警備監視センタにおいてパケット通信網の障害の発生の有無を常時把握できるようにした方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来方法によると、パケット通信網側の障害監視機能自身に障害が発生した様な場合には、警備監視センタにおいて通信障害の発生の有無を認識できないという不具合が生じる。このため、特に、警備監視のような緊急性が高く、且つ高信頼性を要求される高度の警備業務にパケット通信網を利用することは困難であり、したがって、信頼性の高い高度な警備システムを実現するためにはコストの高い専用線を使う等の手段をとる必要があった。
【0004】
以上、機械警備システムにパケット通信網を利用する場合の問題点について説明したが、機械警備システム以外の利用分野においても、高信頼性通信網をパケット通信網を用いて構築しようとする場合に同様の問題を生ずる。
【0005】
本発明の目的は、パケット通信網において通信障害が発生したことを確実に且つ低コストで検出することができるようにした、パケット通信網の障害検出方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、CCITT勧告のX.25で定めるリセット要求パケット信号であるRQパケット信号を利用したものである。
【0007】
RQパケット信号はリセット要求信号であり、コンテンツの送信とは別扱いとなる。RQパケット信号は、端末相互に転送しているDTパケット信号の順序に行き違いが生じて、データ転送の続行が不可能となった場合に、ユーザ側(端末側)から相手ユーザ側(端末側)にDTパケット信号のデータの順序番号のリセットを要求するパケットである。RQパケット信号には、利用者が任意に16進数2桁のステータスコードを付加できる。このように、利用者が任意にステータスコードを付加できるのはRQパケット信号のみである。
【0008】
一方のユーザから相手ユーザに、DTパケット信号の順序番号のリセットを要求する場合のシーケンスは、RI(リセット指示)パケット信号及びRF(リセット確認)パケット信号の組み合わせにより次のように行われる。ユーザ側Aから網側に対してRQパケット信号を要求すると、これに応答して網側はユーザ側BにRIパケット信号を送出して順序番号のリセットを指示する。ユーザ側Bは順序番号をリセットした後、網側RF(リセット確認)パケット信号を送信し、ユーザ側Aに「リセット動作終了」を知らせる。
【0009】
なお、ユーザ側に対するリセット指示は、網側から行うこともある。その場合のシーケンスは、網側がユーザ側にRIパケット信号を送出し、ユーザ側よりRFパケット信号を受信すると「リセット動作終了」を確認するという動作となる。
【0010】
このように、ユーザ側からのリセット要求のためのRQパケット信号を受信した網側がこれに応答して相手ユーザ側にRIパケット信号を送出する場合と、網自身がユーザ側にRIパケット信号を送出する場合の2通りがある。この2通りのRIパケット信号を区別するため、網側が送出するRQパケット信号には、識別コードとして2桁のステータスコードが付加され、RQパケット信号を受信したユーザは、このステータスコードの有無によりRIパケット信号の発信元を容易に知ることができるようになっている。
【0011】
請求項1の発明によれば、パケット通信網に接続されている2つの端末装置間の通信に障害が生じているか否かを検出するためのパケット通信網の障害検出方法において、前記端末装置間での通信が行われていない期間中、一方の端末装置から予め設定したルールに従う時間間隔で他方の端末装置に対しRQパケット信号を送信し、該他方の端末装置において該RQパケット信号に基づくRIパケット信号が前記時間間隔で着信しているか否かに基づいて前記パケット通信網における通信障害の発生の有無を検出するようにした点にある。
【0012】
一方の端末装置から他方の端末装置に向けてRQパケット信号が送出されると、このRQパケット信号を受信したパケット通信網は他方の端末装置にRIパケット信号を送出する。他方の端末装置はこのRIパケット信号を受信し識別コードをチェックすることで一方の端末装置からRQパケット信号が送出されたことを知ることができる。一方の端末装置からのRQパケット信号によるRIパケット信号が予め定められたルールに従う時間間隔で他方の端末装置において受信されていれば、通信障害が発生していないと判断される。RIパケット信号が予め定められたルールに従う時間間隔で受信することができない場合には、通信障害が発生していると判断される。
【0013】
ここで、予め定められたルールに従う時間間隔は、一定時間間隔でもよいが、例えば、所定のパターンに従う時間間隔、あるいは、RQパケット信号に付加したステータスコードによって決まる時間間隔等であってもよい。
【0014】
請求項2の発明によれば、パケット通信網に接続されている警備用端末装置と警備監視センタとの間の通信に障害が生じているか否かを検出するためのパケット通信網の障害検出方法において、前記警備用端末装置と前記警備監視センタとの間で通信が行われていない期間中、前記警備用端末装置から予め設定したルールに従う時間間隔で前記警備監視センタに対しRQパケット信号を送信し、前記警備監視センタにおいて該RQパケット信号に基づくRIパケット信号が前記時間間隔で着信しているか否かに基づいて前記パケット通信網における通信障害の発生の有無を検出するようにした点にある。
【0015】
警備用端末装置から警備監視センタに向けてRQパケット信号が送出されると、このRQパケット信号を受信したパケット通信網は警備監視センタにRIパケット信号を送出する。警備監視センタはこのRIパケット信号を受信し識別コードをチェックすることで警備用端末装置からRQパケット信号が送出されたことを知ることができる。警備用端末装置からのRQパケット信号によるRIパケット信号が予め定められたルールに従う時間間隔で警備監視センタにおいて受信されていれば、通信障害が発生していないと判断される。RIパケット信号が予め定められたルールに従う時間間隔で受信することができない場合には、通信障害が発生していると判断される。
【0016】
ここで、予め定められたルールに従う時間間隔は、一定時間間隔でもよいが、例えば、所定のパターンに従う時間間隔、あるいは、RQパケット信号に付加したステータスコードによって決まる時間間隔等であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の方法によりパケット通信網における通信障害を検知するように構成された機械警備システムの概略システム図である。機械警備システム1は、工場、事務所等の警備対象区域に設置された警備用端末装置2−1、2−2、・・・、2−Nを既設のパケット通信網3を介して警備監視センタ4と接続して成り、警備用端末装置2−1乃至2−Nから得られた各種の警備情報をパケット通信網3を介して速やかに警備監視センタ4に送信すると共に、警備監視センタ4から必要に応じて出される制御情報等をパケット通信網3を介して所要の警備用端末装置に送ることができる構成となっている。
【0019】
パケット通信網3において何等かの障害が生じ、警備用端末装置2−1乃至2−Nと警備監視センタ4との間の通信が不能となり、警備監視機能が阻害される状態となった場合、これを警備監視センタ4において速やかに把握することができるようにするため、機械警備システム1においてはRQパケット信号を用いた通信障害監視機能が設けられている。
【0020】
図2には、警備監視センタ4と警備用端末装置2−1との間の通信処理手順が示されている。以下、図2を参照して警備用端末装置2−1と警備監視センタ4との間における通信障害監視機能について説明する。
【0021】
警備用端末装置2−1において侵入者があった等の理由でセンサ発報信号等の警備データが発生すると、ステップ11においてこの警備データを内容とするDTパケット信号が送出される。このDTパケット信号はパケット通信網3を介して警備監視センタ4のホストコンピュータ4Aに送られる。
【0022】
このDTパケット信号がホストコンピュータ4Aで受信されると、ステップ12で警備データ入力処理が実行され、この受信された警備データの内容がホストコンピュータ4Aの図示しない表示装置上で表示される(ステップ13)。これと同時に、網監視タイマがクリアされ(ステップ14)、警備データを受信したことを確認するACKデータが警備用端末装置2−1に対して送出される(ステップ15)。網監視タイマは、ステップ14でのクリア後、再びカウントアップを開始する。
【0023】
警備用端末装置2−1では、ACKデータの受信により警備データ送出完了処理が行われる(ステップ16)。
【0024】
警備用端末装置2−1は以上のようにして、警備データが得られる度にDTパケット信号を送出し、これに対する処理が実行される。警備用端末装置2−1側においては、警備データ発生からの経過時間をカウントしており、前回の警備データ発生から予め定められた所定時間、例えば10分が経過しても次の警備データの発生がない場合には、ステップ17においてRQパケット信号を警備監視センタ4に向けて送出する。RQパケット信号は既に詳しく説明したようにリセット要求パケット信号であり、RQパケット信号を警備用端末装置2−1から受けたパケット通信網3は、ホストコンピュータ4Aに対し、このRQパケット信号に対応したリセット指示のためのRIパケット信号を送出する。ここで、パケット通信網3が独自にホストコンピュータ4Aに向けてRIパケット信号を送出することもあるが、警備用端末装置2−1から出力されるRIパケット信号には識別コードとして2桁のステータスコードが付加されているので、ホストコンピュータ4Aは、RIパケット信号を受信したとき、そのRIパケット信号がステップ17において送出されたRQパケット信号に対応するものであるか否かを容易に識別することができる。
【0025】
ホストコンピュータ4Aにおいて、警備用端末装置2−1からのRQパケット信号に応答して出力されたRIパケット信号が受信されると(ステップ18)、ステップ19で網監視タイマがクリアされる。この網監視タイマのクリアに応答して、ホストコンピュータ4AからRFパケット信号が警備用端末装置2−1に向けて送出され(ステップ20)、警備用端末装置2−1においてこのRFパケット信号を受信することによりパケット網チェック完了処理が実行される(ステップ21)。
【0026】
すなわち、警備データの発生によりステップ14で網監視タイマのクリア動作が実行されるほか、警備データの発生によるDTパケット信号の送出があった後、所定時間(10分間)DTパケット信号の送出なしの状態が続いた場合には、RQパケット信号の送出を行い(ステップ17)、これによりパケット通信網3から送出されるRIパケット信号をホストコンピュータ4Aが受信することにより網監視タイマのクリア動作が行われる。その後も、警備監視センタ4と警備用端末装置2−1との間の通信が無い場合には、少なくとも所定時間(10分間)に1回はRQパケット信号が警備用端末装置2−1から警備監視センタ4に向けて送出され、これにより、網監視タイマをクリアするようにした構成となっている。
【0027】
ステップ21の実行後、再び所要時間(10分間)警備データの発生なしで経過すると、ステップ22でRQパケット信号が警備用端末装置2−1から警備監視センタ4に向けて送出される。ステップ22でRQパケット信号が送出された場合、若しパケット通信網3に何等かの障害が発生していてこのRQパケット信号がホストコンピュータ4Aに入力されないという事態が発生すると、網監視タイマはステップ19におけるクリア後から所定の時間(例えば10分よりも長い11分)経過したときにタイムアップする。
【0028】
網監視タイマのタイムアップ動作に応答し、ホストコンピュータ4Aでは、パケット通信網3に通信障害が発生したためパケット通信網3を介して警備用端末装置2−1と通信することが不可能になったと判断し、ステップ23での網監視タイマのタイムアップに応答し、ステップ24でホストコンピュータ4Aの表示装置上に所定の障害発生表示を行う。
【0029】
これにより、警備監視センタ4の監視員は、巡回車に対して警備用端末装置2−1が設置してある警備対象施設に急行し、点検等の処置を行うよう指示する等、適宜の対策を速やかに実行することができる。したがって、パケット通信網3にどのような障害が発生しても、これを警備監視センタ4において迅速に検出し、適切な処置をとることができるので、機械警備システム1の信頼性が著しく向上する。
【0030】
なお、RQパケット信号の送出タイミングは、上記実施の形態に示した10分間隔に限定されず、適宜の時間間隔に定めることができる。また、これに併せて、網監視タイマのタイムアップまでの時間を適宜に設定する必要があることは勿論である。
【0031】
以上、警備監視センタ4と警備用端末装置2−1との間のパケット通信網3の障害監視動作について説明したが、本実施の形態では、警備監視センタ4と他の警備用端末装置2−2〜2−Nとの間でも全て同様の動作がそれぞれ行われている。このため、警備監視センタ4は、警備用端末装置2−1〜2−Nのいずれに対してもパケット通信網3に生じた通信障害を迅速に検出することができる。
【0032】
本発明の実施の形態を機械警備システムを例にとって説明したが、本発明によるパケット通信網の障害検出方法は機械警備システムについての用途のみを対象としたものではなく、パケット通信網を介して行われる他の各種の通信システムにおける通信障害の検出のために同様にして適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、パケット通信網における通信障害が生じた場合、パケット通信網を介して通信を行う任意の2つの端末装置間においてこの障害発生を確実且つ速やかに検出することができるので、極めて信頼性の高い通信システムを実施することができる。
【0034】
また、パケット通信網を用いて1つ又は複数の警備用端末装置と警備監視センタとの間で警備のための信号のやりとりを行うようにした機械警備システムにおいて、パケット通信網における通信障害が発生した場合、その障害内容に拘らず障害の発生を速やかに、且つ確実に検出することができるので、極めて信頼性の高い機械警備サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によりパケット通信網における通信障害を検知するように構成された機械警備システムの実施の形態の一例を示す概略システム図。
【図2】図1に示した機械警備システムにおける警備監視センタと警備用端末装置との間の通信処理手順を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 機械警備システム
2−1〜2−N 警備用端末装置
3 通信網
4 警備監視センタ
4A ホストコンピュータ
Claims (2)
- パケット通信網に接続されている2つの端末装置間の通信に障害が生じているか否かを検出するためのパケット通信網の障害検出方法において、
前記端末装置間での通信が行われていない期間中、一方の端末装置から予め設定したルールに従う時間間隔で他方の端末装置に対しRQパケット信号を送信し、該他方の端末装置において該RQパケット信号に基づくRIパケット信号が前記時間間隔で着信しているか否かに基づいて前記パケット通信網における通信障害の発生の有無を検出するようにしたことを特徴とするパケット通信網の障害検出方法。 - パケット通信網に接続されている警備用端末装置と警備監視センタとの間の通信に障害が生じているか否かを検出するためのパケット通信網の障害検出方法において、
前記警備用端末装置と前記警備監視センタとの間で通信が行われていない期間中、前記警備用端末装置から予め設定したルールに従う時間間隔で前記警備監視センタに対しRQパケット信号を送信し、前記警備監視センタにおいて該RQパケット信号に基づくRIパケット信号が前記時間間隔で着信しているか否かに基づいて前記パケット通信網における通信障害の発生の有無を検出するようにしたことを特徴とするパケット通信網の障害検出方法。
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