JP4137234B2 - カラー液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はカラー液晶表示装置に関し、特にカラーフィルタを用いずに、液晶素子の複屈折性を利用してカラー表示を行うカラー液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置としては、カラーフィルタを内在した液晶表示装置と、カラーフィルタを用いず液晶の複屈折性を利用してカラー表示を行う液晶表示装置の2種類がある。
カラーフィルタを内在した液晶表示装置では、R,G,Bの3ドットで1画素を構成するので、透過光量が約1/3に減少し、通常は小型蛍光灯がバックライトとして必要なため、反射型カラー液晶表示装置には適さない。
【0003】
一方、液晶の複屈折性を利用してカラー表示を行う液晶表示装置は、液晶素子に印加する電圧を変えることによって、1画素のみでカラー表示を行うことができるので、反射型カラー液晶表示装置に適している。
【0004】
液晶の複屈折性を利用したカラー表示装置としては、次のようなものが知られている。
(1)液晶素子と一対の偏光板だけで構成したカラー液晶表示装置、
(2)液晶素子と位相差板と一対の偏光板で構成したカラー液晶表示装置、
(3)液晶素子とねじれ位相差板と一対の偏光板で構成したカラー液晶表示装置、
【0005】
また、カラー液晶表示装置に用いる液晶素子としては、ツイスト角が0度のホモジニアス液晶素子、ツイスト角が90度程度のTN(ツイステッドネマチック)液晶素子、ツイスト角が180度〜270度のSTN(スーパーツイステッドネマチック)液晶素子などが開発されている。
【0006】
ねじれ位相差板を用い、液晶素子としてSTN液晶素子を採用したカラー液晶表示装置の従来例を図16乃至図18を用いて説明する。図18はそのカラー液晶表示装置の模式的な断面図、図16は図18を上偏光板9側から見たときの下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図、図17は同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図である。
このようなカラー液晶表示装置は、例えば特開平7−5457号公報に開示されている。
【0007】
このカラー液晶表示装置は図18に示すように、ITO(酸化インジウム錫)からなる第1の電極2と配向膜3を形成した第1の基板1と、ITOからなる第2の電極5と配向膜6を形成した第2の基板4とからなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶7を挟持し、液晶素子20を構成している。
さらに、この液晶素子20を挾んで下偏光板8と上偏光板9とからなる一対の偏光板を配置し、液晶素子20と上偏光板9との間にねじれ位相差板10を配置し、下偏光板8の外側に反射板11を配置している。
【0008】
一対の偏光板8,9の吸収軸(あるいは透過軸)は平行に配置されている。ここで、液晶素子20のツイスト角は250゜であり、図16に矢印付きの破線で示す下偏光板8の吸収軸8aは、第1の基板1の液晶の配向方向である下液晶分子配向方向7aと45゜の角度をなし、図17に矢印付きの実線で示す上偏光板9の吸収軸9aは、ねじれ位相差板10の上分子の配向方向10bと45゜の角度をなすように配置されている。
【0009】
なお、図16における7bは、第2の基板4の液晶の配向方向である上液晶分子配向方向を示し、図17における10aは、ねじれ位相差板10の下分子の配向方向を示す。
【0010】
そして、ネマチック液晶7の複屈折の差Δnと、第1の基板1と第2の基板2の間隔であるセルギャップdとの積で表す液晶素子20のΔnd値は843nmである。また、ねじれ位相差板10のツイスト角は液晶素子20のツイスト角と逆回りの250゜であり、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnと厚さdとの積で表すねじれ位相差板のΔnd値も843nmである。
【0011】
図17に示すように、上偏光板9の吸収軸9aとねじれ位相差板10の上分子配向方向10bが45゜に配置されているので、上偏光板9から入射した直線偏光は、ねじれ位相差板10を通過すると楕円偏光状態となる。
しかし、液晶素子20の上液晶分子配向方向7bとねじれ位相差板の下分子配向方向10aは90゜ずれているので、液晶素子20とねじれ位相差板10で発生した楕円偏光を完全に元に戻し、直線偏光に戻って下偏光板8へ到達する。そして、下偏光板8の吸収軸8aは上偏光板9の吸収軸9aと平行なので、白表示となる。
【0012】
第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加すると、液晶分子7が立ち上がり、液晶素子20の見かけのΔnd値が減少する。従って、ねじれ位相差板10で発生した楕円偏光状態を液晶素子20で完全に打ち消すことができず、楕円偏光状態のままで下偏光板8に到達する。そのため、特定の波長の光が透過し、複数の色が発生する。
【0013】
下偏光板8を透過した光は、反射板11で反射され、再度、下偏光板8と液晶素子20とねじれ位相差板10と上偏光板9を透過して、上方へ射出する。したがって、反射型カラー表示となる。つまり、電圧無印加状態では白であるが、印加電圧を大きくしていくと、黄色、紫、赤等の表示が可能になる。
【0014】
次に、位相差板を用い、液晶素子としてSTN液晶素子を採用したカラー液晶表示装置の従来例を図19乃至図21を用いて説明する。図21はそのカラー液晶表示装置の模式的な断面図、図19は図21を上偏光板9側から見たときの下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図、図20は同じく上偏光板の吸収軸と各位相差板の遅相軸の関係を示す平面図である。
このようなカラー液晶表示装置は、例えば特開平8−15691号公報に開示されている。
【0015】
このカラー液晶表示装置は、図21に示すように液晶素子21(図18の液晶素子20とツイスト角は同じだがセルギャップが異なる)と、それを挾んで配置された下偏光板8と上偏光板9とからなる一対の偏光板と、液晶素子21と上偏光板9との間に配置された、第1の位相差板15および第2の位相差板16と、下偏光板8の外側に配置された反射板11とによって構成されている。
【0016】
そして、一対の偏光板8,9の吸収軸(あるいは透過軸)はほぼ直交して配置されている。ここで、前記液晶素子21のツイスト角は250゜であり、図19に矢印付き破線で示す下偏光板8の吸収軸8aは、第1の基板1の液晶の配向方向である下液晶分子配向方向7aと45゜の角度をなし、図20に破線で示す第2の位相差板16の遅相軸16aは、液晶素子21の上液晶分子配向方向7bに対し95゜に配置し、図20に矢印付き実線で示す上偏光板9の吸収軸9aは、第1の位相差板15の遅相軸15aと15゜の角度をなすように配置されている。
【0017】
また、前述した液晶素子21のΔnd値は1530nm〜1730nmである。また、第1の位相差板15のリタデ−ション(retardation)値は1600nmで、第2の位相差板16のリタデ−ション値は1550nmである。
【0018】
上偏光板9の吸収軸9aと第1の位相差板15の遅相軸15aとが15゜の角度をなすように配置されているので、上偏光板9から入射した直線偏光は、第1の位相差板15と第2の位相差板16を通過すると楕円偏光状態となる。
しかし、液晶素子21の上液晶分子配向方向7bと第2の位相差板16の遅相軸16aとは約90゜ずれているので、第1の位相差板15と第2の位相差板16で発生した楕円偏光をほぼ元に戻し、直線偏光に戻って下偏光板8へ到達する。下偏光板8の吸収軸8aは上偏光板9の吸収軸9aとほぼ直交しているので、黒表示となる。
【0019】
ここで、第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加すると、ネマチック液晶7の分子が立ち上がり、液晶素子の見かけのΔnd値が減少する。従って、第1の位相差板16と第2の位相差板15で発生した楕円偏光状態を、液晶素子21で完全に打ち消すことができず、楕円偏光状態のままで下偏光板8に到達するので、特定の波長の光が透過し、複数の色が発生する。
【0020】
下偏光板8を透過した光は反射板11で反射され、再度、下偏光板8と液晶素子21と第2の位相差板16と第1の位相差板15と上偏光板9を透過して、上方へ射出するので、反射型カラ−表示となる。つまり、電圧無印加状態では黒であるが、印加電圧を大きくしていくと、白,赤,青,緑等の表示が可能になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際のカラー液晶表示装置では、液晶材料の複屈折の差Δnの光の波長毎の変化が、位相差板やねじれ位相差板の複屈折の差Δnの波長毎の変化と異なるので、上述したような従来の偏光板の配置では、良好な背景色や色彩が得られなかった。
【0022】
また、背景色を黒にして、文字の色を変化させるネガ表示に関しては、上偏光板9の吸収軸9a(または透過軸)と下偏光板8の吸収軸8a(または透過軸)を互いにほぼ直交に配置することによって可能であることが、前述の文献に開示されているが、ネガ表示における色彩の最適化の条件については開示されておらず、明るく彩度の良い色を表示するネガ表示が可能な反射型のカラー液晶表示装置は未だ実用化されていない。
【0023】
この発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、液晶素子と1枚の位相差板またはねじれ位相差板と偏光板等の配置角度を最適化し、背景色を黒や濃い色彩にして、色のついた文字や図形を明るく高彩度で表示するネガ表示が可能な反射型のカラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、第1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2の基板からなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる液晶素子と、その液晶素子を挾んで上に配置した上偏光板と下に配置した下偏光板とからなる一対の偏光板と、上記液晶素子と上偏光板との間に配置された位相差板とを備えたカラー液晶表示装置において、その位相差板がねじれ位相差板の場合には、次のように構成することを特徴とする。
【0025】
すなわち、上記一対の偏光板のそれぞれの吸収軸のなす角度は60゜〜120゜であり、上記ねじれ位相差板のツイスト方向が前記液晶素子のツイスト方向に対して逆向きであり、上記ネマチック液晶の複屈折の差Δnと上記一対の基板の間隔dとの積で表す上記液晶素子のΔnd値は1500nm〜1800nmであり、上記ねじれ位相差板の複屈折の差Δnと厚さdとの積で表す該ねじれ位相差板のΔnd値はその液晶素子のΔnd値と等しい。
さらに、上記上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の上分子配向方向との配置角度が35°〜40°、または50°〜55°であり、上記上偏光版から入射した直線偏光が、上記ねじれ位相差板で楕円偏光となり、その楕円偏光が電圧無印加状態では上記液晶素子を通過して再度直線偏光となり、その直線偏光が上記下偏光板に吸収されて、上記上偏光板と 下偏光板との直交色の表示となるように、上記下偏光板の吸収軸を配置したことを特徴とする。
【0026】
上記液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板のΔnd値を共に1500nm〜1800nmの等しい値にする代わりに、ねじれ位相差板のツイスト角の絶対値を液晶素子のツイスト角の絶対値より5°〜30゜大きくするようにしてもよい。
【0027】
【0028】
この発明はまた、前記前提となるカラー液晶表示装置において、前記位相差板がねじれ位相差板でない場合には、次のように構成すればよい。
【0029】
上記下偏光板の吸収軸と液晶素子の下液晶分子配向方向とのなす角度を35゜±10゜の範囲とし、上記液晶素子のΔnd値を1500nm〜1800nmとし、上記位相差板のリタデーション値を、その液晶素子のΔnd値より50〜200nm大きくする。
【0030】
あるいは、上記液晶素子のΔnd値を1300nm〜1600nmとし、上記位相差板のリタデーション値を、その液晶素子のΔnd値より300〜500nm大きくしてもよい。
このようなカラー液晶表示装置において、上記位相差板として、その位相差板の遅相軸の屈折率nxと、y軸方向の屈折率nyと、z軸方向の屈折率nzとが、nx>nz>ny の関係にある2軸性の位相差板を使用するとよい。
【0031】
これらのいずれのカラー液晶表示装置においても、液晶素子に対して位相差板と反対側に配置されている下偏光板の外側に反射板を設けるとよい。
あるいは、上記一対の偏光板の一方または両方を、染料を染色することによって製造されたカラー偏光板にしてもよい。
さらに、上記位相差板を、そのリタデーション値が温度により可変する温度補償型の位相差板にしてもよい。
【0032】
(作 用)
この発明によるカラー液晶表示装置では、上偏光板から入射した直線偏光がねじれ位相差板に入り楕円偏光となる。電圧無印加状態では、液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板のΔnd値が等しいので、この楕円偏光が液晶素子により直線偏光に戻る。下偏光板と上偏光板とからなる一対の偏光板の吸収軸のなす角度は60゜〜120゜であるから、液晶素子から出た直線偏光は下偏光板で吸収され、上偏光板と下偏光板との直交色(一般には黒)の表示となる。
【0033】
この発明による他のカラー液晶表示装置では、上偏光板から入射した直線偏光が位相差板に入り、上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸が45゜に配置されているので楕円偏光となる。液晶素子の上分子配向方向と、位相差板の遅相軸が85゜と、ほぼ直交状態に配置されているので、液晶素子は位相差板で発生した楕円偏光をうち消すように作用する。
【0034】
しかし、液晶素子はツイストしているので、位相差板で発生した楕円偏光状態を完全にうち消すためには、液晶素子のΔnd値と位相差板のリタデ−ション値に上述し差を設け、さらに下偏光板吸収軸と下液晶分子配向方向との交差角度を35゜±10゜の範囲とすることによって、電圧無印加状態では完全に直線偏光に戻り黒表示となる。
【0035】
いずれの場合にも、液晶素子の第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加すると、液晶素子の見かけのΔnd値が減少し、ねじれ位相差板あるいは位相差板で発生する楕円偏光は完全に直線偏光には戻らず、下偏光板を一定の波長の光だけが透過し、カラー表示が可能になる。
【0036】
上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の上分子配向方向との配置角度を35゜〜40゜あるいは、50゜〜55゜に配置することによって、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性と液晶の複屈折の差Δnの波長依存性との差により発生する背景色の黒さの低下と、表示色の彩度低下とを補正することができ、配置角度を45゜にした場合より好ましい。
【0037】
また、下偏光板の吸収軸と液晶素子の下液晶分子配向方向との配置角度を35゜〜40゜あるいは、50゜〜55゜に配置することによっても、同様にねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性と液晶素子の複屈折の差Δnの波長依存性との差により発生する背景色の黒さの低下と、表示色の彩度低下とを補正することができ、配置角度を45゜にした場合より好ましい。
【0038】
さらに、いずれの場合にも、液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板のΔnd値とを1500nm〜1800nmに設定することによって、僅かな印加電圧の差で、みかけのΔnd値が大きく変化するため、黒から最終色の緑まで変化させることが可能となり、時分割駆動でも複数色の表示が可能になる。
【0039】
ねじれ位相差板を使用する場合には、そのツイスト方向を液晶素子のツイスト方向に対して逆向きとし、且つねじれ位相差板のツイスト角の絶対値を液晶素子のツイスト角の絶対値より大きくすることによって、液晶素子の複屈折の差Δnの波長依存性と、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性を補正し、背景色の黒さが改善され、さらに表示色も明るくなり、より良好なネガ表示が可能になる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施するための最適な実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0041】
(第1の実施形態:図1〜図4)
まず、この発明によるカラー液晶表示装置の第1の実施形態を図1乃至図4によって説明する。
図3はそのカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図であり、図1は図3を上偏光板9側から見たときの下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図、図2は同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図、図4は色度図である。
【0042】
このカラー液晶表示装置の構造は、図16乃至図18に示した従来のカラー液晶表示装置と同じではないが、基本的な構成は共通しているので、説明の便宜上図1乃至図3において図16乃至図18の各部と対応する部分には同一の符号を付している。
【0043】
この第1の実施形態のカラー液晶表示装置は、図3に示すように、第1の電極2と配向膜3が形成されている厚さ0.7mm のガラス板からなる第1の基板1と、第2の電極5と配向膜6が形成されている厚さ0.7mm のガラス板からなる第2の基板4とからなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶7を挟持して液晶素子22を構成している。第1の電極2および第2の電極5は、ITO(酸化インジウム錫)からなる透明電極である。
【0044】
この液晶素子22に使用するネマチック液晶の複屈折の差Δnは0.2 で、第1の基板1と第2の基板4の隙間であるセルギャップdは8μmとする。したがって、ネマチック液晶7の複屈折の差Δnとセルギャップdとの積で表す液晶素子22のΔnd値は、1600nmである。
【0045】
第1の基板1の配向膜3は、図1に示す下液晶分子配向方向7aと平行にラビング処理をしてあり、第2の基板4の配向膜6は、上液晶分子配向方向7bと平行にラビング処理がなされている。
粘度20cpのネマチック液晶には、カイラル材と呼ばれる旋回性物質を添加し、ねじれピッチPを16μmに調整し、d/P=0.5 とし、左回り240゜ツイストの液晶素子を形成する。
【0046】
そして、この液晶素子22を挾んで上に配置した上偏光板9と下に配置した下偏光板8とからなる一対の偏光板と、液晶素子22と上偏光板9との間に配置されたねじれ位相差板10とを備えている。
ねじれ位相差板10は、相転移温度が高いコレステリック液晶ポリマーをトリ・アセチル・セルローズ(TAC)フィルムの上に塗布し、高温下で配向処理した後、急冷して固形化したもので、液晶と同様にねじれを持ったフィルムである。
ねじれ位相差板10を第2の基板4と上偏光板9の間に配置し、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnと厚さdとの積で表すねじれ位相差板のΔnd値を1600nmに設定する。
【0047】
また、図2に示すねじれ位相差板10の下分子配向方向10aは、液晶素子22の上液晶分子配向方向7bから90゜ずれた位置にくるように配置し、ねじれ位相差板10の上分子配向方向10bは、液晶素子22のツイスト角と逆回りになるように右回り240゜ツイストとする。
下偏光板8は、液晶素子22の第1の基板1の外側に配置し、上偏光板9はねじれ位相差板10の外側に配置する。
【0048】
そして、図2に示す上偏光板9の吸収軸9aは、ねじれ位相差板10の上分子配向方向10bと35゜の角度をなすように配置し、図1に示す下偏光板8の吸収軸8aは、液晶素子22の下液晶分子配向方向7aと55゜の角度をなすように配置し、上下一対の偏光板8,9の交差角は70゜をなしている。
また、下偏光板8を透過したカラー光を反射する反射板11は、下偏光板8の外側に配置する。
【0049】
以上のように構成したカラー液晶表示装置において、電圧無印加の状態では、上偏光板9より入射した直線偏光は、ねじれ位相差板10の複屈折性により楕円偏光となるが、ねじれ位相差板10のΔnd値と液晶素子22のΔnd値が等しいので、液晶素子22により直線偏光に戻る。この時、上偏光板9の吸収軸9aと下偏光板8の吸収軸8aが70゜の角度で交差しているので、光は下偏光板8を透過せず(吸収され)、上偏光板と下偏光板の直交色である黒表示となる。
【0050】
次に、第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加すると、ネマチック液晶7の分子が立ち上がり、液晶素子22のみかけのΔnd値が減少する。そのため、ねじれ位相差板10で発生した楕円偏光は、液晶素子22を通過しても完全な直線偏光には戻らない。従って、楕円偏光状態で下偏光板8に到達し、特定の波長の光が下偏光板8を透過してカラー光となる。
下偏光板8を透過したカラー光は、反射板11によって反射され、再度、液晶素子22とねじれ位相差板10と上偏光板9を透過して上方へ射出し、ネガ型のカラー表示を行う。
【0051】
図4は色度図であり、実線で示す曲線30は、この第1の実施形態のカラー液晶表示装置において、印加電圧を無印加状態から徐々に増加していく際の色彩変化を表している。
電圧無印加ではほぼ無彩色の黒であるが、電圧を印加すると、一旦白になった後、黄色を経て赤、次に青、最後に緑表示となる。
【0052】
上偏光板9の吸収軸9aとねじれ位相差板10の上分子配向方向10bとを35゜の角度で配置し、下偏光板8の吸収軸8aと液晶素子22の下液晶分子配向方向7aとを55゜の角度で配置することによって、液晶素子22の複屈折の差Δnの波長依存性と、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性の違いを補正し、良好な黒背景を得るとともに良好で明るい色彩を得ることができる。
特に、黒背景のネガ表示では、画素周辺からの入射光も遮ってしまうため、暗い表示になってしまうので、表示色は明るい方が好ましい。
【0053】
しかし、この発明によるカラー液晶表示装置における上偏光板9の吸収軸9aとねじれ位相差板10の上分子配向方向10bとのなす角度は、35゜に限るものではなく、35゜〜40゜あるいは50゜〜55゜に配置することによって、液晶素子の複屈折の差Δnの波長依存性と、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性の違いを補正し、良好で明るい色彩を得ることができる。
【0054】
また、上偏光板9と下偏光板8との交差角度を70゜よりさらに小さくすると、表示色は明るくなるが、背景色の黒も薄くなってしまうので、上偏光板9と下偏光板8との交差角度は、60゜〜120゜に配置するのが好ましい。
【0055】
さらに、この実施形態では、液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板のΔnd値を1600nmに設定したが、1500nm〜1800nmの等しい値に設定することによっても、ほぼ同様な効果が得ることができる。
液晶素子のΔnd値を1500nmより小さくすると、液晶の急峻性が低下し、時分割駆動がしにくくなり、好ましくないが、低分割駆動やアクティブマトリクス駆動であれば利用可能である。
【0056】
液晶素子のΔnd値及びねじれ位相差板のΔnd値を1800nmより大きくすると、セルギャップdを厚くするために、液晶素子の応答時間が遅くなる上、製造上の問題でねじれ位相差板10の特性が低下するため好ましくない。
【0057】
この実施形態では、液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板のΔnd値を同じにしたが、液晶素子のΔnd値をねじれ位相差板のΔnd値より大きくすることも可能である。液晶素子のΔnd値をねじれ位相差板のΔnd値より約50nm大きくすると、高温で液晶素子のΔnd値が減少し、ねじれ位相差板のΔnd値と等しくなり、高温特性が改善される。
【0058】
また、この実施形態では、液晶素子として240゜ツイストのSTN(スーパーツイステッドネマチック)液晶素子を用いたが、約90゜ツイストのTN(ツイステッドネマチック)液晶素子や、180゜ツイスト以上のSTN液晶素子を用いても、同様な効果を得ることが可能である。
【0059】
さらに、この実施の形態では、ねじれ位相差板として、室温ではねじれ状態が固定化している液晶ポリマーからなる位相差板を用いたので、温度が変化してもΔnd値は変化しないが、液晶分子の1部を鎖状のポリマー分子に結合させた状態でツイスト配向処理をした温度補償型のねじれ位相差板は、Δnd値が温度により可変する。
【0060】
この温度補償型のねじれ位相差板を用いると、温度による液晶素子のΔnd値の変化に、ねじれ位相差板のΔnd値の変化が追従する。その結果、背景色の温度による色変化が押さえられ、使用温度範囲が拡大するので、さらに好ましい。
【0061】
(第2の実施形態:図5〜図8)
次に、この発明によるカラー液晶表示装置の第2の実施形態を図5乃至図8によって説明する。
図7はそのカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図であり、図5は図7を上側から見たときの下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図、図6は同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図、図8は色度図である。
【0062】
図5乃至図7において、図1乃至図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この第2の実施形態のカラー液晶表示装置は、ねじれ位相差板のツイスト角と、上偏光板の材質と、反射板の特性とが第1の実施形態と異なる構成となっており、さらにバックライトを具備している。
【0063】
このカラー液晶表示装置における液晶素子22の構成は、前述の第1の実施形態の液晶素子22と同じであり、ネマチック液晶7の複屈折の差Δnは0.2 で、第1の基板1と第2の基板4の隙間であるセルギャップdは8μmで、液晶素子22のΔnd値は1600nmである。
【0064】
第1の基板1の配向膜3は、図5に示す下液晶分子配向方向7aと平行にラビング処理をしてあり、第2の基板4の配向膜6は、上液晶分子配向方向7bと平行にラビング処理がなされている。粘度20cpのネマチック液晶には、カイラル材と呼ぶ旋回性物質を添加し、ねじれピッチPを16μmに調整し、d/P=0.5 とし、左回り240゜ツイストの液晶素子22を形成する。
【0065】
ねじれ位相差板10は、相転移温度が高いコレステリック液晶ポリマーをTACフィルムの上に塗布し、高温下で配向処理後、急冷して固形化したもので、液晶と同様にねじれを持ったフィルムである。このねじれ位相差板10を液晶素子22の第2の基板4の外側に配置し、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnと厚さdとの積で表すねじれ位相差板のΔnd値を1600nmに設定する。
【0066】
また、図6に示すねじれ位相差板10の下分子配向方向10aは、図5に示す液晶素子22の上液晶分子配向方向7bから90゜ずれた位置にくるように配置する。図6に示すねじれ位相差板10の上分子配向方向10bは、液晶素子22のツイスト角と逆回りになるように右回り250゜ツイストとなるように配置する。
【0067】
下偏光板8は、液晶素子22の第1の基板1の外側に配置し、上偏光板として青のカラー偏光板12を、ねじれ位相差板10の外側に配置している。その、カラー偏光板12の図6に示す吸収軸12aは、ねじれ位相差板10の上分子配向方向10bと40゜の角度をなして配置し、図5に示す下偏光板8の吸収軸8aは、液晶素子22の下液晶分子配向方向7aと55゜の角度をなして配置し、下偏光板8とカラー偏光板12との交差角は65゜をなしている。
【0068】
第1の実施形態で用いた上偏光板9及び下偏光板8は、延伸したPVAにヨウ素を染色し、TACフィルムで挟んだものであるが、カラー偏光板12は、ヨウ素の代替えとして2色性色素を染色した偏光板である。通常カラー偏光板を平行に2枚配置すると、染料の色を薄く示すがほぼ白色となり、カラー偏光板を直交に2枚配置すると、はっきりと染料の色彩を示す。
この実施形態で採用した青のカラー偏光板12を平行に2枚配置すると、薄い青みを帯びた白であるが、直交に配置すると紺色となる。
【0069】
図7に示すように、半透過反射板13が下偏光板8の外側に配置され、さらに白色発光のエレクトロ・ルミネッセンス(EL)を用いたバックライト14が半透過反射板13の外側に配置されている。
以上の構成によって、反射型と透過型との兼用カラー液晶表示装置になっている。通常は反射型カラー液晶表示装置として使用するが、照明の暗い夜間には、バックライト14を点灯し、透過型カラー液晶表示装置として使用できる。
【0070】
この第2の実施形態のカラー液晶表示装置は、電圧無印加の状態では、第1の実施形態の場合と同様な作用により、偏光板8,9の直交色である黒に代わって、カラー偏光板12の直交色である紺色を示すが、液晶素子に電圧を印加すると、薄い青みを帯びた白を経て、赤紫、青、青緑を示すネガ型のカラー表示となる。
図8はその色度図であり、実線で示す曲線31はこの第2の実施形態のカラー液晶表示装置による電圧印加による色彩の変化を示す。
【0071】
この実施形態の場合は、カラー偏光板12により常に青の光が多少漏れているので、通常の偏光板で構成した場合より表示色の彩度は低下するが、図6に示すカラー偏光板12の吸収軸12aとねじれ位相差板10の上分子配向方向10bとのなす角度を35゜〜40゜あるいは50゜〜55゜に配置することによって、液晶素子の複屈折の差Δnの波長依存性と、ねじれ位相差板10の複屈折の差Δnの波長依存性の違いを補正し、良好で明るい色彩を得ることができる。
【0072】
さらに、ねじれ位相差板10のツイスト角の絶対値を液晶素子22のツイスト角の絶対値より10゜大きくしたことにより、彩度の低下を抑え、表示色の明るさをさらに改善でき、良好なネガ型カラー表示装置を提供できる。
【0073】
この実施形態ではまた、下偏光板8とカラー偏光板12との交差角を65゜にしたが、交差角をさらに小さくすると、表示色は明るくなるが、背景色の黒も薄くなってしまうので、60゜〜120゜が好ましい。
【0074】
この実施形態では、ねじれ位相差板10のツイスト角を250゜にしたが、このツイスト角をさらに大きくすると、表示色は明るくなるが、背景色の黒が薄くなってしまう。したがって、ねじれ位相差板10のツイスト角の絶対値は、液晶素子22のツイスト角の絶対値より5゜〜30゜大きく設定することが好ましい。
【0075】
また、この実施形態では、液晶素子のΔnd値とねじれ位相差板10のΔnd値を1600nmに設定したが、1500nm〜1800nmの等しい値に設定することによっても、ほぼ同様な効果が得ることができる。液晶素子のΔnd値を1500nmより小さくすると、液晶の急峻性が低下し、時分割駆動がしにくくなり、好ましくないが、ねじれ位相差板10のツイスト角の絶対値を液晶素子のツイスト角の絶対値より大きくすることによる色彩改善の効果は同様に得られ、低分割駆動やアクティブマトリクス駆動であれば、利用可能となる。
【0076】
さらに、液晶素子のΔnd値及びねじれ位相差板のΔnd値を1800nmより大きくすると、セルギャップdを厚くするために、液晶素子の応答時間が遅くなる上、製造上の問題でねじれ位相差板10の特性が低下し、好ましくないが、ねじれ位相差板10のツイスト角の絶対値を液晶素子22のツイスト角の絶対値より大きくすることによる色彩改善の効果は同様に得られる。
【0077】
この実施形態では、青のカラー偏光板を使用したが、赤や緑や紫等の他の色のカラー偏光板や、勿論普通のノーマル色のヨウ素系偏光板を使用した場合でも、ねじれ位相差板のツイスト角の絶対値を液晶のツイスト角の絶対値より大きくすることによって色彩改善の効果は得られる。
【0078】
(第3の実施形態:図9〜図12)
次に、この発明によるカラー液晶表示装置の第3の実施形態について図9乃至図12によって説明する。
図11はそのカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図であり、図9はその上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図、図10は上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸の関係を示す平面図である。図12はこのカラー液晶表示装置による色度図である。
【0079】
これらの図において、図1乃至図3と対応する部分には同一の符号を付している。この第3の実施形態においては、第1,第2の実施形態において使用したねじれ位相差板10に代えて位相差板17を使用している。
【0080】
このカラー液晶表示装置における液晶素子23も、図3によって説明した第1の実施形態の液晶素子22と殆ど同じ構成である。但し、ネマチック液晶7の複屈折の差Δnは0.21 で、第1の基板1と第2の基板4の隙間であるセルギャップdは8μmであり、このネマチック液晶7の複屈折の差Δnとセルギャップdとの積で表す液晶素子のΔnd値は、1680nmである。
【0081】
第1の基板1の配向膜3は、図7に示す下液晶分子配向方向7aに平行にラビング処理をしてあり、第2の基板4の配向膜6は、上液晶分子配向方向7bに平行にラビング処理がなされている。粘度20cpのネマチック液晶には、カイラル材と呼ぶ旋回性物質を添加し、ねじれピッチPを16μmに調整し、d/P=0.5 とし、左回り240゜ツイストの液晶素子を形成する。
【0082】
図11に示す位相差板17は、ポリカーボネートフィルムを1軸延伸したフィルムである。従って、この位相差板17の図10に示す遅相軸17aの屈折率をnx、その遅相軸17aと直交するy軸方向の屈折率をny、厚さ方向であるz軸方向の屈折率をnzと定義すると、nx>ny=nz となっている。
【0083】
この位相差板17を液晶素子23の第2の基板4の外側に配置する。そして、この位相差板17のリタデーション値は1800nmに設定する。従って、位相差板17のリタデーション値は、液晶素子23のΔnd値より120nm大きくなっている。また、この位相差板17の遅相軸17aは、液晶素子23の上液晶分子配向方向7bから85゜ずれた位置にくるように配置する。
【0084】
図11に示す下偏光板8は、液晶素子23の第1の基板1の外側に配置し、上偏光板9は位相差板17の外側に配置する。図10に示す上偏光板9の吸収軸9aは、位相差板17の遅相軸17aに対して左回り45゜に配置し、図9に示す下偏光板8の吸収軸8aは、液晶素子23の下液晶分子配向方向7aに対して左回り35゜に配置し、上下一対の偏光板8,9の交差角は45゜をなしている。
また、下偏光板8を透過したカラー光を反射する反射板11は、下偏光板8の外側に配置されている。
【0085】
このように構成したこの発明の第3の実施形態のカラー液晶表示装置において、電圧無印加の状態では、上偏光板9より入射した直線偏光は、位相差板17の複屈折性により楕円偏光となるが、位相差板17のリタデ−ション値と液晶素子23のΔnd値に差を設け、一対の偏光板8,9の配置角を最適化したので、液晶素子23により直線偏光に戻る。この時、下偏光板8の吸収軸8aと上偏光板9の吸収軸9aの配置関係が上述のようなっていると、直線偏光は下偏光板8を透過せず(吸収され)、上偏光板と下偏光板の直交色である黒表示となる。
【0086】
次に、液晶素子23の第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加すると、ネマチック液晶7の分子が立ち上がり、みかけの液晶素子のΔnd値が減少する。そのため、位相差板17で発生した楕円偏光は、液晶素子23を通過しても完全な直線偏光には戻らない。そのため、楕円偏光状態で下偏光板8に到達し、特定の波長の光が下偏光板8を透過してカラー光となる。
下偏光板8を透過したカラー光は、反射板11によって反射され、再度、液晶素子23と位相差板17と上偏光板9を透過して上方に射出し、ネガ型のカラー表示を行う。
【0087】
図12の色度図において、実線で示す曲線32はこの第3の実施形態のカラー液晶表示装置で、印加電圧を無印加状態から徐々に増加していく際の色彩変化を表している。電圧無印加では、ほぼ無彩色の黒であるが、電圧を印加すると、一旦白になった後、黄色を経て赤、次に青、最後に緑表示となる。
【0088】
下偏光板8の吸収軸8aと液晶素子23の下液晶分子配向方向7aとを、図9に示したように35゜の交差角で配置することによって、液晶素子23の複屈折の差Δnの波長依存性と、位相差板17のリタデ−ション値の波長依存性の違いを補正し、良好な黒背景を得るとともに、良好で明るい色彩を得ることができる。
特に、黒背景のネガ表示では、画素周辺からの入射光も遮ってしまうため、暗い表示になってしまうので、表示色は明るい方が好ましい。
【0089】
下偏光板8の吸収軸8aと液晶素子23の下液晶分子配向方向7aとの交差角度を35゜よりさらに小さくすると、表示色は明るくなるが、背景色の黒も薄くなってしまうので、下偏光板8の吸収軸8aと下液晶分子配向方向7aとの交差角度は、25゜〜45゜に配置するのが好ましい。
【0090】
また、この実施形態では、液晶素子のΔnd値を1680nmに設定したが、1500nm〜1800nmに設定することで、ほぼ同様な効果が得ることができる。その場合も位相差板17のリタデーション値は、液晶素子23のΔnd値より、50〜200nm大きくする必要がある。
【0091】
液晶素子のΔnd値を1500nmより小さくすると、液晶の急峻性が低下し、時分割駆動がしにくくなり、好ましくないが、低分割駆動やアクティブマトリクス駆動であれば、利用可能となる。また、液晶素子のΔnd値を1800nmより大きくすると、セルギャップdを厚くするため、液晶素子の応答時間が遅くなる上、製造上の問題で位相差板17の特性が低下し、好ましくない。
位相差板17のリタデーション値と液晶素子のΔnd値との差は、50nmより小さくても、200nmより大きくなっても、背景色の黒が薄くなり、好ましくない。
【0092】
また、この実施形態では、上偏光板9の吸収軸9aを位相差板17の遅相軸17aに対して左回り45゜に配置したが、上偏光板9の吸収軸9aを位相差板17の遅相軸17aに対して右回り45゜に配置すると、電圧無印加状態で白表示となり、電圧を印加すると、黒、青、緑、赤とポジ表示型のカラー表示装置となる。
【0093】
さらに、この実施形態では、液晶素子として240゜ツイストのSTN(スーパーツイステッドネマチック)液晶素子を用いたが、約90゜ツイストのTN(ツイステッドネマチック)液晶素子や、180゜ツイスト以上のSTN液晶素子を用いても、同様な効果を得ることができる。
【0094】
ところで、この実施形態では、位相差板17としてポリカーボネートフィルムからなる位相差板を用いたので、温度が変化してもリタデーション値は変化しないが、ポリカーボネートフィルムに液晶分子を含浸させたり、液晶分子の1部を鎖状のポリマー分子に結合させた温度補償型の位相差板は、リタデーション値が温度により可変する。
この温度補償型の位相差板を用いると、温度による液晶セルのΔnd値の変化に位相差板のリタデーション値の変化が追従する。その結果、背景色の温度による色変化が押さえられ、使用温度範囲が拡大するのでさらに好ましい。
【0095】
(第4の実施形態:図13〜図15)
次に、この発明によるカラー液晶表示装置の第4の実施形態について図13乃至図15によって説明する。
図14はそのカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図であり、図13はその上側から見た上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸の関係を示す平面図、図15はこのカラー液晶表示装置による色度図である。
なお、下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図は、図9と同じであるため省略する。また、図14において、図7と対応する部分には同一の符号を付している。
【0096】
この第4の実施形態のカラー液晶表示装置が、前述の第3の実施形態のカラー液晶表示装置と相違するのは、液晶素子24のΔnd値と、位相差板18の材質およびリタデーション値と、上偏光板9の配置角度と、反射板13に代えて半透過反射板13を設けたことであり、さらにバックライト14を具備している。
【0097】
このカラー液晶表示装置における液晶素子24も、図3によって説明した第1の実施形態の液晶素子22と殆ど同じ構成である。但し、ネマチック液晶7の複屈折の差Δnは0.21 で、第1の基板1と第2の基板4の隙間であるセルギャップdは7μmであり、このネマチック液晶7の複屈折の差Δnとセルギャップdとの積で表す液晶素子のΔnd値は、1470μmである。
【0098】
第1の基板1の配向膜3は、図9に示した下液晶分子配向方向7aに平行にラビング処理をしてあり、第2の基板4の配向膜6は、上液晶分子配向方向7bに平行にラビング処理がなされている。粘度20cpのネマチック液晶には、カイラル材と呼ぶ旋回性物質を添加し、ねじれピッチPを14μmに調整し、d/P=0.5 とし、左回り240゜ツイストの液晶素子を形成する。
【0099】
位相差板18は、ポリカーボネートを2軸延伸したフィルムで、その位相差板18の図13に示す遅相軸18aの屈折率をnx、遅相軸18aに直交するy軸方向の屈折率をny、厚み方向であるz軸方向の屈折率をnzと定義すると、
nx>nz>ny となっている。
【0100】
この2軸性の位相差板18は、y軸方向を軸として、位相差板18を傾けた場合のリタデーション値の変化量が、第3の実施形態で使用した1軸延伸の位相差板17よりも少ないので、カラ−液晶表示装置としても、視角変化による色彩変化が少なくなり、視野角特性が向上するので好ましい。
【0101】
図14に示すように、この位相差板18を液晶素子24の第2の基板4の外側に配置し、そのリタデーション値を1850nmに設定する。つまり、位相差板18のリタデーション値を液晶素子24のΔnd値(1470nm)より380nm大きく設定する。また、図13に示す位相差板18の遅相軸18aは、液晶素子24の上液晶分子配向方向7b(図9参照)から85゜ずれた位置にくるように配置する。
【0102】
下偏光板8は、液晶素子24の第1の基板1の外側に配置し、上偏光板9は位相差板18の外側に配置する。図13に示す上偏光板9の吸収軸9aは、位相差板18の遅相軸18aと右回り45゜に配置し、下偏光板8の吸収軸8aは液晶素子24の下液晶分子配向方向7aと左回り35゜(図9参照)に配置し、上下一対の偏光板8,9の交差角は45゜をなしている。
【0103】
半透過反射板13は、下偏光板8の外側に配置し、さらに、白色発光のELを用いたバックライト14を半透過反射板13の外側に配置している。
この構成によって、この第4の実施形態のカラー液晶表示装置は、反射型と透過型の兼用カラー液晶表示装置になっている。すなわち、通常は反射型カラー液晶表示装置として使用するが、照明の暗い夜間には、バックライト14を点灯して透過型カラー液晶表示装置として使用できる。
【0104】
この実施形態のカラー液晶表示装置において、電圧無印加の状態では、上偏光板9より入射した直線偏光は、位相差板18の複屈折性により楕円偏光となるが、位相差板18のリタデ−ション値と液晶素子24のΔnd値に差を設け、偏光板8,9の配置角を最適化したことにより、液晶素子24により直線偏光に戻る。
この時、下偏光板8の吸収軸8aと上偏光板9の吸収軸9aの配置関係が上述のようになっていると、直線偏光は下偏光板8を透過せず(吸収され)、上偏光板と下偏光板の直交色である黒表示となる。
【0105】
そして、液晶素子24に電圧を印加すると、その電圧に応じて青、緑、赤を示すネガ型のカラー表示となる。
図15の色度図において実線で示す曲線33は、この実施形態のカラー液晶表示装置において、液晶素子24への印加電圧を無印加状態から徐々に増加していく際の色彩変化を表している。電圧無印加では、ほぼ無彩色の黒であるが、電圧を印加すると、青、緑を経て、最後に赤表示となる。
【0106】
下偏光板8の吸収軸8aと液晶素子24の下液晶分子配向方向7aとを35゜に配置することによって、液晶素子の複屈折の差Δnの波長依存性と、位相差板12のリタデ−ション値の波長依存性の違いを補正し、良好な黒背景を得るとともに、良好で明るい色彩を得ることができる。
特に、黒背景のネガ表示では、画素周辺からの入射光も遮ってしまうため、暗い表示になってしまうので、表示色は明るい方が好ましい。
【0107】
下偏光板8の吸収軸8aと下液晶分子配向方向7aとの交差角度を35゜よりさらに小さくすると、表示色は明るくなるが、背景色の黒も薄くなってしまうので、下偏光板の吸収軸8aと下液晶分子配向方向7aとの交差角度は、25゜〜45゜に配置するのが好ましい。
【0108】
また、この実施形態では、液晶素子24のΔnd値を1470nmに設定したが、1300nm〜1600nmに設定することで、ほぼ同様な効果が得ることができる。その場合も位相差板18のリタデーション値は、液晶素子24のΔnd値より、300〜500nm大きくする必要がある。
【0109】
液晶素子24のΔnd値を1300nmより小さくすると、液晶の急峻性が低下し、時分割駆動がしにくくなり、好ましくないが、低分割駆動やアクティブマトリクス駆動であれば、利用可能となる。
また、液晶素子24のΔnd値を1600nmより大きくすると、最終表示色が赤から白に変わってしまい、さらに、位相差板18のリタデーション値は1900nm以上となり、製造上の問題で位相差板18の特性が低下し、好ましくない。
【0110】
位相差板18のリタデーション値と液晶素子24のΔnd値との差は、300nmより小さくても、500nmより大きくなっても、背景色の黒が薄くなり、好ましくない。
【0111】
また、この実施形態では、上偏光板9の吸収軸9aを位相差板18の遅相軸18aに対して右回り45゜に配置したが、上偏光板9の吸収軸9aを位相差板18の遅相軸18aに対して左回り45゜に配置すると、電圧無印加状態で白表示となり、電圧を印加すると、黄、青を経て、緑を表示するポジ表示型のカラー表示装置となる。
【0112】
液晶素子に使用可能な液晶の種類については、前述の各実施形態の場合と同様である。
上偏光板9及び下偏光板8は、延伸したポリビニールアルコール(PVA)にヨウ素を染色し、TACフィルムで挟んだものであるが、ヨウ素の代替えとして2色性色素を染色したカラ−偏光板を上下偏光板のうちどちらか1枚、あるいは両方に採用することで、表示色を変えることも可能である。
【0113】
通常カラー偏光板を平行に2枚配置すると、染料の色を薄く示すがほぼ白色となり、カラー偏光板を直交に2枚配置すると、はっきりと染料の色彩を示す。例えば、青のカラー偏光板を平行に2枚配置すると、薄い青みを帯びた白であるが、直交に配置すると紺色となる。
【0114】
この第4の実施形態のカラー液晶表示装置の上偏光板9を、青のカラ−偏光板に変更すると、電圧無印加の状態では、カラー偏光板の直交色である紺色を示すが、液晶素子に電圧を印加すると、青、青緑を経て、赤を示すネガ型のカラー表示となる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、背景色を黒や濃い色彩とし、明るく高彩度なネガ型のカラー表示が可能な反射型カラー液晶表示装置を、液晶素子と偏光板と位相差板1枚だけの単純な構成で提供できる。また、このカラー液晶表示装置を応用することによって、カラフルなデジタル腕時計用表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図3を上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図2】 同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図3】 この発明によるカラー液晶表示装置の第1の実施形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図4】 この発明の第1の実施形態おいて、液晶素子に印加する電圧を変化させたときの表示色の変化を説明するための色度図である。
【図5】 図7を上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図6】 同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図7】 この発明によるカラー液晶表示装置の第2の実施形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図8】 この発明の第2の実施形態おいて、液晶素子に印加する電圧を変化させたときの表示色の変化を説明するための色度図である。
【図9】 図11を上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図10】 同じく上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸の関係を示す平面図である。
【図11】 この発明によるカラー液晶表示装置の第3の実施形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図12】 この発明の第3の実施形態おいて、液晶素子に印加する電圧を変化させたときの表示色の変化を説明するための色度図である。
【図13】 図14を上側から見た上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸の関係を示す平面図である。
【図14】 この発明によるカラー液晶表示装置の第4の実施形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図15】 この発明の第4の実施形態おいて、液晶素子に印加する電圧を変化させたときの表示色の変化を説明するための色度図である。
【図16】 図18を上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図17】 同じく上偏光板の吸収軸とねじれ位相差板の分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図18】 ねじれ位相差板を使用した従来のカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図である。
【図19】 図21を上側から見た下偏光板の吸収軸と液晶素子の液晶分子配向方向の関係を示す平面図である。
【図20】 同じく上偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸の関係を示す平面図である。
【図21】 位相差板を使用した従来のカラー液晶表示装置の構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1:第1の基板 2:第1の電極
3,6:配向膜 4:第2の基板
5:第2の電極 7:ネマチック液晶
7a:下液晶分子配向方向
7b:上液晶分子配向方向
8:下偏光板 8a:下偏光板の吸収軸
9:上偏光板 9a:上偏光板の吸収軸
10:ねじれ位相差板
10a:ねじれ位相差板の下分子配向方向
10b:ねじれ位相差板の上分子配向方向
11:反射板 12:カラー偏光板
12a:カラー偏光板の吸収軸
13:半透過反射板 14:バックライト
17:1軸性の位相差板 17a:遅相軸
18:2軸性の位相差板 18a:遅相軸
20,21,22,23,24:液晶素子
Claims (9)
- 第1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2の基板からなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる液晶素子と、
該液晶素子を挾んで上に配置した上偏光板と下に配置した下偏光板とからなる一対の偏光板と、
前記液晶素子と前記上偏光板との間に配置された位相差板とを備え、
前記位相差板はねじれ位相差板であり、
前記一対の偏光板のそれぞれの吸収軸のなす角度は60゜〜120゜であり、
前記ねじれ位相差板のツイスト方向が前記液晶素子のツイスト方向に対して逆向きであり、
前記ネマチック液晶の複屈折の差Δnと前記一対の基板の間隔dとの積で表す前記液晶素子のΔnd値は1500nm〜1800nmであり、
前記ねじれ位相差板の複屈折の差Δnと厚さdとの積で表す該ねじれ位相差板のΔnd値は前記液晶素子のΔnd値と等しく、
前記上偏光板の吸収軸と前記ねじれ位相差板の上分子配向方向との配置角度が35°〜40°、または50°〜55°であり、
前記上偏光板から入射した直線偏光が、前記ねじれ位相差板で楕円偏光となり、該楕円偏光が電圧無印加状態では前記液晶素子を通過して再度直線偏光となり、該直線偏光が前記下偏光板で吸収されて、前記上偏光板と前記下偏光板との直交色の表示となるように、前記下偏光板の吸収軸を配置させた
ことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 第1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2の基板とからなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる液晶素子と、
該液晶素子を挾んで上に配置した上偏光板と下に配置した下偏光板とからなる一対の偏光板と、
前記液晶素子と前記上偏光板との間に配置された位相差板とを備え、
前記位相差板はねじれ位相差板であり、
前記一対の偏光板のそれぞれの吸収軸のなす角度は60゜〜120゜であり、
前記ねじれ位相差板のツイスト方向が前記液晶素子のツイスト方向に対して逆向きで、かつ前記ねじれ位相差板のツイスト角の絶対値が前記液晶素子のツイスト角の絶対値より5〜30゜大きく、
前記上偏光板の吸収軸と前記ねじれ位相差板の上分子配向方向との配置角度が35°〜40°、または50°〜55°であり、
前記上偏光板から入射した直線偏光が、前記ねじれ位相差板で楕円偏光となり、該楕円偏光が電圧無印加状態では前記液晶素子を通過して再度直線偏光となり、該直線偏光が前記下偏光板で吸収されて、前記上偏光板と前記下偏光板との直交色の表示となるように、前記下偏光板の吸収軸を配置させた
ことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 第1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2の基板とからなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる液晶素子と、
該液晶素子を挾んで上に配置した上偏光板と下に配置した下偏光板とからなる一対の偏光板と、
前記液晶素子と前記上偏光板との間に配置される位相差板とを備え、
前記下偏光板の吸収軸と前記液晶素子の下液晶分子配向方向とのなす角度が35°±10°の範囲であり、
前記ネマチック液晶の複屈折の差Δnと前記一対の基板の間隔dとの積で表す前記液晶素子のΔnd値は1500nm〜1800nmであり、
前記位相差板のリタデーション値が前記液晶素子のΔnd値より50〜200nm大きく、
前記上偏光板から入射した直線偏光が、前記ねじれ位相差板で楕円偏光となり、該楕円偏光が電圧無印加状態では前記液晶素子を通過して再度直線偏光となり、該直線偏光が前記下偏光板で吸収されて、前記上偏光板と前記下偏光板との直交色の表示となるように、前記下偏光板の吸収軸を配置させた
ことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 第1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2の基板とからなる一対の基板の間に、ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる液晶素子と、
該液晶素子を挾んで上に配置した上偏光板と下に配置した下偏光板とからなる一対の偏光板と、
前記液晶素子と前記上偏光板との間に配置される位相差板とを備え、
前記下偏光板の吸収軸と前記液晶素子の下液晶分子配向方向とのなす角度が35°±10°の範囲であり、
前記ネマチック液晶の複屈折の差Δnと前記一対の基板の間隔dとの積で表す前記液晶素子のΔnd値は1300nm〜1600nmであり、
前記位相差板のリタデーション値が前記液晶素子のΔnd値より300〜500nm大きく、
前記上偏光板から入射した直線偏光が、前記ねじれ位相差板で楕円偏光となり、該楕円偏光が電圧無印加状態では前記液晶素子を通過して再度直線偏光となり、該直線偏光が前記下偏光板で吸収されて、前記上偏光板と前記下偏光板との直交色の表示となるように、前記下偏光板の吸収軸を配置させた
ことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 請求項1記載のカラー液晶表示装置であって、
前記ねじれ位相差板のツイスト角の絶対値が前記液晶素子のツイスト角の絶対値より5°〜30°大きいことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラー液晶表示装置であって、
前記液晶素子に対して前記位相差板と反対側に配置されている偏光板の外側に反射板を設けたことを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラー液晶表示装置であって、
前記一対の偏光板の一方または両方が、染料を染色することによって製造されたカラー偏光板であることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラー液晶表示装置であって、
前記位相差板のΔndまたはリタデーション値が、温度により可変する温度補償型の位相差板であることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 請求項3又は4に記載のカラー液晶表示装置であって、
前記位相差板が、該位相差板の遅相軸の屈折率nxと、y軸方向の屈折率nyと、z軸方向の屈折率nzとが、nx>nz>nyの関係にある2軸性の位相差板であることを特徴とするカラー液晶表示装置。
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- 1998-06-08 JP JP15914198A patent/JP4137234B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1172784A (ja) | 1999-03-16 |
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